アメリカ映画にはキャスティングが良いのに、いまいちヒットしなかった作品がたくさんある。1990年に公開された『リベンジ(Revenge)』もその一つで、『トップ・ガン』や『ビバリーヒルズ・コップ2』『エネミー・オブ・アメリカ』『スパイ・ゲーム』といった人気作品を手がけたトニー・スコット(Tony Scott)監督の映画なのに、どういった訳か評判にならなかった。日本だと、レンタル・ビデオ屋の片隅に配列されるだけの作品だったと思う。(スコット監督の人生も幸福ではなく、彼は2012年、ロサンジェルスにあるヴィンセント・トマス橋から飛び降りて自殺した。ちなみに、彼の兄は有名な映画監督のリドリー・スヒコットだ。)
興行的には芳しくなかったが、主要キャストが素晴らしかったので個人的には好きな作品だ。主役の「マイケル・ジェイ・コクラン」役にはケヴィン・コスナー(Kevin Costner)が起用され、犯罪組織のボスである「ティビー・メンデス」役には名優アンソニー・クィン(Anthony Quinn)が、さらに、ティビーの妻である「ミリヤ」役にはマデリーン・ストー(Madeleine Stowe)が抜擢されていた。
(左 : トニー・スコット / ケヴィン・コスナー / マデリーン・ストー / 右 : アンソニー・クィン )
物語は、米国海軍パイロットのジェイ・コクランが退役し、友人であるティビーの邸宅に遊びに行く、という場面から始まる。メキシコにあるメンデスの豪邸に向かう途中、コクランは運命の美女、若きメンデス夫人のミリヤと出逢う。ミリヤは愛馬を連れて歩いていたが、遠くから見ても、ハッとするような美人だ。
メキシコに住む友人と再会すべく、ジェイは愛犬の「ロッキー」を連れてジープを走らせる。メンデス夫人に教えられた通り、森の中の道を抜けると、ティビーの豪邸に辿り着く。相棒のロッキーを伴ったジェイは、旧友のティビーと再会する。だが、広大な敷地には銃を構えた部下があちこちに居た。戦闘機パイロットのジェイは、“お土産”として米国海軍のパイロットが着る皮ジャンをプレゼントした。金に苦労はしない優雅な生活を送るティベイであったが、まるで子供のようにジェイのプレゼントに喜ぶ。しかし、メンデス親分に仕える「懐刀」のチェザーは、何となくジェイが気に食わなかった。
ティベイは妻を交えて親友と晩餐を共にした。しかし、最後まで賓客と一緒に居らず、途中で席を外し、“ビジネス・ミーティング”の部屋へと向かった。ところが、この商談は“裏稼業の談合”で、ティベイは意見を異にする癒着相手を殺してしまう。これじゃ、まるで『ゴッド・ファーザー』か『ソプラノズ』で目にするような光景だ。
(左 : ティビーとミリヤ / 右 : ロッキーと海辺で遊ぶジェイとミリヤ)
一方、二人っきりとなったジェイとミリヤは静かに語り合い、心を通わせるような間柄となる。やはり、若くて美しいミリヤとしては、ジジイの亭主よりも、若くて颯爽とした二枚目軍人の方がいい。後に、ジェイはティベイが主催するパーティーに出席する。ホスト役のティベイは来客と会話を交え、社交ダンスを楽しむが、亭主と離れたミリヤは、誰も居ない衣装部屋に忍び込む。なんと、偶然なのか、そこにはジェイがいた。お互いに惹かれ合うジェイとミリヤは、もはや沸々と湧いてくる感情を抑えきれない。ついに、ふたりは禁断の肉体関係を結んでしまうのだ。
恋に落ちたジェイは、ミリヤとの逢い引きを重ねてしまう。ジェイは彼女をメキシコから連れ出そうとするが、夫の権力を恐れるミリヤはためらいを示す。その代わりミリヤは秘密の旅行を提案し、ティビーを騙そうとする。しかし、二人の会話はティビーの部下によって盗聴され、ティビーは屋敷の中で録音ープを聞くことに。盗聴を知らぬミリヤは、「マイアミの妹に会いに行く」とティビーに伝えて旅支度をしていた。妻の“不倫旅行”を判っているティビーは、素知らぬふりで了承する。ティビーも妻を騙すため、カラカスへ出張するという話を告げていた。
不倫旅行の前、ティビーはジェイが泊まっている別荘に立ち寄った。そして、彼は親友をカラカスへの旅行に誘うが、ジェイは鄭重に断る。親友の裏切りを知るティビーは、まるで永遠の別れのような気持ちで残念がっていた。たぶん、不倫旅行を諦めれば、赦してやるつもりだったんだろう。
ジェイとの旅行を待ち望むミリヤは、亭主のリムジンで空港まで送ってもらうことに。しかし、ティビーの心は哀しみに満ちていた。彼の精神は空港へ向かうリムジンの中で揺れ動いていた。ミリヤがリムジンを降りる前、ティビーは最後の別れ告げるような抱擁をした。まるで名残惜しいように、ティビーは不逞の妻を強く抱きしめる。しかし、ミリヤの気持ちは既にジェイのもとに飛んでいた。
(左 : ジェイのジープで山小屋に向かうミリヤ / 右 : 旅の途中で水遊びをする二人)
夫の前で平然と嘘をついたミリヤは、空港のロビーで恋人のジェイを待つ。そこへジェイが現れると、ミリヤは彼のジープに乗り込み、二人は一路、片田舎にある山小屋へと向かった。山小屋へ向かう途中、二人は興奮を抑えきれず、ミリヤは運転中のジェイに跨がった。ハンドルを握ってクルマを走らせるジェイではあるが、彼はミリヤとの性欲に耽ってしまう。こうして、ジェイとミリヤは「愛の巣」へと着く。二人は暖炉の前で抱き合い、思う存分肉欲を楽しんだ。
しかし、運命の女神は残酷だった。空港で別れたはずのティビーは、二人を尾行していたのだ。憎しみを抱くティビーは、武装した手下と共に乱入する。ジェイはティビーの子分に激しく殴打され、激痛の仕置きを味わう。羽交い締めにされたミリヤは、ジェイが半殺しにされる光景を見る破目に。さらに残酷なのは、ジェイの愛犬ロッキーが射殺されたことだ。突入の際、ティビーの部下はショット・ガンで犬を撃ち殺した。(このシーンは、たとえフィクションとしても、見ていて心が痛む。ラブラドールのロッキーには罪が無いんだから、見逃してやってもいいじゃないか! それなのに、銃で撃ち殺すなんて酷すぎる !)
極悪な連中に暴行されたジェイは意識朦朧となる。血まみれのジェイを目の前にしたミリヤは恐怖に怯えていた。しかし、もっと悲惨なのは、ミリヤに対する処罰だ。妻の裏切りに憤慨したティベイは、あっさりとミリヤを殺すことはなかった。何と、彼は羽交い締めにされたミリヤを「不貞の淫売(faithless whore)!」と罵り、手に持ったナイフで彼女の左頬を斬りつけた。ミリヤは顔は頬から口にかけて切り裂かれ、傷口からは赤い鮮血がしたたり落ちる。妻を罵倒するティベイは、悖徳の妻に向かって「処刑宣告」を言い渡す。「お前は1日50回もクズ供からやられる(fucked 50 times a day)破目になるんだぞ !」と。
ティビーは忌々しい小屋に火を放つ。瀕死のジェイはティベイのクルマに引きずり込まれた。傷つけられたミリヤは、床に落ちたジェイのドッグ・タッグを素早く握りしめる。(「ドッグ・タグdog tag」とは、本人を識別するために軍から支給される金属の札である。) クルマに乗せられたジェイは、山道の途中で崖に投げ捨てられた。最後のトドメを刺さずに、ジェイをクルマから放り投げたのは、ティビーにかすかな友情が残っていたからだろう。
(左 / 頬を傷つけられたミリヤ)
(左 / 頬を傷つけられたミリヤ)
一方、傷物にされたミリヤは、下層階級の男どもが集まる薄汚い売春宿に引き渡された。この売春宿に閉じ込められたミリヤは、否応なく生ゴミよりも臭い連中に犯されてしまうのだ。ティビーに仕える手下の一人、髭面で太ったラモンは、憧れだったボスの女房を抱こうとする。ラモンはズボンのベルトを外し、脂肪が詰まった腹をたるませ、ベッドに横たわるミリヤに襲いかかった。しかし、この下郎を拒むミリヤは、ラモンが持っていたナイフを握りしめ、思いっきり彼の肩を刺した。
客に弄(もてあそ)ばれるミリヤには、ゲイのアントニオが寄り添う。ところが、彼女の世話役となった青年は麻薬中毒だった。しかも、“エイズ感染者”ときている。彼は憔悴しきったミリヤをいたわるが、弱り切った娼婦に麻薬の注射を打ってしまうのだ。しかし、ミリヤは抵抗しなかった。それどころか、生きることに意味を失ったミリヤは、アントニオが使った注射器を共有し、アントニオは彼女の腕に打ってしまう。絶望の淵に沈んだミリヤにとって、免疫不全の感染症などは“どうでもいいこと”だった。
その頃、山中に遺棄されたジェイは、偶然通りかがったメキシコ人農夫に助けられる。地元民のマウロは偶然、重傷のジェイを発見すると、馬車に積み込んで自宅に連れ帰った。マウロの娘と母親は、ジェイの傷が癒えるまで熱心に介護した。そして、恢復したジェイは放火された山小屋に戻り、地下に隠しておいた金を持ち帰ると、恩人のマウロに手渡した。まだ充分完治していないが、復讐に燃えるジェイはマウロの家を去ることにした。
街中の酒場でたまたま、ティビーの仲間を目にしたジェイは、便所の中で彼を刺し殺す。その後、泊まっていたモーテルに、マウロの義弟であるアマドーが訪ねてくる。彼は友人イグナチオを連れており、一緒にティベイを殺そうと持ちかける。実は、アマドーもメンデス一家に恨みを抱く人物だった。というのも、彼はビジネス上のトラブルで妹を殺されていたのだ。ティビーは彼らにとって共通の敵となった。
( 左 / アマドーとイグナチオを従えるジェイ)マフィアのボスに牙を剝くジェイとアマドー、イグナチオの三人は、組織の手下を捕まえ、拷問にかけてミリヤの居場所を突き止めようとした。この手下から居場所を聞き出した三人は、町外れの売春宿に押し入るが、既にミリヤはティビーによって異動されたあとだった。妻に裏切られたとはいえ、ティビーはミリヤを諦めきれなかった。彼は衰弱するミリヤを修道院が経営するホスピスへと連れて行ったのだ。
ミリヤの居場所を突き止めたい三人は、本命のティビーを襲撃し、彼から聞き出そうと考えた。そこで、ジェイ達は乗馬中のティベイを襲撃し、首尾よく標的を拘束する。ところが、ティビーに銃を突きつけたジェイは、憎いはずの友人を殺すことはできなかった。友人の躊躇いを目にしたティビーは、ジェイら向かって「妻を寝取ったことを謝罪しろ」と求めた。すると、ジェイはその要求に応え、素直に詫びを入れることにした。謝罪を受け取ったティビーは、妻を奪ったジェイを赦し、ミリヤが修道院に居ることを伝えた。
ミリヤの居場所を教えてもらったジェイは、急いで彼女のもとへと走り去る。しかし、感染者となったミリヤは、医者が諦めるほどの末期症状を迎えていた。生きる気力を無くしたミリヤは、ベッドの中で次第に弱ってゆく。必死で探し求めていたミリヤを見つけたジェイは、そっと彼女のベッドに近づく。昏睡状態のミリヤは静かに瞼を開き、柔らかい日差しのもとでジェイと再会する。目に涙を浮かべて微笑むミリヤは、傷跡が残る頬を左手で隠す。やはり、愛する男の前では醜い傷を見られたくなかったのであろう。しかし、ジェイはそれを気にせず、優しく彼女にキスをする。
愛するミリヤを取り戻したジェイは、彼女の囁きを聞き入れ、ミリヤを部屋の外に連れ出すことにした。ジェイは瀕死のミリヤを抱き上げ、そのまま中庭へと運んでいった。ミリヤの方もジェイに抱きつき、つかの間の安らぎを覚えていた。しかし、その幸福は短く、儚いものだった。ミリヤは愛するジェイの腕の中で息を引き取る。彼女の手からはジェイのドッグ・タッグがこぼれ落ちた。
ハリウッド映画にしては珍しく、『リベンジ』は悲劇的なシーンで幕を閉じていた。この作品で印象的だったのは、「屈辱を与えながら活かす」という処罰だった。日本だと、妻に裏切られた夫は、包丁で刺し殺す、という単純な殺人が復讐の定番だ。しかし、外人の報復は違う。即死なんて生ぬるい。先ず、「女の命」である顔を切り刻む。あるいは硫酸を振りかけて醜くする。不貞の妻は鏡を見る度に涙ぐむ。心を傷つけられた亭主は、その何倍もの苦しみを女房に与えようとする。逆説的だが、「死」よりも辛い「生」を与えることで、死刑よりも残酷な仕返しができるのだ。
ティビーの復讐はミリヤにとって最大の屈辱であった。普段なら絶対に肌を許さない下郎どもが、自分の体に襲いかかり、穢らわしいペニスをねじ込んでくるのだ。脂ぎった下腹と毛むくじゃらの胸、鼻が曲がるほどの口臭を吐くケダモノが、次から次へと彼女を強姦する。ハイエナよりも下劣なクズどもは、上玉の娼婦をしゃぶり尽くす。犯された女は、人間らしい感情を失い、単なる「肉の塊」へと変貌する。こうした性奴隷には自殺や疫病など怖くない。むしろ、救済の手段となる。
とにかく、日本人の「復讐」なんて時代劇の「仇討ち」と同じだ。決闘の相手を斬り殺せば、ずっと抱いていた怨念は水に流され、それで「終わり」となるんだから。しかし、ユダヤ人や支那人といったアジア人は粘着質で執念深い。彼らは味わった屈辱を何時までも忘れないし、何百倍にして返そうとする。ナチスから迫害を受けたユダヤ人は、憎いドイツ人を殺すだけでは飽き足らず、何十年、いや、何百年でも苦しめてやろうと考えた。このタカリ民族は北米や豪州、英国へと潜り込み、現地の学校や議会だけじゃなく、財界や官庁、テレビ、新聞、雑誌、映画、演劇、漫談、小説、漫画など、ありとあらゆる分野でドイツ人を罵ろうと謀った。アメリカ人やヨーロッパ人のみならず、日本人の大半もすっかりユダヤ人のプロパガンダに引っかかっている。たぶん、ユダヤ人の心理戦に嵌まらないのは、同類のアラブ人や狡猾な古代民族の支那人くらいだろう。
第二次世界大戦で、アメリカ人は日本人を殺しまくったが、国家総力戦の相手が日本人でラッキーだった。もし、ユダヤ人が敵で、彼らに対して絨毯爆撃や核攻撃をしていたら、千年経っても赦してもらえないだろう。ユダヤ人が言う「ホロコースト(燔祭)」が何を意味するのかよく判らないが、ドイツ人はユダヤ人を強制収容所に叩き込み、チフスで死んだ囚人を焼却しただけ。ハリウッド映画の宣伝とは異なり、生きたまま焼き殺した訳じゃない。
しかし、アメリカ軍は生きた日本人を意図的に焼き殺した。米軍の爆撃機は都市にす住む民間人を逃げられないように炎で取り囲み、その中で逃げ惑う女子供を狙って焼夷弾を落としたのだ。これが本当のホロコーストで、ドレスデンでの虐殺も同じである。広島・長崎への核攻撃は、ある意味、大焼殺よりもマシだった。標的となった民間人は一瞬にして消滅した訳だから、老人や子供は苦しむことなく“あの世送り”となった。米国は原子爆弾の「人体実験」をするために、わざと両都市を空爆しなかったという。プルトニュウムやウランの核爆弾で、どれくらいの被害が出るのかを検証したいから、焼夷弾で予め街を破壊したら「史上初の科学実験」が台無しになるじゃないか。
しかし、アメリカ軍は生きた日本人を意図的に焼き殺した。米軍の爆撃機は都市にす住む民間人を逃げられないように炎で取り囲み、その中で逃げ惑う女子供を狙って焼夷弾を落としたのだ。これが本当のホロコーストで、ドレスデンでの虐殺も同じである。広島・長崎への核攻撃は、ある意味、大焼殺よりもマシだった。標的となった民間人は一瞬にして消滅した訳だから、老人や子供は苦しむことなく“あの世送り”となった。米国は原子爆弾の「人体実験」をするために、わざと両都市を空爆しなかったという。プルトニュウムやウランの核爆弾で、どれくらいの被害が出るのかを検証したいから、焼夷弾で予め街を破壊したら「史上初の科学実験」が台無しになるじゃないか。
日本人は米国によるホロコーストを体験しても、アメリカ兵を襲撃することなく東京に迎え、占領軍が帰っても、「二度と過ちは繰り返しません」と反省した。学校教師と左翼議員は底抜けのアホなのか、日本の軍国主義だけを非難し、アジア人への迷惑まで詫びていたんだから、神様でも匙を投げる。普通なら、タリバンやムジャヒディーのようにアメリカ人へ復讐すべきなんだが、日本人は復讐の炎に水を差し、忌まわしい過去を水に流した。敗戦後の日本人が惨めなのは、米国から折檻を受け、詫び状たる「占領憲法」を崇めているからだ。ローマの奴隷だって背中を鞭でひっぱたかれれば、「いずれ見てろよ !」と復讐を誓うのに、「平和教育」を受けた日本人は、体の傷跡を見て一層の反省を示す。これこそ「不治の病」だよねぇ~。
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