左翼メディアが推進するモラル破壊

  いつ頃か知らぬ間に刺青(入れ墨/tattoo)をしている藝人が増えた。日本ではまだそれほど増加していないが、欧米では一般人でも彫っている者が多い。江戸時代なら罪人への刑罰として入れ墨を彫ったが、今はファッションとして彫る者がいるのだ。一昔前なら犯罪者かチンピラ、ヤクザ者くらいが、“シャバ”の堅気衆と違うことを示す象徴であった。

  中学生くらいだと、偉い人だって刺青を彫っていた、と言うかも知れない。人気時代劇の「遠山の金さん」で北町奉行の遠山景元(金四郎)が、お白洲で肩や胸に彫った桜吹雪の入れ墨を見せるのは嘘で、これは根拠のない講談師の作り話。(ちなみに罪人の前で判決を下すシーンも嘘。金さんの顔を見ても気づかぬ下手人なら、刺青を見ても知らぬフリをすればいいのに。日本の犯罪者は意外と正直で素直。ちょっと笑ってしまう。)江戸時代は、博徒や鳶(とび)職、火消し、飛脚などが入れ墨を彫っていた。「武家彫り」をしている侍もいたが、これは少数派であろう。佐渡帰りの前科者みたいで格好悪い。明治時代になると禁止されたが、それでも彫る者もいたらしい。「入れ墨の又さん」こと小泉又次郎は入れ墨をもつ逓信大臣として有名で、鳶職時代に彫ったそうだ。変わり者と呼ばれた小泉純一郎首相の祖父も変人だった。

  アメリカのミュージシャンで入れ墨を彫っている者はとても多いが、1980年代くらいまでは少なかったと思うのだが、確信をもって言えないので断定できない。しかし、筆者の記憶ではメタリカやアイアン・メイデン、ヴィンス・ニール(モトリー・クルー)、リタ・フォード(元ラナウェイズ)なども80年代の頃は彫っていなかったと思う。やはり90年代になってから目立ち始めてきたのではないか。ピュー・リサーチ・センターの調査によれば、18歳から29歳までのアメリカ人のうち、38パーセントが刺青を彫っていると答え、30歳から45歳の層では38パーセントが彫っているという。(Millenials Confident. Connected. Open to Change. Pew Research Center, February 2010, p.57) 普通の生活を営む一般家庭では、子供が入れ墨を彫ったりしたら、家族中が大騒ぎとなるし、友人や教師だって仰天してしまうだろう。入れ墨などはギャングや荒くれ者といった無法者や、社会の底辺で棲息する下層階級のクズが入れるものであった。

マス・メディアによる洗脳

  1990年代頃からだと思うが、有名人が段々と刺青を彫るようになってきた。可愛らしい子役であったドリュー・バリモア(『ET』に出演)やリンジー・ローハン(『フォーチュン・クッキー』がヒット)はいかがわしい芸能界で成長したため、酒や麻薬に溺れる生活を送る羽目になったらしい。そこでついでに刺青を彫ることとなった。他の有名女優も彫っている。スカーレット・ヨハンソン(映画『アヴェンジャーズ』)やヘイデン・パネッティア(TVドラマ『ヒーローズ』でチアリーダー役)、マイリー・サイラス(『ハンナ・モンタナ』に出演した人気歌手)なども彫っている。意外なのは、英国女優のヘレン・ミレン(『RED』に出演)が右手に刺青をしていることだ。彼女はロシア貴族の父とイギリス人の母との間に生まれ、シェイクスピア劇でキャリアを積んだ名女優である。(ちなみに彼女の祖父ピョートル・ミロノフ大佐は日露戦争で我が国と戦った。) テレビ・シリーズ『エリザベス1世』と映画『エリザベス2世(The Queen)』で女王役を演じたミレンは、大英帝国勲章(Order of the British Empire)を授与されたのである。それゆえ「ダーム(Dame)ヘレン」と呼ばれるのだ。叙勲されてエレガントな印象を醸し出すこの女優は、「今となって本当に嫌だわ。ショックを受けている」と語っている。彼女が朝の情報番組『グッド・モーニンク・アメリカ』で語ったところによれば、意識がなくなるほど酔っぱらったときに彫ってしまったものらしい。(Larry Mcshane, Helen Mirren 'disgusted ' by tattoo on her thumb, which she got when 'very drunk', New York Daily News, January 23,. 2010)

  社会的地位の高い人々の間ではタトゥー(刺青)はタブー(禁止)だ。第19世紀だと上流社会でも面白がって刺青を彫る貴族や紳士がいたが、やがてそうしたことは忌み嫌われるようになって、犯罪者や暴走族がするものと見なされるようになった。ケネディー家はアメリカ貴族のように扱われており、日本でも人気が高い。ジョン・F・ケネディー大統領の長女キャロライン・ケネディーは日本駐在の米国大使となり、我が国のマスメディアは大はしゃぎで彼女のフッションや家系を取りあげた。しかし、彼女の腕に彫ってある刺青には触れなかった。むかし彼女は弟のジョン・F・Jr.やいとこのエドワード・ケネディーJr.らと共に香港を訪れたときに、遊びで刺青を彫ることにした。パーラーで彼女が刺青を入れた後、ジョンとエドワードの番になったが、臆病風に吹かれてとうとう彫らなかった。(Melissa Jane Kronfeld, Whaddya Know About Tat, New York Post, December 9, 2008) キャロラインは後に刺青を消したかどうか分からない。今でもそのままかも知れない。でも上院議員に出馬しようとしたときには後悔したらしいから、やはり若気の至りはちと痛い。

  常識がどんどん変化・退化するのが現代なのは仕方ないのかも知れぬ。ミス・アメリカ大会でも問題が起こった。ミス・カンザスのテレサ・ヴァイル(Theresa Vail)が水着審査の時に、右脇腹の刺青を披露したのである。彼女はカンザス州立大学の学生で、17歳の時に陸軍州兵(Army National Guard)へ志願した白人美女である。M16ライフルの射撃やアーチェリーが特技なのはいいが、なにも美しい体に文字の刺青をほらなくったっていいじゃないか、と我々なら思ってしまう。しかし、彼女は「自分の刺青を披露することで人々を勇気づけたかった」と語る。(Kevin Dolak, Miss Kansas Theresa Vail: Tattooed Soldier, Opera Singer Breaks Miss America Stereotypes, abc News, September 12, 2013) つまり、彼女は型にはまった美女コンテストに、新たな穴を開けて外気を入れたかったと言うことだ。反省して後悔するどころか、自慢しているのだ。それでも、彼女は自分を「保守派」だと称し、「刺青はもはやタブーではない」とも語っている。(Amy Kuperinsky, Miss Kansas interview : Theresa Vail is more than just her tattoos, New Jersey.com, September 12, 2013) カンザス州のような中西部の田舎では、まだ保守的な白人層が存在するけれども、テレサのように保守的な家庭の娘にも左翼思想が浸透しているのである。もちろん本人にその自覚はない。

  そうした左翼思想の浸透は娯楽産業やマスメディアが汚染源となっているのだ。なんと少女らに人気のバービー人形にも刺青バージョンがあるのだ。(Christina Cheddar Berk, Tattooed Barbie Sparks Controversy, Media Frenzy, CNBC, October 21, 2011)マテル社のロング・セラー人形で、以前は慎ましやかで優雅なヨーロッパ婦人をモデルにしていたのである。白人の少女が憧れる女性像を提供していたのに、いまや風俗街の「ズベ公」か中南米の立ちんぼ娼婦みたいになっている。日本から影響を受けた米国トギドキ社が、こんな背中に龍を彫った人形を発売するのだ。これではヤクザの情婦と同じではないか。いわゆる「バッド・ガール」シリーズの一つであろうが、下品な黒人や南米人のファッションを取り入れて、顧客の拡大を狙ったのであろう。白人の子供だけでは利益が上がらないから、もっと顧客層を広げる必要があったのではないか。利益優先の商品開発はしょうがないのかも知れないが、今回が初めての騒動ではなかったのである。1999年には刺青シール附きの人形が発売になって物議を醸したこともあった。(Daniel Prendergast and Tracy Connor, Barbie dons new 'punk' look: Mattel defines doll as parents take aim at tattoos and bad-girl image, October 22, 2011)

  刺青バービーだけではなく、他の商品も宣伝に刺青を挿入しているのだ。たとえば、有名な靴メーカーのコンヴァース(Converse)社は、刺青絵柄のチャック・テイラー・スニーカーを販売したのである。自動車メーカーのドッヂ(Dodge)社は「カリバー」を発売するさいに、バンパーに刺青マークを貼り付けていた。タバコ会社のキャメルは刺青デザイナーのスコット・キャンベルを登用したのである。「クール」な印象を消費者にアピールするつもりだったらしい。(Azam Ahmed, Tattoo art flows into mainstream ads, Chicago Tribune, March 8, 2007)ゼニ儲けになれば何でもやるのが、現代のモラル無きアメリカなのである。1960年代まではこうした非常識な製品を発売したら、すぐに社会問題になって経営陣は土下座する羽目になったであろう。それくらい当時のアメリカ人は道徳を重視していたのである。

刺青を後悔する人々

  気軽に刺青を彫ってしまう若者は、就職するときに悲しむこととなる。ブリテン社会学協会(British Sociological Association)の年次会合で、セント・アンドリューズ大学のアンドリュー・ティミング博士(Dr. Andrew Timming)は、刺青は就職率を下げる要因になると語った。(Tattos reduce chances of getting a job, new resarch says, Phys.org September 4, 2013)博士は企業経営者にインタヴューして、刺青をもつ人物を雇うかどうか尋ねたそうだ。ホテルや銀行、市評議会、刑務所、大学、本屋などの経営者に聞いてみたところ、刺青は“汚点(stigma)”としか見られていなかったのである。ある女性経営者は「刺青はその人を醜くする」と語っていた。別の男性経営者は「無意識的にその人物を雇うことを避けてしまう」と打ち明けた。また別の男性経営者は「刺青がある雇用応募者が面談室を出たとき、面接官等が最初に話題にするのがその応募者の刺青だ」という。経営者らは顧客がどう思うかを考えてしまうので、雇うのをためらってしまうそうだ。服の下に隠れている刺青ならまだしも、顔や首、腕、手の甲などの人目につく部分を見たら、顧客が「おぞましい」「むかつく」「芳(かんば)しくない」「だらしない」と思ってしまうからだ。ある女性経営者は「人々は第一印象で判断します。もしお客がドアを開けて入店したとき、店員の拳銃やナイフの刺青を見たら、お客は不快感を抱くでしょう」と現実を語っている。確かに、刺青を彫った人物は良い印象を他人に与えない。首の後ろに蜘蛛の巣を入れたり、人が吊された絵柄や涙顔、死をイメージしたもの、殺人に関したもの、性的な図柄、麻薬や人種に関連したもの、などを見れば普通の人は嫌な感じを受けてしまう。(Brian Amble, Tattoo Taboo: what employers think about ink, Management-Issues, September 4, 2013)とくに社会的地位の高い客や中高年の購買層に対して、店の経営者は神経をとがらせるから尚更である。

  ドラマで描かれる架空の物語と違って現実は厳しい。だから刺青を彫ったことを後悔する人も多いのだ。若い頃の軽率さを悔いて、レーザーで刺青を消そうとする中流階級の女性も多いのである。ブリテン皮膚科学会(British Association of Dermatologists)によれば、刺青を彫った人の3分1が後悔しているらしい。苦痛を伴う刺青除去を一回50ポンドないし300ポンドかけて行おうとする人が結構いるそうだ。ステイシー・パーカーさんは若い頃、軽い気持ちで彫ってしまったが、30歳代になると自分の刺青が恥ずかしくなったという。結婚して子供ができ、仕事でもキャリアを積もうとしているのに、刺青がどうしても気になる。いつもカーディガンを羽織らねばならぬ生活が嫌なのだ。母親として子供には見せたくないという。(Lorraine Fisher, The middle class women desperate to erase youthful indiscretions, and the sheer agony they endure to laser away trashy tattoos, Daily Mail, 21 August 2014)  

  このように刺青は人生の汚点、すなわち体につくる恥部となっているのに、映画やメディアなどでは刺青文化が格好いい(cool)だとされるのは何故か。それは文化マルクス主義(cultural Marxism)の左翼分子が、マス・メディアや映画界、音楽業界に潜んでいるからである。とくに映画界のユダヤ人監督や脚本家、演出家などには左翼が多く、キリスト教に基づく伝統的西歐社会を憎んでいる。躾がしっかりしていて、道徳が身に付いている良家の子女が嫌いなのだ。ユダヤ人社会には、ふしだらで世俗の欲にどっぷり漬かった左翼リベラル思考の親が沢山いる。こうした下劣な親に育てられたユダヤ人青年が、映像業界や音楽業界で活躍すると、倫理に縛られないむき出しの欲望を表現するのだ。躾の良い家庭の娘だって、女優として映画業界に入ってくれば、ユダヤ人の制作者が“アバズレ”女に変えて商品化してしまう。貞淑な白人娘が人前で乳房を出しても、演技派女優と宣伝してもらえば、恥ずかしいとは思わない。貞操観念を侮蔑するユダヤ人は、健全な白人家庭の娘を淫売女優にてし喜んでいる。ゴロツキまがいのユダヤ人によって弄ばれた白人娘にとって、肌を汚す刺青くらい何てこと無いのである。ただし実家の両親は泣いているが。

  ソ連の崩壊で共産主義が消滅したと思うのは間違いだ。西歐キリスト教社会を憎んだユダヤ人マルキストはしぶとく生きている。暴力革命で政府を乗っ取ろうとした共産主義者は、今となってはもう力がない。政治マルキストの衰退である。民間企業を国有化して社会主義経済体制をつくろうとする者もいなくなってしまった。経済マルキストも弱体化してしまったのである。しかし、社会道徳を攻撃し、人々の倫理観を腐敗させようと狙う文化マルキストは健在である。社会の基礎である倫理・道徳・家族を破壊することで、共産主義世界を実現しようとする左翼分子が、まだあちこちで元気に動いているのだ。米国では隠れ共産主義者のオバマが大統領になったし、日本では菅直人が首相になったではないか。菅やオバマのような「とぼけ顔」の共産主義者は、既存の政治体制を内部から食いちぎって崩壊させようとする。組織や制度を合法的に利用して、社会を腐食させるのだ。この種のマルキストが一番厄介である。

  刺青など個人の趣味くらいに考えている日本人は多い。だが、刺青を気軽に彫ることで悪い仲間と交際したり、就職できずに低所得者になってしまうことに気づかない。共産主義者は堅実な家庭を壊して、革命の闘士になるような若者を増やしたいのだ。倫理的な人物や敬虔な家庭など彼らの敵である。社会に不満をもつようにふしだらな生活をさせ、下層階級に転落させることが革命への下拵(したごしら)えである。もう一度ゲバ棒を振り上げ火焔瓶を投げるような若者を獲得するには、不道徳で自暴自棄な人生を送る青年を増やすことである。ヤクザが麻薬中毒者を増やすために、タダで大麻を若者に勧めるだろう。親切なオッさんではない。「大麻なんてタバコと同じさ」とチンピラが大学生に囁き、大麻漬けになったら次に覚醒剤やヘロインを無料で与えるのだ。こうした手口は共産主義者とそっくりである。札付き左翼がつくる映画やドラマを子供に許している親は、こうした恐ろしい連中のことを知らないのだ。しみじみ思うのだが、学校では本当に必要な教育が施されない。気づいたときには遅かった、という悲劇がじつに多いのだ。
  



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