無敵の太陽

主要マスメディアでは解説されない政治問題・文化・社会現象などを論評する。固定観念では分からない問題を黒木頼景が明確に論ずる。

テロリズム

プーチンが本当に命じたのか? / 悪い奴ほど頭が良い (Part 1)

教科書に載せて全日本人に知らせたい現代史 支那人の卑史 朝鮮人の痴史
黒木 頼景
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プーチンが首謀者なのか ?

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(左: ウラジミール・プーチン大統領     /     右: テレザ・メイ首相 )

  日本人は他人から学ぶことが好きだ。巷の評論家は自分の意見に自身が無いのか、グローバル経済に話が及べば、「日本は米国のビジネス・モデルに学ぶべし」と説教を垂れるし、支那を敬うチャンコロ屋は飽きもせずに孔子や孟子を褒めそやし、現実の支那人を無視して架空の倫理道徳を云々する。マスコミの業界人は、出来もしない綺麗事で文章を書くから、最初から論外。庶民は常識を以て現実の世界を見た方がいい。もし、向上心のある者が政治の要諦や秘訣を学ぶなら、悪党について勉強すべきだ。とりわけ、支那人の遣り口を理解したければ、『論語』などはゴミ箱に捨てて、『韓非子』や『厚黒学』を繙く方が賢明である。これらの書物を読めば、如何に支那人が狡賢く非道であるかが解るだろう。

  秘密結社とかマフィアで出世する奴は正式な学問を修めていないが、経験や失敗を通して人間の心理に精通している。だから、象牙の塔(大学)で古びた講義録を朗読している老人とは異なり、実に侮りがたい。虚勢を張りながらも、常に生死を賭けている彼らは、腰を上げるまでは臆病なほど用心深いが、「いざ好機 !」と見るや電光石火の行動に出る。しかも、冷酷非情だから安易な妥協が無い。敵は一人残さず皆殺しが鉄則。相手を射殺するときは二発以上、頭か胸に弾丸を撃ち込み、標的が完全に息絶えた事を確認する。ギャング上がりのスターリンがヒトラーの自殺をなかなか信じなかったのは、遺体の確認が取れなかったからだ。猜疑心の塊だったソ連の元帥は、部下に遺体の回収を命じたが、派遣されたソ連兵はどれがヒトラーの焼死体なのか判らず、歯科医を丸め込んで適当な遺体を「ヒトラーの遺骸」と報告し、恐ろしい雷帝を騙した。

Hitler 3Joseph_stalin 1(左: ヒトラー総統  /  右: スターリン元帥)
  それにしても、スターリンは西歐のボンクラ学者よりも「学者」らしい。なぜなら、遺体の検死をするまでヒトラーの「自殺」を信じなかったんだから。学歴の無いヤクザの組長だって、確認作業となればキッチリしている。例えば、ある組長が手下に向かって、敵対するヤクザの組長を殺してこい、と命じたとする。そこで、殺し屋となった「鉄砲玉」が標的目がけて二、三発銃弾を撃ち込む。ところが、怖じ気づいたのか、その暗殺者は即座に現場を後にしてしまう。見事に仕留めたと自信満々の彼は組の事務所に戻り、親分に任務完了を報告。だが、話を黙って聴いていた親分は一言尋ねる。

  親分 「おい、奴がくたばったのを“ちゃんと”確認したんだろうな !? 」
  子分 「あっ、たぶん死んだと思います。」
  親分 「なにぃ? “思います”だとぉぉぉ!? 」
  子分 無言でうなだれる。
      親分   「テメェ、ナメてんのかぁぁ !! あの野郎を弾(はじ)いてきたんろうがぁ!!!!」
      「オレは野郎が死んだかどうかを訊いてんだ !!! 」
  子分 「それが・・・」 
  親分 「テメェは確かめてこなかった、とでも言うのか?!!ナメてんじゃねえぞ、コノ野郎 !!」
     子分 「すんません、親分」
  親分 「“スンマセン”で済みゃ、ヤクザなんていらねぇんだよぉぉぉ !!!」

  激昂した親分は、どアホの子分に対し殴る蹴るの暴行をはたらく。ボコボコにされた弟分を見て、彼の兄貴分や若頭が、「組長、もうそのへんで・・・」と止めに入っても構わず、「ふざけんじゃねぇぞ !! テメェ、野郎のタマ取って、オレの所に持って来い !!!」と怒鳴り散らすだろう。さすが、文弱の青瓢箪が集まる史学界と違って、極道の世界は厳しい。ヒットマンは確実に標的を仕留めなければならず、僅かな手抜きも許されないから、まさしく命懸けである。もし、ヤクザの密偵がドア越しに銃声を訊いただけの「目撃者」を以て、「ターゲットの死亡」を「確定」すれば、親分に何をされるか分からない。
      
  ところが、歐米をはじ我が国の大学教授ときたら、情報将校だったヒュー・トレヴァー・ローパー(Hugh Redwald Trevor-Roper)の話を鵜呑みにして、「ヒトラーは地下室で拳銃自殺を行い、部下にその遺体を焼却させました」と信じている。このトレヴァー・ローパーは英国近代史を専攻する歴史学者として有名だが、第二次世界大戦では上司のディック・ホワイト(Dick White)に派遣され、ヒトラーの遺体を確認するよう命じられた。しかし、彼が頼ったのは、ヒトラーの運転手であるエリッヒ・ケムカ(Erich Kempka)とマルティン・ボルマンの秘書であったエルス・クルーガー(Else Krüger)のインタヴューくらい。肝心の遺体はついに見つけられなかった。(ちなみに、ホワイトは後にMI5とMI6の長官になった人物。)

Hugh Trevor Roper 1Erich Kempka 3Else Kruger 1







(左: ヒュー・トレヴァー・ローパー    /   中央: エリッヒ・ケムカ   /  右: エルス・クルーガー )

  有力な物的証拠がなく、検死報告書も無いのに、「自殺」と断定するのは歴史家の手法ではない。一部のジャーナリストが言うように、自殺を偽装したヒトラーがアルゼンチンに逃れたのかどうかは怪しいところだが、ヒトラーの遺骨さえ無い状態では「死亡」と宣言するのは軽率だろう。ソ連崩壊後、コネティカット出身の考古学者ニック・ベラントニ(Nick Bellantoni)が、モスクワで「ヒトラーの頭蓋骨」なる証拠を分析したが、そのDNAは女性のものであると判明した。ということは、日本の大学教授はソ連の嘘を信じて、ヒトラーを女性と思っていた訳だ。筆者には男性にしか見えないが、有名大学の歴史学者にはヒトラーが男装の女子に見えたのだろう。日本の学者や評論家はヒトラーの逃亡を「陰謀論」と排斥し、斜(はす)に構えてせせら笑うが、根拠無き噂話を「史実」と信じ込んでいる彼らの方が間抜けである。

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(左: ニック・ベラントニ   /   右: ソ連が保存していた所謂「ヒトラーの頭蓋骨」)

殺されかけた元スパイ

  話が脱線したので元に戻る。先月、ブリテンで元スパイのセルゲイ・スクリポル(Sergei Skripal)が毒殺されかけるという事件が起きた。3月4日、彼は娘のユリア(Yulia Skripal)とソールスベリーのパブで酒を呑み、その足で「ジジ」というレストランで食事を取った。その後、急に具合が悪くなったそうだ。彼らが公園のベンチで横たわっているところを偶然、通りすがりの女性が目撃し、通報を受けた警察が駆けつけ、二人はソールズベリー地区の病院に搬送されたという。(Martin Fricker, Steve myall & Oliver Milne, "Spy poisoning causes UK and Russia row", Daily Mirror, 21 March 2018) しかし、この親子を診察した医師は、当初、どのような物質による症状なのか分からなかった。それでも、翌日になると、「ロシアの仕業なんじゃないか」という憶測が飛び交うようになったのだ。

Sergei Skripal & Yulia 1Sergei Skripal assassination poison








(左: セルゲイ・スクリポルと娘のユリア  / 右: 事件現場を調べる捜査官 )

  確かに、ロシアを裏切った元スパイだから、スクリポルが本国によって暗殺の対象になったという可能性はある。だが、英国側の断定が早すぎる。3月8日には、内務大臣のアンバー・ラッド(Amber Rudd)が神経ガスの使用を発表し、テレザ・メイ首相は緊急評議会の「コブラ(Cobra)」を招集したのである。まだ詳細な捜査が行われていないのに、メイ首相は早速、この暗殺未遂事件には軍事用の神経剤が使われ、ロシアが開発した「ノヴィチョク(Novichok)」であると発表した。彼女はこのテロをロシア政府による直接的行動、あるいはロシアが制禦できず、化学兵器物質が第三者に渡り、それが英国で使用された、と推測したのである。そして、英国首相はこの事件を「無差別的で無謀な行為」であると非難した。(Anushka Asthana, Andrew Roth, Luke Harding  and Ewen MacAskill, "Russian spy poisoning : Teresa May issues ultimatum to Moscow", The Guardian, 13 March 2018)

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(左: テレザ・メイ首相   /  右: アンバー・ラッド大臣 )

  地上波テレビの海外報道しか聞いていない日本人は、「ロシア人は恐ろしいなぁ」と安直に考えてしまうが、何となく話が“出来過ぎ”ちゃいないか? 誰が化学兵器を仕掛けたのか判らぬうちに、メイ首相がロシア製の化学兵器を用いたと断定し、ロシアに対する制裁を検討するなんて性急すぎる。だいいち、問題の「ノヴィチョク」は殺虫剤や堆肥から製造できるバイナリー兵器の神経剤(nerve agent)で、混合される前の前駆物質は左程危険な物質ではない。それに、ロシアの科学者が開発に成功しなかったから「化学兵器禁止機構(Organization for the Prohibition of Chemical Weapons)」は、どんな兵器なのか明確に分かっていなかったのだ。したがって、ロシアが“わざわざ”こんな神経剤を使って元スパイを殺そうとした、とは考えにくい。案の定、元駐ウズベキタン大使を務めた英国人外政官のクレイグ・マレー(Craig Murray)は疑問を投げかけていた。(Derek Royden, "The spy and the nerve agent : The new Cold War heats up in the UK", Nation of Change, March 23, 2018) マレー氏によれば、ポートン・ダウン(Porton Down)にある軍の科学研究所は外務省による発表は嘘とみなしていたそうだ。マレー大使自身も古巣の外務省に確認を取ったそうで、ポートン・ダウンの科学者は例の神経剤をロシア産とは特定できなかった。しかし、政府から「ロシア産にしろ !」という圧力があったから、しぶしぶ従ったようだ。これを知れば、普通のイギリス人でも「あれっ ! 何かおかしい !」と思うだろう。

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(左: クレイグ・マレー  / 中央: プーチン大統領  /  右: メイ首相)

殺すほどの価値があるのか?

  とにかく、今回の暗殺未遂はどうもヤラセ臭い。そもそも、引退しているセルゲイ・スクリポルを殺すメリットがプーチン大統領にあったのか? 件(くだん)のスクリポルは1951年、ウクライナのキエフに生まれ、体格が良かったからか、軍人の道を歩もうと考えた。しかし、軍隊に入ったものの、結局は諜報部局に辿り着いたという。対外工作や諜報活動を行うGRUに配属となったスクリポル大佐は、1993年、スペインに派遣された。だが、彼はそこで英国のMI6にリクルートされてしまうのだ。彼はブリテン人のスパイが差し出すお金に目が眩んでしまい、こっそりと祖国の情報を流してしまった。この秘密漏洩は1995年頃から始まり、諜報活動の前線から退いた後も二重スパイの人生は続いたそうで、彼はGRUを引退するが、モスクワにある政府機関に勤めながら、貴重な情報を売り渡していた。

  ところが、この関係は意外なことからバレてしまう。なんと、スペインの諜報機関にロシアのモグラ(潜入スパイ)がいたのだ。ということで、2004年、コードネーム「フォースウィッズ(Forthwith)」をもつ二重スパイ、スクリポルは逮捕。2006年、彼は国家反逆罪の判決を受け、懲役13年の刑を宣告された。しかし、天は彼を見放さなかった。2010年、西側に捕まったロシア人工作員10名との「スパイ交換」で恩赦を受け、彼は保釈されたのである。自由の身になったセルゲイ・スクリポルは妻のリュドミラと娘のユリアを連れて、英国のソールズベリに移り住み、この地に自宅を構えたという。しかし、幸福な日々は続かなかった。2011年、スクリポル夫人は癌で亡くなり、2017年にはサンクト・ペテルスブルクに住む息子のサーシャが肝臓疾患で息を引き取ってしまうのだ。こういう訳で、老いたセルゲイには娘のユリアだけが唯一の家族となってしまった。それでも不幸は重なるもので、巻き添えを食らった娘のユリアには婚約者がいたのだ。事件当日、父のセルゲイは結婚間近の娘がロシアから戻ってきたので、親子二人で外食を楽しんでいたのである。それなのに、急に意識朦朧となって生死を彷徨(さまよ)うことに。人生にはいつ何が起きるのか分かったもんじゃない。

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(左: スパイ時代のスクリポル大佐  /  右: ライフルを持つプーチン)

  それはともかく、もし、英国側の見解が正しいとすれば、プーチンはとっくに引退した元スパイ(66歳)を殺すために、あえて非難を呼びそうな手口を使ったことになる。でも、この隠居老人に暗殺するだけの価値があったのか? ただでさえ関係が悪くなった西側の国で、バレやすい化学兵器を“これ見よがし”に使い、大騒ぎを起こすなんて馬鹿げている。それよりも、この暗殺未遂がロシアの大統領選挙前に起こった事の方が重要だ。タダでさえ悪人ヅラのプーチンに輪を掛けて「極悪」のイメージが追加されたことになる。しかも、サッカーのワールド・カップ前という絶妙なタイミングであった。このように世界の注目が集まる中で、プーチンがヨボヨボの元スパイに「警告」を発する意味があったのか? 常識で考えてみたって分かるじゃないか。事件を受けてブリテン政府は23名のロシア人外政官を国外追放処分にしたので、これに対抗すべく、ロシア政府も直ちに在露ブリテン外政官23名を追放した。

  ロシアの皇帝プーチンには“これ”といったメリットが無かったのに、被害を受けたブリテン側には“ちょっとした”「副産物」があった。ブリテンの国防省は今回の事件をキッカケにして、生物、化学、核兵器による防衛の強化を決め、更なる予算を注ぎ込むそうだ。国防大臣のギャヴィン・ウィリアムソン(Gavin Williamson)は、兵器研究所に対する予算で、4,800万ポンドの上乗せを発表した。筆者の勝手な想像だけど、軍需産業と諜報局のイギリス人が「やったぁ~」と喜んでいる姿が目に浮かんでしまう。もしかしたら、ロシアを攻撃したい政治家と裏方の権力者がニンマリしていたりしてね。だって、英国と米国の対ロシア強硬派にとったら暗殺事件は吉報じゃないか。

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(左: 神経ガス攻撃を受けた子供  /  右: 病院に搬送された被害者)

  ついでに言えば、歐米メディアが騒いでいるシリア政府による毒ガス攻撃も、何となく怪しい。報道によれば、シリアのグータ地区で塩素系の神経ガスが使用され、多くの一般住民が被害を受け、病院に担ぎ込まれたそうだが、本当にアサド大統領が命じたことなのか ? BBCやCNNなどの主要メディアは、毒ガス攻撃を喰らって悲鳴を上げる女性や、病院で苦痛に震える幼児の姿をテレビで連日連夜、繰り返し流している。そして、シリアを掩護するロシアも槍玉に上げているのだ。しかし、どうも変だ。納得できない。シリア政府による叛乱軍鎮圧はもう終盤を迎えているのに、ここに来てわざわざ毒ガス兵器を使うのか? そんなことをすれば歐米諸国の非難を招くことは必定で、国際社会におけるシリアの立場は悪くなる一方だ。一体、シリアにとって、どんなメリットがあるというのか? 国際政治の専門家は理由を解説すべきだ。一連の騒動は、あまりにも出来すぎている。ブリテンでの毒殺未遂事件とシリアに対する非難決議は偶然の一致ではなく、シナリオ通りの策略なんじゃないか?

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(左: 毒ガスに苦しむ赤ん坊  / 右: 国連でシリアを非難するニッキー・ヘイリー )

  本題に戻る。もう一つ気になるのは、意外と早くスクリポルが恢復したことだ。(父のセルゲイとは違い、娘のユリアの方は大したことはない。) これも筆者の推測だが、暗殺の仕掛人は端っからセルゲイを殺すつもりはなかったんじゃないか。もし、本気で暗殺しようと思えば、なにも毒ガスを使う必要は無い。手っ取り早い方法ならいくらでもある。例えば、強盗を装った殺害とか、交通事故に見せかけたひき逃げでもいい。「見せしめ」にしたいなら、狙撃手を傭ってもいいはずだ。効果の薄い毒ガスを使ったのは、実行犯が殺人事件にまで発展させたくなかったからだろう。「良心的な暗殺者」というのは奇妙だが、衝撃的な化学テロを世界中に宣伝することが「目的」なら合点が行く。事件の仕掛人はプーチンに「残酷な独裁者」という汚名を着せたかったのでは ? これは何もプーチンを擁護したいからではない。筆者は「我々が誰かの策略に上手く乗せられているのかも?」と思うからだ。

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(左: 裁判にかけられたセルゲイ・スクリポルと娘のユリア  /  右: 射撃場を訪れたプーチン)

  不自然な出来事には、たいてい裏の意図がある。例えば、英国もしくは他国の諜報機関が「絵」を描き、計画通りに世論を操作したとも考えられるのだ。フランスやドイツで起こるイスラム教徒や中東アジア人によるテロ事件だって、裏に誰がいるのか分かったもんじゃない。例えば、西歐諸国を「反イスラム」に誘導したいイスラエルが、モサド(諜報機関)を使って八百長事件を起こすことも考えられるのだ。アラブ人の富豪に扮したモサド局員が、ムスリム集団の首領に近づき、資金援助を申し出る代わりに、歐米社会で無差別テロを行うよう促す。このユダヤ人工作員に唆された中東系テロリストたちは、移民としてヨーロッパに散らばり、本気で「聖戦(ジハード)」を遂行しようとするだろう。実際にテロ事件が勃発して、その映像を観たヨーロッパ人たちは一斉に「反イスラム」に傾きくはずだから、アラブ諸国に手を焼くイスラエルにしてみれば誠に喜ばしい。また、もしもドイツやフランスに住むユダヤ人が襲撃されれば、ユダヤ人全般に対する同情が増えるから更に好都合だ。一方、末端のムスリム系テロリストは利用されているとも知らず、一途に犯罪を実行するから何とも迫力がある。馬鹿(fool)というのは使いようによって、スペードのエースやジョーカーになるので非常に便利だ。

Mossad spy suspect Majid Jamali Fashi in Iran 2Mossad spies arrested in Lebanon







(左: イランで拘束され「モサドのスパイ」と疑われた人物  /  右: レバノンで「モサドのスパイ」と称された逮捕者)

  今世紀に入って矢鱈とテロ事件が増えたけど、これは単にアジア人やアフリカ人が不満を爆発させたのではなく、西歐人を利用して自国を安全にしようとするイスラエルの戦略や、中東アジアとロシアを経済的に搾取し、軍事的な支配下に置きたいと望むグローバリストの野心に思えてならない。西歐諸国の一般人は本当に悲惨だ。招いてもいない移民や難民が隣近所にやって来て、平穏な日常生活が脅かされたうえに、いつテロ事件に巻き込まれるのか分からない、という不安に包まれている。さらに、下品で不愉快な人種が自国に群がり、美しい中世の街並みが穢され、馴染みの商店街が物騒になり、自宅周辺の地価が下がってしまうのだ。この悪夢はまだ続く。国内テロを防ぐため、治安対策費用が増大するばかりか、テロとの戦争で息子や夫がイラクやアフガニスタンに派遣され、死体か不具になって帰ってくる。

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(左: ブリテンの過激なイスラム教徒  /  右: ドイツに住むムスリム女性)

  これならムスリムを敵視するプーチンの方が、メルケル首相やメイ首相よりもマシだ。プーチンはイスラム移民がロシアにとって害になると分かっているから、いつでも強硬な移民排斥を取ることができる。ロシアの独裁者は「人権」という呪文に怯まない。そんな戯言を口にする奴は手下を使って黙らせればいいし、事によっては「抹殺」という選択肢もある。日本の左翼なんぞは、官邸が暴力を使わないと分かっているから、「改憲はんたぁぁぁい !」とか「人権を守れぇぇぇ!」と勝手に吠えているが、もし彼らがプーチンの前に出たら、ダルマのように無口になるだろう。文字通り、手も足も出ない。プーチンのような悪党は、左翼の本質をよく弁えている。甘い顔をすれば彼らが調子に乗ってつけ上がるので、肝心な所でギュっと絞めて自由を奪う。冷徹な皇帝は酒場のドンチャン騒ぎなら許すが、秩序を乱す「自由」は許さない。プーチンはロシアを自分の領土(シマ)と思っているはずだ。世の中は皮肉なもので、民衆政治を讃美する国民は自らの自由で自らの安全を危うくし、独裁国の支配者は国民の自由を制限するが、そのことにより却って国民の安全が増すこともある。

  Part 2ではプーチンの政治手腕を述べることにする。



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迷宮のサリン攻撃 / シリア攻撃の裏に潜むイスラエルの影


戦争をお膳立てする闇の勢力

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   正直に言えば中東アジアの情勢は謎だらけである。この地域は文字通り魑魅魍魎(ちみもうりょう)の世界で、ISISを巡る紛争は日本人の想像を遙かに超えた死闘であり、真昼の暗闇で交差する情報戦とも呼べるんじゃないか。歐米の報道機関によれば、シリアのアサド政権がイドリブ県のハンシャイフン(Khan Sheikoun)で化学兵器(サリン?)を使用したそうだ。しかし、本当にバシャール・アル=アサド(Bashar Hafez al-Assad)大統領がサリン攻撃を命令したのか定かではない。もちろん、反政府軍はシリア政府がやったと宣伝しているし、アメリカやヨーロッパのジャーナリストも大半がシリア政府の仕業と見ている。確かに、女子供を含む大勢の民間人が殺されたようだが、明確な証拠が提示されていないから、虐殺報道をそのまま鵜呑みにしていいものなのか判らない。

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(左: アサド大統領  /  右: トランプ大統領)

  筆者が今回の攻撃に疑問を抱いているのは、極めて簡単な理由からである。まず考えられるべきことは、毒ガス攻撃を行うことでアサド政権にどんなメリットがあるのか、という点である。シリアでは長引く内戦で既に40万近くの人々が死亡しているのに、いまさらサリンを使って一般人を虐殺する必要性があるのか? 現場となったハンシャイフンは前線でもないし、「サリン」という化学兵器を用いれば、歐米諸国の非難を喚起するのは目に見えている。こんな事をすれば自ら米国に介入の口実を与えるようなものだから、政治力学を解っているアサド大統領が命令したとは思えない。「狂った独裁者」というイメージ宣伝は虚構である。それに、シリアの軍部だって情報戦という側面を充分に弁えているだろうから、軍事的および政治的メリットの少ないオプションを選ぶとは考えにくい。できるだけ米軍の介入を阻止するのが定石だろう。それなのに、シリアがわざわざ自分から不利になるような状況を作るのか?  常識的に考えれば、「反政府側の自作自演かも」と推測する方が自然だ。

  アメリカ国内でも見解が分かれており、元下院議員のロン・ポール(Ron Paul)は、シリアによる毒ガス攻撃など全く考えられない、とはっきり否定している。退役軍人でもおかしいと疑う人たちがいて、元国務長官であるコリン・パウエルの参謀を務めたラリー・ウィルカーソン(Lawrence Wilkerson)大佐も納得できないようで、独自の情報網からも確認できないらしい。共和党の政治顧問やトランプのアドヴァイザーを務めたことがあるロジャー・ストーン(Roger Stone)も同様に、シリア軍による毒ガスの使用を怪しいと見なしている。駐シリア大使を務めたこともある英国のピーター・フォード氏も疑念を抱いているようだ。歐米に住む一般国民の中でも、公開された犠牲者の映像に不自然さを感じる者がいるという。

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(左: ロン・ポール  / ラリー・ウィルカーソン  / ピーター・フォード  / 右: ロジャー・ストーン )

  外国で人道支援を行っているスウェーデンの医師団(SWEDHR)も、毒ガス攻撃を受けた子供たちの治療にあたるシリア人医師が「変だ」と述べていた。例えば、リイフ・エリンダー(Leif Elinder)医師やレーナ・オスク(Lena Oske)医師は治療シーンの映像に疑問を呈している。公開された映像の中では、看護婦が幼児の胸にアドレナリンの注射をしている様子が映されているが、心臓近くに針を刺しても注射器の中にある液体を注入していないのだ。ぐったりしている子供の胸に針を刺し、ただグリグリ回しているだけで変だ。そもそも、あの中味は何だったのかさえ不明である。わざわざ撮影しているのに、注射をしている“真似事”など、常識的に考えてみれば“おかしい”と判るはずだ。医師団を率いるマルセロ・ノリ(Marcello Ferrada de Noli)博士も首を傾げるんだから、日本のニュース解説者はきちんと説明すべきだ。ただし、筆者はこの映像が日テレやテレ朝で放送されたのか否かは調べていないから明確なことは言えない。たぶん、どこかの局で報道したはずだ。

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(左: リイフ・エリンダー  / 中央レーナ・オスク /  右: 毒ガス攻撃を受けた子供)

  心理戦や情報戦において、相手側の「良心」を動かすことは常套手段である。一般人は大人の男性より、か弱き女性や幼い子供の悲劇に衝撃を受けやすい。そりゃあ、髭面でぶくぶく太ったオっさんでも死ねば気の毒だが、年端も行かぬ幼児が惨殺された方が遙かに憐憫を感じるものである。だから、もしサリン攻撃の策略を実行した組織がいればの話だけど、仕掛人たちは子供を狙って「生き地獄」を作ろうとしたんじゃないか。そうでなければ、激戦地から10マイルも離れた街でサリン攻撃を行う意味が解らない。フジテレビは軍事ジャーナリストの黒井文太郎を招いてシリア政府がやったと報道していたが、物的証拠を示さなかったばかりか、彼らが大好きな国連査察団の検証も伝えなかった。様々な目的を持ったテロリストや外国からの刺客、誰に雇われているのかも判らぬ傭兵、二重もしくは三重スパイの裏切り者が混在する戦闘地域で、アメリカのジャーナリストがシリア政府軍の仕業と確信できるなんて考えにくい。ひょっとすると、シリアの紛争にアメリカ軍を引きずり込みたいイスラエルが「ヤラセ」攻撃を仕掛けたのかも知れないのだ。もっと穿った見方をすれば、ジャーナリストの中にさえモサドやCIAの息が掛かった連中がいて、依頼された通りの報道をしている可能性だってある。先進国の街中と違って、監視カメラの無い沙漠の紛争地域なら、どんないかがわしい行動もやりたい放題だ。

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(左: 米軍からのミサイル発射  /  右: 反政府軍の兵卒)

  今回の化学兵器テロを演出した組織は、米国を攻撃せねばならぬ状況に追い詰めた、とも考えられよう。というのも、アメリカ国内ではトランプ批判が真っ盛り。「トランプはロシアの手助けで当選できたのでは?」と疑惑を抱いているからだ。つまり、リベラル派のマスコミはロシアの諜報局が選挙期間中にヒラリー・クリントン陣営の電子メールをハッキングしたり、彼女に不利な情報を計画的に流したりして、劣勢だったトランプを勝利に導いたのではないかと勘ぐっている。もちろん、トランプ大統領は容疑を否定しているが、大統領選挙で煮え湯を飲まされた主要メディアは恨みを忘れていないから、毎朝毎晩、執拗にトランプを叩いていた。こんな背景があったから、「シリア軍による空爆だ、毒ガス爆弾が病院に落ちたぞ!」と聞けば、トランプ大統領は強硬姿勢を取らざるを得ない。「強いアメリカ」を標榜するトランプにしたら、ここで軟弱な態度に出れば自身のイメージに傷がつく。だから、とりあえず巡航ミサイルを六十発くらい撃ち込んで、「帝王」的司令官の面目を保とうとしたのだろう。詳細な検証には時間と労力がかかるから、そんなのを待ってから攻撃したって意味は無い。アメリカの民衆は果敢な軍事行動が大好きだから、事件の真相なんてどうでもよく、とにかく派手な懲罰劇をテレビ画面で観たいのだ。映画の撮影と違って、本物のミサイルによる破壊力には迫力がある。

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(左: ISISの兵隊  / 右: イスラエルの影 )

  ヤクザの世界に「絵を描く」という表現があるが、今回の毒ガス攻撃には裏で「計画を書いた」奴がいると思えてならない。以前、このブログで「大イスラエル構想」を紹介したが、シリアが化学兵器を使って歐米から非難された時、「誰が」あるいは「どの国」が、はたまた「いかなる集団」が最も利益を得るのか、よ~く考えてみる必要がある。シリアで暴れていたISIS(イスラム国)もロシア軍の猛攻でかなり弱まり、消滅の危機に瀕している。ただし、それは統率のとれた軍隊が縮小するというだけで、個々のテロリストやならず者、レジスタンス、殺人鬼が消え去るという意味ではない。便衣兵が転じて掠奪者になったりしてね。「アリババ」でも「ネコババ」でも盗賊は盗賊だ。(でもさぁ、自分のウンコを隠す猫より、公的資料を隠す財務官僚の方が悪質だよねぇ。) たとえISISが叩き潰されても、各地にゲリラ兵が散在するだけだ。しかし、そうなって一番困るのはISISを作り上げ、資金を流して操っていた黒幕である。これは筆者の憶測だけど、ISISの目的はイスラム教を基礎にした国家の建設ではなく、とにかく“がむしゃら”にシリア国内で暴れ回り、アサド政権を転覆させることにあるんじゃないか。

  現在、我々は悪辣でも一応それなりの秩序を保っているアサド政権を目にしているが、米軍の攻撃でシリアの統治機構が崩壊した時、どんな状況になるのか? おそらく、シリア国内は無秩序に陥るから、アメリカが子飼いのシリア人を派遣して操り人形にするだろう。これはアフガニスタンで実験済みだ。そして、弱体化したシリアを喜ぶのは、イスラエルのネタニヤフ首相に代表される「タカ派」のユダヤ人である。隣国の邪魔な独裁者がいなくなれば、結果的にイスラエルが強国となるからだ。狡猾なユダヤ人にしたら、流血を伴う危険な戦闘はアメリカ兵にさせて、戦争の果実が熟せばイスラエルが食うという計算だろう。表面的には米軍がシリアの占領統治を行うかも知れないが、イスラエルはアメリカ国務省のネオコンやシオニスト官僚、およびイスラエル・ロビーに従順な議員を通して、シリア支配の実権を握るだろう。どうせ、仲間のユダヤ系上院議員のチャールズ・シューマーや共和党リベラル派のジョン・マッケイン、ゴマすり上手なリンゼイ・グラム議員を利用すれば、シリアの間接統治は可能となるはずだ。

Charles Schumer 1John McCain 4Lindsey Graham 1







(左: チャールズ・シューマー  / 中央: ジョン・マッケイン  / 右: リンゼイ・グラム )

  中東アジアの現場で負傷したり気違いになるアメリカ兵は哀れだが、米軍を操ることでイスラエル政府は貴重なユダヤ人将兵を失わずに済む。だから、アメリカの議員どもに多少の賄賂を渡してやっても割に合う。アメリカ国民は激怒するかもしれないけど、イスラエルの政治思想では、ユダヤ兵一名の命はアメリカ兵数十名の命に匹敵するのだ。過去を振り返ってみよ。アメリカ兵が中東地域で戦争を繰り返して何の利益を得たのか? グローバリストや金融資本家は儲かったかも知れないが、仕掛け爆弾で大やけどを負った将兵、爆発や被弾で片腕や右眼、左指、手首、両脚などを失って片輪になった者、意識不明の重体や車椅子の不虞者にとったら、勲章をもらったからといって納得できることはできない。平和な日本に住む一般人には信じられないけど、想像を超えた戦場の恐怖を体験することで自殺を図る兵卒までいるのだ。首吊りをしなかった者でも、精神的におかしくなってしまい、家族や友人ともぎくしゃくする帰還兵もいるという。姿は同じでも「別人」になって還ってきた息子を見て涙ぐむ両親は珍しくないのだ。

トランプ政権内の軋み

Jared Kushner & Trump 3Jews 13








  歐米の主要メディアはISISのスポンサーは、サウジ・アラビアやクウェート、ヨルダン、カタール、アラブ首長国連邦などであると吹聴していたけど、本当かどうか解ったものではない。中東アジアで起こった政変や戦争を眺めてみると、奇妙なくらいイスラエルにとって都合良く起こっているのだ。「アラブの春」というキャッチフレーズでエジプトやリビアに内乱と政変が勃発したし、湾岸戦争で目障りなサダム・フセインが排除された。イスラム教を前面に出しているISISなのに、なぜか直ぐ近くにあるイスラエルに攻撃を加えようとはしないから不思議だ。周辺のイスラム教諸国から資金をもらっているなら、イスラム教徒の応援を得るために、ちょっとくらいはイスラエルに進撃してもよさそうなのに、矛先はもっぱらアサド政権に向けられている。仮にイスラエルとその共犯になっている米国のシオニストが黒幕だとしたら、次の標的は高い確率でイランだろう。米国のユダヤ人団体はしきりに「イラン空爆」をせかしていたから、裏舞台でイスラエルの右派と繋がっているのかも知れない。

  一方、トランプ政権内部でも内紛が起こっていた。首席戦略官のスティーヴ・バノン(Stephen Bannon)がNSC(国家安全保障会議)のメンバーから外されるという事態が発生したのである。トランプがバノンを異動させたのは、娘婿のジャレド・クシュナー(Jared Kushner)の差し金だという憶測が世間に飛び交っていた。シリアに対するアメリカの介入に反対したバノンと、断固たる軍事攻撃を主張したクシュナーとの確執があったらしい。たぶん、バノンは「ブラック・オペレーション(極秘作戦)」の臭いを感じたのであろう。中東地域ではよくあることだが、イスラエルの工作員たちが「偶発事件」を“お膳立て”して、彼らの仲間であるアメリカ人と現地人エージェントがその「惨劇」に驚いた振りをする。そこへ何も知らないアホなジャーナリストがノコノコとやって来て、「うぁぁぁ~」と驚愕し、米国内の輿論を扇動すれば、ホワイトハウスの共犯者は軍事介入を正当化できるという訳だ。

Bannon & KushnerTrump & Kushner 1








(左: バノンとクシュナー  / 右: クシュナーとトランプ )

  こう聞けば、普通の日本人は「あ~あ、また馬鹿げた陰謀論かよ」と吐き捨てるが、世界各地に張り巡らされたユダヤ人ネットワークは凄まじいから、本店のイスラエルが覺醒のシグナルを発信すれば、バラバラな各機関が見事なほどの連携プレーを披露する。あるイスラエルの諜報員が回顧していたけど、見知らぬ外国に赴いても何処かしらにユダヤ人の現地協力者がいて、ホテルや隠れ家(セイフ・ハウス)、必要な道具や武器からクルマの手配まで、あっと言う間にしてくれたそうだ。日本の在外大使館職員なんて全然頼りにならないし、諜報活動や破壊工作には全くの役立たずであるから、万事抜かりのないイスラエルが羨ましくなる。イスラエルの工作員だと白昼堂々とイランの要人や科学者を暗殺するし、ターゲットの乗用車に爆弾を仕掛けて吹き飛ばす事など朝飯前だ。ユダヤ人ならチェチェンやタジキスタンのイスラム教徒を唆して、ロシアで自爆テロを実行させることも可能なんじゃないか。

Wesley Clark 1(左  / ウェスリー・クラーク )
  シリアの反政府軍にどれくらい米国やイスラエルの手先が紛れ込んでいるのか判らない。以前、英国の「ガーディアン」紙やドイツの「シュピーゲル」誌が伝えていたけど、アメリカ軍はヨルダンのサファウィで反政府ゲリラを育成し、武器の取り扱い方を教えて訓練していたそうだ。そう言えば、以前NATOの元司令官であるウェスリー・クラーク(Wesley K. Clark, Sr.)将軍がCNNのインタヴューに応えていた時、アメリカ軍はヒズボラに対抗するゲリラ兵を養成していたと語っていた。アフガニスタンでタリバンを作り上げたように、アメリカはちょくちょく自家製のゲリラを輩出しているのである。どうせ放って置いたって中東アジアのイスラム教徒はゲリラ兵になるんだから、アメリカやイスラエルが主導してテロリスト部隊を創れば、アマチュアのゲリラどもが寄ってくるので、中東地域での過激派を把握でき、しかも都合良く動かせるから、危険分子を自前で揃えていた方が賢い。しかし、我々にしたら、どのテロリストが本物で、どのテロリストが飼い犬なのか区別できないので困ってしまう。

  軍事国家としてのアメリカは世界一なのに、そこに住んでいる国民は必ずしも幸福とは言えないから奇妙である。第二次世界大戦前、一般のアメリカ国民は大半が戦争反対だったのにローズヴェルト大統領の策略で日米戦争に突入となった。そして、忌々しい日本軍を倒したら、朝鮮半島に共産軍が雪崩れ込み、マッカーサー将軍は大慌てで軍隊を派遣。すると、勇ましいアメリカ兵は下らない貧乏半島で大量死。ついでにマッカーサーもクビ。でも、本土の民衆は何が起きたのか判らず、今では「忘れ去られた戦争」と呼ばれている。悲しいことに、歴史教科書の扱いも小さい。ベトナム戦争に至っては、宣戦布告すら無かったのに、どんどん軍事顧問団が送り込まれて、本格的な地上部隊を投入したら泥沼化。最初は張り切って戦場に向かった青年も、現場の悲惨さにびっくり仰天。それどころか、生き地獄を味わって半狂乱になった。アメリカは只でさえ国富を消耗したのに、手足が無くなった傷痍兵や麻薬中毒になった退役兵、様々な衝撃で精神異常をきたした若者が国内に戻ってきて、一挙に社会的負担が増えた。1950年代の礼儀正しいアメリカは吹き飛んで、下品で不埒なクズが横行する第三世界に転落。巷にはフラワー・チルドレンに代表される反戦活動家が溢れ、大学のキャンパスも左翼学生で大賑わい。しかも、インドシナ難民まで引き受けることになって、まさしく泣きっ面に蜂である。でも、こうしたアジア人は蜜ではなく、犯罪と貧困をもたらしたから、アメリカ人の判断は「甘かった」と言えるんじゃないか。

Woodstock 3Vietnam war 3







(左: 1960年代から70年頃の若者  / 右: ベイナム戦争へ派遣されたアメリカ兵)

  戦争は金融界と結びついた軍産複合体にとっては「福音」である。巨大な軍隊がちょっと動くだけで、石油から食糧、衣服、医療に至るまで、諸々の物資が消費され、供給元の企業が儲かって笑いが止まらない。また、軍隊がミサイルを発射すれば、在庫整理となってアップグレードされたミサイルの追加注文となる。さらに、新兵器開発の予算も増えるから、ロッキード・マーチンやジェネラル・ダイナミックス、レイセオンなどの重役は欣喜雀躍。インコだってムーン・ウォークかドジョウ掬いを披露するだろう。一方、イスラエルも米軍を利用して国益を図ることができるから大歓迎。たとえアメリカ国民がグズでも、9/11テロみたいな「刺戟」を与えてやれば、一気に戦争賛成となるから簡単だ。一般のアメリカ人にはゴチャゴチャとした議論は効果が無い。単純明快な恐怖を体験させてやれば言う事を聞く。もし、イスラエルがイラクを分解したければ、フセインが化学兵器を隠し持っているぞ、と噂を流せばいい。あとでガセネタと判っても、軍隊を動かした後では「後の祭り」だ。愚痴をこぼしたって無駄。これは「スカッと爽やか、コカ・コーラ」と同じで、誰も飲み終えた後に「どれくらい砂糖が含まれているのかなぁ?」と思わないじゃないか。

american soldiers 4American soldiers 3







(左: 中東に派遣されたアメリカ兵  /  右: 負傷したアメリカ兵)

  中東地域に米軍を引きずり込みたい連中にとっては、国内問題に専念する「アメリカ第一主義」などもってのほか。シリアがISISを掃討する前に、アサド政権を倒してシリアを弱小化したいのだ。そのためには、毒ガスで犠牲となった幼い子供の映像は好都合。いくらバノンが待ったを掛けても、クシュナーが催促するから、弱腰を嫌うトランプ大統領は空爆を忌避できない。つまり、ジョン・ウェインやランボー、レーガンみたいな「男らしさ」に憧れるトランプとしては、「ここで一丁オレ様も偉人の仲間入りをしなくちゃ」と考えるだろう。何はともあれ、とりあえずトマホーク・ミサイルでもぶっ放し、「皇帝」の風格を見せつけなきゃトランプの男が廃るってもんだ。この英断を見てトランプ嫌いのユダヤ人ネオコンも大喜び。これは中東に蔓延る独裁者を抹殺したいイスラエルにとっても、祝福すべき快挙である。もし、トランプがバノンの諫言を聞き入れて、ちょいとばかり攻撃命令を保留したら、敵対するCNNやABC、ニューヨーク・タイムズ紙は「待ってました」とばかりに、トランプを袋叩きにしていただろう。イスラエル側としては、慎重で猜疑心の強いバノンより、自国とのパイプ役になるクシュナーの方がいい。何と言ってもユダヤ人同士だ。阿吽の呼吸で政治を動かせるじゃないか。

Charles Kushner 1benjamin netanyahu 4








(左: 父親のチャールズ・クシュナーと息子のジャレド  / 右: ベンジャミン・ネタニヤフ )

  前科者を父に持つジャレド・クシュナーはイスラエルとの関係が深い。彼の両親が運営す「チャールズ&セリル・クシュナー財団(Charles and Seryl Kushner Foundation)」はバレスチナ人のウェスト・バンクに住むユダヤ人を支援しており、2010年から2014年にかけて「ベイト・エル・イェシヴァ・米国友好団(American Friends in Beit El Yeshive)」に2万ドルの献金を行っていたのである。(Trump son-in-law'sfamily gave money to illegal West Bank settlements,  Middle East Eye, 5 December 2016) パレスチナ人の私的所有地であるベイト・エル地区へ入植することは違法であるが、超保守派のユダヤ人たちは構わず住んでいる。また、クシュナー夫婦はイェルサレムにある医学校に2千万ドルも寄附しており、その看板には恩人の名前が刻まれているらしい。「やはり」と言っては何だが、クシュナー家はAIPAC(有力なユダヤ人のロビー団体)にとってもお得意様であるそうだ。ということは、クシュナー財団の役員だった御曹司のジャレドも「ご贔屓筋」ということになる。これが判れば、選挙中なぜ多くのユダヤ人がトランプに声援を送っていたのかが理解できよう。

David Friedman 1Jason Greenblatt 23Steve Mnuchin 2Gary Cohn 2







(左: デイヴィッド・フリードマン  / ジェイソン・グリーンブラット /  スティーヴン・ムニーチン/ 右: ゲイリー・コーン )

  注目すべきは新政権で駐イスラエル米国大使に選ばれたデイヴッド・フリードマン(David Friedman)の存在である。彼はラビ(ユダヤ教の導師)を父に持つ正統派のユダヤ教徒で、心の底からイスラエルが大好き。しかも驚くべき事に、彼は先ほど紹介した「米国友好団」の総裁を務めていたのだ。そのうえ、フリードマンはトランプの不動産事業における顧問弁護士を務めていたんだから、クライアントのトランプとは親交が深い。スティーヴン・ムニューチン(Steven Mnuchin)に加え、ジェイソン・グリーンブラット(Jason Greenblatt)といい、トランプの側近にはユダヤ人がやたらと多い。日本ではあまり話題となっていないが、「国家経済評議会(National Economic Council)」には、ゴールドマン・サックスを退任した元社長のゲイリー・コーン(Gary Cohn)が就任しているのだ。「またユダヤ人の補佐官かよ!」とウンザリしたくなるが仕方がない。連邦準備制度理事会や国際金融業界にはユダヤ人がゴロゴロしているんだから。

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(左: 池上彰  / 中央: 後藤謙次  /  右: 末延吉正 )

  それにしても、日本の報道機関はお花畑というか、愚者の楽園というか、もう匙を投げたくなるような状態である。森友学園の籠池がどうしたこうした、と馬鹿騒ぎをした挙げ句、問題の土地は「曰く附き」の物件だったことが明らかになった。だから、最初から役人を問い詰めて真相をゲロさせれば良かったのだ。大手メディアの記者たちは最初から政権転覆を目的としていたから、現地の不動産屋に聞き込みを行わなかったのであろう。NHKや民放各局は下らない土地取引や、左翼議員のホラ話に飛びついていたけど、事実を追求する気があるとは到底思えない。視聴率を稼ぐ事ができれば良い、という基本姿勢で番組を作っているんだから、視聴料を払ったり、テレビ局と一体の新聞を購読している一般国民はバカみたいだ。それに、低俗番組で偉そうに解説をしている、池上彰が東工大教授となり、末延吉正が東海大学教授、後藤健次が白鴎大学になっていたんだから、日本の若者がクルクルパーになってもおかしくはない。でも、これは教員免許を持っていない筆者のひがみじゃないぞ。(信じてもらえないと思うけど。)




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