チンピラ黒人が「聖人」に昇格した日

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(左 : 記者会見に臨むジョージ・フロイドの遺族  /  右 : フロイドの死を悼み、お揃いのTシャツを着て抗議する黒人グループ )

  日本と同じく、アメリカ合衆国という国家も“公民”と“領土”が中核を成す要素になっている。国家意識が欠落した日本人は、自国の領土が侵掠されても、主権が蹂躙されても一向に気にしない“島民”に成り下がってしまった。さらに嘆かわしいのは、公民の“質”が変化しているのに、それを平然と眺めている態度である。一方、アメリカ人にはまだ国土防衛意識が残っているので、ハワイやロードアイランドが侵掠されれば、全軍を以て防衛する気概がある。しかし、西歐系アメリカ人にも、似たような症状が現れてきた。彼らは「公民(citizen)の質」に関する議論を避けようとする。特に、リベラル思想を植え込まれた高学歴の白人ほど論争を忌避する。なぜなら、それを始めれば、必ずや「人種の壁」にぶち当たるからだ。これは理性で解決できる問題ではない。人間の感情に基づく社会問題は、たとえ話し合いで鎮火したように見えても、心の底に反感の火種が残ってしまうものだ。抑圧された炎というのは反撥が強く、何かの切っ掛けがあれば、容易に再燃して火柱を上げてしまう。だから、脅迫や弾圧で人為的に抑え込もうとすると、却ってその摩擦熱が増強され、国民の分断にもなりかねない。

  アメリカ人というのは、いつも国内問題で揺れている。BLM(黒人の命も大切だ)運動の発端となった、ジョージ・フロイド(George Floyd)の死亡は未だ記憶に新しい。白人警官のデレク・ショウヴィン(Derek Chauvin)に膝で首を押さえられ、もがき苦しみながら逮捕される映像は、繰り返しマスコミによって流された。ところが、フロイドの遺体を調べたところ、彼は窒息死ではなく、心臓疾患と薬物の使用が主な死因と考えられるのだ。検死官のアンドリュー・ベイカー医師によれば、生前のフロイドはかなりの鎮痛剤を服用していたらしい。(Lou Raguse, "New court docs say George Floyd had ‘fatla level’ of fentanyl in his system", KARE 11 news, August 26, 2020.) こうした鎮痛剤の常用に加え、メタンフェタミン(methamphetamine)も使っていたから、逮捕時にフロイドの心臓が圧迫されたのも当然である。たぶん、裁判ではショウヴィンの行為がどれ程のレベルで死亡に繋がったのかが焦点となるだろう。薬物の過剰摂取で死に至ったのか、それとも首を圧迫されたから、それが引き金となって死亡に至ったのか、が争われるはずだ。

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(左 : ジョージ・フロイド  /  右 : デレク・ショウヴィン)

  しかし、フロイドの死亡事件は医学的な検証問題ではなく、あくまでも“政治上の問題”である。彼の逮捕劇を目にした黒人は、「白人警官による過剰防衛だ ! 黒人に対する不当な暴力だ !」と騒ぎ立て、その怒りは澎湃として全米各地を覆ってしまった。米国の黒人は多かれ少なかれ、日常生活で何らかの差別や恥辱を受けているから、一旦火がついた黒人の怒りは治まらない。ルサンチマン(ressentiment)とは、「繰り返し恨みを抱く」ことだから、黒人は過去を振り返って何度も味わった屈辱を思い出す。彼らはそれぞれ理不尽な境遇に憤る。単に黒人として生まれただけなのに、何で二級国民のように扱われるのか、と。さらに、毎日の生活で目に見えない壁に囲まれ、出世や成功が妨げられているから、「おのれ~、白人ども ! 積年の怨みを晴らしてやる!」と勢いづく。

   でも、実際は黒人による犯罪で不幸になる白人の方が多い。主流メディアが意図的に隠しているから、リベラル白人が気づかないだけだ。しかし、FBIの統計を目にするアメリカ白人は、口には出さないが心の底で薄々分かっている。根拠なき批判はいけないけど、黒人の犯罪率は異常に高いから、黒人が集まると妙な目で見られたり、「何かよからぬことをするんじゃないか?」と疑われてしまうのだ。(以前当ブログで紹介したが、米国の主流メディアはコリン・フラハティー<Colin Flagerty>の本を意図的に隠している。黒人批判書の出版後、彼はテレビ局から干されてしまった。) 例えば、白人客なら普段着で「メイシーズ(Macy's」や「ハロッズ(Harrods)」に入っても怪しまれないのに、黒人がフード附のパーカー姿で入店すると、店の警備員がジッと見つめたりするから、まるで万引犯にでもなったような気分になってしまうのだ。また、趣味の悪い自分のクルマを運転すれば、白人警官のハイウェーパトロールに停車命令を喰らうし、いつもの仲間と高級住宅地を歩けば、「ここで何をしているんだ?」との職質を受ける。まぁ、確かに都市部などでは黒人の犯罪者が多いから、アメリカの白人はどうしても警戒してしまうのだ。

  一般の日本人はこれを以て「偏見だ ! 有色人種への差別だ !」とわめき立てるが、いざ黒人の群れに迷い込んだり、黒人街に住むとなれば、日本人は白人以上に警戒したりする。そもそも、「偏見(prejudice)」というのは、「予め」「判断」することだから、我々の生活には欠かせない意識(用心)である。よく、小学生の子供を持つ母親が、「変なオジさんについて行っちゃダメよ !」と釘を刺すが、どうやって子供はある人を「変」とか「危険」と判断できるのか? もしかすると、日本人の親は日常生活の躾で、無意識的に「変な人」の外見を子供に教えているんじゃないのか? アメリカには変態や兇悪犯、不法移民とかストリート・ギャングとがゴロゴロいるから、子供の一人歩きなんか絶対に厳禁だ。日本の女子大生は、大学の授業になると「人種偏見は赦せない!」と憤るが、電車の中でインド人やトルコ人の隣には坐ろうとせず、女性客の隣に坐ろうとする。さらに、彼女達がいざ子供を産んで母親になると、公園に集まるパキスタン人やベトナム人、アフリカ人を目にして、我が子の安全を図ろうとするんだから呆れてしまうじゃないか ! 日本人は根っからの差別主義者じゃないけれど、我々の「自然な反応」や「日常の偏見」をドイツ人やフランス人のピンク左翼が聞いたら、きっとビックリするぞ。

  脱線したので話を戻す。ジョージ・フロイドの「圧殺死」は全米各地に木霊(こだま)し、彼の不幸な死を悼む黒人は後を絶たなかった。米国の根深い人種対立を知らない日本人だと、「たかが不逞黒人のフロイドが警官に抵抗して自業自得の発作を起こしただけなのに、どうして見ず知らずの他人があれほど騒ぐのか?」と訝しむ。だが、人種問題で大統領選挙を操作したかった闇組織は、「全体主義反対」を掲げる極左グループの「アンティファ」を利用しようと考えた。ロクでなしの左翼に大金を流して操るのは、闇組織や外国勢力の常套手段である。日本の60年安保闘争や70年代の新左翼運動には、ソ連工作員の資金が流れていたじゃないか。もちろん、機動隊とぶつかっていた左翼学生は、酒を飲みながらインターナショナルを唄うくらいで、裏金については何も知らなかった。彼らは汚く伸ばした長髪とゲバ棒を片手に、「反戦平和」の闘士を気取ったり、「社会正義」の雄叫びを上げるだけ。東工大出身の菅直人や信州大出身の猪瀬直樹に訊いてみればいい。ちなみに、猪瀬は「白ヘル」で、同志社大の佐藤優(さとう・まさる)は「黒ヘル」だった。佐藤を「保守派言論人」と勘違いした新潮社や『諸君!』の元編集員は反省しろ。まぁ、KGBの工作員からすれば、「馬鹿と左翼は使いよう」という訳だ。

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(左 : 運び出されるフロイドの棺  /  右 : 街道で棺を見送る民衆)

  日テレやTBS、フジテレビなどの地上波ワイドショーは報じなかったが、ジョージ・フロイドの神格化は凄まじかった。まるで大統領か陸軍元帥の国葬みたい。フロイドの遺体は豪華な棺に入れられ、馬車に曳(ひ)かれながら街道を通過した。道路沿いでは多くの人々が見守り、フロイドの棺が通り過ぎると涙をこぼす。街中には彼の巨大な肖像画が飾られたり、壁にも彼の龍顔(りゅうがん)が描かれていた。さらに、大勢の黒人が次々と肖像画の前で跪(ひざまづ)き、惨殺されたフロイドの死に哀悼の意を示した。外国人がこうした礼拝を見れば、「フロイドは何かの殉教者なのか?」と尋ねてまうだろう。

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(左 : フロスドの棺の前で跪くジェイコブ・フレイ市長  /  右 : 祭壇となったフロイドの祈念碑 )

  日本人がフロイドの一件で“驚愕”してしまうのは、ミネアポリスの市議会が手渡した慰謝料の金額である。何と、ミネアポリスの行政府は和解金として2,700万ドル(29億7000万円)をフロイドの遺族に支払ったのだ。(Emily Shapiro and Whitney Lloyd, "$27 million settlement for George Floyd's family approved by Minneapolis City Council", ABC News, March 13, 2021. ) もう信じられない金額だが、高額訴訟が頻繁に起こるアメリカだからしょうがない。(まだ、法廷での決着がついていないのに、早々と判決が下る前に慰謝料を払うなんて前代未聞である。) 遺族に雇われたベン・クランプ弁護士によれば、フロイドの死は正義と変革を望む否定しがたい声を解き放ち、黒人の命も大切だということを再確認すると共に、警官による有色人種への暴力を終わらせるメッセージとなったらしい。そして、彼の死は永遠に刻まれることになった。何と、逮捕劇が起きた38番通りとシカゴ・アヴェニューの交差地点が、「ジョージ・フロイド・スクウェアー」と命名されたのだ。NYの「マディソン・スクウェアー」なら聞いたことがあるけど、ミネアポリスに新たな記念広場ができるなんて、もう絶句するしかない。単にゴロツキ黒人が不運な死を迎えただけじゃないか ! ホント、主要メディアと左翼の富豪による世論操作は誠に恐ろしい。

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(左 : フロイドを記念する壁画  /  右 : 壁画の前に献上された花束)

本音を語ってクビになった教授

  間抜けな西歐系白人は、黒人やユダヤ人に譲歩することが如何に危険であるかを今、ようやく気づいた。日本の地上波テレビや全国紙は全く取り上げないが、全米各地では大小の人種問題が起こっている。例えば、名門のジョージタウン大学で、「人種差別発言」を口にしたロー・スクール(法科大学院)の教授が解任されるという事件が起きてしまった。非正規教授(adjunct professor)のサンドラ・セラーズ(Sandra Sellers)は、ズームで同僚教授のデイヴィッド・バトソン(David Batson)と話している時、つい、うっかり黒人学生に対する“本音”を漏らしてしまった。彼女はこう不満を述べる。「あのねぇ~、こう言いいたくないんだけど、いつの学期でも成績が悪い学生というのは黒人なのよ ! ホント、毎学期なんだから。まぁ、あなた(バトソン)のところには良い学生(黒人)もいるんでしょうけど、いつも底辺をウロウロしている学生っているのよねぇ~」、と。

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( 左 :  サンドラ・セラーズ / 右 :  デイヴィッド・バトソ )

  案の定、この会話を録画したビデオは、インターネットで流れてしまった。当然だけど、二人の会話を聞いた黒人達は大激怒。所属教員の問題発言は電光石火、アメリカ中を駆け巡った。法学部の責任者は慌てふためき顔面蒼白だ。ビル・トレーナー学部長は直ちに声明を発表し、「二人の教員による会話は誠に不適切で、黒人学生に対する評価は非難されるに値するものです」と謝罪し、「セラーズ教授はもはやジョージタウン大学と関わりを持ちません」と述べた。つまり、馘首(クビ)ということだ。相方のバットソン教授も譴責されたそうで、大学にある「多様性・平等・優遇制度評議会」の調査が済むまで謹慎・停職との処分を受けた。まぁ、「口は禍(わざわい)の元」と言うけど、「正直は美徳」じゃなく「愚策」である。アメリカでは黒人の地位を上げるために大学入試でも「下駄を履かせて押し上げる」こともあるし、成績が悪くても「特別枠」とか「優遇措置」を設置することで採用するそうだ。でも、高度な技能や知識を求められる空軍では、「上げ底」採用は危険だから無理。確かに、戦闘機は人間の馬力じゃ動かない。軍隊のリクルート係は努力しているものの、なかなか黒人が採用基準に満たなくて苦労しているそうだ。しかし、筋肉の頭でいい海兵隊や陸軍は別。なぜなら、最前線で“消耗品”となるから。

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(左 : メイシャ・ロス・ポーター / 右 : リチャード・カランザ )

  多民族教育が浸透したせいか、政界でも黒人の採用は活発である。人種の坩堝あるいは猥雑なゲットー地区として有名なニューヨーク市では、“多様性(diversity)”に富んだ人事採用および配置転換が流行(はやり)となっている。最近、ニューヨーク市の学校運営を統括する教育長(Chancellor)の椅子が、リチャード・カランザ(Richard Carranza)からメイシャ・ロス・ポーター(Meisha Ross Porter)に代わったそうだ。なぜなら、前任者のカランザは学区を再編し、生徒を審査する入試を廃止して、もっと“多様性”に満ちた学校を創ろうとしたからだ。つまり、彼は従来の学区や入試を続けていると、黒人が多い特定の学校が出来てしまうので、人種の比率を考慮した学校を各地に創ろうとした。(Lia Eustachewich, "Who is Carranza'ssuccessor, new NYC schools Chancellor Meisha Ross Porter?", New York Post, February 26, 2021.) しかし、彼の動きに白人の親が猛反発。「そんなことをされたら、ウチの子が通う学校に“もっと”たくさんの黒人が来ちゃうじゃない! そんなの御免よ !」と激怒したらしい。

    市長のビル・デ・ブラジオ(Bill de Blasio / 本名 : Warren Wilhelm, Jr.)は、こうした「人種統合」による揉め事に頭を痛め、人事の刷新で乗り切ろうとした。そこで、ポーターが黒人初の教育長となり、「人種隔離」の教育界を取り仕切ることになったそうだ。しかし、この黒人教育者も筋金入りの左翼だから、どんな行政手腕を発揮するか分からない。ポーターはビッグ・アップル(ニューヨーク市)の学校をもっと多様化させる、と豪語していたから、白人の比率が高い学校に黒人の生徒を無理やり押し込む可能性もある。というのも、彼女はかつて「優秀な子」という名目で、標的にする学校へ黒人の子供をネジ込んだことがあるからだ。ポーターはクィーズ地区にある南ジャマイカで生まれ育ったから、黒人優先主義に染まってもおかしくはない。ここでは詳しくのべないが、筆者はこの地区を何回か歩き回ったことがあるので、“どんな”場所なのかよく分かる。普通の日本人が訪れたらゾッとするぞ。

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(左 : ビル・デ・ブラジオ  /  中央 : シャーレーン・マククレイ  /   右 : 父親と一緒のキアラ・デ・ブラシオ )

  ちなみに、市長のビル・デ・ブラジオは黒人の詩人であるシャーレーン・マククレイ(Chirlane McCray)と結婚した。ハネムーンは当時渡航禁止のキューバであったというから、いかにも左翼カップルらしい。二人の間には娘のキアラ(Chiara)と息子のダンテ(Dante)が生まれたが、二人とも曰く付きの“ガキんちょ”だった。息子のダンテは名門のイェール大学に合格したが、なんと彼にはNYPD(ニューヨーク市警察)の護衛官による“送り迎え”というサービスがついていた。つまり、父親である市長は、マンハッタン(ニューヨーク州)からニューヘヴン(コネティカット州)までの通学を警官に頼んでいたのだ。(Graham Rayman and Stephen Rex Brown, "Mayor de Blasio's used his NYPD security detail to take his son to Yale", New York Daily News, October 28, 2019.) もちろん、デ・ブラシオ市長は権力の濫用を否定し、送り迎えは7、8回にすぎず、安全確保のためだったと言い訳をした。何となく、公私混淆の舛添要一を思い出す。

Chiara de Blasio 12Chiara de Blasio 11(左 : 青いクリームを唇に塗ったキアラ  /  右 : 鼻にピアスをつけたキアラ)
  娘のキアラはもっと問題で、絵に描いたような馬鹿娘である。以前、彼女は鬱病に罹ったそうで、それから逃れるべく薬物依存症になったそうだ。しかし、とんでもないのは彼女のオツムの方で、これまた典型的な左翼思想ときている。2020年5月30日、ジョージ・フロイドの死に関する抗議デモが、ニューヨークのマンハッタンで行われた。抗議デモの参加者らは道路を塞ぎ、不当な暴力に対して声を上げるが、取締のために駆けつけた警察官はこれを鎮圧すべく、345名を逮捕した。ところが、この逮捕者の中に市長の娘が混ざっていたから、さあ大変。6月になってキアラ・デ・ブラシオの逮捕がバレたから、各マスコミが市長のもとに集まることに。(Adam Edelman and Tom Winter, "NYC Mayor de Blasio's Daughter Arrested during Saturday Night Protests", NBC News, June 1, 2020.)  父親がNYの治安を守るために警察組織を統括しているのに、その娘が厄介事を起こしているんだから、呆れてしまうじゃないか。しかも、デモ隊の攻撃により33名の警官が負傷したのだ。左翼の活動家は警察を「国家権力の暴力装置」と見なしているから、取り押さえようとする警官隊に手当たり次第、そこら辺のモノを投げつけたりする。中には「モロトフ・カクテル(火焔瓶)」を手にする奴もいるから要注意だ。

Dante de Blasio 1Dante de Blasio 2Chiara de Blasio & Bill & Dante & Chirlane at 2015 Pride Parade








(左と中央 : ダンテ・デ・ブラシオ  /  右 : ゲイ・パレードに参加したデ・ブラシオ一家)

  とにかく、左翼上がりの政治家には、“とんでもない”家族がいるんだけど、本人も頭が左巻きだから、息子や娘の不祥事を世間に詫びず、逆に庇ったりするから始末に悪い。デ・ブラシオ市長も典型的な左翼オヤジで、家族と一緒に抗議デモに参加するし、同性愛者の擁護デモにも参列したことがある。娘のキアラはカルフォルニア州にあるサンタ・クララ大学(Santa Clara University)に入ったが、そこで学んだのは犯罪者を助けようとする法学とジェンダー研究(主に女性学)らしい。(Rose Minutaglio, "Who is Chiara de Blasio? Bill de Blasio's daughter was arrested while protesting", Elle, June 1, 2020.) 確かに、「学問の自由」は尊重されるべきだが、大学でフェミニズムやエスニック研究なんてしている奴は、卒業後、どんな職業に就くんだ? バラク・オバマみたいに「コミュニティー・オーガナイザー」なんて、“カタギ”の人間が選ぶ職業じゃないぞ。でも、有名人の子供は、親の七光りで左翼活動に邁進することもある。こうなると、共犯関係の主流メディアもスポットライトを当てるから、ひょんな事で下院議員選挙に受かってしまうケースも。これから、続々とアレクサンドラ・オカシオ・コルテスみたいな女が出てくるぞ。

Karen Ames 5Nicky Kram Rosen 1(左 カレン・エイムズ /  右ニッキー・ローゼン)
  脱線したので話を戻す。形式上「人種平等」を掲げる黒人女性であるが、ポーターは白人女性の犠牲によって高い地位に就いた人物である。デ・ブラジオ市長は「能力による抜擢だ」と反論するかも知れないが、「ポーターが“黒人”だから出世せさたんじゃないか?」という疑う人も多い。通常なら、行政手腕のある白人が配置されるはずだが、人種問題が絡むので黒人にしたとも考えられるのだ。こうした“政治的打算”で弾き飛ばされた白人教育者は憤懣やるかたない。ブロンクス地区のベテラン監督官であったカレン・エイムズ(Karen Ames)は、市の方針に腹を立て訴訟を起こしている。それに、エイムズはかつて学区の編成会議に出席した時、ポーターから馬鹿にされ、貶められたことがある。エイムズが人種平等を達成するための学区構成に反対したところ、ポーターはエイムズに口を挟むな、と告げたらしい。なぜなら、エイムズが「白人」であるからだ。つまり、白人には黒人の気持ちが解らないということだろう。第七地区で管轄長を務めるニッキー・ローゼン(Nicky Rosen)もポーターの方針に不満なようで、ポーターはユダヤ人に対しても消極的な採用をしたそうだ。たぶん、アシュケナージ系のユダヤ人も「白人の仲間」と見なしているのだろう。

Rafaela Espanal 02(左  /  ラファエラ・エスピナル)
  左翼の黒人というのは複雑な心理の持ち主で、白人からの差別を嘆くのに、自ら他の種族に意地悪をする。ブロンクスの第12学区を統括するラファエラ・エスピナル(Rafaela Espinal)は、これといった説明も無しに解雇されてしまった。これに納得できないラファエラは訴訟を起こしたという。彼女の推測によれば、「ワカンダ敬礼(Wakanda Forever salute)」をしなかったから、仕事をクビになったそうだ。一般の日本人がこれを聞くと、「何だ、そのワカンダって?」と首を傾げるだろう。これは2018年に公開されたマーベル・コミック原作のアメリカ映画、『ブラック・パンサー(Black Panther)』の中に出てくる架空の国家である。2020年に亡くなったチャドウィック・ボーズマン(Chadwick Boseman)が主人公の「ブラック・パンサー」を演じており、「ワカンダ国」はこの英雄に率いられた四つの部族が構成する超文明国。南鮮映画みたいだけど、ワカンダ国は高度な科学技術を誇っている、という設定だった。

  もう、脚本と設定を聞いただけで抱腹絶倒となってしまうが、アメリカの黒人は故郷に出現した超先進国に大感激。「キャプテン・アメリカ」みたいな白人のヒーローじゃなく、黒光りのスーパー・ヒーローが誕生したので、大勢の黒人が劇場へと殺到したそうだ。でも、日本ではイマイチというか、ほとんど話題にならなかった。もちろん、提灯持ちの評論家は「おもしろ~い」と称讃したけど、正常な日本人の反応は冷ややか。お世辞で評してもB級判定が精一杯。正直に言えば、C級作品といった感じだ。何しろ、興行成績はたったの15億6千万円ていど。(ランキングは37位。) あの失敗作と言われた『オーシャンズ8』だってランキングは34位で、興行収入は16億9千万円ほどであった。アニメ映画の「クレヨンしんちゃん」の方が上位で、ランキングは27位。興行収入は18億4千万円くらい。ちなみに、2018年のランキング第1位は『ボヘミアン・ラプソディー』で、131億円くらい稼いだそうだ。

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(左 : 「ブラック・パンサー」を演じるチャドウィック・ボーズマン /  右 : 「ワカンダ・ポーズ」をとる黒人ファン)

  話を戻す。解雇となったラファエラは、アフリカ系の黒人ではなくドミニカ系のアメリカ人で、本人曰わく、「アフロ・ラティーナ(Afro-Latina)」であるという。しかし、上司のポーターには不満なようで、ラファエラは「充分に黒くない(not being black enough)」黒人であったそうだ。さらに、ラファエラの行動が問題であった。彼女は黒い同僚に迎合せず、両手を胸の前でクロスさせる「ワカンダ・ポーズ」を拒否した。せっかく「ブラック・パワー」を誇示するジェスチャーなのに、それをしないで知らん顔。これじゃあ、ラファエラが“白眼視”されたのも当然だ。日本のワイドショーは伝えなかったが、当時、アメリカの黒人はウキウキしながら、みんなで「ワカンダ・ジェスチャー」を楽しんでいた。昔、長州小力が「night of fire」に合わせて踊っていたけど、あれと同じような臭いがする。

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(写真  / 「ワカンダ」式の敬礼を披露するスポーツ選手や政治家 )

  とにかく、人種や性別に関する問題は本当に根が深く、いくら考えても有効的な解決策が無い。異人種が混ざり合って暮らすと、厄介な問題ばかりが起こる。やはり、異質な人間は離れて暮らした方がいい。1980年代、「ザ・ビートルズ」のポール・マッカートニーは、スティーヴィー・ワンダーとデュエットで「Ebony & Ivory」を唄い、黒人と白人が仲良く共存する事を訴えかけた。1983年にはマイケル・ジャクソンと一緒に「Say Say Say」を唄って、世界的なヒット曲になったけど、あんなのは金持ちの道楽だ。現実の庶民は黒人と白人で分かれている。スティーヴィー・ワンダーは盲目だから、誰が白人か見分けがつかないし、マイケル・ジャクソンは白人に憧れて整形手術を受けた。ミュージシャンは暢気な世界に住んでいるから、歌で全人類が解り合えると思っている。「それなら、習近平の前で唄ってみろ !」と言いたい。

  後編に続く。
  


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