当たるも八卦、ハズれたら無視

  小室直樹博士は在野の偉大なる学者であった。今は亡き奇才であり、学問一筋の研究者であることに間違いない。副島隆彦(そえじまたかひこ)はその弟子ということで、筆者は彼の著書を読んだことがある。雑誌『正論』で「副島隆彦のワールド・ウォッチ」を連載していたから、覚えている国民も多いだろう。(平成9年から11年くらいまでの連載だったと思う。) 副島氏は「日本属国論」や「グローバル経済」を論じて人気評論家になった。当時、小泉政権下で日本人に対米不満が蓄積されていたから、アメリカのグローバリストを非難する論調は、大衆に拍手喝采で受け入れられたのではないか。実際、国防軍を持たない日本人は、経済や外政で腑抜け扱いを受けてもしょうがない。国民の大半が反軍思想で凝り固まっているのだから、良心的政治家や官僚だって匙を投げたくなるだろう。こうした歪(いびつ)な国家では、副島氏が展開する言論が好評なのは理解できるし、彼の主張に賛成できる部分もある。だが、彼の思想や知識の奥に潜む本性は、どうしても受け入れ難いのだ。

  経済本には大まかに言って二種類ある。ひとつは過去の経済を分析した学術書。もうひとつは、未来を推測した予言書。副島氏の経済本は後者の予言書に属する。彼の本を買う人は、不確かな経済予測を渇望する信者なので、筆者は同情しない。競馬場の予想屋が一等賞の馬をハズしたからといって、怒る人はいないし、第三者もハズレ券を買った人に同情しないだろう。株や為替で損をした人も、信じた株屋とか証券アナリストを恨むが、世間では「アホんだら」と叱られて終わり。副島氏の経済分析や為替予測などを批判しても始まらないが、副島氏は「グローバリスト経済学」が“売り”の評論家なので、まづこの点から論じたい。

  副島氏は、昔からアメリカの財政破綻を宣伝していた。やがてアメリカ経済が一時的に破綻し、突然の金融恐慌が日本を襲う。ドル暴落が起こる可能性が非常に強くなっている。

  「1ドル60円にまで暴落する可能性が出ているのである。金融相場のグラフである、罫線のチャート上からは、1ドル40円までありうる。」(『やがてアメリカ発の大恐慌が襲いくる』 ビジネス社 2004年 p.83)

   これくらい過激な予想でないと、評論家として目立たない。副島氏は犯罪防止のための新札導入を別の見方で解説する。

  アメリカ政府が「新ドル札に切り替え」という荒治療をして、皆が持っている旧札を使えなくするそうだ。これが副島氏の言うところの、アメリカ版「金融封鎖」である。(P.196)

  紙幣のデザインを変えたら金融封鎖になる、とは少し強引過ぎないか? それに、いつアメリカ政府は金融封鎖をしたのか? 筆者には記憶がないので、誰か知っている人がいたら教えてください。元左翼の副島氏は、アメリカのやることなすこと何でも気にくわない。反米ならば愛国者になるらしい。たとえば、アメリカ国債を売ってその代わりユーロや金を購入せよ、と加藤紘一が発言しただけで、「加藤紘一は、愛国者なのである」と褒めた。(P.222) あの支那人にベッタリと寄り添って、日本の国益を害した売国奴が「愛国者」なのか? 副島氏の母国語は日本語のはずだが。

  リーマン・ショクが起きる前のアメリカ経済を語っていたので、副島氏の大胆予測も当たることがあった。

  「2008年の終わりごろからドルは下落を始めやがて1ドル100円を割っていくであろう。90円台を維持するか、もしかしたら80円台まで下がるのではないか。それが2009年、2010年にかけて起きる。つまりドルの暴落が始まる」(『ドル覇権の崩壊』 徳間書店 2007年, p.38)

   2008年に出版した本の中では、「今年(2008年)末には100円割れを確定して来年は80円台になると予想する。再来年は60円台だ。」(『連鎖する大暴落』徳間書店 2008年 p.13)

   確かに、2011年から2012年にかけては79円から76円くらいまで円高が進んだが、その後は徐々に100円台に向かってしまった。副島氏の予想では2009年には80円台になっていなくてはならなかったのに、90円台だった。2010年には60円台なのに80円台台で止まってしまった。

  船井幸雄との対談では、かつて1ドル360円という時代があったという理由から、副島氏は1ドル60円になると予測したのである。(船井幸雄・副島隆彦 『日本壊死』 ビジネス社 2005年 pp.25-26) そして、市場は円高・ドル安の方向に動くと予測した。

  「ですから最終目標値は1ドル=36円60銭となります。1ドルが40円割れするという、まさに天罰てきめん、ゾッとするような計算になります。」(p.38)

   えっ? いつそんなドル安になるんだ? 対談からもう10年くらい経つけど、まだ到来しないぞ。副島氏は100年単位のスパンで予測しているのか?  
 
  支那を勉強して書いたらしい本の中でも、副島氏は「私の予想では、2年後には1ドル80円とか60円になっているだろう。1ドル60円ということが3年後にはありうる。」(p.215) 実際はどうなったのか。2011年になっても60円台にはならず、2011年は77円くらいまでだった。その後は110円台に向かい、2015年になっても60円台にならなかった。(『中国 赤い資本主義は平和な帝国を目指す』 ビジネス社 2008年)

  「弱気にならず、間違いを認めず」が占い師の鉄則。副島氏は信者の読者を失望させないためにも、過去を振り返らずに予言を続けていくのである。

  本を売るには、なるべく“ショッキング”なタイトルがいい。人々が刮目して手に取ってくれるキャッチ・フレーズを出版社は欲しがる。だから、副島氏は本気かどうか知らないが、実現しそうもない話題を取りあげたのではないか。

  「二00四年七月から、新札が発行される。・・・ハイパー・インフレーションや強制的な預金封鎖が実施されるのは、それからしばらくしてであろう。」(『預金封鎖』祥伝社平成15年 p.23) 副島氏は「通貨当局は、その事態を見越して準備しているのであって、それはあくまでも『二00五年を皮切りとする数年間』の間に起こるだろう。」(p.163)

   現在は2015年だが、どなたか預金封鎖を聞きつけた人はいるのだろうか。銀行に電話して聞いてもいいが、ちと恥ずかしい。副島説によると、日本政府が巨額の累積赤字(借金・負債)を抱えているから、「デノミネーション(通貨単位の変更)」を行って「今の100円を1円にするか、もしかしたら、ハイパー・インフレを見越して、1000円を1円にするかもしれない」未来があるらしい。(p.189) うぁぁ。てえへんだ ! 貯金箱をどうしようかなぁ。

  副島氏の人民元信仰は異常である。支那の有力者や大富豪、共産党員だって人民元など信用していないのに、ドルが崩壊するから日本人に人民元を勧めていた。「中国が日本と同様のバブル崩壊に至ることはない。今の中国人はすごく頭がいい。」(『中国バブル経済はアメリカに勝つ』2011年, p.23) 支那経済に見切りをつけて、財産持って欧米にトンズラした裸官(らかん)の支那人は、副島氏の人民元信仰をどう思うのだろうか。

  アメリカ経済は激動を何回も繰り返すので、経済評論家は、楽観論より恐怖の警告を発していた方が無難だ。予測が当たれば自慢できるし、ハズレても「よかったね」で済むからだ。副島氏も警鐘を鳴らしていた。

  「何も存在しない根拠からアメリカ政府が世界で通用するマネーを作り出す認可を自分自身に与えている。そのことが、やがてドル紙幣の世界への過剰な散らばりを原因にした、“価格インフレーション”を生み出すことになる。それがドルの暴落であり、まさしく「ドル覇権の崩壊」である。」(『ドル覇権の崩壊』 徳間書店 2007年 p.167)

  なんだかなぁ。当たり前のことを仰々しく書いているだけだろう。 アメリカの外債が大爆発して償還不能となるのは間近だから、「アメリカ財務省とFRBバーナンキ議長は、もうすぐ「実質デフォルト宣言」を出すだろう。それは本当に間近である。2011年の前半には起きる。」(『日米地獄へ道連れ経済』 祥伝社 平成22年,p.83) 今年は2015年だよな。あれ? 大爆発はいつ起きるんだ? みんなでバーナンキに聴いてみよう。でも、辞任しちゃったよね。

  副島氏はなるべく多くの予言を書く。10個の予測より20個、20個より40個にする。そうすれば的中率が上がるのだ。そしてハズレた予測は無視して、当たった予言だけを次の本で自慢する。読者は以前の著書をすっかり忘れているから毎回騙される。よく元旦の新聞で、何名かの経済評論家が新年の経済予測を述べる。しかし、誰も1年後や10年後に検証して、ハズした評論家を非難しないだろう。経済予測とは「生魚」と同じ手で、賞味期限は短い。いちいち文句をつけても無駄である。

なぜか内部の秘密情報が分かる教祖

  副島氏にとって、ロックフェラー家とロスチャイルド家には宝の山が隠されている。民間人なのに副島氏の耳には、世界的な大富豪の秘密情報が舞い込んでくる。きっと、すごい情報網を持っているのだろう。副島氏にはロスチャイルドの陰謀や裏取引が透けて見えるのかも知れない。彼は三井住友銀行が英国バークレーズに出資したというニューズを紹介している。(2008年6月20日) すると、

  「おそらくこの三井住友による英バークレイズ銀行(当然ロカチャイルド系である)の緊急救済の話は、ジェイコブ・ロスチャイルド男爵(73歳。ロンドン・ロスチャイルド家の当主である)から直接来た話だろう。・・・・ロスチャイルド卿が、三井住友の最高幹部たちに頼み込んだはずである。」(『恐慌前夜』祥伝社平成20年 pp.165-166)

   わぁ、副島氏は盗聴器でも仕掛けていたのか? それとも、内部の通報者から会話を教えてもらったのか? イスラエルの諜報機関モサドから勧誘の話が来るカモね。

  独自の諜報機関を持っているのかも知れない副島氏は、ビル・クリントンの出生の秘密まで把握していたのである。ビル・クリントンの父親は事故死ではない、と述べる。なぜならば、実父がアーカンソー州知事を務めたウィンスロップ・ロックフェラーであるからだ。えぇぇー。ロックフェラー知事とクリントンの母親が密通して、ビルが生まれたのか! 一大スクープだ。ビルが、ローズ奨学金をもらってイギリスに留学したり、イェール大学に入学できたのは、「クリントンがロックフェラー一族の庶子だったからです。」(船井幸雄・副島隆彦 『日本壊死』 ビジネス社 2005年 p.141) 「私は別に陰謀論の立場から取材したのではありません」と仰る。(p.141) そうならば、副島氏はDNA検査の結果を持っているのだろう。是非とも公表してもらいたい。多分クリントン大統領の唾液でも入手して、ウィンスロップの息子のDNAと照合したのだろう。すご~い。

  昔、落合信彦が自慢げにCIAの友人がいると嘯(うそぶ)いていた。過去のトンデモ文章をすっかり忘れて『サピオ』で連載を続けている。副島氏も落合と同類の臭いがするのだ。副島氏は、中川八洋・筑波大学名誉教授についても驚くべき発言をしていた。「中川八洋筑波大学教授のような、CIAのインフォーマント(情報提供者)をやり」、と述べていたが、どうやってその情報を掴んだのか分からない。(『属国日本論を超えて』 五月書房 2002年, p.121) もちろん、本人からの告白ではないから、副島氏はCIAの極秘ファイルを見たのだろう。へぇ~。うらやましい。

  副島氏は自称「アメリカ政治の専門家」らしいが、米国の有名人に関してのの誤解や妄想がある。たとえば、アリゾナ州選出の上院議員で大統領選候補にもなったジョン・マケイン3世(John Sidney McCain III)は、父親(Jr.)と祖父(Sr.)が共に合衆国海軍提督になっており、米国では有名な軍人家族の出身である。海軍一家のマッケインが、ベトナム戦争で海軍パイロットを務めたのは、米国の一般人でも知っているトリビアである。しかし、副島氏は「復員軍人(空軍パイロットで北ベトナム捕虜生活五年)のジョン・マケイン上院議員」と紹介していた。(『アメリカの大嘘』 講談社 1999年, p.46) 軍服姿のマケインはよくテレビ番組で映されていた。海軍と空軍の制服が違うことに気づかなかったのかも知れない。たぶん副島氏は米軍についてあまり知識がなかったのではないか。戦闘機に乗っていたから、空軍パイロットと勝手に思っていたのだろう。

   副島氏は軍事も詳しいようだ。著書で文民統制(civilian control)について語っている。副島氏は、日露戦争や大東亜戦争に触れて、山縣有朋や東條英機が軍隊を指揮したことに言及している。副島氏は批判的に、日本では軍人が直接兵隊を動かしてしまった、と指摘する。アメリカでは、国防長官Secretary of Defenseの下につく陸軍長官も海軍長官も「文官(civilian シヴィリアン)」である。つまり軍人歴を持たない人々である。(『ハリウッドで政治思想を読む』 メディアワークス  2000年, p.104)

   うそー。じゃあ、初代国防長官のジェイムズ・フォレスタルは、海軍に入って航空士になった中尉じゃないのか。第二代長官のルイス・ジョンソンは陸軍大尉だったぞ。有名なジョージ・マーシャル国防長官は陸軍大将だったじゃないか。メルヴィン・レアード国防長官は、海軍少尉として駆逐艦に乗っていたのだ。彼はパープル・ハート勲章をもらっている。オバマ政権で共和党のチャック・ヘーゲル上院議員が国防長官になったのは皆知っているだろう。彼はベトナム戦争に従軍した軍曹であった。パープル・ハート勲章を二つもらっている。副島氏はアメリカ政治を専門に研究しているのに、なんでこんなことすら知らないんだ? 常葉学園大学で何を教えていたのか? まさか、「アポロ11号は月に行っていなかった」を講義しているのかなぁ。

  次は、日本軍と戦った父親のブッシュ大統領である。副島氏は、ジョージ・H・W・ブッシュ大統領がライス大学(Rice University)の教授をしていた、と述べる。(p.192)  だが、ジョージ・“ポピー”・ブッシュは、ある講演会で自分の過去を語っており、筆者も聞いたことがある。彼は一時期、大学でビジネス・コースの助手(adjunct professor)を務めていた。日本で言えば常勤講師か教授に仕える補助教員であり、月給ではなくコマ数給与をもらう身分だ。日本で「教授」と言えば、「正教授」と思ってしまうだろう。しかし、補助教員の待遇は悪いから、とても「教授職」とは呼べない。

  副島氏は政治思想を研究していたはずだが、世界的に有名でノーベル経済学賞を受賞したハイエックのことをユダヤ人だと勘違いしていた。副島氏はアメリカの政治を紹介する本なのに、政治学者のレオ・シュトラウスや哲学者のアンイ・ランドと同列に述べて、フリードリッヒ・A・フォン・ハイエック博士をユダヤ系知識人と分類していたのだ。(『現代アメリカ政治思想の大研究』 筑摩書房 1995年 p.156) 筆者はニュー・ヨークの有名書店バーンズ・アンド・ノーブルで、ハイエックの自伝を購入したからよく覚えている。ハイエック博士は自分の家系について興味があったので、御先祖について丹念な調査をしたという。そこで可能な限り調べたが、ユダヤ人の祖先を見つけられなかった。(F.A. Hayek, Hayek on Hayek, ed. by Stephen Kresge and Leif Wenar, The University of Chicago Press, 1994, p.62) ハイエック教授が故郷ウィーンで調べても分からなかった情報を副島氏は握っていたのだ。わぁぁぁ。ずごーーーい。副島氏恐るべし。名探偵コナンもビックリ。

アメリカ政治の裏を知る予言者は妄想家だった  

  アメリカ政治に精通していることを自慢する副島氏は、何でもお見通しなのだろう。バラク・オバマが当選する前から、大統領になると予言していた。「私、副島隆彦はここではっきりとバラク・オバマの当選を予言しておく。」「こういった先走った予言は大体失敗するから、いろいろなメディアや評論家たちも行わないのであるが、私はあえてこの時期に公然と予測を掲げておく。」(『連鎖する大暴落』 徳間書店 2008年 p.221) 副島氏は、2008年3月に予測していたが、当時おおかたのアメリカ人評論家もオバマ当選を予想していたのだ。だから、そんなに意外な予言的中ではない。ところが、副島氏は以前にヒラリーが民主党の大統領選候補になると“予言”していたのだ。

  ブッシュは持たないから、「私の予想では、あと半年もたたないうちに病気で倒れるとかの口実で、ブッシュは引きずり下ろされるでしょう。その後にライス国務長官を立てて、臨時の大統領という形で2年間やらせる。その後は民主党がヒラリーを立てて、ヒラリーとライスの一騎打ちをさせる方向に動く。」(森田実・副島隆彦 『アメリカに食い尽くされる日本』 日本文芸社 平成18年, p. 239) 予想に反して、ジョージ・ブッシュは健康のまま、任期を全うした。あれ、副島先生どうしちゃたの?

  船井幸雄との対談本では、副島氏は極秘情報を掴んで、別の予言をしていた。ジョン・エドワーズ上院議員は、「ウェスト・ヴァージニア州選出のジェイ・ロックフェラーに会いに行っているから、ジェイの後押しを受けるようになった。『次はオレたちの時代だ』というわけです。」「四年後には、ジョン・エドワーズが大統領になるのではないか、と私は現時点で予想しています」(船井幸雄・副島隆彦 『日本壊死』 ビジネス社 2005年,p.144)「三年後の民主党内の大統領選挙選びは、恐らくエドワーズとヒラリー・クリントンの一騎打ちの戦いになります」(p.144)

  米国の政界に精通している副島氏は、常識はずれの予言を行う。オバマは追いつめられたし、2010年11月2日の中間選挙で、共和党が勝った。

  「この事態を受けて、いよいよヒラリー・クリントン国務長官に交代する。私が2年前(オバマの大統領就任の直後)から予想(予言)してきたとおりになる。」(『日米地獄へ道連れ経済』 祥伝社 平成22年 p.220)

  国務長官が大統領になるには、現大統領が辞任する前に、仮の地位でもいいから、どうしても副大統領に就任していなくてはならない。

  ヒラリーが次の(2期目の2013年からの)大統領になるどころか、2011年中にもなる。副大統領に昇格して、そしてオバマは「病気を理由に辞任を表明」する。(p.223)

   しかし、副大統領のバイデンが拒否する。彼はCFR(外交問題評議会)の直系である。ネオコンのような戦争肯定の右翼ではない。穏健派である。「“実質の世界皇帝”デイヴィド・ロックフェラーの意向に反することになる。だから近いうちにバイデンは無理やり辞任させられるだろう。」(p.223と『中国は世界恐慌を乗り越える』ビジネス社2012年p.137) これって、新作のハリウッド映画に使われる脚本か? もしかしたら、Foxテレビの新たな『24』シリーズのために、副島氏がチーフ・プロデューサーにでも就任したんだろう。2016年にはどんな大統領選の予言をするのだろう? また、奇抜な脚本を期待していま~す。副島先生頑張ってください。

左翼回帰の果てに発狂か?

  類は友を呼ぶ。頭がおかしくなった副島氏は、ロシアの手先佐藤優と対談した。彼は皇室の継承問題にも言及し、例の大好きな「世界基準」とやらを持ち出したのである。ヨーロッパは女性の国王でもよいとする主義だから、日本もという発想を述べる。

  結局のところは、私は日本も女帝容認のほうに流れているのではないかと思っています。(副島隆彦X佐藤優 『小沢革命政権で日本を救え』 日本文芸社 平成22年 p.150)

   保守派を名乗っていた副島氏は、「天皇はもう国家のお飾りだから逆に女性の天皇をゆるして、ヨーロッパ的な王制システムに変えるという方法もあります。」(p.184)と提言していた。

  「私はヨーロッパ主義者ですから、女性が天皇になってもいいという考えです。」(p.185) 副島氏にとってはいいことでも、日本の伝統にとっては善くないのだ。それに加えて、「若者を含めた日本国民の多くは、女帝容認論を支持しているの」(p.151)

  だそうだ。ホントか? それは女系にして皇室伝統を潰そうとするマスコミの意見だろう。

  普段は愛国派を掲げているのに、副島氏は日本人を韓国で侮辱した小沢一郎を援護しているのだ。小沢がかねてから「自衛隊の国連待機軍構想」を掲げているから、「私は、大きな世界政治の枠の中では、小沢のこの構想は非常に優れていると思います。」(p.218) 我が国の自衛隊を、日本を前科者とする連合国の傘下に置くのか? 正気とは思えない。 

  自称保守派の副島氏には、靖國神社に対しても日本人らしい心がない。「私は『千鳥ヶ渕戦没者墓苑の拡充案』が出て、そこを世界基準としての無名戦士の墓として、花を持って参拝してくださいという案がやはり正しいと思います。」(p.188)「したがって、小沢一郎民主党が推進するとおり、国立の戦没者慰霊碑を建てて、国民皆がお参りできるようにするのが一番いいのです。(p.220) そんな無名戦士の墓なんか作ったって、誰も参拝しないだろう。筆者は故・中村粲・獨協大学名誉教授が反対していたのを覚えている。こんな提案は税金の無駄。

  国籍問題について副島氏は、左翼のマスコミや民主党売国議員と変わらない。永住外国人の地方参政権付与について、「私はこの問題については、とりあえず賛成という立場を取っています。」(p.172) 副島氏はお得意のワールド・ヴァリュー(世界普遍価値)基準で判断するという。

  「私は中国人、朝鮮人を差別するべきではないと考えていますから、地方参政権ぐらいは認めて「代表なければ課税なし」の原理で、彼らに選挙・被選挙権を認めてもいいと思うのです。」(p.173)「永住外国人に地方参政権を与えて困るのは、実際に川崎市と大阪の生野市、それから島根県の一部でしょう。これ以外には問題は拡大しないと思います。この程度ですむならば、私は「永住外国人の地方参政権」は結局、実施されてしまうと思います。」(p.178)

   国籍と納税は表裏一体ではない。もし、在米日本人が合衆国政府に税金を払ったら、アメリカ国籍がご褒美に附いてくるのか? 家電量販店のポイント・カードと国家が発行するパスポートは、全くの別物であることを副島氏は認識していないのだ。在日朝鮮人・韓国人に対して副島氏は述べる。「なるべく日本国籍を取りなさいという運動もそれ自体としてやっていくべきです。それでも帰化要件は相当厳しいのではないでしょうか。」(p.177) 日本は帰化条件が簡単すぎて困っているのに、これ以上支那人や朝鮮人を受け入れたら、日本が異国化してしまうだろう。帰化支那人の石平が驚いていた。日本国籍賦与はクレジット・カード審査より甘かったそうだ。バナナの叩き売りとは訳が違うのだ。

  副島氏は支那問題の本を書くようになって、益々精神がおかしくなってきた。もう既に論破されて主張する者がいないのに、副島氏は南京大虐殺があった、と喝破する。

  いまだに「南京大虐殺はなかった」論を言い立てている日本の言論人たちがいる。愚かな人々である。」「私はずっと秦郁彦氏の説を支持し続けている。「虐殺はあった」のである。(『時代に学ぶ知恵 時代を見通す力』 PHP研究所 2008年 p.282)

  秦氏は、今ではインチキ本として確定している曽根一夫の『私記南京虐殺』(彩流社 昭和59年)を資料として使っていたのだ。(『南京事件』 中公新書 昭和61年 p.217) また、澄田睞四郎は、『任官六〇周年陸士第二十四期生小史』の中で、兵士等の軍紀が頽廃し、放火や殺人、強姦、虐殺をして、さほどの悪行とは思わなかった、と記述している。この本も怪しいのに、秦氏はこの箇所を自著で引用しているのだ。(p220) 今となっては恥ずかしい限りだろうが、秦氏はスマイス博士の説をとって、一般人の死者2.3万人、捕らわれてから殺された兵士3.0万人を基数としている。(p.214)

  支那に旅行して精神異常になった副島氏は、従軍慰安婦についても語っている。支那人が支那事変中に20万人くらいの日本軍用の従軍慰安婦がいたと主張している。そこで副島氏は言う。

  「存命している彼女たちは強制的に慰安婦にされたと主張している。私はこの主張は正しいと思う。「人買いが自分の親にきっとお金を払ったのだろう、親が自分を売った」という真実を吐けば、どんな人でも涙がこぼれる。それを「強制」と言うのだ。分かったか。日本の愚かな保守言論人どもよ。」そして、「私はいわゆる従軍慰安婦問題では徹底的に中国や韓国の言い分の肩を持つ。日本は過去のことで本気に謝罪すべきなのだ。向こうがそう主張し、要求をしている限り正面から受け止めなければならない。」(『中国赤い資本主義は平和な帝国を目指す』 ビジネス社 2008年 pp.203-204)

   もう、かける言葉も出ない。呆れて批評の仕方が分からなくなる。「強制性はあったと認めなければならないし、今後は日本国民の意思一致としても、広義の意味での戦時中の強制的な大量の性奴隷、セックス・スレイブとしての女性たちが存在したという事実を日本側は認めなければイケナイのである。」(p.204) 朝日新聞の植村隆や本多勝一が聞いたら、涙を流して喜ぶだろう。

  「アジア人どうし戦わず」(『中国赤い資本主義は平和な帝国を目指す』p.42)が副島氏の政治理念だという。
「尖閣諸島は俺たち(日本国)のものだと無条件、無前提に騒ぐのがいけないのだ。」権力者に騙されて、戦争に駆り出されるからだという。

  「だから今、自分が当然のことだと思っている考え方自体を一度疑ってみることが重要だ。」(p.48)自分の頭は疑わないのか? 副島氏は、領土問題は国家間の話し合いで解決すべきだから、支那人の言うことにも耳を傾けよ、と促す。尖閣諸島を自分のものだという日本人は「ケチくさい、しみったれた人格」の人間だという。(p.196) 自分が行ったこともないし、観たこともない土地や島のことで、「あれは私たち(日本人)のものだ」と言う。島の土地を所有していない日本人が領土のことを持ち出すのはおかしい、と副島氏は言うのだ。終いには、愛国心とは極悪人たちが一般国民を煽動する時に使う言葉である、と言い出した。(p.196)

  竹島の領有権についても、韓国の立場に立って考えよ、と提言する。まず単純に、その島が本土に近い方が、その領有権を主張するに決まっているから、だそうだ。えっ、距離の問題なのか? もう、ダメだこりゃ。
 
  支那人についての言論はもうメチャクチャ。江沢民や曾慶紅たちは現実保守派のワルと定義し、副島氏は自分がただの貧乏な言論人だから、「正義の立場で一応、胡錦濤・温家宝ら善人指導者たちの肩をもつ。」(p.179)という。 なんでそんな分類が出来るのか。江沢民と曾慶紅は背後にいるロックフェラー家から支援を受けていて、巨大な石油利権を持っている、と述べている。(p.179) はぁ? どうやって、そんな秘密が副島氏には分かるのだ?副島氏によると、悪人とは現実重視派で、大金持ちを優遇する腐敗容認の者たち。善人とは「まじめな改革・開放派で貧富の格差を抑える人物。善人には趙紫陽、喬石、万里、朱鎔基などがいて、彼らは民衆から観た「善人」であるという。支那人には「普通に悪い人」と「非常に悪い人」、「邪悪を極めた人」がいるだけ。善人は「馬鹿」という意味で、喰われて死ぬだけだ。

  尖閣問題となれば、既に支那人の虜(とりこ)。アメリカが憎けりゃ袈裟まで憎い。尖閣諸島沖の支那工作船拿捕について。「実際、この衝突事件は、アメリカが企画して日本にやらせたものである。」(『中国バブル経済はアメリカに勝つ』 2011年, p.40) 副島説によると、「166トンの小さな船が自分の方から武装している外国の警察船にぶつかってゆくことはありえない。海上では船舶は危険行為を避けなければならない。他の船に接近してゆくこと自体が危険行為である。これを「臨検、臨検」と言いながら日本の海上保安官たちがやったのである。」(p.42) あーあ。ついに精神が飛んじゃった。副島氏は日本の「反中国極右翼」たちが漁船の乗組員を中国の軍人だと主張することに、疑問を投げかけている。(p.44) 実際、乗組員はどう見ても一般の漁民ではなく、民間人を装った軍人であったのに、副島氏にはそれが分からなかった。彼は言う、「中国が、一党独裁の共産主義国だからとにかく嫌い、という人々は、『中国漁船の方がわざとぶつけてきたのだ』と、今でもずっと骨のズイから信じ込んでいる。」(p.45) 「ハロー」副島さん、お元気?

  陰謀論が大好きな副島氏によれば、「この中国漁船船長の逮捕(拿捕)は初めから、アメリカの指図で行われた。日中の国境紛争として、日本を中国にぶつける計画としてアメリカのリチャード・アーミテージ(Richard Armitage)が司令官となって行った。」 (p.47)副島氏は、このアーミテージ氏はCIAと米特殊部隊の合同軍の司令官である、と言う。彼が「本当の麻薬(アヘン、コカイン)王である」とまで断言している。(p.47) そんなのどうしてわかったのか。どんな証拠を握っているのか、教えてくれ。でも、米国でなぜスキャンダルにならないんだ?

  副島氏は、支那空軍に魅せられて、支那の空軍力を高く評価する。副島氏の頭からすると、支那の人民解放軍の方が米国軍よりも強い。「死ぬ気で戦うという兵士の士気の高さと、貧乏から這い上がってきた人間たちの気迫の点で中国軍が勝つだろう。」(p.188) まさか、人民解放軍から小遣いを貰っていないよね?

 独りよがりの歴史観を披露する副島氏は、「過去の戦争中の日本の中国侵略については、中国が要求するのであれば、いくらでも謝罪すべきだ。ここで居直ると見苦しい。」(『中国赤い資本主義』p.199)とまで宣(のたま)う。副島氏は「私は、大陸に近い北九州出身であり、やっぱり中国大陸に近い。ワーワーうるさい、控え目でない「中国人のような日本人」であるらしい。しかし、私は「在日」ではない。だから私は、今でも人前で鼻クソをほじくるような中国人の気持ちが、わりとよく分かる人間である。」(p.199) もう、脳味噌まで支那人に近くなったのであろう。教祖様は何を言っても真理なのだろう。あ~あ、今日は頑張って長く書いてしまった。ホントに疲れる人だよなぁー。ちょっと休もう。



人気ブログランキングへ