教科書に載せて全日本人に知らせたい現代史 支那人の卑史 朝鮮人の痴史
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賭に出る小池百合子

  英国には何でも賭の対象にして庶民からお金を巻き上げるブッキー(博奕屋 / bookie)がいる。賭け事の対象はサッカーの試合でどのチームが勝つとか、誰が英国の首相になるのか、また生まれた王女の名前がシャーロットなのかエリザベスなのか、はたまたキャサリンなのか、といった具合に何でもありだ。もし、イギリス人のブッキーが安倍首相を調べたら、一体どれくらいの賭け率で「大勝」「辛勝」「惨敗」を予想するのか? たぶん、衆議院の過半数は獲得できそうだから、おそらく「惨敗」はないだろう。だが、今回の選挙で注目されるのは、希望の党がどれくらい議席を獲得できるかだ。そして、日本人の博徒や政治評論家は、小池百合子の衆院選出馬をどの程度予測しているのか、ちょっと知りたい。というのも、彼女が突然、党の代表に就任したからだ。

  各テレビ局や新聞社の質問を受けて、小池氏は都知事を務めながら総選挙に臨むと話していた。しかし、選挙が始まって党首討論となった場合、総理大臣を目指さない党首のままで論争に勝てるのか? 必ず、彼女は首班指名を誰にするのか詰問されるだろう。代表に就任した際、軽率にも「公明党の山口那津男代表にしたい」と口走ってしまったが、小池氏の本意ではあるまい。共同代表でもなく、若狭勝や細野豪志を斥けて、自分が党首に納まったのだから、密かに総理大臣の椅子を狙っているはずだ。なぜなら、もし希望の党が大勝利を収めた場合、その果実を他人に譲り渡すなんて馬鹿げている。小池氏は自民党在籍時代、安倍氏の後釜を狙って、好きでもない石破茂に近づいていたじゃないか。ただ、添い寝した男が深海ナマズみたいな親分だったから、降って湧いた都知事選に立候補したんだろう。たぶん、小池氏は未だに総理の座を諦めていないはずだ。その証拠に、彼女は今年二月に希望の党の商標登録を済ませていた。つまり、いつでも総選挙に臨む準備を進めていたということだ。

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(左: 石破茂  / 中央: 若狭勝  /  右: 細野豪志)

  選挙を闘う時には党首の「顔」が重要になる。「都民ファーストの会」では若狭勝が張り切っていたけど、やはり大将の器ではないし、党の看板になるほどの色男でもない。若狭氏は小池都知事の忠犬みたいに振る舞っていたが、テレビ画面でみると女房に捨てられたサラリーマン亭主みたいだ。会社では生真面目だがうだつの上がらない万年係長で、家に帰れば奥様に叱られるダメ親爺といった感じ。つまり、女房が家を飛び出して一人わびしく食事をしながら、5年以内に死んでしまうタイプということだ。後知恵みたいになってしまうが、筆者は小池氏が党の代表になるだろうなぁ、と思っていた。だって、若狭じゃ主役を張れないし、オバちゃん達の支持も得られない。一方、細野じゃ山本モナとの一件を蒸し返されて冷笑されるのが目に見えている。結局、ハッタリの利く小池百合子しかない。

  ということで、ハズれるかも知れないが、筆者は前々から小池氏が都知事を放り投げて、衆院選に出馬すると思っている。これは善悪の問題じゃなくて、小池氏が抱える年齢の問題だ。現在65歳の小池氏が、あと4年我慢して安倍氏の後任を狙ったら、70歳近くの婆さんになってしまうじゃないか。ただでさえ豊洲移転で大失敗を犯したんだから、あと三年間どんな失敗をしでかすか分からない。来年再来年になれば、益々世間の風当たりは冷たくなる。4年後に業績の無い都知事が総理大臣を目指しても、誰がライバルになっているか予測できないし、都民ファーストの手下が附いてくるかどうかも分からない。自分の事だけが可愛い新人都議は、老婆となった小池氏を見棄ててしまうだろう。したがって、小池氏が首相を目指すなら今しかない。

Koike 342(左  /  小池百合子)
  以前、このブログで述べた通り、「都民ファースト」の実態は「百合子ファーストの会」なので、小池氏が政界の頂点に立つための踏み台でしかない。都民や国民が優先されるのは、小池氏が彼らの上に君臨した時だ。つまり、小池支持者は「百合子ファン・クラブのプレミア会員」程度で、小池劇場のアリーナ席で観戦できる“お客様”に過ぎない。ただ、彼女にとって切実な問題は、都知事の後継者を誰にするかということである。もし、小池氏が都知事の椅子を蹴飛ばしたら、「無責任」との誹りは免れないから、その空席に適当な代理人を据えなければならない。総選挙に全力で取り組む小池氏は、背後からの攻撃を食い止めるためにも、自分に代わって都知事選を闘ってくれる同志が必要となる。そうなると、多少の知名度があって実務能力に長けた人物でなければならない。小池氏はいったい誰に目を附けているのか。もしかしたら、都知事はどうでもいいと割り切るかも知れないぞ。彼女は最後の賭に出ているから、総選挙に背水の陣で挑むはずで、“過去”の職まで心配していられないだろう。

気紛れで投票する民衆

  保守派国民の一部は小池氏の政治手法を非難するだろうが、彼女の口車に乗せられる有権者が多いのも事実だ。衆愚政治に陥ったデモクラシーの例は枚挙に遑(いとま)がなく、その元祖たる古代ギリシアにも実例があった。プルタークの『対比列伝』で紹介されているアリスティディス(Aristides)の話を読めばよく分かる。このアリスティディスはマラトンの戦いで将軍(strategos)を務めたこともある人物で、民衆投票で統治者(archon)にも選ばれたことがある。そして、彼は不正なことを見逃さず、正義を枉げることが大嫌いだった。例えば、アリスティディスの仇敵が裁判にかけられた時、判事が審問を省略して即決裁判にしようとしたので、彼はそれに抗議し、法律に則って被告人も公正な審査を受けられるように訴えたことがある。このような清廉の士であったことから、アテナイの人々は彼を「正義者」という神聖な尊称で敬っていたそうだ。

  しかし、世間から尊敬される者は、嫉妬されることも多い。古代アテナイには貝殻追放という制度があって、各人が貝殻(Ostracon)もしくは陶器の破片を一つずつ持って、そこに追放してもらいたい市民の名前を記し、木の柵をめぐらした一定の場所に投じたという。すると、役人が全部の貝殻の数を計算し、書かれた名前で選り分け、多数を得た者は十年間の追放に処された。建前上、この貝殻追放は都市にとって脅威となる人物や暴君となりうる人物を排除すべく考案されたものらしいが、実際は嫉妬心を体(てい)よく解消するための方便だった。有名な政治家のテミストクレス(Themistocles)も追放の憂き目に遭ったから、民衆の嫉妬は怖ろしいものである。

  話を戻すと、ある時、アテナイの市民が貝殻に名前を書き込む事態があって、一人の田舎者が貝殻を握っていたのだが、文字を書くことが出来なかった。そこで、彼は通りすがりのアリスティディスを一般市民だと思い込み、自分の貝殻を突きつけて、そこに「アリスティディス」と書いてくれるよう頼んだ。ビックリしたアリスティディスは、一体アリスティディスという者がどんな迷惑をかけたのか、と彼に尋ねたそうだ。すると、件(くだん)の男は、「いや、何もありやせん。あっしは奴のことすら知らないんてですがねぇ、ただ何処へ行ってもあの男が正義者って呼ばれるんで厭になっちまった次第で」と答えた。これを聞いたアリスティディスは一言も答えず、貝殻に自分の名を書いてやって渡したそうだ。(Plutarch's Lives, Vol. II, trans. by Bernadotte Perrin, The MacMillan, New York and London, 1914, p.235. 日本語訳だと『プルターク英雄伝』 第三巻、鶴見祐輔訳、昭和46年、潮文庫、229頁を参照。)

  古代ギリシアの民衆と同じく、日本の有権者も気紛れや嫉妬心、熱狂、印象などで投票することが多い。国民の多くは連日の報道に踊らされて希望の党に投票するだろう。たとえ、小選挙区での大躍進が無くとも、比例でかなりの議席を獲得するはずだから、自民党幹部は焦っているはずだ。政治報道に齧り付いている人は別で、ワイドショーをぼんやり観ている人や聞き流しで視聴している人は、何となく小池氏に同調してしまうし、自民党に不満を募らせる人も、左翼政党じゃないから反自民として希望の党に投票するかも知れない。事実、「安倍自民党にお灸を据えなくちゃ」とか「初の女性総理が望ましい」と思う人がいるくらいだから、自民党執行部はどれほど議席を食われるのかと気を揉んでいるし、小池氏側近は何人が小選挙区で勝てるのかを計算しているはずだ。まぁ政党の皮算用はともかく、マスコミと一緒に喜んでいる国民は、希望の党が具体的に何をするのか解っていないし、小池氏が改憲や消費税について明言しているものの、その真意は曖昧にしたままである。小池氏は大衆が理性で考えず、感情で動くと分かっているから、謎めいた魅力と奇抜な話題でメディアを惹きつけ、票田の大量獲得を狙っているのだろう。

主役を張れる顔

  今回の総選挙で各党の明暗がはっきりした。民進党は自壊して解党となった。(蓮舫に乾杯 !) 希望の党にすがりつく前原誠司は団体での合流を求めるが、小池氏はクズ議員を取り除くため、入党希望者を吟味すると言い始めた。泥船から抜け出した前原は、解党に際して自らの理想を実現するため、「名を捨てて実を取る」と粋がっていたが、看板をすげ替えるだけの議員ばかりなんだから、古い名前を捨てて新しい名前に飛びついただけじゃないか。世間は「絶望の党」から「欲望の党」への引っ越しだ、と笑っているぞ。消滅する民進党はどうでもいいが、過半数を維持したい安倍首相は本当に情けない。テレビ番組に出演して解散の理由を説明していたが、なぜ北鮮問題と安全保障の一本で押しきらなかったのか。消費税の使い道で言い訳がましいことを口にしないで、國軍創設を宣言すればよかった。核兵器を開発中の北鮮と核大国の支那を相手にするのに、貧弱な装備の自衛隊で対抗できる訳がないだろう。

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(左: 安倍晋三  / 中央: 小泉進次郎  /  右: 前原誠司 )

  筆者は小泉進次郎の政策には反対だが、彼のマスコミ対応や印象操作には感心している。迫力の無い安倍首相と違って、彼には総理大臣の風格や、閣僚経験者でも有しないオーラがあるからだ。小池氏をピーチクパーチク批判する安倍氏よりも、「小池さん、選挙に出て来てくださいよ !」と挑発する進次郎の方が勇ましかった。一般視聴者も、余裕を持って喋る進次郎に好印象を抱いたはずだ。彼はカメラ映りがいい。熱弁で空回りする安倍氏よりも「絵」になるし、小賢しい小池氏に対して動じない堂々とした雰囲気がある。顔を現すだけで周囲を暗くする石破茂なんかとは比べものにならない。民放各局は石破を持ち上げていたが、その期待を背負う「寵児」が喋ると画面が暗くなる。しかも、視聴者がチャンネルを変えたくなるから、石破の総理昇格はほぼ絶望的だろう。

  「一寸先は闇」というのが政界の原則だから何とも断言できないが、もし小池氏が衆議院への復帰を目指した場合、たぶん比例で出馬し、その人気を以て全国各地を遊説するんじゃないか。特別な情報も無い筆者は、小池氏が都知事を辞めるという前提で話を進めてしまったが、彼女が出馬しないまま総選挙を迎えれば、党首討論での迫力に欠けるし、有権者に対しても説明がつかない。マスコミからは当然、選挙後の「首班指名をどうするのか?」と質問されるから、まさか「公明党の山口代表にします」と再びヘマを犯す事はできないだろう。もちろん、前原なんて論外だ。妄想を膨らましてもいいなら、小池氏は自民党と連立を組む代わりに「私を総理にして」と交渉するかも知れない。日本新党ブームの時、大政党の代表でもない細川護煕が首相になったし、社会党と連立を組んだ自民党は村山富市を総理に担いだ。とは言っても、安倍氏が小池氏に総理の座を明け渡すことはないだろう。ただ、小池氏は強気の要求を突きつけてくるはずだ。いずれにせよ、小池百合子は脇役で終わるつもりはない。「主役は私よ、ホホホ !」と宣言するのが小池流だ。井上陽水は「飾りじゃないのよ涙は」と歌っていたが、小池氏なら「百合子は飾りじゃないのよ、本命なの !」と唄うんじゃないか。




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