黒木 頼景
成甲書房
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憲法を用いた反日思想
先月、アホらしいけどセクハラ官僚に抗議する野党議員の「#MeToo(ミー・トゥー)」運動を取り上げた。この下らない騒動に賛同する女性議員の中に、立憲民主党の辻元清美を見つけた一般国民は、「また、あの女か !」と呆れ返ったことだろう。「女」が絡むと妙に興奮するのか、蠅のように飛んでくる辻元。「セクハラは許せなぁ~い !」と声を荒げる辻元のような議員を目にすると、「お前らはそんなに魅力的なのか?!」と野次を飛ばしたくなる。その上、ゴールデン・ウィークを含めて17日間もの「休暇」を取るなんて非常識だ。確かに、男から性的な嫌がらせを受けたり、尻や太腿を触られたりする女性は可哀想だが、女性の全員が被害者になる訳じゃない。中には一生“安全”な女性もいるはずだ。さらに、その中には嘘までついて、「私もセクハラを受けました !」と見栄を張る者もいるだろう。自由主義社会のみならず、不自由な共産主義国にだって、淫乱の自由はある。つまり、助平オヤジにも「選択の自由」があるということだ。辻元の顔を見れば、痴漢だって倫理的となり、女性から遠ざかる「紳士」になるだろう。
( 左 / 辻元清美 )
この辻元が世間に周知されたのは、テレ朝の名物番組「朝まで生テレビ」に登場したからである。田原総一朗が司会を務める長寿番組は、様々な論客が意見を戦わせる議場じゃない。無名の左翼活動家や野党の反日議員を紹介する宣伝番組である。初期の「朝ナマ」には渡部昇一、勝田吉太郎、中川八洋といった保守派の知識人が招待されたけど、本当は評論家の小沢遼子とか元社会党の伊東秀子、元北海道知事の横路孝弘、朝鮮人の姜尚中、ジャーナリストの青木理などを有名にするためだった。これだけでは娯楽性に乏しいから、映画監督の大島渚と作家の野坂昭如を喧嘩させて見せ場を作っていた。テレ朝が保守派論客として西部邁を重用していたのは、彼が元学生運動家であったからだ。革新派と保守派を揃えなければならないとしたら、元全共連の学者を呼んだ方がいいし、日米安保支持派を用意しなければならぬ時は、凡庸な森本敏を(元防衛大臣)拓殖大学から連れてくれば良かった。保守派論客はなるべく地味で魅力に欠ける人物にすべし、というのがテレ朝の鉄則だ。自民党議員として“ちょくちょく”招かれていた山本一太や大村秀章の顔を思い出せば分かるだろう。彼らのショボい外見を視聴者に見せれば、自民党のイメージ・ダウンは間違いなし。
(左: 山本一太 / 大村秀章 / 森本敏 / 右: 野坂昭如 )
(左 / 田原総一朗 )
案の定、田原総一朗は司会者の地位を利用して、無名の辻元清美を「立派な市民活動家」に育てていた。(後に、「朝ナマ」で田原が辻元に献金をしていた事をバラすと、同席していた辻元は烈火の如く怒っていた。「なんでそんなことを言うの?!」と辻元は不満タラタラであったが、この「秘密」を聞いた方は愉快だった。「やっぱりね」、と。子供だって「内緒にしておきたかったんだろうなぁ」、と推測できる。) 傲慢不遜な田原は、このチンケな左翼活動家を有名な評論家や国会議員と一緒に並べて一端の論客扱い。当時、「ピースボート」なんて誰も知らなかった。「朝ナマ」の視聴者で、いったい何人が辻元を日本赤軍の情婦と知っていたのか? 一般視聴者はペラペラ喋る辻元を観て、「威勢のいいネエちゃんだなぁ」くらいにしか思っていなかった。ところが、当の辻元は「知識人」気取り。イラクがクウェートを侵略した頃、辻元は「朝ナマ」に出演した。すると、彼女はテレ朝の女性蔑視に不平を漏らしていたのだ。田原の横に坐っていた若い女性アシスタントが、素っ頓狂な声を上げ、「アタシ、ゼンゼン、ワカンナーイ」と述べた。そこで、司会の田原は「そうですねぇ、アラブの問題は難しいですね」と助け船を出したのだが、辻元はこれを気に入らないらしい。曰わく、
いったい、これは、何なんだ !! 見ていた私はいっぺんに頭に血がのぼってしまった。(辻元清美 「情けない『ワカンナーイ』発言」、女性リレー・エッセイ、『サンサーラ』 1990年11月号、p.152)
この「ヤング・ギャル」発言を聞いて、ピースボートの主催者たる辻元は相当苛立っていたのだろう。紛争問題に関心のある辻元は、エッセイの中で「視聴者にウケてみよう、なんて台本を書いた男はブッとばしてやりたい」と述べていた。さらに、この活動家は「女にクウェート危機が判らなくてもかまわないと思っている女」と「女はクウェート危機が判らない役をしていればいいと思っている男」に腹が立ったそうで、「こんな女と男ばっかりでこの国が充満しているのではたまらない」そうだ。へぇ~、たいそう御立派なことを言うじゃないか。国際政治に“通じている”辻元は、次のように書いていた。
わたしは今回の日本政府の「中東貢献策」の大半がイラク対アメリカという対決構図のなかで、アメリカ側に一方的な軍事支援をすることになるという理由で批判的である。
では、訊くけど、どうすれば良いの? 辻元の答えはスンバラシい。ピースボートで世界各国を廻ってみること、なんだって。単なる円高買い物旅行ではない「旅」をすることが、日本国憲法の趣旨に適うことであるという。(上掲エッセイ、p.153) 御立派な“辻元先生”によれば、この機に乗じて憲法を改正し、自衛隊を派遣するなんて「本末転倒の議論」であるそうだ。ほ~う。ナルホド。後に代議士「センセイ」となる人物は違うねぇ。オツムが我々と異なっている。
憲法を楯にする勇敢な迷論
それにしても、世の中の「現実」を解っていらっしゃる辻元センセイは、どんな思想を持っているのか? あっ、そう言えば、誰も読まない岩波の『世界』という雑誌に紹介されていた。辻元センセイは立命館大学の君島東彦(きみじま・あきひこ)教授と対談し、目が覚めるような意見を述べていた。(高校生には勧めることが出来ないけど、岩波でしか味わえない、極左の香りがプンプンする驚愕の会話である。)
つむじまで左巻きの辻元清美は、占領軍憲法の第九条をベタ褒めだ。センセイ曰く、
「戦争ができないのはいいことじゃないか」という原点に、もう一度立ち戻るべきだと私は思います。(君島東彦×辻元清美 対談「どちらがほんとうに現実的なのか : 平和ボケの改憲論と9条のリアリズム」、『世界』、2005年6月号、p.83)
辻元は続けてこう述べる。イラクで武力行使をしている英米の軍隊は、降伏させる相手すら判らぬ状態に突入しているから、「力で立ち向かおうとするのは、暴力の連鎖と拡散を生むだけ」であるという。だから、「こういう混沌とした時代だからこそ、力に頼らない解決の道を探っていかないといけません」と。「じゃあ、どうするの?」と問えば、「過去の戦争から考える」のではなく、「現代の戦争をリアルにとらえること」なんだって。だから「憲法九条がますます重要になる」らしい。はっ?
辻元は「攻められたらどうするのか?」という質問に頓珍漢な答えで応じていた。圧倒的な軍事力を誇るアメリカでさえ、9/11のようなテロ攻撃を受けてしまうんだから、いくら武装しても無駄であるという。そこで辻元女史は別の安全保障を提示した。
たとえば南北問題を解決し、貧困をなくしていくとか、エネルギーや環境の分野で共生をめざしていくということです。(p.83)
一般の日本人なら、「えっ、テロリスト相手の対抗策なのに、貧民救済とか共生社会で解決しようとするの?」と驚き、あまりにも的外れな見解に唖然とするが、辻元センセイは真剣なんだよねぇ~。彼女はリスク(危機)を「力」で押さえ込もうとすると、却ってリスクが高くなると思っているそうだ。
(左: 武装したテロリスト / 右: 改造車に乗り込むISISのテロリスト部隊 )
憲法九条を錦の御旗にする辻元センセイだが、それを聲髙に叫ぶだけじゃ「不充分」であるという。そこで、憲法九条の体現として「ピースボート」をつくったらしい。(p.86) さらに、この元活動家はアメリカの要求に対して文句を垂れているばかりじゃダメ、と述べていた。「批判の後に具体的な代案を出さねば !」と痛感したんだって。そこでセンセイが言うには、単に反対するばかりじゃなく、若手の官僚や経済人にも積極に呼びかけ、具体的な「政策提案」をしていかなアカン、らしい。
辻元センセイによれば、「出来る事はいっぱいある」という。左翼に好評なノルウェーを持ち出して、政府が出て行く前に学者とか医者、NGOが入って行って信頼を醸し出すプロセスがあるらしい。こういう「市民活動」に税金が使われるのは良い事なんだって。良い子のみんなは辻元の腹を探って、「なんだよ、結局、ピースボートに税金を渡せ、っていうことなのか !!」と怒っちゃいけないよ。左翼分子は元々お金が大好きなんだから。社会党や共産党に属する人は、他人のゼニで「善いこと」をする天使なので、自ら汗水を垂らして働き、その給金から弱者にカネを分け与えるなんて夢にも思わない。左団扇で税金を鷲摑みにするのが左翼の本性だ。辻元センセイはノルウェーが六万人のNGOを育てた、と褒めていた。ということは、日本にもそれ以上のNPOを作りたいのかなぁ?
代議士となった辻元は、国際紛争の仲介役をしたノルウェーを高く評価し、その流れで占領憲法を持ち上げている。曰わく、
憲法9条で「ウチは武力では紛争解決しまへん」って宣言している日本こそ、調停外交のような政策を「売り」にできると思うんですよ。(p.88)
軍隊を持たない国が調停役だって? いったい、どの国が相手にするというのか。もし、紛争当事国が「うるさい、テメェーなんか、引っ込んでいろ !」と凄んだら「どう」するのか? 辻元は桜吹雪の刺青でも彫って、パレスチナ人やアフガン人に披露するのか? 遠山の金さんだってしないぞ! 血で血を洗う戦いに慣れた中東アジアの民族や、敵の首とか耳、鼻、ペニスを切り取ってトロフィーにするようなアフリカ人を相手に、「暴力はイケませ~ん」と言えば、素直に従うのか? (そんな奴は居らんやろう「チッチキチー」、と言ったら古いかなぁ ?) こんな寝言が通用すると思っているんなら、大阪の暴走族や暴力団に向かって言ってみろ ! 柄の悪いゴロツキどもがどう反応するか見物だ。
(左: ムスリム・テロリスト / 右: テロ組織に捕まり、処刑される寸前の捕虜)
「現実派」を自称する辻元センセイは、我が国の武力を増強することに大反対で、紛争解決をお助けする日本は周辺国からの信頼を得ることが大事であるという。そこで、「自衛隊を三つに分割すべし」と提案した。
(1) 専守防衛に徹する部隊。日本の外へ絶対に出ない。情報公開と軍縮を進めてゆく。
(2) 国際協力専門の部隊。非軍事の人道支援を基本とし、NGOと共同で動く。
(3) 災害救助の専門部隊。災害地からの要請で出動し、24時間以内に世界中へ派遣する。
これって、「部隊」と呼んでいるが、中身は軍隊じゃないだろう。日本から一歩も外に出ない軍隊なんて有り得るのか ? 日本の領域外から飛んでくるICBMとか、原潜から発射されるSLBMはどうするんだ? 日本に向けて発射される前に、敵国の軍事基地を叩くのは世界の常識だ。それなのに、我が国は例外で、敵の核ミサイルが発射されるのを傍観して、東京や大阪が破壊されるのを期待する方が得策なのか? アホらしい。それにだ。もし、第一攻撃で自衛隊が全滅したらどうするのか? 生き残った少数の一般国民が野球バットやゴルフ・クラブを持って、「レジスタンスになれ !」とでも言うのか? 重武装の敵軍からすれば、そんなのは射撃ゲームの的に過ぎない。七面鳥を仕留める方が遙かに難しいぞ。だいたい、辻元は自衛隊の微々たる戦力の削減を提案しているが、厖大な軍事力を誇る支那やロシアの軍縮は無視するのか? そもそも、軍事力で劣る日本がロシア人に向かって、「お前が持つ核兵器や戦略爆撃機、戦車部隊、化学・生物兵器を全廃しろ」と言えるはずがない。
ところが、辻元は日本の“一方的な”軍縮を促進したいのだ。何と、在日米軍を整理・縮小する一方で、沖縄に国際協力専門の研究・訓練基地をつくるんだって。(p.88) 沖縄の米軍を排除したら、そこに紛争地域の若者とかNGOの人々を招き、紛争予防や人道支援の技術を学ばせ、本国に帰ってもらうそうだ。辻元センセイ曰わく「こういう行動こそ、日本の安全保障につながる」んだってさぁ。(血圧の高い高齢者は、卒倒しないよう薬を飲んでから読んで下さい。) もう、頭がふらつき、めまいがしてくる。反論するのも馬鹿らしい。イラクやシリア、チェチェン、アフガニスタンから若者を日本に連れてきて、沖縄の「辻元塾」で人道主義を学んで頂いたら、殺戮の嵐が治まるというのか? 無駄飯ぐらいの国連職員とかNGOの外人が沖縄に来たって、口先ばかりの理想論を滔々と述べるだけで、後は快適なホテルに泊まって豪華なディナーを堪能し、翌日はビーチで海水浴、というのがオチだ。彼らの接待費用は全部日本人持ち、つまり税金で賄われる、ということだろう。
だいたい、こんなNGOの連中を招待したいなら、辻元が自分の財布から資金を出せばいいじゃないか。自分の選挙費用だってケチるのに、他人のゼニとなれば気前が良くなり、いくらかかるのかを“具体的”に示さない。つまり、辻元は税金からの捻出を何とも思っていないのだ。辻元は詐欺師と同じで、先に実質的な金額を提示せず、薔薇色の空論で世間を欺こうとする。辻元は一般国民を搾取せず、まず自身の左翼仲間から資金を募ったらどうなんだ? 資産家の福島瑞穂なら、2億円くらい貸してくれるかもよ。ただし、狡猾な弁護士上がりの議員だから、30%の高金利で貸し付けたりして。サラ金業者に強い弁護士を雇わなきゃ。「資本家はゆるせなぁぁい !」と叫ぶ社会主義者だって、自分のお金を貸すときには、シャイロックも真っ青になるくらい貪欲な金融資本家になる。社会主義者がどんな綺麗事を口にしようとも、自分の私有財産だけは「例外」にする左翼は信用できない。
「平和ボケ」はどっちなんだ?
「現実主義(リアリズム)」を掲げる辻元は、紛争地での実体験を自慢していた。彼女はカンボジアに行った時、目の前で兵士の集団に発砲されたことがあるそうだ。(おいっ ! まさか税金を使った「大名旅行」、いわゆる「視察旅行」じゃないよなぁ ?) ところが、案内役のカンボジア人コーディネーターが「我々は丸腰で、あなたたちの敵ではない」と説明してくれたから事なきを得たという。しかし、冷や汗をかいたはずの辻元は、驚くような見解を述べていた。
ああいう局面で武装なんかしている方が危ないですよ。・・・・あれでもし、こちらも武装していて、極限の緊張状態のなかで、どちらかが先に撃ってしまったら、どんなことになるか。(p.89)
さぁ~すが、辻元センセイの「安全保障論」はスンバラしい。銃器で武装するより、丸腰の方が安全なんだって。でもさぁ、よもや自衛隊とか歐米の軍隊が付き添って議員センセイを警護していた、なんてことは無いよねぇ~。とにかく、辻元議員は「人道支援」が一番効果的である、とおっしゃっている。センセイ曰わく、
自衛隊みたいな階級組織で、いかに効果的に人を殺すかという訓練を中心にしているような集団は、はじめから助け合いに向いていないんですよ。(p.89)
あのさぁ~、そもそも、自衛隊は市民ボランティア団体じゃないんだよ。だいたい、ゲリラ兵がウヨウヨいるカンボジアに、政府が民間人を派遣できるのか? それに、いくら政府の役人が「みなさぁ~ん、カンボジアの貧民を助けてくださぁ~い」と呼びかけても、一般国民は「殺されるじゃないか !」と怯え、決して応じないだろう。もし、民間人への殺戮とか無差別攻撃が行われたら、いったい誰が責任を取るんだ? 辻元か? そんな訳ないだろう。「ワタシ知らない !」とそっぽを向くんじゃないか。
辻元センセイは兇悪なテロリストやゲリラ部隊を前にするなら、軍事力よりも道義心の方が有効だと信じている。紛争が絶えないパキスタンに行っても、原爆攻撃を受けた日本の悲劇を語り、核兵器を持っていない事実を伝えると、「それだけですごい説得力」になるそうだ。(p.89) 一般国民なら「えっっ !! 戦争で負けた話が自慢になるの !!」と仰天するが、税金で食っている辻元センセイは、弱くなることが国防の要(かなめ)と考えているようだ。それじゃあ、イジメを受けている中学生の前で、同じ事を話してやれよ。「みんなぁ~、イジメっ子に出くわしたら、以前にもボコボコにされた事があるんだ、と伝えなさい。そうすれば悪ガキどもは手を出さないないから」、と。それに対し、子供たちはどう反応するのか? きっと「馬鹿じゃねぇ。このオバはん ! ちょっと頭がイカれているぞ !!」と吐き捨てるだろう。呆れ返る子供たちは、まさか、こんなボケ女が一億円も給料をもらっているとは想像できないはずだ。大人だって考えたくないんだから。
でも、辻元「大先生」は自信満々なんだよねぇ~。我々と精神の構造が違っているのだ。センセイは続けて述べていた。
(発展途上国の人々に向かって、日本は)「戦争しないって決めているんだよ」っていうと、「いい国だね」って、紛争地に行くとうらやましがられた。(p.90)
なるほど、日本の事を知らぬアジア人やアフリカ人に、前提条件を教えないまま、都合のいい「部分」だけ選べば、「へぇ~、羨ましいなぁ」と答えるだろう。だが、日本は米軍の核戦略で守られ、自衛隊も最新兵器を取り揃えているんだから、いくら憲法で「戦争はしません」と書いても外人は信じない。事実、カンボシアやイラクの民衆が自衛隊を目にすれば、「あっ、日本の陸軍が来た!」と思うだろう。アメリカ人やフランス人だって、イージス艦を見て「豪華客船」とは思うまい。もし、空自のF-15(イーグル)戦闘機を眺めた社民党議員が、「あの飛行機は不経済だ。たった1人しか搭乗できないじゃないか !」と不平を述べたら、アメリカの女子供でも、「この、どアホ ! 遠足用の民間機じゃねぇんだ」と叱り飛ばすだろう。
もう、開いた口が塞がらないけど、辻元センセイは、とにかく民間人のNGOが大好き。この元“市民”活動家は脳天気を通り越している。
国同士は「国益」でぶつかり合いまかず、NGOにはそれはない。NGOは世界でいちばん大きなスーパー・パワーになってきていると思います。(p.90)
えっ、NGOが世界で一番の「スーパー・パワー」だって? もしかして、我々が思う「超大国」とか「軍事大国」の意味じゃないよねぇ? でもさぁ、いくらなんでも「丸腰非武装」の市民団体が、RPG(ロケット砲弾)やカラシニコフ銃を構えたゲリラより強いなんて、とても信じられない。辻元センセイには、せめて映画『ブラックホーク・ダウン』を観ていただきたい。この映画はマーク・ボウデン(Mark Bowden)による同名の小説(ノン・フィクション)が原作で、巨匠リドリー・スコット(Ridley Scott)監督が手掛けた作品だ。人気男優のジョシュメハートネット(Josh Hartnett)やユアン・マグレガー(Ewan McGregor)が出演していたから、日本でも観た人は多いだろう。この作品は1993年にソマリアのモガデシュ(Mogadishu)で起きた泥沼の市街戦を描いている。ソマリアのゲリラ兵により、米軍のヘリ「ブラック・ホーク」が撃墜され、窮地に陥ったアメリカ兵は現地民兵の猛攻撃を受け、悪戦苦闘するというストーリーになっていた。あのような血みどろのゲリラ戦なら、アメリカ人じゃなくても寒気がしてくる。
(左: 「ブラック・ホーク・ダウン」の戦闘シーン / 右: 映画の中で撃墜される米軍のヘリコプター)
しかし、辻元センセイのNGO信仰に迷いは無い。もう、カルト宗教の域に達しているのだ。世界各地で起こる紛争を解決するには、武力行使じゃ駄目らしい。辻元が思うには、「なるべく早く危機を察知して、NGOが非暴力で介入する道をとるべき」なんだって。将棋界の天才、加藤一二三(愛称「ひふみん」)じゃないけど、「ひゃゃ~」と驚く解決策だ。タリバンとかISISのテロリストを前にして、「みなさぁ~ん、私たちは平和の使者なんですよぉ~」と呼びかければ、彼らが武器を地面に置くとでも思っているのか? 辻元をはじめとする「市民活動家」は全員“蜂の巣”にされるだろう。このアホ議員が提案する人道支援なる活動は、自国の軍隊がテロリストを壊滅し、治安を回復した後の“ママゴト”に過ぎない。重武装した将兵が市街地や建物を見張り、安全を確保した上で、民間人が人助けを出来る、という前提を省略して話を進めているんだから、辻元と君島の対談はボケ漫才よりも滑稽だ。
(左: 現実のモガデシュ / 右: 銃を担ぐソマリア兵 )
だいたいさぁ、丸腰の民間人がしゃしゃり出て、凄惨な紛争や民族浄化が一掃されるなら、誰も苦労しないじゃないか。でも、辻元センセイは現実主義者を気取っているのだ。彼女の顔(ツラ)は鋼鉄製なのか、物凄い演説をぶっていた。
憲法9条を選択する道はバラ色でもなんでもなくて、むしろ厳しい道です。自分は安全なところにいて、軍隊だけ行かせているほうがよっぽと楽でしょう。(p.91)
おい ! こら ! 辻元。黙って聴いてりゃ図々しいことを言いやがって !! 「自分は安全にところにいて」だと ? お前が「安全な日本」にいるんじゃないか ! 他人の税金で海外旅行をして、お姫様のように扱われているのに、その議員特権を棚に上げて一般国民に説教すとは !! そんなに勇敢なら、自衛隊の護衛無しに紛争地帯を廻ってみろ ! 辻元の「ピースボート」はアフリカ沿岸にノコノコ赴いて、兇暴な海賊に襲われたそうだが、その時、ピースボートの連中は海上自衛隊に「助け」を求めたじゃないか。ご自慢の「非武装主義」はどうしたんだ? 話し合いで解決できるんじゃないのか?
ところが、辻元議員は正常な日本人を罵倒する。
紛争の現実を直視すれば、憲法9条は極めて現実的な選択です。むしろそれを、理想に過ぎないといって切って捨てるほうが思考停止、ほんとうの意味での「平和ボケ」だと思います。(p.90)
亡くなった「横山やすし」じゃないけど、「こらぁぁ、ワレ、ナメてんのかぁ!!!」と叫びたくなる。憲法9条の“どこ”が“現実的”なんだ ? 戦争放棄を口にすれば、日本の安全を保証できるなんて、ペンギンだって信じないぞ。こんな頭をしているのに、我々を「平和ボケ」と呼ぶなんて辻元は宇宙人なのか? アフリカ人なら辻元に向かって槍を投げるし、パレスチナ人なら石を投げ、日本の子供だと針ネズミを投げつけるぞ。 仔猫だってサボテンを猫パンチすれば、その痛さで植物の種類を認識できるのに、人間であるはずの辻元は凄惨な戦闘状態を目にしても、一向に現実を理解できない。これは辻元の眼球ではなく、その精神に異常があるからだ。
そして、日本の悲劇はこの「事実」に有権者が気付いていないことである。大阪の有権者だって普段は常識を弁え、まともな行動をとっているはずだ。しかし、一般人は岩波の『世界』なんていう珍しい雑誌を読まない。その存在すら知らないんじゃないか。だいたい、学校の図書館で埃(ほこり)を被っている印刷物なんて、インクで汚れた古紙に過ぎない。一般国民は国会で威勢良く政府批判を繰り返す姿や、街頭での絵空事演説を聴いて、「辻元っていうのは、面白そうなオバちゃんやなぁ」と思うだけ。国会で何をしているのか考えないし、探ろうともしない。でも、筆者のブログを呼んだ後で、「このアホ議員に年間1億もくれてるんですよ」と教えれば、巷のオっちゃんたちも「えっ、そんなに !」と仰天するはずだ。日本人には「報道されない情報」を得ることが重要だ。かつて左翼は自衛隊を「税金泥棒」と呼んだが、実際は左翼議員の方が「カネ喰い虫」なんだから、詐欺師というのは口がうまい。
好評発売中 !!
憲法を用いた反日思想
先月、アホらしいけどセクハラ官僚に抗議する野党議員の「#MeToo(ミー・トゥー)」運動を取り上げた。この下らない騒動に賛同する女性議員の中に、立憲民主党の辻元清美を見つけた一般国民は、「また、あの女か !」と呆れ返ったことだろう。「女」が絡むと妙に興奮するのか、蠅のように飛んでくる辻元。「セクハラは許せなぁ~い !」と声を荒げる辻元のような議員を目にすると、「お前らはそんなに魅力的なのか?!」と野次を飛ばしたくなる。その上、ゴールデン・ウィークを含めて17日間もの「休暇」を取るなんて非常識だ。確かに、男から性的な嫌がらせを受けたり、尻や太腿を触られたりする女性は可哀想だが、女性の全員が被害者になる訳じゃない。中には一生“安全”な女性もいるはずだ。さらに、その中には嘘までついて、「私もセクハラを受けました !」と見栄を張る者もいるだろう。自由主義社会のみならず、不自由な共産主義国にだって、淫乱の自由はある。つまり、助平オヤジにも「選択の自由」があるということだ。辻元の顔を見れば、痴漢だって倫理的となり、女性から遠ざかる「紳士」になるだろう。
( 左 / 辻元清美 )
この辻元が世間に周知されたのは、テレ朝の名物番組「朝まで生テレビ」に登場したからである。田原総一朗が司会を務める長寿番組は、様々な論客が意見を戦わせる議場じゃない。無名の左翼活動家や野党の反日議員を紹介する宣伝番組である。初期の「朝ナマ」には渡部昇一、勝田吉太郎、中川八洋といった保守派の知識人が招待されたけど、本当は評論家の小沢遼子とか元社会党の伊東秀子、元北海道知事の横路孝弘、朝鮮人の姜尚中、ジャーナリストの青木理などを有名にするためだった。これだけでは娯楽性に乏しいから、映画監督の大島渚と作家の野坂昭如を喧嘩させて見せ場を作っていた。テレ朝が保守派論客として西部邁を重用していたのは、彼が元学生運動家であったからだ。革新派と保守派を揃えなければならないとしたら、元全共連の学者を呼んだ方がいいし、日米安保支持派を用意しなければならぬ時は、凡庸な森本敏を(元防衛大臣)拓殖大学から連れてくれば良かった。保守派論客はなるべく地味で魅力に欠ける人物にすべし、というのがテレ朝の鉄則だ。自民党議員として“ちょくちょく”招かれていた山本一太や大村秀章の顔を思い出せば分かるだろう。彼らのショボい外見を視聴者に見せれば、自民党のイメージ・ダウンは間違いなし。
(左: 山本一太 / 大村秀章 / 森本敏 / 右: 野坂昭如 )
(左 / 田原総一朗 )
案の定、田原総一朗は司会者の地位を利用して、無名の辻元清美を「立派な市民活動家」に育てていた。(後に、「朝ナマ」で田原が辻元に献金をしていた事をバラすと、同席していた辻元は烈火の如く怒っていた。「なんでそんなことを言うの?!」と辻元は不満タラタラであったが、この「秘密」を聞いた方は愉快だった。「やっぱりね」、と。子供だって「内緒にしておきたかったんだろうなぁ」、と推測できる。) 傲慢不遜な田原は、このチンケな左翼活動家を有名な評論家や国会議員と一緒に並べて一端の論客扱い。当時、「ピースボート」なんて誰も知らなかった。「朝ナマ」の視聴者で、いったい何人が辻元を日本赤軍の情婦と知っていたのか? 一般視聴者はペラペラ喋る辻元を観て、「威勢のいいネエちゃんだなぁ」くらいにしか思っていなかった。ところが、当の辻元は「知識人」気取り。イラクがクウェートを侵略した頃、辻元は「朝ナマ」に出演した。すると、彼女はテレ朝の女性蔑視に不平を漏らしていたのだ。田原の横に坐っていた若い女性アシスタントが、素っ頓狂な声を上げ、「アタシ、ゼンゼン、ワカンナーイ」と述べた。そこで、司会の田原は「そうですねぇ、アラブの問題は難しいですね」と助け船を出したのだが、辻元はこれを気に入らないらしい。曰わく、
いったい、これは、何なんだ !! 見ていた私はいっぺんに頭に血がのぼってしまった。(辻元清美 「情けない『ワカンナーイ』発言」、女性リレー・エッセイ、『サンサーラ』 1990年11月号、p.152)
この「ヤング・ギャル」発言を聞いて、ピースボートの主催者たる辻元は相当苛立っていたのだろう。紛争問題に関心のある辻元は、エッセイの中で「視聴者にウケてみよう、なんて台本を書いた男はブッとばしてやりたい」と述べていた。さらに、この活動家は「女にクウェート危機が判らなくてもかまわないと思っている女」と「女はクウェート危機が判らない役をしていればいいと思っている男」に腹が立ったそうで、「こんな女と男ばっかりでこの国が充満しているのではたまらない」そうだ。へぇ~、たいそう御立派なことを言うじゃないか。国際政治に“通じている”辻元は、次のように書いていた。
わたしは今回の日本政府の「中東貢献策」の大半がイラク対アメリカという対決構図のなかで、アメリカ側に一方的な軍事支援をすることになるという理由で批判的である。
では、訊くけど、どうすれば良いの? 辻元の答えはスンバラシい。ピースボートで世界各国を廻ってみること、なんだって。単なる円高買い物旅行ではない「旅」をすることが、日本国憲法の趣旨に適うことであるという。(上掲エッセイ、p.153) 御立派な“辻元先生”によれば、この機に乗じて憲法を改正し、自衛隊を派遣するなんて「本末転倒の議論」であるそうだ。ほ~う。ナルホド。後に代議士「センセイ」となる人物は違うねぇ。オツムが我々と異なっている。
憲法を楯にする勇敢な迷論
それにしても、世の中の「現実」を解っていらっしゃる辻元センセイは、どんな思想を持っているのか? あっ、そう言えば、誰も読まない岩波の『世界』という雑誌に紹介されていた。辻元センセイは立命館大学の君島東彦(きみじま・あきひこ)教授と対談し、目が覚めるような意見を述べていた。(高校生には勧めることが出来ないけど、岩波でしか味わえない、極左の香りがプンプンする驚愕の会話である。)
つむじまで左巻きの辻元清美は、占領軍憲法の第九条をベタ褒めだ。センセイ曰く、
「戦争ができないのはいいことじゃないか」という原点に、もう一度立ち戻るべきだと私は思います。(君島東彦×辻元清美 対談「どちらがほんとうに現実的なのか : 平和ボケの改憲論と9条のリアリズム」、『世界』、2005年6月号、p.83)
辻元は続けてこう述べる。イラクで武力行使をしている英米の軍隊は、降伏させる相手すら判らぬ状態に突入しているから、「力で立ち向かおうとするのは、暴力の連鎖と拡散を生むだけ」であるという。だから、「こういう混沌とした時代だからこそ、力に頼らない解決の道を探っていかないといけません」と。「じゃあ、どうするの?」と問えば、「過去の戦争から考える」のではなく、「現代の戦争をリアルにとらえること」なんだって。だから「憲法九条がますます重要になる」らしい。はっ?
辻元は「攻められたらどうするのか?」という質問に頓珍漢な答えで応じていた。圧倒的な軍事力を誇るアメリカでさえ、9/11のようなテロ攻撃を受けてしまうんだから、いくら武装しても無駄であるという。そこで辻元女史は別の安全保障を提示した。
たとえば南北問題を解決し、貧困をなくしていくとか、エネルギーや環境の分野で共生をめざしていくということです。(p.83)
一般の日本人なら、「えっ、テロリスト相手の対抗策なのに、貧民救済とか共生社会で解決しようとするの?」と驚き、あまりにも的外れな見解に唖然とするが、辻元センセイは真剣なんだよねぇ~。彼女はリスク(危機)を「力」で押さえ込もうとすると、却ってリスクが高くなると思っているそうだ。
(左: 武装したテロリスト / 右: 改造車に乗り込むISISのテロリスト部隊 )
憲法九条を錦の御旗にする辻元センセイだが、それを聲髙に叫ぶだけじゃ「不充分」であるという。そこで、憲法九条の体現として「ピースボート」をつくったらしい。(p.86) さらに、この元活動家はアメリカの要求に対して文句を垂れているばかりじゃダメ、と述べていた。「批判の後に具体的な代案を出さねば !」と痛感したんだって。そこでセンセイが言うには、単に反対するばかりじゃなく、若手の官僚や経済人にも積極に呼びかけ、具体的な「政策提案」をしていかなアカン、らしい。
辻元センセイによれば、「出来る事はいっぱいある」という。左翼に好評なノルウェーを持ち出して、政府が出て行く前に学者とか医者、NGOが入って行って信頼を醸し出すプロセスがあるらしい。こういう「市民活動」に税金が使われるのは良い事なんだって。良い子のみんなは辻元の腹を探って、「なんだよ、結局、ピースボートに税金を渡せ、っていうことなのか !!」と怒っちゃいけないよ。左翼分子は元々お金が大好きなんだから。社会党や共産党に属する人は、他人のゼニで「善いこと」をする天使なので、自ら汗水を垂らして働き、その給金から弱者にカネを分け与えるなんて夢にも思わない。左団扇で税金を鷲摑みにするのが左翼の本性だ。辻元センセイはノルウェーが六万人のNGOを育てた、と褒めていた。ということは、日本にもそれ以上のNPOを作りたいのかなぁ?
代議士となった辻元は、国際紛争の仲介役をしたノルウェーを高く評価し、その流れで占領憲法を持ち上げている。曰わく、
憲法9条で「ウチは武力では紛争解決しまへん」って宣言している日本こそ、調停外交のような政策を「売り」にできると思うんですよ。(p.88)
軍隊を持たない国が調停役だって? いったい、どの国が相手にするというのか。もし、紛争当事国が「うるさい、テメェーなんか、引っ込んでいろ !」と凄んだら「どう」するのか? 辻元は桜吹雪の刺青でも彫って、パレスチナ人やアフガン人に披露するのか? 遠山の金さんだってしないぞ! 血で血を洗う戦いに慣れた中東アジアの民族や、敵の首とか耳、鼻、ペニスを切り取ってトロフィーにするようなアフリカ人を相手に、「暴力はイケませ~ん」と言えば、素直に従うのか? (そんな奴は居らんやろう「チッチキチー」、と言ったら古いかなぁ ?) こんな寝言が通用すると思っているんなら、大阪の暴走族や暴力団に向かって言ってみろ ! 柄の悪いゴロツキどもがどう反応するか見物だ。
(左: ムスリム・テロリスト / 右: テロ組織に捕まり、処刑される寸前の捕虜)
「現実派」を自称する辻元センセイは、我が国の武力を増強することに大反対で、紛争解決をお助けする日本は周辺国からの信頼を得ることが大事であるという。そこで、「自衛隊を三つに分割すべし」と提案した。
(1) 専守防衛に徹する部隊。日本の外へ絶対に出ない。情報公開と軍縮を進めてゆく。
(2) 国際協力専門の部隊。非軍事の人道支援を基本とし、NGOと共同で動く。
(3) 災害救助の専門部隊。災害地からの要請で出動し、24時間以内に世界中へ派遣する。
これって、「部隊」と呼んでいるが、中身は軍隊じゃないだろう。日本から一歩も外に出ない軍隊なんて有り得るのか ? 日本の領域外から飛んでくるICBMとか、原潜から発射されるSLBMはどうするんだ? 日本に向けて発射される前に、敵国の軍事基地を叩くのは世界の常識だ。それなのに、我が国は例外で、敵の核ミサイルが発射されるのを傍観して、東京や大阪が破壊されるのを期待する方が得策なのか? アホらしい。それにだ。もし、第一攻撃で自衛隊が全滅したらどうするのか? 生き残った少数の一般国民が野球バットやゴルフ・クラブを持って、「レジスタンスになれ !」とでも言うのか? 重武装の敵軍からすれば、そんなのは射撃ゲームの的に過ぎない。七面鳥を仕留める方が遙かに難しいぞ。だいたい、辻元は自衛隊の微々たる戦力の削減を提案しているが、厖大な軍事力を誇る支那やロシアの軍縮は無視するのか? そもそも、軍事力で劣る日本がロシア人に向かって、「お前が持つ核兵器や戦略爆撃機、戦車部隊、化学・生物兵器を全廃しろ」と言えるはずがない。
ところが、辻元は日本の“一方的な”軍縮を促進したいのだ。何と、在日米軍を整理・縮小する一方で、沖縄に国際協力専門の研究・訓練基地をつくるんだって。(p.88) 沖縄の米軍を排除したら、そこに紛争地域の若者とかNGOの人々を招き、紛争予防や人道支援の技術を学ばせ、本国に帰ってもらうそうだ。辻元センセイ曰わく「こういう行動こそ、日本の安全保障につながる」んだってさぁ。(血圧の高い高齢者は、卒倒しないよう薬を飲んでから読んで下さい。) もう、頭がふらつき、めまいがしてくる。反論するのも馬鹿らしい。イラクやシリア、チェチェン、アフガニスタンから若者を日本に連れてきて、沖縄の「辻元塾」で人道主義を学んで頂いたら、殺戮の嵐が治まるというのか? 無駄飯ぐらいの国連職員とかNGOの外人が沖縄に来たって、口先ばかりの理想論を滔々と述べるだけで、後は快適なホテルに泊まって豪華なディナーを堪能し、翌日はビーチで海水浴、というのがオチだ。彼らの接待費用は全部日本人持ち、つまり税金で賄われる、ということだろう。
だいたい、こんなNGOの連中を招待したいなら、辻元が自分の財布から資金を出せばいいじゃないか。自分の選挙費用だってケチるのに、他人のゼニとなれば気前が良くなり、いくらかかるのかを“具体的”に示さない。つまり、辻元は税金からの捻出を何とも思っていないのだ。辻元は詐欺師と同じで、先に実質的な金額を提示せず、薔薇色の空論で世間を欺こうとする。辻元は一般国民を搾取せず、まず自身の左翼仲間から資金を募ったらどうなんだ? 資産家の福島瑞穂なら、2億円くらい貸してくれるかもよ。ただし、狡猾な弁護士上がりの議員だから、30%の高金利で貸し付けたりして。サラ金業者に強い弁護士を雇わなきゃ。「資本家はゆるせなぁぁい !」と叫ぶ社会主義者だって、自分のお金を貸すときには、シャイロックも真っ青になるくらい貪欲な金融資本家になる。社会主義者がどんな綺麗事を口にしようとも、自分の私有財産だけは「例外」にする左翼は信用できない。
「平和ボケ」はどっちなんだ?
「現実主義(リアリズム)」を掲げる辻元は、紛争地での実体験を自慢していた。彼女はカンボジアに行った時、目の前で兵士の集団に発砲されたことがあるそうだ。(おいっ ! まさか税金を使った「大名旅行」、いわゆる「視察旅行」じゃないよなぁ ?) ところが、案内役のカンボジア人コーディネーターが「我々は丸腰で、あなたたちの敵ではない」と説明してくれたから事なきを得たという。しかし、冷や汗をかいたはずの辻元は、驚くような見解を述べていた。
ああいう局面で武装なんかしている方が危ないですよ。・・・・あれでもし、こちらも武装していて、極限の緊張状態のなかで、どちらかが先に撃ってしまったら、どんなことになるか。(p.89)
さぁ~すが、辻元センセイの「安全保障論」はスンバラしい。銃器で武装するより、丸腰の方が安全なんだって。でもさぁ、よもや自衛隊とか歐米の軍隊が付き添って議員センセイを警護していた、なんてことは無いよねぇ~。とにかく、辻元議員は「人道支援」が一番効果的である、とおっしゃっている。センセイ曰わく、
自衛隊みたいな階級組織で、いかに効果的に人を殺すかという訓練を中心にしているような集団は、はじめから助け合いに向いていないんですよ。(p.89)
あのさぁ~、そもそも、自衛隊は市民ボランティア団体じゃないんだよ。だいたい、ゲリラ兵がウヨウヨいるカンボジアに、政府が民間人を派遣できるのか? それに、いくら政府の役人が「みなさぁ~ん、カンボジアの貧民を助けてくださぁ~い」と呼びかけても、一般国民は「殺されるじゃないか !」と怯え、決して応じないだろう。もし、民間人への殺戮とか無差別攻撃が行われたら、いったい誰が責任を取るんだ? 辻元か? そんな訳ないだろう。「ワタシ知らない !」とそっぽを向くんじゃないか。
辻元センセイは兇悪なテロリストやゲリラ部隊を前にするなら、軍事力よりも道義心の方が有効だと信じている。紛争が絶えないパキスタンに行っても、原爆攻撃を受けた日本の悲劇を語り、核兵器を持っていない事実を伝えると、「それだけですごい説得力」になるそうだ。(p.89) 一般国民なら「えっっ !! 戦争で負けた話が自慢になるの !!」と仰天するが、税金で食っている辻元センセイは、弱くなることが国防の要(かなめ)と考えているようだ。それじゃあ、イジメを受けている中学生の前で、同じ事を話してやれよ。「みんなぁ~、イジメっ子に出くわしたら、以前にもボコボコにされた事があるんだ、と伝えなさい。そうすれば悪ガキどもは手を出さないないから」、と。それに対し、子供たちはどう反応するのか? きっと「馬鹿じゃねぇ。このオバはん ! ちょっと頭がイカれているぞ !!」と吐き捨てるだろう。呆れ返る子供たちは、まさか、こんなボケ女が一億円も給料をもらっているとは想像できないはずだ。大人だって考えたくないんだから。
でも、辻元「大先生」は自信満々なんだよねぇ~。我々と精神の構造が違っているのだ。センセイは続けて述べていた。
(発展途上国の人々に向かって、日本は)「戦争しないって決めているんだよ」っていうと、「いい国だね」って、紛争地に行くとうらやましがられた。(p.90)
なるほど、日本の事を知らぬアジア人やアフリカ人に、前提条件を教えないまま、都合のいい「部分」だけ選べば、「へぇ~、羨ましいなぁ」と答えるだろう。だが、日本は米軍の核戦略で守られ、自衛隊も最新兵器を取り揃えているんだから、いくら憲法で「戦争はしません」と書いても外人は信じない。事実、カンボシアやイラクの民衆が自衛隊を目にすれば、「あっ、日本の陸軍が来た!」と思うだろう。アメリカ人やフランス人だって、イージス艦を見て「豪華客船」とは思うまい。もし、空自のF-15(イーグル)戦闘機を眺めた社民党議員が、「あの飛行機は不経済だ。たった1人しか搭乗できないじゃないか !」と不平を述べたら、アメリカの女子供でも、「この、どアホ ! 遠足用の民間機じゃねぇんだ」と叱り飛ばすだろう。
もう、開いた口が塞がらないけど、辻元センセイは、とにかく民間人のNGOが大好き。この元“市民”活動家は脳天気を通り越している。
国同士は「国益」でぶつかり合いまかず、NGOにはそれはない。NGOは世界でいちばん大きなスーパー・パワーになってきていると思います。(p.90)
えっ、NGOが世界で一番の「スーパー・パワー」だって? もしかして、我々が思う「超大国」とか「軍事大国」の意味じゃないよねぇ? でもさぁ、いくらなんでも「丸腰非武装」の市民団体が、RPG(ロケット砲弾)やカラシニコフ銃を構えたゲリラより強いなんて、とても信じられない。辻元センセイには、せめて映画『ブラックホーク・ダウン』を観ていただきたい。この映画はマーク・ボウデン(Mark Bowden)による同名の小説(ノン・フィクション)が原作で、巨匠リドリー・スコット(Ridley Scott)監督が手掛けた作品だ。人気男優のジョシュメハートネット(Josh Hartnett)やユアン・マグレガー(Ewan McGregor)が出演していたから、日本でも観た人は多いだろう。この作品は1993年にソマリアのモガデシュ(Mogadishu)で起きた泥沼の市街戦を描いている。ソマリアのゲリラ兵により、米軍のヘリ「ブラック・ホーク」が撃墜され、窮地に陥ったアメリカ兵は現地民兵の猛攻撃を受け、悪戦苦闘するというストーリーになっていた。あのような血みどろのゲリラ戦なら、アメリカ人じゃなくても寒気がしてくる。
(左: 「ブラック・ホーク・ダウン」の戦闘シーン / 右: 映画の中で撃墜される米軍のヘリコプター)
しかし、辻元センセイのNGO信仰に迷いは無い。もう、カルト宗教の域に達しているのだ。世界各地で起こる紛争を解決するには、武力行使じゃ駄目らしい。辻元が思うには、「なるべく早く危機を察知して、NGOが非暴力で介入する道をとるべき」なんだって。将棋界の天才、加藤一二三(愛称「ひふみん」)じゃないけど、「ひゃゃ~」と驚く解決策だ。タリバンとかISISのテロリストを前にして、「みなさぁ~ん、私たちは平和の使者なんですよぉ~」と呼びかければ、彼らが武器を地面に置くとでも思っているのか? 辻元をはじめとする「市民活動家」は全員“蜂の巣”にされるだろう。このアホ議員が提案する人道支援なる活動は、自国の軍隊がテロリストを壊滅し、治安を回復した後の“ママゴト”に過ぎない。重武装した将兵が市街地や建物を見張り、安全を確保した上で、民間人が人助けを出来る、という前提を省略して話を進めているんだから、辻元と君島の対談はボケ漫才よりも滑稽だ。
(左: 現実のモガデシュ / 右: 銃を担ぐソマリア兵 )
だいたいさぁ、丸腰の民間人がしゃしゃり出て、凄惨な紛争や民族浄化が一掃されるなら、誰も苦労しないじゃないか。でも、辻元センセイは現実主義者を気取っているのだ。彼女の顔(ツラ)は鋼鉄製なのか、物凄い演説をぶっていた。
憲法9条を選択する道はバラ色でもなんでもなくて、むしろ厳しい道です。自分は安全なところにいて、軍隊だけ行かせているほうがよっぽと楽でしょう。(p.91)
おい ! こら ! 辻元。黙って聴いてりゃ図々しいことを言いやがって !! 「自分は安全にところにいて」だと ? お前が「安全な日本」にいるんじゃないか ! 他人の税金で海外旅行をして、お姫様のように扱われているのに、その議員特権を棚に上げて一般国民に説教すとは !! そんなに勇敢なら、自衛隊の護衛無しに紛争地帯を廻ってみろ ! 辻元の「ピースボート」はアフリカ沿岸にノコノコ赴いて、兇暴な海賊に襲われたそうだが、その時、ピースボートの連中は海上自衛隊に「助け」を求めたじゃないか。ご自慢の「非武装主義」はどうしたんだ? 話し合いで解決できるんじゃないのか?
ところが、辻元議員は正常な日本人を罵倒する。
紛争の現実を直視すれば、憲法9条は極めて現実的な選択です。むしろそれを、理想に過ぎないといって切って捨てるほうが思考停止、ほんとうの意味での「平和ボケ」だと思います。(p.90)
亡くなった「横山やすし」じゃないけど、「こらぁぁ、ワレ、ナメてんのかぁ!!!」と叫びたくなる。憲法9条の“どこ”が“現実的”なんだ ? 戦争放棄を口にすれば、日本の安全を保証できるなんて、ペンギンだって信じないぞ。こんな頭をしているのに、我々を「平和ボケ」と呼ぶなんて辻元は宇宙人なのか? アフリカ人なら辻元に向かって槍を投げるし、パレスチナ人なら石を投げ、日本の子供だと針ネズミを投げつけるぞ。 仔猫だってサボテンを猫パンチすれば、その痛さで植物の種類を認識できるのに、人間であるはずの辻元は凄惨な戦闘状態を目にしても、一向に現実を理解できない。これは辻元の眼球ではなく、その精神に異常があるからだ。
そして、日本の悲劇はこの「事実」に有権者が気付いていないことである。大阪の有権者だって普段は常識を弁え、まともな行動をとっているはずだ。しかし、一般人は岩波の『世界』なんていう珍しい雑誌を読まない。その存在すら知らないんじゃないか。だいたい、学校の図書館で埃(ほこり)を被っている印刷物なんて、インクで汚れた古紙に過ぎない。一般国民は国会で威勢良く政府批判を繰り返す姿や、街頭での絵空事演説を聴いて、「辻元っていうのは、面白そうなオバちゃんやなぁ」と思うだけ。国会で何をしているのか考えないし、探ろうともしない。でも、筆者のブログを呼んだ後で、「このアホ議員に年間1億もくれてるんですよ」と教えれば、巷のオっちゃんたちも「えっ、そんなに !」と仰天するはずだ。日本人には「報道されない情報」を得ることが重要だ。かつて左翼は自衛隊を「税金泥棒」と呼んだが、実際は左翼議員の方が「カネ喰い虫」なんだから、詐欺師というのは口がうまい。
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