無敵の太陽

主要マスメディアでは解説されない政治問題・文化・社会現象などを論評する。固定観念では分からない問題を黒木頼景が明確に論ずる。

テロリズム

オサマ・ビン・ラディン襲撃は八百長だった !

「やらせ」の襲撃が暴露される

Osama 2Seals 5









(左:オサマ・ビン・ラディン/右:合衆国海軍特殊部隊)

  2011年5月、9/11テロの首謀者とされるオサマ・ビン・ラディン(Osama bin Laden)が、パキスタンで潜伏している所をアメリカ軍と諜報局に察知され、海軍特殊部隊に殺害されたと我々は聞かされていた。アジア大陸各地を転々と移動しながら、アメリカ軍の追跡をかわし、部下にテロを命じていた親玉がついに死んだのだ。遺体の写真まで公開されて、人々は一区切りついたような気持ちになった。しかし、何か腑に落ちない。主流メディアはオサマの死を大々的に報道したが、彼が本当にテロの首謀者だったのか、本人の口から告白を得られないまま、大追跡の幕が下ろされた。これじゃあ、アメリカ国民は納得できない。何か裏があるんじゃないか、と勘ぐりたくなるだろう。

Seymour_Hersh(左/セイモア・ハーシハュ)
  当時、マス・メディアは事件の映像を何度も流していた。パキスタンのアボタバッド(Abbottabad)の建物(compound)に隠れていたオサマを、海軍特殊部隊シールズ(US Navy SEALS)が強襲して殺害したことや、部隊員が装着したカメラからの映像を食い入るように見つめる閣僚たちを報道していたのである。ところが、これは「やらせ演劇」の一場面であった。実は、この突入劇は、アメリカとパキスタンの共同制作ドラマなのだ。この実態を最近、セイモア・ハーシュ(Seymour M. Hersh)が暴露した。(The Killing of Osama bin Laden, London Review of Books, Vol. 37, No.10, 21 May 2015) 元ニューヨーク・タイムズ紙のユダヤ人記者で、日本でも「ソンミ村虐殺事件(My Lai Massacre)」を報道したことで有名である。それは1968年に起きたアメリカ軍によるベトナム住民虐殺で、ウィリアム・カリー少尉(Lieut. William Cally, Jr.)などが有罪になったことは、日本でも話題になった。この虐殺事件がキッカケとなり小田実が「ベ平連」を作ったらしい。とにかく、ハーシュはパキスタンの諜報部員やアメリカの軍人に取材して、オサマ襲撃の真相を掴んだという。

  世間に公表された米国の嘘の中で、悪質な部類に入るのが、パキスタン諜報部(ISI)や軍高官でさえ襲撃を知らなかった、という報道である。すなわち、パキスタン陸軍参謀長のアシュファ・カヤニ(Ashfaq Parvez Kayani)将軍や諜報部長アフメド・パシャ(Ahmed Shuja Pasha)将軍が、アメリカ軍の動きを掴んでいなかった、という建前になっていた。ところが、オサマ・ビン・ラディンは2006年パキスタン軍に拘束され、アボタバッドにあるパキスタン諜報部の収容所にいたのだ。ハーシュの取材によれば、パキスタン諜報部のある高官が、2,500万ドルと引き換えに米国へオサマの情報を売っていたという。2011年の時点でも、オバマ政権はビン・ラディンがどこにいるのか見当も付かない、と国民に発表していたから、オバマは白々しい嘘を語っていたのだ。オバマを「いい奴」だなんて宣伝していた日本の評論家は恥を知れ。詐欺師は誠実そうな顔をして、平気で嘘をつける種族である。

  合衆国政府がビン・ラディンの件を知ったのは、ある飛び込み情報がキッカケであった。2010年、パキスタン諜報部の元高官が、イスラマバードにある米国大使附CIAチーフのジョナサン・バンクス(Jonathan Banks)に接近したという。彼はワシントン政府がビン・ラディンのクビにかけた懸賞金をくれるなら、その居場所を教えてやる、という取引を持ちかけたのだ。当初、CIAはその情報屋の話を疑っていたらしい。そりゃそうだろう。単なる“がせネタ”かも知れないし、意図的なニセ情報かも知れないからだ。そこで、CIAは彼をポリグラフ(嘘発見器)に掛けてみたが、どうやら嘘ではなさそうだ、という結論に達した。この情報に信憑性があると分かるや、CIAはさっそくアボタバッドに家を借り、パキスタン人スタッフと共に、拘束されている建物の監視を始めたのである。

Kayani 1Pasha 1









(左:カヤニ将軍/右:パシャ将軍)

  CIAと特殊作戦統合本部(Joint Special Operations Command)がとにかく目指したのは、オバマ大統領の承認を得ることだった。2010年になっても、バキスタン側のカヤニ将軍とパシャ将軍は、アメリカ側にビン・ラディンの居場所は未だ掴めぬとシラを切っていた。パキスタン政府がオサマの拘束をアメリカ側に黙っていたのは、サウジ・アラビアから要請を受けていたからである。サウジは2006年に拘束されるまで、オサマを財政的に支援してきたからだという。国際手配されているテロリストの首領を支援していたことが、アメリカ側に知れると大問題となるからだ。サウジには大規模なアメリカ軍が駐留しているから、そんなスキャンダルが明らかとなったら、アメリカ人から何をされるか分かったもんじゃない。もし、オサマが米軍に捕まって、アルカイーダとサウジの資金援助をバラしたら大変だから、内緒にしておいてね、とパキスタン政府に頼んでいたのだ。もちろん、袖の下を渡していたことは間違いない。

  パキスタン政府の立場は微妙だった。パキスタン軍と諜報部は、東南アジアで起こるテロ活動に対し、アメリカ側と共同して撲滅に務めていたのである。だから、アメリカとの友好関係を保つことは、国防上重要だったし、何よりも米軍からの情報提供は貴重であった。だが、その一方でアフガニスタン内部で権勢を持つタリバンとの関係を維持することも、パキスタン政府にとって有益だった。カブールに於けるインドの影響力に対抗する手前、イスラム教徒に影響力を持つタリバンの存在は、両国の勢力均衡を保つ上で重要だった。カシミール地域をめぐって対立するパキスタンとインドの裏舞台は熾烈である。アメリカ側も、パキスタンを粗末に扱えない事情があった。核兵器を有するパキスタンが、中東のアラブ諸国に核開発技術を流してしまうと、イスラエルを巡って危機が起こった時、大変な事態となるからだ。したがって、胡散臭いパキスタンでも、軍事的関係を保つことは米国の利益にも叶う。アメリカ政府はパキスタン側の行為を咎めず、ビン・ラディン抹殺の協力を要請してきた。パキスタン側としても、引き続き米国から財政援助が得られれば問題はなかった。パキスタン人は対テロ資金が欲しかったし、個人的にも米国製防弾リムジンやアメリカ人の身辺警護官を持ちたかったからだ。

Osama Bin-Laden-CompoundOsam Raid








(左:オサマが拘束されていた建物/右:特殊部隊の襲撃映像をみる閣僚たち)

  オサマ・ビン・ラディンが捕らわれている建物は、パキスタン軍事アカデミーからたった2マイルしか離れていない場所にあった。そして、パキスタン諜報局の基地があるタベラ・ガジ(Tabela Ghazi)からは、ヘリでたった15分の位置にあったのだ。オバマ大統領が気にしていたのは、ジミー・カーター大統領の二の舞にならぬか、という点であった。カーター大統領はテヘランの米国大使館で人質事件が起きた時、救出作戦に失敗して、世間から辛辣な批判を受け散々な目に遭ったのだ。何とか取り繕うとしたが結局、大統領選挙でロナルド・レーガンに負けてしまった。再選を狙うオバマにしたら、ビン・ラディン襲撃作戦を何としても成功させたい。オサマは本当に建物内に居るのか、という確証がオバマは欲しかった。そこでCIAはカヤニ将軍とパシャ将軍に頼んで、オサマのDNAを採取しようとした。両将軍は子飼いの医師アミール・アジスを使って、DNAサンプルを取ってきたのである。アジス医師は以前、病気のオサマを診察したことがあるからだ。アメリカ軍はこのサンプルを調べて、ビン・ラディンのDNAと結論づけたという。

SEALS team 6(左/海軍特殊部隊のメンバー)
  米国はオサマの確認が取れたから、襲撃作戦を練ることになった。特殊作戦本部は襲撃するに当たり、建物の内部情報を欲しかったので、パキスタン人協力者は海軍特殊部隊員やCIAオフィサーなど4名を、パキスタン諜報部に侵入させることにしたという。そうして得られた情報をもとに、ネバダ州に模擬訓練所をこしらえて、部隊員が訓練に励んだらしい。アメリカ軍による拘束所襲撃が迫ってくると、パシャ将軍らはアメリカに頼み事をしてきた。パシャやカヤニらは、自分たちが米軍の襲撃に荷担していたことを公表しないでもらいたいとか、できればオサマの殺害は7日間かそれ以上経ってから発表してもらいたい、と懇願してきた。もし、パキスタン軍部の高官が関与していたと知れたら、民衆がその裏切行為に憤り、激しいデモが巻き起こるだろうし、裏切者の家族に危険が及ぶかも知れないからである。それに公表まで時間を稼げたら、もっともらしい話をでっち上げることができるだろう。たとえば、アフガニスタン国境沿いで、ドローン(偵察機)を用いてビン・ラディンを暗殺した、という話を作ればいい。

Osama 4(左/マスコミに流された出所不明のオサマ死亡写真)
  オバマ政権はオサマ・ビン・ラディンを生け捕りにして、米国で裁判にかける計画はなかったようだ。元シールズの指揮官によると、テロリストのビン・ラディンを活かしておく気はないから、その場で殺すつもりであったという。アボタバッド収容所を攻撃する当日、建物内にいたパキスタン人護衛は米軍ヘリの音が聞こえたら、直ちに撤退するよう命令を受けていた。しかも、パキスタン諜報部は予め、建物周辺の民家に電化製品のスイッチを切るよう命じていたという。米国の特殊部隊(SEALS)チーム6は、速やかに建物に侵入でき、何ら抵抗を受けなかったらしい。襲撃は意外と簡単であった。護衛のパキスタン人は既に立ち去っていたし、ヘリに同乗しいたパキスタン人の連絡将校が、ちゃんと部隊員を案内していたのだ。ビン・ラディンの部屋は三階にあると分かっていたので、一階と二階の階段が鉄の扉で封鎖されていても、爆弾を設置して直ぐに破壊できた。その爆発でオサマの妻はヒステリーを起こしたというが、黙らせるために彼女の膝を撃ったらしい。案の定そこには怯えきったオサマがいて、寝室に逃げたが無駄なあがきである。精鋭部隊のチーム・シックスが銃口を向けているのだから、オサマにできることは何もない。無情な銃声が響いて、テロリストの親玉は即死。あまりにも簡単で楽な襲撃であった。ただ、優秀な特殊部隊員にとっては、無抵抗の老人を射殺したことで何となく後味が悪い。これが、アクション映画だと、激しい銃撃戦を経てようやく悪党にトドメを刺し、部隊の仲間が勝ち鬨(どき)をあげて感動の結末、となるだろう。しかし、現実は娯楽のサバイバル・ゲームより簡単だった。これがジェロニモ(Geronimo-E KIA)というコード・ネームの作戦だった。(Eとは「敵エネミー」の頭文字で、KIAとは<Enemy had been> killed in actionの略で、「オサマは戦闘中に殺された」という意味である。

SEALS 2(左/上陸する海軍特殊部隊)
  オサマ・ビン・ラディンを殺害した特殊部隊員は、何らかの手がかりになるから、部屋にあった本や書類をバッグに詰めて持ち帰ったという。意外かも知れないが、建物内部には、コンピューターや電子機器の類いは一切なかったのである。部隊員が持ち帰った資料をアメリカの分析官が丹念に調べたが、これといった収穫はなく、テロリストに関する重大な情報などまったくなかった。ただの紙くずをヘリで持ち帰ったとは、アメリカ政府も気が滅入ってしまう。オバマはパキスタン側と交わした約束を破って、襲撃をすぐ公表してしまった。襲撃の際に起きた爆発を附近の住民が黙っているわけもないから、隠していたってすぐバレてしまう。それよりも、ビン・ラディン死亡を早速発表した方が、世間も驚くし、オバマにとってもプラスになる。だから、パキスタン人のお願いなど、さっさと無視して、暗殺作戦を公表したのである。いつも通り、マスコミは大騒ぎし、長年追いかけていたビン・ラディンをようやく仕留めたということで、オバマを称賛する者まで現れた。でもさぁ、学期末や夏休みに入る前の5月に、襲撃を設定したんだから、完全にマスコミ対策を考慮してのヤラセだよなぁ。

不可解なビン・ラディンの死

Osama 1(左/指名手配されたオサマ)
  オサマ・ビン・ラディンは9/11テロを計画した実行犯の首謀者だと言われてきた。合衆国政府はCIAなどの諜報機関を信用して、ビン・ラディンの犯行を確定したのだろう。しかし、オサマがテロ計画の主犯ならば、オバマ大統領はシールズ隊員にオサマの生け捕りを命じたはずだ。あのテロ事件で大勢のアメリカ国民が犠牲となったのだから、大量殺人罪の容疑者として米国で取り調べを行い、テロ計画の全貌を白状させるべきである。また、犠牲者の遺族はれっきとした合衆国市民として、最高行政官たる大統領に真相究明を要求する権利のを持つ。家族を失ったアメリカ国民には、オサマを徹底的に問い詰める権利があるはずだ。それなのに、オバマは簡単な生け捕り作戦を実行しなかった。今回のハーシュ記者による暴露記事で、アメリカ国民はオバマに対して憤りを覚えるし、どうしてオサマを射殺したのか疑惑を持つだろう。かりに、拘留所が武装した衛兵に守られていても、最も優秀な特殊部隊のチーム6なら、抵抗を受けてもオサマを生け捕りにできる。それに、敵からの反撃がない突入と分かっていたのだから、簡単にオサマを拘束できただろうし、そもそも特殊部隊でなくてもよかった。外国の軍人のみならず、アメリカ軍の将兵だって不審に思うだろう。どうして、オサマを連行して、アメリカ国民の前に立たせなかったのか? テロの主犯を取り調べずに暗殺するのは、「口封じ」じゃないか、とアメリカ人なら思ってしまう。誰だって、「オサマは用済みかよ」と呆れてしまうじゃないか。したがって、オサマ殺害には何か裏があるだろう、と考えるのか普通である。

Lee Harvey Oswald 1Jack Ruby 2









(左:リー・ハーヴェイ・オズワルド/右:ジャク・ルビー)

  考えてみれば、そもそも「オサマ・ビン・ラディン」て何者なんだ? 本当に9/11テロを計画して命令した張本人なのか? これってCIAが言い出したことで、アメリカ国民は検証できなかったじゃないか。オサマを法廷に引きずり出して、陪審員の前で自白させなきゃアメリカ人は納得しないだろう。なぜ、アメリカでは重要な容疑者が、裁判の前に殺されてしまうのか? ケネディー暗殺の容疑者リー・ハーヴェイ・オズワルドも、ジャク・ルビーに白昼堂々と射殺されてしまった。ちなみに、ルビーはユダヤ人ギャングで、本名をヤコブ・レオン・ルーベンシュタイン(Jacob Leon Rubenstein)という。才能豊かなユダヤ人はマフィア界でも大活躍で、有名ギャングにはユダヤ人が多い。名前を変えて通名にしているので、日本人は彼らの正体に気付かない。(ユダヤ人マフィアについてはまた別の機会で。「また、ユダヤ人かよ」と文句を言われると困るが、日本では情報封鎖や言論操作が酷いので、一般人はユダヤ関連の知識に乏しい。) 「不都合な証人」や「用済みの道具」は消してしまえ、というのかアメリカ社会の常識である。だから、事件の真相や闇の部分を探ろうとする人物は、マス・メディアとか御用学者から「陰謀論者」という烙印が押されてしまう。世間には本当に馬鹿な陰謀論者も居るので、彼らと混ぜてしまえば、真剣な研究者を社会的に抹殺できるのだ。

Jimmy Carter 1Zbigniew Brezezinski(左:ジミー・カーター/右:ブレジンスキー)
  中東アジアのテロリストは部分的に米国によって創造された、と言ってももいいだろう。これって、ソ連がアフガニスタンを侵略した時代まで遡れば、みんなが理解できるんじゃないか。CIAは侵攻してくるソ連軍に対抗するため、現地のイスラム教徒を組織して、屈強なゲリラ部隊を創り上げた。これが後にアル・カイーダ(Al Qaeda)と知られるテロリスト集団である。注目すべき点は、アフガニスタンで米国が主導する軍事・諜報活動において、パキスタン軍は重要な役割を演じたことだ。1979年にソ連が重要拠点たるアフガニスタンを攻略した時、パキスタンの諜報機関(Inter-Service Intelligence/ISI)は、CIAと緊密な連携プレーをとっていた。アフガニスタンでCIAが極秘作戦(covert operation)を実行する時、バキスタンは作戦基地や橋頭堡のような役目を果たしていたのである。当時、外政音痴のカーター大統領を実質的に操っていたズビクニュー・ブレジンスキー(Zbigniew Brzezinski)補佐官によれば、大統領は親ロシア政策を掲げる政府に反対する勢力へ援助を命じたという。ソ連のアフガン侵攻は1979年12月に開始されたが、CIAのムジャヒディーン(Mujahideen/ムスリム・ゲリラ集団)支援は1979年7月に始まっていたのだ。ブレジンンスキーはカーター大統領に、「そんなことをすればソ連の軍事的介入を招きますよ」と警告したそうだ。(「Le Nouvel Obserbvateur, January 1998」でのインタヴィュー記事による。) まあ、CIAとしてもソ連に対する先手を打ったのかも知れない。

Muhammad Zia_ul-HaqZulfikar_Ali_BhuttoBenazir Bhutto 1Murtaza Bhutto 1





(左:ハック将軍/父親のズルフィカール・ブット/娘のベーナズィール・ブット/右:息子のムルタザ・ブット)

  パキスタン人民党の創設者ズルフィカール・アリ・ブット(Zulfikar Ali Bhutto)を排除したことで知られる、ムハンマド・ズィヤー・ウル・ハック(Muhammad Zia-ul-Haq)将軍は、CIAと緊密な関係を築き、大嫌いなソ連に対抗しようとした大物軍人だ。ちなみに、ズルフィカールの娘があの有名なベーナズィール・ブット(Benazir Bhutto)首相で、彼女の暗殺後、パキスタン大統領になったのが、亭主のアースィフ・アリ・ザルダリー(Asif Ali Zardari)である。ブット女史の弟ムルタザ・ブット(Murtaza Bhutto)は姉と対立していて仲が悪かった。彼はハック将軍が航空機事故で死亡した時、暗殺犯じゃないかと疑われたこともある。しかし、ハック将軍がC-130機で墜落死したのは、ソ連の陰謀ではないかと囁かれていた。とにかく、1980年から1990年代にかけて、CIAとISIは40ヶ以上ものイスラム教国からムスリム戦士をリクルートし、ゲリラ戦の訓練を施したり、資金を与えてやったりした。ムジャヒディーンのムスリム兵が米国製の携帯用スティンガー・ミサイルでソ連軍を苦しめたことは周知の事実。ロシア空の侵略者に対抗するゲリラ兵として彼らは、CIAオフィサーや米国軍事顧問からテロ訓練を受けたのだ。つまり、如何にして要人を暗殺するかや、爆弾を車に仕掛ける手口などを教えてもらったのである。米国はイスラム教を対ソ連戦に利用し、ムスリム兵の信仰を鼓舞した。これが後に災いしたのだろう。なんてことはない、イスラム過激派の土壌を育てたのはアメリカだ。

Ronald Reagan 2









(左/ロナルド・レーガン大統領)

  はっきりした確証はないが、オサマ・ビン・ラディンは、アフガニスタンの軍事訓練キャンプで指導を受けたゲリラ兵だったのではないか? サウジ・アラビアの裕福な家庭に育ったオサマは、ムスリム・ゲリラへ資金を注ぎ込んでくれる「金づる」だったのだろう。また、CIAがイスラム教の聖戦を宣伝すれば、これに同調したムスリム大富豪たちがお金をくれるのだ。笑いが止まらないだろう。それに、米国諜報機関と昵懇のサウジ王家なら、聖戦への献金集めに協力してくる。CIAはこうして集められた資金で、ムジャヒディーン戦士をどんどん育成したのだ。イスラム教を推し進めるハック大統領(将軍)とその側近、および国粋的パキスタン政治家は、ムジャヒディーンを直接・間接的に支援し、ソ連潰しに邁進したのである。1985年3月、ロナルド・レーガン大統領は、国家安全保障令166(National Security Decision Directive 166/NSDD)を発令して、ムジャヒディーンに対する軍事的な極秘援助や宗教面での支援を行うよう、指示を出したという。(Michael Chossudovsky, 9/11 Analysis, Global Resarch, September 9, 2010) どおりで、東南、中央および中東アジア諸国でイスラム原理主義が勢いづいたわけだ。NSDD166でムスリム過激派に支援するよう命令が下ったのだから、CIAや米軍が惜しみない武器供与が行っても当然。1983年には武器弾薬の量は1万トンに達し、1987年になると6万5千トンにまで膨らんだという。大統領による極秘作戦の承認ってすごい。NSDD166は巨大な戦争マシーンを生み出してしまったのだ。

闇の関係を築いたブッシュ家

George HW Bush 1April Glaspie





(左:ジョージ・H・W・ブッシュ/右:エイプリル・グラスピー)

  レーガン大統領の下に置かれていたジョージ・H・W・ブッシュが副大統領から昇格したら、湾岸戦争を始めたのは、巨大な中東アジア再編戦争の一環だろう。元CIA長官にしてオイル・ビジネスマンだったブッシュは、恐ろしいグローバリスト集団の一員である。民衆に人気がなかったブッシュは、ウォール街やオイル業界、その他の多国籍企業から支援を受けていたはずだ。クウェートをイラクに侵略させるために、わざとエイプリル・グラスピー(April C. Glaspie)女史をサダム・フセインに差し向け、暗に侵略しても米国は動きませんよ、というシグナルをブッシュは出していた。結果は、米軍の大規模派遣。しかも、息子のジョージ・Wが大統領になったら、イラクを徹底的に攻撃して、国家ごと乗っ取ってしまった。哀れなサダムは捕まって私刑。しかし、拘束されたのがサダム本人かどうか分からない。我々は本物を知らないからだ。イラク戦争で厄介なのは、ブッシュ大統領親子の背後に「ネオ・コン」というユダヤ人組織が張り付いていたことだ。この集団はイスラエルのために米国で活躍する役目を課せられており、中東情勢の大変革を米国にやらせるためにイスラエルが操っているのは見え透いている。

William Kristol 1Norman Podhoretz 1Charles-Krauthammer 2Daniel Pipes







(左:ウィリアム・クリストル/ノーマン・ポドレッツ/チャールズ・クラウトハマー/右:ダニエル・パイプス)

  「ユダヤ人シオニスト」って国籍はアメリカでも、忠誠心はイスラエルにあるから、本来なら裏切者か売国奴のはずだ。「ネオ・コン」といっても、数人の例外を除いたら、その実態はユダヤ人サークルである。日本人でもその西歐人とは違う顔ぶれを思い出せば分かるだろう。たとえば、ウィリアム・クリストル(William Kristol)、ノーマン・ポドレッツ(Norman Podhoretz)、チャールズ・クラウトハマー(Charles Krauthammer)、ダニエル・パイプス(Daniel Pipes)、マイケル・ルービン(MIchael Rubin)、ジェニファー・ルービン(Jennifer Rubin)、ポール・ウォルフウッツ(Paul Wolfwitz)、リチャード・パール(Richard Perle)など、有名なネオ・コン人物を挙げただけでも、西歐人じゃなくて、セム系ユダヤ人だということが分かる。彼らのほかにロバート・ケーガン(Robert Kagan/ギリシア系)とかフランシス・フクヤマ(Francis Fukuyama/日系)といった非ユダヤ人がいるけど、主流はユダヤ人である。まことに異人種の支配は気持ち悪い。ウォルフウィッツの師匠たるヘンリー・スクープ・ジャクソンや1970年代の民衆党については長くなるので省略。

Michael Rubin 1Jennifer RubinPaul-wolfowitz 2Richar Perle







(左:マイケル・ルービン/ジェニファー・ルービン/ポール・ウォルフウィッツ/右:リチャード・パール)

  ユダヤ人ネオコンに囲まれたジョージ・W・ブッシュ大統領が、ラディン家と親しかったのは有名だ。オサマの兄サレム(Salem)は、ジェイムズ・バス(James Bath)のビジネス・パートナーにして親友であったから、オサマとサレムの父モハメッド(Mohammed)は、バスの友達ジョージ・W・ブッシュに資金を調達してやったのである。裕福なモハメッドがお金を流した企業とは、ジョージ・H・W・ブッシュが投資していた「アルブスト(Arbusto/スペイン語で「ブッシュ」を意味する)」という石油会社であった。(Roger MIller, Bush & Laden George W. Bush had ties to billionaire bin Laden brood, American Free Press) そこで、お得意様の財産を今度は、ブッシュ家が関与している「カーライル・グループ(Carlyle Group)」が運用してあげる、といった麗しい関係を築いていたのである。ブッシュ家とラディン家を仲介したジェイムズ・バスは、テキサス州のナショナル・ガード空軍に在籍していた時、ブッシュ家の長男ジョージと仲良しになった。ブッシュ家のダメ息子ジョージが「アルブスト」を創立するというので、BCCI繋がりでサウジ・アラビアの大富豪カリード・ビン・マフーズ(Khalid bin Mahfouz)とサレム・ビン・ラディンを紹介して、出資金提供をお願いしたというわけ。なんて心優しい親友なんでしょう。でも、国際投資銀行のBCCI(Bank of Credit and Commerce Investiment)って、あの元国防長官クラーク・クリフォードも絡んでいた、スキャンダルを抱えた金融機関。昔から色々と怪しいビジネスを行っていたんだなぁ。こんなジャイムズ・バスは、ブッシュ大統領がCIA長官時代に、中東アジアで重宝していた臣下(または小遣い)であった。サウジで人脈を築いたバスは1978年、サレムのためにヒューストン・ガルフ空港まで購入してあげたという。いやぁ~、友達思いというか、お客様を大切にするバスは偉いねぇ。

Salem_Bin_LadenJames Bath 1 Bush 4








(左:サレム・ビン・ラディン/中央:ジェイムズ・バス/右:ジョージ・W・ブッシュ)

  ブッシュ家と昵懇の仲だったラディン家のオサマが偶然にも、9/11テロの首謀者なんて、現実は小説よりも奇なりと言えよう。ジョージ・ブッシュ大統領は、オサマを心底いたわっていた。テロ事件の約2ヶ月前、持病を抱えるオサマはドバイにある米国の病院で治療を受けたらしい。(Anthony Sampson, CIAagent alleged to have met Bin Laden in July, The Guardian, 1 November 2001) フランスの新聞『フィガロ』によれば、CIAのエージェントがお見舞いに訪れたんだって。きっとブッシュ大統領からのお言葉でも伝えたんじゃないか。中東アジアでゲリラ兵募集に尽力してくれた功労者に報いるのは人情だ。CIAもオサマの容態が心配だったのだろう。でもさぁ、その当時だとアルカイーダの情報を掴んでいなかったのか? いえいえ。ちゃんと掴んでいたみたい。ブッシュ大統領は、シークレット・サーヴィスがアメリカ国内に潜伏するアルカイーダ部員を探っていたら、余計なことすんなと嗅ぎ回ることを禁止したそうだ。捜査中止命令を受けたシークレット・サーヴィスやFBI捜査官らは、憤懣やるかたない気分だったが、最高司令官の厳命じゃしょうがない。ところがその年の9月に、あの大規模テロが起きて防諜組織が激怒したのは有名な話だ。

William McRaven 2(左/ウィリアム・マクレイヴン)
  オサマ・ビン・ラディンを見ていると、JFK暗殺事件で生け贄となったリー・ハーヴェイ・オズワルドを思い出す。CIAが雇っていた駒が、世紀の大事件で利用されたのである。9/11テロは未だ真相は不明だが、余りにも怪しい行為や矛盾点、謎めいた人脈が多すぎるのだ。ワールド・トレード・センターの崩壊やペンタゴンへの攻撃など、科学的に不可能な現象が起こった。それなのに、優秀な科学者を有する合衆国政府は調査しようとしない。オサマ・ビン・ラディンだって、本当はどんな人物なのか正体がはっきりしないのだ。2001年からパキスタン軍に拘束されるまで、病人のオサマが消息不明なんて信じられない。アメリカの諜報網にすぐ引っかかるはずなのに、その追跡を“するり”とかいくぐり、逃亡生活を送れたとは凄いじゃないか。しかも、本人は生きていたかどうか分からないし、ビデオ・メッセージだって「ヤラセ」臭い。CIAが逃亡物語の脚本を書いていたんじゃないか? あるいはアメリカ政府機関ではない、グローバリストに雇われた傭兵組織が何らかの計画を仕組んだとも考えられる。パキスタンで殺されたオサマだって、本人かどうか分からないし、別人か影武者かもしれない。オバマ政権がオサマの殺害現場写真や遺体写真を公表しなかったのはなぜか? 死体が世間に公表されたら、どんなマイナス効果があるんだ? あれだけ指名手配写真が流通していたのに、遺体写真は禁止だなんておかしいだろう。元特殊部隊指揮官のウィリアム・マクレイヴン(William McRaven)は、合衆国政府からオサマの遺体写真をすべて破棄するよう命じられたという。(Stephen Braun, SOCOM chief's email shows effort to shield bin Laden photos, Marine Corps Times, February 11 , 2014) AP通信社がマクレイヴンに写真を見せてくれと頼んだのが、破棄命令のキッカケだったのかも知れない。それ程までして隠したい写真とは何なんだ? だいたい、公開裁判にかけることもせず、拘留場所で抹殺してしまうとは、政府による私刑ではないのか? 9/11テロの真相解明を、ことごとく握りつぶす合衆国政府は異常である。「陰謀論」が横行しているのだから、みんなの前で証拠を公開したらどうなんだ? 

Osama Death 1
















(襲撃時に死亡したオサマの映像写真)

  アメリカ合衆国はかつて共和国であった。共和国(レース・プブリカ)とは「みんなのもの」という意味で、国家が特権階級や王侯貴族の私有物ではないことを表明していたのである。ところが、現在のアメリカはどうだろう? 国民から代議士が選ばれているのに、重要なことは国家機密にされて一般国民は知ることができないし、中には完全に湮滅(いんめつ)れた事件や作戦があって、永久に不明とされたファイルがあるはずだ。過去をほじくり出そうとする者は「陰謀論者」として片付けられ、大学や研究機関の知識人は厄介事に首を突っ込まない。テロ計画者は、わざと滑稽な陰謀論を巷に流して、真相究明者を「いかがわしい素人研究者」として排斥する。また、真相にちょっと触れるような情報を流すが、その中に偽情報を混ぜておき、後でその嘘を第三者に暴くよう勧めて、真相究明を断念させるのだ。こうした謀略や偽情報操作を用いて、事実を隠蔽しようとする。世間は時が経てば忘れるし興味も薄れるから、真相などどうでも良いと考えてしまう。何十年後かすれば、単なる歴史の一コマとなり、誰も責任を取る必要がない。9/11テロだって、いずれ懐かしの悲劇程度になるし、オサマ殺害だって、たんなる重大事件のひとつに過ぎなくなる。アラブの春だって、エジプトやリビアに訪れても、すぐ灼熱の嵐に変わってしまい、人々の記憶から消えてしまうのだ。一般人は中東アジアの各地で起きた事件を結びつけて考えない。日本のマスコミは、海外ニュースを翻訳して垂れ流すだけで、どんな背景があるのかを説明しない。もっとも、その能力がないのかも知れない。しかし、そんなメディアにお金を払っている日本人は滑稽である。NHKは最高額の受信料を取れたといって、欣喜雀躍(きんきじゃくやく)で大はしゃぎだそうな。NHK職員はスズメのように小躍りする鷺(サギ)じゃないか。


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“ヤラセ”が横行する中東情勢 / 米国の裏稼業 (2)

“偽装”攻撃を仕組むトルコ

  2014年3月27日、トルコの放送局(Turkish Telecommunication Authority)は、トルコ諜報局のハカン・フィダン(Hakan Fidan)長官がインタヴューに応えている映像を遮断してまった。この映像は、エルドアン首相(後に大統領)とアフメト・ダウトオール(Ahmet Davutoglu)外務大臣(後に首相)が本物と承認している。YouTubeにも流れてしまった映像の何が悪かったのか? インタヴューの中で、フィダン長官が、トルコの「ヤラセ」攻撃計画を漏らしてしまったのだ。彼はこう語っていた。

  もしできるなら、シリアから4人の男を送り込むつもりだ。トルコにミサイル攻撃を命じることで、戦争の口実をでっち上げるつもりさ。もし必要なら、スレイマン・シャーの墓にも攻撃を加える準備もできてるんだ。(Jack Moore, Turkey YouTube Ban: Full Transcript of Leaked Syria ‘War’Conversation Between Eldogan Officials, International Business Times, March 27, 2014)

  これって典型的な「偽装工作(False Flag)」じゃないか。偽の旗か敵の旗を掲げて攻撃を加えることから由来する言葉で、味方を騙して開戦のきっかけを創る狂言である。大義名分を創るための偽装工作をアメリカもよく用いていた。トルコ政府も同じ事をしようとした訳だ。ちなみに、スレイマン・シャー(Suleiman Shah)とは、オスマン帝国初代皇帝オスマン1世の祖父。スレイマンの墓がシリアのアレッポ付近にあるので、そこを雇った偽装テロリストに攻撃させれば、トルコ国民は激怒するはずだ。でも、まさか本当に墓を破壊するわけにはいかないので、フィダンは墓の近くにある空き地にミサイルを撃たせるつもりであった。

  ヤラセ攻撃を仕組もうとしていたエルドアンは、オバマにシリア攻撃を急ぐよう尻を叩いたいたが、その裏で背任行為をしていた。米国はイランへの金(ゴールト)輸出を禁じる制裁措置を講じていたのだが、トルコはその抜け穴を利用してイランと取引を続けていたのである。俗に言う「黄金の抜け穴(golden loophole)」で、イランの私企業へ黄金を送ることが続いていた。トルコはイラン産の石油とガスの最大輸入国である。トルコは自国に開設されたイラン側の口座に、燃料代金を自国通貨リラで振り込む。するとこの代金でイランは、トルコのゴールドを購入するカラクリ。2012年から2013年の間で、130億ドル相当のゴールドがイランにもたらされたという。(Seymour M. Hersh, The Red Line and the Rat Line, London Review of Books, Vol. 36, April 2014) このスキャンダルがトルコでも暴露され、20名ほどが容疑をかけられ、大臣3名の辞任にもつながった。エルドアンの辞任も叫ばれたくらいだ。

テロリストを治療してあげるイスラエル

  ユダヤ人は自己利益のためなら何でもする連中である。ムスリム・テロの犠牲者を演じながら、裏でテロリストと結託している民族だ。シリアの内戦を監視している国連視察団(UNDOF)は、イスラエルが自由シリア軍(Free Syrian Army)の負傷兵を治療していることを報告した。(Regular conduct between Israel and Syrian rebels: UN report, i 24 News, December 7, 2014) イスラエルの保健省は、約1000名のシリア人が、イスラエルの病院で治療を受けたことを承認している。民間人がほとんどと言うが、本当は反乱軍の傷痍兵を治療することが主目的であろう。看護婦のラファト・シャーフは162名の患者を扱ったが、通常の怪我ではなかったと証言している。そりゃあ、交通事故とは違い、銃弾や砲撃による負傷だろうから、治療だって大変だったんじゃないか。イスラエル国防軍報道官のピーター・レルナー(Peter Lerner)中佐は、治療を直ちに必要とするシリア人を治療しているのだ、と述べていた。しかし、注目すべき点は、シリア人患者がとこから来たのか、彼らが民間人なりのか戦闘員なのかはチェックしていなかったという発言である。(Colum Lynch, Israel Is Trending to Wounded Syrian Rebles, Foreign Policy, June 11, 2014) イスラエル政府は、負傷したシリア人に治療を施す人道支援を装うが、けが人を救急車で搬送するとき、イスラエル国防軍の車輌が先導したというのだ。あり得ない。ユダヤ人がシリア人にそこまで親切にするわけないだろう。誰だって「冗談だろ?」て聞き直す。

  ワシントン中東政策研究所のエフード・ヤリ(Ehud Yaari)は、イスラエルがシリアの村々に医療品や人道支援物資を供給していることを明かす。その支援物資は民間人と反乱軍を助ける目的だそうだ。自由シリア軍の司令官シャリフ・アス・サフォリ(Sharif As-Safouri)は、イスラエルに五回入国し、イスラエル政府の役人と接触していたことを認めている。そのイスラエル役人は後に、ソ連製戦車に対抗するための武器を供給してくれたという。また、医療品とともに、ロシア製ライフル30丁やRPGランチャー10丁、5.56ミリ弾48,000発を渡したらしい。(Syrian rebel commander says he collaborated with Israel, The Times of Israel, August 13, 2014) こうした裏取引を“イスラエル”のメディアが伝えているのだ。有名な「ハーレツ」紙もイスラエルとシリア反乱軍との関係を報道している。イスラエル国防軍の兵士が、シリアの反乱軍に何らかの箱を渡している場面を、国連監視団に目撃されていた。(Barak Ravid, UN reveals Israeli links with Syrian rebels, Haaretz, 7 December 2014) もう一つ気になるのが、ゴラン高原(Golan Heights)をイスラエルが狙っていることだ。この高原はイスラエルとシリアの国境沿いにある緩衝地帯である。イスラエルはシリア反乱軍に資金や軍需物資を供給する代わりに、勝利の暁にはゴラン高原をよこせ、と持ちかけていたのだ。(Syrian opposition willing to trade Golan claimd for Israeli military support, Haaretz, Mech 16, 2014) 要は軍事支援と領土獲得を交換する裏取引があったというわけだ。

腐ったイラクに資金を投入

  アメリカ合衆国は、軍人もその家族も有権者であるから、兵卒の命を無駄にできない。とくに国民の関心が薄い中東アジアに軍隊を投入する時だって、「テロだ、無差別殺人は許せない ! 」とマスコミが騒ぐから、一般国民は渋々軍隊の派遣を認めたのである。だから、大統領はなるべく将兵の負傷・死亡を出さずに、目的を達成したい。そこで、民間傭兵会社を雇ったり、地元のアラブ人民兵を使って、アメリカ兵の身代わりとする。アメリカ国防総省は、イスラム国兵士を討伐するために、イラク軍と現地部族を活用しようとした。でも先立つものはお金。その費用13億ドルを議会に要求した。ところが、イラク治安部隊のシャバン・アル・オベイディ(Shaaban al-Obeidi)大佐は、イラク軍に武器を供給しないよう警告をするのだ。大佐はイラク軍将校や部族長らが腐敗しているという。何とバグダッドのシーア派政府や部族長老らが、米国から支給された武器をブラック・マーケットに流すため、敵を倒すための武器が逆にイスラム国側に渡ってしまうらしい。

  兵卒の事を考えぬイラク軍高官は、低品質の安い武器を購入することで、不当な利益を懐に貯め込む。その一方、末端の兵卒は粗末な武器を渡されて戦う羽目になる。アメリカ製の武器がお金に交換され、安物の武器が現場の兵卒に渡される。武器の使用自体が、兵卒にとって命取りになるという、馬鹿げた事態が起こるのだ。アル・オベイディ大佐は、米軍から手に入れたオーストリア製のグロック拳銃を見せながら、「もし、これがイラク軍から支給されたら、二発撃っただけで、銃身が破裂するんだ」と記者に語っていた。(David Kirkpatrick, Graft Hobbles Iraq's MIlitary Fighting ISIS, The New York Times, November 23, 2014) ピンハネやキックバックが蔓延しているから、取り締まるろうとしても始末に負えない。綱紀粛正のイラク人官僚じたいが、腐敗軍人と結託している場合だってある。アル・オベイディ大佐によると、各兵卒が銃弾100発を支給されるはずのところ、兵は50発しか貰えず、上官が残りを取り上げて売却してしまうのだ。(Samuel Smith , ISIS Militant Are Already Getting Their Hands on Recently Supplied U.S. WQeapons in Iraq, The Christian Post, November 25, 2014)

  中間搾取があるなら、アメリカ人が直接ヘイラク軍兵卒や地元民兵に武器を渡せばいいじゃないか、と我々なら思うだろう。しかし、イラク政府の役人は米国政府が地元部族に直接武器を渡すと、イラクの主権を侵すことになるので、イラク政府に直接配達するよう求めていたのだ。何が「イラクの国家主権」だよ。国家の矜持(きょうじ)も無ければ、国民への責任も持っていない堕落官僚が、一人前の口をたたけるのか。いったん国家が破壊され、自尊心を無くした国民は再起が難しく、どうしても瀆職(とくしょく)の誘惑に勝てない。(一般に言う「汚職」は間違い。「汚い職」じゃなく「役職を冒瀆」する、が正しい。) 軍隊の士気は地に堕ちている。イラク軍には「チキン野郎」と呼ばれる将校がいるという。兵卒に支給される鶏肉を横領・売却して私腹を肥やすらしい。また、士官の身分を販売する将校がいて、みんなから「ズル将軍(General Defter)」と呼ばれている。こうなりゃ、“ちょろまかし”はキリが無い。イラク軍には「幽霊兵士(ghost soldiers)」までいるのだ。すでに軍隊からいなくなった兵士が、名前だけ残って在籍しているという。名簿だけ提示する軍司令官が、幽霊兵士の給料をポケットに入れるのだ。「ゴースト部隊」と言ったら、なんか恐ろしく強そうだが、たんなる兵員水増部隊である。法律家のモハメッド・オサマン・アル・カリディによると、イラク軍士官の30パーセントが幽霊軍人らしい。これじゃあ、ISISテロリストと戦っても勝てないわけだ。 

  アラブ人ってのは、プライドだけは異常に高く、実行力は桁違いに低い。彼らは屁理屈こねたり、値段交渉のときだけ有能で、地道な国家建設や行政管理となったら、からっきしダメになってしまう。アカンタレ国民は、まず精神から鍛え直さないと、いくらお金をつぎ込んでもザルで水を掬(すく)うようなものだ。しかし、彼らに武器を供給するためペンタゴンは、2015年度の予算として2410億ドルを要求している。軍隊はカネ喰い虫だと非難されるが、アメリカの軍需産業はイラクの実態を知りつつも、戦争特需で巨額の利益を得るから幸福なのだろう。米国の兵器工場だって、在庫は捌けるし、新たな製品を納入できるから、戦争萬歳だ。でも、アメリカ人納税者はカンカンに怒るだろうな。でも、いいか。足りなくなったら日本政府を脅迫(ゆす)ればいいのだから。

自作自演テロを用いるアメリカ人

  ユダヤ人と同じく、アメリカ人も国内テロを自分たちで起こして、輿論を操作しようとする性質をもつ。米西戦争の時のメーン号事件や第二次大戦時の真珠湾攻撃は有名だ。アメリカ政府がわざと攻撃されるよう仕組んでいた。ベトナム戦争の時には、トンキン湾事件が捏造で、今でも語り草となっている。9/11テロも、自作自演テロだろうが、まだその全貌が解明されていないから、確かなことは言えない。しかし、悪名高い「ノースウッド作戦(Operation Northwood)」は、機密文書が1997年に公開されたので、皆が知るところとなった。この極秘作戦は、ケネディ政権の時代に、統合参謀本部によって創案された陰謀である。国防総省やCIAもグルになって、キーバのカストロ政権を打倒するべく、アメリカ国内でテロ事件を起こそうという計画であった。この作戦では、ハイジャックや爆破事件が提案されていたのだ。肝心な点は、キューバ政府が起こしたと臭わせるような偽の証拠を残すことであった。9/11テロで、ハイジャック犯のパスポートがWTC建物の残骸から見つかったという、奇蹟的遺留品を思い出してしまう。

  当時、フロリダ州マイアミには亡命キューバ人が多く住んでいたから、共産主義者のキューバ人が、連続テロを起こす案が推奨されていたし、首都ワシントンでのテロも検討されていたのである。それに、とんでもないデロまで提案されていた。アポロ宇宙船の有名な飛行士ジョン・グレン(John Glenn)の暗殺まで、一連のテロ計画で提案されていたのだ。(グレン氏は後に上院議員となる。)やはり、大衆に強く訴えかける象徴的事件が必要なのだろう。一般人には難しい事が分からない。単純明快な理由が一番。だから、アメリカの仕掛人たちは、ヴィジュアル的事件を起こして、烏合の衆を誘導するのである。耳より目に訴えかける方が効果的。こう言うと一般人は唖然とするだろう。だが、偽装テロ殺人計画は、統幕議長のレイマン・レムニツァ(Lyman Lemnitzer)将軍により承認されていたのだ。1962年3月13日のメモランダムに、将軍の署名を見て、アメリカ国民は驚愕した。

  その作戦は国防長官のロバート・マンナマラに提出されたが、元フォード社長の民間人長官から承認を得られなかった。いくら何でも政府が自国民を殺すわけにはいかないだろう。それに、リベラル派大統領のジョン・F・ケネディが承諾するはずがない。草案段階で却下。軍部は何としてでもカストロを潰したかった。テロ事件でも起こさなければ、グズの国民はその重い腰を上げないと分かっていた。目的のためには手段を選ばない、というわけだ。一方、ケネディ大統領はレムニツァ将軍に直接会い、キューバに部隊を派遣する可能性は全くないことを告げたという。最高司令官の反感をかった将軍は、次の議長任期を取り消されれ、別の職へと左遷されてしまった。軍部の言いなりにならないケネディは、ペンタゴンやCIAの神経を逆撫でするような真似を数々犯したから、政敵がとても多かった。大統領暗殺が内部犯行説と推測されても不思議ではないだろう。

  我々は大手メディアの流す情報を鵜呑みにしてはならない。アメリカは早くから大衆社会だったので、心理操作の研究が進んでいた。北朝鮮や支那の報道なら、すぐ嘘と分かるが、自由社会を標榜するアメリカのマスメディアだと、嘘を見抜くのが困難だ。専門家がいかに大衆を操作すべきかを、日々研究しているのだから、視聴者はまんまと騙されてしまう。大手メディアは、見せたいものしか視聴者に見せない。重要なことは、事前にカット。イスラム教徒によるテロ事件でも、本当の偶発的事件も中にはあるが、しばしば計画された襲撃が混じっていたりする。イスラエルの偽装テロは巧妙だから要注意。また、ユダヤ人に不都合な事実は、イスラエル・ロビーの目も光っているから、放送するのはまず不可能だろう。経営陣だって、ユダヤ人かその仲間だから、自由な報道は編集局の筆先が終着点。「自由」とは報道機関の重役が持つもので、一般国民は「加工」された情報を聞くだけ。ニュースを調理している人物の素性や思想を検証して、テレビや新聞を見ている一般人なんかいないじゃないか。「ヤラセ」とは芸能界の専売特許ではない。毎日のニュースに、「ヤラセ」や「でっち上げ」「謀略報道」が混じっているのだ。バラエティ番組の不正を見抜けない一般人が、高度な謀略報道を嗅ぎ分けられるはずがない。こう考えると、平和ぼけの朝日新聞とNHKにお金を払っている日本人は、本当にお人好しの典型である。




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