無敵の太陽

主要マスメディアでは解説されない政治問題・文化・社会現象などを論評する。固定観念では分からない問題を黒木頼景が明確に論ずる。

マスコミ問題

ポリコレが娯楽番組にも浸透する /「キャンセル文化」の嵐 (前編)

「言葉狩り」に邁進するBBC

  イギリス人が作る喜劇は、如何にもイギリス人らしい風味が利いているから、観ていて非常に愉快だ。ブリテン島の国民はユーモアのセンスに富んでおり、そこには知的なスパイスが隠し味となっている。アメリカ人が作る喜劇番組、いわゆる「Sitcom(Situation comedy)」とは段違い。ハリウッドやニューヨークのコメディー作品は銭儲けが最優先とされるので、教養を必要とするウィット(機知)に欠け、無理矢理にでも笑わそうとするゴリ押しがある。大手メディアの制作者は、あくまでも“アホな大衆向”を顧客としており、知的な中流階級を相手にしたものではない。しかも、最近は下品さを「売り」にしたコメディー映画も多いから、観ていて吐き気がする。

Adam Sandler 5(左  / アダム・サンドラー )
  例えば、ユダヤ人俳優のアダム・サンドラー(Adam Sandler)は酷い。今や“落ち目”となったサンドラーだが、かつてはNBCの『サタデー・ナイト・ライブ』でチヤホヤされる人気者だった。しかし、最近の出演映画には失敗作が少なくない。人気女優のジェニファー・アニストン(Jennifer Aniston)と共演した『ウソツキは結婚の始まり(Just Go With It)』は予想外の惨敗であったし、メキシコ人をコケにした『Jack and Jill』も興行成績が振るわなかった。サンドラーとケビン・ジェイムズ(Kevin James)がゲイのカップルを偽装したコメディー作品、『チャックとラリー : おかしな偽装結婚?(I Now Pronounce You Chuck and Larry)』も酷評された。『もしも生まれ変わったら(The Do-Over)』や『靴職人と魔法のミシン(The Cobbler)』、『アダルト・ボーイズ(Grownups)』の1と2も駄作で、サンドラーの映画は何度もラズベリー賞からノミネートされる程である。彼は下劣なギャクを見せれば客が喜ぶと思っていたのだろうが、案外、露骨な下品さというものは観ていて気分が悪いものだ。

Adam Sandler Growup 3Adam Sandler Jack & Jill







(左 : アダルト・ボーイズ  /  右 : 「ジャック&ジル(Jack & Jill)」 )

  一方、イギリス人は真剣に馬鹿らしい笑い話を作るので、結構、印象深い作品が多い。以前、WOWOWが『リトル・ブリテン』を放送したけど、あのコメディー番組は非常に面白かった。日本だとヤバ過ぎる脚本やキャラクター設定はNGとなるが、ブリテンのテレビ業界は意外とOKだったりする。

    例えば、主役俳優のマット・ルーカス(Matt Lucas)は、語彙が貧弱でアホ丸出しの女子高生「ヴィキー・ポラード」を演じていた。こうした下層白人は、労働者階級が住む寂れた都市部で目にすることができる。このルーカスが扮する身体障碍者の「アンディー」も面白い。彼は車椅子に乗って福祉金を騙し取るハゲのデブを演じ、相方俳優のデイヴィッド・ウィリアムズ(David Walliams)は、このことに気づいていない介護師を演じている。また、ルーカスはインド人が話す英語を馬鹿にする英語講師を演じていたし、ピチピチの服に短パン姿のゲイを演じていた。相方のウィリアムズは女装趣味のオッさんを演じたり、タイ人女性を娶った下層白人を演じていた。しかし、彼のコメディーで必見なのは、まるで農奴みたいな顔をした「粗暴なグルジア人」である。なんか、スターリンが生まれ育った村に居そうな農民だ。

Little Britain 01Little Britain Miss Emmery








( 左 : 「アンディー」と「ルー」 /  右 : 「ミセス・エマリー」に扮するウィリアムズ )

  中でも秀逸なのは、奇妙なお客である「Mr.マン(ウィリアムズ)」が、「ロイ(ルーカス)」の経営する雑貨店にやって来るエピソードだ。ロイはいかにも英国に居そうな温厚な店主で、客の探しているモノが見つからないと女房の「マーガレット」に大声で尋ねる。対応するマーガレットも、現実に居そうな英国人なので、とても愉快だ。しかし、一番凄いのは、脚の悪い老婆「ミセス・エマリー」に扮したウィリアムのエピソードで、この老婆がスーパーマーケットに赴いた時、何かの拍子で気が緩んでしまい、店の床に黄色い小便を垂れ流してしまうのだ。ちょっと下品なんだけど、思わず笑ってしまうので、大目に見るイギリス人は多い。でも、こんなのを日本で放送したら即NG。放送終了後に抗議の電話が殺到し、プロデューサーやディレクターは謝罪会見だ。スポンサーにも非難の電話が鳴り響くから、たぶん、企画段階でボツだろう。(老人用オムツを販売する会社でも、スポンサーにはなってくれないかも。)

Little Britain Vicky Pollard 01Little Britain 4332Little Britain Mr. Mann








(左 :  「ヴィキー・ポラード」を演じるマット・ルーカス  / 中央 : 「ロイ」を演じるルーカス  / 右 : 「ミスター・マン」を演じるウィリアムズ )


Tracey Ullman 0032(左  /  トレイシー・ウルマン)
  もう一つ、ブリテンのTV番組で特徴的なのは、政治を扱ったコメディー・ショーがあることだ。まだ、日本では一般的に知られていないが、トレイシー・ウルマン(Tracey Ullman)のコメディー番組は英米で大ヒット・シリーズとなった。とにかく、ウルマンの物真似がすごい。彼女が扮するアンゲラ・メルケル首相は絶品だ。一瞬、本人が演じているのか、と見間違ってしまうほどである。もちろん、秘書役のサマンサ・シュピロ(Samantha Spiro)と英語で話しているから喜劇と分かるんだが、妙にリアルだ。メルケルが英語で会話をしたら、あんな風になるのかも知れない。ウルマンの演技で一番面白かったのは、呆れた時に目玉をグルグルと廻す仕草である。番組内ではトランプ大統領とテレビ電話で話すシーンもあった。それに、トランプ役の俳優も結構似ていたから、本当に可笑しかった。

Tracey Ullman as Merkel 01Tracey Ullman as Nicola 5Nicola Sturgeon 3








(左  : 「アンゲラ・メルケル」に扮するウルマン / 中央 :  「ニコラ・スタージョン」に扮したウルマン  /  右 : ニコラ・スタージョン首相本人)

  ウルマンの才能は豊かで、スコットランド首相のニコラ・スタージョン(Nicola F. Sturgeon)の物真似もソックリ。「本人と親戚なのか?」と疑ってしまうほどだ。その他にも幾つかレパートリーがある。007の映画で「M」を演じたジュディー・デンチ(Judy Dench)の物真似は、思わず膝を打ってしまうほどである。(何かのパロディー番組でダニエル・クレイグと共演できるぞ。) ウルマンは大物女優の物真似が得意なようで、『ハリー・ポッター』や『ダウントン・アビー』で一躍有名になったマギー・スミス(Maggie Smith)もネタの一つにしていた。もしかすると、ブリテンの女優は年を取るとみんな似てくるのかもね。

Tracey Ullman as Judy Dench 01Judy Dench 2








(左 :  「ジュディー・デンチ」に扮したウルマン /  右 : ジュディー・デンチ本人)

  ただし、トレイー・ウルマン本人は、「ブリテン女優」とは言えない面を持っている。なぜならば、彼女の父親アントニー・ウルマン(Antony John Ullman)は、第二次世界大戦の時に英国へ逃げてきたポーランド人であるからだ。しかも、母親のドリーン・クリーヴァー(Doreen Cleaver)はジプシーの血を引く労働者階級の女性ときている。したがって、トレイシーはチャーリー・チャップリンみたいな喜劇役者と言えよう。チャップリンの母親ハンナ・ヒル(Hannah Hill)もジプシーの血筋で、息子のチャーリーはジプシーのキャラバンで生まれ育ったから、下層民や異邦人の演技が上手かった。生前、その才能からチャップリンは「隠れユダヤ人じゃないのか?」と思われていたが、実際はジプシーの息子だった。(しかし、チャップリンは非常に気にしていたので、過去の話は滅多に喋らなかった。) よくチャップリンの映画で、ルンペンのチャップリンが大柄の警察官に追われるシーンがあるけど、あれは窃盗を得意とするジプシーをモデルにしたのではないか?

Tracey Ullman as Maggie Smith 02Maggie Smith in Downton Abbey 1








(左 :  「マギー・スミス」を演じるウルマン /  右 : 『ダウントン・アビー』に出演したマギー・スミス本人)

「黒ん坊」が「差別発言」となる

  話が脱線したので本題に入る。2013年頃、BBCは1970年代に放送された『ホウルティー・タワーズ(Fawlty Towers)』というコメディー番組をDVD化した時、登場人物の「ゴウェン少佐(Major Gowen)」が口にする“言葉”が問題になった。しかし、オリジナルを尊重したのか、削除されずに残されたので一安心。このゴウェン少佐というのは架空のキャラクターで、これまた架空の「フォウルティー・ホテル」に住み続けている退役軍人という設定だ。バラード・バークリー(Ballard Berkeley)演じる老紳士は、昔気質のお爺ちゃんで、頑固一徹、ドイツ人に関する話題となるや、途端に昔の記憶が蘇り、容赦ない口調となる。また、彼は「ポリティカル・コレクトネス(政治的に正しい事)」なんてお構いなし。少佐が遠慮なくレイシスト的言葉を発するから面白い。ホテルを経営するバジル・フォウルティー(ジョン・クリーズ)相手に、とんでもない言葉を口にする場面は痛快だ。如何にもイングランドの片田舎で見かけるお爺ちゃんみたい。

Major Gowen 01Major Gowen 3









(左 : 「ゴウェン少佐」を演じるバラード・バークリー / 右 : 「ゴウェン少佐」と 「バジル・フォウルティー」 )

  ところが、BBC傘下のUKTVがこの番組を再放送しようとした時、ゴウェン少佐の人種差別的セリフが問題となった。 (Bhvishya Patel, "BBC will edit out racist remarks made by Major Gowen in Fawlty Towers when the comedy series is re-aired next week, Daily Mail, 3 March 2021.) ホテルの受付でバジルと話をしているゴウェン少佐は、ある女性の友人と一緒にクリケットの試合を観たときの事を思い出す。少佐は言う。

  彼女はその朝、ずっと奇妙な事を口にしていたんだ。何と、インド人のことを「黒ん坊(nigger)」と呼んでいてな。だから、ワシは言ってやったんだ。「黒ん坊」というのは西インド諸島のインディアンで、あいつらは「ウォッグ(wog)」だよ、って ! すると、彼女は言うんだ。「No, no, no, クリケット選手全員が黒ん坊なのよ!」 (註 : 「wog」とは北アフリカや中東アジア、南歐に住む浅黒い人々を指す侮蔑語らしい。由来は不明確なんだけど、イングランドでは人種差別用語と思われている。)

  まぁ、この『Fawlty Towers』が放送されたのは1975年だから、まだポリティカル・コレクトネスの害悪はそれほど社会に浸透していなかった。多文化・多民族教育が猖獗を極めるのは1980年代後半であるから、たとえジャマイカ人やインド人の移民が局にイチャモンを附けても、制作者には跳ね返すだけの気概が残っていた。しかし、今では絶対に「NG」だ。1970年代はまだ表現の自由があったので、視聴者で目くじらを立てる者は少なかったが、「マイノリティー」が膨大な数にのぼった現在、再放送での“危険なセリフ”はみんなカット。たとえ、コメディアンのギャグでも駄目。こうした削除、つまり作品の“切り刻み”に出演者のジョン・クリーズは大憤慨。娯楽作品に政治を持ち込むのは野暮である。ちなみに、クリーズは伝説のコメディー番組『モンティー・パイソン(Monty Python)』で有名になった人気コメディアンである。

Monty Python 12Monty Python 7









(上  / ナチ・ドイツをパロディーにした『空飛ぶモンティー・パイソン』 )

  日本でも『空飛ぶモンティー・パイソン』というタイトルで放送されたから、懐かしいと思う人も多いだろう。出演者のジョン・クリーズやエリック・アイドル(Eric Idle)、グレアム・チャップマン(Graham Chapman)はケンブリッジ大卒のコメディアンだから、彼らのユーモアには上品さと辛辣さが混ざっている。レーニンやヒトラー、マルクスなどの話題を交えたコメディー討論会はとても刺戟的で愉快だ。ちなみに、ミュージシャンでもあるエリック・アイドルは、アニメの実写版映画『キャスパー』にも出演している。たぶん、日本の子供達にも馴染みがあるはずだ。テリー・ギリアム(Terry Gilliam)だけは「元アメリカ人」の帰化人で、彼はコメディアンの傍ら映画監督もこなしている。ブルース・ウィルスやブラッド・ピットが出演した『12モンキーズ(Twelve Monkeys)』も彼の監督作品だ。

John Cleese 5521Eric Idel 01Graham Chapman 2Terry Gilliam 1








( 左 : ジョン・クリーズ /  エリック・アイドル  / グレアム・チャップマン  /  右 : テリー・ギリアム )

アニメ作品にも「表現の規制」が

  以前、当ブログで紹介したが、日本でも「ポリコレ」の浸透は深刻で、時代劇ばかりじゃなく、アニメ作品にも影響を及ぼしている。例えば、手塚治虫が原作者で、『機動戦士ガンダム』の富野善幸(由悠季 / よしゆき)が監督を務めた『海のトリトン』で、「おし」というセリフが削除され、一瞬だけ「無音」状態となっていた。1973年に放送された『ジャングル黒べえ』では、主人公がアフリカのピグミー族で王様の息子という設定だった。笑ってしまうのは、「黒べえ」がアフリカで飛行機の翼に摑まり、そのまま日本にやって来て、機体から落ちてくるという話だ。当然、黒べえは「密入国者」に該当するが、アニメなので問題無し。この王子様はそのまま「佐良利」家の居候となる。ただし、「黒人差別をなくす会」がイチャモンをつけてきたので、再放送されない「封印アニメ」となってしまい、子供達の目に触れることはなかった。ちなみに、原作者は藤子・F・不二雄で、アニメ化のとき宮崎駿が原案に加わったという。

  昭和の頃まで、日本社会は藝術や言論の自由を尊重し、アニメや漫画に対して寛大だった。多少、エッチな番組や残忍なシーンがあっても、「庶民のサブ・カルチャー」ということで、“お上”も目くじらを立てることはなかった。PTAや学校の先生だって大目に見ていたし、「子供の娯楽」だから大人がどうこう言うことじゃない、と思っていたのだろう。もし、永井豪(ながい・ごう)先生の漫画やアニメが歐米諸国で放送されたら大変だ。1970年代だと、まだ倫理道徳にうるさかったから、一般家庭は「日本のアニメなど暴力的で卑猥だ !」と言い出しかねない。

  例えば、1972年に放送された『デビルマン』は大人気アニメとなり、小学生はテレビにかじりつきだった。永井先生のキャラクターは如何にも日本人らしい。何しろ、「不動明(ふどう・あきら)」に乗り移ったデビルマンが「牧村美樹(ミキ)」という娘に惚れてしまい、仲間である「デーモン族」を裏切ってしまうのだ。愛するミキを守るため、デビルマンはデーモン一族を率いる魔王「ゼノン」や将軍「ザンニン」と戦うようになるが、次第に他の人間も助けるようになる。冷酷なはずの悪魔なのに、人間と触れ合ううちに自然と温かい感情を抱くようになるところが、如何にも日本のアニメらしい。もし、支那人がデーモン一族を描いたら、掠奪強姦を繰り返す極悪軍団になってしまうだろう。当然、弱い者は皆殺しとなる。だいたい、毛沢東や習近平は「人間」として生まれたはずなのに、いつの間にかデーモン族よりも残酷な悪魔となっているんだから、支那大陸はまさしく魑魅魍魎の世界に他ならない。日本では「デーモン小暮」だって礼儀正しく、テレビ局のスタッフに気を遣っているのにねぇ~。

Devilman 2(左  / 縛られた妖獣「イヤモン」 )
  永井先生の作品だから仕方ないけど、妖獣「イヤモン」のエピソードはフランスやドイツのPTAで“教育問題”となるだろう。ミキの精気を吸い取ったイヤモン(小娘の幼獣)は、戦闘中にデビルマンに捕まってしまう。そこで、ミキを助けたいデビルマンはイヤモンを縛ってクレーンに吊るし、ムチを持って拷問してしまうのだ。刮目すべきは、デビルマンが服からこぼれたイヤモンの乳房を鞭で何回もひっぱたくシーンである。小悪魔のような娘をロープで縛り、そのオッパイを鞭で叩くなんて、SMショーに見えてくるじゃないか ! フランスやドイツのリベラル派が観たら目くじらを立てて糾弾するぞ。でも、日本の親は何も言わなかったし、子供達も普通に観ていた。なんか、日本って凄い。スケベ野郎が多い、あのイタリアだって、日本のアニメは「R指定」になるはずだ。

  永井先生の代表作として忘れてならないのが、1973年にアニメ化された『キューティーハニー』だ。現在の子供達はリニューアルされたVOA版の『キューティー』しか知らないが、ホンモノは1stシーズンだけで、後の作品は水で薄めたワインみたいなものである。この作品にも「ポリコレ」が忍び寄っていて、如月ハニーが七変化をするシーンに発動されていた。1st作品では「ルンペン(路上乞食)」や「セムシ男」という変身があったが、新バージョンでは「不適切」ということで別の変身パターンに差し替えられている。ディズニー・アニメでも「ポリコレ」があって、『ノートルダムの瘻(せむし)男』が『ノートルダムの鐘』という邦題になっていた。もちろん、米国では『The Hunchback of Notre Dame』となっている。(ただし、ヴィクトル・ユーゴー(Victor Hugo)による原作のタイトルは、『Notre-Dame de Paris』となっている。)

  おそらく、日本の配給会社が「セムシ男」では“まずい”と考えたから、醜い「鐘つき男」を曖昧にして、『The Bells of Notre Dame』へと変えてしまったのだろう。また、美しいヒロインの「エスメラルダ」は「ジプシーの踊り子」という設定だが、この「ジプシー」という言葉も放送コードに抵触するのかどうか分からない。 筆者は事情に疎いので明言できないが、子供にDVDを見せる親は、こうした差別用語を避けて「ロマ」と教えているのだろうか? 最近では、「エスキモー(生肉を食べる人)」は侮蔑語とされ、「イヌイット」に置き換えられ、森永乳業の有名ブランド「エスキモー・アイス」も無くなってしまった。一方、「キャドベリー・パスカル(Cadbury Pascall)」社のブランド「エスキモー・パイ(Eskimo Pie)」も非難の的にされたが、この会社は名前を棄てなかったという。

  米国でも「ポリコレ」が浸透し、多くの老舗企業が攻撃されている。パンケーキのシロップで有名な「クェイカー・オーツ」社の『ジェミマおばさん(Aunt Jemima)』やシリアルとかの穀物食品で有名な『ベンおじさん(Uncle Ben)』も「黒人差別」で廃止となった。バナナの販売で知られている「ミス・チキータ(Miss Chquita)」や、インディアンのイラストで有名なバターの「Land O Lakes」も差別的表示となってしまったそうだ。そう言えば、日本でも「黒人への侮蔑」とされたから、老舗の「カルピス」や「タカラ玩具」のロゴマークが問題となり、いつの間にか変更されてしまった。日本人には黒人を差別する意図は無かったが、赤く染まった黒人には「侮辱の象徴」に見えてしまうのだろう。

Aunt Jemima 01Land O Lakes 001








(左 : 「ジェミマおばさん(Aunt Jemima)」  /  右 : 「Land O Lakes」 )

  とにかく、左翼陣営の「言葉狩り」は異常だ。これだと、いずれ『進撃の巨人』に登場する「オニャンコポン」も「黒人差別だ!」と指定され、吊し上げの原因になってしまうぞ。もし、日系の小学生が黒い混血児をからかい、滑稽な響きがする「オニャンコポン」という渾名をつければ、朝日新聞やNHKが取り上げて「社会問題」となってしまうだろう。作者の諫山氏は全く意識していないだろうが、もし、「オニャンコポン」がジーク・イェガーを食べて「獣の巨人」になったら、アメリカで大騒ぎになるだろう。何しろ、黒人が巨人化して「大猿」になるんだから。たぷん、ネオナチの白人は大笑いとなり、黒人の子供は屈辱感を噛みしめて大泣きだ。また、筆者の『支那人の卑史 朝鮮人の痴史』読んだ高校生が、「支那人は巨人化していないのに、人肉を食べていたんだなぁ~」と冗談を言えば、大学への推薦入学は取り消しになるだろう。

  後編へ続く。



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自由を圧殺する巨大メディア

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  かつて、高名な作家であるジョージ・オーウェル(George Orwell / 本名 : Eric Arthur Blair)は、1949年にあの『1984年』を発表した。この作品の中で、オーウェルは全体主義に基づくデストピア(dystopia / 暗黒社会)を描いていた。当時の“まともな人々”はソ連の暗い生活を指している、と分かっていたので、興味深く読んでいたそうだ。日本でも『1984年』は注目されており、ちょうど1984年になると、「転び左翼」の社会学者、清水幾太郎(しみず・いくたろう)が『ジョージ・オーウェル「1984年」への旅』を出版。その前(1983年)には、奇才の碩学、孤高の天才、と呼ばれる小室直樹が『日本の「1984」』を出版した。筆者も早速手に取り、貪るように読破したので、今でも当時の感動を覚えている。冷戦が終結し、ソ連時代が遠のくと、暴れ回っていた左翼分子も元気な頃を懐かしみ、こうした古書を手にすると、「俺も若い頃は理想に燃えていたよなぁ~」と嘆いてしまう。

George Orwell 001(左  / ジョージ・オーウェル )
  しかし、全体主義は死んでいなかった。ベルリンの壁が壊され、ソ連が消滅して約30年。長いようで短く感じるけど、今、我々はアメリカ合衆国で全体主義社会の台頭を目の当たりにしている。Google傘下のYouTubeはもちろんのこと、フェイスブックやツイッター、アマゾンなども言論統制を一層強め、トランプ大統領の通信手段を奪ってしまった。一般人でも、大統領選挙における「不正」を言い立てる者は、容赦なくプラットフォームから追放し、アカウントを一時停止か永久凍結だ。さらに、ツイッターの言論封殺に嫌気が差し、新手の「パーラー(Parler)」に乗り換えても無駄である。巨大ハイテク企業(Big Tech)は、この動きにも敏感で、アマゾンやアップル社は、「パーラー」をアプリケーション・ストアーから削除し、アマゾンに至っては入念で、クラウドサービスの提供まで廃止する始末。もう、恐ろしくなる程の言論圧殺である。まさか、第21世紀のアメリカで、言論の自由が扼殺されるなんて、ショック !! 「1984年の世界」が蘇生するとは驚きだ。

  米国の保守派や日本の常識人は、主流メディアがその左翼偏向を隠しながらニュースを垂れ流し、御用学者を招いて更なる世論誘導を強化している、と判っている。だから、CNNやPBS、ABCといったテレビ局、ないしワシントン・ポスト紙やニューヨーク・タイムズ紙といった世界的に有名な新聞社を信じない。いくら“高級”な記事を掲載しようとも、それを鵜呑みにせず、眉に唾を付けながら聞いている。ところが、日本の奥山真司(おくやま・まさし)や渡瀬裕哉(わたせ・ゆうや)といった有名言論人は、左翼メディアを批判しながらも主要メディアを信用し、やや保守的でも「右翼」と称される弱小メディアを嘲笑っていた。

  米国には優れた政治学者や科学技術者、文化人や作家が多少なりとも存在するが、大半の知識人は深紅か朱色に染まった左翼で、ちょっとマシな人々でさえ、高校や大学で左翼思想にかぶれているので、無意識のリベラル派となっている。しがって、高学歴のアメリカ人ほど、「あれっ !」と驚くようなリベラル派になっている。そりゃあ、小学生の頃から「人種差別やナショナリズムはいけません ! 白人だからといって自信を持っちゃダメ !」と誡められ、「黒人やアジア人を仲間と思いなさい !」と躾けられる。こうした調教に加え、多文化主義や多民族主義、文化相対主義にフェミニズム、平等思想と人権思想を徹底的に叩き込まれれば、良家の子弟でも赤くなるじゃないか。むしろ、倫理・道徳の高い中流階級者ほど熱心な左翼となってしまうのだ。

  名門大学に合格する優等生には、上層中流階級の白人が多い。彼らは一生懸命、与えられた教科書を学ぶから、無条件にリベラル思想の讃美者となってしまう。たとえ、判断力や洞察力が鋭くても、ハーバート・マルクーゼ(herbert Marcuse)やマックス・ホルクハイマー(Max Horkheimer)、テオドール・アドルノ(Theodor Adorno)が垂れ流した害毒を知らないし、その直弟子や孫弟子が受け継いだ言説、さらに、こうした孫弟子の教え子が大学生に植え付ける文化破壊型のマルクス主義などに気づかない。名門校の卒業生となった御曹司や御令嬢は、旗幟鮮明な極左雑誌にはソッポを向くが、「ちょっと左に傾いたピンク・メディア」だと好んで耳を傾ける。とりわけ、エリート層の高額所得者や専門職に就くホワイトカラーは、保守派が支援するトランプ大統領が大嫌い。彼らがこの人気大統領を毛嫌いするのは、自分の社会的地位を守るためだ。おそらく、「トランプ支持者なんて、田舎に住む低学歴者や労働者だ ! 私達は高学歴のテクノクラート(専門技術職)で理性的なんだから、あんな下層白人と一緒にされたくない !」という心理がはたらいているからだろう。

左翼メディアを信頼する日本の「保守」系知識人

  今回の大統領選挙で、筆者はアレックス・ジョーンズ(Alex Jones)のインターネット番組、「InfoWars」に出演したスティーヴ・ピチェニック(Steve Piezenik)博士を紹介し、彼が明かした「特殊な透かしの入った投票用紙」に言及した。多くの日本人は「こんなのガセネタだ ! こんなヨタ話を信じる奴は底抜けの馬鹿だ!」と笑い飛ばした。確かに、アレックス・ジーンズは見るからに信用できない。しかし、ピチェニックの経歴や業績を考慮すれば、あながち「真っ赤な嘘」とは思えないぞ。(おそらく、数年後、こうした「囮捜査」の真相が明かされると思う。) 筆者は2016年前後から、ピチェニック博士の出演番組を観ていたので、彼が経験したエピソードやマスコミでは語られない裏話を興味深く聞いていた。

Steve Pieczenik 01Alex Jones 2








(左 :  スティーヴ・ピチェニック / 右 : アレックス・ジョーンズ )

  ピチェニックは日本であまり知られていないが、彼は多彩な経歴を持つ人物だ。今は諜報活動に詳しい評論家となっているが、元々はハーバード大学のメディカル・スクールで学んだ精神科医であった。しかし、政治に興味が湧いたのか、MITで国際関係論を専攻し、博士号(PhD)を取得している。その後、アメリカ国務省に勤め始め、外政畑を歩くことに。共和党系のピチェニックは、ヘンリー・キッシンジャーやサイラス・ヴァンス、ジェイムズ・ベイカーといった国務長官のもとで国務次官補となり、対テロ作戦の専門家となった。特に、イランの人質事件では、拘束されたアメリカ人の解放に奔走したそうだ。

  退官した後の活躍もめざましく、ピチェニックは政治分析の評論家を務める傍ら、小説の分野にも進出し、有名作家のトム・クランシー(Thomas Leo Clancy, Jr.)に助言する協力者となっていた。日本の映画ファンなら、クランシー原作の大ヒット映画である『レッドオクトーバーを追え』や『パトリオット・ゲーム』、『今そこにある危機』を覚えているはずだ。また、ピチェニックは有名なシンクタンクである「CFR(外交評議会)」のメンバーになっていた。しかし、やがてCFRから排除される破目になった。たぶん、9/11テロの「陰謀」に気づき、ジョージ・W・ブッシュ大統領やディック・チェイニー副大統領、ドナルド・ラムズフェルド国防長官に加え、戦争を煽ったネオコンのユダヤ人を槍玉に挙げていたから、CFRを除名になったのだろう。やはり、ブッシュ家を批判する者は、「エスタブリッシュメント」から追放される運命なんだろう。とにかく、ピチェニックは日本の知識人が知らない情報をたくさん持っている。ゆえに、アメリカの政治や社会問題に関心のある日本人は彼の話を参考にすべきだ。筆者は奥山氏や渡瀬氏の「業績」や「学識」を詳しく知らないので、ハッキリと断定できないが、ピチェニックは彼らよりも「凄い」ぞ。

Vanessa Otero 001(左  / ヴァネッサ・オテロ)
  しかし、日本の保守界隈では奥山氏と渡瀬氏は大人気。何しろ、「高度な情報」を惜しげもなく教えてくれる大先生なんだから。彼らは低級な「InfoWars」に出演するピチェニックを「陰謀論者」呼ばわり。知的な国民はこんなヤバい番組を観ないで、もっと「高級なメディア」から国際情報を得るべき、と説教を垂れる。そこで、彼らが我々に提示したのが、「Ad Fontes Media社」による「メディア偏向チャート(Media Bias Chart)」。これは創設者のヴァネッサ・オテロ(Vanessa Otero)が作成した一覧表で、どのメディアがどのような姿勢を取っているのか、を図式化している。この表によれば、ジョーンズの「InfoWars」は、「ナンセンスな極右メディア」で、「公共(世間)に害をなす番組」であるらしい。

  確かに、司会者のジョーンズはいかがわしく、とても「知的」とは言えないが、時たま有益な専門家をゲスト招くので、一概に「馬鹿らしい」と却下できない。そもそも、こうした弱小メディアは収益性が乏しく、存続すら危ぶまれるので、「視聴者サービス」として刺戟的な陰謀論を取り上げる。こうでもしないと、小規模メディアは世間の注目を集めないし、広告から来る「儲け」が出ない。日経新聞なんかは、財務省のお役人様に媚びて「貴重な資料」を戴き、それをコッソリ要約して「独自の取材記事」にしているじゃないか。財務官僚御用達の「民間版官報」なんて恥ずかしい。NHKや朝日新聞と「差別化」を図る読売新聞や産経新聞だって変わりがなく、海外記事となれば、APや共同通信から貰った契約情報の「転載」じゃないか。

Media bias chart 04















(上  / メディア偏向チャート )

  奥山氏や渡瀬氏が独自の番組で紹介した「Medoa Bias Chart」によると、英国の「Daily Mail」や米国の「New York Post」、「Fox News」、「Daily Caller」、「The Braze」、「One American News」、「Breitbart」などは、極端な保守派メディアで、右に偏った姿勢を取り、不公平な解釈を施して記事を報道するそうだ。(2020年11月11日放送の「チャンネルくらら」を参照。) そして、“まとも”と思われる「The Washington Times」や「Washington Examiner」、「The American Conservative」でさえも、「かなり党派的な保守メディア(Hyper-Partisan Conservative)」と分類され、「気をつけて下さい !」との黄色信号がついている。

Media bias chart 02  一方、「Mother Jones」や「MSNBC」、「Vanity Fair」、「The Atlantic」、「The Nation」、「The New Yorker」、「Daily Beast」、「Slate」、「Vox」などは、「多少リベラルの党派性」を持つが、比較的フェアな意見を有し、信頼できる情報源であるらしい。さらに驚くのは、「左翼メディア」と思える「The Gaurdian」「The Washington Post」「The New York Times」「Politico」が「ややリベラル」で英国の「BBC」、仏国の「AFP」、米国公共放送の「PBS」、「NPR」、三大ネットワークの「ABC」や「NBC」と「CBS」、これに加え「Bloomberg」、「AP」、「Reuters(ロイター)」、「The Wall Street Journal」、「The Hill」、「Time」などは中道で、「バランスの取れた報道」を行っているそうだ。まともな日本人であれば、「えぇぇぇ~、そうかなぁ~」と首を傾げてしまうが、作者のオテロ氏は自信満々である。彼女は元々、パテント訴訟を専門とする弁護士で、ジャーナリズムに関しては素人だが、何となく香ばしい「左翼臭」が漂う人物だ。でも、渡瀬大先生が承認しているくらいだから、きっと「公平」に見た「正しい色分け」なんだろう。「InfoWars」なんかを観ている連中は、この渡瀬先生が仰るように、「ゴミ右翼」に傾倒する馬鹿、あるいは「ムー大陸発見」を信じるアホと思われちゃうぞ。

  何と言っても、渡瀬先生は米国政治の専門家だ。彼の選挙分析に間違いは無い。渡瀬先生は「次期大統領をバイデン !」と言い切り、2024年の大統領選挙では、「カマラ・ハリスが民衆党の代表候補となり、共和党からはニッキー・ヘイリーが出馬する」と述べていた。(2020年11月29日のYouTubeで放送された、「専務Tube」という番組の「②大統領ダービー」を参照。渡瀬氏は倉山満と一緒に四年後の大統領選挙について話していた。) いゃゃぁぁぁ~、「アメリカ通」の渡瀬先生は、とにかく鋭い。もう四年後の世界まで予見できるんだから。

  でも、不思議なのは最近、渡瀬先生に活気が見られないことだ。どうしたんだろう? 風邪でも引いたのかなぁ? 「チャンネルくらら」で大統領選挙を避けているのは奇妙だ。彼が顧問を務める「参政党」の支持者は、ぜひ、YouTube番組で「次期バイデン政権」について解説するよう頼んでみては・・・。たぶん、支持者からのリクエストや要望があれば、「バイデン政権」が発足し、100日を過ぎた4月や5月頃の予想を話してくれるかも知れないぞ。もしかすると、今月末には「悪あがき」をしているトランプ「元大統領」が裁判に掛けられているかもね。ぜひ、渡瀬先生や奥山先生の御意見を訊いてみよう。



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