左翼学者の英訳書しかない

  産経新聞が米国の高校に通う日本人生徒の苦情を伝えている。(【歴史戦】「南京大虐殺」「従軍慰安婦」・・・誤った史実ひとり歩き 米高校で試験にも 日本人生徒「英語でも反論を」 2015年1月8日)カルフォルニア州の高校では、世界史の授業で「南京大虐殺」を取りあげ、世界史でも類をみない残酷さ、と説明されたそうだ。こんな授業を行う教師が居るのも当然だ。大手教科書会社マックグロウ・ヒル(McGraw Hill)が出している歴史教科書に、「レイプ・オブ・ナンキン」の項目があり、日本軍が7,000人の女性を強姦し、40万人の支那人が殺害されたと書かれている。(Tradition and Encounters, Chapter 36, 2. The Rape of Nanjing characterized war waged against civilians) 腹立たしいことに、日本軍は慰安婦を天皇からの贈り物として軍隊に捧げた、という教師の説明もあったそうだ。ある女子生徒は授業で、元日本兵を名乗る老人が戦争での残虐を告白するビデオを見せられたという。その老人が本当に日本兵かどうかは不明である。そういえば、支那の撫順戦犯収容所で、洗脳された後に日本へ送還された元将兵がいたのだ。支那人が処刑せずに、わざと日本兵を帰郷させ、従順な支那工作員として使ったのである。

  米国の歴史授業がメチャクチャなのはしょうがない。アメリカ人の歴史教員には左翼教師や有色人種、移民の子孫、たんなる馬鹿が数多く混じっているからだ。アメリカ人にとってビジネス科目は重要だが、過去を捨てて移住してきた移民の子孫にとって、歴史という科目には価値がない。過去を振り返ったらお金が儲かるのか。歴史など紙に書かれたガラクタである。それに、言いづらいことだが、高校教師の知的水準はとても低い。安い給料だから優秀な人物は高校教師にならない。中流階級の生活を維持するため、家計の足しにと、副業をもつ教師だっている。その一方、教職を選ぶ学生は凡才で、在学中どんな勉強をしたのか怪しいものだ。したがって、彼らの頭を正常にすることは難しい。大学の左翼教授を治療するのは、さらに難しく、ほとんど不可能だろう。

  産経新聞の記事で注目すべき点は、男子生徒が、「日本語の本や文献しかないので、反論できない」と嘆いていることだ。日本人は驚くべき翻訳文化をもつから、アメリカ人も異文化を自力で学ぶと誤解している。しかし、アメリカ人は国内が国際化化されているので、外国のことにまで関心がない。それに、アメリカ人が日本史を誤解したり、歪んだ歴史認識を持つのは、英訳された日本の資料が極端に少ないことが原因の一部になっている。考えてみれば、アメリカ人は日本語など全く分からないし、日本史も未知の領域だから、英語で書かれた文章しか参考にならない。では、日本の良識的な通史や公的文書、一次資料がどうなっているのか。まったく英訳されていないのだ。英語に翻訳されるのは、日本人が聞いても誰か解らぬ歴史家か、日本の左翼教授、反日的米国人教授が書いた本である。日本人が英訳してもらいたい史書は無視されたままである。たとえば、徳富蘇峰の金字塔『近世日本国民史』は、英訳されるにふさわしい歴史書だが、あまりにも膨大な巻数になるから、民間の出版社では困難だろう。出版の利益を度外視して、日本政府が予算を付けなければできない。つまり、対外政治予算で翻訳作業を推進すべきである。


    さらに困ったことは、日本の歴史学界が真っ赤に染まった学者で一杯なのだ。たとえ民間の研究者が書いた本が秀作でも、有名大学教授の肩書きが無いから、米国の出版社が英訳しようとは思わない。したがって米国の図書館には、左翼学者が書いたクズ本の英訳版しか置いてないのだ。かつて高名なアーサー・シュレッシンジャーJr.博士が、『アメリカの分裂』という本を出版した。(Arthur Schlesinger, Jr. 『アメリカの分裂』 都留重人監訳 岩波書店 1992年) シュレッシンジャーはケネディ大統領のアドヴァイザーで、ハーバード大学の名物教授かつユダヤ人歴史家であった。彼は日本政府が戦前の侵略と残虐行為を認めず、責任を回避していることを非難している。このユダヤ人は「南京大虐殺」を信じていたらしい。それというのも、彼は家永三郎の英訳された『太平洋戦争』を読んでいたのである。(p.54) 家永三郎とは戦前、尊皇精神溢れた著作を書いていたが、戦後になって左翼に転身した変節漢である。南京大虐殺や731部隊、沖縄戦を『新日本史』で取りあげ、それが文部省の検閲で訂正されると、裁判を起こした。吉田清治の『私の戦争犯罪』を資料にしていたくらいだから、いまから見れば噴飯物であろう。シュレッシンジャーはこの裁判を家永の言い訳を通して知り、文部省による事実隠蔽・歴史の歪曲と受け止めたのである。家永裁判を覚えている日本人には、呆れてしまうだろうが、シュレッシンジャーには日本の学界事情など分からない。日本史について彼の情報源が、左翼学者の英訳著書なのだから、有名学者でも馬鹿になってしまうだろう。

西欧系アメリカ人の知日派を増やせ

  では、どうやったら米国の誤解が訂正されるのか。正常な精神を持つ西欧系アメリカ白人にターゲットを絞った啓蒙活動および宣伝工作を行えばよい。米国の支那人や朝鮮人は気違いだし、事実に基づいた歴史認識を求めない。日本に対する憎しみに凝り固まったアジア人に、何を言っても無駄。馬鹿に効く特効薬はまだ発明されていないから諦めるしかないだろう。黒人やヒスパニックは学力自体に問題があるから論外。米国で教養が高く歴史を慎重に学ぼうとするのは、西欧系白人の保守派知識人層のみである。日本人だって、彼らに非難されるから困るのであって、その他の下らないアメリカ人が何をわめこうが知ったことではない。アメリカ建国の主役を自認する西欧系アメリカ人に対して、集中的に説明する必要がある。

  まづ西欧系白人の青年にとって、日本史が利益のある魅力的な科目にする必要がある。有名大学は学費が高いから、奨学金を日本政府あるいは民間人富豪が出せばいい。(奨学金を出せば税控除と国税のお目こぼしが特典に附く。その上、相続税免除にしてやればよい。) 日本学を専攻すれば明るく豊かな人生が手に入るようお膳立てをすることだ。高給をもらえる教授職や有名なシンク・タンク研究員の地位を用意したり、大手マスコミに登庸されるよう、日本政府が影で働きかければ実現するだろう。支那学を専攻するアメリカ人が増える一方で、日本学を専攻する学生が減ったのも、日本の国際的地位に魅力が無くなったからである。軍事外交といった国家の要諦がダメだから、日本の政治や歴史を専攻しようする優秀な大学生が居なくても当然だ。親日的アメリカ人が自然発生するのを願うのではなく、有能なアメリカ青年を日本側が育成せねばならない。そして彼らに正常な日本史を書かせて、プリンストンやハーバードといった大学出版か、マクミランやハーハー・コリンズなどの大手出版社から出すようにすべきである。一般人は権威に弱いから、小さな出版社では権威がない。実際にベストセラーを目指すのではなく、各大学にそうした書籍をタダでもいいから多数置いてもらうこと。日本史コーナーの本棚が、親日的学術書で一杯になるよう努力することだ。そうすれば、日本についてレポートを書く一般学生も常識的思考を持つようになるだろう。ついでにアニメ・マンガ雑誌やコスプレ文化を添えて、日本に興味をもつよう誘導すれはよい。

  日本政府の役人は積極的宣伝工作が分からない。日本人が味方に付けたい対象を明確化することだ。ユダヤ人は影響力があるが、ドイツ人に対して民族的憎悪があるから避けた方がよい。日本は悪魔のドイツ人と手を結んだ侵略者だし、米国の敵だから彼らが日本に理解示すことはない。難民として米国にやって来たユダヤ人は、熱心に米軍を弁護することで、自らを愛国者として証明したいのだ。だからユダヤ人はことのほか、アメリカ兵をナチ・ドイツと帝國日本をやっつけた英雄として称賛する。アメリカ兵は皆“キャプテン・アメリカ”になるのだ。全米ネット・テレビ局をみれば、最高経営者や重役、ディレクターなどはほとんどがユダヤ人で、歴史番組は全体主義国家のドイツと日本がいつも悪役だ。ヨーロッパにたかって暮らしていた賤民のユダヤ人とか、共産主義者で大量殺戮者としてのユダヤ人は放送されないのである。ボルシェビキのユダヤ人に資金援助したマックスとポールのウォーバーグ兄弟やクーン・ローブのヤコブ・シフなどの悪行は、映画の題材にならない。それにユダヤ人は建国の父祖と血縁がない。アングロ・サクソン系国民のような、合衆国の主流民族ではないのだ。

  日本人にとり宣伝戦が難しいのは、反日勢力がアメリカ公民権(国籍)を持っているからだ。支那人や朝鮮人は米国籍を持ったからといって、アングロ・サクソン系アメリカ人にはならない。イギリス人が建てた共和国に寄生するだけだ。彼らの子供が米国史あるいは西歐文明史の授業を受けても、祖先の歴史ではないのだ。英国のチューダー朝やスチュアート朝は夷狄の王朝だし、シェイクスピアやギッシンク、ポープ、ウォルター・スコットの作品を読んでも異邦人の雑音である。独立戦争など白い夷狄が戦っただけ。イギリス臣民がもつ古来の権利に至っては理解不可能。厄介なのは、支那人や朝鮮人の子供がアメリカ白人と結婚して、日本への憎しみを次世代の子孫に伝えていることだ。もし、アイリス・チャンのような支那人女が白人研究者と結婚し、子供もうけたら、その子も反日アメリカ人になるだろう。暗殺されたと推測されるチャンは独身だったが、全米に散らばる無名の支那人女が、支那研究者に接近し、恋愛関係になる可能性は充分考えられる。日本人は年々増大する支那系人口をただ傍観しているだけである。

  中南米や中東アジアからの移民が増えたことで、西欧系アメリカ白人に危機感が募っている。日本人の利点はここにある。日本系帰化人は取るに足らぬ数で問題にならない。有色人種との軋轢や黒人犯罪に悩むアメリカ白人は、自分たちの国が衰退・没落し始めていることに懸念を示す。合衆国は依然として超大国だが、西欧系白人だけの祖国ではない。昔は、学校に通えば同級生は白人の子供だったし、村や町は比較的安全で、皆昔なじみの白人が住んでいて、地域の一体感があった。それに合衆国は自分たちが築き、繁栄を維持し、子孫に対して責任を持つという自覚があった。日本人が味方にするなら、こうした西欧系白人を選ぶべきである。彼らは政治プロパガンダが混ざっている歴史書が嫌いである。アジア人のように歴史は政治の道具とみなさない。一次資料や写真の検証に興味がある教養人なら、南京事件を正確に理解できるであろう。しかも、軍人の名誉を重んずる西欧系アメリカ人は、勇敢に戦ったドイツ国防軍や日本の帝國軍人に対して武人としての敬意を払う。尚武の精神がないユダヤ人や支那人のように、自分のためなら、どんな捏造・歪曲も正当化されると考える、非アメリカ人とは違うのだ。日本の反米保守派は、アメリカ人を区別することなく、アメリカ国民全部を一つの民族として非難しているのだ。同一性が高い日本人と違うことが分かっていないのである。

  日本人は昔から対外宣伝が下手だし、敗戦後になっても宣伝戦が重要であることに気づかない。外交・軍事と同じく対外宣伝工作は、政治家にとって自分の利益、つまり選挙での票田にならないから、関心が全くないのだろう。日本の歴史教科書でさえ無関心なのだから、米国でどんな教科書が使用されているかなど、国会議員にとってどうでもよい些細な案件である。国家の名誉にはキックバックが無いから、政府開発援助のような熱意さが生まれないのだ。国民から選ばれた代議士が、国民国家の名誉に無関心、とは皮肉なものである。民衆政治を称賛する日本人はどう思っているのか。武士階級が残っている時代なら、各藩主が蹶起(けっき)して対外宣伝に巨額の予算を付けたであろう。輿論もこれを絶賛し、各国民が対外宣伝員になって、外国で日本の名誉を守ったのではないか。敗戦後、豊かさを手にした日本人は、名誉という無形の宝を捨ててしまった。明治の元勲らが武士階級を廃止してしまったのは、やはり大失敗だった。




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