黒木 頼景
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左翼陣営からの総攻撃
(左 : トランプ大統領と対立する女性議員 / 右 : 愛国者のトランプ大統領 )
毎度「お騒がせ」のトランプ大統領は、またもやツイッターでヒットを飛ばしたようだ。今回は、レイシスト発言ときている。トランプは日頃から民衆党の左派議員を忌々しく思っており、7月14日に怒りを爆発させた。不満をぶつけた相手は、ミネソタ州選出の下院議員イルハン・オマール(Ilhan Abdullahi Omar)と三名の女性下院議員、すなわちニューヨーク州選出のアレクザンドリア・オカシオ・コルテス(Alexandria Ocasio-Cortez)と、マサチューセッツ州のアヤナ・プレスリー(Ayanna Pressley)、ミシガン州のラシーダ・タリーブ(Rashida Tlaib)である。合衆国の舵取りで忙しいトランプ大統領は、外野からゴチャゴチャと野次を飛ばし、自分の政策にイチャモンをつけてくる野党議員に一発喰らわしてやろうと思ったのだろう。彼はツイッターで、次のように呟いた。
民衆党の“進歩的”下院議員を見ていると実に面白い。元々、彼女たちは世界中で最も不甲斐なく、腐敗しきったた国、そして完全に統治機構が崩壊している国からやって来たのだ。それなのに、この連中ときたら、地上で最も強力な国、すなわち合衆国の人々に向かって、政治をああしろ、こうしろと五月蠅(うるさ)く注文をつけている。どうして、彼女たちは犯罪がはびこり、無茶苦茶になった出身国に帰らないんだ? (Colin Dwyer, 'Go Back Where You Come From : The Long Rhetorical Roots of Trump's Racist Tweets', National Public Radio, July 15, 2019)
さぁ~すが、トランプ ! 素晴らしい。主要マスコミは彼の発言をケチョンケチョンに批判するが、一般のアメリカ白人は「トランプの言う通りだよなぁ~」と心の中で思っている。普通の西歐系アメリカ人なら、左翼議員の政府批判を聞いて「またかっ!」とウンザリしてしまうだろう。しかも、その声を上げている連中がアフリカ系やヒスパニック系となれば、「そんなにアメリカが嫌なら、さっさと国を出て行けばいいじゃないか !」と言いたくなる。白人は非難を恐れて口に出さないが、「税金の大半を払っているのは俺達白人で、アメリカを政治的・社会的・軍事的に支えてきたのも俺達だ。有色人種は招かれもしないのに、勝手にアメリカへノコノコとやって来て問題ばかり起こしてやがる。ただでさえ“お荷物”なのに、厚かましくも社会福祉にタカるなんて何様のつもりなんだ ! アメリカは俺達の国で、お前らの国じゃない ! だいたい、俺たちはお前らが“ぶら下がる“”クリスマス・ツリーを支えていル訳じゃないんだぞ !」と思っている。
(左 : 演説をするトランプ大統領 / 右 : 熱心なトランプ支持者 )
とりわけ、独立戦争や南北戦争を戦った祖先を持つ西歐系アメリカ人は、カメラの前でキャンキャン叫ぶ極左議員を忌々しく思っているはずだ。というのも、こうした政治家どもを選んだ有権者を目にすれば、「ああ、やっぱりね !」と納得するし、議員の素性を調べれば、「何だ、こいつらアメリカ人じゃないぞ !」と否定したくなる。現在のアメリカは雑多な種族がひしめき合う混淆社会となっているが、元々はイギリス系国民を中心とした西歐真の共和国であった。少なくとも、ジョンソン政権以前のアメリカは「白人国家」と言ってよく、日本人が好感を持てる中流家庭の白人が主流だった。しかし、今やソドムとゴモラに近づいている。大昔、聖書の創造主が天から硫黄の火を降らせ、穢れたソドムとゴモラを滅ぼそうとしたとき、ロトの妻は天主の言いつけに背き、後ろを振り返って「塩の柱」になってしまったそうだが、筆者はニューヨークの黒人街を目にしても塩の柱にならなかった。神様は善良な日本人を守ってくれるのかも知れない。
いかがわしい過去を持つ黒人議員
現在の米国で各州から選出された議員を観ていると、「本当にアメリカ人なのか?」と疑いたくなる。件(くだん)のイルハン・オマール議員は、ソマリアの首都モガディシュ生まれで、1992年、10歳の頃ニューヨークにやって来たという。彼女の家族は難民認定を申請していたそうで、1995年に認可が下りたらしい。難民少女のイルハンはミネソタ州に移る前、ヴァージニア州アーリントンに住んでいた。彼女は地元の学校に通うが、ヒジャブ(顔を覆うベール)を着用していたので、級友から白眼視され、色々なイジメに遭ったそうだ。それでも、17歳になった2000年、彼女はアメリカに帰化した。晴れて「アメリカ国民」となったイルハンは、ノースダコタ州立大学に入ると、政治学や国際関係論を専攻したそうだ。議員になる前は、ミネソタ大学で働いていたそうで、地元民を集めて栄養学の指導をしていたそうだ。ミネソタ州には大勢のソマリア難民が居着いているので、たぶん、ソマリア・コミュニティーの黒人を相手にしていたのかも知れない。
貧しい難民から輝かしい連邦下院議員への転身は、ハリウッド映画になりそうな出世物語だが、その半生には隠蔽したいほどの暗い過去があった。真実は未だ定かではないが、「イルハンは“兄”と結婚していた !」というスキャンダルが持ち上がったのだ。早速、トランプ大統領は自身のツイッターで、オマール議員が兄と違法に結婚することで移住詐欺を行った、と繰り返し述べた。(Niki Schwab and Ben Feuerherd, Trump repeats claim that Ilhan Omar married her brother, New York Post, July 17, 2019) つまり、英国に住んでいた兄貴を米国に呼び寄せるため、結婚を利用したという訳だ。一方、容疑を掛けられたオマール議員は、「根拠無き噂よ」と一蹴した。確かに、“結婚相手”じゃないかと目されたアフメド・ヌール・サイード・エルミ(Ahmed Nur Said Elmi)は実の兄だが、結婚相手が本当に実兄なのかは判らない。イルハンはその疑惑を「馬鹿げている !」と評していた。
(左 : イルハン・オマール / 右 : アフメド・ヒルシ)
近親相姦を疑われたイルハン・オマールの私生活は、アフリカ人であるせいか、とにかく複雑である。2002年、彼女はイスラム教様式でアフメド・ヒルシ(Ahmed Hirsi)と結婚した。だが、それは法的な結婚ではなかった。それでも、彼らはこの「結婚」で二人の子に恵まれる。ところが、彼らの関係は2008年に破綻した。翌2009年、イルハンは問題の「アフメド・N・S・エルミ」と合法的に結婚しするが、二人は二年後の2011年に別れてしまう。ただ、厄介なのは、この訣別が“宗教”的な別居であって、“法律”的な離婚でなかった点である。2012年、イルハンはヒルシと“より”を戻す。そして彼女はもう一人子供を授かるが、二人は法的な結婚に至らなかった。それなのに、彼らは2014年度と2015年度の税申告で、あたかも合法的な夫婦であるかのように装い、税金の還付を受けていたのだ。イルハンは事実婚のようにヒルシと暮らしていたが、法律上では、未だにエルミと結婚している状態であった。
(左 / アフメド・エルミ)
こうなると、「一体、アフメド・エルミという亭主は“何者”なんだ」、という疑問が湧いてくる。この疑惑を複雑怪奇にしているのは、イルハンの祖国であるソマリアの風習だ。ソマリアでは一夫多妻が多く、異母兄弟が一緒に暮らす大家族なんて珍しくない。イルハンの夫であるエルミが「兄」と間違えられたのは、祖国の慣習に原因があった。人類学者のベルンハルト・ヘランダー(Bernhard Helander)氏によると、ソマリア文化では「兄弟(姉妹)」という言葉を従兄弟(従姉妹)にまで拡大して使ってしまうそうだ。(Will Sommer, How the Ilhan Omar Marriage Smear Went From Fever Swamp to Trump, The Daily Beast, July 19, 2019) この風習を知らぬアメリカ人が、イルハンとエルミの結婚証明書を見て、兄弟結婚と誤解したのも無理はない。ミネソタ州の地方紙である「アルファ・ニューズ(Alpha News)」も、この異文化に気づかず、エルミをイルハンの兄と早合点し、スキャンダルとして報道したようだ。ただし、両者のDNA鑑定を行っていないから、イルハンが言うように本当に「馬鹿げた噂」であるのかどうか判らない。もしかしたら、兄弟かも知れないし、単なる同姓同名の親戚かも知れないのだ。
もし、エルミがヨーロッパ系の白人移民なら本国に問い合わせて、出生証明書を提示すれば「一件落着」となるんだろうが、、如何せん、ソマリアじゃどうしようもない。日本や西歐諸国と違って、アフリカでは厳格な国民管理と正確な記録を残す行政機構が無いから、戸籍制度が徹底している日本とは雲泥の差である。以前、アフリカのオリンピック選手が年齢不詳という記事が話題になったけど、第三世界では出生届や死亡届がいい加減なんて当たり前。別に驚くことではない。世界的に見れば、一人一人の国民が大切に扱われる日本の方が例外なのだ。内戦で国内が混乱しているソマリアで、日本のような国民管理があるはずはなく、誰が結婚しようが、死のうがお構いなしである。「高齢者が暴走運転 !」くらいで全国ニュースになるんだから、日本は底抜けに平和な国である。アフリカでは機関銃を搭載したトラックが暴走しているんだぞ。部族対立が激しいアフリカでは、捕まえた敵を縛り上げ、その首にガソリンを浸したタイヤをはめ、火を付けて焼き殺すという処刑法がある。こんな「ネックレス」は嫌だ。また、敵のペニスを次々と切り取って、この「戦利品」をネックレスにする奴もいるらしいから、日本人はアフリカという暗黒大陸をもっと具体的に勉強すべきだ。
とにかく、イルハン・オマールは“叩けば埃(ほこり)が出てくる”人物で、過去を遡れば、偽証に加え、移住、結婚、納税、学生ローンについての詐欺も行っていたそうだ。(Katie Pavlich, Fraud : Judicail Watch Has Filed an Ethics Complaint Against Ilhan Omar, Townhall, July 23, 2019) 「偽装結婚」で入国してきたと疑われたエルミだが、彼もイルハンと同じくノース・ダコタ州立大学に入った。ところが、どうも彼はこの「偽装結婚」を利用して、連邦政府が支給する学生ローンを得たらしい。また、イルハン・オマールは選挙資金規制法にも抵触したそうで、500ドルの罰金を払った前科がある。もう、彼女の脛にはいくつのも傷があるようで、トランプはその古傷の一つを蒸し返したということだ。両者の喧嘩が激化したのは、トランプがイルハンの“痛い所”を突いたからだろう。
余談なんだけど、オマールが選出された第5選挙区は、民衆党の指定席みたいな地域である。彼女の前任者は黒人左翼のキース・エリソン(Keith M. Ellison)であった。彼は学生時代、「ネイション・オブ・イスラム」の指導者として有名なルイス・ファラカン(Louis Farrakhan)の支持者で、同組織の旗振り役であったらしい。つまり、エリソン下院議員はバリバリの黒人活動家であったという訳だ。今は学生時代の黒歴史を「封印」しているようだが、その行動様式は変わっていないようである。さらに、エリソンの前任者も、これまた輪を掛けて凄い。マーティン・オラフ・サボ(Martin Olav Sabo)は、黒人じゃなくノルウェー系アメリカ人なんだけど、頭の中は隅から隅までリベラルだった。彼は1979年に当選してから2007年まで、約28年間も下院議員を務めていたのだ。連邦下院選挙で2、3回再選されるだけでも大変なのに、連続13回の再選なんてギネス記録級である。通常ならあり得ない。
(左 : キース・エリソン / 中央ルイス・ファラカン / 右 : マーティン・オラフ・サボ )
歴史的経緯から、ミネソタ州には北歐系の移民が多く、人種的には白くても政治思想的に赤い人々が多い。例えば、ジョンソン政権で副大統領となったヒューバート・ハンフリー副大統領とカーター政権で副大統領を務めたウォルター・モンデールは、共に民衆党左翼リベラル派であった。ハンフリーは副大統領を辞めた後、上院に戻って議員を務めたが、1978年に死亡する。その後釜として上院議員になったのは、未亡人となったミュリエル・ハンフリー(Muriel Humphrey)夫人である。
(左 : ヒューバート・ハンフリー / ミュリエル・ハンフリー / ウォルター・モンデール / 右 : ルディー・ホシュウッツ )
ミネソタ州から選出される上院議員には北歐系ばかりじゃなく、ユダヤ人左翼も選ばれていた。セクハラで辞任となった元コメディアンのアル・フランケン議員(民衆党)については、当ブログで以前述べたことがある。彼の前任者もユダヤ人であるが、ポール・ウェルストーン(Paul Wellstone)議員は根っからの左翼だった。彼は議員になる前、カールトン・カレッジの教授をしていたが、労働問題や福祉政策に熱心なコミュニティー・オーガナイザーであったというから、ユダヤ人版バラク・オバマといった感じだ。しかも、札付きの極左というから凄い。彼は反戦活動や抗議デモを行い、1970年と1984年に逮捕されるという前科を持つ。だから、FBIの監視対象者になっていたという。(Madeline Baran, From protester to senator, FBI tracked Paul Wellstone, Minnesota Public Radio News, October 25, 2010)
( 左 : ポール・ウェルストーン / 中央 : シェイラ・ウェルストーン / 右 : 若い頃のウェルストーン夫妻 )
ユダヤ人左翼について語ると長くなるから省略するが、ウェルストーンの前任者もユダヤ人であったが、ルディー・ホシュウッツ(Rudolph E. Boschwitz)の方は共和党議員であった。彼は同胞のウェルストーンと犬猿の仲で、民衆党のライバルを異教徒と結婚した「悪いユダヤ人」と評していた。(夫人のシェイラ・ウェルストーンは非ユダヤ人であるが、精神的には亭主と同じく極左で、人権活動家であった。) 不届きな同胞に腹を立てていたボシュウィッツは、米国でなくドイツのベルリン生まれで、敬虔なユダヤ教であったらしい。ボシュウィッツ家はナチ・ドイツの迫害を逃れて米国にやって来たユダヤ移民というから、信仰心に関しては敏感なんだろう。実際、彼は上院選で敗れた後、ブッシュ政権の「ソロモン作戦(Operation Solomon)」に携わり、多くの黒いユダヤ人をエチオピアからイスラエルへと導く役目に就いていた。
( 左 / ジェシー・ヴェンチュラ)
ユダヤ人左翼とは別に、ミネソタ州は変人に対しても寛容だった。海軍特殊部隊(Navy SEALs)出身で、プロレスラーにもなったジェシー・ヴェンチュラ(Jesse Ventura)は、ミネソタ州民の熱狂的な支持を得て、同州の知事に当選した。彼は鋭い判断力と強固な意志を持っているが、敵を作りやすい独立独歩の奇人である。この俳優上がりの知事は、既存の政党が大嫌いで、かつては「独立党」や「改革党」に属していたが、今では「緑の党」に心を寄せているそうだ。ベンチュラ元知事は合衆国政府の不正や腐敗にも敏感で、ジョン・F・ケネディー暗殺の本を書いたり、9/11テロの疑惑を追及するテレビ番組でも人気を博していた。彼がオズワルド単独説に疑念を抱き、イタリア製のライフルを用いて実際に狙撃を試みた番組は圧巻だった。元エリー部隊の軍人でも不可能な「狙撃」を、下っ端の通信兵に過ぎない海兵隊員ができたなんて、とても信じられない。この検証実験を観たアメリカ人は、狙撃に失敗するヴェンチュラを目にして「えぇぇっ~」と驚き、ますます政府の報告書に疑念を抱いたという。ちなみに、オズワルドはソ連に亡命する前、厚木基地に勤務する通信兵だった。(ゴルゴ13より優秀な通信兵スナイパーなんて・・・、嘘みたい。)
出身国に送還せよ !
脱線したので話を戻す。米国の主要メディアは、オマールを除く他の三名は「アメリカ生まれのアメリカ国民なんだぞ !」と強調していたが、その容姿を見ればアメリカ白人が毛嫌いするのも分かる。オカシオ・コルテス議員はプエルト・リコ移民の両親を持ち、ブロンクスで生まれた“ヒスパニック”系のアメリカ人だ。プレスリー議員はオハイオ州シンシナティー生まれだが、育ったのはイリノイ州のシカゴ。通ったのは“進歩的”教育の魁(さきがけ)となった「フランシス・W・パーカー校(Francis W. Parker School)」というから、筋金入りの極左分子になったのもうなづけよう。あの砒素よりも有害な教育者、ジョン・デューイ(John Dewey)が称讃したくらいだから、どんな学校か想像がつく。ちなみに、卒業生の中には『スプラッシュ』の美人女優ダリル・ハンナ(Darryl Hannah)や、『フラッシュ・ダンス』で主演を務めたジェニファ・ビールズ(Jennifer Beals)、脚本家のデイヴィッド・マメット(David Mamet)がいるそうだ。
(左 : アレクサンドラ・オカシオ・コルテス / 中央 : ダリル・ハンナ / 右 : ジェニファー・ビールズ )
トランプのツイッターに対し、「私は“我が国(OUR country)”の腐敗と戦っているの !」と反論したラシーダ・タリーブ議員だが、彼女はパレスチナ人の両親を持つコチコチの反ユダヤ主義者。(旧姓は「Harbi」であるが、ファイズ・タリーブと結婚したことで「タリーブ」姓を名乗っている。しかし、2015年彼女は離婚した。それでも、亭主の姓を使い続け、今では二人の子供を抱えるシングル・マザーなんだって。) リベラル派の知識人は肉体や血統による嗜好を否定したがるが、アラブ系として生まれたラシーダは、やはり民族の血が騒ぐのか、反イスラエルを掲げる「ボイコット・投資撤収・制裁(Boycott, Divesment and Sanction)運動」に傾倒しているそうだ。彼女はパレスチナ人の家庭に生まれたから、いくら「アメリカ人」として育っても、ユダヤ人に迫害される「同胞」のことが気になってしまうのだろう。
(左 / セシーダ・タリーブ)
ラシーダは人種差別を呪うが、彼女には人種的に有利な点ある。西歐系アメリカ人が同じ運動に賛同すれば、即座に「反ユダヤ主義者」のレッテルを貼られ失脚してしまうが、有色人種だとOKみたいで、マスコミの批判もへっちゃらだ。オマール議員も反ユダヤ的発言で批判されたけど、「レイシスト野郎」とか「ネオ・ナチ」、「KKK」といった罵倒は無かった。アメリカの輿論は妙に不公平である。もう一つビックリするのは、あラシーダが全知全能の主アッラーを「女性」と思っていることだ。このパレスチナ系アメリカ人は、偉大な神様を呼ぶ時に、「Him」じゃなくて「Her」を用いる。イスラム教徒からすれば、石を投げつけて殺したくなるほどの冒瀆なんだが、極左議員には屁のカッパ。同胞からの非難でも蛙の小便くらいにしか思っていないのだ。さぁ~すが、「進歩的教育」を受けたリベラル派はひと味違う。
トランプから悪態をつかれた四人の議員は烈火の如く怒ったが、民衆党の大物も非難の矢を放っていた。下院議長の席にふんぞり返っている民衆党の重鎮、ナンシー・ヘロシ(Nancy Pelosi)は、イタリア系白人の長老だが、有色人種やユダヤ人には多大な同情を示す。ペロシ議長はトランプの意図を見越して、「アメリカを再び偉大にする(Make America Great Again)」というのは、常に「アメリカを再び白くする(Make America White Again)」との計画なのよ、と述べていた。(Brian Naylor, 'lawmakers Respond To Trump's Racist Comments : We Are To Stay', National Publicb Radio, 15, 2019) トランプを憎むワシントン・ポスト紙も民衆党に負けじと、大統領を手厳しく批判する。同紙は、レイシズムの悪評を恐れる政治家の発言を掲載し、「みなさぁ~ん、同僚議員からも多くの反対が出ていますよぉ~」と吹聴していた。(Mike DeBonis, John Wagner and Rachel Bade, 'A divided House votes for resolution condemning Trump's racist remarks', The Washington Post, July 17, 2019)
例えば、共和党の新人ダン・ミューザー(Dan Meuser)下院議員は、暴言問題の解決策を訊かれ、「解決策とは、大統領を困らせてやることだ !」と答えていた。民衆党のトム・マリノウスキー(Tom Malinowski)下院議員は、「トランプが如何なる人間なのかを知っている」と豪語し、「問題、つまり唯一の問題は、我々が誰であるのか、ということだ」と述べた。そして、彼は問いかける。「我々はまだ移民の国なのか?」、と。インド系下院議員のプラミラ・ジャヤパル(Pramila Jayapal)は、インドネシアとシンガポールで育ち、16歳の時に米国へやって来た移民であるから、レイシスト的発言に激怒しても不思議ではない。彼女はトランプ大統領を「反アメリカ的だ ! 名誉毀損だ !」と評していた。しかし、日本人やヨーロッパ人なら、「彼女も“見た目”はアメリカ人的じゃないけどね !」と付け加えたくなる。
(左 : ダン・ミューザー / 中央 : トム・マリノウスキー / 右 : プラミラ・ジャヤパル)
(左 / アヤナ・プレスリー )
このように、トランプ大統領のツイッターは、主要マスコミから猛攻撃を受けたが、トランプ支持者からは拍手喝采だった。演説を行うトランプの周りでは白人ファンが熱狂し、オマール議員を叩き出そうと声を上げ、「彼女を追い返せ(Send her back !)」と大合唱。支持者からの声援を受けてトランプは満面の笑みを浮かべていた。日本の首相もこれくらいしなきゃ。ところが、安倍総理ときたら、支持してくれた保守派国民を悉く裏切って、日本を変えてしまうアジア移民を大歓迎。これでは、いずれ日本は本当にアジアの一部になってしまうだろう。そして、もし日系日本人がトランプ・ファンを真似て、「アジア人を出身国に追い返せ !」と言えば、ヘイトスピーチ法に触れて有罪となるに違いない。さらに恐ろしいのは、将来の総理大臣が朝鮮系や支那系になっていることだ。もし、朝鮮系帰化人か日鮮混血児が総理になれば、「多様性」とやらを持ち出して、外人系閣僚を抜擢するかも知れない。例えば、官房長官には「女性を活用する」と称して朝鮮の同胞を起用し、外務大臣にはタイ系かベトナム系の混血児、財務大臣には華僑の親を持つ支那系議員といった塩梅だ。不吉な予言になるけど、将来、オーストラリアみたいに、日本でも移住省が増設されるかも知れないぞ。
お前の民族性(血筋)は何なんだ?
トランプに対する罵声は、政治家だけでなくジャーナリストからも噴出した。特に、「人種」や「差別」に敏感なユダヤ人が怒っている。記者会見でホワイトハウス顧問のケリーアン・コンウェイ(Kellyanne Conway)がトランプを擁護すると、「ブレックファスト・メディア(Breakfast Media)」のアンドリュー・ファインバーグ(Andrew Feinberg)記者が噛みついた。彼はコンウェイに向かって「もし、大統領が四人の議員に対し、出身国に帰れ、と言っていないのであれば、いったい彼はどこの国を指しているのか?」と質問したそうだ。すると、コンウェイは一呼吸置いて、ファインバーグに「あなたの民族性は?」と尋ねた。ファインバーグはすかさず、「それと何の関係があるんだ?」と聞き返した。しかし、コンウェイは表情を変えず、「私はあなたに尋ねているのよ !」と繰り返す。そして、「私の祖先はアイルランドとイタリアから来たの」と彼に告げたらしい。
(左 : アンドリュー・ファインバーグ / 右 : ケリーアン・コンウェイ )
コンウェイの質問に答えたくないファインバーグは、「私の民族性は、私の質問とは関係ない !」と回答を拒み、彼女に向かって再び問い質す。「大統領はパレスチナ系アメリカ人に対し、占領地区に帰れとでも言うのか?」と。後に、ファインバーグは自分のツイッターにコメントを投稿し、国旗の絵を用いて「私の民族性はポーランド、リトアニア、ロシア、オーストリアである」と公表した。しかし、こんな“情報開示”を目にしたら、西歐系アメリカ人のみならず、ユダヤ人でさえ腹を抱えて大爆笑するんじゃないか。正確に言えば、ファインバーグはオーストリアやポーランドに住んでいた“ユダヤ人”の親から生まれた、ということだ。ユダヤ人というのは本当に厚かましく、「寄生民族」と呼ばれてもおかしくない。謂わば、図々しい居候みたいなものだ。つまり、単なる宿泊客のくせに、ちょいっと長居すると勝手に養子を名乗ったりする。タカリ先の主人は、いつの間にかこの厄介者が「家族」になっていたことに気づいて驚く。父親か母親なのか知らないが、ファインバーグの片親は「ロシア系」らしい。でも、いくら鈍感なロシア人だって、ユダヤ人を「同胞」とは思わないだろう。ポーランド人なんか、本当にユダヤ人が大嫌いで、心の底から憎んでいる。第二次世界大戦が終わっても、ポーランド人の反ユダヤ主義が燻っていたのは有名で、ポーランド人はドイツ人並にユダヤ人を迫害していたのだ。
(左 / アダム・エデルマン )
会社の規模に関係なく、アメリカの報道機関にはユダヤ系が矢鱈と多い。ファインバーグの件を報じたNBCのアダム・エデルマン(Adam Edelman)もユダヤ人記者である。ヨーロッパ系アメリカ人がユダヤ人を攻撃すると、ユダヤ資本のテレビ局やユダヤ人が経営する新聞社がユダヤ人記者を派遣して批判記事を書かせ、ユダヤ人被害者を掩護する。これだから、一般のアメリカ人が怯んでしまうのも当然だ。いくら自分に正当な理由があっても、インタビュー映像で流される主張・反論はせいぜい1、2分程度。しかし、ユダヤ人記者のレポートは5分以上あったりするし、ゲスト解説者や専門家もユダヤ人か、ユダヤ人の協力者であったりする。こうなりゃ、ユダヤ・メディアによる公開処刑だ。卑劣なのは、こうした報道番組がレポーターや司会者、評論家の素性を明かさないことである。一般視聴者は彼らがユダヤ人であるにさえ気づかないから、その意見を鵜呑みにし、標的にされた人物を「悪人」とか「レイシスト」、あるいは「極右分子」と考えてしまう。
大手メディアによるマインド・コントロールは実におそろい。無防備な一般視聴者は、思考の「枠組み」を知らないうちに形成され、決まった経路で判断するようになる。一般人はサーカスの動物と同じで、番組司会者が鞭を振り下ろしただけで、逆立ちしたり、踊ったりしても疑問に思わない。ヨーロッパやアメリカに渡ったユダヤ人が商売で成功すると、新聞社やテレビ局、雑誌社、出版社、映画会社などを創業したり買収したりするのは、主にお金儲けのためだが、寄生先の社会をコントロールするためでもある。何処へ行っても鼻つまみ者のユダヤ人は、いつ地元民から憎まれ、迫害されるか分からない。だから、自己防衛と亡命資金のために普段から財産を蓄えているし、追放されないためにも、政治権力を握って支配者になろうとする。そして、重要なのは、「同胞との結束」である。歐米諸国に多数のユダヤ人組織や圧力団体があるのはその為だ。(これを説明すると長くなるので省略する。)
日本のマスコミは否定的に報道するが、トランプ大統領を支持するアメリカ白人が、オマール達に向かって「本国に帰れ !」と大合唱する気持ちはよく分かる。日本人だって、帰化鮮人が事あるごとに我が国を侮辱すれば不愉快だし、二度三度と続けば本当に腹が立つ。もし、帰化鮮人が我々に対して、「戦前、日本政府が俺の祖父母を強制連行したから、俺は仕方なく日本に住んでいたんだ ! 謝れ !」と言えば、「それなら、なぜお前の両親はさっさと朝鮮に帰らず、嫌いな日本に留まったのか?」と問いたくなるじゃないか。彼らは日本人に対する憤懣を爆発させ、「日本人は常に在日朝鮮人を差別する」とか、「天皇制は侵略を肯定する政治イデオロギーである」、「日本人は植民地支配を反省していない」など、日本に永住しながら言いたい放題だ。(在日朝鮮人社会・教育研究所編『帰化』については、いずれ紹介したい。穏健な日本人でも、この本を読めば激怒するぞ。)
(左 : ボルチモアの黒人街 / 右 : アラバマ州の貧しい黒人)
トランプ支持者は声を荒げて「出身国に帰れ !」と叫ぶが、それは鬱憤晴らしに過ぎない。これは人種の如何に関わらず、国民の権利を尊重する文明国ゆえの悲劇である。だいたい、アジアやアフリカからやって来た有色人種は、一旦「アメリカ国民」になれば梃子でも動かない。彼らはアメリカにケチをつけても、絶対に祖先の国へと戻ることはないのだ。なぜなら、祖父母が生まれ育ったアフリカは、アメリカの貧民街よりも貧しく、その生活水準は比較にならぬほど酷い。そもそも、黒人はどうして奴隷をこき使った白人の国に留まっているんだ? 答えてみよ ! 彼らは口でブツブツと不満を述べるが、心の底ではアメリカを素晴らしい国と分かっている。アフリカでの惨めな生活を考えれば、アメリカでの人種差別なんか仔犬のゲップと同じで、一向に気にならない。
(左 : 増加するアメリカの黒人 / 右 : 減少するアメリカの白人 )
日本の報道機関はトランプの主張を「暴言」と伝えているが、そんなのは表面的な見方に過ぎない。トランプは再選に向けて、お得意様のファンを増やそうとしているのだ。いくらトランプが黒人やヒスパニック、あるいはアラブ系イスラム教徒にリップ・サービスしたって、彼らがトランプに投票することはない。それなら、自分を支援する白人保守層に向けてアピールした方がいい。白人は米国に悪態をつく民衆党左派を嫌っているし、普段の生活でも黒人やアラブ人を忌々しく思っている。だから、トランプが率直に黒人を批判すると、自分の気持ちを代弁してくれたように感じ、何となく嬉しくなるのだ。それに、民衆党が極左議員に引っ張られて、真っ赤な極左政党になってくれた方が有り難い。中流階級の白人は、黒いアカに占領された民衆党を避けるから、結果として白人主体の共和党に靡く。トランプを馬鹿呼ばわりする日本の評論家どもは本当にアホだ。「暴言王」の合衆国大統領は、意外と“したたか”なビジネスマンなんだぞ。
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