教科書に載せて全日本人に知らせたい現代史 支那人の卑史 朝鮮人の痴史
黒木 頼景
成甲書房

好評発売中 !


意味が曖昧な上院

Abe 221Edano 1










  いよいよ参議院選挙の投票日が近づいてきたが、今回の選挙は本当に盛り上がらない。自民党が消費税アップと公言しているのに、一般国民は「しょうがないよねぇ~」とか「福祉予算になるから、いいんじゃなあぁ~い」と言って諦めている。平成不況があまりにも長すぎたのか、景気低迷が「当たり前」となり、給料が増えなくても「自然」になってきた。一般人というのは非常に鈍感で、たとえ政府に税金をふんだくられても、分散・分割して取られているので、一向に気づかない。例えばもし、いきなり財布から1万円札を強奪されれば、アホでも怒る。しかし、100円を100個の税金で取られれば、「税務署にむしり取られた !」とは思わない。これだから、財務省と国税庁の役人は、「一般人なんてチョロイぜ !」と笑っているのだ。

  普段「増税」と聞けば、「ここぞ」とばかりに大声を上げる新聞社でも、有り難い軽減税率の対象となっているので騒がない。それにもし、「消費増税けしからぁぁ~ん!!」と叫べば、「税務調査」という恐ろしい“仕置き”が待っているから、社主や論説委員は黙っている。でもさぁ~、生理用品やオムツは軽減税率の対象外になっているのに、無駄な新聞が国民の「必需品」になるなんて、おかしくないか? 一般の女性は朝日新聞や毎日新聞を読まなくても平気だけど、生理用ナプキンは必要なはずだぞ。いくらなんでも、「押し紙」の古新聞を「タンポン代わり」にしてください、とは言えまい。 また、赤ん坊を育てる女性だとオムツは必要不可缼(ふかけつ)で、高齢の親を介護していれば、老人用のオムツも必要になってくる。さらに「おかしい!」と思ってしまうのが、電気・水道・ガスを対象外にしたことだ。信じられないけど、10月から10%の消費税になるらしい。朝日新聞より遙かに有益な書籍でも、10%の消費税になるというから、新聞というのは、よほど国民の知的レベルを上げる「必需品」なんだろう。

  最近、自民党の支持率が上がっているというが、これは国民が自民党を喜んで支持しているというより、野党があまりにも情けなく、投票したい政党が他に無いからだろう。つまり、現在ある「自民党への支持」というのは「野党への失望」で、消極的な人気といった感じだ。本来なら、苦戦するはずの自民党だが、野党の代表が枝野幸男なんだから、安倍総理は殊のほかラッキーだ。安倍氏は今頃になって拳を振り上げ、「憲法改正!」と白々しい嘘をついている。でも、対戦相手が能無し集団の立憲民主党で、その遙か後方にいるのが存在感の全く無い国民民主党だ。さらに、消滅寸前の社民党や財政難と高齢化に悩む共産党、地方政党でしかない日本維新の会とくれば、一人区の自民党員だってホッとするじゃないか。一方、自民党には鉄の結束を誇るカルト集団、創価学会が相棒となっている。田中角栄曰わく、創価学会というのは「太鼓叩いたヒトラー・ユーゲント」で、池田大作を崇める紅衛兵だ。彼らは雨が降っても槍が降っても、投票日には100%出現するから、公明党は確実に得票数が読める。自民党にとって、公明党は覚醒剤みたいな存在で、それが切れると震えが止まらなくなるのだ。まるで、「炙り」を楽しむシャブ仲間みたいだけど、一旦味わった権力の魔力は、そう簡単に手放せない。

  日本が二院制を取っているのは、至極当然のように思われるが、現在の政治システムは、よくよく考えてみると日本の國體にそぐわない。日本人は武家政治と民衆政治の二つを実験してみたが、結果として民衆は武士による支配の方を好んでいる。なぜなら、日本人には自分たちで天下の政(まつりごと)をする能力も無ければ、その意思も無いからだ。難しい事はお侍様にお任せし、その代わり年貢を差し出す、というのが健全な庶民の態度である。「国民に主権がある !」、すなわち国民が至高の絶対権力を有する、なんて考える奴は馬鹿。もし、国民が主権者なら、多数決を以て天皇陛下を島流しにしたり、断頭台に送って抹殺できるじゃないか。

  巷の評論家や大学教授はデモクラシーを絶賛しているが、常識を備えた庶民なら、百姓や旅藝人の中から代議士を選んで国の命運を決めてもらいましょう、と考えない。だいたい、軍事の初歩的知識も無い議員が、核戦略とか地政学を理解できるのか? 一方、お殿様は生まれたときから将来の為政者で、幼い頃から帝王教育を受けている。しかも、立ち居振る舞いが立派だ。こうしたエリートはドブ板選挙で偉くなる必要も無いので、卑屈にならず堂々と正論を吐くことができるし、「恥」というものを知っている。試験だけが得意の高給官僚とは大違い。武士の家系に生まれた者は、下品な商人から賄賂をもらったり、税金のネコババをすると、「末代までの恥」となるから、「家名を汚す真似はやめておこう」と考える。でも「士族の名誉」を持たない役人や議員だと、辞めてしまえば罪が消えるから、在任中、できるだけ多くの蓄財に精進する。彼らはいくら破廉恥な瀆職(とくしょく)をしても、自分の子供や孫にまで「恥」は伝承されないから、いたって平気である。

再就職先としての参議院

  普通の日本国民は、「参議院って、どんな意義があるのか?」と訊かれても、明確に述べる事はできない。せいぜい、「憲法で定められているから・・・」と答える程度。参院議員も衆院議員と同じく人民投票で選ばれるが、権力が少ないぶん、衆議院に劣ってしまう。しかし、任期が固定しているので、安定収入を得たいボンクラには好評だ。テレビの御用学者は参議院を「良識の府」と呼んだりするが、実際は、法案を通すための補助的勢力に過ぎない。「衆議院のカーボンコピー」というのが本当のところだろう。だが、参議院議員の中には夜郎自大も多く、外国を表敬訪問(観光旅行)したりすれば、現地の政治家に会って、「私は日本のセネター(上院議員)です」と自己紹介するそうだ。歐米世界で「セネター」と言えば、ローマ共和政の元老院議員を思い浮かべるのが通常だ。でも、日本の参院なんて衆院の附録みたいなもので、党執行部に飼われているだけの木偶の坊に過ぎない。アメリカで軍事・外政を担当する上院議員といえば、ジェシー・ヘルムズ(Jesse Helms)とかサム・ナン(Samuel A. Nunn, Jr.)、チャック・ヘイゲル(Charles T. Hagel)などを思い浮かべる。日本だと、田中真紀子の亭主たる田中直紀を思い出す。こんなマヌケが防衛大臣になるんだから、どんなだって自衛官は泣けてくる。たった五ヶ月の任期とはいえ、日本の防衛組織は脳死状態だった。

Jesse HelmsSam NunnChuck HagelTanaka 1









(左 : ジェシー・ヘルムズ  / サム・ナン  / チャック・ヘーゲル  /  右 : 田中直紀)

  「売れなくなったタレントの再就職先」には、とても「元老院」とか「貴族院」の構成員とは思えない人物がずらりと名を連ねている。スポーツ界からは元スケート選手の橋本聖子、ノルデック複合の萩原健司、柔道の谷亮子、プロレスラーの神取忍がいたし、横峯さくらの「父親」というだけの横峯義郎まで議員になれた。テレビ業界からは、船田元(ふなだ・はじめ)の不倫相手で、女房となった元キャスターの畑恵(新進党から自民党)、オーストラリアから戻ってきた大橋巨泉(民主党)、横山やすしを失った西川きよし、落ち目の歌手で元カーレーサーの三原順子(自民党)、法政大学の極左フェミニスである田嶋陽子(社民党)、政治活動費を私的に流用した舛添要一(自民党)など、もう目が眩むほどの面子が国会議員になっていた。

  日本維新の会所属の参院議員となっている石井苗子(いしい・みつこ)なんて、『CBSドキュメント』や『TVタックル』で気取った意見を述べていたけど、私生活は淫乱で年下の副島賢治と不倫生活を満喫していたそうだ。ところが、別れ話がこじれたのか、副島が東京スポーツに石井のヌード写真を渡し、それが新聞に掲載され、この『あげまん』(伊丹十三監督の映画)女優は雲隠れ。「ヤバい !」と思った石井は、大学に入り直して福祉を勉強する。そして、B級藝人が再チャレンジする“おいしい”参院議員に出馬して見事当選。しかし、世間のオッちゃん、オバちゃんの関心は別なところにあり、「あの全裸写真が撮影された渋谷のアパートは、いったい誰の部屋なんだ?」と疑問に思った。石井議員からの回答は無かったが、どうも島田雅彦と過ごした「愛の巣」であるらしい。

Ishii MistukoShimadaTajima 1










(左 : 石井苗子  / 中央島田雅彦 /  右 : 田嶋陽子)

  一般国民は「島田雅彦」という名前を聞くと、「もしかして、7月12日に品川駅でハッスルしていた作家のことか?!」と思ってしまうが、その通り。駅前に駐めた選挙カーに登場し、山本太郎の応援演説をしていた人物だ。この有名作家は札付きの左翼で、今では法政大学の教授になっている。国際文化学部で教えているそうだけど、まさか“不倫文化”じゃないよねぇ。田嶋陽子の件もそうだけど、法政大学って左翼の物産展でも開いているのか? 石井議員の全裸写真を撮ったかどうかはともかく、大学で悠々自適の生活を送る島田が、貧乏生活に喘ぐ若者に同情するなんてチャンチャラ可笑しい。彼は税金を巻き上げる政府を批判し、「飢え死に死そうな若者」を哀れみ、格差社会を糾弾する。さらに、低所得に苦しむ若者に媚びているのか、強欲な政治家は米軍に税金を貢いでいる、と非難した。しかし、政府には唯一つ、“奪えないもの”があるらしい。この大先生は言う。「私たちの良心です !」と。へぇ~「良心」とは恐れ入る。島田氏は日本の軍備や日米同盟に批判的だが、その「良心」とやらで身体障碍者や女子供を守れるのか? 余計なお世話だけど、不貞行為で傷ついた石井の亭主や子供に対して、どう思っているのか知りたい。「良心の咎め」は無いのか?

  米国の上院と違って、日本の「上院」には凡才どころか、有害人物がゴロゴロいる。とりわけ、参院の「外交防衛委員会」はひどい。「髭の隊長」で知られる佐藤正久・陸自大佐が在籍しているのは納得できる。が、その委員長が渡邉美樹なんて、まるで吉本の新喜劇みたいだ。「ワタミ」の会長なんて、居酒屋のバイト店長くらいが相応しく、核戦略を扱う部会には不釣り合いどころか、場違いだ。といっても、他のメンバーを見れば、もっとショックを受ける。ここには、北朝鮮と癒着するアントニオ猪木がいるし、韓国のために尽くす白眞勲、朝鮮人の「陳哲郎」から「日本人」に鞍替えした福山哲郎、お嬢ちゃん学者の猪口邦子が委員になっている。もう呼吸ができないほど苦しくなるじゃないか。いくら何でも、日本の安全保障を議論する委員会に、反日分子が在籍しているなんて、あまりにも酷い。せめて、椎名素夫(しいな・もとお / 椎名悦三郎の息子)くらいの議員でなきゃ。「ポラリス(潜水艦発射型弾道ミサイル)」とか「トライデント(潜水艦搭載型の弾道ミサイル)」、「マーヴ(MIRV / 多弾頭)」といった用語を聞いて、「アイスクリームかチューインガムの種類かなぁ~?」と思う議員じゃ頭が痛くなる。陸奥宗光や小村寿太郎が、このメンバーを目にしたら卒倒するぞ。

Shiina 1Watanabe Miki 1Paku 1Fukuyama 1










(左 : 椎名素夫  / 渡邉美樹  / 白眞勲  /  右 : 福山哲郎)

  占領軍民政局で憲法草案に携わったマイロ・ローウェル(Milo E. Rowell)中佐は、ニューディーラーの中でも極めて悪質な極左弁護士だった。この社会主義者にっとて、貴族院などもってのほか。政治家は民選議員でなければならない。かくして、日本の代議政体は出来の悪い双子の如き二院制となり、新たな上院は高貴な精神が宿る元老院とは程遠い、高給を貪るだけの附属院になってしまった。別名、特殊利益を漁る匪賊院。明治の頃なら、元老院や枢密院のメンバーに相応しい人物がいた。例えば、伊藤博文や西郷従道、西園寺公望、黒田清隆はもちろんのこと、副島種臣(そえじま・たねおみ)、清浦奎吾(きようら・けいご)、榎本武揚、鈴木貫太郎などがいたけど、敗戦後は、おぞましい人物ばかりで、青木幹雄や輿石東(こしいし・あずま)が「参院のドン」になっていた。また、小沢一郎に送り込まれた青木愛や谷亮子を見れば、「数を増やすだけのタレント議員かよぉ~」と嘆きたくなる。まぁ、極左分子じゃないから、社会党の上田哲とか共産党の上田耕一郎、民主党の岡崎トミ子よりマシだけど、それでも小沢の子分じゃ気分が悪い。

Soejima 1KiyouraSaionjiKoshiishi










(左 : 副島種臣  / 清浦奎吾 /  西園寺公望  / 右 : 輿石東 )

  本来、上院は民衆の気まぐれに左右されず、大衆の愚劣さに歯止めを掛ける貴族院でなければならない。イングランドで貴族院が重要なのは、世襲貴族が国家の名誉に敏感で、祖先から代々受け継がれる叡智を以て国家の経綸を担っているからだ。教養と財産に恵まれた貴族は、幼い頃から統治者としての教育を受け、公職に就けば家門の恥とならぬよう心掛ける。もちろん、貴族の中には放蕩息子や遊び人になってしまう落伍者もいるが、立派な人材を輩出する確率は平民よりも高い。スチュワート朝時代、イングランドは国王の斬首という危機を迎えたが、こうした国難の時代にあって、亡命宮廷とチャールズ2世を支えたのが初代クラレンドン伯爵のエドワード・ハイド(Edward Hyde)だ。ワーテルローの戦いでナポレオン軍を破ったのは、有名なウェリントン公爵のアーサー・ウェルズリー(Arthur Wellesly)。この将軍は後にトーリー党を率いて英国の宰相になる。政界の重鎮となった公爵は、ヴィクトリア女王やメルボルン子爵(William Lamb)からも頼りにされ、ホイッグ政権のジョン・ラッセル卿からも尊敬されていた。

Edward Hyde 1Wellington 1William LambRobert Cecil 1











(左 : エドワード・ハイド  / ウェリントン公爵  / メルボルン卿  /  右 : ソールズベリー侯爵)

  日本人として忘れられないのは、日英同盟を了承してくれた第三代ソールズベリー侯爵のロバート・ガスコイン・セシル(Robert Gascoyne-Cecil)だ。ソールズベリー卿は、元々士族院(House of Commons)の議員だったが、父親の死去に伴い、爵位を継いで貴族院に移った。しかし、当時はまだ士族院議員のみが首相になるという不文律が固定化されていなかったので、貴族院に籍を持つソールズベリ侯爵でも首相になれた。ロシアの膨張主義を理解していた侯爵は、栄光ある孤立を捨てて新興国の日本と手を結び、対ロシアの防御壁にしようとしたから賢い。当初、日本との同盟に消極的なソールズベリ侯爵であったが、ロシアの野心を見抜いてからは、その態度を一変させ、同盟を推進するようになった。個人的な好き嫌いより、国益の立場から何を優先すべきかを判断するのが、真の政治家だ。

  ポンコツ藝人か引退スポーツ選手、はたまた業界の手先が集結する日本の参議院を、よりにもよって古代ローマの元老院と比較するのは、ウサギの糞とダイヤモンドを比べるようなものなので心苦しいが、民衆を統治する中央機関を考えるには丁度いい。ローマの元老院は元々、氏族の長が集う討議会で、ローマ共和政の心臓であった。元老院のメンバーになる人物といったら、若くして財務官とか護民官、按察官を経て法務官となるのが通常で、執政官になる者は幾多の戦争を経験する軍人であるから、実に頼もしい。今の参議院議員で、一個連隊や一個師団を統率したことのある者はいるのか? 国会のどこを見渡しても、何百人もの庇護民や家来を従える貴族は一人もいないし、統治者としての才幹(virtu)を備える者は、ゼロでなければマイナスだ。生まれた時から厳格な家父長制を見てきた貴族(パトリキ)の子供は、統率者や指揮官としての立ち居振る舞いを自然に身につけ、人の上に立つ権威を持っている。現在の日本だと、小娘でも国会議員になれるんだから、税金の無駄遣いとしか言い様がない。今回の選挙では、立憲民主党から市井紗耶香という元アイドル歌手が出馬するそうだが、これじゃあ「アメリカン・アイドル」の人気投票みたいじゃないか。

  本来、参議院というのは、威厳を放つ大名が集まる政治組織でなければならない。古代ローマだとユリウス氏やポルキウス氏、ファビウス氏、コルネリウス氏といった名門貴族が政治の中枢を占めていた。オズワルド・シュペングラー風に言えば、中世ヨーロッパの民族というのは、王家と貴族が織りなす運命の結果である。ハプスブルク家やブルボン家、ホーウェンシュタウフェン家、ザックス・コーブルク家といった大貴族が凝固剤となって、各民族や国家を形成してきた。ドイツとフランスの間にあるロートリンゲンが、民族を持たない単なる土地になっているのは、カロリング帝国のロタール2世に子供がいなかったからだ。もし、日本の参議院に島津家や德川家、毛利家、前田家、鍋島家などの当主が議席を持っていれば、確実に違っていたはずで、今のような醜態を晒すことはなかったはずだ。やはり、伝統と格式を備えた武士が上院議員にならないと、人々の尊敬は得られない。今月の選挙で自民党が優勢を維持しようが、野党が躍進しようが、結果は同じで、陰鬱な政治が続くだけだ。人民投票という1日の遊びのために、国家の将来を滅茶苦茶にするんだから、デモクラシーは本当に恐ろしい。アレクサンダー・ハミルトンやジョン・アダムズといった慧眼の持ち主が、この衆愚政治を警戒したのも当然である。




人気ブログランキング