教科書に載せて全日本人に知らせたい現代史 支那人の卑史 朝鮮人の痴史
黒木 頼景
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米国を「白人の国」へ戻したいトランプ

 メイソン・ロック・ウィームス(Mason Lock Weems)の作品に、有名な『桜の木』という童話がある。誰もが知っているストーリーだが、良い子のみんなのために言うと、6歳のジョージ・ワシントンは、手斧を持てたのが嬉しくて、道端にあるものを片っ端から切っていた。すると、父のアウグスティンが自慢する桜の木があったので、ちよっとした好奇心からその幹にも刃を入れてみたくなったという。案の定、樹皮は斧で剝かれてしまい、桜の木は枯れてしまったそうだ。これを発見した父のアウグスティンは驚き、さっそく息子のジョージに誰があんな事をしたのか、と尋ねた。すると、素直なジョージは、「父上、僕は嘘をつけません」と答え、自分が木を傷つけたことを告白したという。それを聞いた父親は感心し、息子の正直さを褒めて赦(ゆる)したという話になっている。

Donald Trump 1George Washington 2Mason Lock Weems 1








(左: ドナルド・トランプ  / 中央ジョージ・ワシントン  / 右: メイソン・ロック・ウィームス )

  もっとも、これはウィームスの創作だから史実ではないが、第19世紀から第20世紀の中葉くらいまで、よく語られた偉人伝である。英文科の学生なら「マクガフィー読本(MucGuffey Reader)」を聞いたことがあるはずで、こうした道徳物語集は曾ての“古き良き”アメリカで教えられ、学校の教師や躾を大切にする親は、子供たちに読み聞かせたものである。しかし、コンドームの付け方や密入国者も市民です、と訴える学校では、取り上げている教師なんかほとんど無いんじゃないか。筆者はウィリアム・ベネット(元教育長官)のネタ本に興味があったし、敬虔さを重んずる旧いアメリカ社会を知りたかったので、米国で出版された道徳本や公民読本(「良きアメリカ人」を育成するための副読本)に目を通したことがある。子供向けの薫陶だったが、いかにも西歐的で信仰と倫理を最優先したアメリカの教育は素晴らしかった。日本だと、昔の講談社とか実業之日本社が出しそうな修養書みたいなものと思えばいい。

  ところが、第21世紀のこんにち、「正直さ」というのは美徳ではなく、「不謹慎な言動」であったり、「政治的に正しくない考え」、「他者を害する(offensive)行為」であるらしい。「口は禍(わざわい)の元」というが、トランプ大統領は、“正直に”自分の意見を吐露したので糾弾される破目になった。というのも、彼はハイチからの移民・難民を侮辱したからだ。「事件」はホワイトハウスで起きた。いつものように会議が開かれ、トランプ大統領は側近からブリーフィングを受けたそうだ。彼は共和党のリンゼイ・グラム(Lindsey Graham)上院議員と民衆党のリチャード・ダービン(Richard J. Durbin)上院議員を交えて会談を行い、彼らの提案や要請を聞いて不機嫌になっていた。なぜなら、両上院議員は臨時保護対象(Temporary Protected Status)から外されていた国家に再び保護を与えるよう提言していたからである。(Monique O. Madan, "Trump asks why people from shithol countries like Hiti and El Salvador come here, reports say", Miami Herald, January 11, 2018)

  しかし、移民反対の立場を訴えてきたトランプには承服しがたい。彼は側近に向かって、「なぜ我が国にやって来る、あの肥溜め国からの連中を求めるんだ?」と尋ねたらしい。(Eli Watkins and Abby Philip, "Trump decries immigrants from shithole countries coming to US", CNN, January 12, 2018) すると、この暴言をワシントン・ポスト紙が嗅ぎつけたから欣喜雀躍(きんきじゃくやく)となった。トランプ憎しの記者が耳にすればトップ記事になるのは間違いない。さっそく、各メディアが取り上げた。「みなさぁ~ん、トランプの失言ですよぉ~」と大はしゃぎ。トランプ当選で煮え湯を飲まされたCNN、ABC、NBC、ニューヨーク・タイムス紙などが大々的に報道し、トランプ大統領の人種差別発言を宣伝していたのだ。(ちょっと「肥溜め/ 便所shithole」とは酷い表現だが、実際のハイチを目にすれば、日本人だって「そうだよなぁ」とうなづくだろう。それとは関係無いけど、筆者は昔NY州のジャマイカ地区を散策したことが数回あるけど、あの街は全般的に生ゴミ臭いし、「アメリカ」というより黒人だらけの「アフリカ」や「ジャマイカ」という感じだった。色々な体験があったけど、ここでは述べないことにする。)

  それにしても、トランプの“気さくな”発言は、それほどの「暴言」なのか? 彼は執務室で側近に尋ねたらしい。

    「 どうして合衆国はハイチやアフリカからの人間をどんどん欲しがるんだ?」

さらに、次の意見を加えたという。

  「合衆国はノルウェーのような国からもっと人を受け容れるべきだ。・・・なんで更なるハイチ人が必要なんだ? あいつらを取り除けばいいじゃねぇか!」

  さすが、ドナルド・トランプだ !! 良い事を言うじゃないか。まさしく正論だ ! ハイチからの黒人がどんどん上陸して、中流階級のアメリカ白人は大迷惑だ。昔、ハイチで大地震が起き、多くの黒人が避難者となったので、アホの左翼と白人の偽善者が多くの女子供を米国に連れてきたことがある。ずぶ濡れになった野良犬じゃあるまいし、異質な種族を自国に招いたら後が大変だ。生活水準や風習、思考、容姿の点で大きく違うハイチ人はアメリカ社会に溶け込めないし、たとえ文化や英語を覚えても容易に同化できるものではない。ドロップアウトして犯罪に走るか、社会福祉に頼り切りの生活を送るのが関の山である。だいいち、ハイチ人が住んでいた国の状態を見れば解るじゃないか。あんなゴミ溜めみたいな街に生まれ育った人間が、ホスト国のアメリカに適合できるはずがないだろう。しかも、黒い肌を持ちアフリカ人の顔附きなんだぞ。洗練されたアメリカ白人と“対等”になれるなんて嘘に近い。(ハイチ人はアフリカに移住すれば差別に苦しまなくても済むのに、わざわざ米国に渡って差別に来るしむんだから自業自得である。) 理想や道徳を述べるのは勝手だが、人間というのは「外見」の印象で感情が左右されてしまうものだ。それに、災害や紛争を逃れてきたハイチ人やアフリカ人は、「難民」なんだから気軽に「アメリカ国民」にすべきではない。「難民」は“一時的”な滞在者であり、“恆久的”な居住者ではないから、ある期間が経過すれば本国か他の地域に追い払うのが筋である。それが出来なければ、離れ小島に監禁するという処置も考えねばならない。

  なるほど、トランプの意見は政治的配慮に欠けるかも知れないが、リベラル派議員がいつも口にする偽善が無いからまだ「まし」だ。大学で左翼教育を受けたクルクルパーの白人なら反撥するだろけど、中西部や南部の田舎に住む白人が聞けば、諸手を挙げて「その通り !」と賛成するだろう。高等教育というのは、ある種「常識の撲滅」であるから、大卒者の意見は「非常識」なものが多い。一方、トランプの発言は沈黙の白人を代弁するものである。以前、彼は「ハイチ人なんかナイジェリア人と同じく、みんなエイズ持ちだ !」と評したし、「あいつらはアフリカにある自分の“小屋(huts)”に帰ろうともしないんだからな !」と述べたそうだ。(Michael D. Shear and Julie Hirschfeld Davis, "Stoking Fears, Trump Defied Bureaucracy to Advance Immigration Agenda", The New York Times, December 23, 2107) 左巻きのジャーナリストは、こうした「暴言」に厳しい批判を加えたそうだが、一般の白人たちなら、心の底で「そうよねぇ~」と賛同するんじゃないか。

  日本人だってエイズ持ちのハイチ人が近寄ってくれば、我が子を遠ざけようとするし、一緒の職場で働きたくない、と思ってしまうだろう。たとえ、エイズ患者でなくても、何らかの伝染病を持っているかも知れないから触れあいたくない。確か、支那でサーズ(SARS / 重症性呼吸器症候群)が猛威をふるっていた頃、筆者はある用事で中央線を利用し、印象的な場面に遭遇したことがある。長椅子に坐っている乗客の一人が咳き込んでいると、周りの乗客が徐々に離れていったのだ。「偏見」に満ちた乗客は、「憐憫」よりも「脅威」を感じているようだった。また別の時、支那語を話すアジア人乗客がいたんだけど、当然ながら隣に坐る女性はいなかった。若い女性だと、ちょっと離れた位置に移って吊革を摑んでいる。筆者は雑誌を読む振りをしながら、気付かれないよう周囲の乗客をジっと観察していたことがある。そう言えば、中高年のオバチャンは別にして、若いOLとか女子大生が黒人に挟まれて坐ることは稀で、もし、両脇にパキスタン人やトルコ人がいたら、その真ん中には坐らないケースが多い。疲れていて坐りたくても、じっと我慢するんじゃないか。筆者は変態じゃないんだけど、有色人種の外人に対し、一般人がどう反応し、如何なる行動(無意識的な動き)を取るのかに興味がある。もし、エレベーターの扉が開いて、黒人ばかりが乗っていたら、日本人女性は気にせず中へと乗り込むのか? ある人は遠慮して(あるいはビックリして)「パス(回避)」したり、ちょっと待って隣のエレベーターに乗ろうとするはずだ。

100%の確信を持ったアメリカ人だって?

  トランプの「暴言」を耳にして、早速、大統領に怒りをぶつける議員が出て来た。ユタ州選出の共和党下院議員であるミア・ラヴ(Mia Love)は、ハイチ系アメリカ人で、大統領に謝罪を求めたそうだ。彼女はトランプに腹を立て、大統領のコメントは「配慮に欠け、人々を分断し、エリート的なうえに、我が国の価値観から見ても、とんでもない発言だ」と評していた。また、「彼の行動は我々の指導者として受け容れ難い」とも述べていた。(Julie Hirsch Davis, Sheryl Gay Stolberg and Thomas Kaplan, "Trump Alarms Lawmakers with Disparaging Words for Haiti and Africa", The New York Times, January 11, 2018) 

  ラヴ議員に続いて、民衆党の下院議員ルイス・グッテレス(Luis V. Gutiérrez)も参戦してきた。このグッテレス議員は筋金入りの移民推進論者で、イリノイ州から選ばれたヒスパニック系住民の代弁者。彼はユダヤ人のチャック・シューマー(Charles E. Schumer)上院議員と雙壁を成す反米分子と言えよう。前大統領のバラク・オバマと並んで、有色人種の移民や難民を擁護するグッテレスは、「茶色いオバマ」といった感じだ。彼はこう述べた。

  私はアメリカ人として、大統領を恥ずかしく思う。・・・彼のコメントには失望した。信じられない。だが、驚きはしなかった。100パーセントの確信を持って言えるが、この大統領は合衆国憲法ならびに独立宣言に体現される価値観を共有しないレイシストである。

  米国史を勉強した白人なら、「このヒスパニック野郎は、何を言っているんだ ?」と眉を顰めるだろう。 独立戦争前後の入植者たちは、アフリカ大陸やカリブ海諸島からの有色人種を一顧だにせず、自分達が持つ個人資産や先祖伝来の権利、つまり「イングランド“臣民”の権利」を守りたかっただけだ。彼らの頭には「黒人の権利」など一切無く、どうやって黒い家畜を最大限に利用するのか、というのがもっぱらの関心事であった。黒人の事を考えるとすれば、奴隷市場に出品された黒人のうち、「どいつが丈夫そうなのか」、「虫歯は無いのかな?」、「値段と能力が釣り合うのか?」といった点しかない。そもそも、合衆国憲法を起草したジェイムズ・マディソンやアレクサンダー・ハミルトンたちが、野蛮国からやって来た黒い動物や、トルコとかアラビアに棲息するイスラム教徒の帰化を想定して、国家体制を整えたは思えない。

  ちなみに、アメリカ人が大切にした「権利の章典」とは、イングランドの国王に忠誠を誓う臣下の権利であって、コンゴやエチオピア、あるいはパレスチナとかマレーシアの村落に転がっている「外人の権利」ではないのだ。左翼学者が持て囃す「人間の権利」などは、流血のフランス革命を起こした気違いどもや、西歐文明を呪詛するユダヤ人が“でっち上げた”妄想である。もし、この“普遍的概念”が至高の権利であるとするならば、ペニス・サックを自慢するパプアニューギニアの土人も「所有」しているはずで、彼らが持つ「権利」など雑草のようなものだ。 もたとえ、そんな「権利」があるとしても、我々が代々受け継ぐ「日本国民の権利」と同じはずがない。だいたい、犬に関する扱いにだって地域差があるんだぞ。日本人は柴犬と秋田犬を「猫っ可愛いがり」するけど、隣の朝鮮や支那では単なる「食材」だ。旨そうな犬をさらってきて、紐で足を縛ったら、天井につるし、棍棒で思いっきりぶっ叩く。激痛に耐えかねた「食材」は、数キロ先でも聞こえるほどの悲鳴を上げて絶命する。それに、ワンちゃんの皮剥ぎなんてゾっとすじゃないか。朝鮮人の迷信によれば、恐怖に怯えた犬の肉はアドレナリンで「美味」になるそうだが、日本人なら吐き気がする。目を蔽いたくなるほど凄惨な屠殺方法は、日本の家庭では絶対無理。日本の料理人には決して真似できない。朝鮮人は「なぜニダ? 寒い季節に犬鍋は最高だぞ!」と笑みを浮かべるが、日本人だと彼らをバットで殴りたくなる。

  余談だけど、コーギー犬の尻尾を切断するイギリス人やアメリカ人は鬼畜だなあぁ。いくら仔犬だって、親からもらった尻尾を切られたら、激痛で泣きたくなるだろう。日本人の飼い主の中にも馬鹿な奴がいて、イギリス人の悪習を踏襲し、コーギー犬の尻尾を切断する者がいる。それなら自分の小指を先に詰めてからペットを虐待しろ ! 何も知らない仔犬が可哀想じゃないか ! 尻尾の切断手術をしたくせに、自慢しながらコーギー犬を連れている日本人は頭がどうかしている。日本政府は寄生している在日朝鮮人の「権利」より、無力な動物が発する鳴き声に耳を傾けるべきだ。(本当に可哀想なんだから。) ちなみに、英国人は数年前に、こうした動物虐待を禁止したそうだ。

  脱線したので話を戻す。トランプ大統領はハイチからの黒人より、ノルウェーからの白人移民を好んだという。こうした「傾向」は一般のアメリカ白人にも顕著である。これは“現実”のアメリカ社会を見れば明らかだ。新聞・雑誌で社会事件の記事を目にするけど、白人対黒人の摩擦とか人種上の犯罪などがしょっちゅうある。移民問題でも、アラブ系や東南アジア系、アフリカ系の流入となれば、人種的および文化的摩擦が絶えない。しかし、北歐からの移住者だと、すんなりとアメリカ社会に同化し、人種的対立が起こらず、宗教的なイザコザも発生しないのである。例えば、セネガル出身のイスラム教徒黒人とキリスト教徒のアングロ・サクソン系白人が結婚すれば、白人側の親兄弟が不満を述べたり、混血児の将来が心配になるけど、スウェーデン人やノルウェー出身の白人プロテスタントなら、ほとんど問題が無い。 日常生活に必要な英語能力の問題だって、ノルウェー人には深刻でないし、食文化の違いなど微々たるもんだ。(ドイツ移民だって英語は障壁にならない。そもそも、英語じたいが「古いドイツ語」なんだから。) それに、冷凍食品やジャンク・フード漬けのアメリカ人が、魚介類の料理に文句をつけるなんて身の程知らずである。アメリカ人はあまり意識しないけど、啓蒙主義時代を経た今にちでは、宗派的相違だって気にならない。例えば、カトリック教会に通うドイツ=アイリス系の亭主と、北歐のルーテル教会で育ったオランダ=ノルウェー系の妻が、秘蹟の解釈や聖餐の化体説を巡って夫婦喧嘩をするのか? もし起こったとしても、鼻血を出す程の殴り合いにまで発展しないし、別居や離婚に至るまでの騒動にもならない。それに、生まれてくる赤ん坊の件でも、両親や祖父母と同じ容姿になるから安心だ。

「好ましい」北歐系アメリカ人

  実際、ノルウェーやデンマーク、スウェーデンからの白人移民が、アメリカ社会で理不尽な人種差別に悩み、希望する会社に就職できないとか、高級住宅地の邸宅購入を拒絶される、警察官から意味不明な職務質問を受ける、なんて事件が多発しているのか? アメリカ社会では北歐系白人への「差別」なんてまずあり得ない。逆に、大学入試で優秀な白人が落とされ、愚劣な黒人受験者が合格というケースはある。また、都市部の黒人やヒスパニックの下郎が「白い肉」を求めて強姦することもあるだろう。だが、西歐系白人が同じ白人を「スカンジナヴィア出身」という理由で排斥するというのは想像しづらい。北歐移民の同化率は非常に高いし、その子孫は地元民から歓迎されるし、何の抵抗も受けずに“自然”と融合できるのだ。北歐系の有名人を思い出せば分かるじゃないか。

  例えば、もう「レジェンド」としか表現できない女優のグレタ・ガルボ(Greta Garbo)、映画『風とライオン』およびTVドラマの『マーフィー・ブラウン』で一世を風靡したキャンディス・バーゲン(Candice Bergen)、大ヒットTVドラマの『ダイナスティー』で話題となったリンダ・エバンス(Linda Evans)、『ターミネーター3』で脚光を浴びたクリスティーナ・ローケン(Christina Loken)、TVドラマ『ハート&ハート』で知られる二枚目男優のロバート・ワグナー(Robert Wagner)や名優ロバート・ミッチャム(Robert Mitchum)がいるし、日本のエルヴィス・プレスリー・ファンなら当然知っている美人妻のプリシラ・プレスリー(Priscilla Presley)、巨額なギャラを稼ぐ一番人気の歌手テイラー・スウィフト(Taylor Swift)などである。(プリシラの孫娘ライリー・ケノーを見ると、種族保存が如何に重要かがよく解る。)

 
  政治家なら駐日大使になった元副大統領のウォルター・モンデール(Walter Mondale)がいるし、大空の英雄チャールズ・リンドバーグ、アポロ11号で月面に辿り着いたバズ・オルドリン(Buzz Aldrin)、ネオコンの師匠格であったヘンリー・スクープ・ジャクソン(Henry Martin “Scoop” Jackson)上院議員、連邦裁判所の首席判事になったウィリアム・リンクウィスト(William Rehnquist)やJFK暗殺事件で調査に当たったアール・ウォーレン(Earl Warren)判事、「アンタッチャプル」を率いてアル・カポネを捕まえた敏腕捜査官エリオット・ネス(Eliot Ness)などが挙げられよう。日本の高校生だと、パリスとニッキー・ヒルトン(Paris & Nicky Hilton)の姉妹が直ぐに思いつくはずだ。ただし、妹のニッキーは第三代ロスチャイルド男爵、ヴィクターの孫にあたるジェイムズと結婚し、「ロスチャイルド」の名前を冠している。

Walter Mondale 1Earl Warren 1William Rehnquist 1Eliot Ness 1








(左: ウォルター・モンデール  / アール・ウォーレン / ウィリアム・リンクィスト / 右: エリオット・ネス )

  これはトランプ(?)と筆者の好みになってしまうけど、モデルのニッキー・ジーリング(Nikki Ziering)も北歐系アメリカ人である。彼女の旧姓は「シーラー(Shieler)」なんだけど、ユダヤ人俳優のイアン・ジーリング(Ian Ziering)と結婚したので、夫の家族名を名乗っている。また、結婚に伴ってユダヤ教に改宗してしまったから憐れだ。というのも、二人は後に離婚してしまったので、ニッキーは何の為にユダヤ教徒になったのか分からない。(元異教徒が離婚後も敬虔なユダヤ教徒のままでいるとは考えにくいんだけど、意外と頑張って誡律を守っているかも知れないなぁ。) 

     これまた筆者の私的好奇心になってしまうんだけど、パンク・ロック界の寵児、イギー・ポップ(Iggy Pop)が北歐系アメリカ人であることは、日本人の間ではあまり知られていない。彼の本名は「ジェイムズ・ニューウェル・オスターバーグ(James Newell Osterberg, Jr.)」というから、スカンジナヴィア系移民の子孫であると判るだろう。哀しいこに、最近の大学生に彼のことを尋ねると、「ザ・ストゥージス(The Stooges)のヴォーカル? イギー・ポップって誰? 聞いたことがない !」と言われてしまうのだ。まぁしょうがないけど、こうした解答に世代間ギャップを感じてしまい、結構ショックを受ける事がある。小林克也とか筆者からすれば、イギーの『サーチ・アンド・デストロイ』は懐メロなんだけど、20代の若者からすれば「未知の曲」であるらしい。

  ちなみに、伝説のロック・バンド「グレイトフル・デッド(Greatful Dead)」のブレント・ミドランド(Brent Mydland)やジェリー・ガルシア(Jerome John Garcia)も北歐系アメリカ人なんだよ、と言いたいのだが、「グレイトフル・デッドって何?」と訊いてくるから言葉が出ない。ちょっと前、人気ロック・バンド「モーターヘッド(Mötorhead)」のレミー(ベース&ヴォーカル)が亡くなったけど、日本で哀しむのは「サザン」の桑田佳祐と筆者くらいかなぁ。(実際はもっと多いと思うけど。) 話を戻すと、北歐系アメリカ人は各界に多く浸透しているものの、彼らの外見が白人なので、その民族性はあまり目立たない。社会学や政治学を専攻する大学生なら知っている、『誰が支配するのか? (Who Governs?)』の著作で有名なイェール大学教授ロバート・ダール(Robert Alan Dahl)も北歐系アメリカ人だ。

  日本の保守系雑誌でさえ滅多に言及しないが、カルフォルニア州立大学やフーバー研究所に勤めたヴィクター・デイヴィス・ハンソン(Victor Davis Hanson)教授もスウェーデン移民の子孫で、生まれ故郷のカルフォルニアに住みついた五代目であるという。彼は西歐の戦史やギリシア史の研究で知られており、筆者が今の大学生に勧めるとすれば、彼の『殺戮と文化(Carnage and Culture)』や『ホプリテス(Hoplites)』、『西歐流の戦い方(The Western Way of War)』を挙げたい。特に、スパルタ人の戦闘様式や尚武の精神を扱った『ホプリテス』は興味深くて有益である。彼の経歴は研究機関の歴史家としては異色で、大学教授をする前、祖父や父親から受け継いだ稼業のブドウ栽培に従事していた。こうした経験から、彼には古代ギリシア人の心情が多少解るという。古代において、戦争に負けると自分の故郷を破壊・掠奪されることは当り前で、敵軍の攻撃を受けて退却・避難した場合、ギリシア人は自分のブドウ畑が敵兵に荒らされるのを見て、胸が引きちぎれるほどの悲哀を嘗めたそうだ。したがって、自分の家屋や農場、祖国を蹂躙されたギリシア人が、復讐の鬼となっても不思議ではない。ギリシア人の戦争は敵の殲滅が常識だったから、攻撃する時も敗北する時も凄惨な状況が多くなる。

可哀想なら自宅に泊めてやれ !

Henry Cabot Lodge 1Albert Johnson 1Sam Erwin 1James Eastland 1







(左: ヘンリー・カボット・ロッジ  / アルバート・ジョンソン  / サム・エルウィン  /  右: ジェイムズ・イーストランド)

  またもや脱線したので話を元に戻す。アメリカ合衆国はブリテン国民のイギリス人やスコット人が主体となって独立した共和国なので、西歐白人が社会の主流になることは当然である。ブリテン王国の「元臣民」が歓迎する移民というのが、同じ文明圏に属する西歐人であったのも不思議じゃないし、本来なら、西歐人だけに移住を許すべきであった。過去の移民法改正でも、異質な種族を排除しようと奔走したアメリカ人は多かった。例えば、上院議員のヘンリー・カボット・ロッジ(Henry Cabot Lodge)とか、アルバート・ジョンソン(Albert Johnson)議員、ジェイムズ・イーストランド(James Eastland)議員、サム・エルウィン(Sam Erwin)議員、規制派の大御所パトリック・マッカラン(Patrick McCarran)議員、国務省の外政官であるウィルバー・カー(Wilbur S. Carr)、社会学者のエドワード・A・ロス(Edward A. Ross)、今では忘れ去られている学者のマディソン・グラント(Madison Grant)など、錚々たる愛国者が存在したのだ。ところが、彼らは現在の学校で徹底的に否定されている。「人種差別論者」というレッテルを貼られてしまい、彼らが具体的にどう反論したのかは説明されることがないのだ。アメリカでさえ「ブラックリスト」に名を載せられるくらいだから、日本の大学で肯定的に紹介されることはない。第一、その名前さえも知らない学生が多数派なのだ。

Patrick McCarran 1Wilbur Carr 1Madison Grant 2Edward Alworth Ross 1








(左: パトリック・マッカラン  / ウィルバー・カー  / マディソン・グラント  / 右: エドワード・ロス )

  トランプ大統領の「暴言」はアメリカ国内で非難囂々(ごうごう)だが、彼の率直な意見は重要である。人々は政治家の信念を聞きたがっているのだから、トランプの発言を頭ごなしに否定すべきではない。主要メディアはトランプのことを徹底的に吊し上げているが、彼らの上司とかテレビ局のスポンサーたちが「どんな」生活をしているのか、“具体的”に紹介してから、大統領を批判すべきだ。黒人の移民や難民がいない閑静な高級住宅に「お城」を構え、高給リムジンに乗って出勤する高級幹部は、一般的に「移民賛成派」だが、それなら憐れな黒人たちを気前よく自宅に泊めてやれ。リベラル派の“豪邸”なら、数十人は楽に収容できるだろう。ハイチ難民が自宅の便所でウンコしたからといって、「臭くて嫌だから、別のトイレに入ろう」なんて言うんじゃない。人間の大便というのは、黒人でも白人でも、「だいたい」同じ悪臭を放つんだからさぁ。こうした「平等」を厭がると、「極右」のレイシストに指定されちゃうぞ。




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