教科書に載せて全日本人に知らせたい現代史 支那人の卑史 朝鮮人の痴史
黒木 頼景
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編集を考える政治家

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  地上波のワイドショーをたまに見ると、耳を疑いたくなるほど「えぇぇっっ~ !」と驚くことがある。あの小泉進次郎が環境問題を話し合う国際会議に出席し、世間の注目を集める問題発言をしたというのだ。曰わく、「気候変動のような大きな問題に取り組むのなら、クールで、楽しく、セクシーでなきゃ(On tackling such a big-scale issue like climate change, it's gotta be cool, it's gotta fun, it's gotta be sexy, too.)」と。こうした中身の無いコメントを聞けば、アメリカ人どころか日本人でも、「何言ってんだ、あいつは !」と言いたくなるだろう。どうして気候変動の問題に向き合うとき、「セクシー」でなきゃいけないんだ? まさか、滝川クリステルがブラジャーやパンティーを脱ぎながら、地球温暖化を語るわけじゃないだろう。進次郎応援団の左翼陣営は、「こういう英語の表現方法もあります ! おかしくありませ~ん !」と掩護していたが、 具体的に何をすべきなのか、一切説明は無かった。(もっと言えば、所詮、国連なんて潰しの利かないクズが集まる場所だから、非現実的な提案や見え透いた偽善を語っても支障は無い。)

  ただし、問題発言の後、ぶら下がり記者から具体的に「何」が「セクシー」なのか「意味」を訊かれると、「説明すること自体ががセクシーじゃない。野暮な説明は要らない」と答えたそうだ。いやぁぁ~、お見事。親爺譲りの切り返しだねぇ~。大したものだ。質問した方を攻撃するんだから。進次郎は、まるで杉良太郎の如く“クールさ”と“流し目で”相手を見つめ、「何で、お前はそうした野暮な質問をするんだ ? 一々説明しなくったって分かるじゃないか !」、と居直るんだから、ホント凄い。もし、将来、浮気がクリステル夫人にバレたら、「どうして野暮なヒステリーを起こすんだ、君は? そんなのセクシーじゃない !」と言ってやれ。ただし、マスコミと違ってクリステルには「女房」という地位があるから、ビンタくらいは覚悟しておけよ。まぁ、それはともかく、たぶん、進次郎は“お得意”の英語を披露して、「俺は他の大臣どもと違って、流暢に英語を話せるんだぜ !」と示したかったんだろうが、その目論見とは違って、囲み取材という本番でスベッてしまった。

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(左 : 環境問題を訴える子供達  /  右 : 環境大臣になった小泉進次郎)

  進次郎は父の純一郎を見習って、常に「ワンフレーズ・コメント」を考えている。つまり、自分の話題や行動は必ずニュース番組で取り上げられるから、「短くても印象的なセリフを述べなくゃ」と心掛けているのだ。どうせ、報道番組の政治コーナーなんか、長くて5分くらいだから、進次郎は編集部のスタッフが切り取りやすいよう、手短で面白い言葉を15秒程度に納めているのだろう。したがって、内容が無くても当然だ。そもそも、テレビ局が求めているのは、視聴率と話題性なんだから、真面目くさったコメントなんて野暮である。竹下登じゃないけど、政治家の発言は「言語明瞭、意味不明」が原則だ。注意すべきは、マスコミに揚げ足を取られぬよう、できるだけ曖昧な発言にし、後から様々な解釈、言い訳、変更を可能にすることである。本音を吐露するのはアホな政治家だけ。だから、テレビと新聞しか知らない愚民には、進次郎くらいが丁度いい。

  今さら愚痴をこぼしても仕方がないけど、何で日本の一般人は英語で発言すると「高級」と考えてしまうのか、誠に不思議である。合衆国やカナダ、ブリテンで英語を喋るのは“ごく普通”のことで、乞食や不法移民、ギャング、シャブ中、淫売ですらペラペラと喋っている。大切なのは「何をどのように話しているか」で、漫才師のように喋ることではない。進次郎は「セクシー」という言葉を用いて、「ネイティヴ気取り」を演じていたんだろうが、米国や英国の政治家なら、あんな言葉遣いはしないだろう。色々な毀誉褒貶はあるけど、進次郎というのは所詮、地盤と看板を引き継いだ世襲議員に過ぎず、国益なんて全然考えない。彼の正体は、「大衆人気」という波に乗って総理を目指すサーファーだ。保守派国民が安倍総理に向かって、「さっさと辞めろ、この売国奴!」と叫ぶけけど、念願叶って辞任となったら、次に総理として現れるのは菅義偉で、その後塵を拝するのが進次郎という順番になっている。これじゃあ、日本国民は蛸壺の中で匍匐前進しているような気分になってしまうだろう。

「環境アイドル」になったスウェーデン人少女

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(写真  /  国連に出席したグレタ・トゥーンベリ)

  報道番組に現れた進次郎は、国連で演説したスウェーデン少女、グレタ・トゥーンベリ(Greta Thunberg / 16歳)に感銘を受けたそうだ。このお坊ちゃん大臣は、彼女が口にした「How dare you ! (どうして、そんな事を出来るの !)」というセリフに参ったらしい。(といっても、この発言はマスコミ用の演技である。) かつて、親爺は力士に感動し、今度は倅(せがれ)が小娘に感動しているんだから、ワイドショーの制作者は安い予算で茶番劇を放送できてウハウハだ。

  昔から、悪い奴はよく子供を利用する。例えば、他人から銭を巻き上げるには、中年のオっさんより、可憐な少女の方がよい。もし、マッチ売りの少女がマツコデラックスみたいな中性人間じゃ、誰も寄りつかないだろう。やっぱり、ダコタ・ファニングやマッケンナ・グレイスみたいな美少女でなきゃ。

  スウェーデンから来たグレタは、世界中で起こっている気候変動に危機感を覚え、無駄飯喰らいが集まる国連で自身の悲痛を聴衆に訴えかけた。曰わく、「あなた達は空虚な言葉で私の夢と私の子供時代を奪い取った。しかし、私は幸運な者の一人です。(世界の)人々は苦しみ、死にかけている。エコシステム全体が崩れかかっています。大規模な消滅が始まっており、我々はその中にいる。あなた方は全員、お金のことや継続的な経済成長といった御伽噺(おとぎばなし)を語っている。よくそんな事が言えるわね !」、と。国連やテレビの視聴者は、必死で環境問題を訴えかける少女に感動し、惜しみない拍手と声援を送っていた。しかし、まともな大人であれば、「やれやれ、子供を使った猿芝居かぁ・・・」と呆れてしまうんじゃないか。

  社会正義を主張するグレタを見ていると、筆者が中学生の時に体験した演説会を思い出す。まだ、東西冷戦が闌(たけなわ)の昭和時代、中学校や高校では「平和を願う演説」が一種のファッションだった。日教組に属する教師達は、戦争と戦前の日本を憎むよう生徒に嗾(けしか)け、全校生徒を集めては空虚な演説会を開くことがよくあった。もちろん、晴れ舞台に立つ主役には優秀な生徒が選ばれ、先生が望む通りの作文を書く。ただし、こうした演説の骨子はどれもこれも似たり寄ったりで、「戦いはいけません。みんなで話し合い、平和な世界をつくりましょう」という論調ばかり。要するに、議論をすれば戦争は起こらない、ということだ。漫画ファンの子供なら健全な精神を持っているので、「丸腰で平和になるんなら、最初から誰も軍隊を必要としないじゃないか 」と反撥する。でも、お勉強の出来る女子生徒は違う。流れ星に願いを告げれば、きっと夢が叶うと信じている。でもさぁ、単なる小娘が日本語で日本の中学生に向かって説教して何になるのか? せめて、インドやアフリカ、支那、ソ連に赴き、現地の言葉で訴えてみろ ! どんな反応が起きるのか楽しみだ。元々、左翼というのは口先だけの輩で、「平和な国で平和を語ること」、「危険な場所には近づかない」、「憎むべき敵は常に同胞で、本当に野蛮な外国人だと敬遠」というのが彼らのモットーになっている。

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(写真  /  気候変動の危機を訴える少女達)

  今なら笑ってしまうけど、当時の「平和教育」は凄まじく、修学旅行には広島に赴いて原爆被害者の演説を拝聴する、といったカリキュラムも組まれており、「戦争の悲惨さ」を脳幹の奥にまで刷り込むよう、子供への洗脳が徹底されていた。ちなみに、筆者はあまりにも馬鹿らしかったので、熱心な演説をしていた老人に飽き飽きし、「早く終わらないかなぁ」と独り呟き、「今日の夕飯は何かなぁ。五目ご飯だったらいいなぁ~」と別の事を考えていた。改めて説明する必要は無いと思うが、「北斗神拳」より「平和主義」の方が強いと思っている中学生がいたら、相当な重症患者である。実際に『北斗の拳』を読んだ人なら分かるけど、シンにユリアを奪われたケンシロウが、復讐や反撃もせず、「話せば分かるじゃないかぁぁ~」と泣いて悔しがり、「平和が一番」と述べたら連載は第1回で終わりだ。それより、原稿を書いた時点でボツ。

Chris Kenny 1(左  /  クリス・ケニー)
  脱線したので話を戻す。米国や歐洲の主要メディア(左翼放送局)は、国連で演説するグレタを大絶賛。そして、彼女に同調する白人少女の集団も併せて紹介し、「大勢の子供達が環境破壊に危機感を覚え、大人達に警告していまぁ~す !」と囃し立てていた。テレビ画面には、半泣きで環境問題を訴える西歐系の少女が映されていたが、こんなのは詐欺師が500円のキャラクター商品を1万円で「特売」にする手口と同じだ。本当に馬鹿らしい。米国のCNNやPBSは“いつも通り”の左翼偏向番組を垂れ流していたが、今回、珍しくオーストラリアのABCが“まとも”な報道番組を流していた。興奮しながら演説するグレタの映像が映し出されると、キャスターのクリス・ケニー(Chris Kenny)が冷静な態度を示し、感情に左右されない批判的なコメントを述べていた。歐米の保守派国民なら、その見解を聞いた途端、「その通り!」と膝を叩きたくなるだろう。たぶん、ABCの制作者は今回の左翼集会を“やり過ぎ”と思っていたのかも知れない。

Michael Knowles 2Chris Hahn 1(左 : マイケル・ノウルズ  / 右 : クリス・ハーン )
  米国のFOXテレビも保守派の視聴者を意識したのか、グレタに批判的な論客を出演させていた。ところが、この企画が裏目に出てしまい、局内は大騒ぎ。「デイリー・ワイヤー(Daily Wire)」のホストを務めるマイケル・ノウルズ(Michael Knowles)は、討論中にグレタを「精神的におかしいスウェーデン人の子供(mentally ill Swedish child)」と呼んでしまったのだ。この発言に論敵のクリス・ハーン(Chris Hahn)が噛みついた。“進歩派”のハーンは「おい、痩せっぽち野郎 !」とノールズの発言を遮り、「お前は子供を攻撃しているんだぞ ! お前は大人だろうが!」と激怒。しかし、ノウルズは怯まず、「あの子は精神的におかしい。彼女は自閉症で、物事に異常な執着心を示す錯乱状態にあるんだ」とやり返した。放送終了後、FOXテレビには抗議が殺到し、FOX側は謝罪する破目になったそうだ。(Claudia Koerner, 'Fox News Apologized to Greta Thunberg after a pundit called her Mentally Ill', BuzzFeed News, September 23, 2019)

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(左 : スヴェンテ・トゥーンベリとマレーナ・エルンマン  /  右 : 「反ファシズム」のTシャツを着る母と娘)

  一般のアメリカ人にとってノウルスの発言は侮辱的に聞こえるが、確かにグレタは特定の物事に執着する精神病を患っており、「アスペルガー症候群(Asperger's syndrome)」と診断されていた。彼女は11歳の時に病気が発症し、世界の運命を執拗に気にする鬱病に罹ったそうで、喋ることや食べることさえしなくなったという。ところが、彼女の両親は娘を隠すどころか、進んで表舞台に導き、一緒に環境問題に取り組んでいたのだ。彼女の父親であるスヴァンテ・トゥーンベリ(Svante Thurnberg)は、俳優と作家を兼業する左翼活動家で、母親のマレーナ・エルンマン(Malena Ernman)も亭主と同じく、左翼の環境活動家ときている。オペラ歌手のマレーナは以前来日したことがあるというから、彼女のコンサートを覚えている人もいるんじゃないか。日本でもそうだけど、「蛙の子は蛙」で、グレタも両親の影響を受け、まだ10代なのに一端の左翼になっていた。彼女は「アンティファ(反全体主義)団体」にも共感しているようで、「ANTIFASCIST All Stars」のTシャツを着ており、SNSに自身の姿を公表している。左翼分子はよく「反フィシズム」を標榜するけど、左翼陣営こそ根っからのファシスト団体で、上下関係や身分制度が殊のほか厳しい。例えば、共産党の下っ端党員が幹部連中を前にして、「おい、志位 ! いつまで書記長にしがみついているんだ !」と言えるのか? こんなことを口にしたら、除名どころか代々木の精神病院に閉じ込められてしまうぞ。

アイドル少女を操る赤レンジャー

  日本のテレビ局はしきりにグレタの演説を持ち上げていたが、我々が本当に知りたいのは「誰が彼女の背後にいるのか」ということだ。例えば、誰がグレタを環境問題の「アイコン」にしたのか、日本人なら知りたいと思うはずだ。世間知らずの大学生ならともかく、民間企業で汗を流し、派閥争いや責任のなすり合い、顧客巡り、接待ゴルフ、合併、閉店、倒産を経験した大人であれば、あんな小娘が一人で国連に来て、堂々と演説できるとは思わない。「きっと誰かの手引きがあるに違いない」と考えるのか普通である。

  確かに、グレタを「パペット」にする大人はいる。ちょっと賢い日本人なら、国連でグレタに附き添う女性に着目し、「あの女、いったい誰だ?」と尋ねたくなるだろう。彼女の名はルイーザ・マリー・ニューバウワー(Luisa-Marie Neubauer)といい、23歳のドイツ人活動家である。このルイーザは札付きの左翼で、「気候のための学校ストライキ(Skolstrejk för klimatet)」を組織し、「正義感」に駆られた子供を動員するという手口を取っていた。複雑な世の中を知らない子供は、単純明快なスローガンに騙されやすく、「私にも何か出来るかも知れない」と思い込む。そして、刺戟的な話題を好む新聞やテレビは、こぞってチビっ子軍団の抗議活動を取り上げ、天使の行進みたいに騒ぎ立て、高い視聴率を稼ごうとする。一方、マスコミの脚光を浴びた小娘達は、自分の主張が聞き入れられたと錯覚し、天にも昇るほどの恍惚感を味わう。そして、増長した者は大学に進んで政治を変えようと試みる。こうなりゃ、世の左翼分子は大喜び。大学には環境マルキストの連中がウヨウヨいるから、無垢な女子学生は格好の餌食だ。

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(写真  /  グレタと行動を共にするルイーザ)

  子供を前面に出すルイーザは、一匹狼の活動家ではなく、「同盟90 / 緑の党(Bündnis 90 / Die Grünen)」および「緑の党青年部(Grüne Jugend)」に属している。この「同盟 90 」は旧東ドイツの組織である「新フォーラム(Neues Forum)」と「デモクラシー・ナウ(Demokratie Jetzt)」および「平和と人権イニシアティヴ(Initiative Frieden und Menschenrechte)」が融合したことで結成された極左団体。「青年部」はこの団体の下部組織で、設立当初は1968年に暴れ回った左翼学生とかベトナム反戦運動家、アデナウアー体制に反撥した過激派などが主流メンバーであったらしい。この組織には極左活動家のルディー・ドゥチュケ(Alfred Willi Rudolf Dutschke)も属しており、そこのスポークスマンを務めていたから、安保闘争に励んでいた日本には懐かしの人物である。ドゥチュケは典型的な「緑のアカ」で、イタリアのマルキストであるアントニオ・グラムシやローザ・ルクセンブルクが心の師匠であったという。まぁ、「緑の党」自体がユダヤ人の極左集団、あのフランクフルト学派を理論的支柱にしていたくらいだから、党員がマルキストなのは当然である。

Luisa Marie Neubauer 3Rudi Dutschke 1Antonio Gramsci1Rosa Luxemburg 1










(左 : ルイーザ・マリー・ニューバウワー  /  ルディー・ドゥチュケ / アントニオ・グラムシ  /  右 : ローザ・ルクセンブルク )

  現在、「同盟90 / 緑の党」はアナレナ・ベーボック(Annalena Baerbock)とロバート・ハベック(Robert Habeck)が共同代表となっている。ベーボックは2013年にちょっとだけブランデンブルク州の地方議員を務めたが、政治家としての力量に欠けていたのか、それ以上の出世は無かった。一方、ハベックはシュレースヴッヒ・ホルシュタイン州で環境長官になったことがある。二人ともドイツでよく見かける環境左翼だが、ベーボックには別の顔があった。彼女は「レオ・ベック研究所(Leo Baeck Institute)」の理事も務めており、イスラエルとのパイプも強い。ちなみに、この研究所は改革派のラビで、「進歩派ユダヤ教世界同盟(World Union Progressive Judaism)」の会長を務めたレオ・ベック(leo Baeck)を偲んで創設されたという。ここに集まる学者たちは、主にドイツ系ユダヤ人の文化や歴史を研究・宣伝しているから、ユダヤ研究をしている者にはよく知られている。昔からユダヤ人は世界各地に人脈を広げる癖があるから、レオ・ベック研究所も本拠地のイェルサレムを始め、ベルリンやロンドン、ニューヨークに支局を持っている。

Annalena Baerbock 2Robert Habeck 3Leo Baeck 1












(左 : アナレナ・ ベーボック / 中央 : ロバート・ハベック  /  右 : レオ・ベック)

  日本のテレビ局は国連でキャンキャン騒ぐ子供らを映していたが、米国内で勢力を誇る赤い環境活動家にも言及すべきだ。民衆党には環境左翼が大勢潜んでおり、下院議員に当選したばかりのアレクザンドラ・オカシオ・コルテス(Alexandra Ocasio-Cortez)は荒唐無稽な「グリーン・ニュー・ディール(Green New Deal)」を提唱し、反トランプ陣営のマスコミから拍手喝采を受けている。アメリカの左翼メディアは、ここぞとばかりにグレタと大統領を対比させ、トランプを環境破壊の権化みたいに報じていた。オカシオ・コルテスには同志がいて、その一人であるミシェル・ロメロ(Michelle Romero)は、「全ての人に緑を(Green For All)」という団体の全米統括者を務めている。さらに、この下院議員は上院議員のエド・マーキー(Ed Markey)を仲間としており、理論的支援者には「ニュー・コンセンサス(New Consensus)」の制作部長を務めるリアナ・ガン・ライト(Rhiana Gunn-Wright)がいるという。

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(左 : アレクザンドラ・オカシオ・コルテス / 中央ミッシェル・ロメロ   /  右 : リアナ・ガン・ライト)

  ガン・ライトは母子家庭で育った黒人だが、よほど“優秀”だったのか、憧れのローズ奨学金を得ることができた。ただし、イェール大学で専攻したのは、「アフリカン・アメリカ人研究」と「女性学(Women's Gender and Sexuality)」であるという。日本のよい子は、これを聞いても決して笑っちゃいけないよ。まぁ、言っちゃ悪いけど、エスニック研究なんて白人社会に不満を持つ黒人やヒスパニックが専攻する科目で、まともな白人学生なら絶対に取らない授業である。でも、リアナにとっては自慢の学問らしい。でもさぁ~、いくら何でも「女性学」とは呆れてしまうじゃないか。こんな下らない学位を取る黒人が、ローズ奨学金を手にすることができるんだから、時代の変化は誠に恐ろしい。

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  創設者のセシル・ローズ(Cecil J. Rhodes)はダイヤモンド会社の「デ・ビアス(De Beers)」を創業したことで知られているが、この御仁は英国の植民地支配を当然と思っていた帝国主義者で、アングロ・サクソン人が一番優れていると信じていた。今なら確実に「人種差別主義者」というレッテルを冠する人物である。そもそも、彼が奨学金制度を作ったのは、優越民族の世界支配を盤石にするためで、黒人やユダヤ人を助けるためではない。ましてや、有色人種が奨学金を得るなどとは、夢にも思っていなかったのだ。もし、彼が現代に蘇り、ユダヤ人の労働長官となったロバート・ライシュや国連大使を務めた黒人のスーザン・ライスはもとより、ベンガル人のシッダールタ・ムカジー(Siddhartha Mukherjee)やインド人作家のニール・ムケルジー(Neel Mukherjee)を目にしたら、死ぬほどの衝撃を受け、その場で卒倒するだろう。

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(左 : ロバート・ライシュ   /  スーザン・ライス  / シッダールタ・ムカジー   /  右 : ニール・ムケルジー  )

  環境問題は左翼活動家だけの縄張りじゃない。世界的に展開される政治行動には、必ず資金を提供する黒幕がいるものだ。では、今回のデモ活動を裏で操っていたのは誰なのか? 先ず挙げられるのは、ビル・ゲイツが設立した「ビル&メリンダ財団(Bill & Melinda Foundation)」で、その大駒となっているのは「One」という下部組織である。マイクロソフト社で有名な大富豪は、引退するや435億ドルの資金を投じて財団を創り、医療福祉や環境問題に取り組んでいるが、本当に「世のため、人のため」なのか怪しい。ゲイツの意向を受けた「One」は、貧困問題を世界中に宣伝すべく、「The F Word : Famine is the Real Obscenity)」というプロパガンダ映像を作っている。この作品には左翼の有名人が多数出演しているので、世間の注目を集めやすい。例えば、偽善者の臭いがプンプンする「U2」のヴォーカル、ボノ(Bono)や極左男優のジョージ・クルーニー(George Clooney)、黒い英国人俳優イドリス・エルバ(Idris Elba)、ヒスパニック系女優のジェシカ・アルバ(Jessica Alba)、元ニューヨーク市長のユダヤ人マイケル・グリーンバーグ(Michael Greenberg)などである。でもこれじゃ、まるで赤レンジャーばかりの「パワー・レンジャー」みたいだ。

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(左 : ビル・ゲイツとメリンダ夫人  / ジェシカ・アルバ  / マイケル・グリーンバーグ  /  右 : ジョージ・クルーニー)

  左翼団体への献金と言えば、必ずジョージ・ソロス(George Soros)の影がちらつく。「オープン・ソサエティー財団(Open Society Foundation)」を創設した、このユダヤ人大富豪は、環境問題や気候変動にも関心が高く、クリーン・エネルギーへの技術開発に10億ドルもの資金を提供したそうだ。民衆党を背後から支えるソロスは、環境問題を訴える様々な組織に大量の資金を投入し、間接的に大掛かりな政治運動を起こしている。例えば、以前、ワシントンD.C.で環境破壊を警告する街頭デモ「People's Climate March」が開催されたが、ソロスは子飼いの諸団体に約3600万ドルを提供して、裏から経済的援助を行っていた。彼は個別の政治家にも財政的支援を与えており、テキサス州のハリス郡で検事選挙があった時などは、民衆党のキム・オグ(Kim Ogg)候補に資金を渡し、見事当選させている。彼女は環境問題に敏感な政治家で、火災時に有害物質を放出してしまった化学製品工場の「アルケマ・ノース・アメリカ(Arkema North America)」を糾弾し、有罪に持ち込んでいた。

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(左 : ボノ  / イドリス・エルバ  / ジョージ・ソロス  /  右 : キム・オグ )

  日本のマスコミは脳天気だから、国連を使って政治を動かす黒幕に一切関心が無い。興味があるのは進次郎だけ。地上波の御用学者は今回の“ヘマ”について厳しい評価を下したが、進次郎ファンには全然響かず、むしろ進次郎の株が上がったくらいだ。保守派のネット番組だって似たり寄ったりで、環境活動家を裏で操る勢力には触れず、もっぱら進次郎批判に明け暮れていた。百田尚樹と有本香は「虎ノ門ニュース」で新米の環境大臣をこき下ろしていたが、保守派国民にとったら当たり前の批判でしかない。進次郎は外人記者から二酸化炭素排出の問題やエネルギー政策をどうするのか質問された時、「減らす」と豪語したが、具体策を訊かれて絶句した。百田氏はこの場面を茶化していたが、そもそも日本の閣僚なんて、どいつもこいつも「この程度」だろう。

  保守派国民なら百も承知だが、進次郎だけが無能な訳じゃない。だいたい、一般の有権者は日本の国防を真剣に考えて議員を選び、選ばれた総理大臣は適格者を防衛大臣にしているのか? 歴代の大臣を思い出せば、そこには売国奴の加藤紘一とか朝鮮人の手先であった金丸信、支那ベッタリの林芳正、陰鬱としか言い様がない石破茂、「クール・ビズ」だけが功績の小池百合子、民主党極左の一川保夫、「真紀子の亭主」だけが売りの田中直紀(半年でクビ)、不適格者の岩屋毅ときている。保守派論客は進次郎の登用やハッタリ発言に愚痴をこぼすが、「進ちゃぁぁ~ん」と叫ぶオバちゃん達には関係ない。今回の件に関し、テレビ局の政治論説員は進次郎に「30点」とか「20点」の辛口評価を下すが、筆者から見れば90点か95点を附けたくなるほどの「上出来」である。

  もちろん、筆者は進次郎を排除したい否定派だが、あれだけ毎日テレビで話題となれば、進次郎にとってプラスでしかない。政治に詳しくない大衆にとって、中身の無いコメントなどは「どうでもいい事」で、重要なのは国際政治の場で“格好良く”振る舞った事、そして流暢な英語を披露し、人気役者としての役目を果たした事だ。進次郎に手を振るオバちゃん達は、国際舞台で堂々とした姿を見せつけ、歐米人と対等に話す進次郎に痺れ他のである。「きゃぁぁぁ~、カッコいい !!」と感激する中高年女性に、客観的な判断力を求めるのは無理だ。歌舞伎役者と進次郎にとっては、決め台詞と派手なパフォーマンスが命で、専門知識などは弁当に添える「漬物」程度ある。過去の栄光しか頭に無い加藤清隆は、「総理になれない」と予測していたが、進次郎はやがて総理大臣に昇格するだろう。ただし、マスコミにどう映るかだけを気にする進次郎は、NHKや朝日新聞にとって絶好の総理となるから用心が必要だ。何しろ、腹話術師を目指す地上波テレビは、言いなりになる進次郎を必死で首相の座に就けようとするから油断がならない。我々は安倍政権よりも更に酷い、第二の小泉政権を覚悟する時期に来ていると言えよう。

 


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