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  アメリカ大統領選挙の人民投票が終わってから、2ヶ月くらい経つが、未だに「ジョー・バイデンの当選」は確定されず、「負けた」と評されるトランプ大統領の抗戦が続いている。主要マスコミによれば、ジョセフ・バイデンは米国史上最大の8,000万票以上を得たという。だが、その人気は一向に浮上せず、世間からの注目度は素人のYouTuberよりも低い。だいたい、猫や犬よりも不人気な大統領って、いったい何なんだ? もし、2021年の大統領カレンダーが発売されたら、3月以降の写真はカマラ・ハリスになっているのかも知れないぞ。一般のアメリカ人に訊きたくなるが、あの弱々しい老人を積極的に支持する国民が、本当に八千万人もいるのか? 副大統領になるはずのカマラ・ハリスだって、バイデンの「当選」に懐疑的で、未だに上院議員を辞めていないじゃないか。もし、彼女が「バイデン圧勝」を信じているなら、11月か12月中にさっさと辞任し、副大統領職の準備を始めているはずだ。まさか、あのハリスまでもが「トランプの逆転勝利」を信じているとは思えないけど・・・。

  日本国民がアメリカの不正選挙に憤り、トランプ大統領の再選を望むのは少々おかしいが、日本の保守派がトランプ大統領の闘いを掩護(えんご)したくなる気持ちは分かる。何しろ、北京政府に対して一歩も引かない執政官だし、日米軍事同盟の強化にも繋がるので筆者も大いに賛成だ。しかし、一部の保守派が国境を越えてトランプ支持者になるのは、彼が不正な選挙に対して敢然と抗議し、自分の勝利を一寸も疑わない態度を取っているからだろう。まぁ、あれだけ多数の不正が発覚すれば、凡庸な日本人だって「異常だ」と判るし、卑劣なバイデン陣営から憲政を守ろうとする姿は「国士」に見える。要するに、日本人は無骨者でも「信念を貫く勇者が好き」ということだ。

  もう一つ、日本人がトランプ大統領に声援を送るのは、彼が共和国を守る軍人や愛国者から支持されているからだ。2020年12月12日、トランプ大統領は陸軍vs海軍のフットボール試合を観戦すべく、NYにあるウェスト・ポイント(陸軍士官学校)に赴いた。ここのキャンパスにある「マイキー・スタジアム(Mitchie Stadium)」には、士官候補生等約9千人が集まっており、トランプ大統領が現れると、観戦していた士官候補生がどよめき、皆が一斉に「U.S.A. ! U.S.A. !」と叫んでいた。この歓迎ぶりに、トランプ大統領も大満足。最強の軍隊を率いる大統領は、こうでなきゃ。たぶん、日本人の多くもインターネットで、この様子を見たんじゃないか。スタジアムを歩くトランプ大統領には、総帥としての威厳があった。視聴者の中には、大歓声に包まれるトランプ大統領を見て、「アメリカ人はいいなぁ~。こんな政治家を持つ事が出来て・・・」と羨む人がいたのかも知れない。

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(左 : ミラー長官や高級軍人とスタジアムをあるくトランプ大統領  /  右 : アメフト試合の開始に立ち会うトランプ大統領)

  指導者の条件に関しては古今東西、色々な歴史家や評論家が蘊蓄(うんちく)を垂れている。しかし、リーダーの資質を議論する際、かなり重要なのは、統率者が劣勢の時に如何に対処するかだ。戦闘状況が優勢となれば指揮官も結構楽である。だが、劣勢の場合にはどうか。様々な責任がのしかかってくるので、苦渋の決断を迫られるし、敗北に関する対策も用意せねばならない。そうじゃなくとも、周囲からの圧力を撥ねつけ、突破口を見出すことは困難だ。独立戦争の時、大陸軍(アメリカ軍)を率いたジョージ・ワシントンには、数々の苦難があった。その一つがヴァレー・フォージ(Valley Forge)における野営である。

  1777年、指揮官となったワシントンが率いる大陸軍は、百戦錬磨のブリテン軍に対して劣勢となっていた。9月に勃発したブランディワインの戦い(Battle of Brandywine)では、約1,200名の損失を出し、続く10月のジャーマンタウンの戦(Germantown)でも敗退の憂き目に遭ってしまう。確かに、ジャーマンタウンでの戦いは、濃霧のためアメリカ兵の同士討ちもあったから悲劇だ。それに、ウィリアム・ハウ将軍(Sir William Howe)麾下のブリテン軍を蹴散らすことが出来なかったのは誠に惜しい。対するブリテン軍は騎虎の勢いで進撃を続けていた。ハウ将軍は11月下旬から敵の拠点であるフィラデルフィアを攻略し、見事にこの要所を手中に収める。さらに、デラウェア河の下流域一帯を制圧するという快挙だった。

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(左 : ウィリアム・ハウ将軍  / 中央 : ジョージ・ワシントン将軍  /  右 : ヴァレー・フォージで祈るワシントン )

  一方、撤退を余儀なくされた大陸軍は、泣きっ面に蜂である。アメリカ兵は真冬の12月、フィラデルフィアの北西部にあるヴァレー・フォージ(フォージ谷)で宿営することにした。ところが、大陸軍の将兵は疲労困憊のうえに、飢えや病気でも苦しんでいた。劣悪な状況に置かれた軍隊の中では、腸チフスや赤痢、肺炎などが蔓延し、天然痘に冒される者まで出る始末。こうした兵卒のほとんどは農民か移民の出身で、イギリス兵のように深紅の軍服を纏った正規兵ではない。小説や映画なら、アメリカ兵は自由を求めて闘うジョン・ランボーみたいに描かれるが、実際の叛乱軍はボロボロの私服を身に纏った百姓兵といったところだ。ある者は裸同然のみすぼらしい貧民で、また、ある者は靴すら履いていない足軽ときている。こうした民兵が雪でぬかるんだ道を裸足で歩けば、その爪先には血が滲んでいたりする。この惨状を目にしたワシントン将軍の胸中は、どのようなものであったことか。しかも、約11,000名の軍隊には、500名ほどの女子供が付き従っていた。この状態で兵站業務が滞っていたわけだから、極寒の季節でなくても野営は致命的である。空腹に耐える兵卒には、身を温めるスープはおろか、衣服や毛布すら不足していたのだ。(Woodrow Wilson, George Washington, Harper & Bothers Publishers : New York, 1897, p.199.)

  司令官としてのジョージ・ワシントンを悩ませたのは、兵站の問題ばかりでなく、大陸議会の連中による背後からの刃(やいば)だった。議会には嫉妬心や党派心に駆られた策士どもが暗躍し、孤軍奮闘のワシントン将軍に対し言いたい放題。ワシントンに痺れを切らした輩(やから)は、「持久戦(Fabian policy)など、けしからん !」と糾弾する。特に悪質なのは、トマス・コンウェイ(Thomas Conway)少将に与する連中だ。ワシントンの名声が日増しに高まると、将軍に妬みを感じたコンウェイ一味(Conway Cabal)は、無能なワシントンを失脚させてホレイショ・ゲイツ将軍(Horatio Lloyd Gates)に挿(す)げ替えようとしたのだ。しかし、ゲイツを総司令官にするという目論見は達成しなかった。その代わり、戦争評議会(Board of War)が創設されると、ゲイツ将軍は1777年11月27日に評議会の議長に就任した。

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(左  : 兵卒を気遣うワシントン将軍 /  右 : 冬の宿営で苦しむワシントン軍)

  とにかく、ヴァレー・フォージの宿営で刮目すべき点は、フリードリッヒ・ウィルヘルム・フォン・シュトイベン男爵(Baron Friedrich Wilhelm von Steuben)による軍隊の改革である。この「ギャンブル男爵」を自称するプロイセン貴族は、才能と気迫に溢れた冒険軍人(Soldier of Fortune)。彼はオーストリア王位継承戦争と七年戦争に従軍した経験を持つベテランだ。大陸会議の一声で大佐から少将に昇進したシュトイベン男爵は、後にワシントン将軍の参謀長となり、ブランドフォードの戦役(Battle of Bladford)ではアメリカ軍の指揮官となる。彼は1,000名の民兵隊を率いて2,500名のブリテン軍と干戈を交えたし、南部戦線ではナサニエル・グリーン将軍のもとに馳せ参じ、苦戦を強いられたこともある。アメリカに帰化したシュトイベンは現役を退くと、あの有名な退役軍人会である「シンシナティー協会(Society of the Cincinnati)」の創設メンバーとなり、彼が没してから125年後の1919年には、ドイツ系アメリカ人の愛国者団体である「米国シュトイベン協会(Steuben Society of America)」が結成されている。ちなみに、「シンシナティー協会」の初代総裁はジョージ・ワシントンで、二代目が副官のアレクサンダー・ハミルトンであった。

Baron von Steuben 01(左  / フリードリッヒ・ウィルヘルム・フォン・シュトイベン男爵 )
  話を戻す。シュトイベン少将の専門は兵隊の訓練で、これはジョージ・ワシントンが大いに手こずった分野である。当時のアメリカ兵ときたら、イングランドの常備軍と違って、徴用令で集められた庶民か、募集に応じた民兵といったのが大半であった。あとは、せいぜいゲリラ戦を得意とする猟師(ハンター)くらい。当然、大陸軍には歐洲人が持っていた軍事訓練の操典は皆無で、上官の厳命に従って“きびきび”と行動する訓練など全く受けていなかった。そこでシュトイベン男爵は先ず基本の操典を作り、模範となる中隊を編成する。最初は手間取ったが、やがてアメリカ兵も要領を摑んでいったので、この素人集団は次第にプロ集団へと変貌した。シュトイベン男爵によって鍛え抜かれたアメリカ兵は、軍事教練の必要性に目覚め、マスケット銃を用いた訓練にも精を出す。彼らは銃が使えない雨天の場合に備えて、銃剣突撃の訓練も受けることになった。第18世紀のライフル銃だと、弾を装填するのに1分くらい時間が掛かってしまうので、接近戦になると敵兵の銃剣でやられてしまうことも多かった。それゆえ、アメリカ兵もブリテン兵を見倣い、銃剣戦術の腕を磨くようになったという。1779年のストーニー・ポイントの戦い(Battle of Stony Point)では、大陸軍の軽歩兵隊が勇猛果敢な突撃戦を敢行し、ニューヨークのストーン・ポイントを奪取することができた。

  ワシントン将軍はシュトイベン男爵の功績を大いに讃えたそうで、この偉人が居なければ、アメリカ軍の命運はどうなっていたことか。プロイセンの軍人のみならず、一般的にドイツ人というのは根っからの戦士だ。鉄の規律と蛮勇が表裏一体となる戦場では、このゲルマン民族は驚異的な能力を発揮する。我が国でもドイツ軍人の評価は非常に高い。例えば、帝國陸軍を鍛え上げたクレメンス・メッケル(Klements Wilhelm Jacob Meckel)少佐は非常に有名だ。日本の武士もドイツ人以上の戦闘民族だから、メッケル少佐の教えを受ければ、それを吸収するのも早かった。何しろ、示現流や新陰流を習得した者がウヨウヨいる時代だから、日本人が武器を持って闘えば一撃必殺。狙った敵を生きて帰すことはない。こんな鬼神の集団を相手にすれば、支那人はブルブル震えて脱糞だ。へっぴり腰の朝鮮人は小便をちびりながら逃走だろう。現在の日本人でさえ、「本当に我々のご先祖様なのか?」と疑ってしまうほど、幕末・明治の日本人は殺気と迫力に満ちていた。

  赤く染まった日本の学校教師は、アメリカ社会に対するドイツ移民の功績をあまり強調しないが、科学分野での貢献は驚くほど素晴らしい。ドイツからやって来た知識人のお陰で、アメリカの学問的水準は飛躍的に向上した。1950年代に日本へやって来たアウグストゥス・プラール博士(Dr. Augustua Prahl)も述べていたが、ジョンズ・ホプキンス大学ではドイツの影響が強く、物理学や化学、医学のみならず、言語学や哲学、社会学、法学でも相当な貢献があったという。(Augustus Prahl, "German Scholars at the Johns Hopkins University", Report of the Society for the History of the Germans in Maryland, Vol. 30, 1959.)

  一方、日本の左翼が大好きな支那人なんて、米国に移住しても何ら文明の進歩に貢献しなかった。むしろ、チャイナタウンを作ってアメリカの景観を損ねていたくらいだ。支那系アメリカ人なんて所詮、貧乏人ですら馬鹿にする厄病神の類いか、社会を根底から腐蝕させる背徳の輩にすぎない。孔子学院は語学研修を兼ね備えたカルチャーセンターの看板を掲げていたが、実際は工作員が運営する政治宣伝機関だった。(驚くべき事に、日本の大学では、まだこの対外工作機関が温存されている。) 支那人の留学生というのは、本格的なスパイか潜在的なスパイ、そうでなければ、祖国を見捨てた逃亡者というのが相場である。支那人はアメリカ国籍を取得しても支那人のままだ。帰化した支那人だって油断は禁物。女子学生は色仕掛けで政治家の卵に近づくし、政財界の有力者と結婚すれば、亭主を「支那人の良き理解者」に変えてしまうのだ。

  特に、支那人と結婚した政治家には注意が必要である。例えば、ミッチ・マコーネル(Mitch McConnell)上院議員の妻となり、運輸長官になったエレイン・チョウ(Elaine Lan Chao / 趙小蘭)は、北京政府にしたら「米国に根づいた資産(asset)」と同じだ。彼女の支那人ネットワークや、故郷で金儲けに奔走する肉親の悪行は、ピーター・シュワイツアーが暴露して話題となった。(Peter Schweizer, Secret Empires, Harper Collins Publishers : New York, 2018, pp.75-89.を参照。この本の中ではバイデンやオバマの腐敗も紹介されているけど、長くなるので省略する。)  在米支那人が支那国籍のままで様々な議員に政治資金を流せば、それは違法献金となってしまうが、帰化支那人が行えば、それは合法的な献金となる。支那人は一般人であっても、「準工作委」と考えた方がいい。彼らはアメリカ人の協力者を増やし、昔の仲間や親戚に紹介するから極めて危険だ。とにかく、支那移民なんて百害あって一利無しだから、片っ端から追放すべきである。

戦没者に敬意を払うトランプ大統領

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(写真 / ブリトニー・ジェイコブズ夫人と息子のクリスチャンに会うトランプ大統領)

  NYのミリタリー・アカデミーに通っていたトランプ大統領は、赤い黒人マルキスト、バラク・フセイン・オバマと違って、合衆国の軍人に対して心からの敬意を持っている。アメリカ人のみならず、我々日本人が見ても、トランプ大統領が戦没者の遺族に接した時の態度は素晴らしかった。また、彼の演説はとても感銘的だ。2017年の戦没者記念日(Memorial Day)に最高司令官のトランプ大統領は、アーリントン国立墓地に赴き、軍人が並ぶ前で演説を行った。その日、大統領は国家に殉じた海兵隊員、クリストファー・ジェイコブズ軍曹(Marine Sgt. Christopher Jacobs)を讃え、寡婦となったブリトニー夫人と息子のクリスチャン君(7歳)と面会した。母親に付き添われたクリスチャン君は、亡き父と同じ海兵隊の制服を着て、目の前の最高司令官と握手した。( "Trump honors wife and 7-year-old son of fallen Marine", Fox News, May 9, 2018.)



Trump & Jacobs 3(左  /  父親の墓を見つめるクリスチャン)
 遺児となったクリスチャンは、まだあどけない7歳の少年であったが、小さな海兵隊の制服を身に纏い、父親の墓前に立って、堂々と敬礼をした。こうした光景は観衆の胸を打つ。トランプ大統領は一生忘れない出来事であったと述べている。海兵隊の司令官であるトランプ大統領は、父を亡くした少年にこう告げた。「君のパパはこの世を去ったけど、彼は居なくなったわけじゃない。パパの愛情、勇気、強さは君の中で生きている。君もパパのように大きくなり、強くなるが、パパの素晴らしい遺産も君の中で生きているんだ」、と。そして、トランプ大統領は最後にブリトニー夫人とクリスチャン君に感謝の意を述べた。トランプ大統領の追悼演説は全米で放送され、彼の真摯な言葉は人々の心を捉えた。官僚の作文を棒読みにする日本の総理大臣とは違い、トランプ大統領は自分の言葉で喋っていた。

  蛇足だけど、クリスチャン君に語りかけるトランプ大統領を見たとき、筆者は昔に出逢った少年のことを思い出した。米国に留学していた時、日曜日になると学生寮の食事が無いので、陸軍の曹長である友人のA氏が筆者を憐れみ、「ウチで一緒に食べないか」と自宅に招いてくれた。彼の夫人や娘達はとても親切で、戦前の日本にあった士族の家庭を偲ばせるアメリカ人家族だ。もちろん、共和党に属する保守派の夫婦で、リベラル思想を嫌う敬虔なキリスト教徒。筆者は昼飯を共にすることが度々あった。この家族は軍の住宅地に住んでいたので、筆者は食事の後、周辺の道を散歩することもあり、「意外と普通だなぁ~」と思った事がある。

  ある日の午後、近くの家々を眺めながら歩いていたら、小学1、2年生くらいの男の子が目にとまった。幼い白人の少年が、たった独りで庭に設置されたバスケッート・コートに居たので、「どうして独りなんだ?」と尋ねてみた。すると、「パパが知らない外国に派遣されたので、仕方なく独りでボール遊びをしているんだ」、という旨の答えが返ってきた。「マイク」と名乗るこの少年は、哀しそうな青い瞳で筆者を見つめ、父親がいつ戻ってくるのか判らないと暗い表情を浮かべていた。その様子があまりにも不憫だったので、筆者は励ますつもりて次のように語りかけた。

  君の父上は最も高貴な職業に就いている。陸軍の将兵はみんなのために自己犠牲を覚悟しているんだ。君も知っているように、アメリカは偉大な国だよね。だから、君の父上も立派なんだ。

  すると、マイクが「本当なの?」と訊いてきたので、「私は日本からの留学生で、大学では政治学を勉強しているから判るんだ。本当だよ !」と答えた。「大学生」と耳にしたマイクは、何となく筆者の言葉を信じてくれたので、続けて話しかけることにした。

  君の父上は外国で闘っているから、どんな事が起こるのか分からない。でも、君には父上と同じ勇気と強さがある。だから嘆き悲しむべきじゃない。陸軍の兵士は義務と名誉を持つ勇者だ。そして、君の血管には父上の血が流れている。父上が勇敢なんだから、君も勇敢になれるはずだ。今は家に居ないけど、父上の魂は君の中で生きている。君は父上の血と肉を持つ息子だ。立派な軍人を父親に持った事を誇るべきなんじゃないか。君の父上はみんなから尊敬される兵士だ。友達に自慢してやれ。今は父上が居なくて寂しいんだろう。でも、君が毎日祈りを捧げれば、父上はきっと帰ってくる。

  これはある意味、無責任な話だけど、見知らぬ外人から自分の父親を褒められたマイクは、笑顔を取り戻し、どことなく誇らしげであった。いくら知識の無い子供でも、自分の父親を褒められれば嬉しい。まるで自分が褒められたように嬉しくなる。このあと、ちょっとだけバスケットボールの相手をして別れたが、帰り道の間、マイクの事が心配で堪らなかった。もしかしたら、父親が無残な遺体で帰還し、マイクは冷たくなった父の顔を見ることができぬまま、葬儀に参列するかも知れないからだ。

  以前、父親を亡くした少年が大粒の涙を流す場面を見たことがある。あの時は自分の胸が締めつけられるような思いだった。筆者には海兵隊員や陸軍兵士の級友がいるんだけど、彼らが中東アジアに派遣されていたら、何人かは亡くなっていたかも知れない。級友が兇弾に倒れる姿を想像するのは辛いものである。とにかく、最高司令官となる大統領や首相の肩には、とてつもなく大きな重責がのしかかってくると言えよう。彼がちょっと唇を動かすだけで、何千何万もの将兵が戦場に派遣され、生死の境を彷徨ってしまうのだ。ある者は奇蹟的に助かるが、不運な者は手足を失い、再起不能の傷痍兵となる。実際の戦場は想像以上に恐ろしく、爆発で眼球に破片が突き刺さり失明する者、地獄の炎に包まれて大火傷をする者、太股や脇腹に弾が貫通して鮮血が瀧のように流れ出す者など、ちっとも珍しくない。

John Murtha 001(左  / ジョン・マーサ下院議員)
  トランプ大統領は戦争経験が無いけど、将兵に対する敬意は人一倍持っている。彼はアフガニスタンやイラクでの駐留延長はアメリカの国益に沿わないと思っているのだろう。だから、トランプ大統領は出来るだけ多くのアメリカ兵を撤退させ、彼らを故郷に戻そうと考えているのだ。ペンシルヴァニア州選出の民衆党下院議員、ジョン・マーサ(John Patrick Murtha, Jr.)は生前、軍の病院を訪れ、負傷兵を見舞ったことがある。彼は憐れな姿となった士卒に言葉をかけ、彼らの武勇を讃えた。しかし、その目には涙が滲んでいたという。彼はベトナム戦争に参加したことのある海兵隊の予備役大佐であったから、決して無責任なリベラル議員じゃない。実際、彼は「Bronze Star」や「Purple Heart」といった勲章を授与されている。この軍人政治家は中々気骨があって、ブッシュ大統領が引き起こしたイラク戦争に疑問を抱き、戦闘部隊の増強に反対していた。

  アメリカの主流メディアや日本の言論人は、トランプ大統領の抵抗を「悪あがき」と馬鹿にするが、彼の支援者は熱心にトランプ大統領の勝利を信じている。自分の命を犠牲にしてまでアメリカを守りたい軍人なら、不正にまみれたジョー・バイデンの当確に異議を唱えるのは自然だろう。上念司や奥山真司は「トランプ逆転なんて有り得ない。もう、バイデン次期大統領で決まりです !」と力説するが、トランプの逆転勝利を願うアメリカ人は諦めない。もし、99%の確率で無理と分かっていても、1%の可能性があるなら彼らはそれに賭けるはずだ。なぜなら、諦めることは何時でもできるからだ。人間はやってしまったことを後悔することがある。しかし、もっと後悔するのは、することが出来たのに、怯えて、あるいは躊躇って、しなかった時だ。

  トランプ支持者だって逆転が難しい事くらい充分わっている。しかし、彼らは黙っていられないのだ。建国の父祖は自由を守るために戦った。血を流しても独立を勝ち取りたかったからだ。星条旗に忠誠を誓った祖父がアメリカの自由を守り、父も祖父に従ってアメリカを守れば、自分も守りたいと思うのは当然である。この自由を我が子に、そして幼い孫に、まだ見ぬ曾孫に渡したいと願うのは人情であり、子孫に対する義務となる。たとえ、マスコミや知識人から愚弄されても、アメリカ人なら自分の信念を貫こうとする。不正に溢れた選挙であれば、尚更沈黙することなんてできない。1月6日にワシントンD.C.に集まるアメリカ人は、祖国と国民に対する侮辱に心から憤った人々であろう。怒りで震えるトランプ支持者を笑える日本人は、いったい何名いるのか? 筆者は彼らを笑うことができない。

  翻って、日本の総理大臣はどうなのか? 菅義偉総理に最高司令官の器があるとは到底思えない。 おそらく、菅氏の頭には国土防衛とか防諜組織の創設といった考えは無いんだろう。この宰相には携帯電話料金の値下げとか、国内旅行の補助金といった“目玉政策”はあっても、英霊に対する尊崇の念とか、国防軍を率いる覚悟、皇室を守り抜こうとする愛国人などは微塵も無い。だいたい、菅総理に軍人を鼓舞する言葉があるのか? 普通の日本人なら、菅総理に感動的な追悼演説など求めない。そもそも、菅総理に求める国民がいないんだから。国防を諦めた日本人にとって、誰が総理大臣になろうがお構いなし。セックスとグルメを堪能し、あとは多少の金銭と娯楽があればいい。たとえ菅総理が辞任したって、次に総理となるのは石破茂や岸文雄だ。もし、そうでなくても、マスコミが持て囃すのは河野太郎か枝野幸男の類い。さらに、こうしたポンコツが共倒れになれば、「待ってました !」とばかりに小泉進次郎が登場する。日本の選挙なら、ドミニオン投票機でどんな「異常」が起きても大丈夫。菅総理が再選されず、茂木敏充や吉村洋文が総理・総裁になっても、同じ路線が続くだけなんだから。



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