ユダヤ人の尻尾を踏んだアン・コールター

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(左/アン・コールター)

  「触らぬ神に祟りなし」はアメリカでもあるようだ。しかし、この神はユダヤ人。お金が物を言うアメリカ社会では、「武士は食わねど高楊枝」なんて言っていられない。アメリカでの「自由」とは、「財産」あっての自由である。月の光で勉強する文士なんて居やしない。アメリカがヨーロッパ人にとって魅力的だったのは、信仰上の「自由」が保障されるからではなく、身分社会で生まれた貧乏人でも、新大陸に渡って一稼ぎすれば、他人に媚びず中流の暮らしが出来たからだ。西歐人が「私有財産」と「同意に基づく課税」に敏感なのは、お金があってこその独立を理解しているからだろう。宵越しの銭を持たなくても幸せだった江戸の庶民とは違うのだ。特に保守派の知識人は、敵に回す人間の方が多いから、生活を維持するだけの充分な収入が必要となる。新聞記者が「サラリーマン根性」から抜け出せないのも、独立して筆一本の暮らしが出来ないからだ。黒岩涙香(くろいわ・るいか)や陸羯南(くが・かつなん)三宅雪嶺(みやけ・せつれい)とは比べものにならない凡庸なジャーナリストだと、社長や編集長に黙って従うしかない。ちょっとした相続財産でもあれば、俺もさっさと会社を辞めてやるのに、と思う記者は結構いるんじゃないか?

  リベラル派が多数を占めるアメリカ社会では、日本人と同じく、左翼マスコミと闘う保守派文士の生活は楽ではない。大学教授にでもなれば、学外で好き勝手な言論を吐くことができる。しかし、その大学は左翼の寡占状態。ピンク知識人、赤い活動家、爆弾テロリストなら問題ないが、西欧世界の伝統を重視する白人の保守的アメリカ人はなかなか教授になれないし、要職にだって就くことが出来ないのが現状だ。となれば、保守派知識人はベスト・セラーの本を出版するか、雑誌に投稿して小銭を貯めながら地方巡業で稼ぐしかない。こうした保守論壇で異彩を放つのがアン・コールター(Ann Coulter)だ。黒人活動家やフェミニスト、民衆党リベラル派を敵に回して、遠慮無くずけずけと物を言う彼女の姿勢は、左翼社会に不満を募らせる庶民から絶賛を浴びるようになった。男性の保守派が言えば世間からのバッシングを受けるような意見でも、女性の保守派が言えば、多少の反論は巻き起こるが、謝罪会見にまで発展することはから大丈夫。まぁ、女だから許される風潮があるのかも知れない。

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(左: アン・コールター / アンイ・ランド / ミッシェル・マルキン / 右: ドナ・ブラジル)

  アメリカでもリベラル思想の知識人というのは、掃いて捨てるほど居るから、真っ赤な頭の女性論客というのは珍しくない。ところが、白人女性で共和党支持を表明し、筋金入りの保守派論客となればその数は知れている。アン・コールターはその数少ない保守論客の内の一人だが、彼女が人気を博しているのは、中高年のオバちゃん学者ではなく、若くてスラりとした体型を誇る金髪美人であるからだ。もし、コールター女史がアイン・ランド(Ayn Rand)みたいなロシア系ユダヤ人とか、ミッシェル・マルキン(Michelle Malkin)の如きフィリピン系アメリカ人、民衆党全国委員会の総裁であるドナ・ブラジル(Donna Brazil)のような黒人女性なら、テレビ番組に引っ張りだこになることはないだろう。視聴者は醜女(しこめ)より美女の方を好むし、心理学者の見解によれば、美人が語る見解の方がより大きな説得力があるそうだ。従来だと保守派文士の容姿は、中の下くらいが普通だった。ところが、予想に反してバービー人形みたいなブロンド美女が現れたから、人気が出たのも無理はない。(映像メディア時代の現在だと、やはりテレヒ映りは重要だよね。)

  FOXテレビは一応、ABCやCBS、NBC、CNNといった民衆党支持で、リベラル思想に凝り固まったネット・ワークと一線を画し、やや保守的な共和党路線を取ることで注目されてきた。それに、社主のルパート・マードックか誰の発案か分からないが、メイガン・ケリー(Megyn Kelly)やサンドラ・スミス(Sandfra Smith)、ジェナ・リー(Jenna Lee)といった美脚の女性キャスターを揃えることで、番組を華やかにする方針を取っている。英国の新聞「ザ・サン(The Sun)」を買収したマードックは、女性のセミ・ヌードを掲載して販売部数を増やそうとしたから、もしかするとオーナーの指示かも知れない。それはともかく、他のテレビ局との差別化を図り、なおざりにされていた共和党支持の視聴者を引きつけるため、FOXテレビはアン・コールターに目をつけた。歯に衣を着せず民衆党の政治家を辛辣に批判しするコールターの態度は、視聴者にとって新鮮だったし、ユーモアを交えて左翼ゲストに反論を加える姿は爽快である。しかも、様々な雑誌にコラムを投稿し、テレビで活躍するコールターが書く本は、毎度ベスト・セラーとなったから、彼女の人気はうなぎ登り。保守派の大会に彼女が出演すると、オッさんの政治家や評論家の中で一際目立つから、主催者側は次回も登壇を頼みたくなる。やはり、目玉のゲスト・スピーカーには“華(はな)”が必要だ。

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(左: メーガン・ケリー / 中央: サンドラ・スミス / 右: ジェナ・リー)

  アン・コールターは黒人やイスラム教徒、ヒスパニックに対して言いたい放題なのに、しょっちゅうテレビ番組に招かれる。普通ならいくら美人でも、テレビ局から追放されてしまうだろう。出演依頼が激減するかゼロになってもおかしくはない。でも、それが起きないのはなぜか? 答えは簡単。コールターがユダヤ人批判をしないコラムニストだから。左翼思考が濃厚なテレビ業界といえども、共和党支持の保守派論客がテレビ出演を続けるのは不可能ではない。民衆党に飽き飽きしている視聴者だってゴマンといるからだ。しかし、ユダヤ人が牛耳るテレビ局で、イスラエル・ロビーやユダヤ人を徹底的に批判する事はタブーである。いくら人気者であっても、ユダヤ人の民族性や狡猾さを指摘して、ユダヤ人がアメリカの政界・財界・官界を支配している、と警告する者は粛正されてしまうのだ。フォックス・テレビで人気があったグレン・ベック(Glenn Beck)は、ジョージ・ソロスを番組で取り上げたから、契約切れという形式をもってクビになった。別に視聴率が下がったからではなく、ユダヤ人富豪の黒い経歴やお金の流れを追求したからだ。社会主義やカール・マルクス、バラク・オバマを批判する程度ならいいが、左翼の元兇たるユダヤ人にまで拡大したのは失敗だった。テレヒ番組に出演したければ、ユダヤ批判という地雷を踏まぬことが鉄則である。アン・コールターはユダヤ人を批判しないどころか、逆にユダヤ人贔屓で、イスラエルを支持するという矛盾した愛国主義者なのだ。アメリカの伝統や歴史を真に愛する保守派なら、必ずユダヤ人の害悪に気づくはずなのに、彼女は巧妙にそれを避けてきた。したがって、彼女の出世には「秘訣」があったという訳だ。

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(左: アン・コールター / 中央: ジョージ・ソロス / 右: グレン・ベック)

  そんなアン・コールターは思わぬミスを犯した。最新作『さらば、アメリカ ! (Adios Ameca !)』を出版したコールターは、中南米移民やムスリム難民などが犯す事件や殺人、強盗、強姦に対して警鐘を鳴らし、怠慢な合衆国政府を辛辣に批判する。移民の流入に反対を表明したドナルド・トランプを支持する彼女は、他の大統領選候補者が移民対策に及び腰だから、常に業を煮やしていた。どいつもこいつも保守を掲げる政治家なのに、討論会に参加すれば、口先ばかりの経済政策と教育・医療改革ばかり。焦点となる移民流入を防ぐ手段となれば曖昧模糊を決め込んでいる。アメリカ社会の根底が揺らいでいるのに、大統領を目指す連中は、自分がどれほどイスラエルを支持しているか、を宣伝するのに躍起になっていた。みんな「私はユダヤ人有権者の味方ですよ」、といったおべっかに終始するから、一般の共和党員は嫌になってしまう。そこでコールターはツイッターで致命的文章を書いてしまった。ある討論会で、テッド・クルズやマイク・ハカビー、マルコ・ルビオは、「大統領になったらアメリカはどんな風になるのか」という質問なのに、皆イスラエルのことばかり熱心に語っていたのだ。酒が入っていたのか、コールターは、「この人達はいったい糞ユダヤ人ども(fucking Jews)が米国に何人いると思ってるのかしら」とツイッターに書いてしまった。(Jewish Publication Could Drop Ann Coulter After ‘F--ing Jews’Scandal, Haaretz, September 20, 2015) アメリカ人口の数パーセントしか占めぬユダヤ人に対して、どの候補者もユダヤ人にゴマを擦ることてで頭がいっぱい。こんな体たらくなら、「移民の被害を受ける白人共和党員のことは考えないのか !」、と怒るコールターの気持ちも理解でるなぁ。

  普段からユダヤ人に対して好意を示しているアン・コールターだけに、このツイッターは瞬く間にネットに流布し、「反ユダヤ的」との見出して話題となった。彼女は取材に訪れた記者に対して、自分のツイッターは文脈を無視して切り取られ、センセーショナルな表題で焚きつけられたのだ、と弁解し、自分が今まで如何に熱心なイスラエル支持者であるかを、そして、ユダヤ人の敵に対してどれくらい反駁してきたかを述べたという。それでも、鬼のようなユダヤ人は許さない。それというのも、彼女は長年、ユダヤ人の雑誌『ジューイッシュ・ワールド・レヴュー(Jewish World Review)』にコラムを載せてもらっていたからだ。好き勝手な言論をかばってやったユダヤ人からすれば、「さんざん面倒をみてやったのに、何だあのツイッターの文面は ! “糞ユダヤ人ども”だって ? この恩知らずの白人女め ! 」と言いたくなるじゃないか。さっそくシオニスト団体は、コールターが準レギュラーのように出演するフォックス・テレビに圧力を掛け、彼女を“干してしまえ”と脅したようだ。(Barring apology, right-wing Zionist demand Fox News fire Ann Coulter for f--ing Jews tweet, The Jerusalem Post, September 22, 2015) さすが、冷酷非情なユダヤ人。刃向かった白人に対する「仕置き」は素早い。主人の手を噛んだ飼い犬はとことん懲らしめなきゃ。ユダヤ人の鞭はアメリカ社会の隅々に配置されているから怖いぞ。

  アン・コールターが有名なテレビ藝者になれたのも、ユダヤ人という大金持ちの「旦那」がいたからである。そりゃそうだろう。大手メディアのテレビ局で、黒人やヒスパニック、イスラム教徒などをコテンパンに批判しても、出演依頼が絶えないなんておかしいじゃないか。彼女は冗談交じりのムスリム批判を繰り広げていたのだ。例えば、9/11テロ以降、アメリカ人が旅客機に乗ろうとすれば、身体検査や荷物検査で数時間待たされることが普通になってしまった。苛立つアメリカの白人客は口にこそ出さないが、「どうして俺たちがこんな長蛇の列で待たなきゃならないんだ? あのイスラム教徒のアラブ人やアフリカ人だけを調べればいいじゃないか !」と心の底で思っている。そんな鬱憤を察知していたのか、彼女はテレビ番組にもかかわらず、「イスラム教徒のアラブ人は絨毯(カーペット)に乗って空を飛べばいいのよ」と笑いながら語っていたのだ。普通の男性評論家がこんな発言をすれば、いくら冗談でも抗議の電話が殺到し、即刻テレビ業界から追放されるだろう。でも、日本人ならコールターの身分を理解できるんじゃないか。暴言を吐く芸能人でも、創価学会や朝鮮系企業、暴力団などの強力な後ろ楯がついていれば、少々の不祥事だってもみ消してもらえるし、ワイドショーのニュースにもならない。テレビ局だって、公明党議員という尖兵を擁する創価学会やパチンコ業界を率いる朝鮮人、ヤクザと昵懇の藝能事務所が相手だと、揉め事を起こしたくないだろう。ただし、親方の機嫌を損ねた藝人は、簡単に「お払い箱」になってしまうから注意が必要だ。

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(左: エドワード・ケネディー / 中央: ジェイコブ・ジャヴィッツ / 右: エマニュエル・セラー)

  アン・コールターは最新刊『さらば、アメリカ !』を引っ提げて、中南米からの不法移民による犯罪を告発し、彼らに免罪符を与えようとする連邦議員を手厳しく批判している。しかし、彼女は移民問題の核心、すなわち移民を米国に引き込むユダヤ人への批判は避けてきた。彼女は1965年の移民法で、故エドワード・ケネディー上院議員を非難しているが、それよりも更に悪質なユダヤ人団体やユダヤ系議員には、奇妙なほど沈黙を守っている。彼女はヒスパニック移民とリベラル派議員に対しては、激しく糾弾するが、ユダヤ人のエマニュエル・セラー下院議員やジェイコブ・ジャヴィッツ上院議員まで遡って攻撃することはない。米国への移民を調べれば、ユダヤ人が果たした役割に嫌でも気づくはずなのに、コールターはユダヤ人が跋扈(ばっこ)する領域に足を踏み入れなかった。明らかな巨悪の前で怯む「保守派の寵児」を目にすれば、誰だって「おい、どうしたんだ? 」と野次りたくなるじゃないか。もし、警察官が街頭で覚醒剤を捌く「シャブの売人」だけを捕まえて、その供給源である暴力団を見逃すような真似をしたら、国民は「何グズグスしてんだよ !」と怒るだろう。ちょっと世間通の人ならば、「警察署長とヤクザの親分はゴルフ仲間じゃないのか?」と疑うだろう。現実には、暴力団事務所への「ガサ入れ」を事前に教えて、「貸し」をつくる警官だっているんだ。世の中は持ちつ持たれつ複雑である。アン・コールターの経歴を知れば、日本人でも納得できるはずだ。

ヒスパニックと結託するユダヤ人

Mark Diamond 2(左/マーク・ダイアモンド)
  ユダヤ人が移民改革法の背後で暗躍していることは、大手のユダヤ・メディアが伝えているから秘密でも何でもない。例えば、アメリカ・ユダヤ委員会に属するラビのマーク・ダイアモンド(Rabbi Mark Diamond)は南米からの移民を引き込むため、穢らわしいキリシタンと手を組んで、一緒に移民流入賛成の音頭を取っていた。このラビに付き随っていたのは、カトリック教会のアレクセイ・スミス神父、監督派教会のメアリー・グラスプール牧師、その他、長老派教会やメソディスト教会の聖職者たちである。しかし、不思議なのは、なぜキリスト教会の聖職者がユダヤ教のラビと協力して移民流入を推し進めるのか、という点である。ユダヤ人は白人国家を多民族主義で破壊したいから理由は明白。一方、キリスト教徒の指導者が張り切るのは、自分が如何に善人であるかを示すためだろう。豊かな国で優雅に暮らす聖職者は、スリルの無い退屈な生活に飽きている。密入国を果たすため、川を渡る途中で溺れた子供や、仲介業者の餌食になってお金を巻き上げられる難民親子をテレビで観れば、一肌脱いで助けたくなる。しかも、新たな信徒獲得のチャンスだから鼻息が荒くなるのも当然だ。世俗主義にまみれた白人どもは、日曜日になれば礼拝堂ではなく、野球スタジアムかコンサート会場に向かい、高価なチケットを購入するくせに、神聖な教会には一銭も払わない。それなら、教会に集まる密入国者やヒスパニックの方がマシだろう。信徒不足に悩む聖職者にとって、神様の国よりディズニーランドを選ぶアメリカ人なんてどうでもいいのだ。

Robert Gittelson 1(左/ロバート・ギッテルソン)
  ユダヤ人は表面上、保守派を名乗る共和党員でも、その中身は民衆党リベラル派と大して変わらない。包括的移民法改革を考える保守派(Conservatives for Comprehensive Immigration Reform)を組織したロバート・ギッテルソン(Robert Gittelson)も、そうしたユダヤ人の一人だ。彼は繊維産業で成功を収めたビジネスマンで、出稼ぎ外人を受け容れる上限枠に関心があった。連邦議会上院は、1年で20万人と提案していたのだが、ギッテルソンは、この人数は少なすぎると異議を唱え、実際の相場では最低でも30万人くらいは必要だろう、と考えていた。しかし、彼の本心は移民の生活より、自分の利益の方にあった。この“善意溢れる”ユダヤ人は、中南米からの安い労働者を求める産業界の声を代表していたのである。ユダヤ人にとって、西欧系白人の国家がどうなろうが知ったことではない。それに、アメリカは第二次世界大戦の頃、ユダヤ難民を拒絶した前科がある。恨みなら千年経っても忘れないユダヤ人だ。伝統的にユダヤ人を侮蔑してきた西歐人が、白人だけの豊かな国家を維持して、幸せに暮らすなんて我慢がならない。数年前亡くなったギッテルソンは、共和党の移民改革法案を「聖書に反している」し、「残酷なものだ」と評していた。(Rex Weiner, Jews Unite Behind Push for Immigration Reform, The Jewish Daily Forward, June 26, 2013) 彼の視点は祖国を愛するアメリカ人ではなく、隣国を憎むメキシコ人の側にあったのだ。

Angelica Salas 1(左/アンジェリカ・サラス)
  「敵の敵は味方」というのは、政治学の定理である。ユダヤ人にとって西欧系白人が敵ならば、彼らを敵として恨むヒスパニック勢力は味方となる。「ロサンジェルス移民人権連合(Coalition for Humane Immigrant Rights of Los Angeles)」を率いるアンジェリカ・サラス(Angelica Slas)は、移民問題でユダヤ人と手を組んだ。豊富な資金と政界に強力な人脈を持つユダヤ人と結託すれば、ヒスパニック団体にとって「鬼に金棒」、頑固な白人議員に対しては「葵の御紋」となるのは確実。サラスは札付きの左翼活動家で、2006年には大規模なデモを組織し、大勢の仲間を集めて、ロサンジェルスの大通りを闊歩(かっぽ)しながら、「我々の仲間を滞在させろ(Let my people stay !)」と叫んでいたらしい。移民促進を図る勢力の背後には、さらに巨大な悪党がいた。その一つがフォード財団である。ヘンリー・フォードが創ったこの組織は、ケネディー政権で有名な、あのマクジョージ・バンディーを迎え入れてから、その方針がすっかり左翼路線に切り替わり、リベラル勢力の巣窟になってしまった。アメリカ社会を根底から改造したいフォード財団は、移民を入れようと躍起になっているアメリカ・ユダヤ委員会(AJC)の下部組織、ブリッヂング・アメリカ・プロジェクト(Bridging America Project)に2年間で約100万ドルを与えていたのだ。

  アメリカに数多くある悪徳財団を述べたら長くなるので省略するが、大富豪が金欠の左翼活動家に資金を流していることはあまり報道されない。例えば、ユダヤ人大富豪で「オープン・ソサエティー財団」を創設したジョージ・ソロスは、ヒスパニック団体に巨額な献金をしていたし、タイズ(Tides)財団にも350万ドルの活動資金を流していたのだ。このタイズは反戦活動家のドラモンド・パイク(Drummond Pike)が作った慈善団体で、左翼組織として知れ渡っていた。左翼は仲間同士でお金を回しながら増殖する習性がある。オバマが大統領選挙に出た時、不正事件を起こしていた極左団体のエイコン(ACORN)は、保守派のメディアでちょっと伝えられたが、裏でオバマ支持に奔走していたことは余り報道されなかった。エイコンは明らかに極左活動家の住処(アジト)なのに、慈善活動家の仮面を被るパイクは、何と100万ドルの献金を渡していたのである。大富豪のユダヤ人と極左のアメリカ人、下劣なヒスパニックが、舞台裏で連携していることに、一般のアメリカ白人は気づかない。マスコミがユダヤ人に支配されていると、いかに恐ろしいかを示す一例である。

Drummond Pike 1Eric Garcetti 2Antonio Villaraigosa 2Betty Hung 1








(左: ドラモンド・パイク /エリック・ガルセッティ / アントニオ・ヴィラレゴサ / 右: ベティー・ハン)

  今やカルフォルニアはメキシコの一部か、と思われるほどヒスパニック系住民が溢れている。移民が増えて、有権者の体質が変化すれば、選ばれる政治家の性質も変わってしまう。現在のロサンジェルス市長は、エリック・ガルセッティ(Eric Garcetti)というユダヤ・メキシコ系アメリカ人である。彼の前任者はアントニオ・ヴィラレゴサ(Antonio Villaraigosa/ 本名Antonio Ramon Villar, Jr.)という札付きの左翼であった。ヴィラレゴッサの父親はメキシコからの移民だったから、息子のアントニオがヒスパニック移民に同情するのは当然だ。「類は友を呼ぶ」という格言は正しい。移民で溢れるロサンジェルスで、ガルセッティのようなユダヤ人とメキシコ人の混血児が市長になれば、アンジェリカ・サラスのようなヒスパニック左翼は伸び伸びと活動ができる。彼女は進歩派ユダヤ人同盟(Progressive Jewish Alliance)やユダヤ労働委員会(Jewish Labor Committee)、ベンド・ザ・アーク(Bend the Arch)といったリベラル派団体と癒着して、移民促進を手伝ってもらう代わりに、中東におけるイスラエルの立場を支援したのだ。豊かなアメリカ社会に同胞を呼び寄せたいヒスパニック系アメリカ人にとって、遠く離れた中東アジアで何が起ころうが知ったことではない。ユダヤ人有力者の歓心を買うためなら、イスラエル支持に投票することくらい安いものだ。こうして、ユダヤ人とヒスパニックが水面下で密約を結び、南米からの移民を増やしているのだから恐ろしい。

  ユダヤ人とヒスパニック癒着してが旨い汁を吸うならば、そこに支那人が参入してもおかしくはないだろう。ロサンジェルスに拠点を構えるアジア大平洋アメリカ法律センターで、政策担当者を務めるベティー・ハン(Betty Hung)は、有名なユダヤ人団体である反毀損同盟(Anti Defamation League)と共同戦線を張ることにした。約300万にもいるアジア系アメリカ人を味方につけることができれば、数で劣るユダヤ人にも利益がある。選挙になれば、ユダヤ人が推薦する候補に、ヒスパニック票とアジア票が加算されるのだ。そうなれば、イスラエルに有利な外交政策を実現することができるから、シオニスト組織のユダヤ人幹部は大喜びだ。支那人を始めとするアジア人移民にとって、合衆国政府の中東政策がどうなろうと平気だし、イスラエルを助けるためにアメリカ兵が中東アジアで何人死のうが関係ない。彼らは手足を爆弾で吹き飛ばされたり、顔面に炎を浴びて苦しみながら帰還する負傷兵に一片の憐憫も感じないのだ。アジア移民は国籍を取っても、白人や黒人の将兵を仲間と見なさないから、彼らは依然として異邦人である。

Mark Hetfield 2(左/マーク・ヘットフィールド)
  ユダヤ贔屓のアン・コールーターは、中南米移民を引き入れるヒスパニック団体を非難したが、移民・難民を積極的に引きずり込むユダヤ人団体ヘブライ移民支援協会(Hebrew Immigration Aid Society/HIAS)については遠慮して黙っていた。この組織は創立125周年を迎える老舗で、昔は主に東欧からのユダヤ移民を支援しており、ヒトラーが台頭してくるとユダヤ難民の引き込みに熱心だったというい。ジャーナリストのダラ・リンドがHIASの最高責任者マーク・ヘットフィールド(Mark Hetfield)にインタヴューをしていたが、その内容は西欧系アメリカ人なら憤慨するに違いない。彼の話によれば、HIASのメンバーはヨーロッパからのユダヤ難民を受け容れてくれるよう、合衆国政府に必死で頼んでいた。しかし、合衆国政府は他国がユダヤ難民を受け容れたので、門戸を閉ざしてしまった。これが契機となって、落胆したアメリカ在住のユダヤ人は、同胞のためだけに受け容れを叫んでいてはダメだ、と悟ったらしい。そこで、保護されるべき難民すべてについて、人権擁護の立場で発言せねばならぬ、と作戦を変えたという。(Dara Lind, We used to take refugees because they were Jewish.Now we take them because we're Jewish, Vox Media, September 25, 2015) ユダヤ人がユダヤ難民を助けてくれと懇願しても、それは身内贔屓と見なされるから、どのような難民でも民族・人種に関わりがない、普遍的人権の問題にすり替えれば、渋い顔の合衆国政府を動かせるんじゃないか、と閃いたそうだ。つまり、1人のユダヤ難民を助けたければ、世界中の難民を10人、あるいは100人もちだせば「人類愛」からの要求となるから、大統領としても無碍(むげ)に断る訳にも行くまい。

  HIASを率いるヘットフィールドは、よそ者の心(the heart of a stranger)を分かっている、と自慢していた。なぜなら、彼らユダヤ人はエジプトに居た時「よそ者」であったからだ、という。日本人なら「おぉぉい、ちょっと待て ! いつの話をしているんだ? 」と言いたくなるだろう。預言者モーセがユダヤ人を引き連れて、エジプトを脱出した時代に言及するなんて、時代錯誤じゃないか? チャールトン・ヘストンの代表作『十誡』という映画なら日本人も覚えているが、現在の移民政策で紀元前の話を持ち出すなんて非常識だ。ヘットフィールドによれば、HIASが難民を助けていたのは、彼らがユダヤ人であったからだが、現在は彼らが難民の苦痛を知るユダヤ人であるからこそ、様々な地域から来る難民を支援しているのだという。最近だと、このHIASはシリア難民まで米国に引き入れたいそうだ。それなら米国のユダヤ人は、シリアの隣国イスラエルに、難民受け容れの圧力をかければいいんじゃないか。わざわざ、地中海や大西洋を越えて北米に来るより、ゴラン高原を越えてイスラエルに雪崩れ込む方が簡単だろう。しかし、米国のユダヤ人は神聖な祖国イスラエルをシリア難民で汚したくない。「ヒューマニズム」を謳うイスラエルは、ユダヤ人が主体の人種主義国家であるから、愛国的なユダヤ人はアラブ人やシリア人、イラク人、エチオピア人といった異民族を排除せねばならない。場合によったら迫撃砲で蹴散らしても良いと考えている。ナチスに迫害されたユダヤ人が、祖国イスラエルでナチズムを再現する光景は愉快だ。移民排斥を訴えるアン・コールターは、大好きなイスラエルのナチズムを称賛すべきだ。

  アメリカの保守派には立派な人物もいるが、ユダヤ人のお金と権力に屈する人物がいるから残念である。しかし、我々もアメリカ人を笑ってはいられないだろう。日本のテレビ局は左翼ばかりか、朝鮮や支那の資本家に支配されており、誰も支那人や朝鮮人の犯罪に迫る言論を述べることができない。それというのも、支那人や朝鮮人を本気で糾弾する評論家や学者は、危険人物としてブラック・リストに載っているからだろう。また、支那で商売をする企業が番組スポンサーになっていれば、北京政府から睨まれるのを恐れるから、番組制作者は安全な評論家しか招かない。御用学者もそれを承知しているから、当たり障りのないコメントでお茶を濁す。出演料をもらえれば、どんなおべっかでも口にできる連中だから、一般視聴者は不満だろうが我慢するしかない。一方、テレビ局は「嫌なら観るな」と言うだけだ。こんな状況じゃ、テレビや新聞を見ない若者が増えても当然だろう。池上彰や古舘伊知郎で満足する奴なら、頭の程度は知れている。多少世の中を知りたい者は、インターネットを駆使して、欲しい情報を集めるしかない。今ではスポンサーの縛りを気にせず自由に発言できるのは、インターネットとミニコミ誌くらいだ。「言論の自由」は「スポンサー・フリー」でなけりゃ無理だよね。




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