信用できない情報源

Trump 25Hillary Clinton 48







  アメリカ合衆国における反トランプ勢力の陰謀は凄まじい。どんな手段を使おうが、「何としてもトランプを抹殺すべし !」と執念に燃えた左翼が全米中に溢れている。連邦議員による敵対陣営への裏工作とか、大手マスコミの政権批判は毎度のことだけど、政治的中立性を保つはずの司法省が腐っていたとは驚きだ。しかも、民衆党の縄張りになっていたのだから見過ごせない。不動産王のドナルド・トランプが大統領選挙に出馬を表明してからというもの、マスコミ各社はこの「部外者(アウトサイダー)」を蛇蝎の如く嫌い、贔屓のヒラリー・クリントンを陰に陽に擁護して、彼女を女性初の大統領にしようと躍起になっていた。

  温かいマスコミの支持を得たヒラリーも、目の前にぶら下がっている念願の椅子を手に入れようと必死で、盛んにトランプ批判を繰り返していたのは記憶に新しい。浮気症が治らない亭主のビルにヒラリーが離婚もせずにジっと我慢していたのは、ひとえに大統領になりたいからである。しかし、その「夢」も「幻」に終わってしまい、ヒラリーの政治生命は終焉を迎えることとなった。だが、もしかすると、彼女以上に失望感を味わっていたのは、左巻きの主要メディアかも知れない。あれほど全力でヒラリーを応援したのに、中西部や南部の保守派白人が、あろうことにトランプを担いでしまい、このド素人をホワイトハウスの主人にしてしまったのだ。リベラル派の知識人や報道陣は憤慨し、悲しみと怒りが混じり合って、もう気が狂わんばかりに怒っていた。彼らからすれば、テレビ藝人上がりの商売人など、教養の欠片(かけら)も無い下層白人の代表者に過ぎない。したがって、彼らの評価は「ネオナチまがいの頑固者」、「人種偏見の権化」、ないし「外政音痴の唐変木(とうへんぼく)」といったところだ。

Trump supporters 3Hillary Clinton 49







(左: 熱心なトランプ支持者  / 右: 意気銷沈したクリントン夫妻 )

  クリントンの敗北を目にして自失茫然の左翼陣営であったが、暴君打倒の炎を絶やしたわけではなかった。彼らはトランプ陣営とロシアとの“関係”に注目し、その“いかがわしい”闇を突こうとしたのである。こうして主要マスコミは「ロシア疑惑」を囃し立て、トランプを大統領の座から引きずり落とそうと謀った。ところが、トランプを追い詰めてチェックメイトをかけようとした、その時、運命の女神(フォルトゥーナ)はトランプに微笑んでしまったのだ。しかも、正義の女神(テーミス)までもがトランプに靡いてしまったから、まさしく泣きっ面に蜂である。ざっくり言えば、民衆党シンパやヒラリー陣営がトランプの側近を締め上げて、彼らの親分を射止めようとしていたのに、その手法が「イカサマ」とバレてしまったのだ。

Carter Page 2(左  / カーター・ペイジ)
  「トランプ包囲網」に綻びが生じたのは、トランプ陣営のカーター・ペイジ(Carter Page)に関するFBIの調査であった。その前に、このペイジについて述べねばなるまい。彼は1990年代、合衆国海軍に所属し、その後ビジネスと国際関係論で学位を取得したそうだ。(彼は博士号のPhDを取得している。) 大学を出ると有名な投資会社の「メリル・リンチ」に就職し、ロシアと東歐の動きに注目していたという。こうした関心から、彼は頻繁にロシアを訪れたようで、ロシア屈指の国営石油会社「ガスプロム(Gazprom)」に助言を与える仕事もしたそうだ。

  それにしても、なぜロシア関連の仕事をするメリル・リンチ社員が、トランプ陣営の外政担当チームに加わったのか、と言えば、単なる偶然と自らの“売り込み”があったからだ。トランプがまだ共和党の代表候補者になりかけだった頃、彼の選挙陣営は外政方針を定めるチームを発足させ、その大役は保守派のラジオ司会者であるサム・クローヴィス(Sam Clovis)に任された。しかし、ペイジはクローヴィスからの「お声掛かり」を待ちきれず、ニューヨークの共和党議長を務めていたエド・コックス(Ed Cox)に直談判し、トランプ陣営に加えてくれるよう頼んだのである。そこで、コックスは選挙マネージャーを務めるコーリー・ルワンドスキー(Corey Lewandowski)にペイジを任せ、彼がこの新入りをクローヴィスに会わせた。こうしてペイジはトランプの「スタッフもどき」になることができたのだ。しかし、トランプの選挙陣営で報道係を担当したジェイソン・ミラー(Jason Miller)によれば、ペイジは一度も正式な選挙スタッフにはなっていないという。

Sam Clovis 1Ed Cox 1Corey Lewandowski 2









( 左: サム・クローヴィス /  中央: エド・コックス/ 右: コリー・ルワンドスキー )

  ただ、ペイジには疑惑を招くような雰囲気があった。まず、彼はロシアに対して好意的で、米国の外政方針はクレムリンに対して厳しすぎると批判していたのだ。さらに、彼はロシアの要人と会談することも多かった。例えば、ロシアの大手石油会社「ロスネフチ」の経営者であるイゴール・セチン(Igor Sechin)と会って、米国による禁輸措置について話し合っていた。また、ロシアの諜報将校であるイゴール・ディヴェイキン(Igor Diveykin)とも接触し、何かを話していたらしい。ロシア分析を専門とするベイジがロシア人と会談するのは当然だが、トランプの対露政策が融和的なので、米国のジャーナリストは「何らかの密約があるのでは?」と勘ぐったのである。なるほど、大統領になる前からドナルド・トランプは、ロシアと戦略的パートナーになることを示唆しており、ロシアを目の敵(かたき)とするよりも、むしろ共同で世界政治を動かそうと考えていた。だから、一部の専門家や政治家たちが猜疑心を抱いたのも“もっとも”だ。しかし、現実政治を念頭に置けば、ロシアと悉く対立するより、何らかの取引で経済的繁栄を図った方が良いと考えるのは自然な流れである。

Devin Nunes 1(左  /  デヴィン・ヌーネス)
  カーター・ペイジのような末端のアドヴァイザーが、何度ロシア人と接触しようが、ホワイトハウスにおける意思決定機関に影響は無い。ところが、このペイジに目を附けた人物がいた。それが元英国諜報員のクリストファー・スティール(Christopher Steele)である。この元スパイは心の底からトランプを嫌いだったようで、開示されたデヴィン・ヌーネス(Devin Nunes)のメモによれば、スティールは絶対にトランプを当選させてはならぬと思っており、何としても奴を大統領にさせてはならぬと息巻いていたそうだ。(これは、下院諜報委員会で議長を務める共和党のヌーネス議員によるメモランダムで、2018年2月2日、トランプ大統領が極秘にされていた内容を公開するよう指示したから、ようやく世間に明らかとなった代物ある。)

明らかとなった司法省と民衆党の陰謀

  我々が注目すべきは、この機密解除により暴露されたFBIと司法省の恥部である。米国には「外国諜報員監視法(FISA / Foreign Intelligence Surveillance Act)」という法律があって、スパイ活動を行っていると目されるアメリカ国民を監視する際、FISAの法廷から許可を得なければならない。そこで、ペイジを“臭い”と踏んだ司法省とFBIは、彼の盗聴や監視を行うためにも、その根拠が必要となり、「スティール文書(Steele dossier)」を切り札にしたという訳だ。ところが、この「スティール文書」が“紛(まが)い物”というより、とんでもない“捏造品”であったから問題となった。

  ヌーネス・メモによれば、FBIと関係を持っていたクリストファー・スティールは、「パーキンズ・コイ(Perkins Coie)」という法律事務所と「フュージョン(Fusion)GPS」を通して、クリントン陣営と民衆党全国委員会(DNC)から16万ドル(約1千760万円)をもらっていたのだ。ちなみに、「フュージョンGPS」とはグレン・シンプソン(Glenn R. Simpson)が設立した調査会社で、元々シンプソンは「ウォール・ストリート・ジャーナル」紙に記事を載せていたジャーナリストであった。独立してからは、外国でのセックス・スキャンダルや資金洗浄の内偵を請け負っていたそうで、今回の一件も銭を目的とした調査である。

Glenn R Simpson 1Christopher Steele 1Michael Isikoff 1








(左: グレン・シンプソン  /  中央: クリストファー・スティール/ 右: マイケル・イシコフ )

  話を戻すと、「使命感」に燃えていたスティールは、トランプとロシアの関係を洗い出し、両者の間に横たわる「汚物」、つまり何らかのネタを摑んでトランプ陣営に打撃を与えようと謀った。しかし、彼の“情報源”というのが「ヤフー・ニューズ(Yahoo News)」というから呆れるじゃないか。スティールの“特ダネ”となったのは、マイケル・イシコフ(Michael Isikoff)というジャーナリストが書いた記事である。このイシコフは2016年7月にペイジがモスクワを訪問したことに目を附けて、問題の記事を纏めたそうだ。

  ところが、イシコフの記事における“情報源”というのは、スティールがリークした“裏話”に基づいていたのだ。(Sarah Westwood, " Nunes memo : Justice Department's FISA application never disclosed Steele dossier's ties toClinton", Washington Examiner, February 2, 2018)  これを聞けば、日本人のみならずアメリカ人だって「えっっっぇぇぇ ! 何それ ! ヤラセ記事じゃないか !」と叫ぶだろう。スティールは自分でイシコフに情報を漏らし、その囁きでイシコフがスクープ記事を書き、これをスティールが決定的証拠に仕立て上げたのだ。こんなのは八百長記事だけど、黙っていれば誰にも分からない。かくて、FISA法廷から監視許可が下りた。

James Comey 2Andrew McCabe 3








(左: ジェイムズ・コミー  /  右: アンドリュー・マッケイブ)

  司法省とFBIは“アメリカ国民”のペイジを監視できる許可を得た訳だが、その手続きにも不手際が絡んでいた。FISAの規則では90日ごとに監視令状の更新を行わねばならず、その申請書には高官たちの署名が必要となる。だから、署名した高官は責任を免れない。ただし、ここで特筆すべきは、彼らは3回もサインを繰り返していたという点だ。令状の申請書に署名していたのは、FBI長官のジェイムズ・コミー(James Comey)と副長官のアンドリュー・マッケイブ(Andrew McCabe)、司法長官代理のサリー・イェイツ(Sally Yates)およびダーナ・ベンテ(Dana Boente)、それにトランプ政権で司法長官代理となったロッド・ローゼンシュタイン(Rod Rosenstein)である。しかし、これだけの面々がスティール文書の信憑性を精査せず、事務的に盲判(めくらぱん)を押したとは考えづらい。もしかしたら、意図的に「裏」を取ることを怠ったのかも知れないし、ひっとしたら「曰く附き」と判っていて“わざと”署名したとも考えられるのだ。

Sally Yates 1Dana Boente 2Rod Rosenstein 2









(左: サリー・イェーツ  / 中央: ダナ・ベンテ /  右: ロッド・ローゼンシュタイン)

  「いかがわしい」のは司法省のお偉方だけではない。トランプのゴミ漁りをしていたスティールは、「フュージョンGPS」を通してお金をもらっていたのだが、彼は同社に務めるネリー・オー(Nellie Ohr)と協力関係にあったのだ。ところが、このネリーというのが何と、司法長官の補佐官を務めるブルース・オー(Bruce Ohr)の女房であったから、さあ大変。(Andrew C. McCarthy , "House Memo Details Use of Steele Dossier to Spy on Trump Campaign Adviser", National Review, February 2, 2018) ペイジの監視令状を承認した司法副長官に仕える側近の妻が、情報提供者と昵懇だなんてスキャンダルもいいとこだ。しかも、FISA法廷はスティールが多額の報酬をもらっていたことを報告されていなかった。もし、スティールがクリントン陣営や民衆党から依頼を受け、司法省の高官とも個人的な関係を持っていたと判っていれば、FISA法廷は監視令状を許可しなかったはずである。おそらく、コミー長官やマッケイブ副長官は、スティールの怪しい情報に気付いていたはずだし、イェーツもブルース・オーがスティールとの関係を保っていた事は承知していたはずだ。

Nellie Ohr & Bruce(左: ネリー・オー  /  右: ブルース・オー)
  本来、司法省の役人は政治的中立性を優先しなければならないが、官僚の「政治任命」があるので、どうしても党派性が出てくる。それに、アメリカ政治の専門家とか高学歴を誇る官僚となれば、大学で真っ赤に染め上げられているから、民衆党寄りのリベラル派とか、ピンク左翼のミュータント(変種)になりやすい。馬鹿馬鹿しいけど、政界や財界、研究所、法曹界などに就職する大卒者には、「教養人たる者はリベラル派であるべし」とか「民衆党の方が国民を代表している」いう観念がある。だから、職場では“ノンポリ”を装っている官僚でも、私生活では筋金入りの民衆党員という場合が多い。FBI副長官のアンドリュー・マッケイブも、こうしたリベラル派官僚の一人である。

  スティール文書に基づき監視令状の要請をしたマッケイブだから、当然、トランプ陣営ともクリントン陣営とも利害関係を持ってはならないはず。しかし、彼は民衆党陣営と間接的に利害関係を持っていた。なぜかと言えば、彼の伴侶であるジル・マッケイブ(Jill McCabe)夫人が、地元ヴァージニア州の州議会選挙に出馬したからである。2015年、小児科医のマッケイブ夫人は選挙に打って出たが、あええなく落選してしまった。ところが、2016年10月に、ひょんな事から問題が発覚したのである。ウォール・ストリート・ジャーナル紙のデルヴィン・バレット(Delvin Barrett)記者が、ジル・マッケイブの政治献金に目を通したところ、民衆党の大物を介してヒラリー・クリントンと繋がっていることに気付いたのだ。(Zack Beauchamp, "Trampand Republicans have spent months going after Andrew McCabe. Now he's gone", Vox, January 29, 2018)

Jill McCabe 1Jill McCabe & family









(左: ジル・マッケイブ  / 右: 亭主のアンドリュー・マッケイブと子供たち )

  出馬したジル・マッケイブは、州知事のテリー・マッコウリフ(Terry McAuliffe)が基盤とする政治団体(PAC)から46万7千500ドル、これに加えヴァージニア州の民衆党組織から20万7788ドルをもらっていたという。さらに、クリントンと関係の深い人々が合計で13万ドルも貢いでおり、献金者リストの上位を占めていたそうだ。大口献金者の例を述べるとすれば、まず投資家でヴェンチャー・キャピタリストのフレデリック・ショウフェルド(Frederick D. Schaufeld)を挙げることができる。公式報告書によれば、彼は合計で6万5千332ドルを渡していた。具体的には以下の通り。(Virginia Public Acess Projectのサイトを参照。)

  2015年6月29日            2万5千ドル
                 8月31日        2万ドル
         10月22日        1万ドル
                 4月26日        5千332ドル

Terry McAuliffe 1Fredrick D Schaufeld 2Fredrick D Schaufeld & Karen








(左: テリー・マッコウリフ  / 中央: フレデリック・ショウフェルド /  右: フレデリックとカレン・ショウフェルド夫妻)

  ショウフェルド氏は既婚者なので、当然、彼の妻、カレン(Karen Schaufeld)夫人も献金者になっていた。法律事務所に勤める夫人が渡した金額は1万849ドルである。政治献金をした個人ということだけなら別段問題ではないが、見過ごせない「問題」というのは、この夫婦がヒラリー・クリントンの全米ファイナンス委員会(National Fiance Committe)に席を持っていた点である。この委員会は「ヒラリー・フォア・アメリカ(Hillary for America)」や「ヒラリー・ヴィクトリー・ファンド(Hillary Victory Fund)」、「ヒラリー・アクション・ファンド(Hillary Action Fund)」に少なくとも10万ドルの献金をした者でなければ、その参加資格が無いのだ。つまり、明らかなクリントン支援者がジル・マッケイブの支援者になっていた訳で、その亭主がクリントンの政敵を調査する令状に係わっていたのだから、トランプ大統領や共和党議員が眉を吊り上げたのも無理はない。

Sonjia Smith 1(左  /  ソニア・スミス)
  ショウフェルド夫妻の他には、ヒラリーの全米ファイナンス委員会に所属していたソニア・スミス(Sonjia Smith)も、ジル・マッケイブの献金者となっていた。スミス氏は総額で1万849ドルを渡しており、彼女の夫であるマイケル・ビルズ氏も4万5千ドルを献金していたそうだ。彼は投資金融業者で「ブルーステム・アセット・マネージメント」社を経営している。落選したものの、ジル・マッケイブは160万ドルもの献金を集めており、その内、クリントンと繋がりのある者が88万1千469ドルを貢いでいたのだ。(Joe Schoffstall, "TopClinton Bundlers Were Major Donors to Wife of FBI's Andrew McCabe", The Washington Free Beacon, November 7, 2016) 

胡散臭い民衆党のユダヤ

George Papadopoulos 1(左  / ジョージ・パパドロポス )
  とにかく、民衆党が推し進めていた「ロシア疑惑調査」は、ヌーネス・メモが公表されたことで、その流れが変わってしまった。このメモに対し激しく反駁していたのは、ヌーネス議員と同じく、下院諜報委員会に属する民衆党の下院議員アダム・シフ(Adam Bennett Schiff)である。このユダヤ人議員はヌーナン・メモを党派的バイアスのかかった文書で、トランプ大統領とその取り巻き連中を守るため、特別調査を毀損させる意図を有しており、司法省とFBIが握っている重要な情報を省略している、と述べていた。(Bob Bryan, "Top Intelligence Committee Democrat says release of Nunes memo is an attempt to circle the wagons around the White House", Business Insider, February 2, 2018) シフ議員によれば、トランプとロシアとの関係を洗うFBIの捜査は、ペイジの動向ではなく、トランプ陣営の選挙スタッフであったジョージ・パパドポロス(George Papadopoulos)の線から始められたものであるという。このパパドポロスは、あるパーティーの席でオーストラリア人外政官のアレグザンダー・ドウナー(Alexander Downer)と話しているとき、ロシアがヒラリー・クリントンの周辺を嗅ぎ回っているんだ、と語っていたそうだ。後に、彼はFBIの事情聴取を受けた時に、事実と異なる「嘘」をついてしまい、裁判で有罪となってしまった。

Adam Schiff 1Charles Schumer 3Rod Rosenstein 1







(左: アダム・シフ  / 中央: チャールズ・シューマー /  右: ロッド・ローゼンシュタイン)

  司法省と民衆党を擁護したいアダム・シフ議員は、公表されたヌーネス・メモを何とか貶めようと躍起になっていた。彼によれば、ヌーネスが作成したメモはFBIの的確な捜査を反映しておらず、世論を間違った方向に導く党派的な文書であるそうだ。米国の報道を観ていると、反トランプ陣営の連中はどいつもこいつも、シフと口を揃えて、ヌーネス・メモは「良いとこ取り(cherry picking)だ !」と批判し、国家機密に触れるのでFBI捜査の全貌を明かせないのだ、と愚痴を述べていた。こうした中、シフ議員はヌーネス・メモに対抗する独自の「シフ・メモ」を作成したそうで、これを民衆党の大物であるチャールズ・シューマー(Charles Schumer)上院議員が後押ししていた。(Emily Stewart, "Trump released the Nunes memo. Democrats think he should make theirs public, too", Vox, February 4, 2018) シューマー議員によれば、ヌーネス・メモはロバート・ムラーの調査だけを意図的に貶め、アメリカ国民が抱く恐怖心を一方的に煽るだけらしい。まったく、シフ下院議員に続きシューマー上院議員といい、どうしてこうもユダヤ人はダッグを組んでトランプを攻撃するのか。本当に、同族原理で動く連中のチーム・プレーは見事である。

  もう一人“胡散臭い”ユダヤ人を挙げるとすれば、それはトランプが司法副長官に取り立てたロッド・ローゼンシュタインだ。一応、彼はジョージ・W・ブッシュ恩顧の共和党員だけど、司法界では民衆・共和のどちらにも偏らない、「政治的中立を保つ男」との評判を得ている。しかし、奇妙なのは彼が上院で承認されるとき、共和党は元より、民衆党議員の多くがあっさりと認めてしまったのだ。ローゼンシュタインは民衆党に肩入れしない姿勢を貫いていたが、何となくロバート・ムラーやジェイムズ・コミーと親しく、例の監視申請書にも署名していたから実に怪しい。しかも、トランプ大統領が彼を罷免しそうだとの噂が流れると、民衆党議員がこぞって反撥し、彼を解任すべきではないと言い出した。ブッシュ大統領に仕えた法律顧問のリチャード・ペインター(Richard Painter)も、ローゼンシュタインの解任はトランプ大統領にとって大きなマイナスだ、と述べていたのだ。

Rod Rosenstein 3Jews in US 2








(左: ロッド・ローゼンシュタイン  /  右: 星条旗とイスラエル国旗の刺繍をした帽子「キッパ」を被る米国のユダヤ人)

  これは筆者の勝手な推測なんだけど、ロッド・ローゼンシュタインは共和党の中に潜り込んだ民衆党のモグラなんじゃないか。つまり、普段は冷静なノン・ポリを装い、イザという時には“こっそりと”民衆党と連携する裏切者ということだ。もし共和党の仲間から責められれば、原理原則や遵法精神を貫くがゆえに、身内の共和党に厳しいのだ、と言い訳するに違いない。ローゼンシュタインにとっては党利党略など“些細な事”で、重要なのは司法省に居坐り、権力の座を保持することだ。普段から中立性を保てば、民衆・共和の両党が衝突した時に「仲介者」の役割が廻ってくるから、ローゼンシュタインが「不偏不党」なのは理に適っている。「分断して支配せよ !Divide and Rule !)」は歐米人のお家藝だが、この統治術を西歐で使っていたのはユダヤ人だ。白人議員の馬鹿どもは、ちょくちょく下らない事で争い、結果的に共倒れとなるが、ローゼンシュタインのような者だけは生き残る。つまり、漁夫の利は賢い第三者に転がってくるという訳だ。

Peter Strzok 1Lisa Page & Joseph Burrow(左: ピーター・ストロック  /  右: リサ・ペイジと夫のジョセフ)
  今回の一件で呆れ返るのは、FBIの政治腐敗だけでなく、司法省に充満する反トランプ感情の発露である。保守派メディアが公表していたけど、司法省が集めた色々な電子メールの中に、司法省の職員が交わした大量の交信記録がったそうだ。しかも、公開されたメールの中には露骨な反トランプ文書が結構あった。例えば、防諜担当のピーター・ストロック(Peter Strozk)とFBI所属の法律家であるリサ・ペイジ(Lisa Page)は、5万通もの電子メールを交わしており、両者ともトランプを馬鹿呼ばわり。ただし、面白いのは、大統領選挙の前、彼らがトランプの当選を危惧していたことだ。ストロックはロバート・ムラーの調査チームに加わることを躊躇(ためら)っていた。なぜなら、ムラーがトランプを有罪に持ち込めないんじゃないかと思っていたからだ。興味深いことに、彼は第六感で、決定的な証拠は出てこないだろうと踏んでいたのである。

Robert Mueller 3(左  /  ロバート・ムラー)
  もっと面白いのは、不倫関係にあった二人が、トランプ当選という悪夢に備えて保険を掛けておいた方がいい、と話し合っていたことだ。(Kaithyn Schallhorn, "Strozk, Page and the FBI texting scandal explained", Fox News, January 31, 2018) 彼らはトランプを心底嫌っていたけど、自分の将来を考えれば、トランプに敵対しない方が賢い、と考えていた。こういう輩(やから)は毒饅頭と似ている。上っ面は純白で、腹の中が真っ黒。白人のくせに白人の身分を非難し、善人を気取って黒人に理解を示す。だが、恋人や愛人となれば白人ばかりで、住むところも黒人街とは離れた別世界。いわゆる「偽善系」というやつだ。トランプにタカっている共和党系の高級官僚だって、同じ穴の狢(ムジナ)である。ホワイトハウスの物陰に隠れれば、お互いに「トランプって本当にアホだよなぁ」と囁く。それでいて、トランプの前では恭しく「ミスター・プレジデント」と敬礼するんだから、二枚舌の支那人も頭が下がる。その点、オバマ前大統領は気楽だった。黒人だとインテリの白人は親切だし、何をやっても褒めてくれる。ヘマをやらかしても、赤いジャーナリストや左翼評論家が庇ってくれるし、辛辣なコメントも少ない。トランプも黒人に生まれていれば、今頃は好景気をもたらした「偉大なる大統領」と呼ばれていたんじゃないか。

  全部のマスコミ報道を網羅した訳じゃないから断定できないが、日本のマスコミは相変わらず「どうでもいい」ことばかりを垂れ流している。平昌オリンピックにやってくる北鮮人がスゴいとか、茂木大臣が有権者に手帖を配った、大相撲の理事会がおかしいとか、本当に脳天気な話題ばかりである。毎月、新聞代やNHK受信料を払っている日本人は、こうした報道姿勢に満足しているのか? 新聞はロシア疑惑の一部を報道しているが、どれもこれも表面的な“アリバイ報道”で、「ちゃんと海外ニューズも伝えてますよ !」という虚勢のみ。具体的で生々しい報道は皆無で、読んでいる一般人はどの程度の事件なのか解らない。各社ともワシントン特派員を置いているが、大学生のアルバイトでも書けそうな記事ばかりだ。全国紙や地上波テレビは、どうせ米国の左翼メディアから貰った英語ネタを和訳しているだろだろう。日本のマスコミで熱心に取材しているのは、藝能記者とスポーツ新聞の記者だけじゃないのか。一般家庭の亭主どもは、つまらない朝日新聞を毎朝読むより、楽しい「東京スポ」や「スポ日」を待ち望んでいるはずだ。見栄を張って朝日・毎日を取るより、隅々まで読みたくなるスポーツ新聞の方がいいよねぇ。でも、奥様たちは反対だ。「折り込み広告が無いじゃない !」とご立腹。とは言っても、新聞って「記事」が主体じゃないのかなぁ~。
  


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