本能で結びつく男女

 アウトローを扱ったドラマに濃厚な恋愛は定番である。金髪でイギリス系ハンサム青年のジャックスはいろいろな女と付き合うが、意外に女に対して真摯な態度を取る。ジャックスにはウェンディーという別れた妻がいて妊娠中なのに麻薬に溺れている。それでも何とか男の子(アベルと名付けられる)を出産するが、クラック・ベイビーとして生まれたので保育器に入れて目が離せない。この子がいる病院に嘗ての恋人タラ(女優マギー・シフ)が赴任してくる。彼女はジャックスが高校時代に付き合っていた元恋人で、彼と別れた後地元を去ってイリノイ州で医学を修め、外科医として故郷に戻ってきた。この美人女医がジャックスと再会してヨリを戻したのである。

 ジャクッスはヤク中のウェンディーからアベルを遠ざけ、タラを母親にして二人で育てることにする。やがて二人にはトマスという次男が授かるが、タラはアベルを実子トマスと分け隔てることなく愛情を注ぐ。我が子を諦めきれないウェンディーは施設で麻薬を断ち舞い戻ってくる。アベルの親権を奪おうとするあばずれ女をジャックスは許さない。彼女の家を訪ねて、「俺の家族に手を出すな」と言い放ちながらウエンディーを壁に押しつけ麻薬注射を打ってしまう。普通の男ではないジャックスを見くびっていた哀れなウェンディーは再びヤク中に戻してしまうのだ。麻薬に溺れた母親に対して裁判所が子供の親権を戻すことは無くなったのである。

    家族を守るためなら非常手段も辞さないところが痛快である。こんな発想は日本のテレビ・ドラマでは見られないし、善悪を平然と無視する家族愛を描くことはない。アメリカ人の心の底にある「家族を守る頼りになる夫」、「強固な意志を貫く男」といった理想を我々に教えてくれるのだ。残念ながら今の日本人には、こういう道徳を超えた意志を貫徹することがない。

 話を戻す。一般の社会なら、高学歴・高収入おまけに美人の外科医がアウトローのバイカーごときと恋に落ちることはまず無いが、そこはドラマ。危険な裏家業に足を入れていることが分かっていても、ジャックスに惚れるのだから人間は理性ではなく感情に支配される動物だと解る。偉大なスコット人哲学者デイヴィド・ヒューム(David Hume)によると、

  「理性は情念の奴隷であり、またそれだけのものであって、理性は情念に仕え、従う以外になんらかの役目をあえて望むことはけっしてできないのである。」 (『人性論On Human Nature』世界の名著 27 中央公論 昭和43年 p. 514-515)

 女が本気で男を好きになるときは生得的機能、つまり本能が発動する。男の学歴・収入・職業を理性で計算して好きになる女は、人生のどこかで後悔の念が沸き上がってくる。逆境に陥っても一緒にいたい男を見つければ離婚などしない。アウトロー・バイク乗りのジャックスと安定した地位をもつタラが本音で互いに求め合う姿を描いているドラマの方が、歪んだ性格の大学フェミニストらが書く晦渋な紙屑よりましである。

安倍首相の似非保守主義

  世間からは保守派の政治家と表される安倍晋三総理だが、その根本思想に社会主義が染み込んでいるのだ。彼の少子化対策や女性活用策は、赤い官僚が目論む日本解体と文化マルクス主義(Cultural Marxism)の混淆作品である。
  二千年以上の歴史と伝統により強靱な社会であるうえに、神聖な皇室伝統までもつ我が国を転覆・破壊するには並大抵の姦計でなければならない。暴力革命が手っ取り早いが、銃器を持って国会や宮城(いわゆる皇居)を襲撃する根性がない共産党(コミンテルン日本支部)など当てにならない。
   大学で真っ赤に洗脳された凡庸学生が役人になって、官僚組織の内部に浸透して革命を起こす方を選んだのである。少子化対策と謳っても、実は左翼仲間に税金を渡し、対策室を与えて役職を増やしてあげることが目的。左翼は他人の銭を喰いながら破壊活動に精を出すのである。この内部破壊策を提唱したのが、イタリアの共産主義者アントニオ・グラムシであり、悪名高いフランクフルト学派である。
 
   安倍首相の頭では、女性が子育てと仕事が両立できるとの机上の空論が実現される。これは知性設計主義(intellectual constructionism)の残滓であり、すでに破綻が明らかな思想なのに未だ政治家の中で健在なのだ。税金を与えて社会制度をいじくり、他人に子育てを委託すれば女性が「輝く」など正気の沙汰ではないだろう。安倍首相が体験した恋愛などさぞ冷たく荒んだものであったのではないか。統計や理屈を並べて政治家を丸め込もうとする官僚の言いなりになっている安倍首相には、保守派国士の威厳(dignitas) がない。良識もない。心がときめく愛人の一人でも持てば変わるのではないか。草葉の陰で三木武吉が膝を叩く音が聞こえる。


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