無敵の太陽

主要マスメディアでは解説されない政治問題・文化・社会現象などを論評する。固定観念では分からない問題を黒木頼景が明確に論ずる。

2016年03月

ヒトラーの再現か ? / トランプ ~叛逆の大統領候補

保守派さえ嫌うトランプ

Donald Trump & Ivanka 3Donald Trump & Melania 1








(左トランプと娘のイヴァンカ/右トランプとメラーニャ夫人と息子のバロン)

  目下、アメリカでは四年に一度のお祭りが始まっている。今回の目玉は「トランプ旋風」だ。オバマの民衆党政権が二期8年続いたので、2016年は共和党の番だ、と共和党員は大はしゃぎ。ところがどっこい、ワシントンの支配者たちが担いだ本命のジェブ・ブッシュはあっけなく敗退し、冷やかし程度で出馬したドナルド・トランプが本命になってしまった。これを観れば、「一寸先は闇」という政界の諺が身に沁みて分かるだろう。アメリカのマスコミは蜂の巣を突いたように騒ぎ出し、評論家やキャスターはてんやわんやで、この気違いの暴走を何とか食い止めねば、と躍起になっている。左翼が牛耳るテレビ局や大手新聞社が「反トランプ」キャンペーンを張るのはいつものことだから驚かないが、共和党保守派と評される論客まで反対に廻ったのだから尋常ではない。

Donald Trump & Marla Maples 2Donald Trump 11










(左: トランプと元夫人のマーラ・メイプルズ / 右: 若い頃のトランプ)

  愛される者に理由があるなら、嫌われる者にも理由がある。トランプを熱狂的に支持する者は、彼の大胆な反移民政策や在野の意見に共感を覚えるのだろう。一方、左翼勢力はトランプの人種に基づく移民排除に神経を尖らせている。左翼メディアはトランプがヒスパニックやイスラム教徒を露骨に嫌うことに反感を持っているからだ。従来、このような対立構造が浮き上がれば、共和党保守派の知識人はトランプへの支持を表明するはずなのに、今回は違った。共和党保守派が分裂しているのだ。人気コラムニストのアン・コールター(Ann Coulter)や元大統領候補にもなったパット・ブキャナン(Patrick Buchanan)、保守活動家のピーター・ブリメロウ(Peter Brimelow)などはトランプ支持に廻っているのに、著名なコラムニストのジョージ・ウィル(George Will)はトランプを愚者扱いにしているし、保守派雑誌『ナショナル・リヴュー(National Review)』に至っては、「反トランプ(Against Trump)」という題を附けた特別号を発刊していたのだ。

Ann Coulter 8Pat Buchanan 3






(左: アン・コールター/右: パット・ブキャナン)

  日本と同様、アメリカにおいても保守論壇は分断されている。冷戦の頃は、反共産主義・反左翼の雑誌として名を轟かせた『ナショナル・レヴュー』も徐々に左傾化し、保守思想の信条を貫くことより、雑誌経営を第一に考えているのだ。つまり、広告主を第一に考えている。そこでマスメディアに阿る方針を取り、西欧系白人を擁護するアングロ・アメリカ的伝統は脇に捨てて、ユダヤ人の多民族・多文化主義に配慮する編集方針になってしまった。トマス・ソウェル(Thomas Sowell)という『ナショナル・リヴュー』お抱えの保守派論客は、大衆の歓心を呼び起こす点で、トランプをアルゼンチンのペロン、アメリカのオバマ、ドイツのヒトラーと比較し、「トランプは真の保守主義者ではない」と結論づけている。(Jeet Heer, National Review Fails to Kill Its Monster, New Republic, January 22, 2016) 確かに、トランプは保守主義者ではないが、批判しているソウェルも真の保守主義者ではないだろう。彼は黒人ながら白人の保守主義に同調することで人気を博しているだけだ。彼は白人保守派に味方をし、黒人左翼を批判する事で儲けているのである。ABCの政治討論番組『ディス・ウィーク』でもお馴染みのジョージ・ウィルも、共和党主流派に背くトランプが大嫌いだ。「彼は根本的に哀れな人物である」とウィル氏は嘆く。そして、保守派の重鎮を自認するウィルは、共和党の優先課題をトランプの指名沮止に置いていたのだ。(George Will, If Trump wins the nomination, prepare for the end of conservative party, The Washington Post, December 23, 2015) しかし、昨年末から今年になってもトランプ人気が衰えないから、ウィル氏は益々不満が募り、様々なメデアに登場して、共和党の終焉を説いている。

Peter Brimleow 1George Will 3Thomas Sowell 3









(左: ピーター・ブリメロウ/中央: ジョージ・ウィル/右: トマス・ソウェル)

  「営業保守」の西欧系評論家より、さらに辛辣なトランプ批判を展開するのは、「ネオコン」のユダヤ知識人である。彼らは「新保守主義(ネオ・コンサーヴァティヴ)」という看板を掲げているが、その実態は共和党に潜り込んだ元民衆党左派のユダヤ人である。彼らは民衆党の大物ヘンリー・“スクープ”・ジャクソン(Henry “Scoop” Jackson)上院議員のもとで育ったシオニスト左翼であることは周知の事実。その代表格のビル・クリストル(William Kristol)は、しばしば共和党保守派を代弁する評論家としてテレビ番組に出演するが、彼が擁護するのはアングロ・アメリカの伝統ではなく、心の祖国イスラエルに係わる利益である。たとえ、「保守系」雑誌の『ウィークリー・スタンダード』誌を刊行していても、熱心に語るのは中東アジアで仕掛けられたイスラエルの陰謀やアメリカにおけるユダヤ人の地位で、西欧系アメリカ人の事は二の次三の次なのだ。イスラエル・ロビーの言いなりにならぬトランプに業を煮やしたクリストルは、独立系の共和党候補者を提案し、トランプを潰そうと図っていた。

Bill Kristol 1Marco Rubio 1Norman Braman 2








(左: ビル・クリストル/中央: マルコ・ルビオ/右: ノーマン・ブラマン)

  人種差別の臭いがする白人のトランプを嫌うユダヤ人のクリストルは、今となっては手遅れだが、ヒスパニック系のテッド・クルズやマルコ・ルビオなら歓迎するだろう。特に、ルビオは共和党ユダヤ人のお気に入りである。例えば、ルビオのパトロンの一人にノーマン・ブラマン(Norman Braman)という大富豪がいたことは、一般の日本人にはあまり知られていない。彼はポーランドからのユダヤ人を父とし、ルーマニアからのユダヤ人を母とするビジネスマンで、クルマの販売で財を成した人物である。いつもの事だから驚かないが、ブラマンはルビオの支援団体(Super PAC)に5百万ドルも献金していたという。(Eli Clifton, Meet Marco Rubio's Far-Right Neocon Donors, The Nation, December 11, 2015) チャンネル桜を観ていたら、西村幸祐がルビオは日本の防衛に理解があると持ち上げていた。しかし、ルビオの関心事は中東アジアにおけるイスラエルの国益である。アメリカの選挙を見ていると、どの候補者も必ずイスラエル・ロビーにゴマを擦ることで忙しい。アメリカの選挙なのに、民衆・共和を問わず、どいつもこいつもユダヤ人にへりくだり、「私はイスラエルを支持します !」と熱弁をふるうのが当り前になっている。とりわけ、札束とユダヤ票が欲しい連中は、キリスト教徒であってもイスラエル詣でを欠かさない。本当に、合衆国への忠誠心はどこへ行ったのか、と言いたくなる。こんな政治家が国政を担っているから、アメリカ軍がイスラエルの傭兵になってしまうのだ。アメリカの議員は、空き巣に餌を貰って尻尾を振ってしまう番犬を笑えないだろう。

  ついでに言えば、ルビオのアドヴァイザーを務めたマックス・ブート(Max Boot)もひどい。彼は共和党員なのに、トランプに腹を立て、民衆党に投票する勢いだ。彼は初めて共和党候補者に背く投票をするつもりだ、と公言していたのである。しかも彼は、「ドナルド・トランプに投票するくらいなら、私はヨシフ・スターリンに投票するぞ !」と豪語していたのだ。(Alexander Burns, Anti-Trump Republicans Call for a Third -Party Option, The New York Times, March 2, 2016) ブートの憤りは凄まじく、「どんなことがあってもトランプには投票しない」と意地になっている。「もしブルムバーグ元市長が出馬するなら彼に、もししないのなら、ヒラリーを支持する用意があるんだ」とまで言っているから、相当やきもきしているのだろう。これでは日本人だって、「お前、本当に共和党なのか?」と彼に尋ねたくなる。しかし、ご心配無用。彼はロシアからやって来たユダヤ帰化人である。生粋のアメリカ人ではない。ユダヤ人はアナーキストかマルキスト、左翼、シオニストのどれかになっていれば充分なので、アングロ・アメリカがどうなろうがお構いなし。移民の波でアメリカが沈んでも平気である。涙は搾っても出てこないし、逆立ちしたって屁も出ない。それに、彼が仕えていたルビオなんか、イスラエルの為に利用するキューバ人程度にしか思っていないのだ。

Hillary Clinton 1Max Boot 1stalin 3









(左: ヒラリー・クリントン/中央: マックス・ブート/右: スターリン)

  ヒスパニック移民やイスラム教徒の流入を阻むトランプは、とにかくユダヤ人に受けが悪い。彼には白人中心主義の影が濃厚に見られるからだ。しかし、アメリカはもともとイギリス人によって建てられた国だから、白人中心主義でもおかしくはない。現在の西欧系アメリカ人は学校に通って頭がくるくるパーにされているから気づかないが、建国の父祖を継承する国民が祖先の肉体的特徴を誇りにしたって不思議ではない。ファッション・モデルは自らの肉体を見せびらかして銭を得ているが、誰も彼女たちを非難しないじゃないか。それに、ある日本人が友人の息子に会って、「やぁ、君はお父さんにソックリだね」とか「何となく、お爺ちゃんの面影があるなぁ」と話しかけても、失礼には当たらないだろう。むしろ、祖父母と似ていることを恥じる孫がいたら、その方がどうかしている。日本のマスコミは異常なくらい歐米の白人主義に批判的だが、南アフリカやコンゴ、モザンビークなどの黒人至上主義には寛容な態度を見せている。アメリカにも「ブラック・バンサー」という過激な黒人団体や「ラ・ラザ(人種)」というヒスパニック組織が存在するのに、なぜか日本のワイドショーは取り上げようとはしない。つまり、黒人や南米人には興味が無く、端っから馬鹿にしているからだろう。この点ではユダヤ人も同じで、彼らはやたらと黒人やヒスパニックに同情を示す。最近だと、イスラム教徒にまで理解を示しているのだ。ニューヨーク・タイムズ紙のロジャー・コーエンというジャーナリストは、ユダヤ人のくせにイスラム教徒の入国を制限するトランプに反撥し、多文化主義を標榜しているから胡散臭い。コーエンはトランプが差別主義者だと言いたくてたまらないのだろう。彼はトランプが「ムスリム、メキシコ人、障碍者、女性を侮辱している」と文句を垂れ、現在のアメリカを「ワイマール期のアメリカだ」と訴えている。(Roger Cohen, Trump's Weimar America, The New York Times, Decmber 14, 2015) つまり、ヒトラーが台頭したドイツと同じだぞ、と言いたいのだろう。

Abe Foxman 1Donald Trump 6










(左: エイブ・フォックスマン/右: ドナルド・トランプ)

  ユダヤ人ってのは、何かと言えばナチやヒトラーを持ち出して自分の意見を正当化しようとする実にイヤらしい民族だ。アメリカの藝能界にはユダヤ人がゴロゴロしていて、しょっちゅう政治に口を挟んでくるから鬱陶しい。ユダヤ人団体のADLで会長を務めていたエイブ・フォックスマン(Abe Foxman)などは、もうトランプを完全にユダヤ人の敵と見なしているから、現役を退いてもトランプ批判に熱心だ。最近では、コメディアンのルイス・C.K.(本名/Louis Székely)がトランプのことを「気の狂った頑固者」と呼び、ヒトラーになぞらえている。(Marianne Zamberg, Louis C.K. Compares Donald Trump to Hitler, Variety, March 5, 2016) ルイスはメキシコ系移民の息子だが、彼の父ルイス(Luis)はメキシコに住んでいたユダヤ人である。もとはユダヤ人の祖父がハンガリーからメキシコにやって来ただけだから、ヒスバニック系とは言えないだろう。昔ならユダヤ人は「居候」扱いだったのに、今では合衆国が彼らの祖国であったかのように考えているから、ユダヤ人というのは誠に図々しい。西欧世界に属さない「よそ者」ということを忘れているせいか、ルイスはメキシコ移民を排斥するトランプが大嫌いで、トランプを「最悪の選択だ !」とか「ヤツは危険だ !」と言いふらしている。

Louis C K 1Bill Maher 1Jon Stewart 1









(左: ルイスC.K./中央: ビル・メイハー/右: ジョン・スチュアート)

  左翼が溢れているテレビ局には、反トランプの藝人がうようよいる。有名コメディアンのビル・メイハー(Bill Maher)もトランプを非難し、この大統領候補をヒトラーになぞらえていた。憎悪の炎に燃えるメイハーはご丁寧にも、ヒトラーが演説をしているフィルムを引っ張り出して、それを巧みに編集し、いかにトランプが兇悪な独裁者と似ているかを示しているのだ。フィルムの中ではヒトラーが熱弁をふるっており、「収容所を作るんだ。ユダヤ人にツケを払わせてやる」と意気込んでいる姿が映し出されている。(Moses Frenck, Trump is Hitler Comparisons Intensify, Diversity Inc, March 7, 2016) このメイハーは自分のトーク・ショー番組を持つユダヤ人で、左翼的見解を以て視聴者の好感を得ようとする典型的なテレビ藝者だ。彼は人気コメディアンのジョン・スチュワート(Jon Stwart/本名Jonathan Stuart Leibowitz)と同じ穴の狢と考えた方がいい。ちなみに、このスチュアートも左翼ユダヤ人で、ポーランドやウクライナからやって来たユダヤ移民の孫である。アメリカにいる人気コメディアンのほとんどは左翼で、自ら民衆党の広告塔になっている奴が多い。

  日本と同じく、アメリカのテレビ局も左翼一色で、ちょっとでも人種主義の臭いがする人物が出てくると、赤い評論家や左巻きの学者、ピンク色の俳優、ユダヤ人コメンテーターなどが寄ってたかって攻撃を仕掛けてくる。アメリカの一般人は知識に乏しく、判断力が著しく劣るので、ワイドショーの論調に引っ掛かりやすい。在米日本人なら知っている人も多い人気ワイドショー番組「ザ・ヴュー(The View)」の司会を務めるユダヤ人のミッシェル・コリンズ(Michelle Collins)は、ホロコーストで殺された家族の話に触れながら、毎度お馴染みのナチズムを持ち出して、トランプがヒトラーのように危険であると言い放つ。(Gabe Friedman, 9 Times Donald Trump has been comapred to Hitler, The Jewish Telegraph Agency, March 8, 2016) 根拠を示さず妄想を語るコリンズには手の施しようがない。「彼を見ると恐ろしいのよ。(トランプは)今のところ私を狙っていないけど、どうだか分からないわね」と発言していたのだ。トランプが米国内で強制収容所を造って、ユダヤ人をガス室にで送ると考えているのか? (専門家さえ科学的根拠を呈示できないのに、ガス室があったと騒ぐユダヤ人には心底うんざりする。) もう馬鹿らしくて言及するのも嫌だ。コリンズは米国にいても身の危険を感じるというのか。ユダヤ人は検証もされていないホロコーストの話を持ち出せば、無条件に世論を味方に出来ると考えているのだ。

  コリンズの仲間で同僚司会のジョイ・ベアー(Joy Behar)は、コメディアンのジョン・オリヴァー(John Oliver)を番組に招いて、自分の代弁をさせていた。彼はトランプの家系がドイツ人である事を話し、「トランプ」はドイツの「ドランフ(Drumpf)」に由来するんだ、と語っていたのだ。ベアーは「彼の本名はドランフだから、マイン・ドランフ(mein Drumpf)みたいね」とせせら笑っていたらしい。ヒトラーの「我が闘争/マンイン・カンプフ(Mein Kampf)」をもじったのだろうが、そんな事までしてトランプを貶めたいというのだから呆れてしまう。ちなみに、ジョイ・ベアーもユダヤ人である。殊更ヒトラーに言及するアメリカのマスメディアは異常である。大手のテレビ局は何が何でもトランプを引き摺り降ろしたいのだろう。執念に駆られたマスコミは、ホロコースト話を持ち出すだけでは飽き足らず、アンネ・フランクの関係者エヴァ・シュロス(Eva Schloss)まで連れてきたのだ。彼女の母親は戦後アンネの父親と結婚したので、アンネはエヴァにとって義理の姉妹となる。テレビ局という座敷に呼ばれた藝者か漫才師のように、エヴァは自分に求められた役割を見事に演じていた。「またかよ !」とボヤきたくなるが、彼女はトランプを指して「人種主義を喚起するもう一人のヒトラーみたいだわ」と発言していたという。ユダヤ人はアメリカをイスラエルと間違えているんじゃないか。仮に、アメリカで反ユダヤ主義が再燃したとしても、以前のアメリカに戻っただけで、西欧系アメリカ人にとっては痛くも痒くもないだろう。もし米国にユダヤ人が消えたら、イギリス系アメリカ人にとってどんな不都合が生じるというのか。西欧系アメリカ人なら、「ああ、清々した」と述べて終わりだろう。困るのはユダヤ人だから、必死になってドイツ人を悪魔に仕立てる。薄汚い難民としてやって来たユダヤ人たちは、米国におけるユダヤ人の地位を安泰にしたいのだろう。

Michelle Collins 5Joy Behar 3Eva Schloss 1








(左: ミッシェル・コリンズ/中央: ジョイ・ベアー/右: エヴァ・シュロス)

  日本のワイドショーも米国の大統領選挙を報道しているが、実際の生々しい状況を視聴者に伝えず、的外れな解説を垂れ流しているから、観ていて嫌になる。世論を操作したいテレビ局は、トランプは「暴言を吐くポピュリスト」とか「人種差別主義者で危険です」といった評論しかしない御用学者を招いて、「視聴者の皆さん、とんでもない人が大統領になってしまいますよ」と仄めかす。確かにトランプは立派な為政者ではない。彼は優秀なビジネスマンだから、わざと暴言を吐いてマスコミの注目を集め、世間の人気を博している。アメリカのマスコミがこぞって彼の映像を流すから、トランプはテレビ広告にお金をかけずにすむ。実に頭の良い奴だ。計算ずくで何億円も節約したのだから、それだけでも切れ者だということが分かるだろう。トランプを愚弄しているテレビ局の方がアホに見えてくる。トランプは移民排斥を主張しているが、大統領に就任してから本当に実行するかは怪しい。大統領が選挙公約を反故にすることは常習化しているから、トランプが有権者を裏切ることもあり得る。ただ、当選したトランプは二期目を目指すから、ちょっとは移民を排除するだろう。そうしないと支持者からソッポを向かれて再選が不可能になってしまうからだ。まぁ、大衆の本質を心得ているトランプのことだから、実質が伴わなくても目立つような移民排除作だけは打ち出すかも知れない。

  大統領選を特集する番組では、手嶋龍一みたいな「アメリカ政治の専門家」と称する輩が、トランプの演技だけを評論している。しかし、トランプを支持しているアメリカ人の本音を日本人に伝えていないのは変だ。1970年代から居ついた不法移民が1千万人もいるのに、その害悪を具体的に暴露しない日本のテレビ局は、プロパガンダ放送局と呼ばれても仕方がない。問題の本質を避けながらの解説なら時間の無駄である。だいたい、単なる優秀なビジネスマンなら、アメリカにはいくらでもいるのに、なぜトランプだけが大統領候補になれたのかを説明しないのは、どう考えてもおかしいじゃないか。一連の報道の発端を思い出してみれば理解できるはずだ。トランプはメキシコから入ってくる不法移民を「殺人犯」とか「強姦魔」と喝破し、「ムスリム移民は危険だ」と本音を語ったから、移民に不満を募らせる白人層の喝采を浴びたのだ。一方、ワシントンに巣くっている従来の政治家は、マスコミの批判を気にして移民に対し甘くなっていた。ところが、トランプは失う議席や選挙区を持っていないから、遠慮無く言いたいことをテレビで口に出来た。すると、これを聞いた保守的アメリカ人は、「よくぞ言ってくれた」と喜び、トランプ人気はうなぎ登り。しかも、その暴言をNBCテレビが譴責したものだから、左翼マスコミに反感を抱く白人層は益々トランプを応援したくなった。つまり、マスコミはやぶ蛇を突いてしまったのだ。

Hitler 7Donald Trump 3(左: ヒトラー/右: トランプ)
  左翼思想が当然のマスコミは、盛んにトランプをヒトラーになぞらえて批判するが、我々はなぜヒトラーがワイマール・ドイツで台頭したのかを思い出すべきである。ヒトラーについては諸説様々で、論じると長くなるから一点だけ取り上げてみたい。ヒトラーの魅力はその断固たる信念にある。ヒトラーは鉄の意思を貫く気概を持っていたので、周囲のドイツ人から批判されても怯まなかった。教養があって高い社会的地位を持つインテリどもが、低学歴で伍長上がりのヒトラーをからかっても、ヒトラーはめげるどころか、逆に彼らを痛烈に非難し、その軟弱な態度を叱り、未来のドイツが如何にあるべきかを具体的に語ったのだ。ヒトラーを調べたイアン・カーショーによると、

  ヒトラーは実際、政治行動の細部においては優柔不断なところがあったが、自分の理念の正しさを疑うことは一度もなかった。ヒトラーの信念の強さと確かさは、ありふれた偏見の持ち主や変人では思いつかない、栄光の未来のための崇高な処方箋と感じられ、ヒトラー個人の絶対的優位を裏づける要因となった。(イアン・カーショー 『ヒトラー 権力の本質』 石田勇治 訳 白水社 1999年 31頁。)

  左翼メディアやユダヤ人が繰り返し流す映像フィルムを観る一般人は、ヒトラーを単なる「残虐な独裁者」か「昂奮しながら演説をする狂人」としか思わない。ところが、実際のヒトラーはかなり違う。意図的な印象操作を目的とした映像で我々の精神は洗脳されているのだ。普通の日本人がヒトラーの「テーブル・トーク」を読めば、ヒトラーは以外と勉強家で冷静に物事を判断する人物であることが分かる。ヒトラーと聞けば直ぐに「悪人」と考え、その言動を吟味せず、闇雲に耳を塞ぐのは「調教」されている証拠だ。ヒトラーの行動や発言に正しいところがあれば、それを日本人がどう評価しようと日本人の勝手で、ユダヤ人に気兼ねしてヒトラーを全否定する必要はどこにもない。我々には思考の自由があり、ユダヤ人に丸め込まれた歐米人とは違うのだ。ヒトラーの演説に魅せられた聴衆の一人に、クルト・リューデケという崇拝者がいたそうだ。ヒトラーの演説を聴いた彼は、次のようにその印象を語っていた。

 自分の批判能力が消え去り、「彼の信念の催眠術的な魔力」、「この男の力強い意志」、「彼から私に流れ込んで来るかに思える誠実な情熱」に捕らえられた。そして、この経験は宗教的な意味での回心にのみなぞらえる・・・ (上掲書 62頁。)

  ヒトラーに魅せられたのはリューデケのみならず、ミュンヘンの名望ある美術商の御曹司プッツィ・ハンフシュテングなど、上流階級にもファンがいたそうだ。ヒトラーに人気があったのは単に演技や演説が上手かったからではなく、忌憚なくドイツが抱える深刻な問題を鋭くえぐり、具体的な解決策を呈示したからである。そこには当然ユダヤ人への罵詈雑言もあったが、ヒトラーのユダヤ人批判は当時のドイツ人なら大方の者が共感するものであった。何故かと言えば、ヒトラーは反ユダヤ主義の知識人が書いた者を熱心に読んで咀嚼(そしゃく)していたからだ。したがって、彼の反ユダヤ主義は独創的な理論ではなく、当時のドイツ社会に流布していた常識だったと言えよう。そうでなかったら、あれほどの同調者を獲得できるはずがない。アメリカの一般人は歴史書を読まず、ハリウッド映画だけで知識を固めてしまうから、まるでヒトラーが卓越した反ユダヤ主義者であるかのように思っている。千年以上も歐米に寄生してきたユダヤ人は、ヒトラーが「ユダヤ人とは人種である」という痛い所を突いたから憎んでいるのだ。何があっても西歐に“たかり”たいユダヤ人の狙いは、「ヒトラー」という名を聞いただけで拒絶反応を示す西歐人を作ることにある。そのために、大学や映画館、テレビでしつこく悪魔的なヒトラーを描き出しているのだ。為されないけど、日本人にもまんまと罠に嵌まった人が多い。

Hitler 13Hitler 10







(写真/右手を挙げたトランプをヒトラーに重ねるマスコミの手口)

  テレビ局の御用学者は、「トランプが大統領になると日本に無理難題を押しつけるぞ。さあ大変だ」と騒ぐが、ヒラリーが大統領になっても、困ったことになるだろう。そもそも、アメリカ国民が誰を大統領に選ぼうが彼らの自由で、外国人である日本人にはどうすることもできない。大切なのは、アメリカ国内がいかに混乱しようとも、日本人が独立心を持って対処することだ。それに、日本の軍事負担を求めるトランプはむしろ歓迎すべき人物である。マスコミが反対でも、日本人は自前の軍隊をもつべきだ。アメリカ人が永久に日本を守ってくれると信じている日本人の方がよっぽど頭がおかしい。責任を持つ一家の大黒柱なら、アメリカが裏切ることを想定して、国防軍を備えるべし、と考える方が正常だろう。最終的に日本を守るのは日本の軍隊である。いくら何でも、アメリカ大統領が「日本人の為にアメリカ兵は血を流します」なんて発言はできまい。自分の身は自分で守るのが鉄則だ。戦国時代の武将や軍師を思い出せば分かるだろう。日本人は日米安保を改定しかねないトランプに怯えているが、よくよく考えてみれば、日本の独立を阻碍するNHKや民放の方がトランプより遙かに有害である。左翼メディアを観ていると、ついヒトラーみたいな鋼鉄の意思をもつ政治家が現れて、NHKやTBSの左翼どもを粛清してくれないかなぁ、と考えてしまう。でも、卑劣な左翼マスコミは豹変が得意だから、すぐ「ハイル・ヒトラー」と言い出しかねない。日本の知識人はスターリンの日本占領に備えて、社会主義礼讃の「アリバイ」発言を述べていたから、独裁者が現れれば、揉み手すり手で提灯番組を作るだろう。

  なんか、結局日本のマスコミ批判になってしまったので、今回はこのへんで終わりにします。昔、キャンディーズの歌に「ハートのエースが出てこない」云々というヒット曲があったけど、アメリカの左翼的国民はジョーカーみたいなトランプを斥けて、ヒラリーを「ハートのクィーン」にしたいのだろう。でも、「ババ抜き」というカード・ゲームがあるから油断がならない。(皺(しわ)伸ばしのヒラリーを“初老”とか“バアさん”と呼べば、フェミニストが怒るだろうなぁ。) お後が宜しいようで。 




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水に流せない刺青の過去

異教徒の女を汚せ

Jamie Alexander BlindspotArrow Stephen-Amell






(左: 「ブラインドスポット」/右: 「アロー」)

  藝能界は“堅気”の社会じゃないけど、一般人は自ら進んで毎日眺めている。無料で観ることの出来るテレビだから仕方がない。ただし、子供を持つ親は家庭に浸透している、この危険な娯楽装置を注意して扱うべきだ。どんな悪徳が番組の中に潜んでいるか分からないからである。こんなことを言うのも、さちょっと前に偶然、ライブドア・ニュースを目にしたからだ。テレビのワイドショーは観ていないから何とも言えないが、SNSなどで「タトゥーを公開した女性藝能人たち」(2016年2月27日)という記事があった。このライブドア・ニュースによると、歌手の「きゃりーぱみゅぱみゅ」が太腿に刺青を彫って、その写真をネットに公開したという。彼女は自らのファンに向けて自慢したのだろうが、刺青など若い娘が人様に見せびらかすようなものでもあるまい。マスコミはいつも「刺青(または入れ墨)を「タトゥー」と言い換えるが、耳への響きを変えれば良くなるというものじゃないはずだ。(それにしても、「きゃりーぱみゅぱみゅ」って意味不明で、存在すら知らなかった。YouTubeで試しに観てみたが、筆者の理解力を越えていたので評論は避けたい。とにかく、藝能界には色々な人がいるもんだ。)

  刺青を彫った藝人は他にも居るらしく、「あびる優」という長女を出産したタレントがいるそうだ。彼女の背中から首の付け根にかけて彫っているらしい。娘を持つ母親だと、将来いろいろと子育てで困ったことが起きるかもしれないけど、彫った時は気にしていなかったのだろう。叶恭子という女性は飛び抜けて異常だ。下腹部の性器に近い部分に蝶とと薔薇の刺青があるという。こんな場所に刺青を彫っただけでも驚くのに、そこを写真に撮って客に売るなんて、彼女には羞恥心が無いのかもしれない。工藤静香という歌手は、足首に二匹の蛇を彫っているそうだ。蛇は「永遠」を意味すると記事に紹介されていたが、ガマ蛙やイモムシを彫ったって永遠に残るんじゃないか? 足首に刺青を彫った有名人といえば、元スーパー・モデルのステファニー・シーモアを思い出す。今は息子を持つ母親になっているが、彼女が人気ロック・バンド「ガンズ・イン・ローゼス」のアクセル・ローズと付き合っていた頃、彼女の足首に刺青があったのを覚えている。しかし、彼女が足首以外に彫ろうとしなかったのは、客商売のファッション・モデルだったからか、ほんの遊び心で冒険したのかも知れない。

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(左: スタファニー・セイモア/右: アクセル・ローズとステファニー)

  アメリカで刺青文化が顕著になったのは1990年代からだろうか、それ以降ますます刺青を彫る人物が増えてきた。ミュージシャンや俳優はもちろんのこと、中流階級の一般白人までもが気軽に彫るようになった。こうした流行はマスメディアによる煽動が原因となっている場合が多い。例えば、フォックス・テレビで放送された人気ドラマの『プリズン・ブレイク』は、主人公マイケルが無実の兄を救うべく、わざと犯罪を実行し、兄が収監されている刑務所に投獄されるというストーリーである。この弟が兄を連れて一緒に刑務所から脱獄するため、その方法を刺青にして体に書き記すという設定が評判になった。スリリングな展開と、刑務所内の恐怖が絶妙に描かれていたので、大ヒット・ドラマとなり、日本でも高い人気を誇ったことは記憶に新しい。ただし、主人公が二枚目俳優だから、視聴者は全身に彫った刺青に嫌悪感を持たなかったが、凡庸で三枚目の役者なら、本物の犯罪者に見えてしまう。ロシアかメキシコの刑務所を想像すれば分かるだろう。

Prison Break 4Prison Break 2











(左: プリズン・ブレイクのマイケルとサラ/右: マイケルの刺青)

  『プリズン・ブレイク』がヒットしたこともあって、NBCテレビも二匹目のドジョウを狙い、『ブラインドスポット(Blindspot)』というTVドラマを制作した。日本ではまだ放送されていないと思うが、この番組もそこそこヒットしているようだ。このドラマでは刺青の主人公は女性で、若手女優のジェイミー・アレグザンダー(Jamie Alexander)が演じていている。記憶喪失のため「ジェーン」という仮の名をつけている主人公は、全身に謎の刺青を施されているという設定で、この謎をFBI捜査官のウェラー(サリヴァン・ステイプルトン)と共に解いて行くストーリーになっている。第一話では、気を失っていたジェーンが、裸のままバッグから出てくるシーンがあり、視聴者は彼女の肌に彫られた複雑な刺青に驚く。ここでふと考えてしまうのは、もし彼女が白人ではなく黒人だったら、あのように鮮やかなシーンになったのか、という点である。黒い肌だと何が彫られているのか分からない。それに、刺青の黒人女じゃ魅力に欠けるだろう。やはり主役は白人の美女でないと視聴率は取れない。現実は厳しく、建前とは違っているものだ。これは楽屋話だが、全身に刺青を描いたジェイミーは、インクの毒性で気分が悪くなったという。皮膚に刺青を書くのに時間がかかるし、撮影も長引くこともあったので、相当苦労したらしい。

Jamie Alexander 5Jaimie Alexander 2








(左: ジェイミー・アレグザンダー/右: 「ジェーン」役のジェイミー)

  この『ブラインドスポット』で気づくことは、ハリウッドやテレビ局が映像の悪影響を考えず、むしろ刺青文化を面白がっていることだ。ちょうど、子供の喫煙シーンをドラマに挿入し、タバコを吹かすことが格好良いと刷り込むようなものである。芸術の自由は尊いが、中学生や高校生の視聴者に対する悪影響を考えるべきだろう。ドラマの中では、美男美女の役者が刺青を彫っていれば、未成年者は刺青を「クール」と考えてしまい、刺青を彫る事への抵抗が薄くなる。従来、刺青とは暴走族や犯罪者、マフィアなどのアウトローがしているもので、普通の家庭に育った者は、自分の肌に彫るという意識はなかった。ところが、歌手や役者といった芸人が彫ることで、刺青が「汚点(stigma)」ではなく、人に見せびらかして自慢する「格好良さ」に変化した。特に若者は社会の規範や道徳に反抗することを「格好良く」思ってしまうので、将来のことを考えず気軽に刺青を彫ってしまうことがある。アメリカの研究者が行った調査によれば、刺青は自分でコントロールできる「抵抗の印」で、効果的かつ合理的な抵抗であるらしい。(Michael Atkinson, The Civilizing Resistance : Straightedge Tattooing, Devian Behavior, Vol. 24, 2003)

  しかし、10代の内は刺青を友達に見せびらかして自慢するが、就職する年齢になると困ったことになる。社員を採用する経営者は、刺青の応募者を忌避する傾向が強いのだ。これは以前書いたので、ここでは繰り返さない。(こちらを参照。) こうした不採用を経営者の偏見と見なす人もいるだろうが、刺青はネガティヴな印象を他人に与えてしまうので、特に客商売の会社だと嫌がるケースが多い。また、結婚する時に婚約相手の親から不満が出ることもあるし、子供が生まれると世間の目が気になり、刺青を消したいと思い始める。幼い子供を持つ母親で、「若気の過ち」を後悔し、高額治療にもかかわらず病院に通う人もいるそうだ。確かに、有名幼稚園に我が子を通わせたいと願う親は、入園拒否に遭うかも知れないし、普通の学校でも刺青の保護者はPTAで噂の的になったりするから、肩身の狭い思いをすることになる。簡単に消すことができない刺青は、人生を狂わせることもあるのだ。

刺青文化のパイオニア

  毎回ユダヤ人ネタで申し訳ないが、アメリカで刺青ビジネスを流行させたのは、ユダヤ人であったそうだ。ユダヤ雑誌でコラムニストをつとめるマジョリー・インゴールによると、ルイス・“ルー・ザ・ジュー”アルバーツ(Lewis Lew the Jew Alberts)、チャーリー・ワグナー(Charlie Wagner)、ブルックリン・ジョー・リーバー(Brooklyn Joe Lieber)、ウィリアム・モスコヴィッツ(William Moskowitz)などが有名であるという。彼らはアメリカにおける刺青文化と技術の父祖(founding fathers)であるそうだ。(Majorie Ingall, Jews and Tattoos : A New York Story, Tablet, June 22, 2015) この中で最も才能があったのは、ルー・ザ・ジューで、彼の本名はアルバート・モートン・カーツマン(Albert Morton Kurtzman)という。このルーは10代の頃ヘブライ技術学院で絵を習っていたそうで、卒業後は壁紙のデザイナーとして働いていたそうだ。しかし、スペイン・アメリカ戦争(1898年)が勃発すると、彼は軍隊に入りフィリピンで戦うことになった。どうやら、彼は刺青のやり方を戦地のフィリピンで学んだらしい。フィリピン土人には刺青の風習があるので、彼は刺青を彫った原住民に逢ったのだろう。こうした異文化に興味を持つところが、いかにもユダヤ人らしい。米西戦争が終わりアメリカに戻ると、彼は刺青ビジネスを始めたそうだ。

Jew Tattoo Charlie Wagner 2Jewish Tattoo Milldred Hull 2











(左: チャーリー・ワグナー/右: 刺青の夫婦)

  ルーは店の壁に刺青のサンプルみたいな絵を飾っていたという。鮮やかな薔薇とか航行している船、可愛らしい女性、ヘビ、鷲、サメなどで、昔から彼がよく描いていた絵であった。ニューヨークで「デアデヴィル・タトゥー(Daredevil Tattoo)」なる店を経営するブラッド・フィンク(ドイツ系ユダヤ人)によると、ルーはユダヤ人であることに汚点を感じていたそうだ。たぶん、名前を変えたのは過去の自分と訣別するためだったのかも知れない。そもそも、第20世紀初頭のアメリカで、刺青店を経営するなんて普通のアメリカ人じゃできない。やはり、恥の意識が薄い世俗ユダヤ人だから就けた職業である。

  一方、チャーリー・ワグナーはボウェリーとチャタム・スクウェアーに店を構えており、ルーと一緒に商売をしていたらしい。しかも、彼らは刺青文化のパイオニアだった。チャーリーとルーは、発明王のトーマス・エジソンが考案した針で打ちつけながら描くペンを基に、刺青マシーンをデザインしたそうだ。この頃はまだ、手に針を持ち根気強く一点一点墨を肌に入れていたから、たいへん手間暇がかかった。ところが、このマシーン使えば楽に墨を入れることができる。今では当り前の道具だが、当時としては画期的な技術であった。ワグナーは刺青を新聞や女性誌で宣伝し、商売に励んだそうだ。しかし1944年、彼は針を消毒せず使用したため、ニューヨーク市から罰金を科せられたという。

  ウィリアム・モスコヴィッツはロシアから来たユダヤ移民で、1920年代にボウェリーで床屋を営んでいた。しかし、彼は他人の髪を切る仕事より刺青屋の方が儲かると分かり、ワグナーのもと訪れ、刺青の彫り方を習ったそうだ。彼は典型的なユダヤ人で、金を中心に職業を考えていた。日本人やドイツ人なら、理容師の腕を磨いて一流になろうと考える。いくら儲かるからといって、唐突に無関係な刺青屋になろうとはしないだろう。ユダヤ人というのはお金に対する触覚が鋭く、一つの職業にこだわらないから、思わぬ成功を納めることがよくある。もちろん、失敗して零落(おちぶ)れる者も多い。モスコヴィッツは刺青商売で成功し、彼の息子ウォルターも親父の店で修行したそうだ。それにしても、この倅(せがれ)には呆れてしまう。刺青職人になる前は、ブルックリンのユダヤ人学校に通い、トーラーとタルムード(ユダヤ教の戒律や教典)を学んでいたからだ。日本でいえば、仏教大学に通った学生が、卒業後に彫り師となるようなものである。ウォルターの弟スタンリーも刺青職人となり、父親が死ぬと店を継いだが、まもなくロード・アイランドに店を移したという。ここには植民地時代からユダヤ人の奴隷商がいて繁栄していたから、ワグナー兄弟は何らかのメリットを見つけたのであろう。刺青屋はモスコヴィッツ家の稼業になったそうで、ウォルターの息子マーヴィンは跡継ぎとなり、今はフリーの刺青職人であるという。

  日本だと刺青といえば、ヤクザの印と見なされ忌避されるが、戦前の西歐ではちょっとしたブームであったらしい。上流階級の人物でも面白がって彫っていた。英国王のジョージ五世も東洋旅行で龍の刺青を腕に彫ったそうだ。まぁ、貴族はひと目を気にせず勝手なことをするから、ちょっとした遊び気分で彫ったのであろう。しかし、こうした流行は長続きせず、刺青は下層階級の者が彫るというイメージがついてしまった。当時のアメリカ人は刺青文化の悪弊を懸念したためか、ニューヨーク市などは肝炎の発生を防ぐという口実をもうけ、1961年に刺青を禁止することにした。ユダヤ人の刺青職人フレッド・グロスマン(Fred Grossman/ 通称「コニー・アイランド・フレディー」)は商売を邪魔されたとして市当局を訴えたそうだ。しかし、グロスマンは負けてしまったという。ところが、やがてこうした禁止措置も廃止の時代を迎えることになる。1997年、ついに刺青禁止令は解除された。元々こじつけの禁止であったから、肝炎の蔓延防止という口実を貫き通せなかったようだ。それに、多くの芸人やモデル、一般人が刺青を彫ろうと思えば、どこでも出来る時代にニューヨーク市で禁止する意味が無い。

  それにしても、刺青文化の再興は困ったものである。普通の家庭を築く親にしてみたら、いつ息子や娘が刺青を彫るかわかったもんじゃない。悪い仲間と一緒に彫ったり、服で隠れる部分にこっそり彫ったりするから、親が気づかぬ場合がある。モラルが崩壊したアメリカ社会では、法律に抵触しなければ何でも勝手に出来るという思想が強い。しかも、娯楽映画では二枚目男優や美人女優が刺青をした役柄を演じているから、それを観た若者は刺青に対して否定的な印象を持たない。(人気女優のアンジリーナ・ジョリーが背中に彫ったことはよく知られている。) 躾の悪い家庭が増えたので、越えてはならない倫理的壁を平気で越えてしまう子供が多いし、なぜいけないのかという疑問を投げかけることもあるから、親の方も納得の行く答えを見出せず、ただ頭ごなしに「駄目 !」と言うばかりだ。親子で共通の規範を持たないアメリカ人は、どうしても価値観の違いで口論になりやすい。

Angelina Jolie 1Anjelina Jolie 2









(写真/刺青を彫ったアンジェリーナ・ジョリー)

  刺青文化を推進するハリウッドのユダヤ人は、若者の頽廃に関して考慮することはない。憎い白人どもの娘や息子がどうなろうと知ったことではない。映画界を牛耳るユダヤ人にとって、白人女の肌をメチャクチャにすることは快感である。歴史的にユダヤ人を迫害してきた西歐人の家庭を踏みつけることができるからだ。非ユダヤ人はユダヤ人に奉仕する家畜(ゴイム/goyim)であるから、煮たり焼いたりするのも自由である。白人女を売春婦やポルノ女優にしてお金儲けをすることだって、ユダヤ人の倫理に反しないのだ。ところが、彼らは映画の中でユダヤ娘を貶めることはしないという。たとえドラマの中であっても、ユダヤ人を汚すような真似はしたくない。それに、旧約聖書では入れ墨が禁止されているのだ。旧約聖書にも、「死者を悼んで身を傷つけたり、入れ墨をしてはならない」(レビ記19章28節)と書かれているから、ユダヤ教徒は刺青を彫ることはできない。もちろん、信仰を捨てた世俗的ユダヤ人は別である。

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(左: アン・ハザウェイ/右: エリザベス・テーラー)

  ただ、ユダヤ教に改宗した西歐人は刺青を消すようだ。例えば、女優のドリュー・バリモア(Drew Barrymore)は、シャネルのCEOをつとめていたアリエ・コペルマンの息子ウィル・コペルマン(Will Kopelman)と結婚し、ユダヤ教に改宗したという。(Ashley Baylen, Drew Barrymore becoming more jewish, Y Net News, February 19, 2013) キリスト教に興味がなくなった西歐人は、金持ちのユダヤ人と結婚すると、ユダヤ教に改宗することがある。アメリカの女優でユダヤ教徒になった例として、エリザベス・テーラーやアン・ハザウェイが挙げられる。ユダヤ人はこうやって西歐人を取り込んで行くのだろう。それに、ユダヤ人監督や脚本家が多いハリウッドで、ユダヤ教徒になることは女優にとってもメリットがある。有力者の仲間になることで、配役の時に優遇されるかも知れないからだ。とにかく、バリモアが刺青を後悔し消し去ったのは良かったが、ユダヤ教のような男尊女卑の宗教に入ったことを後悔しないよう願いたい。
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(写真/ドリュー・バリモア)

  刺青文化の流行は左翼にとっても朗報である。刺青をする若者は、堅気の社会と離れやすい。普通の人々は刺青者をそれとなく避けるようになるし、刺青者は職業選択の幅が狭くなり、下級労働の職場に就くことが多くなる。しかも、刺青者は世間の冷たい視線を感じるから、世間に対して敵対関係になってしまう。こうなると、反逆精神が芽生え、既存の社会ルールやモラルに反撥するようになり、我が子を持てば、その子にも親の気質が移ることになる。刺青を嫌う上流・中流社会と、刺青を入れた下層階級が固定化され、社会が分断される状態だって予想されるのだ。悪魔のように狡賢い左翼は、この下層階級の子供に目をつけ、既存社会に抵抗する態度を助長したり、道徳的な家庭を憎むよう仕向けるかも知れない。というのも、現体制を転覆する兵隊を養成することは、左翼活動家にとって死活問題となるからだ。もし、左翼の尖兵にならなくても、刺青者の子供は厳しい躾を受けないから、学校で問題児になりやすい。絶対とは言わないが、グレる可能性が一般児童より高くなる。左翼は「社会問題」が増えることを喜ぶ。なぜなら、問題解決のために役所から予算が貰えて、左翼官僚や御用学者の仕事も創出され、同志や関係者が潤うからだ。

  昔の左翼は共産革命を本気で望んだが、冷戦後の左翼は、ただ社会を毀(こわ)したいという欲望と快楽に重点を移している。今や、左翼が存続するために左翼分子が国家破壊を続ける、といった悪循環になっているから厄介だ。ちょっと前は、顔を南洋土人みたいに浅黒く塗りたくる化粧が流行ったが、そうした化粧は今や誰もしなくなった。はやく刺青文化が衰退することを願うが、洗っても消えない刺青はレーザーで消すことになるが、肌に跡が残るので元の体には戻れない。こんな文化を流行らせた連中は、何の罪悪感も持たないんだから本当に無責任だ。「責任者出てこい」と言いたいところだが、誰に向かって怒鳴ったらいいのか分からないから腹が立つ。刺青を気軽に彫っている女性を観ると、溜息が出るというか、つくづく嫌になる。健全な精神は健全な肉体に宿るという古代ギリシア人の言葉は本当かも知れない。



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