「言論の不自由さ」を実感するアメリカ人

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(左 : 検閲を強めるIT企業を風刺するイラスト  /  右 : 巨大企業の経営者達)

  昨年の大統領選挙で明らかとなったが、アメリカの通信業界というのは本当に酷い。YouTubeを傘下に収めるグーグルは、事もあろうにトランプ大統領のチャンネルを閉鎖したし、選挙不正に言及するチャンネルは軒並み凍結か閉鎖に追い込んだ。いくら何でも、「合衆国大統領が暴力行為を扇動するから」というイチャモンは、「言論封殺」の根拠にはならない。日本人でも唖然とするが、トランプ大統領には「発言の機会」も与えられないのか?

  アメリカの巨大企業は専制君主か独裁者に近い。SMポルノ映画や犯罪促進動画ならともかく、人種問題や歴史修正に関する番組までをも閉鎖するなんておかしいじゃないか。例えば、2019年まではデニス・ワイズ(Dennis Wise)監督が手掛けたドキュメンタリー映画、『今まで語られなかった偉大な物語(The Greatest Story Never Told)』をYouTubeでも見ることができた。しかし、YouTubeを運営するCEOのスーザン・ウォシッキー(Susan Wojcicki)がPC(ポリティカル・コレクトネス)を強化したので、この映画はナチ・ドイツを讃美し、定説の歴史を歪める、と判断されてしまったのだ。グーグは“規約違反”とか“人種憎悪”という口実をもうけて、不都合な動画を削除するから本当に腹立たしい。歴史を考える上で、違った角度からの考察は非常に有益じゃないか。ところが、ユダヤ人がはびこるGoogleだと、「極右作品」と見なされNGだ。でも、過去の事象をどう解釈するかは、各人の自由だろう。ユダヤ人の歴史観や定説だけが正統なんておかしい。しかし、この種族には矢鱈と知識人が多いから、同胞を危険に晒す言論や思想を見つけると、彼らは容赦なく叩き潰す。歐米諸国における「言論の自由」は、あくまでも、ユダヤ人が決めた範囲の中での「自由」である。

Lauren Witzke 01( 左 / ローレン・ウィツキ)
  ビッグ・テックの一つである「ツイッター社」も同類で、気に食わない奴がいれば即座に追放となる。去年の11月、共和党の保守派であるローレン・ウィツキ(Lauren Witzke)は、デラウエア州で上院選挙に出馬したが、惜しくも敗れてしまった。彼女は「アメリカ・ファースト」を掲げるトランプ派の候補者で、民衆党で固められたデラウェア州に風穴を開けるべく、勇気をふり絞って戦うことにした。しかし、ジョー・バイデンが1972年から2008年まで君臨した州は、すっかり青き岩盤となっていた。まるで難攻不落の要塞みたいである。事実、上院の椅子はトム・カーパー(Tom Carper)やテッド・カウフマン(Ted Kaufman)、クリス・クーンズ(Chris Coons)で占められていた。これでは共和党が入り込む隙間さえ無い。デラウェア州は「オフショアー」じゃなく、「オンショアー」の租税回避地(tax haven)として有名だ。という訳で、同州の政治家になれば、相当な“旨味”を堪能できる。驚くことに、「フォーチュン500社」のうち65%が“節税(脱税?)”のためにデラウェア州を利用している、というのだ。また、こうした有名企業の85%が何らかの子会社を同州に置いているらしい。まぁ、ケイマン諸島やバミューダに行かなくても、米国内に税制の「巨大な抜け穴」があるんだから、利用しない方がおかしいだろう。

Alok Vaid Menon 002(左  /  アロク・ヴァイド・メノン)
  脱線したので話を戻す。トランプ流の米国第一主義を掲げ、移民流入にも反対したから、ウィツキは主流メディアから「白人優越論者」と糾弾されてしまった。どうも彼女はマスコミのブラックリストに載っているようだ。今月、これを示唆するような出来事が起きた。彼女がツイッターにトランスジェンダーの活動家であるアロク・ヴァイド・メノン(Alok Vaid-Menon)を批判する書き込みを行ったところ、ツイッター社は彼女のアカウントを閉鎖に追い込んだという。なぜなら、ウィツキはアロクの事を「邪悪な者(Demonic)」と評したからだ。(Tom Pappert, "DEMONIC : Twitter Bans Lauren Witzke For Criticizing Trans Woman Who Says Little Girls Are Kinky", National File, March 7, 2021.) フェイスブックも同じ穴の狢(ムジナ)で、同社は2月に彼女のアカウントを停止している。("Facebook Shuts Down Former America First Senate Candidate Lauren Witzke's Campaign Page", Inter News Cast, 3 February 2021.)

  では、ウィツキが非難したアロクという活動家は、如何なる人間なのか? まず最初に思い浮かぶのは、アロクの異様性である。これは常識的な意見になるが、彼(彼女?)は「男」なのか「女」なのかハッキリしない性別不明の人物である。「論より証拠」でアロクの写真を見てもらえば解る。この変人は「女に転化した元男」といっても、未だにその外見は「男」としか言い様がない。でも、現在のアメリカでは、「生まれながらの性(gender)」を以て判断してはならず、本人が自覚あるいは自称する「性」で判断せねばならない。アロクはどうやら、「LGBTQIXYZ」の中の「Queer(奇妙な人)」に分類されるみたいだ。しかし、ジェンダー学者はアロクのことを「シスジェンダー(cisgender)」、つまり「外見は男でも本来(生まれながらの性)は女として生きるはずの人物」と判断するらしい。

  もう実にややこしいが、要するにアロクは精神と肉体が一致しない人物で、大人になってから「本来の自分」に目覚めた、という訳だ。TARSHIによるインタヴューで、アロクはインドの上流カースト・コミュニティーに生まれたことを明かし、身内や仲間の縛りが強い環境で育ったという。("Interview - Alok Vaid-Menon", TRASHI Team, September 4, 2018. / TARSHIとは「生殖と性的健康に関する問題を話し合う<Talking About Reproductive and Sexual Health Issue>」の略である。) 彼は非常に保守的で宗教的な故郷を嫌っているようで、幼い頃は自分の性癖を隠していたようだ。でも、大人になるとアメリカに移住し、性別にこだわらないインド系アメリカ人アーティスト兼作家となり、信じられないけど「教育者」にもなった。

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(左 : 「フェイスブック」を運営するマーク・ザッカーバーグ  /  中央 :  銃規制に反対するウィツキ / 右 : トランプ大統領を支持するウィツキ)

  アロクは不満げに述べていたが、彼は毎日“プレッシャー”を受けていたそうである。外へ出掛けると毎回ジロジロ見られるし、その風変わりな容姿ゆえに「男」か「女」か判らず、人々から辱めを受けていたという。本人は「女」のつもりなんだが、いじめっ子タイプの第三者がアロクを目にすると、彼の主張などお構いなしに「男」と見なし、懲らしめの暴力を振るったそうだ。確かに、普通のアメリカ人ならアロクをドツキたくなる。もし、アロクが新宿二丁目辺りをウロウロしたら、住吉会か稲川会のヤクザに尋問されるぞ。だって、こんな性転換者を見れば、青竜刀を持った支那人マフィアだって怪しむじゃないか。ただし、極東会に「ケツ持ち」を頼めば別だけど。

  まぁ、こんなアロクにも独自の思想があって、偏見に凝り固まったアメリカ社会を批判している。曰わく、普通の人々は思慮分別で物事を扱っているが、そんなのは純粋さを語る神話に過ぎず、世間はこうしたフィクションを維持しようと努めているんだ、と。彼はその人生において、何事も互いに流れ込むんだ、と主張する。すなわち、「混入や汚染というのは通常である」というのだ。だから、国境や防禦壁、二元体というのは不適切であるという。たぶん、アロクにとって男や女という区別は虚構であり、人種や民族という区別も不愉快なんだろう。だから、何でもかんでも「ごちゃ混ぜ」というのが彼の理想である。こんな考えだから、アロクは「性転換女性(transgender women)と若い女性(young girls)は同じ便所を使うべき」と言い張る。なぜなら、少女達も「非常識で奇妙、あるいは変態的(kinky)」であるから、というのだ。

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(上写真  /  御洒落なのに「悪魔的」と評されるアロク)

  こうした暴言を耳にしたから、ウィツキはアロクを非難し、ツイッターに「悪魔的」と評したのである。事件の背景を知れば、日本人だって納得し、ウィツキに賛同するだろう。実際、アロクが日本人女性に近づけば、大抵の女性は鳥肌が立ち、足早にその場を去るはずだ。もし、洗面台で手を洗っている女性が、目の前の鏡に映ったアロクを見れば、一瞬、何が起こったのか判らず、体が硬直して動けなくなるだろう。アメリカの事情を知らない女子高生や女子大生が、こんな状況に遭遇したら、いったい“どんな”反応をするのか? たぶん、悲鳴を上げて先生に助けを求めるだろう。露骨に言えば、アロクの容姿は「変態」とか「悪魔」以上の何かである。日本のリベラル左翼や人権派弁護士は、それでもウィツキを非難し、アロクを擁護するのか? アロクを批判したウィツキは、人種差別を掲げる白人至上主義者じゃないぞ。もしかすると、日本の左翼女子だって私生活となれば、こっそりと毛深いアロクを毛嫌いするんじゃないか?

LGBTが容認・擁護されるアメリカ

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( 上写真 / 「トランスジェンダー」の人々 )

  あまり紹介したくないが、アロクの件に言及したから、ついでにトランスジェンダーについても、ちょっと触れてみたい。日本では極僅かな人達が、こっそりと性転換手術を受けているが、アメリカでは性の不一致に悩む人々が、堂々と手術を受けているようだ。日本の高校生だと、たとえ受験勉強に励んでいても、男性の股間からペニスを切り取って膣を形成する「vaginoplasty」という外科手術や、女性を男性に変える外科手術を意味する  「metoidioplasty」という英単語は知らないんじゃないか。また、男になりたい女性に人工のペニスを作ってやる「phalloplasty」という形成外科手術も聞いたことがないはずだ。だいいち、学校の先生が教えないから、医学部を目指す高校生しか、こうした英単語は覚えない。もしかすると、進学校の生徒でも知らなかったりして・・・。

  筆者は性転換手術の映像を目にしたが、あまりにも“おぞましい”ので、写真を掲載することができない。記録映像では、手術を受ける患者の股間は血塗れだ。それに、特殊撮影で用いるゴムみたいな材料でペニスを作ったりするから、男性が見ても吐き気がする。何と言っても恐ろしいのは、ペニスを切断する時の映像だ。とてつもなく痛々しい。以前、アフリカの部族紛争では、捕虜となった惨敗兵がペニスを切り取られる事もあったらしいが、自ら進んで切除を依頼するというのは本当に寒気がする。余計なお世話かも知れないが、切り取ったペニスは手術後どうするんだろう? 「臍(へそ)の緒」みたいに木の箱に保存するのかなぁ~? 少なくとも、息子を産んだ母親は悲しむんじゃないか。

  こうした外科手術は必要なんだろうけど、あまり考えたくない治療法である。しかし、アメリカには性転換手術を熱心に推進する医者もいるようで、ユダヤ人の中には有名な専門家も少なくない。例えば、子供の内分泌学を専門とするスティーヴン・ローゼンタール(Stephen M. Rosenthal)は、カルフォルニア大学サン・フランシスコにある「ベニオフ小児科病院」に勤務する医者で、「幼児・青年ジェンダー・センター(CAGC)」の創設者でもある。彼は性の不一致に悩む未成年を受け持ち、彼らの健康面をも扱っているそうだ。シカゴにある「ウェイス記念病院(Weiss Memorial Hospital)」で「ジェンダー合致手術センター」の局長を務めるローレン・シェクター(Loren M. Schechter)も、トランスジェンダを扱う専門医である。彼は20年のキャリアを誇るベテランだ。「サン・フランシスコ総合病院(San Francisco General Hospital)」に勤務するベンジャミン・ブライヤー(Benjamin Breyer)も、性転換手術を得意とするユダヤ人である。彼は元々、泌尿器を専門とする医者だった。

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(左 : スティーヴン・ローゼンタール   / 中央 : ローレン・シェクター  /  右 : ベンジャミン・ブライヤー )

   それにしても、女性にペニスを附けてやるユダヤ人って、一体どんな神経をしているんだ? 精神科の医者に訊いてみたい。筆者は人工的に作ったペニスの写真を幾つか持っているけど、あまりにも衝撃的で、おぞましいから、掲載は断念する。もし、一般の日本人が目にすると、変な悪夢を見る虞(おそれ)があるから注意が必要だ。想像したくないけど、ゴム製のペニスを請け負う職人って、どんな気持ちで製作しているのか? そして、1本いくらなんだろうか? (やっぱり、個人の“好み”を考えた特注品なのかなぁ~。)

  シェクター医師とブライヤー医師は、勤務先の違いはあるけど、医師免許を取得したのは同じ大学で、両者ともシカゴ大学にある「プリツカー医学校(Pritzker School of Medicine)」の出身だ。「プリツカー」の名前はシカゴのみならず、他の州にも響き渡っている。以前、当ブログで紹介したけど、このプリツカー家は全米屈指の裕福なユダヤ人一族だ。ジェイ・ロバート・プリツカー(Jay Robert Pritzker)は民衆党から出馬し、現在イリノイ州で州知事を務めている。彼の姉に当たるペニー・プリツカー(Penny Pritzker)は、オバマ政権で商務長官に就任した人物。そして、二人の父親であるドナルド・プリツカー(Donald Pritzker)には、ジェイ・アーサー・プリツカー(Jay Arthur Pritzker)という長兄がいて、彼がハイアット・ホテル(Hyatt Hotel)を買収し、それをチェーン化したことはよく知られている。彼はシカゴのダウンタウンに「ジェイ・プリツカー・パビリオン」を建設し、そこにあるコンサート・ホールや公園は2004年に完成したそうだ。

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( 左 : ジェイ・アーサー・プリツカー  /  中央 : ペニー・プリツカー  /  右 : ジェイ・ロバート・プリツカー )

  華麗なるユダヤ人家族でも、内部では色々な問題があって、一概に全員がエリートになっている訳じゃない。この一族には「ブラック・シープ(black sheep / ツラ汚し)」というか「恥さらし」がいて、それがジェイムズ・ニコラス・プリツカー(James Nicholas Pritzker)である。彼はドナルド・プリツカーの兄、ロバートの息子であるから、J.B. プリツカー知事にとっては伯父の息子、つまり従兄弟となる。1974年、彼は合衆国陸軍に入隊し、1977年にロヨラ大学に通うようになると、予備役の軍人に鞍替えした。その後、イリノイ州にある陸軍の「National Guard」に編入し、2001年に中佐のランクで除隊したという。ジェイムズは結婚して三人の子供をもうけている。

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(左 : 「ジェニアァー」と改名したジェイムズ・ニコラス・プリツカー  /  右 : 元は軍人だったジェニファー・プリツカー)

  今世紀に入り、彼の人生は劇的な変化を遂げることになる。軍隊生活を退いたジェイムズは、「TAWANI Enterprise Inc.」を創業して金融や軍関係のビジネスを始めたが、それが軌道に乗ると、今度は「Tawani 財団」を作って慈善活動に取り組んだ。しかし、彼には内緒にすべき私生活があって、それは女性の精神を秘める肉体を持っていたことだ。ジェイムズは最初の結婚でタルという娘をもうけ、一番目の妻であるアエレット夫人と離婚した後、リサという女性と再婚した。この夫婦の間には二人の息子ができた。しかし、2014年になるとジェイムズは二番目の夫人とも離婚してしまい、2020年にはエリン・ソラロ(Erin E. Solaro)という女性と再婚(?)することになった。さらに、彼は2013年になると重大な決断をする。何と、元陸軍中佐のジェイムズ・ニコラス・プリツカーは、親からもらった名前を捨て去り、「ジェニファー・ナタリア(Jennifer Natalya)」という名前に改めたのだ。かりにも元軍人なのに、それが化粧をしてオバタリアンに変身するなんて・・・。いくら何でもあんまりだ。これなら、デーモン小暮の方がマトモに見える。せめて、カルーセル麻紀くらいの容姿ならよかったのに・・・。やっぱり、現実は厳しい。

態の刑罰を軽くする?

Pamela Powers Hannley 02Leo Biasiucci 01(左 : パメラ・パワーズ・ハンリー / 右 : レオ・ビアスウッチ )
  1950年代以前のアメリカと公民権以降のアメリカでは、「別の国なんじゃないか?」と思えるほど、社会と個人における倫理道徳の変化が著しい。最近では、厭になるくらい「性的マイノリティー」や「有色人種」に対する“配慮”が叫ばれている。例えば、アリゾナ州の下院議員を務める民衆党のパメラ・パワーズ・ハンリー(Pamela Powers Hannley)は、性犯罪者に対する厳罰に反対している、というのだ。アリゾナ州議会では、共和党下院議員のレオ・ビアスウッチ(Leo Biasiucci)が性犯罪に関する法案(HB-2889)を提出し、子供を性的に虐待したり強姦した者を終身刑に処すよう働きかけていた。なぜなら、現在の法律では、子供を性的に犯した者は、せいぜい10年から20年の懲役に服すくらいで、場合によったら仮釈放だって有り得る。さらに恐ろしいのは、野心が残っている変態がシャバに戻るケースだ。反省していない奴は、再犯者になる可能性が非常に高い。だから、ほとんどの議員は厳罰化に賛成した。それなのに、ハンリー議員だけがこの法案に反対したんだから、世間の批判を受けても当然だろう。

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(逮捕された時の写真   /  子供を餌食にした性犯罪者 )

  こうした反論を聞けば、アメリカ人のみならず日本人だって、「どうして?」と訊きたくなるじゃないか。もう呆れてモノが言えなくなるが、ハンリー議員は犯罪者の人種比率を憂慮したから反対したのである。「サンドイッチマン」の富沢じゃないけど、「何いっているのか、サッパリわからない !」というのが一般人の反応だろう。ハンリー曰わく、黒人はアメリカ人口の13%を占めているだけなのに、殺人犯や殺人事件の半数を占めている。それゆえ、黒人は白人よりも多く刑務所にぶち込まれているから、刑罰が重くなると、その煽りを受けるのも黒人の方が多くなってしまう、という理屈だ。(Pat Droney, "Arizona lawmaker opposes mandatory life sentences for child molesters, says it hurts people of color", Law Enforcement Today, March 6, 2021.)  つまり、有色人種はシャバで「マイノリティー」なのに、ムショでは「マジョリティー」になっているから、もし刑罰を厳しくすると、多くの有色人種が悲惨な目に遭ってしまうじゃないか、というわけ。

  でも、子供を餌食にする方が、よっぽど悪質じゃないか。進歩主義や人権思想を掲げるリベラル派というのは、なぜか犯罪者を庇い、被害者を蔑(ないがし)ろにする。たぶん、自分が国家の敵(革命の旗振り役)になるから、犯罪者が「仲間」に思えてくるんだろう。もっと呆れてしまうのは、ハンリー議員が幼児性愛者を“犯罪者”と見なさず、“精神病患者”の一種と見なしている点だ。つまり、彼女の考えによれば、幼稚園児や小学生を狙う変態でも、一生牢獄に閉じ込める程の極悪人じゃなく、治療を必要とする病人という見解になるらしい。それなら、前科者だけが暮らす特別区を作り、人権派が一緒に住めばいいじゃないか。進撃の巨人でも登れないほどの高い壁で理想郷を取り囲み、変態が外へ出られなくすれば、一般のアリゾナ州民は安心だ。そもそも、子供を持つアメリカ人の何割が、ハンリー議員の意見に賛成なのか? ぜひCBSやPBSに調査してもらいたい。

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( 左 : 西歐系アメリカ人が思い浮かべるアジア人のタイプ  /  右 : 米国に在住するベトナム系アメリカ人)

  左翼の精神病に冒されたアメリカでは、様々な価値観の破壊が行われている。子供を標的にする変態が擁護される一方で、今度は子供向けのアニメで検閲が行われているというのだ。ディズニー社は数々のアニメ作品をインターネットで放送し、無邪気な子供達がそれを観て楽しんでいる。しかし、これらの名作の中にはレイシズム的要素が含まれている作品もあるから、修正や廃止の措置が必要であるらしい。実際に発売・放送中止に追い込まれた作品というのは、『ピーター・パン』や『ダンボ』、『アリストキャッツ』、『スイス・ファミリー・ロビンソン』であるという。(Adele Ankers, "Disney Plus Removes Peter Pan, Dumbo from Kids Profiles due to Negative Depictions", IGN, 11 March 2021.) ホント、現在のアメリカ合衆国は気が狂っており、PC(政治的に正しい思想)の嵐でクルクルパーになっている。

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(左 : インディアンを描いた従来の漫画  /  右 : ステレオタイプのアジア人キャラクター)

  日本人の親からすると、「えっ ! いったい何がマズいっていうの?」と怪訝に思ってしまうが、どうやら登場キャラクターの一部が非西歐人の気分を害するらしい。例えば、『ピーター・パン』にはインディアンが登場するけど、その姿は滑稽な(あるいは伝統的な)インディアンの姿で、日本人が『マンガ・キッド・ボックス』(テレビ東京)で観たような格好である。たぶん、インディアン系の子供達がディズニー・アニメを観て、祖先の文化や衣装を恥ずかしく思ってしまうからNGとなるんだろう。日本の子供にも大人気である『ダンボ』もPCに引っ掛かるそうだ。白人が顔を黒く塗ったり、「ジム・クロウ(Jim Crow)」時代のような黒人労働者を描いているから、黒人への侮辱になるらしい。

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(上写真 2枚  /  子供に「従来の絵本」を読み聞かせる母親 )

  また、この作品にはステレオタイプのアジア人が登場するので、これも検閲でNGとなる。『アリストキャッツ』にもステレオタイプのアジア人が登場し、奇妙な言葉を喋る支那人が出てくるからダメであるという。『スイス・ファミリー・ロビンソン』にもレイシスト的描写があるらしい。例えば、東南アジア人や中東アジア人を代表する、黄色い顔や茶色い顔のキャラクターが描かれているので良くないそうだ。しかも、彼らがヘンテコな言葉を喋っているから、アメリカ人の子供、特に白人の子供には、エイリアンの言葉に聞こえてしまうので、これもNGらしい。

  そんなことで一々目くじら立てていたら、アニメ作品は政治的地雷を踏まないように制作され、「当たり障りの無い」B級娯楽なってしまうだろう。昭和時代の日本では本当に「創作の自由」があって、スポンサーの御機嫌取りを除けば、制作者に結構な自由があった。例えば、昭和49年に放送された『グレートマジンガー』には主人公の剣鉄也と一緒に戦う女性キャラクターの「炎ジュン」が登場していた。彼女はアフリカ人の父親と日本人の母親から生まれた混血児で、運動神経抜群の孤児という設定だった。一応、彼女の肌は茶色になっていたが、人相はヨーロッパ人との「ハーフ」という事になっていたので、テレビを観ている子供達には違和感が無かった。

  歐米の教育学者は驚愕するが、炎ジュンが操縦する戦闘ロボットは女性の体をした「ビューナスA」で、乳房の部分にはミサイルが収納されていた。(『強殖装甲 ガイバー』では、ガイバーが胸の装甲を開いて「メガスマッシャー」を放つけど、昭和の頃は胸からの武器は女形ロボットだけ。) これだけでも、歐米のフェミニストは「女性差別だぁぁ~」と半狂乱になるだろう。日本の子供は平然と毎週毎週テレビにかじりついて、人種差別に性差別のアニメを観ていたんだから、西歐の学者は唖然とするだろう。また、当時の日本アニメにはフェミニズムが浸透していなかったので、科学者とか研究所の主任は中高年の男ばかり。研究所の所長を務め、ロボットを開発したのも弓弦之助(ゆみ・げんのすけ)や兜剣造(かぶと・けんぞう)だけである。ハリウッドのユダヤ人みたいに、「女性の天才科学者」とか「女性の軍隊指揮官」を設定するなんて発想は無かった。それゆえ、脚本は常識的で自然な展開となっている。

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(上写真  /  黒人がスイカを好むことから、米国で考案された様々なアイテム )

  話を戻す。確かに、インディアンやアジア系、アフリカ系、ヒスパニック系の子供にしたら、自分達を異邦人か野蛮人のように描くキャラクターには腹が立つ。でも、アニメや漫画は本来、自由気ままに作られる代物だ。左翼思想が盛り込まれたサブ・カルチャーなんて面白くない。今、ハリウッド映画がつまらないのも、ユダヤ人やリベラル派がPCや多民族主義を持ち込んでいるからだ。ディズニー社がそんなにレイシズムを嫌うなら、黒人用のアニメとかアジア人用の漫画を作ればいいじゃないか。登場人物がほとんどヒスパニックか黒人という冒険アニメでもいいし、アジア版の『シンデレラ』や『白雪姫』でもいい。召使い役を白人にして、主人公の王子様をインド人にするとか。お姫様といったヒロインはベトナム人かマレー人にすべし。意地悪な姉なら朝鮮人が最適なんじゃないか。もちろん、忌々しい魔法使いは、支那人かユダヤ人が似合っている。しかし、問題となるのは黒いプリンセスだ。例えば、アフリカ系の白雪姫だと、「黒雪姫」とか「石炭姫」みたいだから、日本では人気にならない。しかも、支那人や朝鮮人の王子様だと、黒人の眠り姫にキスをしない可能性も。ユダヤ人の王子様なら脇目も振らずに素通りだ。また、カエルにされた王子様が人間に戻っても、ユダヤ人のプリンスと判れば、アラブ人の子供達は「トカゲに変えちまえ!」と叫ぶだろう。でも心配ご無用。ユダヤ人の制作者はアーリア人の顔に描くから。

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(左 : アフリカ人の子供を描いたイラスト   /  右 : 「ジム・クロウ」時代の黒人を描いたイラスト )

  日本人は未だに言論や藝術の自由があると思っているが、そんなのはマスコミが言いふらす幻想で、現実の世界では暗黙の検閲制度が敷かれている。令和の日本では、もっとアジア人が増えてくるから、色々な場所で言葉狩りやNG規制が厳しくなるだろう。その一方で、マンガやアニメの世界にも多民族主義が浸透してくるから、支那人とかマレー人を連想させるキャラクターが登場しかねない。既に『進撃の巨人』では、色黒の「オニャンコポン」が登場するから、他のマンガでも黒人のキャラクターが出現するだろう。日本の漫画家でも歐米諸国の影響を受けているから、諫山創と同じく、ユダヤ人を「可哀想な民族」と錯覚するはずだ。ハリウッド映画の“刷り込み”は本当に恐ろしい。

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( 左 : 黒人の中年女性をかたどった置物  /  右 : TVドラマなどで登場する南部の黒人女性 )

  石ノ森章太郎の名作『サイボーグ009』にもアメリカの影響が現れ、段々とメイン・キャラクターの大幅な修正が加えられるようになった。例えば、2012年に制作された劇場版では、「006」の支那人「張々湖(ちゃんちゃんこ)」や「008」のケニア人「ピュンマ」が別人のようになっている。昔のアニメ版だと、張々湖は「ゼンジー北京」のように話していたけど、今では「ワタシ、何々あるヨォ~」といった話し方になっている。おそらく、支那人侮蔑になるから駄目なんだろう。アメリカだと「005」の「ジェロニモ・ジュニア」が、ステレオタイプのインディアンになってしまうから、検閲でNGになってしまう虞がある。筆者は昔気質なのか、「アニメくらい自由に作らせればいいのに」と思ってしまう。敗戦後の日本人はアメリカを「自由の国」と見なして憧れていたがが、現実の世界は違うようだ。もしかしたら、「言論の自由」が保障されるのは、誰も聞かない地方のラジオ番組とか、影響力の無い個人のブログだけかも。令和の時代から見ると、「昭和のテレビ番組やCMには、結構、自由があったなぁ~」と思えてくる。




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