母親を隠そうとする大富豪

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(左 : World Economic Forumを創設したクラウス・ショワブ   /  右 : WEFに利用されたグレタ・トゥーンベリ )

  ゲームの達人というのは、競技に参加するプレイヤーではなく、そのルールを決める者である。競馬や競輪でも、一番儲けるのは胴元だ。世界経済も本質的には同じで、株式市場で丁半博打に没頭する者よりも、システムという枠組みを構築し、裏でグレイト・ゲームを操る奴の方が儲かっている。世界経済フォーラム(World Economic Forum / WEF)を主宰するクラウス・シュワブ(Klaus Martin Schwab)も、世界の政治・経済システムを再構築して儲けようとするビジネスマンなんだけど、本質的には巨大グローバリストの一味だ。

  クラウス・シュワブは「グレイト・リセット(Great Reset)」や「第四の産業革命(the Fourth Industrial Revolution)」といった標語を掲げている。しかし、彼がいったい、どんな素性の人物なのか、大学教授や経済評論家でも分からないというのだ。これは本当に奇妙である。これだけ世界的に有名なら、両親の家族や親戚、幼馴染みの友達から、彼の血統や家系の情報が漏れ伝わってくるはず。それなのに、クラウスの出生はおろか、両親の名前でさえ不確かなのだ。

  なぜ、クラウスの過去は濃い霧の中に埋もれているのか? それは彼が両親の素性、特に母親の正体を世間に知られたくないからだ。シュワブの家族については、マイケル・マッキベン(Michael McKibben)という発明家が暴いており、彼の調査は刮目に値する。このマッキベン氏は日本では無名だが、米国で「Leader Technology」という会社を運営するシステム開発者。彼はSNS関連の特許を巡り「フェイスブック」社と争っており、マーク・ザッカーバーグらの特許侵害を裁判に訴えているという。

   黒い霧で隠した真相はやがて明るみに出る。WEFを創設したクラウス・シュワブは1938年10月30日、ドイツのラーフェンスブルク(Revensburg)で生まれた。ここはドイツ南部に位置する土地で、近くのコンスタンツ(Konstanz)を経れば、直ぐスイスへ通じるし、ちょいと南に向かえばリヒテンシュタイン公国へ行くことができる。クラウスには1927年生まれのハンス(Hans Ernst Schwab)という兄がいて、アンナ・マリア・ロートシェール(Anna Maria Lortscher)という女性と結婚したというが、詳しい事は明らかにされていない。二人の父親はオイゲン・ウィルヘルム・シュワブ(Eugen Wilhelm Schwab)というドイツ人で、「エシャー・ウィス(Escher Wyss & Cie)」というスイスの企業に勤めていた。この会社はハンス・エシャー(Hans Casper Escher)とソロモン・フォン・ウィス(Solomon von Wyss)により設立された民間企業で、最初は繊維製造を行っていたが、徐々に機械製造へと手を伸ばし、1969年に「サルザー(Sulzer AG)」社に吸収されることで幕を閉じたという。

Eugen Schwab 002(左  / オイゲン・ウィルヘルム・シュワブ )
  問題なのはクラウスとハンスの母親で、今まで彼女の名前は一切表に出てこなかった。しかし、マッキベン氏の調査で、エマ・G・T・キリアン(Emma Gisela Tekelius Killian)という人物であると判った。そして、何と、彼女はユダヤ人であったのだ。これなら、有名になったクラウス・シュワブが、「どうして隠していたのか?」という理由が分かる。ユダヤ人女性のエマは1929年10月2日にオイゲン・シュワブと結婚し、二人の息子をもうけた。ところが、次男のクラウスが生まれた後、彼女はオイゲンと離婚してしまい、そのままアメリカへと移住したそうだ。詳しい事情は不明だが、鰥(やもめ)となったオイゲンは、離婚の年(1938年)にエリカ・エプレヒト(Erika Epprecht)なる女性と再婚した。実母エマの存在自体が「謎」というか「隠蔽」されていたので、クラウスの友人でさえ、継母のエリカを実母と思っていたらしい。でも、我が子を残して家を出るなんて、いったいエマに何が起こったのか?

  それはともかく、日本人は自己申告のプロフィールを鵜呑みにして信じやすい。ユダヤ人の中には自分の血筋を恥じているのか、両親の家系や血統を述べない者が多い。クラウス・シュワブは自身のプロフィールで「ドイツ人」とか「ドイツ出身」とだけ述べているが、こんなのは血筋を隠すための目くらましだ。我々は紹介された人物が「ゲルマン系のドイツ人」なのか、それともドイツで生まれ育ったユダヤ人なのか、あるいは父親がドイツ人でも母親がユダヤ人なのかを確認せねばならない。ドイツ国籍を持っているからといって「ゲルマン系の北方種族」とは限らない。宗教だって、両親や祖父母がカトリックかプロテスタントに鞍替えすれば、子や孫は「生まれながらのキリスト教と」になってしまうじゃないか。ヨーロッパ人の素性を知ることは場合によって難しく、地理的関係から、ゲルマン系ドイツ人の体にフランス人やチェコ人の血が流れていることもあるし、移住先のスイスから戻ってきた祖父とか、ネーデルラント出身の祖母がいても不思議じゃない。しかし、ユダヤ人やトルコ人の血が混ざっているとなれば話は別だ。

  日本でも、帰化鮮人の子供は「日本人」のフリをするから注意せねばならない。彼らは帰化申請の時、「金」とか「朴」という朝鮮名を捨てて、「木村」とか「新井」といった日本名を勝手に附けて、あたかも「生まれながらの日系日本人」みたいに振る舞っている。大坂で生まれ育った帰化鮮人は「大坂がめっちゃ好き !」と語るが、「皇室が大好き」とか「日本の歴史を勉強すると楽しくなる」といった感情は無い。帰化支那人ともなれば、「今だけ、金だけ、自分だけ」の原理で生きている。一般の日本人は日本人として生まれ育っているから、「日系人」という意識に欠けるが、段々と別の種族が同胞になっている事実は恐ろしい。それに、何とも忌々しいのは、帰化支那人や帰化鮮人が日本の旅券を持っていることだ。彼らが旅行先の外国で「日本人」と称されては、日系日本人にとっては甚だ迷惑。もし、朝鮮系国民がアメリカやヨーロッパで強姦事件や詐欺事件を起こして逮捕されれば、「日本人による犯行」と報道されるから、現地に住む日本人は真っ青になり、ヨーロッパ系の友人に「あの犯人は本当の日本人じゃないから、間違えないで !」と訂正することになる。朝鮮人の留学生だと、銃の乱射で大量殺人鬼になる場合があるから、安易な国籍付与は直ちに止めるべきだ。

核技術を輸出するブラック企業

  実母の存在を隠していたクラウス・シュワブは、父親の過去にも触れたくなかった。彼の父親であるオイゲン・シュワブは、スイス企業の「エシャー・ウィス」がラーフェンスブルクに設置したドイツ支店に勤めていた。1920年代のドイツは第一次大戦後のヴェルサイユ体制で散々痛めつけられたから、国内の軍需産業は衰退し、金融面でも苦しい立場にあった。その上、1929年の世界大恐慌が襲ってきたから、ドイツ経済は不況とハイパー・インフレに見舞われ、失業者が彼方此方に溢れる始末。こうした不況もあってか、エシャー・ウィスも次第に経営が苦しくなり、倒産の危機を迎える状況になっていたという。

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( 左と中央 : エシャー・ウィスの工場  /  右 : 兵器開発に力を入れたヒトラー総統)

  しかし、アドルフ・ヒトラーのナチ党が台頭すると、エシャー・ウィスは国家に貢献する企業となった。同社は「国家社会主義のモデル・カンパニー」へと変貌し、倒産の危機から脱出できたという。やがてエシャー・ウィスはドイツ国防軍に武器を供給する製造業者となり、水力発電のタービン技術を開発したり、戦闘機の生産にも従事するようになったそうだ。このスイス企業はノルウェーにある「ノリスク・ハイドロ(Norsk Hydro)」にも水力プラントの技術を提供していた。(Jonny Vedmore, Schwab Family Values, Unlimited Hangout, February 20, 2021.)

  これよりも更に特筆すべき点は、エシャー・ウィスがプルトニウムの生成に欠かせない重水(heavy water)を提供していたことだ。マンハッタン計画の内容をちょっと勉強した人なら知っていると思うが、プルトニウム生産用の原子炉で使われる減速材には黒鉛(graphite)が使われていた。この「グラファイト」は炭素原子が結晶化した物質で、その核は6つ陽子と6つの中性子から形成されている。したがって、炭素核は中性子1個よりも12倍重くなるから、核分裂から発生する高速中性子が炭素核にぶつかっても、たいして減速されることはない。高速中性子を減速させるには、高速中性子を多くの炭素核に何度も衝突させる必要がある。

  すると、一般人は気軽に「中性子の減速材には、陽子を多く含む物質、そう、水を使えばいいじゃん !」と言ってしまう。だが、普通の水を使ってしまうと、水分子が中性子を吸収してしまうのだ。中性子こそが核分裂連鎖反応を引き起こす粒子なんだから、その中性子が水に吸収されたら、その分だけ核分裂を起こす中性子の数が減ってしまうじゃないか。そこで、重水を使えば中性子を吸収する確率はグっと低くなり、ゼロに近くなる。また、減速材に重水を使うと天然ウランを濃縮しなくても、そのまま使って原子炉が働くからとても便利。ただし、重水は化学処理でわざわざ作らないといけないから、コストの面で非常に高くつく。

  ちなみに、普通の軽い水素(Hydrogen)、水素原子には陽子が1個で、核の周りを1個の電子が衛星みたいに軌道運動している。これが重たい水素原子、つまり重水素原子 (Deuterium)なると陽子1個と中性子1個がペアになっており、その周りを1個の電子が廻っている。そして、陽子1個に中性子2個がくっ付いて、電子1個が軌道運動をしているのが三重水素原子(Tritium)である。中学生の良い子に説明すると、「deutero」は、旧約聖書の「申命記(Deuteronomy)」でも判る通り、「第二の」とか「再び」という意味。預言者モーゼが反復して誡律を述べたから、英語では「デューテロノミー」と呼ばれている。もう一つ言えば、核の中にある陽子の数が同じでも、中性子の数が異なる原子は、名前が同じでも「アイソトープ(同位元素)」と呼ばれる。アルファ線とかアルファ粒子、ベータ崩壊、一次中性子、二次中性子、バリウム核、クリプトン核などは、一般国民でも高校生の理科で習うと思うが、卒業して10年も経てば忘れてしまう人がほとんどなので、漫画好きかミリタリー・オタクじゃないと話が通じない場合がある。もちろん、大学で理系に進む人は別だから説明は不要だ。でも、文系の高校生で核兵器に興味があると、先生に怪しまれるから注意してね。

  脱線したので話を戻す。ナチスに協力したエシャー・ウィスには、人様に教えたくない黒歴史があり、それは同社がポーランド人やロシア人などの戦争捕虜に加え、囚人となったユダヤ人を労働力にしていたことだ。米国のホロコースト博物館には、強制労働に駆り出された囚人の労働カードや仕事帳が保管されているそうで、終戦までに行われていた労働内容を示す資料も保存されているという。まぁ、第二次世界大戦以前は帝国主義と弱肉強食の時代だったから、戦争捕虜の強制労働は珍しくしなかったし、ソ連のシベリア送りよりも多少はマシだったんじゃないか。関東軍の日本兵は生き地獄よりも悲惨な強制労働をさせられてきたから、ドイツの強制労働とは比較にならない。でも、ユダヤ人は執念深いから、徹底的にドイツ人を糾弾し、千年経っても決してさないと思う。

Klaus Schwab & Henry Kissinger 221(WEFに出席したヘンリー・キッシンジャーと主催者のシュワブ )
  後に世界経済フォーラムの総帥となるクラウス・シュワブは、スイスのチューリッヒにあるスイス連邦工科大学(ETH)で勉強し、エンジニアリングの博士号を取得する。そして学業を終えたクラウスは、ラーフェンスブルク商務局の総裁となったそうだ。しかし、彼の自己投資は続いており、1967年にはスイスにあるフライブルク大学で研鑽を積み、経済学の博士号を取得する。さらに、ハーヴァード大学のジョン・F・ケネディー・スクールに通って公共経営修士号(Master of Public Administration)を取得した。ちなみに、彼はハーヴァードに在籍していた時、ヘンリー・キッシンジャーと出逢って、その教えを受けていたそうだ。シュワブがキッシンジャーと親しいのは、こうした師弟関係があったからである。

  ビジネス界に入ったシュワブは、周旋家としての才能も発揮する。彼は父親が勤めていたエシャー・ウィスとサルザーの合併に奔走し、新しく誕生した会社を産業用機械や金属製造の大手に成長させたという。さらに、彼は新生「サルザー」のハイテク部門を強化し、水力発電のみならず、原子力発電をも手掛ける国際企業にまで成長させた。元々、エシャー・ウィスはウラン濃縮技術を持っていたから、この会社が核兵器の開発事業に乗り出してもおかしくはない。実際、「サルザー・エシャー・ウィス」は、1960年代以降、密かに核兵器関連の重要パーツを販売しており、兵器産業が盛んな南アフリカへも提供していたそうだ。そもそも、南アフリカは国内でウラン鉱石を採掘できたし、防衛産業の要として核兵器を所有したかったから、濃縮技術を求めても不思議じゃない。

  ただ、アパルトヘイト政策で世界中から非難されていた南アフリカが、ナチスに協力していたスイス企業と裏で組んでいたので、西側諸国のリベラル派が騒ぎ出したというわけ。「レイシズム批判」とくればユダヤ人の得意分野だが、そこに利益が絡むと彼らは方向転換する。元々、ユダヤ人は黒人差別の代表格だから、南アフリカのボーア人が現地の黒人を差別したってへっちゃらだ。ユダヤ人の仲間内では、黒人を馬鹿にして「クシュ」と呼ぶのが普通だし、息子や娘がエチオピア人と結婚したいと言い出したら、激怒して座敷牢に幽閉となる。とにかく、人権尊重を掲げるイスラエルは、普段、あれやこれやと人種差別を糾弾するくせに、裏ではアパルトヘイト南アフリカと結託し、イェルサレム・プレトリア・コネクションを形成していたそうだ。(南アフリカの首都は三つあって、立法首都が「ケープタウン<Cape Town>」で、行政首都が「プレトリア<Pretoria>」、「ブルームフォンティーン<Bloemfontein>」が司法首都。)

  ユダヤ人ジャーナリストのサーシャ・ポラコウ・サランスキー(Sasha Polakow-Suranshky)によれば、イスラエルは南アフリカと手を組んで、核弾頭を販売していたそうだ。サランスキーは元々、南アの「アフリカーナ・ユダヤ人」で、米国に移住すると、『ニューヨーク・タイムズ』紙や『フォーリン・アフェアーズ』誌の編集員になった。そこを辞めると、今度は『フォーリン・ポリシー』誌の副編集長になって、政治本を出版する作家ジャーナリストの道を歩む。ブリテン連邦の南アフリカには、数はそれほど多くないが、それでもユダヤ人が結構いて、何割かは歐米諸国に移り住んでいる。例えば、映画『ハリー・ポッター』で有名なダニエル・ラドクリフ(Daniel Radcliffe)はユダヤ人俳優だが、彼の母親マーシャ(Marcia Jacobson)は南ア出身のユダヤ人である。日本でも多くの翻訳本が出ているノーマン・メイラー(Norman Mailer)は米国ユダヤ人の小説家で、彼の父親であるアイザック(Isaac Barnett Mauler)も南ア出身のユダヤ人。

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(左 : サーシャ・ポラコウ・サランスキー  /  中央 : ダニエル・ラドクリフ   /  右 : ノーマン・メイラー )

  これも日本ではあまり知られていないが、フランスにもユダヤ人が至る所にはびこっており、英米と同じくユダヤ人の牙城となっている。イスラエルの核開発はフランスが支援していたのだ。第二次世界大戦後、大勢のユダヤ人がパレスチナへ入植したが、彼らはフランス経由で移住制限のあった英領パレスチナへ向かっていたのである。当然、アラブ人の反撥を懸念したブリテン政府は、フランス経由のユダヤ移民を苦々しく思っていた。したがって、ユダヤ人とフランス人の関係は相当深い。ハリウッド映画では、麻薬の密売ルートが「フレンチ・コネクション」のイメージになっているけど、現実世界では大量破壊兵器の水脈となっていた。事実、1962年にイスラエルと条約を結んだ南フアリカは、イスラエルへ「黄色いケーキ(ウラン製品)」を輸出していたそうだ。(Saha Polakow-Suransky, The Unspoken Alliance, New York : Pantheon Books, 2010,  p.42.)

  建前上、両国ともウランの保有は民事用と言っていたが、本当は核兵器開発が目的だった。中東戦争に直面していたイスラエルは、国防の切り札として核兵器を渇望していた。一方、イスラエルの核開発に肝を潰したアラブ諸国は、アフリカの黒人国家に銭を渡して、イスラエル包囲網を構築しようと目論んでいたから、中東アジアの民族というのは実に狡猾だ。もちろん、ソ連のKGBも黙っていない。ロシアの謀略機関は、白人に怨みを抱くネルソン・マンデラに目を附け、この赤い黒人を利用して、南アフリカに拠点を築こうと必死だった。

  ユダヤ人というのは安全保障に敏感だから、いくらイスラエル国内で人種差別反対の国民が騒いでも、国家の命運を左右する軍事・外政となれば国益を優先する。国防省の局長を務めていたシモン・ペレス(Shimon Peres)は、アラブ諸国に囲まれた祖国を憂い、ユダヤ人に友好的なフランスのギィー・モレ(Guy Mollet)首相やモウリス・ブルジェ・モーヌリ(Maurice Bourgès-Maunoury)国防相、およびクリスチャン・ピノー(Christian Pineau)外相をせかして、様々な軍事協力をするよう求めていた。これだから、ユダヤ人の居住や帰化を許すのは、本当に危険極まりない。彼らは金持ちの同胞を集めて強力なロビー団体を結成し、タカリ先の公金や技術を祖国イスラエルに貢ごうとする。

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(左 : ギィー・モレ  / モウリス・ブルジェ・モーヌリ   /  クリスチャン・ピノー  /   右 : シモン・ペレス )

環境問題で人々を脅かすローマ・クラブ

  脱線したので話をもどす。1970年にエシャー・ウィスを去ったシュワブは、翌年、世界経済フォーラムの前身となる「ヨーロピアン・マネージメント・シンポジウム」をスイスのダヴォス(Davos)開いた。シュワブが主宰する「ダヴォス会議」は日本でもよく知られており、この国際会議には多くの著名人が招かれていた。大企業の経営者とか元政府高官、政治家、知識人、文化人など実に華やかだ。でも、こうしたゲストが述べる言葉は、善意のレトリック塗り固められているが、本質的には大金や利権を求める野心に過ぎない。参加者のリストを覗くと、そこには元合衆国副大統領のアル・ゴア(Al Gore)や、カナダ銀行総裁を経てイングランド銀行総裁になったマーク・カーニー(Mark Joseph Carney)、「カーライル・グループ(The Carlyle Group)」の創設メンバーで会長を務めたデイヴィッド・ルーベンシュタイン(David Mark Rubenstein)など、錚々たるメンバーの名前が記されているが、そこに混じっている竹中平蔵の名前を見つけると、「やっぱり、グローバリストの集会なんだなぁ~」と溜息で出る。

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(左 : アル・ゴア  /  中央 : マーク・カーニー  / 右 : デイヴィッド・ルーベンシュタイン )

  ダヴォス会議はシュワブの独創のように思えるが、実はこのシンポジウムにはモデルとなる会議があった。それは昭和の日本人ならよく知っている、あの「ローマ・クラブ(Club of Rome)」である。これは1968年にイタリアの実業家であるアウレリオ・ペッチェイ(Aurelio Peccei)とスコットランドの化学者アレグザンダー・キング(Alexander King)が創設した組織と思われているが、その背後にはロックフェラー家が控えており、彼らはイタリアのベラジオ(Bellagio)にあるロックフェラー家の別荘で密談をしていたのだ。昭和生まれの日本人には懐かしいけど、ローマ・クラブは英国の経済学者トマス・ロバートマルサスの人口論を用いて、爆発的な人口増加を懸念させていたのだ。しかも、ローマ・クラブは用意周到で、1972年、そこの幹部どもは御用学者のドネラ・ミードウズ(Donella H. Meadows)とデニス・ミードウズ(Dennis L. Meadows)、ヨルゲン・ランダース(Jørgen Randers)、ウィリアム・ベレンズ3世(William W. Behrens III)に『成長の限界(The Limits to Growth)』という本を書かせて、過剰な人口増加への恐怖を煽ったのだ。

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(左 : アウレリオ・ペッチェイ  /  アレグザンダー・キング  /  モウリス・ストロング  / 右 : コフィー・アナン  )

  ローマ・クラブの政治プロパガンダはこれだけではない。今にちの課題である「地球温暖化」や「気候変動」の発端は、ローマ・クラブが主宰した環境問題会議にあった。もう開催地を聞いただけでも“胡散臭い”空気が漂ってくるが、1972年、ローマ・クラブはスウェーデンのストックホルムで国際会議を開き、ロックフェラー家の操り人形みたいな学者がゲストに呼ばれていた。主役級の役者であったのは、モウリス・ストロング(Maurice Strong)というオイル・ビジネスマン。彼はエコノミストのバーバラ・ウォード(Barbara Ward)と微生物学者のルネ・ドュボス(Rene Dubos)と共に『唯一の地球 : 小さな星の維持と管理(Only One Earth : The Care and Maintenance of a Small Planet)』というレポートを発表し、環境問題を論じていた。(Patrick Wood, Club of Rome : The Origin of Climate and Population Alarmism, Technocracy News & Trend, January 19, 2021.)

David Rockefeller 1332(左  / デイヴィッド・ロックフェラー)
  ロックフェラー家の面々は昔からグローバリストで、環境・医療・公衆衛生・教育・人種問題などに取り組む慈善家のフリをしていたが、本当は財団を使っての世界統治を目指していた。デイヴィッド・ロックフェラーの下僕となったモウリス・ストロングは元々、「Petro Canada」という会社の最高経営責任者を勤めていた人物。この商売人は「Ontario Hydro」というオンタリオ州の官営水力発電を率いていたこともあるそうだ。「スタンダード石油」のロックフェラー家と親しかったストロングは、「United Nation s Environment Program/ UNEP)」を創設するからわら、「アルバータ・オイル(Alberta Oil)」や鉱物産業で私腹を肥やしていた。こんな奴が化石燃料の消費で環境問題が生じてしまう、と心配していたんだから、臍(ヘソ)で茶が湧いてしまうじゃないか。グローバリズムを積極的に推進したストロングは、あの国連事務総長だったコフィー・アナン(Kofi Anan)とも親しかったそうで、何かの御褒美だったのか、コスタリカに創設された国際的研究機関の「平和大学(University for Peace)」で学長に就任することができた。あまり聞いたことがないけど、いったい、誰が通っているんだ? まさか、グローバリズムを信仰する予備軍の訓練所じゃないよねぇ~。

  ロックフェラー家や他のグローバリストについては、まだ色々と言いたいことがあるけど、とにかく、クラウス・シュワブのような国際ビジネスマンには、世界各国を動かせるだけの途方もない財力と人脈がある。彼らは西歐先進国で膨大な権力を有しているから、アジアやアフリカの小国を容易に動かすことができる。パワーエリートは数が少なくても影響力は絶大で、歐米の政官財や主要メディア、教育界、法曹界にも仲間や手下が多い。日本の政治家や官僚なんかは、大御所様に仕える執事やハンドラーのもとで命令を聞くだけの下っ端だ。抵抗なんて無理だから、黙って従うしかない。霞ヶ関の高級官僚が大威張りなのは日本国内だけ。日本の総理大臣や財務省の事務次官がダヴォス会議に招かれ、一応、それらしい演説ができても、そんなのは仔犬の遠吠え程度で、誰も気にしない雑談といったところだ。歐米のパワー・エリートを前にした宮澤喜一とか竹下登などを思い出せば判るじゃないか。ウォール街の旦那衆に呼び出された菅義偉なんか、干からびたイワシみたいだった。情けないけど、これが日本の現実である。

  日本の保守派国民は、国内政治やお決まりの海外ニュースばかりに目を奪われている。『正論』や『WiLL』なんかは、保守老人のマスターベーション雑誌だ。毎度お馴染みの支那・朝鮮批判を繰り返し、その隙間にアメリカの政治情報や経済特集を差し込めば、ある程度の部数が売れるからOK。ちょっと知的な週刊誌といった『Hanada』も似たり寄ったりで、こちらは藝能雑誌のスパイスを加えて販売部数を伸ばしている。でも、知的な刺戟は薄く、これといった深い洞察は無い。花田編集長は『マルコポーロ』廃刊のトラウマがあるから、ユダヤ人に関する批判は意図的に避けている。チャンネル桜や文化人放送局のYouTube番組も、イマイチパンチに欠けるところがある。こうしたインターネット番組をいくら観たって、クラウス・シュワブの正体に触れるような情報提供は無い。まぁ、ユダヤ人に支配されたYouTubeでは、特定民族に関する危ない話は御法度。何よりも、チャンネル・アカウントの閉鎖通告は怖いからねぇ~。



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