保守派さえ嫌うトランプ
目下、アメリカでは四年に一度のお祭りが始まっている。今回の目玉は「トランプ旋風」だ。オバマの民衆党政権が二期8年続いたので、2016年は共和党の番だ、と共和党員は大はしゃぎ。ところがどっこい、ワシントンの支配者たちが担いだ本命のジェブ・ブッシュはあっけなく敗退し、冷やかし程度で出馬したドナルド・トランプが本命になってしまった。これを観れば、「一寸先は闇」という政界の諺が身に沁みて分かるだろう。アメリカのマスコミは蜂の巣を突いたように騒ぎ出し、評論家やキャスターはてんやわんやで、この気違いの暴走を何とか食い止めねば、と躍起になっている。左翼が牛耳るテレビ局や大手新聞社が「反トランプ」キャンペーンを張るのはいつものことだから驚かないが、共和党保守派と評される論客まで反対に廻ったのだから尋常ではない。
愛される者に理由があるなら、嫌われる者にも理由がある。トランプを熱狂的に支持する者は、彼の大胆な反移民政策や在野の意見に共感を覚えるのだろう。一方、左翼勢力はトランプの人種に基づく移民排除に神経を尖らせている。左翼メディアはトランプがヒスパニックやイスラム教徒を露骨に嫌うことに反感を持っているからだ。従来、このような対立構造が浮き上がれば、共和党保守派の知識人はトランプへの支持を表明するはずなのに、今回は違った。共和党保守派が分裂しているのだ。人気コラムニストのアン・コールター(Ann Coulter)や元大統領候補にもなったパット・ブキャナン(Patrick Buchanan)、保守活動家のピーター・ブリメロウ(Peter Brimelow)などはトランプ支持に廻っているのに、著名なコラムニストのジョージ・ウィル(George Will)はトランプを愚者扱いにしているし、保守派雑誌『ナショナル・リヴュー(National Review)』に至っては、「反トランプ(Against Trump)」という題を附けた特別号を発刊していたのだ。
日本と同様、アメリカにおいても保守論壇は分断されている。冷戦の頃は、反共産主義・反左翼の雑誌として名を轟かせた『ナショナル・レヴュー』も徐々に左傾化し、保守思想の信条を貫くことより、雑誌経営を第一に考えているのだ。つまり、広告主を第一に考えている。そこでマスメディアに阿る方針を取り、西欧系白人を擁護するアングロ・アメリカ的伝統は脇に捨てて、ユダヤ人の多民族・多文化主義に配慮する編集方針になってしまった。トマス・ソウェル(Thomas Sowell)という『ナショナル・リヴュー』お抱えの保守派論客は、大衆の歓心を呼び起こす点で、トランプをアルゼンチンのペロン、アメリカのオバマ、ドイツのヒトラーと比較し、「トランプは真の保守主義者ではない」と結論づけている。(Jeet Heer, National Review Fails to Kill Its Monster, New Republic, January 22, 2016) 確かに、トランプは保守主義者ではないが、批判しているソウェルも真の保守主義者ではないだろう。彼は黒人ながら白人の保守主義に同調することで人気を博しているだけだ。彼は白人保守派に味方をし、黒人左翼を批判する事で儲けているのである。ABCの政治討論番組『ディス・ウィーク』でもお馴染みのジョージ・ウィルも、共和党主流派に背くトランプが大嫌いだ。「彼は根本的に哀れな人物である」とウィル氏は嘆く。そして、保守派の重鎮を自認するウィルは、共和党の優先課題をトランプの指名沮止に置いていたのだ。(George Will, If Trump wins the nomination, prepare for the end of conservative party, The Washington Post, December 23, 2015) しかし、昨年末から今年になってもトランプ人気が衰えないから、ウィル氏は益々不満が募り、様々なメデアに登場して、共和党の終焉を説いている。
「営業保守」の西欧系評論家より、さらに辛辣なトランプ批判を展開するのは、「ネオコン」のユダヤ知識人である。彼らは「新保守主義(ネオ・コンサーヴァティヴ)」という看板を掲げているが、その実態は共和党に潜り込んだ元民衆党左派のユダヤ人である。彼らは民衆党の大物ヘンリー・“スクープ”・ジャクソン(Henry “Scoop” Jackson)上院議員のもとで育ったシオニスト左翼であることは周知の事実。その代表格のビル・クリストル(William Kristol)は、しばしば共和党保守派を代弁する評論家としてテレビ番組に出演するが、彼が擁護するのはアングロ・アメリカの伝統ではなく、心の祖国イスラエルに係わる利益である。たとえ、「保守系」雑誌の『ウィークリー・スタンダード』誌を刊行していても、熱心に語るのは中東アジアで仕掛けられたイスラエルの陰謀やアメリカにおけるユダヤ人の地位で、西欧系アメリカ人の事は二の次三の次なのだ。イスラエル・ロビーの言いなりにならぬトランプに業を煮やしたクリストルは、独立系の共和党候補者を提案し、トランプを潰そうと図っていた。
人種差別の臭いがする白人のトランプを嫌うユダヤ人のクリストルは、今となっては手遅れだが、ヒスパニック系のテッド・クルズやマルコ・ルビオなら歓迎するだろう。特に、ルビオは共和党ユダヤ人のお気に入りである。例えば、ルビオのパトロンの一人にノーマン・ブラマン(Norman Braman)という大富豪がいたことは、一般の日本人にはあまり知られていない。彼はポーランドからのユダヤ人を父とし、ルーマニアからのユダヤ人を母とするビジネスマンで、クルマの販売で財を成した人物である。いつもの事だから驚かないが、ブラマンはルビオの支援団体(Super PAC)に5百万ドルも献金していたという。(Eli Clifton, Meet Marco Rubio's Far-Right Neocon Donors, The Nation, December 11, 2015) チャンネル桜を観ていたら、西村幸祐がルビオは日本の防衛に理解があると持ち上げていた。しかし、ルビオの関心事は中東アジアにおけるイスラエルの国益である。アメリカの選挙を見ていると、どの候補者も必ずイスラエル・ロビーにゴマを擦ることで忙しい。アメリカの選挙なのに、民衆・共和を問わず、どいつもこいつもユダヤ人にへりくだり、「私はイスラエルを支持します !」と熱弁をふるうのが当り前になっている。とりわけ、札束とユダヤ票が欲しい連中は、キリスト教徒であってもイスラエル詣でを欠かさない。本当に、合衆国への忠誠心はどこへ行ったのか、と言いたくなる。こんな政治家が国政を担っているから、アメリカ軍がイスラエルの傭兵になってしまうのだ。アメリカの議員は、空き巣に餌を貰って尻尾を振ってしまう番犬を笑えないだろう。
ついでに言えば、ルビオのアドヴァイザーを務めたマックス・ブート(Max Boot)もひどい。彼は共和党員なのに、トランプに腹を立て、民衆党に投票する勢いだ。彼は初めて共和党候補者に背く投票をするつもりだ、と公言していたのである。しかも彼は、「ドナルド・トランプに投票するくらいなら、私はヨシフ・スターリンに投票するぞ !」と豪語していたのだ。(Alexander Burns, Anti-Trump Republicans Call for a Third -Party Option, The New York Times, March 2, 2016) ブートの憤りは凄まじく、「どんなことがあってもトランプには投票しない」と意地になっている。「もしブルムバーグ元市長が出馬するなら彼に、もししないのなら、ヒラリーを支持する用意があるんだ」とまで言っているから、相当やきもきしているのだろう。これでは日本人だって、「お前、本当に共和党なのか?」と彼に尋ねたくなる。しかし、ご心配無用。彼はロシアからやって来たユダヤ帰化人である。生粋のアメリカ人ではない。ユダヤ人はアナーキストかマルキスト、左翼、シオニストのどれかになっていれば充分なので、アングロ・アメリカがどうなろうがお構いなし。移民の波でアメリカが沈んでも平気である。涙は搾っても出てこないし、逆立ちしたって屁も出ない。それに、彼が仕えていたルビオなんか、イスラエルの為に利用するキューバ人程度にしか思っていないのだ。
ヒスパニック移民やイスラム教徒の流入を阻むトランプは、とにかくユダヤ人に受けが悪い。彼には白人中心主義の影が濃厚に見られるからだ。しかし、アメリカはもともとイギリス人によって建てられた国だから、白人中心主義でもおかしくはない。現在の西欧系アメリカ人は学校に通って頭がくるくるパーにされているから気づかないが、建国の父祖を継承する国民が祖先の肉体的特徴を誇りにしたって不思議ではない。ファッション・モデルは自らの肉体を見せびらかして銭を得ているが、誰も彼女たちを非難しないじゃないか。それに、ある日本人が友人の息子に会って、「やぁ、君はお父さんにソックリだね」とか「何となく、お爺ちゃんの面影があるなぁ」と話しかけても、失礼には当たらないだろう。むしろ、祖父母と似ていることを恥じる孫がいたら、その方がどうかしている。日本のマスコミは異常なくらい歐米の白人主義に批判的だが、南アフリカやコンゴ、モザンビークなどの黒人至上主義には寛容な態度を見せている。アメリカにも「ブラック・バンサー」という過激な黒人団体や「ラ・ラザ(人種)」というヒスパニック組織が存在するのに、なぜか日本のワイドショーは取り上げようとはしない。つまり、黒人や南米人には興味が無く、端っから馬鹿にしているからだろう。この点ではユダヤ人も同じで、彼らはやたらと黒人やヒスパニックに同情を示す。最近だと、イスラム教徒にまで理解を示しているのだ。ニューヨーク・タイムズ紙のロジャー・コーエンというジャーナリストは、ユダヤ人のくせにイスラム教徒の入国を制限するトランプに反撥し、多文化主義を標榜しているから胡散臭い。コーエンはトランプが差別主義者だと言いたくてたまらないのだろう。彼はトランプが「ムスリム、メキシコ人、障碍者、女性を侮辱している」と文句を垂れ、現在のアメリカを「ワイマール期のアメリカだ」と訴えている。(Roger Cohen, Trump's Weimar America, The New York Times, Decmber 14, 2015) つまり、ヒトラーが台頭したドイツと同じだぞ、と言いたいのだろう。
ユダヤ人ってのは、何かと言えばナチやヒトラーを持ち出して自分の意見を正当化しようとする実にイヤらしい民族だ。アメリカの藝能界にはユダヤ人がゴロゴロしていて、しょっちゅう政治に口を挟んでくるから鬱陶しい。ユダヤ人団体のADLで会長を務めていたエイブ・フォックスマン(Abe Foxman)などは、もうトランプを完全にユダヤ人の敵と見なしているから、現役を退いてもトランプ批判に熱心だ。最近では、コメディアンのルイス・C.K.(本名/Louis Székely)がトランプのことを「気の狂った頑固者」と呼び、ヒトラーになぞらえている。(Marianne Zamberg, Louis C.K. Compares Donald Trump to Hitler, Variety, March 5, 2016) ルイスはメキシコ系移民の息子だが、彼の父ルイス(Luis)はメキシコに住んでいたユダヤ人である。もとはユダヤ人の祖父がハンガリーからメキシコにやって来ただけだから、ヒスバニック系とは言えないだろう。昔ならユダヤ人は「居候」扱いだったのに、今では合衆国が彼らの祖国であったかのように考えているから、ユダヤ人というのは誠に図々しい。西欧世界に属さない「よそ者」ということを忘れているせいか、ルイスはメキシコ移民を排斥するトランプが大嫌いで、トランプを「最悪の選択だ !」とか「ヤツは危険だ !」と言いふらしている。
左翼が溢れているテレビ局には、反トランプの藝人がうようよいる。有名コメディアンのビル・メイハー(Bill Maher)もトランプを非難し、この大統領候補をヒトラーになぞらえていた。憎悪の炎に燃えるメイハーはご丁寧にも、ヒトラーが演説をしているフィルムを引っ張り出して、それを巧みに編集し、いかにトランプが兇悪な独裁者と似ているかを示しているのだ。フィルムの中ではヒトラーが熱弁をふるっており、「収容所を作るんだ。ユダヤ人にツケを払わせてやる」と意気込んでいる姿が映し出されている。(Moses Frenck, Trump is Hitler Comparisons Intensify, Diversity Inc, March 7, 2016) このメイハーは自分のトーク・ショー番組を持つユダヤ人で、左翼的見解を以て視聴者の好感を得ようとする典型的なテレビ藝者だ。彼は人気コメディアンのジョン・スチュワート(Jon Stwart/本名Jonathan Stuart Leibowitz)と同じ穴の狢と考えた方がいい。ちなみに、このスチュアートも左翼ユダヤ人で、ポーランドやウクライナからやって来たユダヤ移民の孫である。アメリカにいる人気コメディアンのほとんどは左翼で、自ら民衆党の広告塔になっている奴が多い。
日本と同じく、アメリカのテレビ局も左翼一色で、ちょっとでも人種主義の臭いがする人物が出てくると、赤い評論家や左巻きの学者、ピンク色の俳優、ユダヤ人コメンテーターなどが寄ってたかって攻撃を仕掛けてくる。アメリカの一般人は知識に乏しく、判断力が著しく劣るので、ワイドショーの論調に引っ掛かりやすい。在米日本人なら知っている人も多い人気ワイドショー番組「ザ・ヴュー(The View)」の司会を務めるユダヤ人のミッシェル・コリンズ(Michelle Collins)は、ホロコーストで殺された家族の話に触れながら、毎度お馴染みのナチズムを持ち出して、トランプがヒトラーのように危険であると言い放つ。(Gabe Friedman, 9 Times Donald Trump has been comapred to Hitler, The Jewish Telegraph Agency, March 8, 2016) 根拠を示さず妄想を語るコリンズには手の施しようがない。「彼を見ると恐ろしいのよ。(トランプは)今のところ私を狙っていないけど、どうだか分からないわね」と発言していたのだ。トランプが米国内で強制収容所を造って、ユダヤ人をガス室にで送ると考えているのか? (専門家さえ科学的根拠を呈示できないのに、ガス室があったと騒ぐユダヤ人には心底うんざりする。) もう馬鹿らしくて言及するのも嫌だ。コリンズは米国にいても身の危険を感じるというのか。ユダヤ人は検証もされていないホロコーストの話を持ち出せば、無条件に世論を味方に出来ると考えているのだ。
コリンズの仲間で同僚司会のジョイ・ベアー(Joy Behar)は、コメディアンのジョン・オリヴァー(John Oliver)を番組に招いて、自分の代弁をさせていた。彼はトランプの家系がドイツ人である事を話し、「トランプ」はドイツの「ドランフ(Drumpf)」に由来するんだ、と語っていたのだ。ベアーは「彼の本名はドランフだから、マイン・ドランフ(mein Drumpf)みたいね」とせせら笑っていたらしい。ヒトラーの「我が闘争/マンイン・カンプフ(Mein Kampf)」をもじったのだろうが、そんな事までしてトランプを貶めたいというのだから呆れてしまう。ちなみに、ジョイ・ベアーもユダヤ人である。殊更ヒトラーに言及するアメリカのマスメディアは異常である。大手のテレビ局は何が何でもトランプを引き摺り降ろしたいのだろう。執念に駆られたマスコミは、ホロコースト話を持ち出すだけでは飽き足らず、アンネ・フランクの関係者エヴァ・シュロス(Eva Schloss)まで連れてきたのだ。彼女の母親は戦後アンネの父親と結婚したので、アンネはエヴァにとって義理の姉妹となる。テレビ局という座敷に呼ばれた藝者か漫才師のように、エヴァは自分に求められた役割を見事に演じていた。「またかよ !」とボヤきたくなるが、彼女はトランプを指して「人種主義を喚起するもう一人のヒトラーみたいだわ」と発言していたという。ユダヤ人はアメリカをイスラエルと間違えているんじゃないか。仮に、アメリカで反ユダヤ主義が再燃したとしても、以前のアメリカに戻っただけで、西欧系アメリカ人にとっては痛くも痒くもないだろう。もし米国にユダヤ人が消えたら、イギリス系アメリカ人にとってどんな不都合が生じるというのか。西欧系アメリカ人なら、「ああ、清々した」と述べて終わりだろう。困るのはユダヤ人だから、必死になってドイツ人を悪魔に仕立てる。薄汚い難民としてやって来たユダヤ人たちは、米国におけるユダヤ人の地位を安泰にしたいのだろう。
日本のワイドショーも米国の大統領選挙を報道しているが、実際の生々しい状況を視聴者に伝えず、的外れな解説を垂れ流しているから、観ていて嫌になる。世論を操作したいテレビ局は、トランプは「暴言を吐くポピュリスト」とか「人種差別主義者で危険です」といった評論しかしない御用学者を招いて、「視聴者の皆さん、とんでもない人が大統領になってしまいますよ」と仄めかす。確かにトランプは立派な為政者ではない。彼は優秀なビジネスマンだから、わざと暴言を吐いてマスコミの注目を集め、世間の人気を博している。アメリカのマスコミがこぞって彼の映像を流すから、トランプはテレビ広告にお金をかけずにすむ。実に頭の良い奴だ。計算ずくで何億円も節約したのだから、それだけでも切れ者だということが分かるだろう。トランプを愚弄しているテレビ局の方がアホに見えてくる。トランプは移民排斥を主張しているが、大統領に就任してから本当に実行するかは怪しい。大統領が選挙公約を反故にすることは常習化しているから、トランプが有権者を裏切ることもあり得る。ただ、当選したトランプは二期目を目指すから、ちょっとは移民を排除するだろう。そうしないと支持者からソッポを向かれて再選が不可能になってしまうからだ。まぁ、大衆の本質を心得ているトランプのことだから、実質が伴わなくても目立つような移民排除作だけは打ち出すかも知れない。
大統領選を特集する番組では、手嶋龍一みたいな「アメリカ政治の専門家」と称する輩が、トランプの演技だけを評論している。しかし、トランプを支持しているアメリカ人の本音を日本人に伝えていないのは変だ。1970年代から居ついた不法移民が1千万人もいるのに、その害悪を具体的に暴露しない日本のテレビ局は、プロパガンダ放送局と呼ばれても仕方がない。問題の本質を避けながらの解説なら時間の無駄である。だいたい、単なる優秀なビジネスマンなら、アメリカにはいくらでもいるのに、なぜトランプだけが大統領候補になれたのかを説明しないのは、どう考えてもおかしいじゃないか。一連の報道の発端を思い出してみれば理解できるはずだ。トランプはメキシコから入ってくる不法移民を「殺人犯」とか「強姦魔」と喝破し、「ムスリム移民は危険だ」と本音を語ったから、移民に不満を募らせる白人層の喝采を浴びたのだ。一方、ワシントンに巣くっている従来の政治家は、マスコミの批判を気にして移民に対し甘くなっていた。ところが、トランプは失う議席や選挙区を持っていないから、遠慮無く言いたいことをテレビで口に出来た。すると、これを聞いた保守的アメリカ人は、「よくぞ言ってくれた」と喜び、トランプ人気はうなぎ登り。しかも、その暴言をNBCテレビが譴責したものだから、左翼マスコミに反感を抱く白人層は益々トランプを応援したくなった。つまり、マスコミはやぶ蛇を突いてしまったのだ。
左翼思想が当然のマスコミは、盛んにトランプをヒトラーになぞらえて批判するが、我々はなぜヒトラーがワイマール・ドイツで台頭したのかを思い出すべきである。ヒトラーについては諸説様々で、論じると長くなるから一点だけ取り上げてみたい。ヒトラーの魅力はその断固たる信念にある。ヒトラーは鉄の意思を貫く気概を持っていたので、周囲のドイツ人から批判されても怯まなかった。教養があって高い社会的地位を持つインテリどもが、低学歴で伍長上がりのヒトラーをからかっても、ヒトラーはめげるどころか、逆に彼らを痛烈に非難し、その軟弱な態度を叱り、未来のドイツが如何にあるべきかを具体的に語ったのだ。ヒトラーを調べたイアン・カーショーによると、
ヒトラーは実際、政治行動の細部においては優柔不断なところがあったが、自分の理念の正しさを疑うことは一度もなかった。ヒトラーの信念の強さと確かさは、ありふれた偏見の持ち主や変人では思いつかない、栄光の未来のための崇高な処方箋と感じられ、ヒトラー個人の絶対的優位を裏づける要因となった。(イアン・カーショー 『ヒトラー 権力の本質』 石田勇治 訳 白水社 1999年 31頁。)
左翼メディアやユダヤ人が繰り返し流す映像フィルムを観る一般人は、ヒトラーを単なる「残虐な独裁者」か「昂奮しながら演説をする狂人」としか思わない。ところが、実際のヒトラーはかなり違う。意図的な印象操作を目的とした映像で我々の精神は洗脳されているのだ。普通の日本人がヒトラーの「テーブル・トーク」を読めば、ヒトラーは以外と勉強家で冷静に物事を判断する人物であることが分かる。ヒトラーと聞けば直ぐに「悪人」と考え、その言動を吟味せず、闇雲に耳を塞ぐのは「調教」されている証拠だ。ヒトラーの行動や発言に正しいところがあれば、それを日本人がどう評価しようと日本人の勝手で、ユダヤ人に気兼ねしてヒトラーを全否定する必要はどこにもない。我々には思考の自由があり、ユダヤ人に丸め込まれた歐米人とは違うのだ。ヒトラーの演説に魅せられた聴衆の一人に、クルト・リューデケという崇拝者がいたそうだ。ヒトラーの演説を聴いた彼は、次のようにその印象を語っていた。
自分の批判能力が消え去り、「彼の信念の催眠術的な魔力」、「この男の力強い意志」、「彼から私に流れ込んで来るかに思える誠実な情熱」に捕らえられた。そして、この経験は宗教的な意味での回心にのみなぞらえる・・・ (上掲書 62頁。)
ヒトラーに魅せられたのはリューデケのみならず、ミュンヘンの名望ある美術商の御曹司プッツィ・ハンフシュテングなど、上流階級にもファンがいたそうだ。ヒトラーに人気があったのは単に演技や演説が上手かったからではなく、忌憚なくドイツが抱える深刻な問題を鋭くえぐり、具体的な解決策を呈示したからである。そこには当然ユダヤ人への罵詈雑言もあったが、ヒトラーのユダヤ人批判は当時のドイツ人なら大方の者が共感するものであった。何故かと言えば、ヒトラーは反ユダヤ主義の知識人が書いた者を熱心に読んで咀嚼(そしゃく)していたからだ。したがって、彼の反ユダヤ主義は独創的な理論ではなく、当時のドイツ社会に流布していた常識だったと言えよう。そうでなかったら、あれほどの同調者を獲得できるはずがない。アメリカの一般人は歴史書を読まず、ハリウッド映画だけで知識を固めてしまうから、まるでヒトラーが卓越した反ユダヤ主義者であるかのように思っている。千年以上も歐米に寄生してきたユダヤ人は、ヒトラーが「ユダヤ人とは人種である」という痛い所を突いたから憎んでいるのだ。何があっても西歐に“たかり”たいユダヤ人の狙いは、「ヒトラー」という名を聞いただけで拒絶反応を示す西歐人を作ることにある。そのために、大学や映画館、テレビでしつこく悪魔的なヒトラーを描き出しているのだ。日本人にもまんまと罠に嵌まった人が多い。
テレビ局の御用学者は、「トランプが大統領になると日本に無理難題を押しつけるぞ。さあ大変だ」と騒ぐが、ヒラリーが大統領になっても、困ったことになるだろう。そもそも、アメリカ国民が誰を大統領に選ぼうが彼らの自由で、外国人である日本人にはどうすることもできない。大切なのは、アメリカ国内がいかに混乱しようとも、日本人が独立心を持って対処することだ。それに、日本の軍事負担を求めるトランプはむしろ歓迎すべき人物である。マスコミが反対でも、日本人は自前の軍隊をもつべきだ。アメリカ人が永久に日本を守ってくれると信じている日本人の方がよっぽど頭がおかしい。責任を持つ一家の大黒柱なら、アメリカが裏切ることを想定して、国防軍を備えるべし、と考える方が正常だろう。最終的に日本を守るのは日本の軍隊である。いくら何でも、アメリカ大統領が「日本人の為にアメリカ兵は血を流します」なんて発言はできまい。自分の身は自分で守るのが鉄則だ。戦国時代の武将や軍師を思い出せば分かるだろう。日本人は日米安保を改定しかねないトランプに怯えているが、よくよく考えてみれば、日本の独立を阻碍するNHKや民放の方がトランプより遙かに有害である。左翼メディアを観ていると、ついヒトラーみたいな鋼鉄の意思をもつ政治家が現れて、NHKやTBSの左翼どもを粛清してくれないかなぁ、と考えてしまう。でも、卑劣な左翼マスコミは豹変が得意だから、すぐ「ハイル・ヒトラー」と言い出しかねない。日本の知識人はスターリンの日本占領に備えて、社会主義礼讃の「アリバイ」発言を述べていたから、独裁者が現れれば、揉み手すり手で提灯番組を作るだろう。
なんか、結局日本のマスコミ批判になってしまったので、今回はこのへんで終わりにします。昔、キャンディーズの歌に「ハートのエースが出てこない」云々というヒット曲があったけど、アメリカの左翼的国民はジョーカーみたいなトランプを斥けて、ヒラリーを「ハートのクィーン」にしたいのだろう。でも、「ババ抜き」というカード・ゲームがあるから油断がならない。(皺(しわ)伸ばしのヒラリーを“初老”とか“バアさん”と呼べば、フェミニストが怒るだろうなぁ。) お後が宜しいようで。
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目下、アメリカでは四年に一度のお祭りが始まっている。今回の目玉は「トランプ旋風」だ。オバマの民衆党政権が二期8年続いたので、2016年は共和党の番だ、と共和党員は大はしゃぎ。ところがどっこい、ワシントンの支配者たちが担いだ本命のジェブ・ブッシュはあっけなく敗退し、冷やかし程度で出馬したドナルド・トランプが本命になってしまった。これを観れば、「一寸先は闇」という政界の諺が身に沁みて分かるだろう。アメリカのマスコミは蜂の巣を突いたように騒ぎ出し、評論家やキャスターはてんやわんやで、この気違いの暴走を何とか食い止めねば、と躍起になっている。左翼が牛耳るテレビ局や大手新聞社が「反トランプ」キャンペーンを張るのはいつものことだから驚かないが、共和党保守派と評される論客まで反対に廻ったのだから尋常ではない。
愛される者に理由があるなら、嫌われる者にも理由がある。トランプを熱狂的に支持する者は、彼の大胆な反移民政策や在野の意見に共感を覚えるのだろう。一方、左翼勢力はトランプの人種に基づく移民排除に神経を尖らせている。左翼メディアはトランプがヒスパニックやイスラム教徒を露骨に嫌うことに反感を持っているからだ。従来、このような対立構造が浮き上がれば、共和党保守派の知識人はトランプへの支持を表明するはずなのに、今回は違った。共和党保守派が分裂しているのだ。人気コラムニストのアン・コールター(Ann Coulter)や元大統領候補にもなったパット・ブキャナン(Patrick Buchanan)、保守活動家のピーター・ブリメロウ(Peter Brimelow)などはトランプ支持に廻っているのに、著名なコラムニストのジョージ・ウィル(George Will)はトランプを愚者扱いにしているし、保守派雑誌『ナショナル・リヴュー(National Review)』に至っては、「反トランプ(Against Trump)」という題を附けた特別号を発刊していたのだ。
日本と同様、アメリカにおいても保守論壇は分断されている。冷戦の頃は、反共産主義・反左翼の雑誌として名を轟かせた『ナショナル・レヴュー』も徐々に左傾化し、保守思想の信条を貫くことより、雑誌経営を第一に考えているのだ。つまり、広告主を第一に考えている。そこでマスメディアに阿る方針を取り、西欧系白人を擁護するアングロ・アメリカ的伝統は脇に捨てて、ユダヤ人の多民族・多文化主義に配慮する編集方針になってしまった。トマス・ソウェル(Thomas Sowell)という『ナショナル・リヴュー』お抱えの保守派論客は、大衆の歓心を呼び起こす点で、トランプをアルゼンチンのペロン、アメリカのオバマ、ドイツのヒトラーと比較し、「トランプは真の保守主義者ではない」と結論づけている。(Jeet Heer, National Review Fails to Kill Its Monster, New Republic, January 22, 2016) 確かに、トランプは保守主義者ではないが、批判しているソウェルも真の保守主義者ではないだろう。彼は黒人ながら白人の保守主義に同調することで人気を博しているだけだ。彼は白人保守派に味方をし、黒人左翼を批判する事で儲けているのである。ABCの政治討論番組『ディス・ウィーク』でもお馴染みのジョージ・ウィルも、共和党主流派に背くトランプが大嫌いだ。「彼は根本的に哀れな人物である」とウィル氏は嘆く。そして、保守派の重鎮を自認するウィルは、共和党の優先課題をトランプの指名沮止に置いていたのだ。(George Will, If Trump wins the nomination, prepare for the end of conservative party, The Washington Post, December 23, 2015) しかし、昨年末から今年になってもトランプ人気が衰えないから、ウィル氏は益々不満が募り、様々なメデアに登場して、共和党の終焉を説いている。
「営業保守」の西欧系評論家より、さらに辛辣なトランプ批判を展開するのは、「ネオコン」のユダヤ知識人である。彼らは「新保守主義(ネオ・コンサーヴァティヴ)」という看板を掲げているが、その実態は共和党に潜り込んだ元民衆党左派のユダヤ人である。彼らは民衆党の大物ヘンリー・“スクープ”・ジャクソン(Henry “Scoop” Jackson)上院議員のもとで育ったシオニスト左翼であることは周知の事実。その代表格のビル・クリストル(William Kristol)は、しばしば共和党保守派を代弁する評論家としてテレビ番組に出演するが、彼が擁護するのはアングロ・アメリカの伝統ではなく、心の祖国イスラエルに係わる利益である。たとえ、「保守系」雑誌の『ウィークリー・スタンダード』誌を刊行していても、熱心に語るのは中東アジアで仕掛けられたイスラエルの陰謀やアメリカにおけるユダヤ人の地位で、西欧系アメリカ人の事は二の次三の次なのだ。イスラエル・ロビーの言いなりにならぬトランプに業を煮やしたクリストルは、独立系の共和党候補者を提案し、トランプを潰そうと図っていた。
人種差別の臭いがする白人のトランプを嫌うユダヤ人のクリストルは、今となっては手遅れだが、ヒスパニック系のテッド・クルズやマルコ・ルビオなら歓迎するだろう。特に、ルビオは共和党ユダヤ人のお気に入りである。例えば、ルビオのパトロンの一人にノーマン・ブラマン(Norman Braman)という大富豪がいたことは、一般の日本人にはあまり知られていない。彼はポーランドからのユダヤ人を父とし、ルーマニアからのユダヤ人を母とするビジネスマンで、クルマの販売で財を成した人物である。いつもの事だから驚かないが、ブラマンはルビオの支援団体(Super PAC)に5百万ドルも献金していたという。(Eli Clifton, Meet Marco Rubio's Far-Right Neocon Donors, The Nation, December 11, 2015) チャンネル桜を観ていたら、西村幸祐がルビオは日本の防衛に理解があると持ち上げていた。しかし、ルビオの関心事は中東アジアにおけるイスラエルの国益である。アメリカの選挙を見ていると、どの候補者も必ずイスラエル・ロビーにゴマを擦ることで忙しい。アメリカの選挙なのに、民衆・共和を問わず、どいつもこいつもユダヤ人にへりくだり、「私はイスラエルを支持します !」と熱弁をふるうのが当り前になっている。とりわけ、札束とユダヤ票が欲しい連中は、キリスト教徒であってもイスラエル詣でを欠かさない。本当に、合衆国への忠誠心はどこへ行ったのか、と言いたくなる。こんな政治家が国政を担っているから、アメリカ軍がイスラエルの傭兵になってしまうのだ。アメリカの議員は、空き巣に餌を貰って尻尾を振ってしまう番犬を笑えないだろう。
ついでに言えば、ルビオのアドヴァイザーを務めたマックス・ブート(Max Boot)もひどい。彼は共和党員なのに、トランプに腹を立て、民衆党に投票する勢いだ。彼は初めて共和党候補者に背く投票をするつもりだ、と公言していたのである。しかも彼は、「ドナルド・トランプに投票するくらいなら、私はヨシフ・スターリンに投票するぞ !」と豪語していたのだ。(Alexander Burns, Anti-Trump Republicans Call for a Third -Party Option, The New York Times, March 2, 2016) ブートの憤りは凄まじく、「どんなことがあってもトランプには投票しない」と意地になっている。「もしブルムバーグ元市長が出馬するなら彼に、もししないのなら、ヒラリーを支持する用意があるんだ」とまで言っているから、相当やきもきしているのだろう。これでは日本人だって、「お前、本当に共和党なのか?」と彼に尋ねたくなる。しかし、ご心配無用。彼はロシアからやって来たユダヤ帰化人である。生粋のアメリカ人ではない。ユダヤ人はアナーキストかマルキスト、左翼、シオニストのどれかになっていれば充分なので、アングロ・アメリカがどうなろうがお構いなし。移民の波でアメリカが沈んでも平気である。涙は搾っても出てこないし、逆立ちしたって屁も出ない。それに、彼が仕えていたルビオなんか、イスラエルの為に利用するキューバ人程度にしか思っていないのだ。
ヒスパニック移民やイスラム教徒の流入を阻むトランプは、とにかくユダヤ人に受けが悪い。彼には白人中心主義の影が濃厚に見られるからだ。しかし、アメリカはもともとイギリス人によって建てられた国だから、白人中心主義でもおかしくはない。現在の西欧系アメリカ人は学校に通って頭がくるくるパーにされているから気づかないが、建国の父祖を継承する国民が祖先の肉体的特徴を誇りにしたって不思議ではない。ファッション・モデルは自らの肉体を見せびらかして銭を得ているが、誰も彼女たちを非難しないじゃないか。それに、ある日本人が友人の息子に会って、「やぁ、君はお父さんにソックリだね」とか「何となく、お爺ちゃんの面影があるなぁ」と話しかけても、失礼には当たらないだろう。むしろ、祖父母と似ていることを恥じる孫がいたら、その方がどうかしている。日本のマスコミは異常なくらい歐米の白人主義に批判的だが、南アフリカやコンゴ、モザンビークなどの黒人至上主義には寛容な態度を見せている。アメリカにも「ブラック・バンサー」という過激な黒人団体や「ラ・ラザ(人種)」というヒスパニック組織が存在するのに、なぜか日本のワイドショーは取り上げようとはしない。つまり、黒人や南米人には興味が無く、端っから馬鹿にしているからだろう。この点ではユダヤ人も同じで、彼らはやたらと黒人やヒスパニックに同情を示す。最近だと、イスラム教徒にまで理解を示しているのだ。ニューヨーク・タイムズ紙のロジャー・コーエンというジャーナリストは、ユダヤ人のくせにイスラム教徒の入国を制限するトランプに反撥し、多文化主義を標榜しているから胡散臭い。コーエンはトランプが差別主義者だと言いたくてたまらないのだろう。彼はトランプが「ムスリム、メキシコ人、障碍者、女性を侮辱している」と文句を垂れ、現在のアメリカを「ワイマール期のアメリカだ」と訴えている。(Roger Cohen, Trump's Weimar America, The New York Times, Decmber 14, 2015) つまり、ヒトラーが台頭したドイツと同じだぞ、と言いたいのだろう。
ユダヤ人ってのは、何かと言えばナチやヒトラーを持ち出して自分の意見を正当化しようとする実にイヤらしい民族だ。アメリカの藝能界にはユダヤ人がゴロゴロしていて、しょっちゅう政治に口を挟んでくるから鬱陶しい。ユダヤ人団体のADLで会長を務めていたエイブ・フォックスマン(Abe Foxman)などは、もうトランプを完全にユダヤ人の敵と見なしているから、現役を退いてもトランプ批判に熱心だ。最近では、コメディアンのルイス・C.K.(本名/Louis Székely)がトランプのことを「気の狂った頑固者」と呼び、ヒトラーになぞらえている。(Marianne Zamberg, Louis C.K. Compares Donald Trump to Hitler, Variety, March 5, 2016) ルイスはメキシコ系移民の息子だが、彼の父ルイス(Luis)はメキシコに住んでいたユダヤ人である。もとはユダヤ人の祖父がハンガリーからメキシコにやって来ただけだから、ヒスバニック系とは言えないだろう。昔ならユダヤ人は「居候」扱いだったのに、今では合衆国が彼らの祖国であったかのように考えているから、ユダヤ人というのは誠に図々しい。西欧世界に属さない「よそ者」ということを忘れているせいか、ルイスはメキシコ移民を排斥するトランプが大嫌いで、トランプを「最悪の選択だ !」とか「ヤツは危険だ !」と言いふらしている。
左翼が溢れているテレビ局には、反トランプの藝人がうようよいる。有名コメディアンのビル・メイハー(Bill Maher)もトランプを非難し、この大統領候補をヒトラーになぞらえていた。憎悪の炎に燃えるメイハーはご丁寧にも、ヒトラーが演説をしているフィルムを引っ張り出して、それを巧みに編集し、いかにトランプが兇悪な独裁者と似ているかを示しているのだ。フィルムの中ではヒトラーが熱弁をふるっており、「収容所を作るんだ。ユダヤ人にツケを払わせてやる」と意気込んでいる姿が映し出されている。(Moses Frenck, Trump is Hitler Comparisons Intensify, Diversity Inc, March 7, 2016) このメイハーは自分のトーク・ショー番組を持つユダヤ人で、左翼的見解を以て視聴者の好感を得ようとする典型的なテレビ藝者だ。彼は人気コメディアンのジョン・スチュワート(Jon Stwart/本名Jonathan Stuart Leibowitz)と同じ穴の狢と考えた方がいい。ちなみに、このスチュアートも左翼ユダヤ人で、ポーランドやウクライナからやって来たユダヤ移民の孫である。アメリカにいる人気コメディアンのほとんどは左翼で、自ら民衆党の広告塔になっている奴が多い。
日本と同じく、アメリカのテレビ局も左翼一色で、ちょっとでも人種主義の臭いがする人物が出てくると、赤い評論家や左巻きの学者、ピンク色の俳優、ユダヤ人コメンテーターなどが寄ってたかって攻撃を仕掛けてくる。アメリカの一般人は知識に乏しく、判断力が著しく劣るので、ワイドショーの論調に引っ掛かりやすい。在米日本人なら知っている人も多い人気ワイドショー番組「ザ・ヴュー(The View)」の司会を務めるユダヤ人のミッシェル・コリンズ(Michelle Collins)は、ホロコーストで殺された家族の話に触れながら、毎度お馴染みのナチズムを持ち出して、トランプがヒトラーのように危険であると言い放つ。(Gabe Friedman, 9 Times Donald Trump has been comapred to Hitler, The Jewish Telegraph Agency, March 8, 2016) 根拠を示さず妄想を語るコリンズには手の施しようがない。「彼を見ると恐ろしいのよ。(トランプは)今のところ私を狙っていないけど、どうだか分からないわね」と発言していたのだ。トランプが米国内で強制収容所を造って、ユダヤ人をガス室にで送ると考えているのか? (専門家さえ科学的根拠を呈示できないのに、ガス室があったと騒ぐユダヤ人には心底うんざりする。) もう馬鹿らしくて言及するのも嫌だ。コリンズは米国にいても身の危険を感じるというのか。ユダヤ人は検証もされていないホロコーストの話を持ち出せば、無条件に世論を味方に出来ると考えているのだ。
コリンズの仲間で同僚司会のジョイ・ベアー(Joy Behar)は、コメディアンのジョン・オリヴァー(John Oliver)を番組に招いて、自分の代弁をさせていた。彼はトランプの家系がドイツ人である事を話し、「トランプ」はドイツの「ドランフ(Drumpf)」に由来するんだ、と語っていたのだ。ベアーは「彼の本名はドランフだから、マイン・ドランフ(mein Drumpf)みたいね」とせせら笑っていたらしい。ヒトラーの「我が闘争/マンイン・カンプフ(Mein Kampf)」をもじったのだろうが、そんな事までしてトランプを貶めたいというのだから呆れてしまう。ちなみに、ジョイ・ベアーもユダヤ人である。殊更ヒトラーに言及するアメリカのマスメディアは異常である。大手のテレビ局は何が何でもトランプを引き摺り降ろしたいのだろう。執念に駆られたマスコミは、ホロコースト話を持ち出すだけでは飽き足らず、アンネ・フランクの関係者エヴァ・シュロス(Eva Schloss)まで連れてきたのだ。彼女の母親は戦後アンネの父親と結婚したので、アンネはエヴァにとって義理の姉妹となる。テレビ局という座敷に呼ばれた藝者か漫才師のように、エヴァは自分に求められた役割を見事に演じていた。「またかよ !」とボヤきたくなるが、彼女はトランプを指して「人種主義を喚起するもう一人のヒトラーみたいだわ」と発言していたという。ユダヤ人はアメリカをイスラエルと間違えているんじゃないか。仮に、アメリカで反ユダヤ主義が再燃したとしても、以前のアメリカに戻っただけで、西欧系アメリカ人にとっては痛くも痒くもないだろう。もし米国にユダヤ人が消えたら、イギリス系アメリカ人にとってどんな不都合が生じるというのか。西欧系アメリカ人なら、「ああ、清々した」と述べて終わりだろう。困るのはユダヤ人だから、必死になってドイツ人を悪魔に仕立てる。薄汚い難民としてやって来たユダヤ人たちは、米国におけるユダヤ人の地位を安泰にしたいのだろう。
日本のワイドショーも米国の大統領選挙を報道しているが、実際の生々しい状況を視聴者に伝えず、的外れな解説を垂れ流しているから、観ていて嫌になる。世論を操作したいテレビ局は、トランプは「暴言を吐くポピュリスト」とか「人種差別主義者で危険です」といった評論しかしない御用学者を招いて、「視聴者の皆さん、とんでもない人が大統領になってしまいますよ」と仄めかす。確かにトランプは立派な為政者ではない。彼は優秀なビジネスマンだから、わざと暴言を吐いてマスコミの注目を集め、世間の人気を博している。アメリカのマスコミがこぞって彼の映像を流すから、トランプはテレビ広告にお金をかけずにすむ。実に頭の良い奴だ。計算ずくで何億円も節約したのだから、それだけでも切れ者だということが分かるだろう。トランプを愚弄しているテレビ局の方がアホに見えてくる。トランプは移民排斥を主張しているが、大統領に就任してから本当に実行するかは怪しい。大統領が選挙公約を反故にすることは常習化しているから、トランプが有権者を裏切ることもあり得る。ただ、当選したトランプは二期目を目指すから、ちょっとは移民を排除するだろう。そうしないと支持者からソッポを向かれて再選が不可能になってしまうからだ。まぁ、大衆の本質を心得ているトランプのことだから、実質が伴わなくても目立つような移民排除作だけは打ち出すかも知れない。
大統領選を特集する番組では、手嶋龍一みたいな「アメリカ政治の専門家」と称する輩が、トランプの演技だけを評論している。しかし、トランプを支持しているアメリカ人の本音を日本人に伝えていないのは変だ。1970年代から居ついた不法移民が1千万人もいるのに、その害悪を具体的に暴露しない日本のテレビ局は、プロパガンダ放送局と呼ばれても仕方がない。問題の本質を避けながらの解説なら時間の無駄である。だいたい、単なる優秀なビジネスマンなら、アメリカにはいくらでもいるのに、なぜトランプだけが大統領候補になれたのかを説明しないのは、どう考えてもおかしいじゃないか。一連の報道の発端を思い出してみれば理解できるはずだ。トランプはメキシコから入ってくる不法移民を「殺人犯」とか「強姦魔」と喝破し、「ムスリム移民は危険だ」と本音を語ったから、移民に不満を募らせる白人層の喝采を浴びたのだ。一方、ワシントンに巣くっている従来の政治家は、マスコミの批判を気にして移民に対し甘くなっていた。ところが、トランプは失う議席や選挙区を持っていないから、遠慮無く言いたいことをテレビで口に出来た。すると、これを聞いた保守的アメリカ人は、「よくぞ言ってくれた」と喜び、トランプ人気はうなぎ登り。しかも、その暴言をNBCテレビが譴責したものだから、左翼マスコミに反感を抱く白人層は益々トランプを応援したくなった。つまり、マスコミはやぶ蛇を突いてしまったのだ。
左翼思想が当然のマスコミは、盛んにトランプをヒトラーになぞらえて批判するが、我々はなぜヒトラーがワイマール・ドイツで台頭したのかを思い出すべきである。ヒトラーについては諸説様々で、論じると長くなるから一点だけ取り上げてみたい。ヒトラーの魅力はその断固たる信念にある。ヒトラーは鉄の意思を貫く気概を持っていたので、周囲のドイツ人から批判されても怯まなかった。教養があって高い社会的地位を持つインテリどもが、低学歴で伍長上がりのヒトラーをからかっても、ヒトラーはめげるどころか、逆に彼らを痛烈に非難し、その軟弱な態度を叱り、未来のドイツが如何にあるべきかを具体的に語ったのだ。ヒトラーを調べたイアン・カーショーによると、
ヒトラーは実際、政治行動の細部においては優柔不断なところがあったが、自分の理念の正しさを疑うことは一度もなかった。ヒトラーの信念の強さと確かさは、ありふれた偏見の持ち主や変人では思いつかない、栄光の未来のための崇高な処方箋と感じられ、ヒトラー個人の絶対的優位を裏づける要因となった。(イアン・カーショー 『ヒトラー 権力の本質』 石田勇治 訳 白水社 1999年 31頁。)
左翼メディアやユダヤ人が繰り返し流す映像フィルムを観る一般人は、ヒトラーを単なる「残虐な独裁者」か「昂奮しながら演説をする狂人」としか思わない。ところが、実際のヒトラーはかなり違う。意図的な印象操作を目的とした映像で我々の精神は洗脳されているのだ。普通の日本人がヒトラーの「テーブル・トーク」を読めば、ヒトラーは以外と勉強家で冷静に物事を判断する人物であることが分かる。ヒトラーと聞けば直ぐに「悪人」と考え、その言動を吟味せず、闇雲に耳を塞ぐのは「調教」されている証拠だ。ヒトラーの行動や発言に正しいところがあれば、それを日本人がどう評価しようと日本人の勝手で、ユダヤ人に気兼ねしてヒトラーを全否定する必要はどこにもない。我々には思考の自由があり、ユダヤ人に丸め込まれた歐米人とは違うのだ。ヒトラーの演説に魅せられた聴衆の一人に、クルト・リューデケという崇拝者がいたそうだ。ヒトラーの演説を聴いた彼は、次のようにその印象を語っていた。
自分の批判能力が消え去り、「彼の信念の催眠術的な魔力」、「この男の力強い意志」、「彼から私に流れ込んで来るかに思える誠実な情熱」に捕らえられた。そして、この経験は宗教的な意味での回心にのみなぞらえる・・・ (上掲書 62頁。)
ヒトラーに魅せられたのはリューデケのみならず、ミュンヘンの名望ある美術商の御曹司プッツィ・ハンフシュテングなど、上流階級にもファンがいたそうだ。ヒトラーに人気があったのは単に演技や演説が上手かったからではなく、忌憚なくドイツが抱える深刻な問題を鋭くえぐり、具体的な解決策を呈示したからである。そこには当然ユダヤ人への罵詈雑言もあったが、ヒトラーのユダヤ人批判は当時のドイツ人なら大方の者が共感するものであった。何故かと言えば、ヒトラーは反ユダヤ主義の知識人が書いた者を熱心に読んで咀嚼(そしゃく)していたからだ。したがって、彼の反ユダヤ主義は独創的な理論ではなく、当時のドイツ社会に流布していた常識だったと言えよう。そうでなかったら、あれほどの同調者を獲得できるはずがない。アメリカの一般人は歴史書を読まず、ハリウッド映画だけで知識を固めてしまうから、まるでヒトラーが卓越した反ユダヤ主義者であるかのように思っている。千年以上も歐米に寄生してきたユダヤ人は、ヒトラーが「ユダヤ人とは人種である」という痛い所を突いたから憎んでいるのだ。何があっても西歐に“たかり”たいユダヤ人の狙いは、「ヒトラー」という名を聞いただけで拒絶反応を示す西歐人を作ることにある。そのために、大学や映画館、テレビでしつこく悪魔的なヒトラーを描き出しているのだ。日本人にもまんまと罠に嵌まった人が多い。
テレビ局の御用学者は、「トランプが大統領になると日本に無理難題を押しつけるぞ。さあ大変だ」と騒ぐが、ヒラリーが大統領になっても、困ったことになるだろう。そもそも、アメリカ国民が誰を大統領に選ぼうが彼らの自由で、外国人である日本人にはどうすることもできない。大切なのは、アメリカ国内がいかに混乱しようとも、日本人が独立心を持って対処することだ。それに、日本の軍事負担を求めるトランプはむしろ歓迎すべき人物である。マスコミが反対でも、日本人は自前の軍隊をもつべきだ。アメリカ人が永久に日本を守ってくれると信じている日本人の方がよっぽど頭がおかしい。責任を持つ一家の大黒柱なら、アメリカが裏切ることを想定して、国防軍を備えるべし、と考える方が正常だろう。最終的に日本を守るのは日本の軍隊である。いくら何でも、アメリカ大統領が「日本人の為にアメリカ兵は血を流します」なんて発言はできまい。自分の身は自分で守るのが鉄則だ。戦国時代の武将や軍師を思い出せば分かるだろう。日本人は日米安保を改定しかねないトランプに怯えているが、よくよく考えてみれば、日本の独立を阻碍するNHKや民放の方がトランプより遙かに有害である。左翼メディアを観ていると、ついヒトラーみたいな鋼鉄の意思をもつ政治家が現れて、NHKやTBSの左翼どもを粛清してくれないかなぁ、と考えてしまう。でも、卑劣な左翼マスコミは豹変が得意だから、すぐ「ハイル・ヒトラー」と言い出しかねない。日本の知識人はスターリンの日本占領に備えて、社会主義礼讃の「アリバイ」発言を述べていたから、独裁者が現れれば、揉み手すり手で提灯番組を作るだろう。
なんか、結局日本のマスコミ批判になってしまったので、今回はこのへんで終わりにします。昔、キャンディーズの歌に「ハートのエースが出てこない」云々というヒット曲があったけど、アメリカの左翼的国民はジョーカーみたいなトランプを斥けて、ヒラリーを「ハートのクィーン」にしたいのだろう。でも、「ババ抜き」というカード・ゲームがあるから油断がならない。(皺(しわ)伸ばしのヒラリーを“初老”とか“バアさん”と呼べば、フェミニストが怒るだろうなぁ。) お後が宜しいようで。
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