無敵の太陽

主要マスメディアでは解説されない政治問題・文化・社会現象などを論評する。固定観念では分からない問題を黒木頼景が明確に論ずる。

2016年05月

難民に轢き殺された天使 / 民族的自殺を遂げた英国

よそ者が市長になる

  前世紀、同盟関係にあった日本と英国は、疎遠になっても同じような問題を抱えているようだ。その一つに、首都の顔が醜悪になった事が挙げられるだろう。何しろ、我が国の首都東京では、知事室に舛添要一が居坐っているから、見ているだけで吐き気がする。いくら「税金」が「他人のゼニ」を意味するからといって、別荘に帰る時に公用車を使ったり、5千万円も使って大名旅行をする必要は無いじゃないか。“湯水の如く”使うにも程がある。今ではミネラル・ウォーターでもガソリンと同じ値段になっているんだ。ちょっとは考えろ、助平ハゲ ! このような浪費だけでも怒髪が天を突くのに、家族で楽しんだ旅行や外食まで、税金で落とすなんて言語道断。家族旅行であることは明らかなのに、ホテルで政治的会議を開いたとぬかす舛添には言葉が出ない。女房と世間話をすれば、「主婦の意見を調査した」とか「台所感覚を知った」ことになり、子供と温泉に浸かれば、「未成年の健康問題」を観察したことになるんだから、政治活動は森羅万象なんでもありだ。怒りの支出はこれだけではない。子供のセーターや靴下、ペット・フード、ガーデニング用品を「政治活動費」で計上していたんだから、まったく呆れた奴だ。これが政治に関連するなら、愛人のブラジャー代や化粧品代まで、「政治活動費」になるじゃないか。恐ろしいけど、猪瀬直樹がまともに見えてくる。

Masuzoe 2(左/舛添要一)
  舛添を批判する他の議員も似たり寄ったりで、カラオケ店で鄙猥な雑談をしたり、「あぁ~あ、嫌だねぇ~」とボヤいたりすれば、「政策会議」をした事になるそうだ。税金で漫画や写真週刊誌を買っても、“政治活動”の一環とか、法案作成の為の“資料代”として了承されるというから、日用品や娯楽品はみんな政治関連グッズになっている。それなら、「ノーパンしゃぶしゃぶ」で女の尻を見つめていた大蔵官僚だって、「オレたちは女性の雇用状況を視察したんだ !」と弁解できるじゃないか。勝手に使ったお金が、「血税(兵役)」じゃないからといっても、役所に払った「紙幣」には、庶民の“汗”と“涙”が染み込んでいるんだぞ ! 舛添えは東大の助教授時代に、散々政治家の批判をしていたくせに、厚労大臣や都知事になったら、陣笠議員より“がめつい”ゼニ喰い虫になっていたんだから恐れ入る。国民年金や厚生年金を流用した厚労省官僚を「泥棒」呼ばわりしていたが、自分も税金を合法的にネコババしていたんだから、銀行強盗が郵便局強盗を叱っていたようなものである。

  「週刊文春」でスキャンダルにされたから、焦った舛添はテレビの前で「精査」を繰り返していた。舛添はたぶん「会計処理の誤りでした」で逃げ切れると思っていたのだろう。案の定、私的な娯楽や飲食代を会計処理上のミスにして、修正申告すれば済むと考えていた。5月13日に行われた定例記者会見は、火に油を注ぐようなものだった。弁護士を交えてリハーサルしても、本番で世間を煙りに巻くのは難しい。例えば、テレビ局の記者から白紙の領収書を質問された時、宛名を書いていないことが普通だとか、ケース・バイ・ケースだ、と訳の解らぬ説明を述べていた。会見を聞いた視聴者で、この答弁を納得する人がいたら、こっそり顔を見てみたい。舛添の釈明会見はどれもこれも腹立たしいが、「お金を返せばいいんだろ ! ほらよ !」という態度が許せない。これで通用するなら警察は要らないだろう。例えば、万引き犯が店員に見つかって事務所に連行された時、「盗んだ品物を返します。お金を払うから勘弁してね !」で済むのか? 舛添は高齢の会計士に罪をなすりつけ、得意の「演技力」を用いて“白々しく”陳謝を繰り返していた。だが、こんな猿芝居で世間を騙せるとでも思っているのか? この破廉恥漢は、どうせ二、三週間もすれば大衆は別の事件に関心を寄せるから大丈夫だ、と高を括っているんだろう。法的に問題をクリアすれば、任期満了まで知事を続けられるし、退職金だってもらえる。(たぶん途中で辞任するんじゃないか?) いずれにせよ、舛添は数千万円ほど手にできるから満足だろう。

  まぁ、所詮デモクラシーで政治家になった奴らは、頭の神経が我々庶民とは違うのだ。先頃、英国ではロンドン市長選が行われ、ボリス・ジョンソン市長の後任にサディク・カーン(Sadiq Khan)が選ばれた。彼は市長選で保守党候補のザック・ゴールドスミス(Frank Zacharias Robin Goldsmith)と一騎打ち。労働党候補のカーンが約131万票(57%)を獲得し、約99万4千票(43%)しか取れなかったゴールドスミスを破った。(Robert Booth, Labour's Sadiq Khan elected mayor of London, The Guardian, 7 May 2016) それにしても、今回の市長選は様々な点でユニークだ。一つ例を挙げてみれば、両者の人生が対照的であった。カーン氏は英国生まれだけれど、両親はパキスタン人で、彼が生まれる少し前インドからやって来た移民である。父親のアマヌラはバスの運転士で、母親のセルンはお針子であった。この夫婦には8人の子供がいて、サディクは5番目の子供である。勉強はできたみたいで、彼はノース・ロンドン大学に進み、そこで法律を学んだそうだ。移民の息子だから必死で頑張ったんだろう。

Sadiq Khan 2Zac Goldsmith 2









(左: サディク・カーン / 右: ザック・ゴールドスミス)

  一方、対立候補のザック・ゴールドスミスは、人も羨むお坊ちゃん育ち。銀のスヌプーンどころか、黄金のおしゃぶりをくわえて生まれてきたんじゃないか、と思えるほどの家柄である。彼の姓でわかる通り、あのユダヤ人大富豪の「ゴールド・シュミット家」に生を享(う)けた。英国風に直して「ゴールドスミス」にしたが、その一族は「ロスチャイルド家」と並ぶユダヤ人一家である。ザックの父親ジェイムズ(Sir James Michael Goldschmidt)は有名な金融業者にして、ホテル王と投資家を兼ねた人物。祖父のフランク(Francis Benedict Hyam Goldschmidt)もホテル王で、フランクフルト生まれであったが英国保守党の議員になれた。曾祖父のアドルフは金融業者で、B・H・ゴールドシュミット銀行の創設者。こんな家系に生まれたもんだから、「ジャーナリスト」という薄給の職業でも、ぶらぶら出来たのだ。何しろ、父親から2億ないし3億ポンド程の財産を受け継いだというから、当然のこどく左団扇の生活だった。公表された遺産額でもこれくらいだから、非公開の遺産がどれくらいあるのか想像もつかない。

Zac Goldsmith 6Benjamin Goldsmith & Kate2








(左: アリス・ミランダ・ロスチャイルド / 右: ベンジャミンとケイト・ロスチャイルド)

  相続財産はかなりのものだが、ザックの嫁さんもすごい。彼女の名前はアリス・ミランダ・ロスチャイルド(Alice Miranda Rothschild)で、正真正銘のお嬢様育ち。アリスの父親はジェイムズ・ロスチャイルド(Amschel Mayor James Rothschild)で、母親はアニータ・P・ギネス(Anita Patience Guiness)である。ギネス家はビール製造業者として有名だが、その一族が創業した「ギネス・マホン」銀行も有名である。日本の銀行員なら直ぐピンとくるだろう。横浜銀行が1990年代、その傘下に収めた老舗銀行だ。ユダヤ人の上流階級って、仲間同士で複雑な閨閥をつくっているから、意外な人物が夫人や母親で繋がっている場合が多い。(この他にも興味深いユダヤ人コネクションがあるけど、また機会があったら紹介したい。) ちなみに、ザックの弟ベンジャミンは、アリスの姉ケイト・ロスチャイルドと結婚していたから、兄弟揃ってジェイムズ・ロスチャイルドと繋がっていたのだ。しかし、のちにベンジャミンはケイトと離婚したというから、兄貴の嫁さんとの仲がどうなっているかは定かではない。でもさぁ、大富豪の娘との離婚だから、慰謝料で揉めなくて良かったじゃないか。

James Goldsmith 4James Rothschild, Amschel Mayor 1(左: ジェイムズ・ゴールドスミス / 右: ジェイムズ・ロスチャイルド)
  イートン校出身で大富豪のザック・ゴールドスミスと違って、サディク・カーンは下層階級出身で、浅黒い移民の倅(せがれ)ときている。なんかドラマで描かれる成り上がり者みたい。確かに、本人の努力もあったのだろうが、ロンドンという特殊な選挙区だったから、サディクは勝てたのだろう。移民が押し寄せたロンドンには、インド人やパキスタン人、バングラディッシュ人のみならず、ジャマイカ人やガーナ人といった黒人、トルコ人やアラブ人のイスラム教徒に加えて、支那人や朝鮮人まで様々な有色人種が住んでいる。生粋のイギリス白人の方が超少数派となっているんだから異常だ。街中にひしめく商店は、イスラム教徒でなければインド人とか支那人が経営しているし、たまに白人のお店を見かければ、ポーランド人やブルガリア人の移民か、昔から住む東歐系のユダヤ人が経営する所だったりする。ロンドンを歩けば、「ここが本当に英国の首都なのか?」と思う程に、異民族で溢れているのだ。英国を訪れた日本人がベーカー街に行っても、シャーロック・ホームズみたいな英国紳士にはお目にかかれないし、仮に英語を喋る白人に出逢っても、ハンガリーやギリシア移民の子孫だったりする。貴族にだってユダヤ人の血が大量に混じっているから、今やアングロ・ノルマンの貴族は“貴重品”だ。

Sadiq Khan 1Matthew MacFayden 1Rupert Penry Jones 3Raza Jaffrey 1








(左: サディク・カーン / マジュー・マクファイデン / ルパート・ペンリー・ジョーンズ / 右: ラザ・ジャフリー)

  このような雑種混淆のブリテン島を眺めていると、一体「イギリス人とは“誰”なのか」が解らなくなってくる。カーン氏は選挙中、自分について「私はロンドン子で、ヨーロッパ人、ブリテン人、イギリス人である。イスラム教の信仰を持ち、アジア人の出自で、パキスタン人の家系に属し、父であり、夫でもある」と述べていた。(Conor Sullivan and Jim Pickard, Victory for Sadiq Khan highlights tolerant face of London, The Financial Times, May 7, 2016) しかし、日本人ならずともイギリス人なら、「おい、ちょっと待て ! カーン。もう一度言ってみろ 」と言いたくなるじゃないか。「ヨーロッパ人でイギリス人」だって? 正気か? カーンの家にある鏡は色つきで歪んでいるんだろう。 自分の顔を見て“西歐人”と思うカーン氏は狂っている。いつから茶色のパキスタン人が、色白のアングロ・サクソン人になったんだ? 例えば、英国人男優のマュー・マクファイデン(Matthew MacFayden)やルパート・ペンリー=ジョーンズ(Rupert Penry-Jones)ならイギリス人だが、ラザ・ジャフリー(Raza Jaffrey)のようなインド系俳優が、“イギリス人”役者と言えるのか? 彼らは日本でも放送された人気TVドラマ「英国諜報組織(Spooks)」に出演し、それぞれ諜報員役を演じていたけれど、同じ種族とは思えなかった。ちなみに、この番組で同僚諜報員を演じていたミランダ・レイソン(Miranda Raison)は、ドラマでの共演がキッカケとなり、ジャフリーと結婚することになった。だだし、のちに離婚となってしまったが。現代のように異人種が混在すると、このような恐ろしい婚姻が発生するから、娘を持つイギリス人の親は心配になってくる。いずれ日本でも帰化したパキスタン人が「ワタシは日本人」と言う日が来るだろう。また、アフリカ人から生まれた子供が日本で育てば、「江戸っ子」とか「九州男子」とか称するようになる。すでに、帰化した支那人や朝鮮人が「日本人」を名乗っているから杞憂ではない。

Miranda Raison 1Diana 14Dodi Fayed 1









(左: ミランダ・レイソン / 中央: ダイアナ妃 / 右: ドディー・アルファイド)

  ミランダ・レイソン序でという訳じゃないけど、故ダイアナ妃にもちょっと触れたい。煌(きら)びやかなプリンセスが、エジプト人のドディー・アルファイアドと交際していたことは有名だが、彼女の母親フランシス(Frances Ruth Roche/ 後のSpencer夫人)も、異人種と付き合っていた。その相手とはサー・ジェイムズ・ゴールドスミス、つまりザックの父親だ。このオヤジは中高年になっても大変なプレイ・ボーイで、パリやロンドンのホテルに住みながら、常に美女を求めていた。性慾旺盛で金儲けに熱中する典型的なユダヤ人である。息子と同じくイートン校出身者であるが、とてもイギリス紳士とは思えない。彼は製薬会社を手にしたり売り飛ばしたりして、お金を儲けていたそうだ。そんなジェイムズは、フランシスがダイアナを身籠もっていた時期、パリとロンドンを行ったり来たりしてフランシスと逢っていたから、生まれてきたダイアナがジェイムズの娘ではないのか、という噂が立ったらしい。

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(左: 娘のダイアナ妃 / 中央: 母のフランシス / 右: 両親のスペンサー伯爵夫妻)

  フランシスの夫、すなわちダイアナ妃の父親は、ジョン・スペンサー伯爵であるが、夫婦仲は冷めていたそうだ。それでも、スペンサー伯と結婚したフランシスは、三回も妊娠したというから夫婦の関係は分からぬものだ。しかし、三回目の妊娠は悲劇であった。彼女は男の子を出産したが、その赤ん坊は11時間後に亡くなってしまった。短命だったその息子は、父親に因んでジョン・スペンサーと名づけられたが、出産後彼女が再び抱くことはなかったという。失意のフランシスは間もなく三度目の妊娠を経験し、元気な女の子ダイアナを産むことになった。その後、フランシスは鬱病に罹り、夫のジョンともしっくり行かず離婚。それでピーター・シャンド・ギッド(Peter Shand Kydd)氏と再婚することになったのだ。実際、フランシスとジェイムズ・ゴールドスミスとの間には何も無かったと思うが、英国のマスコミは、ジェイムズの娘ジェミマ・カーンとダイアナ妃が姉妹では、と騒いでいた。それにしても、貴族の夫婦には仮面夫婦が多い。愛情より家柄や階級で結婚するからかも知れない。

Jemima Khan 1Diana 7James Goldsmith 3









(左:ジェミマ・カーン / 中央: ダイアナ妃 / 右: ジェイムズ・ゴールドスミス)

  ちょっと脱線し過ぎた。話を戻す。ロンドンの市長がイスラム教徒のパキスタン系英国人というのは、ちょっと驚きだが、歐洲の政治家を調べてみると、徐々にではあるが非西歐系の人物が選ばれているのが分かる。例えば、ネーデルラントのアムステルダムでは、ユダヤ人のヨブ・コーエン(Job Cohen)が市長に選ばれたことがある。アムステルダムは、中世の頃、スペインから逃れてきたユダヤ人が住みついたから、ユダヤ人の政治基盤があるのだろう。アムステルダムにはユダヤ人の政治家だけでなく、宝石商に混じって文化面で活躍したユダヤ人もいた。例えば、オランダ人政治家のヤン・デ・ウッテ(Johan de Witt)と親しかった人物に、哲学者のバルーク・スピノザがいた。彼の父親は迫害を避けるため、仕方なくカトリック教徒に改宗した「コンベルソ(偽装改宗者)」であった。息子のバルークの精神活動も混乱しており、ユダヤ教の学校で教育を受け、ラビやオランダ人とも論争を繰り広げ、死んだ時にはキリスト教会の墓地に埋葬されたというから、結構複雑な人生であった。アムステルダムには他にも有名なユダヤ人がていて、メナセ・ベン・イスラエルが挙げられる。彼は国際法学者のフーゴ・グロティウスや画家のレンブラントとも親しく、ユダヤ人社会の中で大変な権威者だった。ネーデルラントといえば、ジョン・ロックが逃れてきたことからも分かる通り、昔から多くの亡命者が集まってくる特殊な地域だ。オランダ人がやたらと「寛容」を自慢するのは、宗教的・人種的区別を曖昧にしたいユダヤ人が、その裏で「寛容の文化」を支えているからだろう。アムステルダムのユダヤ人はイスラム教徒が移民してくることに反対だが、かといってキリスト教徒の白人が結束することも嫌だから、奇妙なジレンマに陥っている。それでも、消極的だが依然として「異民族共存」を謳っており、いがみ合いながらも「多元的社会」を誇ってるんだから、バカは死ななきゃ治らない。

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(左: スピノザ / 中央: メナセ・ベン・イスラエル / 右: ヤン・デ・ウィッテ)

  ネーデルラントと隣接するドイツでも、有色移民がいっぱいで、カランバ・ディアビー(Karamba Diaby)という黒人の政治家まで現れた。もう、多民族主義の弊害を止めることは誰にもできない。彼よりもっと有名な非ドイツ人政治家と言えば、フィリップ・レスラー(philipp Rösler)を挙げることができるだろう。このベトナム人政治家は、なんと自由民衆党(FDP)の党首にまでなってしまったのだ。副首相と経済相まで務めたんだから、見た目以上に相当な遣り手である。彼は南ベトナムで生まれ、生後9ヶ月の時、ドイツ人夫婦の養子になった。元々、心臓外科医であったが、若い頃からFDPに属し、党の事務局長をしていたそうだ。この役職が切っ掛けで政治家に転向し、メルケル首相の目に止まったから、経済担当に抜擢されたという。ただ、外見がアジア人なので、いくら優秀でもドイツ人の代表にはなれない。やはり、ドイツの宰相はドイツ人でなきゃ。フィリツプには面白いエピソードがある。彼が学校に通っていた頃、そのアジア的容貌でからかわれたり、イジメの対象になっていたそうだ。しかし、彼は時折いじめっ子を脅すことができたらしい。なぜなら、ドイツの子供はアジア人が空手の達人と思っていたからだ。実際は空手の素人でも、空手の構えを見せれば、ドイツの子供はたじろぐ。たぶん当時の子供は、ブルース・リーが見せたカンフーと日本の空手をごちゃ混ぜにしていたんだろう。西歐人の子供には、ベトナム人と支那人と日本人の区別がつかないから、アジア人はみんなブルース・リーの同類に見えてくる。(ただし、ダンスのようなカンフーと、必殺技が飛び出す空手では雲泥の差があるから、本当は別物なんだけど。) それでも、ドイツの子供ばかりが偏見に満ちていた訳ではない。アメリカでは「タートル・ニンジャ(亀の姿をした忍者の番組)」が人気を博していたから、日本人は忍者に変身できるんだ、と思っていた子供がいたそうだ。おそらく、甲府で開催された忍者祭りか何かをテレビで観て、忍者が存在すると勘違いしたんだろう。でも、本当の忍者って庶民に扮装した「忍び」だから、あんな派手な格好はしないんだけど。

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(左: フィリップ・レスラー / 中央: カランバ・ディアビー / 右: ブルース・リー)

ブレア政権の陰謀

  「陰謀論」といえば荒唐無稽の「与太話」と相場が決まっているが、英国のトニー・ブレア元首相は裏で本当の陰謀をはたらいていた。というのも、彼は「移民の輸入するぞ」と公言せず、こっそり大量の移民を引き込もうとしていたからだ。しかし、悪いことは隠し通せない。社会問題を鋭く調べ上げるジャーナリストのトム・ボウアー(Tom Bower)が、『砕かれた誓い(Broken Vows)』を出版し、ブレア政権のとんでもない秘密を暴いたのだ。ボウアー氏の説明によれば、ブレアが英国社会を“根本的に”変えてしまおうと考えたのは、多文化社会がいかに利益と恩恵もたらすのかを示す為だった。労働党政権のアドヴァイザーを務めていたアンドリュー・ニーザー(Andrew Neather)氏は別の理由を述べている。ブレアは保守党右派が掲げる移民政策を時代遅れであると証明したかった。つまり、彼は移民社会の方が「進んでいる」と思っていたのだ。さらに、もう一つ別の目的もあったらしい。単に保守党の鼻を明かしてやりたい、という嫌がらせだ。とにかく様々な理由があったが、ブレアはイギリス国民に己の真意を悟られないよう注意していたそうだ。国家国民の為に“良い事”をしているはずなのに、ブレアは閣僚や官僚に、「外(おおやけ)で移民政策の長所を喋るなよ。国民は議論すら欲していないんだからな !」と釘を刺していたらしい。これはおかしいぞ。どうして口外禁止なんだ? そんなに素晴らしい政策なら、自ら進んで国民に公表すべきだ。たぶん、具体的な利益を説明できないし、反論を恐れていたからだろう。

  左翼の親玉は同類の手下を使って目的を達成しようとする。ブレアにもそうした手下がおり、1999年から2001年にかけて移民担当大臣を務めていたバーバラ・ロッシュ(Barbara Roche)がそうだ。彼女は大臣の席に就任するや、部下に対し「庇護申請者が英国に滞在できるように認可を出しなさい。彼らを取り除くのは時間がかかるし、そんなの感情論なんだから」と話したそうだ。(James Slack, Conman Blair's cynical conspiracy to deceive the British people and let in 2 million migrants against the rules, Daily Mail 26 February 2016) つまり、一旦入国した難民は追い返すのが大変だから、そんなことに手間暇をかけるより、さっさと滞在許可を出した方が楽、という考えである。こんな調子だから、彼女は難民にどんどん労働許可を与えたらしい。内務省の移民局を率いていたスティーヴン・ボイズ・スミス氏によると、ロッシュは更なる移民を入れたがったそうだ。彼女は、移民が存在する多文化主義がいかに利益をもたらすのか、それをイギリス国民に見せたかったそうである。しかし現在のところ、イギリス国民はその“利益”とやらが何処にあるのか、さっぱり分からず、捜すのに苦労しているようだ。それとは反対に、移民による“被害”なら、山のようにあるから直ぐ提出できる。真面目なイギリス国民は、おもちゃ箱までひっくり返しているが、多民族主義の恩恵については心当たりがない。

Tony Blair 2Jack Straw 2Barbara Roche 1tom bower 1








(左: トニー・ブレア / ジャック・ストロー / バーバラ・ロッシュ / 右: トム・ボウアー)

  政治家には品格が求められる。しかし、ブレアにはそれが無い。移民を歓迎するのは、彼が育った環境に原因があるのかも知れない。トニーの父親レオ・ブレアは、役者の親から生まれた私生児だった。だから、立派な家門を保護したり、国家の伝統を守ろうという気概が無い。彼は「過去や歴史、民族なんて、どうでもいいじゃないか」という意識で移民問題を扱っているんじゃないか。ブレア政権で内務大臣や外務大臣を務めたジャック・ストロー(John Whitaker Straw)は、移民政策が問題として浮上するのでは、とブレアに尋ねたことがある。すると、最高責任者のブレアは「移民は問題にならないさ」と斥け、「移民はブリテンにとって良いことなんだから」と諭したそうだ。三期も首相を務めたこの人物は、一貫して移民を肯定し、それを問題にせず、英国経済にとって利益になると思っていたらしい。現在の安倍首相とソックリだ。しかし、イスラム教徒やインド人のような有色人種を輸入したのに、ブレアは彼らが英国社会でどのような生活を送るのかに関心が無かった。ブレア政権の移民対策に助言を与えていたサラ・スペンサー(Sarah Spencer)という学者によれば、ブレアには異民族をどのように統合するか、という考えは無く、ただ移民はそのうち同化するだろう、と信じているだけだった。つまり、非西歐世界からの移民は、経済的利益をもたらすという“卓上”の計算をしただけで、インド人やトルコ人がどんな日常生活を送ろうが関係ないし、そんなこと知ったことじゃない、という態度を取っていたのだ。その結果は、どうだったのか? 2005年7月7日、ロンドンで起きたイスラム過激派による自爆テロを思い起こせば分かるだろう。また、2013年5月22日、ロンドンのウェリントン・ストリートで、ナイジェリア人のマイケル・アデボラジョ(Michael Adebolajo)とマイケル・アデボウェイル(Michael Adebowale)が、イギリス白人のリー・リグビー(Lee Rigby)を刺し殺して、その首を鉈(ナタ)で刎ねたことは記憶に新しい。このような事件を目にしてブレアが反省したという話は聞いたことがないし、本人も自分の移民政策と殺人事件が結びついているとは考えていないだろう。

Michael Adeolajo & Adebowale 1Michael Adebolajo 1








(左: マイケル・アデボラジョとマイケル・アデボウェイル / 右: タナを持つアデボラジョ)

  移民や難民が経済的利益をもたらす、という論調はデタラメだ。彼らを受け容れれば、各人に与える福利厚生で、経済的利益など簡単に吹っ飛んでしまうだろう。第一、移民や難民は豊かな社会が提供する安全性と高かい生活水準、そして高福祉政策を見込んで入国しているのだ。したがって、彼らが経済難民(つまり「たかり屋」)なのは明白である。1995年の時点で、内務省は庇護申請者が2億ポンド以上も福祉を要求していた事を把握していたのだ。ところが、本当の難民は彼らのうち5パーセントに過ぎなかった。したがって、残りの約95パーセントは偽装難民ということだ。それでも、ブレアはこうした外国人が本物の難民かどうかはお構いなし。花咲爺さんのように、国民の税金をバラまいて大盤振る舞い。大切な税金だって気前よく呉れてやるブレア政権だ。ブリテン国籍だって、売れ残ったバナナ以下。「もってけ泥棒 !」と言わんばかりに、国籍の大放出を行ったのである。移民担当のティム・ウォーカー(Tim Walker)が心配になって、ジャック・ストローに「ブリテン国籍を移民に与える前に、英語が喋れるのかどうかを確かめるべきでは ?」と諫言したそうだ。ところが、上司のストローは、「NO」という返事だった。ストローは表向き「国境警備の強化」を謳っていたが、裏では難民が簡単に入国できるよう取り計らっていたのだ。そして、これに苦言を呈する官僚には厳しかったらしい。まったく、本当にユダヤ人ってのは難民が大好きだ。ストローは表向き「キリスト教徒」になっているが、その母親は東歐系のユダヤ人だから、血統的にはアシュケナージ系ユダヤ人である。イスラエルの新聞によれば、彼の曾祖父はドイツ系ユダヤ人であったそうだ。(How Jewish is Jack Straw ?, The Jewish Chronicle, August 1, 2008)  

Peter Barakan(左 / ピーター・バラカン)
  日本人観光客が英国を訪れれば、ロンドンにも結構イギリス白人が多いじゃないか、と思ってしまうが、それは勘違いだ。昔からポーランドやハンガリー、ロシアからの難民や移民を受け容れてきたし、EUの拡大で東歐諸国からの移民を更に迎え入れたから、スラヴ系白人が増えただけだ。したがって、現在のイギリス社会には、何となく非ゲルマン人的な白人や、肌が白いがどことなくアジア的な種族、すなわちユダヤ人が数多く混ざっている。日本人はピータン・バラカンのような自称“英国人”を「イギリス人」と思っているが、彼はポーランドからやって来たユダヤ人の父とビルマ人の母をもつ混血児である。どのような経緯で日本に住みつくようになったかは不明だが、日本語を習得して日本の音楽業界で働いているから、たぶん日本が気に入ったのだろう。いかにも、「コスモポリタン(根無し草の浮浪民)」を印象づける人物である。しかし、豊かな日本に住みついて、さんざん快適な生活を送り、そのうえテレビやラジオで生活費を稼いだくせに、原発反対だなんて許せない。コンサート会場で大量の電気を浪費していた坂本龍一と同じ偽善者である。話を戻そう。東歐の貧民にとって英国は魅力的だ。嘘でも何でもついて黄金郷に潜り込みたい。だって「嘘も方便」と言うじゃないか。それに、密入国も“人生の試練”と考えれば気が楽だ。イギリス人にとったら冗談ではないが、ゴロツキ外人にとっては生活改善の手段である。

  不届き者は後を絶たないが、一例を挙げれば、ボスニア紛争が起きた時、大量のイラク人やアルバニア人が「コソボ人」を装って入ってきたことがある。難民を「可哀想な人々」と見なしてしまう先進国の国民は、彼らが如何に計算ずくで入国してくるのかを見抜けない。世界には惨めな暮らしをしている人間の方が多く、日本や西歐に暮らす人間は例外的な地球人である。だからこそ、彼らの侵入を防ぐ国境を厳重に管理しなければならない。ところが、あえてこの壁を壊したり、裏口を作って連れ込もうとする「内なる敵」が存在する。ある時、英国の出入管理官がコソボ難民を主張する連中に疑いを持った。そこで、この難民申請者を集め、首都プリシュティーナにある有名な場所を尋ねたところ、誰も答えられなかったから、「コソボ難民」を自称する「アルバニア移民」は、全員“嘘つき”と判明した。後日、こんどは別のグループが集められ、同様なテストを課されたが、彼らはなぜかその試験を通過することが出来たという。このアルバニア人たちは、難民支援を行う弁護士にによる“ブリーフィング”を受けていたので、前者の失敗を繰り返すことなく勝利を収めることが出来た。まったく、左翼弁護士というのは忌々しい。左翼団体は“いかがわしい”難民に法的助言を与えたり、滞在許可取得の「秘策」を教えたりするから厄介だ。何はともあれ、難民への試験が失敗なら、別の方法で偽装難民を摘発すべきだろう。それで、ジャック・ストローの対策は? 偽装難民を叩き出したのか? 否、そうではない。彼はインチキ外人に現金ではなく、食券を渡すことにしたという。日本人なら「えぇっ !」と驚くだろう。追放どころの話ではない。この心が広いユダヤ系大臣は、福祉を狙う偽装難民が「嘘つき」であることを認めたくなかったのだ。どおりで、税金を納めている一般国民が激怒するはずた。

  ブレア首相とストロー内務大臣の罪はとてつもなく深い。1997年に「非EU圏から移民が来るぞ」という警告があった時、彼らは1万人くらいいじゃないのか、と呑気に考えていたそうだ。ところが、蓋を開けてみてビックリ。1998年には、15万人以上の移民が殺到したのだ。翌年以降も約20万人の移民が押し寄せ、その数は増える一方で、減る兆しはなかったという。噂というものは良かれ悪しかれ、群集に伝わるのが早い。ブリテン政府の甘い対応が広まるや否や、クルド人、タミール人、スリ・ランカ人などが「観光ビザ」で入国し、タイミングを見計らって「難民申請者」に早変わりしたそうだ。フランス北部のカレーに燻っていたアフガン人やバルカン出身者も、タンク・ローリーに乗り込んで、人知れず英仏海峡を渡ってきたという。陸路や空路を問わず、強制送還を恐れた不法入国者は、ブリテン島に上陸するや、国籍や身分を証明する旅券や書類、カード類をすべて破棄し、身元不明者になった。こうすれば、英国の入国管理官は、拘束した不法入国者がどこから来た外人なのか判らない。彼らはこのテクニックを使って先進国に滞在し、追放されぬようあらゆる手段を使ってゴネ続け、難民の身分を獲得したら、念願の福祉にありつく。極めつけは、現地人との結婚だ。際限なく滞在を延長できるし、子供をもうければ国籍だって夢ではない。下郎どもは何でもするのだ。西歐諸国の一般人なら、いくら日本に住みたいからといって、重大な「結婚」を悪用して日本国籍を取得しようとは思わない。だが、アジア人やアフリカ人は、「人権」を楯にとって居坐り、その隙に現地人と男女関係を結ぼうとする。一旦結婚してしまえば、「不法入国」の罪が消えると分かっているからだ。事実、彼らは家族を離れ離れにしてはいけないというEUの規則を知っているので、逮捕拘束を受けても強制送還はあるまい、と思っている。甘っちょろい先進国は見くびられているのだ。

  アングロ・サクソンの血を引くイギリス国民にとって、ブレア政権は悪魔の政府である。労働党の綱領といえば、労働賃金の上昇とか労働環境の改善、雇用の安定化などが定番だろう。ところが「ニュー・レフト」のブレア政権は、支持者であるはずのイギリス人労働者を裏切っていたのだ。つまり、未熟練の低賃金労働者を輸入することで、イギリス人労働者の給料を低下させ、現地人の失業者を増やし、労働条件を悪化させたうえに、庶民が住む地域まで危険に曝していたのである。おぞましい移民流入により、庶民が保有する家屋や土地の価値は急速に下落するし、外人の子供が入学する公立学校は混乱して、全体的な学力が格段に落ちてしまう。ただでさえ、学力不足に悩む労働者の子供は益々バカになっていく。また、治安の悪化で街頭や商店街の雰囲気が悪くなるから、小売店のオヤジさんは閉店を余儀なくされてしまうのだ。移民が混在する学校に通う息子は、白人であるがゆえに柄の悪いガキどもにイジメを受けるし、娘たちは強姦魔の餌食になるんだからたまったものではない。一旦、難民を受け容れると歯止めが利かなくなる。首相官邸の調べによると、英国に到着する外国人は2001年だと37万人だったのに、2006年には51万人に増えていた。訪英した外国人から帰っていった外国人を引いた数字で見てみると、2001年には22万1千人だったが、2007年になると33万3千人になっていた。(James Slack, How Labour threw open doors to mass migration in secret plot to make a multicultural UK, Daily Mail, 10 February 2010)

Cotswolds 1Cotswolds 9




(写真/コッツウォルズの風景)

  第三世界からの移民や難民は、都市部に住みつく傾向が強い。ロンドンのような大都市は当然として、地方の小都市にもインド人やパキスタン人、アラブ人、支那人が浸透し、今や素晴らしかった田園風景が台無しになっている。もし、日本人観光客が美しい村として評判のコッツウォルズ(Cotswolds)を訪れ、そこに支那人の群れや朝鮮料理店があったら嫌だろう。また、ストラドフォード・アポン・エイヴォンまで足を伸ばして、シェイクスピア縁(ゆかり)の土地を訪れた時、アラブ人が礼拝するイスラム教のモスクが建っていたり、「シシカバブ(串肉料理)」を売りにするトルコ料理店があったら、幻滅するに違いない。もちろん、先祖代々かの地に住むイギリス人だって嫌だ。しかし、トニー・ブレアは気にしない。彼はどんどん移民を招き入れた。英国における外国生まれ住民は急激に増え、1993年には380万人だった人口が、2010年になると700万人になっており、約12パーセントの人口増加になっていた。同時期に、英国籍が無い外国生まれの住人も、200万人弱(4%)から400万人強(7%)になっていた。(Julian Gavaghan, Immigration boom under Labour changed face of Britain faster than any other country except Italy, Oxford experts reveal, Daily Mail, 19 April 2012)

                  1996-2000年                 2001-2005年            2006-2010年
在英外国人数              56万4000人                   92万3000人            104万4000人
(住みついた外人の数)

  これほど多くの移民・難民が居坐っているのに、ブレア首相やバーバラ・ロッシュ、ジャック・ストローなどは謝罪しなかった。かつてロッシュは、第三世界からの移民を、起業家とか科学者、高度専門職の人物と評し、英国経済に貢献する人々と褒めていたのだ。多分ハイテク企業に勤めるほんの一握りに過ぎない、インド人やパキスタン人を指していたのだろう。しかし、英国に潜り込んだ雲霞のごとき移民は、その大半が単純筋肉労働者か厄介者、疫病神、犯罪者、たかり屋のどれかである。こうしてみれば、ロッシュは「明き盲(めくら)」か「詐欺師」のどちらかであろう。ブレア政権で内務大臣になったデイヴィッド・ブランケット(David Blunkett)も、札付きの左翼議員で、ポーランド移民が大量に押し寄せてきた時も、平気な顔をして澄ましていた。2004年、ポーランド移民が来るぞ、と騒がれていた時、内務省は移民の数を1万3千人くらいだろうと予測していたそうだ。しかし、2004年から2007年にかけて、労働許可申請を行ったポーランド人の数は約43万人だった。正規の移民がこれほどの数に上るとなれば、不法移民もかなり混じっていることになる。実際に、どれくらいの非合法移民がいるかは判らない。だが、ブランケットはレイシズムの批判を恐れて、大量移民の問題には触れなかった。それどころか呆れたことに、「我々は天使の味方だ」と嘯(うそぶ)いていたんだから、もう何をか況んやである。いつから天使が移民を助けるようになったんだ? その天使の名前を教えてみろ。

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(左デイヴィッド・ブランケット/右英国のポーランド人)

  「後悔先に立たず」と言うが、デモクラシーで選ばれた政治家は責任を取らない。どんな失敗を犯しても、辞任したり退職すれば罪は問われないんだから楽なもんだ。外務省で政務官を務めたクリス・マリン(Chris Mullin)は、政府が移民問題の対処で間違いを犯したと述べていた。パキスタンやアラブ諸国から来たイスラム教徒は、母国から嫁を呼び寄せ、宗教や風習に基づく見合い結婚をすることがある。その際、女性の意思を無視した強引な縁組みや、夫による妻への暴力がたびたび社会問題になっていた。しかし、労働党はこの外人問題を大々的に糾弾することは出来なかった。なぜなら、アジア人票に頼らざるを得ない労働党議員がいたからだ。ジャック・ストローも第一線を退いてから、東歐移民に門戸を開いたのは「唖然とする誤りだった(spectacular mistake)」、と後悔の念を明らかにしていたという。(Jack Doyle, A spectacular mistake on immigration, Daily Mail, 12 November 2013) 何を今さら白々しいセリフを吐いているんだ? こんな事は前々から分かっていたことじゃないか。責任を問われない立場になってから謝罪するなんて汚いぞ。疚(やま)しい事と知っていたから、移民をこっそりと受け容れていたんじゃないのか?

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(写真/ジプシーとキャンプ地)

  デイヴッド・ブランケットも同じように卑怯者であった。彼はスロヴァキアから流れてきたジプシーを批判し、民衆の御機嫌を取っていたのだ。「だらしなさ」が全身に染みついたジプシーは、至る所で鼻つまみ者となっていた。不潔が本能となっているジプシーは、シェフィールド地区にキャンプを張って、夜はどんちゃん騒ぎ、昼はいかがわしい仕事に励んでいたという。しかし、彼らには衛生観念もなければ、遠慮という意識が一切無い。だから、キャンプ地にした村はゴミだらけになっていた。フランスにあったジプシー部落を思い出せば分かるが、この連中が住みつくと、どこからか廃棄処分になったソファーやテーブルを持ってきて自家用家具にするし、食い物にありつけば、残飯を撒き散らすのが当り前となっている。大きな家具は移動するとき邪魔になるので、そのまま放置してどこかに消えてしまうのだ。彼らが去った後のキャンプ地は、粗大ゴミが散乱した荒れ地になるのが常である。ジプシーが街にやって来ると、ひったくりや泥棒の犯罪が増えるから、本当に迷惑だ。手癖の悪いジプシーの中には、“スリ”の訓練を積んだ熟練泥棒がいたというから、こんな奴らに同情する左翼は被害者に賠償してから発言しろ。昔から、ヨーロッパではジプシーが問題となっていたのに、ブランケットは何ら対策を講じようとはしなかった。予測できる事態が悪化してから、マスコミの前で格好つけるんだから、給料を返還してから人前に現れるべきだ。自分の職務怠慢を棚に上げて、綺麗事を語るだけなら、中学生にだって出来るじゃないか。

娘を轢き殺された父親

  人権派を名乗る左翼議員は、外国の移民や難民に対しては優しいが、地元の国民に対しては冷酷である。以前にも、外国人による犯罪を紹介したが、今回も哀しい事件を伝えねばならない。悲劇は2003年11月に起きた。ランカシャーのダーウェンに住むエイミー・ヒューストン(Amy Houston)は、当時12歳でごく普通の小学生であった。ところが、アソ・モハメッド・イブラヒム(Aso Mohammed Ibrahim)というイラクからのクルド人(30歳)が運転する車に轢(ひ)かれ、命を失う破目になった。事件を起こしたこのイブラヒムは、とんでもない男だった。イブラヒムは2001年1月、タンク・ローリー車に隠れて密入国を果たしたという。(Jack Doyle and Jaya Narain, Asylum seeker who left girl, 12, to die after hit-and-run can stay in UK, Daily Mail, 17 December 2010) まんまと英国に潜り込んだイブラヒムは、すかさず庇護申請を行ったというが、翌年の2002年11月に却下されてしまう。それでもイブラヒムは英国にしがみついた。この男は、2002年に器物損壊を犯し、2003年1月には無保険・無免許運転を行って罰金刑になっており、9ヶ月間の運転禁止処分も受けていた。ところが、同年11月、運転を禁止されているのにクルマを運転し、ブラックバーンという地区でエイミーを轢き殺してしまったのだ。

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(左: エイミー・ヒューストン / 右: ポール・ヒューストン)

  イブラヒムには良心のカケラが無かった。彼はエイミーを轢いたのに、クルマを止めず、轢いた少女を助けようともしないのだ。それどころか、自分の身だけが心配で、その場から即座に逃げようとした。しかし、エイミーは車輪の間に挟まったままである。イブラヒムはそのままクルマを走らせ、引き摺られたウイミーは瀕死の重傷を負ってしまう。病院に急送されたエイミーはまだ生きていたが、医師によると彼女は植物状態になっていたそうだ。真っ青になって駆けつけた父親のポール・ヒューストン氏は、ぼろ切れのように傷ついた娘に寄り添った。しかし六時間後、ヒューストン氏は人生で最も辛い決断をせねばならなかった。彼は生命維持装置を切る許可を下したのだ。胸が張り裂けるような瞬間である。最愛の娘を見つめながら、その命を消す言葉を告げたのだ。娘の尊厳を守り、苦痛から解放するために、自ら娘の死を選んだのである。難民を庇う政治家に、この涙が分かるのか?

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(左: アソ・マホメッド・イブラヒム / 中央: エイミー / 右: ヒューストン親子)

  一方、エイミーを殺したイブラヒムは、事件後すぐに逮捕されるが、たった4ヶ月間刑務所に入っただけだった。これだけでも腹立たしいのに、イブラヒムはこの事件の前、無保険・無免許運転を見つかり、9ヶ月間の運転禁止処分を受けていたのだ。イブラヒムは庇護に値せぬ難民であったから、本来ならとっくに国外追放になっているはずだった。しかし、難民認定却下を不服としてゴネていたから、そのまま英国に居坐ることができたという。こんな不届き者が無免許運転を繰り返していたんだから、エイミーを轢き殺してしても不思議ではない。このクズ野郎は刑期を終えて出所しても、まだ英国に滞在できたという。しかも再三、犯罪を重ねていたのだ。2004年には大麻所持で有罪となり、2005年には住居侵入と窃盗で捕まり、2006年にはまたもや無免許運転をしでかしたという。もう、いっそのこと死刑にした方がいい。極刑に出来ないのなら、中東アジア式に手首でも切断すれば、少しはスッキリするんじゃないか。こうしたアジア人は、野蛮な刑罰を科さないと「反省」などしないのだ。

  キリスト教では「結婚した者を離れ離れにしてはならない」という禁止があるが、結婚を利用して罪を逃れても良いとする教義はない。それに、結婚を国籍取得の手段にしたり、国外追放の防止策にすることは、神聖な制度に対する冒瀆である。しかし、このイブラヒムには、「結婚」や「家族」というものが、英国滞在への道具となっていたのだ。密入国者で人殺しのイブラヒムは、様々な口実を設けて英国に滞在し続け、その間にクリスチナ・リチャードソン(Christina Richardson)というイギリス人女性と結婚することができた。しかも、ハリーとザラという子供をもうけていたのだ。他人の娘を殺しておきながら、その罪も償わず、せっせと生殖活動に励んでいたとは、図々しいにも程がある。エイミーを轢いたことは、単なる交通事故と主張していたから、イブラヒムに罪悪感があったとは思えない。ひき逃げ犯には、こうのようなタイプが多いから、反省を求めても無駄である。

  2008年、ついに出入国管理官はイブラヒムを国外追放にすると決めたそうだ。しかし、イブラヒムには力強い味方があった。それはEUの人権條約第8條であった。この條項は家族が一緒に住む「権利」を保障するものである。したがって、たとえ不法入国者で犯罪の前科がある外国人でも、現地で女房子供を持っていれば、現地に留まる事ができるのだ。(Geoffrey Bindman, Aso Mohammed Ibrahim case sparks another misguided attack on the Human Rights Act, The Guardian, 28 December 2010) 以前から内務省は、犯罪を繰り返すイブラヒムを追放できるよう裁判所に訴えたというが、イブラヒム側は父親としての役割を楯にして、英国に留まりたいと願い出ていたそうだ。というのも、女房になったクリスチナには前夫との間にできた子供が二人居たので、イブラヒムが父親代わりをしていたらしい。しかし、これは真っ赤な嘘だった。イブラヒムは連れ子たちの宿題を見てやったと語っていたが、肝心のイブラヒムは英語もロクに話せなかったという。裁判所はこの事実を認め、彼の話を嘘と判断したが、国外追放にはしなかった。なぜならば、彼はすでに確固とした家庭を築いていたからだ。しかも、連れ子との関係もしっかりしているし、クリスチナとの間には二人の子供ができている。イブラヒムを追放することは益々難しくなった。移民や難民の裁判において、「家族と一緒」は絶対的価値になっている。

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(写真/英国に来たアジア系移民)

  「人権」という下らない権利は、被害者ではなく加害者の為にある。娘を亡くしたポール・ヒューストン氏は怒りが治まらない。イブラヒムが家族と一緒に暮らす権利を認めた裁判所に対し、「では、娘と一緒に暮らしたいという私の家族生活と権利はどうなるんだ?」と彼は問いかけた。彼は7年間も判決の見直しを裁判所に訴えかけていたのだ。娘を失ったヒューストン氏はマスコミにも働きかけていた。「裁判所の判決が示す人権法(Human Rights Act)とは、泥棒や殺人鬼、テロリスト、不法移民の為にある憲章だ。犯罪者の権利が被害者の権利より優先されるなんて、文明社会への憎悪じゃないか」と彼は怒りに震えていたという。確かに、当時350名ほどの外人犯罪者が人権法の下で、毎年強制送還を免れていたのだ。例えば、赤信号を無視してソフィー・ワーンを殺したアサン・サブリ、イギリス人女性二名を強姦したソマリア人のモハメッド・ケンデ、フィリップ・ローレン校長を殺害したラルコ・チンダモが国外追放にならず、そのまま英国滞在を許されていた。こんな有害な外国人犯罪者を即座に叩き出せない西歐諸国は異常である。地球人の「人権」より、自国民が持つ「古来からの権利」の方を優先すべきなのに、法学部が人権派左翼に支配されているから、常識が通用しないのだ。日本も他人事ではない。

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(写真/アフリカ人の移民や難民)

  子供を殺された親は憐れだ。ある日突然ヒューストン氏の娘は遺体になった。いつも通り学校に行き、自宅に帰ってくるはずのエイミーが居ないのだ。交通事故による死亡は仕方ない時もある。だが、エイミーの場合は予防することができた。ヒューストン氏は述べている。

  もし、イブラヒムが2002年に強制送還になっていたら、私の娘はまだ生きていたでしょう。そして、子供を楯に追放されない状況を作れなかったはずです。(David Barrett, Father vows to fight on for daughter killed by failed asylum seeker, The Telegraph, 24 April 20111)

  ヒューストン氏の見解はもっともである。本来、イブラヒムは英国に存在できなかったのだ。国外追放になっていれば、エイミーが轢き殺されることはなかったはずである。事件は未然に防ぐことができたのだ。そもそもイブラヒムは密入国者だから、拘束されれば直ちに追放されるはずだろう。それなのに、難民を装えば滞在延長が許され、自由に現地人と交際し、結婚すれば「イギリス人」になることができる。また、セックスでもすれば子供を作れるし、生まれた赤ん坊が杭のようになって、現地にしがみつくことができるのだ。不法入国者を家族と引き離すことが残酷なら、彼の家族共々出身国に送ってしまえばいいじゃないか。イブラヒムの場合なら、家族6人でイラクに住めばいい。送還されたら命が危ないというのは嘘だ。あんな宏大な国で、たった一人のクルド人を殺すために、アラブ系住民が血眼になって探しに来るというのか? 要は、貧乏な祖国に戻りたくないというだけだ。

  こうしたケースは日本にもあって、以前トルコで“迫害”を受けたと称するクルド人のタスクンが、難民申請をしたことがある。NHKは彼の為に特別番組を制作し、難民を認めるよう日本政府に圧力を掛けていた。助っ人を求めたNHKは、便利な木偶の坊の緒方貞子をゲストに招いて、難民を認めない日本を責めていた。しかし、放送内容に疑問を抱いた筆者は、在日フィリピン人と結婚したクルド難民がなぜフィリピン国籍を取らないのか、と番組制作者を問い詰めたことがある。すると、その担当者は重い口を開き、在日フィリピン人女性と結婚したタスクンの家庭事情を話した。彼は女房の母親と仲が悪いから、フィリピン国籍を取りたくないというのだ。命が助かるならフィリピン国籍でもいいのに、貧乏な国は嫌だという。それに、フィリピンにいるキリスト教徒の姑は、イスラム教徒の亭主を嫌いだから家族に迎えたくないというのだ。もちろん、NHKはこうした裏事情を視聴者に知らせず隠していた。都合の悪い情報は隠蔽するのがNHKの方針である。でも、これって情報操作じゃないのか?

  エイミーを失ったヒューストン氏は、健康上の理由から、もう子供をつくれない体になったそうだ。イギリス人女を娶ってセックスを楽しんだイブラヒムと大違いである。かつて、ヒューストン氏はエイミーに詩を書いて、クリスマス・プレゼントにしたという。彼女が六歳の時だった。その詩に目を通せば涙があふれてくる。「パパはいつもお前といっしょにいるよ。・・・お前は私の小さな天使だ。言葉で言い尽くせないほど愛している」と書かれていた。しかし、最愛の娘はもういない。なぜなら、あの密入国者が「野良犬のように」エイミーを轢き殺してしまったからだ。父親にとって娘は右の心臓である。子供が生まれると、右の胸にも生命を感じるからだ。それゆえ、娘の死は全身の血が抜かれるような恐怖と、心臓をもぎ取られるほどの苦痛を父親にもたらす。エイミーを亡くしたヒューストン氏には何が残っているというのか? 毎日毎日、幼かった頃の思い出が頭の中で蘇るが、エイミーは決して成長しないのだ。娘の同級生は成長し、就職したり結婚したり、あるいは妊娠して子供を産むこともあるだろう。だが、自分の娘は子供のままである。イブラヒムの子供はすくすく育ち、彼はイラクに送られず、豊かで安全な英国に留まり、家族団欒で幸せに暮らしているのだ。彼はやがて孫に囲まれ、楽しい老後を迎えるだろう。しかし、ヒューストン氏には涙に濡れる日々と孤独な老後しか待っていないのだ。彼は何処に怒りをぶつけたらいいのか? 後進国から移民や難民を迎え入れ、不法入国者を大切にする政治家は、一体どんな責任を取ったのか? 小さな天使が殺されたら何になるんだ? トニー・ブレアたちは答えることができまい。

  安倍首相は「景気対策」とか「労働不足の解消」のためと称して、単純労働者をアジアから呼び込もうとしている。だが、支那や朝鮮、タイ、フィリピン、インドから来る労働者は、大手人材派遣会社の利益になるだけで、庶民にとってはマイナスか有害にしかならない。もし、アジア移民がひき逃げ事件や強盗、殺人事件を犯したら、企業経営者や国会議員は責任を取るのか? そんなことは絶対に無い。どうせ、移民の弊害は10年後ないし20年後に現れるから、現在の政治家が困るわけではないし、「手遅れ状態」になった頃には、大半の議員が引退または死亡しているから、誰もが知らん顔をするだろう。泣くのはいつも庶民だ。しかも、近い将来、地方の自治体に外国系市長や議員が誕生しているから、外国人排斥など到底無理。現在のイングランドは将来の日本である。一般国民はアジア人排斥の日本人を「右翼」とか「ネオ・ナチ」と呼ぶだろう。しかし、こうした民族差別主義者が、被害者になりうる国民を救うとしたら、一般人はどう考えるのか? 将来、息子や娘を失った親に対して、右翼国民は「だから警告したじゃないか」と言うだろう。そのとき、右翼を罵っていた一般人がどう答えるのか興味がある。「だって・・・」と唇を噛みしめるような事態にならぬよう、アジア移民の排斥に賛同すべきだ。
  



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トランプはファシスト大統領になるのか?

リベラル・マスコミの総攻撃

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(左: ドナルド・トランプ / 右: FOXテレビのメーガン・ケリー)

  トランプ大統領誕生が迫ってきた ! ライバルのテッド・クルズが撤退を表明し、どうやら党大会でドナルド・J・トランプが共和党大統領候補の指名を正式に獲得しそうだ。去年の秋頃は、冷やかし程度のピエロと見なされていたトランプだが、予備選を戦い続けているうちに、共和党執行部に不満を持つ保守派の切り札(トランプ)となり、スーパー・チューズデーを制すると、政権奪還のための奥の手(トランプ・カード)になった。この不動産王は、今や騎虎の勢い。キャンキャン吠えるマスコミが止めようとしたって、虎の前の仔犬みたいだから、睨まれて尻尾を丸めるだけだろう。世の中何が起きるかわからないものだ。彼が大統領選という博奕のカードを取り仕切るディーラーになったんだから、政治の世界では常識が覆るという証明である。フランクリン・ローズヴェルトじゃないけれけど、これぞ本場のニュー・ディーラー。彼は政界の風見鶏かも知れないけれど、トランプ旋風はまだ止みそうにない。ただし、選挙は闇の中で行うギャンブルだから、何処に落とし穴があるか分からず、トランプ陣営としても迂闊には喜べないだろう。それでも、大衆が彼に飽きない限り、ホワイト・ハウスへの絨毯は不動である。

  日本の命運を握るアメリカの大統領選となれば、日本のマスメディアも黙っちゃいられない。民放地上波のワイド・ショーでも取り上げるくらいだから、一般国民も外国の選挙とはいえ多少の関心はあるようだ。しかし、その報道姿勢は左に偏っているし、ピント外れな意見が多い。とくに、日本に住むアメリカ人を用いての情報操作には注意すべきだ。例えば、デーブ・スペクターのような、左翼メディアのお調子者は信用できない。シカゴで生まれ育ったロシア系ユダヤ人とくれば、アメリカ社会における永遠の異邦人だから、アメリカの南部や中西部に昔から住む白人のお仲間とは言えないだろう。日本人はアメリカ人だから「アメリカ政治に詳しい」と思ってしまうが、現地の新聞やテレビで得た知識を日本語で話しているだけ、という場合が大半だから卓越した意見ではない。それよりも、多少興味があるのは、カルフォルニア州弁護士のケント・ギルバート氏の見解である。彼は共和党支持者らしいが、トランプには反対の立場を取っていて、トランプには一貫性が無く、暴言を吐くとんでもない奴だ、という意見だ。テレビ番組でも表明していたから本音だろう。モルモン教会の宣教師を兼ねるギルバート氏は、同じ宗派のミット・ロムニーの方を贔屓(ひいき)にしており、ロムニーが共和党主流派だと述べていたが、どちらかと言えばロムニーは共和党内でリベラル寄りの政治家である。民衆党のジョセフ・リーバマンやエドワード・ケネディーと親しかったジョン・マッケイン上院議員と一緒。最近、モルモン教会は中南米系の信者獲得に熱心なようだから、ヒスパニック移民を排除するトランプは、ギルバート氏の敵になるのだろう。

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(左: デーブ・スペクター / ケント・ギルバート / ミット・ロムニー / 右: ジョン・マッケイン)

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(左: ロヂャー・マホーニー / 中央: ホセ・ホレイシオ・ゴメス / 右: ヒスパニックの親子)

  これは、カトリック教会も同じで、メキシコを始めとする南米からの移民を、不法・合法を問わず、みんな歓迎するというスタンスを取っている。たとえ濡れネズミの如く潜り込んできた信者でも、閑古鳥が鳴くカトリック教会にとっては、大切なお客様。だって、「お客様は神様です」と言うじゃないか。ヒスパニック信者に揉み手すり手のロサンジェルス大司教ロヂャー・マホーニー(Roger Michael Mahony)枢機卿は、主イエズスの代理者(Vicarius Christi)というより、ヒスパニック・アメリカ人の代理人(Advocate of the Hispanic Americans)と呼んだ方が相応(ふさわ)しい聖職者である。彼の後任はヒスハニック司祭のホセ・ホレイシオ・ゴメス(José Horatio Gómez)なんだから、もうローマ・カトリック教会じゃなくて、ラテン・アメリカ教会と改名した方がいいんじゃないか。西歐キリスト世界が衰退するにつれ、教会の信徒を構成する民族が、イタリア系やアイリス系からヒスパニック系へと変わってしまった。だから、聖職者が南米人に味方するのも当然である。このような組織の変貌を見てみれば、構成要員が“質的に”しかも“種族的に”変化することが、いかに危険であるかが分かる。想像するのも恐ろしいが、日本の構成員にもアジア人が増えれば、その民意を汲む政治家がアジア的になってしまうということだ。最近、ギルバート氏は、朝鮮人の言い掛かりから日本を擁護する言論を発して人気を得ている。しかし、祖国の政治情勢については、ちょっと歪んだ考えになっているようだ。

Tejima Ryuichi 1(左/手嶋龍一)
  日本の左翼コメンテーターを批判してもしょうがないが、黙っていると害毒が拡散するので、多少なりとも批判しておく必要がある。愚劣な識者を挙げるとキリが無いけど、強いて挙げるとすれば、手嶋龍一が御用コメンテーターの代表格になるだろう。元NHKのワシントン特派員だから素っ頓狂なのは仕方がなが、トランプを単なる大衆迎合主義者と捉えるのは軽率だ。彼はBS朝日の「いま世界は」に出演し、トランプに明確な外国政策が無く、簡単な事をポンポンと並べているだけ、と酷評していた。そして、トランプは単純な論法しか持っておらず、外交政策は素人並で、大統領の資質を欠いている、とバッさり斬り捨てていた。さらに、手嶋氏はワシントン・ポストの権威を持ち出し、トランプを批判するのは俺だけじゃないぞ、と印象づけていたから小賢しい。しかし、アメリカの左翼メディアが共和党を批判するのは毎度の事じゃないか。そもそも、トランプは敵対的なマスメディアのインテリどもに向かって話していた訳ではない。現状に不満を持つ大衆を相手にしていたのだ。8年間のオバマ政権に対して怒り心頭の支援者を前にして、知識人が望むような金融政策や外交方針を説教せよ、とでも言うのか? 大統領候補者に握手を求める一般人は、杉良太郎に歓声を上げるオバちゃんと同じ。(ちょっと古くて御免なさい。いま人気のアイドルって誰だろう ?) 金利や通貨供給量、企業の設備投資、収支バランス、NATOに配備される戦略爆撃機の数なんかに関心がないし、そんな専門的な事案は聞いても分からない。そもそも、端っから聞く耳を持っていないのだ。トランプは遣り手のビジネスマンである。彼をひと目見ようと集まってくる聴衆、つまりお客が何を求めているかを第一に考えているのだ。だから、お客が不満に思っていることを「解決・解消します」と述べているし、従来の政治家が等閑(なおざり)にしてきた民衆を吸収しているからこそ、あれだけの人気を誇っているのである。

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(左: ドナルド・トランプ / 右: ロジー・オドンネル)

  ギルバート氏は、トランプの発言や態度が「下品だ」と評していたが、この優秀なビジネスマンは計算尽くで口にしているんだから、ギルバート氏の批判は的外れである。ただ、ギルバート氏がそう評するのも分かる。去年の夏に開かれた討論会で、トランプは司会者の一人であったメーガン・ケリー(Megyn Kelly)をおちょくり過ぎて非難の嵐を招いた。正直なトランプはかつて、人気司会者でレズビアンのロジー・オドンネル(Rosie O'Donnell)に代表される極左藝人たちを、「犬、太った豚ども(fat pigs)、むかつく動物(disgusting animal)、のろま(slogs)」と呼んでいたことがある。ケリー氏はそのことに言及したのだ。そこで、辛辣な意見をぶつけてくるFOXテレビの女性キャスターに向かって、トランプは「あなたの目から血が流れているぞ」と言い返し、一発噛ませてギャフンと言わせようとした。この発言は、険しい顔をしたケリー氏が生理中なんじゃないか、ということを臭わせていたから、女性視聴者の反感を買ったという。まぁ、アメリカ人はこういう悪口をよく使うから、ぶっきらぼうなトランプは彼女を茶化すつもりで言ったんじゃないか。彼はケリー氏を「性的な魅力はあるが、頭が空っぽな人(bimbo)」と評していた。いかにもトランプらしい反撃である。左翼の女性やフェミニストたちが、トランプを性差別主義者だ、と呼ぶ所以(ゆえん)である。

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(上/グラビア写真のメーガン・ケリー)

  この辺で手嶋氏の批評に戻ろう。トランプが在日米軍を撤退させるぞ、と脅したのを受けて、手嶋氏は非現実的であり得ない、と反論していた。それはそうだろう。しかし、日本にとったら決して悪いことではない。なぜなら、自分の国は自分の軍隊で守るのが政治基本であるからだ。日本はコスタリカじゃないぞ。もちろん、米国を同盟国にしておくことは日本の死活問題であろう。ただ、他国に自分の命を預けたままというのは異常である。トランプは在日米軍の駐留費を全額日本政府が負担せよ、と言い出したが、それを拒否すれば、米軍が日本から撤退するという可能性も出てくるだろう。そうなったとき、ぬるま湯に浸かっている日本国民は真剣に国防を考えるようになるはずだ。いいチャンスである。これに反対する保守派言論人は怪しいぞ。保守派はさておき、日米安保反対のNHKなら大喜びの発言だ。手嶋氏のような現実派を装った左翼評論家は、いつまでも日本が米国の保護領でいることを望んでいるのだろう。もし、トランプ発言に反対なら、手嶋氏はどんな国防政策が日本にベストなのか? こういった種類の外交評論家は、政治家の失言にケチをつけるだけで、決して独自の意見を述べようとしない。なぜなら、自分の見解を公表すれば、その甘い認識、つまり子供じみた持論が発覚し批判の対象になってしまうからだ。

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(左: ヘンリー・キッシンジャー / 右: 日高義樹)

  NHKのワシントン・特派員上がりで、もうひとり愚劣なジャーナリストがいる。それは日高義樹だ。以前、テレビ東京で「ワシントン・レポート」という番組を持っていた人物だ。彼は度々ヘンリー・キッシンジャーを招いて、「キッシンジャー博士に訊く」、という特番の司会者になっていた。たいして英語が上手くないのに、わざと英語でインタビューを行い、「俺は英語が流暢に喋れるんだ ! 」という姿を見せびらかしていた。しかし、文法がはハチャメチャで、時制や複数・単数を間違ったり、三人称のときに使う動詞のSが抜けていたり、語彙が貧相だったりと、へんてこな会話だったので、筆者は番組を観ながら「日本語で質問して通訳してもらえばいいのに」と思ったものだ。非英語圏の外国人ジャーナリストが、通訳を用いることは普通だし、恥ずかしいことではない。日高氏は不得意な英語でインタヴューを行っていたから、キッシンジャーに対して突っ込んだ質問や辛辣な反論ができず、終始「へぇ~、そうですか」を繰り返す“お説ごもっとも”対応であったから、観ている方が情けなくなる。インタヴューとは日高氏の願望を満たすものではなく、視聴者にとって有意義な質疑でなければならない。日高氏を観ていると、フランス語を喋る“雄姿”をひけらかしていた舛添要一を思い出す。まだ東大の助教授だった頃の舛添が、『朝まで生テレビ』に出ていた時、隣の席にフランスのリベラシオン」記者のコリーヌ・ブレが坐っており、彼女が日本語で詰まると、ここぞとばかりにフランス語を使って彼女を助けていた。あの浮き浮きした顔は気持ち悪かったから、今でも覚えている。大橋巨泉もそうだったが、どうしてオッさんたちはこうも英語やフランス語を人前で自慢したいのか。本当に野暮天は気取り屋だ。

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(左: 全身刺青だらけのメキシコのギャング / 右: 「警察などクソ喰らえ(Fuck the Police)」と胸に刺青を彫ったヒスパニック犯罪者)

  だいぶ話が逸れたから元に戻るろう。日高氏は『トランプが日米関係を壊す』という本を出した。彼は著書の中で、トランプがメキシコとの国境沿いに高い塀を建設することに触れていた。この選挙公約に関して、日高氏は、「国際的に見て常識外れだ」と批判し、「隣国との友好を考えれば、政治家が国にすることではない」と叱っている。それなら、数千万人の不法入国者に国籍や運転免許証、学校教育、公共福祉を与えることは“常識”なのか? 米国への不法移民に、不法滞在ガイドブックを作ったメキシコ政府も“常識的”なのか? イスラエルは国境に壁を建設したが、そのことで国際的批判を招かなかったのはどうしてなんだ? 一体、何名の上院議員や下院議員がイスラエルの人種差別政策を非難したというのか? 日高氏は答えるべきだ。

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(左: デモを行うヒスパニック移民 / 右: 中南米系の受刑者)

  日高氏は、壁の建設を「とんでもない考えだ」と糾弾するメキシコ政府の反論を紹介しているが、そんなのは分かりきった反応だろう。メキシコの大統領だって大量のメキシコ人が密入国していることを知っているけど、「トランプ様の仰ることは、よくわかります」なんて言うわけないじゃないか。トランプは壁の建設に関し、南米人が米国に入ってくる時に高額な入国料を徴収して建設費用に充てろ、と言っていたが、それも一つの方法だろう。国境警備隊だけでは不法入国者を取り締まることは出来ないし、人員を増やせば彼らに与える給料や退職金、保険料、福祉などで莫大な税金が必要となる。しかも、不法移民や犯罪者を拘束すれば、留置所や刑務所が満員になってしまうのだ。彼らの食事代や光熱費、施設の維持費で莫大な税金が浪費されては堪ったもんじゃない。被害を受けた納税者は、1セントも賠償をもらえないんだぞ。これらを考えれば、鉄条網くらいは作りたくなるじゃないか。

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(左: メキシコとの国境沿いに壁を作るトランプ / 右: 拘束された不法入国者)

  「アメリカ通」を気取っているが、日高氏の歴史観はおかしい。このベテラン記者によれば、「アメリカは移民によって成り立っており、移民を否定することは、国の成り立ちを否定すること」になるそうだ。おいおい、本当か? アメリカ合衆国は、南米からの移民によってではなく、イングランドからの新大陸へと移住してきた臣民、すなわち国王陛下に忠実な入植者および定住者によって建設されたのだ。そして、彼らを指導したのは教養と財産を持つ紳士階級の西歐系白人である。ジョージ・ワシントンやトマス・ジェファソン、ジョン・アダムス、ジョン・ハンコック、ベンジャミン・フランクリン、ジョン・デッキンソン、アレグザンダーハミルトン、ジェイムズ・マディソン、ジョン・ジェイなどは、スペイン系南米人でもなければインディオとの混血児でもない。ブリテン風アクセントで英語を話す準貴族である。よく「移民の国アメリカ」という言葉を口にする人がいるが、その認識は的外れである。左翼の歴史家は賛成しないだろうが、アメリカはイギリス人が樹立した素晴らしい国家で、それを聞きつけた貧民が外国から集ってきて、“人並”の生活を持てるのではと希望を抱いた。その惨めな異邦人は、アングロ・サクソン社会の恩恵に浴しながら、中流階級の「アメリカ人」にしてもらったというのか実態である。

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(左: ジョン・ハンコック / ベンジャミン・フランクリン / ジョン・ディキンソン / 右: ジェイムズ・マディソン)

  英国の臣民が建てた共和国に、東歐や南歐のヨーロッパン人が流れ込み、彼らに引き続いてユダヤ人やアジア人メキシコ人たちが押し寄せたから、「移民の国」に見えるだけだ。これらの移民は国家を建設する能力などありはしない。非西欧系のアメリカ人は、有能なイギリス人が創った独立国に、あとからコソコソと雪崩れ込んできた“よそ者”と呼んだ方が適切である。ヨーロッパで厄介者だった貧民や、賤民であったユダヤ人、中南米から職を求めて潜り込んできたヒスパニックに、立派な政治制度を樹立したり、経済や法制度を維持する才能は無いのだ。もし、国家補建設するだけの力量があったのなら、なぜ彼らの出身国でその才幹を発揮しなかったのか? 日高氏には答えられまい。そう言えば、オバマが大統領選に出馬した時、雑誌『ボイス』に「マッケイン候補の圧勝」とに書いた日高氏は、どんな釈明文を書いたのか? 競馬の予想屋だってもっと真面目な分析をするんだぞ。アメリカの子供だって、老いぼれのマッケインが勝つとは予想しなかったのに、それが分からなかった日高氏は、本当にアメリカ政治の専門家なのか?

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(左: 知的に見えないヒスパニックの家族 / 右: メキシコ人男性)

保守派の応援団なら完全無視 ? !

  NHKやTBS、朝日新聞、共同通信などのマスメディアは愚劣だが、日本の女性は昔から“しっかり”している。二カ月くらい前になるが、あるアメリカのサイトで「ランダム・ヨーコ」(本名/馬田陽子)さんという日本人女性を知った。彼女は日本人なのにトランプを熱心に応援している、ということで米国のトランプ支持派の間で、ちょいと話題になった人物だ。トランプ支持の日本人女性ということで、ジェイコブ・ステインブラットとジェニングス・ブラウンが「ヴォカティヴ(Vocativ.com)」というニュース・サイトで取り上げていた。(Jacob Steinblatt and Jennings Brown, Meet the Japanese You Tube Star Obsessed with Trump Senpai, Vocativ.com, March 17, 2016) ところが、筆者がうっかりしていただけで、彼女はもう月刊誌『正論』に登場していたのだ。ユーチューブに投稿された彼女の動画は、一部英語のものがあるけど、日本語の字幕が附いているので日本人にも分かるようになっている。英語で動画を配信しているから、アメリカ人も興味を覚えるし、日本に対する好感度が上がるだろう。それに、若くて綺麗な女性だから観ていて愉快なんじゃないか。トランプを非難する外人ならたくさんいるが、彼を熱烈に擁護する日本人は稀である。アメリカのトランプ支持者は、国内でも共感者を得る事が難しいのに、外国からの掩護となれば、意外性もあってことさら嬉しい。やはり、可愛らしい女性からの応援メッセージは格別だ。

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(写真/ランダム・ヨーコ)

  動画での説明によれば、ヨーコさんは2012年に支那大陸で起きた日系企業への暴動を目にし、それが政治や国家に目覚める切っ掛けになったそうだ。彼女の御尊父は戦争や外交に詳しい保守的な人物ということだから、彼女は左翼教育から守られていたのかも知れない。ヨーコさんの精神が健全だからかも知れないが、その動画が注目を浴びたのは、彼女の英語がネイティヴに近い発音で話されていたからだ。彼女自身の紹介によれば、15歳の頃からアメリカ文化に親しんでいたという。たぶんアメリカ滞在の経験があるのだろう。よく異国で暮らした経験のある日本人は、滞在中か帰国後に日本人としての意識を持つようになるから、彼女もそうした日本人の一人なのかも知れない。ヨーコさんがトランプ支持する理由の一つに、日米安保に関するトランプの発言があったという。米軍の撤退をちらつかせるトランプは、日本の国防にもプラスになる、と彼女は判断しているのだ。米国に依存したままの現状より、独自の戦力を持つ方が日本の為になるという解釈である。確かにそうだ。自民党だって国防軍を復興すべく自主憲法の制定を党の綱領に掲げたのに、半世紀が過ぎても一向に実現されないんだから、誰だって呆れてしまうだろう。日本の軍事に関心があるヨーコさんは、選挙中だからこそトランプから利益を引き出せ、と提案しているのだ。大統領職に就任すれば自由なことは言えなくなるので、大盤振る舞いする選挙中に、日本にとって有利な言質をとってしまうのがいい。そうすれば、日本政府は彼の公約を楯に譲歩を引き出せるかも知れないのだ。要は、米国の利益と国内優先を掲げるトランプを応援しながら、彼を日本の味方につけ、日米関係を維持しつつ、日本の国益を増す方向に持って行け、という意見である。この考え方は素晴らしい。  

  ヨーコさんに比べて、手嶋氏や日高氏の見解ときたら、乙女の愚痴と変わらないじゃないか。か弱い少女ならまだしも、いい年を越えたオッサンでは気持ちが悪い。孤軍奮闘するランダム・ヨーコさんの方が、テレビ局でふんぞり返っている評論家より、数百倍も日本の事を考えている。手嶋や日高はトランプを道化のように考えているが、トランプは彼らが思っているような間抜けではない。彼は特殊利益とウォール街の献金で雁字搦めになっている共和党議員を見透かしているのだ。トランプは共和党にイライラしている保守層に、彼らが「欲しい物」を与えて、自分の支持者にしてしまったのだ。左翼分子はトランプをアホ呼ばわりするが、彼は巨大な富を築いたビジネスマンだ。黒人を集めてギャーギャーわめいていたオバマと違うぞ。オバマに企業敬遠の経験があるのか? 単なる間抜けでは大勢の従業員を抱えた会社の経営は無理だ。「アメリカ第一主義」を掲げて中東戦争から足を洗うと言い出したのは、戦争の犠牲と利益を計算したら、民衆にとってマイナスになると判断したからである。「アメリカ・ファースト」という標語は、「本店が一番大切」であることを意味している。日本や韓国から米兵の引き揚げを仄めかしたのも、維持費用と軍事的効率を秤にかけたからだ。彼は合衆国の株主たる一般有権者に対して、国家経営の赤字を解消します、もっと皆様の負担を軽くる一方で、利益の増大を図ります、と宣言しているのだろう。つまり、合衆国のCEO(最高経営者)を演じているのだ。

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(左/ドナルド・トランプ)

  南米移民を一掃すると宣言したトランプは、薄汚いよそ者に腹を立てる「本店の従業員」や「お客様」を念頭に置いている。零細企業でも大企業でも、会社のトップが昔からの贔屓客を大切にするのは当然だろう。もし、トランプが単なるアホなら、なぜ他の候補者はトランプが約束する、メキシコ移民の排斥やイスラム教徒の入国禁止を先に言わなかったのか? 彼が一躍脚光を浴びたのは、「メキシコからの不法移民は麻薬を持ち込み、強盗をはたらいたかと思うと、強姦をしでかすような悪党である !」と喝破したからだ。リベラル・メディアのNBCは、トンデモ発言を述べたトランプを、即座にレギュラー番組から外したが、却ってその仕置きが保守派のトランプ擁護論を招いてしまった。つまり、やぶ蛇になったということだ。トランプは常日頃から南米移民に腹を立てている草莽に目をつけ、共和党主流派から疎まれる白人党員を攫っていったからすごい。トランプは頭のいい目利きだから、あれほどの支持者を獲得できたのである。彼は我慢を重ねる一般党員、すなわち、普段大声を出さないが、心の底で鬱積が溜まっている顧客をとらえ、そのニーズに耳を傾けたのだ。マスコミの批判なんか屁のカッパ。怒れる民衆の代弁者になったからこそ、左翼からの集中砲火をもろともせず、高い人気を維持できたのである。彼に文句を垂れている営業保守派は、もっと早くトランプのお株を奪うような移民排斥案を公言すべきであったのに、上品ぶって格好をつけていたから、トランプに出し抜かれたのである。

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(左: 陽気なメキシコ人男性 / 右: 列車の上に寝泊まりして米国に密入国する南米人)

  日本のワイドショーでは、しきりにトランプの支持者を、社会に不満を持つブルー・カラーの白人労働者とか、外人排斥論を叫ぶ右翼、南米人を差別する白人至上主義者、などと紹介しているが、それはABCやCBS、NBC、CNNといった左翼メディアの受け売りであろう。各テレビ局がワシントンD.C.に派遣している特派員など、どうせ現地の新聞である「ニューヨーク・タイムズ」や「ハッフィントン・ポスト」を読むか、テレビをつけて「フェイス・ザ・ネイション」や「ディス・ウィーク」などの討論番組を観て、その論調を和訳しているだけだろう。それなのに、いかにも独自取材を行いました、と嘯(うそぶ)いているから、視聴者は白けてしまうのだ。「これがアメリカ国民の意見です」とか言っても、オフィスで働くアメリカ人スタッフに尋ねて、それを街頭取材と称しているんじゃないか。TBSには専属の一般人回答者がいたんだから。特派員が慎重な表情を浮かべて、「現地の一般国民がもつ感覚を申しますと・・・」なんて紹介するレポートは怪しいぞ。一般のアメリカ人に尋ねたと言っても、どこで見つけて、いかなる質問内容だったのか、人種や民族、職業、年齢、知識など回答者の情報が隠されているから、迂闊に信用できない。

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(左: ジェシー・ヴェンチュラ / 右: 「シールズ」時代のヴェンチュラ)

  日本の特派員たちは、トランプを支持する保守派有名人を“ちゃんと”足を運んで取材しているのか? 例えば、元海軍特殊部隊シールズ出身で、ミネソタ州知事になったジェシー・ヴェンチュラ(Jesse Ventura)や、保守運動の大御所フィリス・シュラフリー(Phyllis Schlafly)、南米移民を批判する『アディオス・アメリカ』を出版した人気コラムニストのアン・コールター(AnnCoulter)、ニクソン大統領の元スピーチ・ライターで、大統領候補にもなったパトリック・ブキャナン(Patrick Buchanan)などに、直接インタヴューをして、彼らがなぜトランプを支持するのか尋ねたことがあるのか? 日テレやフジテレビ、テレ朝などの特派員が、真摯な態度で保守派の主張を聴き、その政治哲学まで遡って取材しているとは到底思えない。日本だとすぐ、ヴェンチュラ元知事はプロレスラー上がりと紹介されるが、エリート部隊のフロッグマン(爆破などを行う潜水兵/frogman)で狙撃の名手と紹介されないだろう。これでは片手落ちである。極秘作戦に投入される部隊に属していたから、彼の判断力は鋭いし、その意見も独特なアングルから引き出されるので、聞いていて面白い。だが、彼は核心を突く質問を逆に投げかけるから、日本の記者は慌てふためくだろう。取材する記者に教養が足りないと、折角のインタヴューがつまらなくなる場合がある。

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(左: アン・コールター / 中央: フィリス・シュラフリー / 右: パトリック・ブキャナン)

  日本ではまず紹介されないフィリス・シュラフリーだが、彼女はアメリカの保守論壇では有名な人物である。彼女は女性解放運動が盛んな1970年代に、ベティー・フリーダンたちの“いかさま”論調をコテンパンにやっつけたから、今でもオールド・フェミニストの天敵だ。シュラフリーは幸せな結婚をし、子供を生み育てて忙しいはずなのに、法律を学んで政治や言論活動まで手を広げていたんだから、良妻賢母の鑑であった。アメリカの古き良き伝統を守るシュラフリーは、キッシンジャーの戦略論まで批判していたし、大統領を目指す共和党保守派の星、バリー・ゴールドウォーターを積極的に支援していた。今でもイーグル・フォーラムを運営し、多彩な活動を繰り広げている重鎮である。日本の地上波テレビ局は、こうした現地の知識人を一切紹介しないんだから、偏向報道を指摘されても反論できないだろう。意図的なのか、それとも純粋に馬鹿なのか、情報公開がないのでその実態は分からない。ただ、現地の事情を知らない一般視聴者は、怠惰な特派員の報告だけでアメリカを判断しているんだから、本当に気の毒だ。

  日本でも有名なパット・ブキャナンが自身のブログでトランプについて語っていた。悪態をつくジャーナリストをニクソン政権で相手にしていたブキャナンだから、リベラル派のテレビ局や新聞社の偏向報道について良く分かっている。なにせ、彼がホワイトハウスで働いていた時代は、ベトナム戦争も泥沼状態で、早く撤退したい頃だったから、マスコミの報道姿勢には苦い経験がある。ブキャナン氏は、大統領選挙について連載記事を書いていた有名なジャーナリスト、セオドア・H・ホワイト(Theodore Harold White)の言葉を引用している。

  アメリカにおける報道機関の権力は根本的なものである。報道陣は公で議論されるべき課題を設定し、その勢いを増す政治権力は如何なる法の制約も受けない。その権力は人々が何について話すのか、何を考えるのかを決めるのだ。すなわち、この報道の権力とは、他国なら暴君や司祭、官僚に付与されている権威である。

  ブキャナンは「トランプの人気の秘密は何なのか ?」という疑問に答えている。それは、毎日マスコミが披露する「政治的正しさ(Political Correctness)」を源泉とする規範への侮蔑である。(Partick Buchanan, Why Liberal Media Hate Trump, December 3, 2015) トランプはマスコミが掲げる「道徳的権威」や「居丈高な命令」を意図的に無視する。大胆にも「お前らの指図は受けないぞ !」という態度を取るから、各マスコミのディレクターやスタッフから憎まれるのだ。ちょっと前の日本で言ったら、自民党の総裁がNHKの論説委員が述べる御神託に、真っ向から反論するようなものである。日本のテレビ局はトランプを紹介する時、枕詞のように“暴言王”と口にするが、アメリカの保守的民衆は左翼マスコミの検閲報道にウンザリしており、マスメディアの譴責を気にせず、思ったことをずけずけと言うトランプに拍手喝采を送っていたのだ。「南米移民など麻薬の密売人かレイプ魔だ」と喝破するトランプは清々しい。ホワイト・カラーの中間管理職に就いているアメリカ白人も、本当はトランプと同じ事を言いたいが、周囲の目が気になって本音を言い出せない。ホワイト・カラーの中には、同僚や友人に隠れて支援者になっている人物がいるらしい。したがって、テレビ局が中継する演説会場に押し寄せる支持者の中で、白人労働者が目立つのは、高度専門職や管理職に就いている白人が堂々と会場に行けないからである。

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(左: マイク・タイソン / デニス・ロッドマン / テッド・ニュージェント / 右: バラク・オバマ)

  それはさておき、意外なことだが、ボクサーのマイク・タイソンやバスケットボール選手のデニス・ロッドマンまでが、トランプの支持者なんだから笑ってしまう。たぶん、テレビ番組で親しくなったからだろう。マイク・タイソンの脳味噌で政治が理解できるとは思えない。頭のヒューズがとんでるデニス・ロッドマンは、へそ曲がりで目立ちたがり屋だから、天邪鬼(あまのじゃく)のトランプに共感したんだろう。でも、銃規制反対論者のミュージシャン、テッド・ニュージェント(Ted Nugent)がトランプ支持者なのは、何となく分かる気がする。日本ではこうした応援団を紹介したのか? オバマが大統領候補になった時は、どんなつまらない藝人でも取り上げたくせに、気に入らない候補者だと無視するなんて、えこひいきが過ぎるのではないか。確か、オバマに似ている漫才師か何かの藝人をバラエティー番組に登場させ、「イエス、ウィ・キャン(Yes, we can.)」と物まねをさせていた。また、小浜(おばま)市の住民にまでインタヴューをしていたぞ。これだから、日本のマスメディアは偏っていると言われても否定できまい。

トランプを忌避するユダヤ人

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(左/チョウンシー・デヴェラ)
  トランプには危険な臭いがする。これが反トランプ陣営の共通認識であろう。マスメディアの主流を形成するユダヤ人や左翼白人、ヒスパニック系のジャーナリストは、彼らを敵視する低学歴の白人男性を嫌っているのだ。彼らからすると、こうした下層白人どもは、大学で“高尚な”学問を身につけていない、酒場の荒くれ者にしか見えない。しかし、こうした支持者は学校で“赤”や“ピンク”に染まっていないから、却って健全なのだ。トランプの支持者は、移民や難民に福祉という形で税金を食い潰されたり、ウォール街のグローバリストを税金で救済する破目になった白人中間層である。だが、“知的優位性”を誇る左翼ジャーナリストにとって、トランプを掩護する知識人はもっと許せない存在である。リベラル・メディア・サイトの「サロン(Salon)」で、チョウンシー・デヴェガというジャーナリストが、トランプ旋風の記事を書いていた。彼の解説によれば、トランプとブキャナンは典型的な右翼煽動主義者で、アメリカの間違ったポピュリズムにおいて瓜二つの同類らしい。(Chauncey DeVega, Donald Trump leads an insane white cult ─ and Pat Buchanan just explained how it works, Salon, December 24, 2015) 両者とも先祖代々からの国民を自負する白人(nativist)であり、有色人種の存在を嫌う外人排斥者(xenophobic)であるという。似たもの同士の彼らは、ポスト公民権運動時代において疎外感を味わう白人に同情を寄せ、疎外された白人の人種偏見に共感し、怒り狂った民衆を扇動する右翼ポピュリストであるそうだ。この二人は「ノウナッシング」やジョージ・ウォーレスみたいな者と見なされている。

  ここでちょっとこの二つを説明しておく。アメリカには異分子排除の歴史がある。第19世紀後半には「アメリカ独立党」があって、世間からは「ノウ・ナッシング(Know Nothing)」との別名を与えられていた。そこの党員は、部外者から仲間や組織の事を訊かれても、「知らない(I know nothing.)」と答えたので、「ノウ・ノッシング」と呼ばれたそうだ。当時、ヨーロッパから非プロテスタント系の移民が増えたので、「ノウ・ナッシング」党はカトリック教徒であるアイリス系移民を警戒し、その増加に対して警鐘を鳴らしながら、プロテスタントのアメリカを守ろうとしていたのである。当時のアイリス人といえば、馬鈴薯の不作で餓死寸前になった貧農か、酒場で飲んだくれる“だらしない”連中といった印象が強く、律儀に働く職人とか学術に秀でた民族とは見なされていなかった。西歐諸国では、裕福で堅実な商人や医者とか法律家といった高度専門職、高級軍人とかにプロテンタント信徒が多く、カトリック信徒といえばイタリアとかポーランドの百姓というイメージがあったから、古株のアメリカ人は後者を移民として歓迎しなかったのである。

George Wallace 1(左/ジョージ・ウォレス)
  それから月日が流れ、今度は黒人が台頭する1960年代になると、黒人隔離政策を維持しようと奮闘するジョージ・ウォレス(George Wallace)が現れてきた。彼は人種隔離制度を擁護した南部民衆党の政治家として有名である。アラバマ州知事になったウォレスは、白人と黒人が同じ学校に通うような事態を毛嫌いし、白人社会への黒人の流入に断固反対し、連邦政府と激しく対立したことでも知られている。テレビ番組が公民権運動を特集すると、黒人統合に反対るため州兵を動員する白人政治家の映像を流すことがあるから、記憶にある方も多いだろう。ついでに言えば、長いこと上院議員を務めていた故ストローム・サーモンド(Strome Thurmond)も、黒人の選挙権を拡大する1964年の公民権法や1965年の投票法に強く反対していた。彼は元々サウスカロライナ州の民衆党員だったが、党執行部が黒人贔屓になったことに反撥し、共和党へ鞍替えすることにしたという。彼はバリー・ゴールドウォーターを支持していたことでも知られている。保守的な南部民衆党員が、共和党に流れることは度々あって、レーガン大統領の頃にリベラル路線を嫌った白人有権者が、親子代々民衆党員であるにもかかわらず、共和党員になったという話は珍しくなかった。リンカン大統領以来、共和党に恨みを抱く南部民衆党員って結構多かったんだから。(ちなみに、黒人嫌いのサーモンド議員には、混血児の隠し子がいて、彼の死後“長女”の存在が明らかになった。エシー・マエ・ワシントン・ウィリアムズという娘は、22歳のサーモンドが、実家で女中だった黒人のキャリー・バトラー<16歳>に産ませた子供だったという。若気の過ちとはいえ、何十年もの間ずっと隠していたんだから、心苦しかったんじゃないか。)

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(左: バリー・ゴールドウォーター / ストローム・サーモンド / 娘のエシー・マエ・ワシントン・ウィリアム / 右: リチャード・ニクソン)

  1960年代までのアメリカでは、まだ白人の勢力が強かった。ウォレスはリンドン・ジョンソンが退任したのをうけ、民衆党を抜けて「アメリカ独立党」の大統領候補になり、かなり注目を浴びる存在であったという。一方、民衆党はヒューバート・ハンフリーを擁立したので、本来なら民衆党へ流れるはずの反共和党票が割れてしまい、結局、共和党候補者であったリチャード・ニクソンが漁夫の利を得ることになった。かくてニクソンは念願の大統領となる。大統領選に敗れはしたものの、ウォレスは再びアラバマ州知事になれたから、比較的幸運である。ニクソンなんか大統領選でジョン・F・ケネディーに敗れてから不遇の時代が続いたんだから。ケネディーに敗れたあと、カルフォルニア州知事選に出馬したが、民衆党の対立候補であったパット・ブラウン(Edmund Gerald“Pat” Brown, Sr.)に負けてしまったから不運だ。これでは副大統領も形無しである。ちなみに、パット・ブラウンの息子はあのジェリー・ブラウン(Edmund Gerald “Jerry” Brown,Jr.)で、大統領選挙に出たこともあから、日本人でも覚えている方が多いだろう。カルフォルニア州知事であった彼は、1992年の大統領選に出馬したが、予備選でビル・クリントンに敗れたので、仕方なく小さな自治体に職を求め、オークランド市長に納まった。それから再び知事選に挑戦し、シュワルツネッガー知事の後任として、カルフォルニア州知事に返り咲いた。話を戻すと、ウォーレスは性懲りもなく、また大統領選に出馬することにした。もう執念の鬼である。しかし、1972年に悲劇が起きた。彼はアーサー・ブレマー(Arthur Bremer)に撃たれて重傷を負い、幸い死ぬことはなかったが、その代わり下半身不随になってしまった。彼は晩年になると人種差別を後悔し、キリスト教にも目覚め、憎んでいた黒人との和解を求めていたらしい。

Edmund Pat Brown 1Jerry Brown 1Arthur Bremer 2








(左: パット・ブラウン / 中央: ジェリー・ブラウン / 右: アーサー・ブレマー)

  非白人ジャーナリストのデヴェガは、トランプの政治姿勢のみならず、彼の人格まで嫌いなようで、トランプをファシストの原型(proto-fascist)と呼んでいた。デヴェガによれば、トランプは個人崇拝に基づく指導者であるという。曰く、第21世紀のアメリカにおける小ムッソリーニ(petit Mussolini)であるそうだ。無知な大衆がトランプを崇めて、危険なリーダーに祭り上げているという解釈だ。確かに、トランプはその強烈な個性を活かして聴衆を魅了している。だが、デモクラシーでは一般人を虜(とりこ)にする者が多数票を獲得するんだから、人気者が国家指導者になっても不思議ではあるまい。醒めた眼で見れば、今のところ保守的国民に持て囃されるトランプだが、もし左派国民が彼の熱心な支持者となれば、輿論に敏感なトランプのことだから、左翼政策に舵を切るだろう。まだ假定の段階だが、彼にとっては再選が最優先課題だから、支持層の保守派を喜ばせるためなら、長期的な国益でさえも犠牲にすることだってあり得る。また、ビジネス交渉のプロだから、トランプはイデオロギーに囚われず、損得計算で外交を行うし、平然と国民に対して嘘をつくかも知れない。大衆政治において「嘘」が潤滑油ということを分かっているからだ。しかも、彼のように大衆の性質を熟知しているビジネスマンは、一般人が強くてたくましい家長を望んでいることを察知している。たとえ独裁者であっても、陽気で気前が良ければ、大衆の心を掴めると分かっているのだ。そもそも、有権者になる試験も課せられない民衆が、好き勝手に投票するんだから、「デマゴーグ(民衆の煽動者)」が大統領になるのも当然じゃないか。スペインの哲学者ホセ・オルテガの名著『大衆の叛逆』を読めば分かるだろう。だいたい、“右翼”の政治家に限って「ポピュリスト」と決めつけるのはおかしいじゃないか。統治理論を云々しなくとも、「ポプルス(民衆/人民)」から支持を受けるのを肯定するのが民衆政治の本質なんだから、「ポピュリスト」という悪意がこもったレッテル貼りは変だ。

James Kirchick 1(左/ジェイムズ・カーチック)
  左翼メディアを支配するユダヤ人もトランプが大嫌いだ。例えば、ジェイムズ・カーチックがユダヤメディアの「タブレット」誌に反トランプの文章を寄稿していた。彼はユダヤ人で同性愛者(ゲイ)であると告白しているが、アメリカに於いて自らを「少数派」と認識したことはないという。(James Kirchick, Donald Trump Is Turning Me Liberal, Tablet, March 14, 2016) 普通のアメリカ人や日本人なら、「へぇ~、そうなの ?」と驚いてしまうが、カーチックはアメリカ人口の数パーセントしか占めないユダヤ人で、しかもゲイなのに、多数派の一般人と同じように分類されると思っているのだ。こうしたクルクルパーのジャーナリストだから、共和党保守派グループの「ティー・パーティー(Tea Party)」を「隠れファシスト(crypt-fascist)」と見なしている。彼も認めているように、右派の大衆運動は「ポピュリズム」と称されるが、左派の大衆運動はそう呼ばれないという。日本の左翼だと、こうした草の根運動を「市民運動」と称するから、物は言い様だ。左翼分子は様々なレトリックを用いて我々の頭を混乱させようとする。カーチックはトランプをクリスチャン・ベール主演の「バットマン」映画に引っ掛けて、“ファシズムのダーク・ナイト(dark knight of fascism)”と呼んでいたそうだ。ユダヤ人って、何かと言えば、敵対者を「ネオ・ナチ」だ、「ファシスト」だ、「差別主義者」だと貶めるが、自分が批判されると相手を「反ユダヤ主義者」とわめき散らす。こう言えば相手が黙ってしまうのを分かっているからだろう。実に嫌らしい奴らだ。

  ユダヤ人のカーチックは、トランプの演説に集まる大衆を目にすると、ナチス時代のニュルンベルクに集まった聴衆を思い浮かべるらしく、右腕を斜め前方に上げる白人どもを連想してしまうらしい。アメリカに住みつく1,100万人の不法移民を排除しようと提案するトランプの姿は、ナチ・ドイツから大勢のユダヤ人を追放したヒトラーとダブるみたいだ。左翼やユダヤ人は、白人の知識人や政治家が、白人の利益を強調したり、白人の結束を訴えると、「ビゴット(bigot)」すなわち、頑固者、偏屈者、排他主義者と非難する。だが、アフリカ系やヒスパニック系のアメリカ人が同じ事を言っても、そう呼ばないから不公平だ。カーチックにとって、トランプは悪徳の結晶である。先祖代々の家系を誇るネイティヴィズム、有色人種を毛嫌いするレイシズム、大衆を煽るポピュリズム、公然とした虚言癖などは、善良な人々にとって不安の種だという。特に、善良で知的なユダヤ人は、トランプのような人物から狙われるそうだ。なぜならば、懐疑的精神と人道主義の伝統を重んずるユダヤ人は、歴史的に「ノウ・ノッシング」風の反ユダヤ主義者たちに嫌われてきたからだという。そこで、恐怖を感じるカーチックは、トランプを「暴民の候補者だ」と評している。彼は暴民たちがやがて反ユダヤ主義者に変貌すると恐れているそうだ。粗野な白人から狙われると怯えているカーチックは、ユダヤ人が「アメリカの良心」とでも言いたいのか? こんな馬鹿らしい事を平気で公言するから、ユダヤ人はヨーロッパやアメリカで嫌われるんだ。アメリカ合衆国はユダヤ人のために建国された訳でもないのに、まるでユダヤ人がアメリカの主人公だと思っている。それというのも、無知で乱暴な西歐白人に社会規範や倫理道徳を教えるのは、ユダヤ知識人の使命(vocation)だと思っているからだ。日系アメリカ人でこんな事を考えてる奴はいないだろう。

  カーチックはデマゴーグに操られた暴民が、やがてユダヤに牙を向くだろう、と恐れている。彼は政治学者マシュー・マクウィリアムズ(Matthew MacWilliams)の言葉を引用し、「トランプの支持者は権威主義になびく傾向がある」と述べていた。これはフランクフルト学派のユダヤ人学者マックス・ホルクマイマーが西歐人を断罪するために作り上げた理論とソックリで、西歐精神の破壊を彷彿させる言葉である。カーチックはトランプ支持者のことを、礼儀正しさや同情心、主義一貫性といった要素を排除する“力”あるいは“強さ”といったものを賞讃する人々で、法の支配に敬意を払う連中ではないと斬り捨てていた。たぶん、下品で馬鹿丸出しのトランプに、盲目的なエールを送る下層白人を観たから、道徳的優越感を覚えたんだろう。だがその一方で、団結心を強める白人たちを眺めて、不気味で巨大な権力を感じたそうだ。まるで、イジメられっ子が街角で不良を見つけ、本能的に物陰に隠れて「アーメン、そーめん、味噌ラーメン」と祈りながら、小便をちびるような心理状態なんだろう。

Bill Kristol 1John MacCormack 1








(左: ビル・クリストル / 右: ジョン・マコーマック)

  ユダヤ人ゆえなのか、カーチックはネオコン(共和党に潜り込んだ左翼ユダヤ人)がトランプを嫌う理由も述べていた。トランプは中東戦争に懐疑的で、「イラクの自由作戦(Operation Iraqi Freedom)」を批判していたから、ネオコンのユダヤ人たちは、トランプの態度が癪に触ったのだという。ネオコンの知識人は言うことを聞かないトランプに我慢がならず、どうにかして彼を引き摺り降ろしたかった。『ザ・ウィークリー・スタンダード』誌の編集長を務める、ビル・クリストル(Bill Kristol)が、ABCの政治番組で頻りにトランプを共和党の候補者として相応しくないと宣伝していたことからも窺われる通り、彼らの焦りは相当なものだった。もし、トランプが大統領になれば、イスラエルの国益を優先する政策や、ロシアやシリアに対する政治的圧力を躊躇うかも知れない。とりわけ、あのように傲慢な男なら、シオニストの命令にすら刃向かう可能性があるのだ。いずれアメリカ軍にイランを攻撃させたいイスラエル首脳とアメリカのシオニストにとって、ヒラリー・クリントンの方が遙かに便利で扱いやすい。既にハイム・サバンの手下になっているヒラリーは、イスラエルのネタニヤフ首相に臣従しているのも同然だから、ネオコンの連中は小癪なトランプよりヒラリーを応援したくなるのだ。

  ビル・クリストフの『ザ・ウィークリー・スタンダード』誌は、表向き“保守思想”のオピニオン雑誌となっているが、その実態は共和党ユダヤ人の応援機関誌で、民衆党のリベラル路線をちょっとだけ右にずらして、「保守派」のポーズを取っているに過ぎない。彼の小姓で同誌の編集員を務めるジョン・マコーマック(John MacCormack)も、怒らせたら怖いクリストル親分に追随し、トランプ批判に精を出している。彼はトランプが最高司令官たる大統領職に相応しくない、と貶めていた。例えば、トランプがオバマ大統領の出生証明書が怪しいと疑ったり、大量破壊兵器が無かったのにイラク戦争を始めたブッシュ大統領を非難したりから、トランプはトンデモない奴だと語っていた。しかし、このブログでも触れたように、オバマの過去は謎だらけで、普通のアメリカ人とは似ても似つかない。オバマは多くの事を曖昧にし、保守派の懐疑論者を煙に巻いていた。他の事なら徹底的に追求するマスコミなのに、オバマに関しては甘い対応を取るんだから、“ちょいと”妙どころか“かなり”変だ。また、ブッシュ批判だって当り前だろう。マスコミだって散々叩いたんだから。

Rafael Cruz 1














(左の写真でオズワルドの右に立っている男が「ラファエル」と推測されて人物 / 右の写真で眼鏡を掛けているのが「ラファエル」と確認されいる)

  マコーマックは、トランプがテッド・クルズの父親を持ち出した事にも触れて、陰謀マニアだと扱き下ろしていた。これは何かと言うと、テッドの父親であるラファエル・クルズ(Rafael Cruz)が、リー・ハーヴェイ・オズワルドと関係があったのでは、とトランプが言及したからである。しかし、これもトランプが話したことを一部だけ抜き取って、嘲笑の種にしているだけだ。『ナショナル・エンクワイァー(National Enquirer)』という雑誌が、オズワルドの写真を持ち出し、隣に立って並んでいる男性が、ラファエルじゃないかと推測する記事を出した。確かに、キューバ人のラファエルはカストロに対する抗議行動をしていたから、政治活動をしていたオズワルドと面識があったのかも知れない。真相は闇の中だが、トランプはラファエルがオズワルドの共犯と断定していたわけでなく、『ナショナル・エンクワイァー』の記事を引用したに過ぎない。それなのに、マコーマックは記事を知らない聴衆に対して、「テッド・クルズの父親をJFK暗殺の関係者に仕立てたトランプ」と説明し、トランプが如何に馬鹿げたデマゴーグかを印象づけていた。これでは、マコーマックの方が大衆煽動者じゃないか。批判するなら、トンデモ記事を出した雑誌社を非難すべきだ。

Robert Kagan 1(左/ロバート・ケーガン)
  そういえば、ちょっと前まで共和党支持者だったロバート・ケーガン(Robert Kagan)も、トランプが嫌いでヒラリー・クリントンの方を支持している。彼らがトランプの外政に懸念を抱くのはもっともである。強靱な意思を尊ぶトランプは、ロシアのプーチン大統領を「強力な指導者」と褒めていたから、イスラエルの利益に反するような取引をプーチンと結ぶ危険性だってあるのだ。トランプの独自外交について、元「シンク・プログレス(Think Progress)」のザイド・ジラニ(Zaid Jilani)は、シオニストの懸念を述べていた。ちなみに、ジラニは「アメリカン・プログレス・センター(Center for American Progress)」というリベラル派のシンク・タンクに在籍していたが、シオニスト贔屓の政治家を「イスラエル第一主義者」と呼んだ廉(かど)でクビになっている。これは本音を喋ると失業するという“見せしめ”だ。(表向き「言論の自由」はあるが、実質的に無いのが、現実のアメリカである。)

Zaid Jilani 1Hillary Clinton 1Benjamin Netanyahu 4








(左: ザイド・ジラニ / 中央: ヒラリー・クリントン / 右: ベンジャミン・ネタニヤフ)

  トランプ大統領誕生に顔を歪めるユダヤ人には、口に出したくない深刻な不安がある。それはパット・ブキャナンたちが反対する多文化主義や、アン・コールターなどが反対する移民政策を、ユダヤ系アメリカ人が積極的に推進しているからだ。ユダヤ人は自らが安心して暮らせるアメリカ社会にすべく、世界中から多種多様な移民や難民を迎え入れて、異質な顔をしたユダヤ人が目立たない、雑種混淆社会にしたいと願っている。西歐系白人ばかりのアメリカだと、中東アジア的容姿のユダヤ人は社会から浮き上がった存在になり、排除の対象になりやすい。だから、外人を引きずり込むと同時に、黒人と白人の結婚やセックスを奨励し、白人中心のアメリカ社会を撲滅しようと考える。これがアメリカ白人の激怒を招くのだ。異教徒嫌いのユダヤ人からすれば、中南米移民を追い払い、アラブ系のイスラム教徒を入国させないようにするトランプは、本来好ましいはずなのに、どこか好きになれない。現在はともかく、近い将来の脅威と映ってしまう。ユダヤ人とってイスラム教徒が居ない社会は素晴らしいが、宗教的多様性がなくなるということは、やがてキリスト教徒が強くなり、異文化排除の矛先がユダヤ人に向くかもしれぬ予兆を示している。要するに、ユダヤ人は西歐系アメリカ人が団結して、彼らだけの共同体を創ることが嫌なのだ。それならば、イスラエルに帰ればいいのに、いつまでもアメリカに居坐るユダヤ人の方が悪いんじゃないか。

左翼教授ばかりの大学

Jonathan Haidt 1(左/ジョナサン・ハイト)
  トランプを唾棄するのは、何もテレビ局員やジャーナリストだけに限らない。大学教授もトランプが嫌いで、野蛮人とか無教養人、差別主義者などと評して軽蔑している。日本の大学と同じく、アメリカの大学も赤い教授が圧倒的に多い。心理学者のジョナサン・ハイト(Jonathan Haidt)は、心理学者が集まる年次総会(Society for Personality and Social Psychology/SPSP)で、千人近くの人々にどのような政治思想をもっているのか尋ねたことがあるという。そうすると、約80パーセントの人が自分を「リベラルないし左翼」とし、2パーセントの人が「中道または穏健派」と規定していたそうだ。しかし、「保守派ないし中道右派」と自己識別した人は皆無だったという。(Jonathan Haidt, New Study indicates Existence of Eight Conservative Social Psychologists, Heterodox Academy, January 7, 2016) ハイトの他に、ヨエル・インバー(Yoel Inbar)とヨリス・ランマー(Yoris Lammer)という研究者が、同様なアンケートをSPSP学会で行ったそうだ。彼らは参加者に電子メールを送り、291名から返事を受け取った。その回答を見てみると、85%の者が自らを「リベラル派」と称しているのに対し、たった6%の者だけが「保守派」だったというから、ハイトの調査とほぼ一致していることが分かる。

  彼らの他にも同様な興味を持った学者がいて、ビル・フォン・ヒッペル(Bill von Hippel)とデイヴィッド・バス(David Buss)がSPSPの学会員900名に調査協力を依頼し、彼らのうち約37%、つまり335名から返事を受け取ったという。ヒッペルとバスは、進化論や同性愛結婚、銃規制、妊娠中絶問題と併せて大統領選挙についても尋ねたそうだ。政治思想について答えてくれた326名中、291名(89.3%)が自らを「中道左派ないし左翼」と答え、わずか8名(2.5%)のみが「中道右派」と称していたそうだ。次に、前回の大統領選挙で誰に投票したのかという質問で、オバマに投票したと答えた人は322人中305(94.7%)名で、ロムニーに投票した人は4名(1.2%)だけ。残りの13名(4%)は他の候補者を選んだそうだ。それにしても、ロムニーを選んだのが、たった1パーセントくらいとは驚きである。アメリカは確か“二大政党制”を取っていると言われていたよなぁ。そういえば、フィラデルフィアのある黒人主体の選挙区では、96ないし98パーセントの有権者がオバマに投票し、ロムニーの獲得票数はほぼゼロに近かったというニュースを聞いたことがある。黒人だらけの地区では圧倒的にオバマが優勢だった。黒人有権者はオバマが黒人だから投票したのである。レイシズムは白人の専売特許ではない。黒人にだってレイシストがうようよいるのだ。

  回答書を分析したヒッペルとバスは、それらのデータを分類して回答者の政治的嗜好を分類してみたという。すると、327名の参加者中、中道左派から極左寄りの者が314名(96%)もいて、中道なしい穏健派は12名(3.7%)、中道から右寄りの者は1名(0.3%)であったという。右派が1パーセントにも満たず、ほぼゼロというのは異常である。カルフォルニア大学(UCLA)の高等教育研究所(Higher Education Research Institute)による調査でも、大学教員のリベラル色が鮮明に現れていた。(Scott Jaschik, Survey finds that professors, already liberal, have moved further to the left, Inside Higher ED, October 24, 2012) 大学教員の政治的分類は以下の通り。

調査年度    2010-2011                2007-2008
    
極左                     12.4%                          8.8%          
リベラル                50.3%                        47.0%
中道                     25.4%                         28.4%
保守                     11.5%                         15.2%
極右                      0.4%                          0.7% 

この他にも興味深い調査結果があって、教授達の政治色は次のようになっている。

           極左    リベラル     中道     保守    極右

公立大学          13.3%            52.4%             24.7%               9.2%         0.3%
私立大学           16.2%           51.5%             22.3%               9.8%         0.1%

  公立や私立を問わず、左翼思考の教授は、60ないし70パーセントを占めており、保守派の教授はごく僅かで、その保守的傾向だって怪しいものだ。実際の状況を精査してみれば、保守派の教授は1割どころか、1パーセントにも満たないだろう。

Hillary Clinton 6bernie sanders 1Carly Fiorina 2








(左: クリントン / 中央: バーニー・サンダース / 右: カーリー・ブィオリーナ)

  こうした左翼的傾向は、教授たちが行った政治献金にも反映されている。連邦選挙委員会の資料から得られるデータを基にして、トップ50のリベラル・アーツ・カレッジに属する教授47名を調査したところ、46名の教授が20,875ドル(約229万円)をヒラリー・クリントンに、8,417ドル(約92万円)をバーニー・サンダースに献金していたことが分かった。(Kelly Riddell, 99% of top liberal arts professor campaign donations go to Democrats: report, The Washington Times, October 27, 2015)  47名中たった1人、ハミルトン・カレッジで歴史を教えるロバート・パケット教授が、共和党の女性候補者だったカリー・フィオリーナ(Carly Fiorina)に、150ドル(1万数千円)を献金したという。2012年の大統領選挙におけるアイヴィー・リーグの教授陣とをとってみると、彼らが行った献金額の96%はオバマに渡ったそうだ。キャンパス・リフォームという団体がアイヴィー・リーグ8校を調査したところ、大学の職員や教員からオバマが得た献金額は121万1千267ドル(約1億3300万円)であったが、対立候補のロムニーが受け取った額は、たったの11万4千166ドル(約1千210万円)に過ぎなかった。(David Davenpor, Apparently 90 % of Harvard Faculty Can Agree on Something : Giving to Democrats, Forbes, May 7, 2015)

Donald Trump 2Ted Cruz 3Jeb Bush 11









(左: トランプ / 中央: テッド・クルズ / 右: ジェブ・ブッシュ)

  2015年の8月から12月にかけてハーバード大学の教授や講師、研究員81名が行った政治献金は、合計で約13万1千ドルであった。そのうち、ヒラリー・クリントンに渡ったのが2千700ドルで、37名による献金であったという。バーニー・サンダースは、3千290ドルの献金を受け、ブッシュとルビオとクリスティーの三人が、合計8千850ドルの献金をもらったそうだ。共和党のテッド・クルズとドナルド・トランプへの献金はゼロだった。(Melissa C. Rodman and Luca A. Schroeder, Faculty Overwhelmingly Donate to Clinton, The Harvard Crimson, February 10, 2016) もともとリベラル派大学として有名だから、共和党への献金が皆無でも驚かないが、こうした左翼教授に洗脳された学生が、政治家や弁護士、官僚、ジャーナリストになっているんだから、高学歴・高収入ののアメリカ人に反トランプが多くて当然だろう。何かハリウッドの映画業界を見ているようだ。

  長々と書いてしまったげど、公共の電波を使っているワイド・ショーは、これくらいの解説をしたっていいんじゃないか。スポンサーからお金を貰っているんだから、「ミヤネヤ屋」とか「ワイド・スクランブル」は充分な取材ができるはずだ。それをしないのは、視聴者を間抜けな中学生程度と馬鹿にして、自分たちに都合良く洗脳しようとしているからじゃないのか。NHKで「週間子供ニュース」を担当していた池上彰を民放が使っているのは、一般国民を小学六年生くらいに見なしているからだろう。知識人を気取る番組制作者は、裏で「一般視聴者なんてよぉ、お笑い藝人のコメントで充分なんだよなぁ」と馬鹿にしているんじゃないか。いっぺん、「スッキリ」で加藤浩次の隣にランダム・ヨーコさんを置いてみたら、もっとスッキリした番組になるかも知れないぞ。




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