教科書に載せて全日本人に知らせたい現代史 支那人の卑史 朝鮮人の痴史
黒木 頼景
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ニュース報道の製造?

  戦争ニュースには報道規制と世論操作が付き物だ。アメリカ軍にはかつて苦い経験があった。ベトナム戦争の時、米軍が報道規制を敷かなかったので、敵軍の銃弾に斃れる兵隊や大怪我を負って担架に載せられる兵卒の映像が、連日のように流され、アメリカの輿論は一気に反戦ムードに包まれてしまったのだ。なにしろ、自分の大切な息子や夫、恋人が片腕をなくしたり、失明や火傷、半身不随の姿で帰国すれば、帰還兵を迎える家族は心臓が潰れる思いだろう。民衆政国家は、怒りで開戦に踏み切るが、泥沼の消耗戦には堪えられない。アメリカの国防総省が検閲をしなかったばかりに、民間のジャーナリストが勝手に彼方此方で取材を行い、どんどん悲惨な映像を本国に送ってしまった。彼らは国益よりも視聴率を優先し、銃後の国民に与える影響なんかお構いなし。だから、ペンタゴンはやりたい放題の報道を許してしまったベトナム戦争を反省し、ペルシア湾岸戦争の時には、徹底した報道規制を加えたのである。

  世論操作のための政治プロパガンダと言えば、1991年の湾岸戦争が直ぐに思い出される。歴史に名を残したいジョージ・H・W・ブッシュ大統領が、石油メジャーとイスラエルの国益を忖度し、国内で心理戦を仕掛けた可能性は高い。(開発を続ける独裁者が君臨し、統一されたイラクは、「大イスラエル構想」にとって邪魔な存在だった。) 1990年10月、ナイラ・アッ=サバーハ(Nayirah Al-Sabah)というクウェート人少女が、合衆国議会の公聴会で衝撃的な事件を述べた。彼女の証言によれば、クウェートの病院に銃を持ったイラク兵が雪崩れ込み、保育器の中にいた赤ん坊を取り出し、冷たい床に放置して死に至らしめた、というのだ。この証言を千載一遇のチャンスと捕らえたPR会社の「ヒル&ノールトン(Hill & Knowlton)」は、彼女の話を各メディアに流し、これを受け取ったテレビ局はこぞって少女の話を放送していた。

Nayirah 1George Bush 2








(左: ナイラ・アッ=サハーバ  / 右: ジョージ・H・W・ブッシュ )

  しかし、ナイラの話は著しく事実を歪めた偽証だった。彼女は実際にイラク兵の横暴を目撃したのではなく、単なる噂話を述べただけで、真実ではなかった。クウェートが解放された後、ニューヨーク・タイムズ紙のジョン・マッカーサー記者がこのヨタ話を嗅ぎつけ、ナイラがクウェート大使サウド・アッ=サバーハの娘であると暴露したから、アメリカの輿論はホワイトハウスの戦争目的に疑念を抱き始めたのである。また、「ヒル&ノールトン」はクウェート大使館が大金を使って雇った宣伝広告会社であることも判明し、ナイラ証言の流布が戦時プロパガンダであったこともバレてしまったのだ。ただし、湾岸政争の時、イラク兵が病院の医療器具を強奪したことは確かなようで、その時保育器も一緒に盗んだから、新生児を入れる保育器が無くなって困ったというのが、どうも事の真相らしい。ナイラはその話に尾鰭をつけて証言したというのが本当のところだろう。ここで注目すべきは、彼女は「宣誓」の下で証言したのではない、という点だ。宣誓証言でなければ偽証罪に問われる危険性が無いので、“いいかげん”な噂話でも気楽に陳述できる。彼女は「何人の赤ん坊」が死んだのかは述べなかったが、渡された台本には「15名の新生児が亡くなった」と書かれていたそうだ。

  ジョージ・ハーバート・ブッシュの嫡男ジョージ・Wは、9/11テロを口実にイラク戦争を起こしたが、このドラ息子も政治プロパガンダを用いていた。ペンタゴンはPR会社の「ベル・ポティンガー(Bell Pottinger)」を5億4千万ドルで雇い、偽のテロリスト・ビデオを作るよう依頼したそうだ。(Crofton Black, Abigail Fielding-Smith and Jon Ungoed-Thomas, "Lord Bell ran $540m covert PR ops in Iraq for Pentagon News", The Sunday Times, 2 October 2016) 「ベル・ポティンガー」社はアルカイーダに関するビデオ映像を制作し、それがあたかもアラブ系のテレビ局から流れてきた映像のように見せかけていた。また、制作スタッフは低品質の爆撃映像を収録し、ニュース映像のように偽装したし、軍が襲撃した建物の中で「演劇」を撮影し、それをアルカイダが作った「宣伝ビデオ」と称して放映したそうだ。「ベル・ポティンガー」の元社員であったマーティン・ウェルズ(Martin Welles)氏によると、社員は特別な指示を受けて映像を作成し、だいたい10分くらいの「作品」に仕上げたらしい。

Martin Wells 1(左  / マーティン・ウェルズ )
  英国の「ベル・ポティンガー」社は合同心理戦部隊(Joint Psychological Operation Task Force / JPOTF)の下で動いていたという。米国の法律は、政府が自国民に対してプロパガンダを仕掛けぬよう禁止しているので、ペンタゴンはそれを回避すべく、外国の会社を利用したのである。つまり、英国のPR会社が“勝手”に作った映像を流すぶんには構わない、ということだ。契約期間は2007年から2011年までで、この宣伝活動はホワイトハウスとデイヴィッド・ペトレイアス将軍(Gen. David Petraeus)が非公式に承認した作戦であったらしい。また、ペンタゴンは2009年、PR会社の「レンドン・グループ(The Rendon Group)」を雇い、従軍するジャーナリストを監視させ、軍隊にとってポジティヴな報道かどうかを査定させていたそうだ。さらに驚くべきことだが、2005年には、ワシントンに本部を置くPR会社の「リンカン・グループ(The Lincoln Group)」を雇って、イラクに関する新聞記事を流通させたという。しかも、その記事は米軍が書いたものであった、というから唖然とする。("Pentagon paid PR firm $ 540m to make fake terrorist videos", Middle East Monitor, October 2, 2016) もう八百長というか、捏造のオンパレードだ。一般のアメリカ人がどう考えるか分からないが、日本人はこれを「ヤラセ記事」と呼ぶ。

白人を「黒人」にする広告

a-112(左  / 赤い丸で囲まれた人物が被害者の生徒 )
  アメリカの偽造・捏造は民間にも蔓延(はびこ)っており、そこに人種が絡んでいるからタチが悪い。フランスのリヨンに「エミール・コール」という私立学校があって、最近、米国のロサンジェルスに分校を建設することになったという。そこで、生徒募集の広告を作ったのだが、そこに掲載した写真に問題があった。フランス人生徒の集合写真に黒い“修正”が加えられており、数名の白人生徒が「黒人」にされていたのだ。(Adrien Giraud, "Accusée de < blackwashing>, l'école Émile Cohl supprime la publication d'une photo promotionnelle ratée", Rue89Lyon, 10 septembre 2018) アントワン・リヴィエール(Antoine Riviére)教頭は、意図的な操作を否定し、被害を受けた生徒に謝罪した。これはカルフォルニアのコミュニケーション部門が勝手にしでかした事で、フランスの本校は知らされていなかったようだ。アメリカ支部のスタッフは、デジタル加工で白人生徒の顔を黒くし、「人種的多様化」を演出することで、アメリカ人生徒にアピールしたかったのだろう。つまり、白人ばかりの写真だとアメリカの有色人生徒が集まらないから、「多民族のクラス」を捏造して、好感を持たれるよう画策したのだ。

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(写真  / 「黒人」にされた白人生徒たち )

  さぁ~すが、アメリカのリベラル派は人種主義を解っている。黒人は黒人に対して共感し、黒人がいる学校に興味を持つという訳だ。ということは、白人生徒は白人生徒のクラスを好み、白人の学校を選んでもいいとなる。もし、黒人生徒が人種偏見を持っていないのであれば、フランス白人ばかりのクラスでも気にしないはずだが、左翼的アメリカ人は「黒人は黒人に惹かれる」と解っていたので、あえて危険を犯し、写真に修正を加えていたのだろう。結局、リベラル派は心の底で人種主義を信じていたのだ。それにしても、「黒い顔」にされたフランス人生徒は気の毒だ。まさか、宣伝用に撮った写真に「修正」が加えられていたなんて、想像していなかったのである。

  我々の身の回りにはフェイク・ニュースや詐欺的宣伝が本当に多い。偏向報道や捏造映像は問題だが、省略報道も赦せない。CNNは「報道しない自由」を行使して、事件のキー・ポイントを伝えなかったことがある。少し前に、米国のニューメキシコ州で子供を虐待する親が逮捕されるという事件があった。主犯格のルーカス・モーテン(Lucas Morten)とシラジ・イブン・ワハジ(Siraj Ibn Wahhaj)は、タオス郡にある建物の中に、1歳から15歳までの子供11名を監禁し、水や食事を与えず衰弱させたという。ワハジはまた、ジョージア州に住む3歳の息子アブドゥル(Abdul Ghani Wahhaj)を拉致したことで指名手配されていたそうだ。建物の中には子供達の他に、三名の女性がいて、監禁された子供達の母親であった。タオス郡の警察が建物の中に突入したとき、ワハジはAR15ライフルと弾倉5個、拳銃4丁で武装していたそうである。子供達が閉じ込められていた部屋の中はとても不潔で、幼い被害者らは、かなり衰弱していたようだ。(Ann Claire Stapleto, Susannah Cullinane and Holly Yan, "Five charged with child abuse after 11emaciated children found in trailer", CNN, August 6, 2018)

Lucas Morten & Siraj WahhajSiraj Wahhaji arrested women








(左: ルーカス・モーテン  / シラジ・イブン・ハラジ  / 右 3名: 捕まった容疑者の女性たち  )

  CNNの報道だけを聴いたアメリカ人は、異常な精神を持った大人による拉致監禁事件とだけ考えるだろう。しかし、この報道には肝心な点が抜け落ちていたのである。警察に保護された13歳の少年は、ブルックリン在住のイマム(イスラム教の指導者)であるワハジの息子で、父親から武器の扱い方や戦闘用格闘技を習っていたのだ。つまり、「ジハード(聖戦)」の訓練を受けていたという訳。というのも、ワハジは危険思想の持ち主で、彼の父親は1993年に起きたWTCビルの爆破に何らかの関係を持っていたのだ。そして、彼は別の息子にも「非イスラム信徒」への戦い方を教えていたそうだ。CNNの記者は地元警察の保安官ジェリー・ホグリーフ(Jerry Hogrefe)から事情を聴いていたのに、記事にはこの事実を載せなかった。たぶん、イスラム教徒への偏見に繋がると判断したのだろう。だが、事件をどう判断し、どんな解釈をするのかは一般国民の自由である。報道機関が予めニュースを検閲し、“調理”された事件内容を流すのは情報操作に他ならない。小規模な保守系メディアがバラしたから、一般のアメリカ人は事件の真相を知り得たのだが、もしインターネットが普及していなければ、事件は闇に葬られたはずだ。リベラル・メディアというのは番組内で綺麗事を口にするが、舞台裏では汚いことを平気で行う情報統制機関である。

Siraj Wahhaj & son Abudul.2Siraj Wahhaj compound 3








(左: 救出されたアブドゥル・ワハジ  /  右: 子供達が監禁されていた建物)

  大手メディアというのは膨大な取材費を有し、世界各国に特派員を派遣できるから、様々な特集で視聴者を魅了できるが、その本質は世論操作にある。有名テレビ局だからといって、信用度が高いとは限らない。むしろ、世論操作が巧みで、狡猾な仕掛けで視聴者を騙す巨大組織と思った方が無難だ。脳天気な一般人は、どのように操られたのかが分からないから自覚が無い。日本の学校でマスコミの「闇」を教えないのは、案外、教育界とマスコミが共犯関係にあるのかも知れないぞ。両者を繋ぐ「赤い絆」といっても、山口百恵のドラマとは違うからね。(分からない人はインターネットで調べてください。)




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