政治家との人脈を持つ詐欺師のブローカー

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  今回の土石流被害を伝える報道で、“はぐれ議員”となっていた細野豪志が、ひょっこり顔を出していた。細野議員といえば、環境大臣や内閣府特命担当大臣を歴任した野党のホープとなるはずだったが、美人女子アナの山本モナを射止めて怪しい関係に陥り、マスコミから路上キスを暴露されて面目丸つぶれ。三木武吉や浜田幸一が赦された昭和と違い、平成時代の不貞行為は致命傷となる。案の定、不倫の代償は高くつくいてしまい、将来を期待された若手議員は、未来を絶たれた素浪人となってしまった。

Koike 992( 左 /  美脚を強調する小池百合子)
  失望の民主党を離れて、俄(にわか)仕込みの「希望の党」に入ったものの、そこは裏切が渦巻く「絶望の党」であった。不運な奴は何回でも不運になる。運命の女神(フォルトゥーナ)に見放されたのなら、「仕方ないか!」と諦めもつくが、緑のタヌキに振り回されたんじゃ納得できない。女帝の小池百合子は平然と仲間を裏切る。彼女はどんな政党を作っても、必ず「小池商店」にしてしまう個人事業主。今月の都議選でも、小池都知事は仮病を使って応援を断り、「都民ファースト」の連中を見棄てていた。細野が頼った二階俊博に再び寄り添い、この売国奴を利用して総理の椅子を狙うんだから、狸(タヌキ)寝入りが得意な雌狐(キツネ)だ。でも、男を食ってのし上がるんだから、もしかすると蟷螂(カマキリ)夫人かも。(何となく、五月みどり主演の『かまきり夫人』を現代版で観ている気分だ。この日活ロマンポルノを知っている人は、かなりの映画通。)

Hosono Goshi 002(左  / 細野豪志 )
  静岡県選出の細野豪志には、もう一つのスキャンダルがあった。それは、2018年(平成30年)に彼が「JC証券」から5千万円の“裏金”を貰っていた、という容疑だ。形式的には、JC証券が5千万円を“貸与”したことになっているが、実態は選挙中の“ヤミ献金”だろう。なぜなら、「JC証券」の親会社である「JCサービス」にも怪しい点があるからだ。というのも、この「JCサービス」は、太陽光発電でひと儲けようと企んだエネルギー開発会社。2013年には、鹿児島県で蓄電池を活用するモデル事業を計画したこともあるそうだ。しかし、この計画自体が胡散臭かった。太陽光を使っての蓄電ということで、環境省から補助金を手にしていたのだが、これといった事業も無かったので、補助金の2億9600万円を返還する破目になり、加算金1億3600万円をも支払うよう命じられたのだ。

  太陽光発電のシステム開発、およびバイオマス発電の開発などを手掛けていた「JCサービス」には、「グリーン・インフラ・レンディング」という子会社があった。ここは「ソーシャル・レンディング(Social Lending)」を展開する民間企業で、ネット上でお金を借りたい人を探し、ネッ上でお金を貸したい人に紹介する、という仲介業務を主とする。インターネットを介して小口の投資ができるということで、資産運用家による評判は結構良かった。特に、再生可能エネルギーが世間で持て囃されると、お金を貸して儲けたい人が更に増えたし、太陽光で一攫千金を狙う輩(やから)も、欲張りの投資家を利用してボロ儲けしようと考えた。「グリーン・インフラ・レンディング」も、こうした禿鷹企業の一つ。しかし、この会社は今年の4月9日、東京地裁から破産開始の決定を受けたらしい。負債総額は約120億円で、債権者は一般投資家を含めた4,855名だ。

  グリーン社は「maneo(マネオ)マーケット(株)」なる投資募集会社のプラットフォームを利用していた。ネットの投資家達から資金を集めるという構図は、貸付型のクラウドファンディングで、お金を貸した人は10%前後の高い配当を約束されいたそうだ。(註: 「maneo」とは、「お金 / money」に関する「新しい / neo」ビジネス・モデルを意味するんだって。へぇ~。) 「マネオ」の社長である瀧本憲治は、慶應義塾大学を卒業後、投資会社の「UBI」に入社。その後、経営難の「マネオ」社を買収して社長に就任したという。ところが、2018年7月、「マネオ」社は投資家に事実と異なる説明をして資金を集めたことが発覚し、金融商品取引法違反で金融庁から処分されることに。再生可能エネルギー事業に使うため、投資家から集めた資金なのに、その中の2億5千万円がJC証券に渡っていたのだ。そして、5千万円が細野議員へ「融資」という訳である。

  同年7月24日、金融庁はJC証券の証券会社登録を取り消した。2019年3月、個人投資家57名がマネオ社を相手取り、合計11億円の損害賠償を求める訴訟を起こした。被告はマネオ社とファンド事業者のグリーン社、再生可能エネルギー開発会社のJC社、及びグリーン社とJC社を経営する中久保正巳社長である。彼は細野議員と昵懇であるらしい。例の「資金提供」の際、JC証券の取締役会は細野氏への貸付に反対であった。しかし、JC証券の取締役を兼任する親会社(JCサービス)の中久保氏が圧力を掛けたので、渋々の融資に至ったそうだ。

  「希望の党」にチャンスを見出した中久保社長は、同党のメンバーであった細野氏とは仲良し。2017年の12月、細野氏が団長を務める超党派の議員団に交じって、中久保氏はタイを訪問していた。JC社は細野議員が環境大臣を務めた2012年に幸運を摑む。同社は環境省が公募した再生エネルギー事業の「事業者」として選ばれ、2億9600万円の補助金を得た。こんな美味しい役目を頂けたのなら、中久保社長が政治家に“便宜”を図ったのも頷けよう。事実、中久保氏は政治家の面倒見が良い。彼は落選した議員の“受け皿”を作ったようで、民主党衆院議員の田村謙治や和田隆志、自民党に鞍替えした松田学(財務官僚上がりの元日本維新議員)が、常勤や非常勤でJC証券の取締役になっていた。

  一方、マネオの瀧本社長が迎えた末路は悲惨である。マネオは他社にもプラットフォームを提供しており、LCレンディング、ガイア・ファンディング、クラウドリース、グリーン・インフラ・レンディング(GIL)など10社にも及んでいた。しかし、SLブームが下火になると、マネオの業績も次第に悪くなり、事業改善の兆しも見えないので、瀧本氏はマネオ社を売却したそうだ。彼は売却で得た約2億円を元手に、ワクチン関連株に賭けた。株価が急騰した医療ベンチャーの「テラ(株)」や、その支援企業である「セネジェニックス・ジャパン」に投資を行ったという。ところが、こうした新興企業の業績は怪しく、「テラ」や「セネ」は治療薬の開発よりも、株価の方に関心のある会社であった。

  瀧本氏は再生エネルギー事業にも手を出していたそうで、投資家からお金を集めて太陽光発電を行っている「(株)テクノシステム」社にも融資を行っていた。しかし、ここの事業も上手く行かず、東京地検特捜部の捜査対象になってしまった。「テラ」と「セネ」も証券監視委員会と警視庁が捜査することになったから、瀧本氏の立場は益々微妙になって行く。経済評論家の三橋貴明が主宰する三橋経済塾の参加者なら知っているだろうが、2021年6月8日、霞ヶ関にある日比谷公園内の多目的トイレで瀧本氏は遺体となって発見されたそうだ。このニュースは金融界にも衝撃を与えた。自殺の理由は不明だが、トイレは内側から鍵が掛かっており、早朝、清掃員が見つけたという。捜査に当たった警察は、現場の状況から自殺と判断した。しかし、知人の中には信じられない人もいたようだ。

  瀧本氏が関与した、このテクノ社、実は「不良物件」だった。社長の生田尚之と専務取締役の小林宏、専務執行役員の近藤克朋の三名が、詐欺の容疑で東京地検特捜部によって逮捕されていたのだ。彼らは福島県白河市における太陽光発電事業という名目で徳島県の阿波銀行から約7億5千万円を借りており、静岡県富士宮市ではバイオマス発電事業を行うと称して、富士宮信用金庫から約4億1,500万円を騙し取っていたのだ。特捜部によると、会社の計画には実態が無く、金融機関に嘘の書類を提出して11億6,500万円をせしめたという。彼らの手口は陳腐なもので、豪華なパンブレットに政治家や藝能人と一緒に映った写真を掲載するくらい。でも、一般人を騙すには充分だった。

  詐欺師というのは他人の信用を勝ち取るために、有名な藝能人や政治家、財界人などと一緒に撮った写真を見せびらかす。生田社長が利用したのは、何と元首相の小泉純一郎と環境大臣に就任した小泉進次郎だった。テクノ社の“広告塔”になった純ちゃんは、日本経済新聞に掲載された広告で、生田社長の熱意と事業を大絶賛。元首相の純ちゃんは、「すごいな、生田君の仕事は夢がある。私は、日本は世界最先端の自然エネルギー大国になれると信じている。自然を我々の生活に活かす。その実現に向けて、ぜひこれからも頑張ってほしい」と仰っていた。(2020年9月4日附「日本経済新聞」) 一般読者でも、生田社長との関係を知れば、なぜ小泉親子が脱原発に熱心なのか、が判るだろう。ただし、純ちゃんの反原発運動は、米国の石油業界やロックフェラー家への「ゴマすり」という可能性が高い。

Koizumi 882(左  / 小泉純一郎 )
  “小泉劇場”で名を馳せた純一郎は、根っからの子煩悩である。端から見れば、次男の進次郎は出来損ないのバカ息子。しかし、小泉家の「稼業」を継ぐ大切な御曹司だ。たとえ、進次郎に“政治家の器”が無くても、周りの者が支えてやればいいだけ。それに、テレビ映りの良い滝川クリステルを女房にしたから順風満帆だ。多少の失言なんて兎の糞みたいなもの。時が経てば誰も気にしないから、地元の横須賀で人気を保てばいい。大衆は二枚目役者と美人キャスターを目にすれば拍手喝采だ。

  しかし、「浜のサラブレッド」は永田町で妬まれる。大臣ポストが廻ってこない古株議員たちは、「何だ、あの野郎 ! 世襲で当選したくせに。ちょっと男前だからといって、調子に乗るんじゃねぇぞ !」と牙を剝く。そこで、嫉妬の嵐を知り尽くした純ちゃんは、イチャモン議員から進次郎を守るべく、息子のパトロン(庇護者)にアメリカの石油業界を選んだ。親バカの純ちゃんは、ブッシュ大統領の守護神を思い出す。鋭敏な嗅覚を持つ元首相は、オイル・ビジネスの旦那衆を意識して反原発を叫ぶ。そして、得意のジェスチャーを交えて「これからもっと石油を買います !」とのメッセージを送り、「今後とも、ウチの息子を宜しく !」と頭(こうべ)を垂れる。父親の鮫島(小泉)純也は、防衛庁長官として、多少なりとも日本の国益を考えていたが、息子の純一郎になると一族の利益だけしか考えない。(ちなみに、「小泉チルドレン」というのは、孝太郎と進次郎のみ。杉村太蔵とか井脇ノブ子は赤の他人だ。)

Koizumi 9932(左 / 小泉進次郎 )
  今年の4月、「セクシー発言」で名を轟かせた進次郎は、日テレの「News 23」に出演し、今流行(はやり)の地球温暖化に言及した。インタビューの中で進次郎は、「温室効果ガスを2030年までに46%削減したい」と発言したから、保守派国民からは「またもや出ました ! 進次郎の絶品迷言 !」との歓声が上がった。番組内で理由を訊かれた進次郎は、「朧気(おぼろげ)ながら浮かんできたんです、46%という数字が」と述べ、「シルエットのように浮かんできたんです」と答えたから、さぁ大変。多くの視聴者は「何だよ、それ?!」と非難囂々。小泉ウォッチャーは「また、進次郎が妙なこと言ったぞ !」と大盛り上がりであった。

  しかし、時間が経つと、巷の庶民は冷静になる。「どうして46%なのか? どんな根拠があるんだ?」と首を傾(かし)げた。間もなく、インターネット上では小泉親子とテクノ社との関係が囁かれ、一般人も徐々にその事情を知るところとなり、「なぁ~んだ、支援者への恩返しかぁ~」と膝を叩く。進次郎の兄貴で俳優業をしている孝太郎は、テクノ社のCM(テレビ宣伝)に起用されていた。脳天気な役者の孝太郎は、命ぜられるままにセリフを吐き、同社のSDGs(持続可能な開発目標 / Sustainable Development Goals)」経営を爽やかにアピール。田村三兄弟の時代劇なら分かるけど、小泉三人衆のプロパガンダじゃ笑うに笑えまい。これなら、DAIGO(内藤大湖 / 竹下登の孫)と北川景子の方が“まとも”に見えてくる。(まさか、DAIGOが島根の地盤を継ぐことはないよねぇ~。)

  小泉親子と親しい生田社長も“只者”ではなかった。生田容疑者は政財界に顔が広く、横浜に開いた高級しゃぶしゃぶ店、「肉匠いく田」には、小泉元首相を始め、宇宙人の鳩山由紀夫、坊ちゃん育ちの麻生太郎、帝都を支配する小池百合子などから開店祝いが届けられ、立札には各人の名前が記されていた。太陽光発電に群がる生田氏は、「小泉元首相とサシで飯を食った」とか、「小池都知事と対談した」と吹聴し、麻生財務大臣や原田義昭・元環境大臣との記念写真を顧客に見せて大威張り。こうした有力者との太いパイプを持っていると、と思わせることで、自身の信用度を高めていた訳だ。生田社長は、テクノ社が買収した銀座一丁目の老舗料理店、「ドンピェール」(フランス料理店)にも小泉元首相や小池都知事を招待していた。さらに、生田氏は小池都知事の金庫番と呼ばれる水田昌宏と親密で、小池都知事への接近は、側近の水田氏を通して築かれたらしい。この水野氏はテクノ社にちょくちょく顔を出し、生田氏は毎月彼へ50万円の「外注費」を渡していたそうだ。

  派手な交際を自慢する人には、どこかに「落とし穴」があるものだ。実は、この生田社長、大のカジノ好き。ラスベガスのカジノばかりでなく、マカオやシンガポール、南鮮の賭博場にも頻繁に通っていたそうだ。VIPルームに陣取った生田氏は、1回のギャンブルで数千万円を賭けることもあったらしい。さらに、この御仁は妻子持ちのくせに女好きであった。噂によれば、愛人を5、6人抱えていたそうで、ギャバクラでの豪遊も伝えられている。信じられないけど、お気に入りの女の子が誕生日を迎えた時、生田氏は一晩で1千200万円も使ったらしい。関係者の話によれば、シャンパン・タワーを前にして馬鹿騒ぎをしたという。こうした遊興費に加え、愛人の家賃も一部、会社の金から出ていたというから、もう呆れるほかない。

  生田社長の交際範囲は意外と広く、小泉純一郎や小池百合子だけじゃなく、ネット証券大手の「SBIホールディングス(SBIHD)」でCEOを務める北尾吉孝(きたお・よしたか)社長にもコネがあった。SBIHDには「SBIソーシャル・レンディングス」という子会社があって、個人投資家から集めた資金を再生可能エネルギーや不動産案件に流していた。テクノ社が東京地検特捜部の捜査を受けたこともあって、SBIHDはソーシャル・レンディングから撤退すると表明。(敏腕のビジネスマンは嗅覚が鋭いので、「甘い蜜」が何処にあるのか判っていた。) 経済界の大御所たる北尾氏は、2005年、堀江貴文がニッポン放送を買収しようとした時、世間一般にしられるようになった人物だ。彼はフジテレビをホリエモンから守ってくれた助っ人、俗に言う「白馬の騎士(white knight)」と評されるが、その人脈は孫正義だけではなく、菅義偉にも伸びていた。

  とにかく、テクノ社はSLを通して380億円も集めたというが、大半は太陽光発電などの正規の事業に使われず、複数のトンネル会社を通して還流させ、自社の借金返済に充てていたようだ。もともと、豪遊を楽しむ詐欺師なんだから、再生エネルギーなんかには興味が無い。大雑把に言えば、政府の愚策に乗じて、ボロ儲けを狙っただけ。憐れなのは、余計な電気代を払っている庶民の方だ。永田町や霞ヶ関で「一票乞食」と呼ばれている平民は、秕政(ひせい)の実態を知っても抵抗できず、愚痴をこぼしながら料金を払うだけである。テレビ局が読んでくる御用知識人なんかは、「太陽光はエコ」と口走っているが、我々は「太陽光パネルを作るのに、どれほどのエネルギーを使い、老朽化したパネルをどうやって処分するのか?」と訊きたくなる。

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  テレビ藝人だって、酷いのがゴロゴロいる。例えば、2012年7月、反原発運動に乗り出した坂本龍一は、脱原発集会で「たたが電気のために命を危険に晒してはなにない !」と述べたそうだ。それなら、「じゃあ、お前はYMO時代に、一体どれほどの電気を浪費したんだ?」と質問したくなる。彼は学生時代にも左翼活動をしていたようで、反原発集会に参加すると、40年ぶりに血が騒いだという。(J-Castニュース、2012年7月17日。) 今では「地球に優しいエコロジー」とやらで、シンプルな生活を享受している「教授」(坂本氏の渾名)だが、YMOにいた頃は、「ジャパン」のデイヴィッド・シルヴィアンや「デュラン・デュラン」のニック・ローズに憧れて、口紅やアイシャドーで“お化粧の美男子”を演じていた。TBSは黙ってないで、「ザ・ベスト・テン」の録画映像を流してやれよ ! ホント、リムジン・リベラルは、優雅な生活をしながら高邁な理想を喋っているんだから。

  次回の「追撃篇」に続く。

 


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