無敵の太陽

主要マスメディアでは解説されない政治問題・文化・社会現象などを論評する。固定観念では分からない問題を黒木頼景が明確に論ずる。

女性について

稲田朋美が赤い穴に落ちて行く / 高学歴女子を利用する左翼

保守のメッキが剝がれた稲田朋美

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(左 : フィンランドの女性議員   /  右 : ナミビアの黒人女性)

  一般的に我が国は「高学歴社会」と見なされているが、正常な判断力や深い洞察力を持った“教養人”が増えている訳じゃない。むしろ、「高学歴のバカ」が増えている。なぜなら、以前小室直樹先生が述べたように、日本の大学は「学問の府」ではなく、そのランキング(世間の評判)が卒業生の属性に転化する「身分製造の施設」であるからだ。昭和の頃、「ニュース・ステーション」で格好付けていた久米宏は、「受験地獄」に苦しむ高校生を憐れんでいたが、「楽園」を目指している子供に同情が必要とは思えない。もし、そんな試験を“強要”されるなら、さっさと就職して温かい家庭を持てばいいじゃないか。世の中には大学に進まず、大工や板前になる少年もいるし、自衛隊に入って苦しいレンジャー試験を受ける者もいるんだぞ。自主的に受験生となる少年ばかりが“可哀想”なんておかしい。

  それでも、日本の企業は学歴重視だから、親としてはどうしていいか分からず、とりあえず「我が子を大学に」となるんだろう。確かに、有名校に合格すれば「高級人間」ないし「有能な青年」と見なされる。他方、中間層の大学や低辺校にしか入れなかった学生は、「凡庸」か「落ちこぼれ」、あるいは「低級国民」にしかなれない。したがって、日本の大学が凋落するのは当然で、「高等教育機関」という建前は脆くも崩れ去る。第一、名門校に雇われる教員でも、“碌でなし”か“赤い活動家”ばかりなんだから、授業を拝聴する学生が優秀になる方が奇蹟だ。文科省は大学院を強化して「優秀な人材」を育成すると張り切っていたが、法科大学院の構想なんて無残なものである。燦然たるロー・スクールが続々と誕生するかと思ったら、窒息した死骸だらけ。理数系なら望みもあるが、文系の大学院生なんか“残りカス”程度。そもそも、優秀な学生は自立の道を歩むから、教授を目指して大学院に進むのは、実力社会で生きて行けない屁理屈屋がほとんど。

  まぁ、自然科学や数学を専攻する学生は、指導教授が凡庸でも「業績」や「結果」で評価されるから心配は無用だが、法学や政治学、社会学、国際関係論などを専攻する学生には注意が必要だ。こうした学部に属する者は、どんな“洗脳教育”が施されたのか直ぐには判らないから、うっかり重要な事を任せてしまうと後で痛い目に遭う。たとえ有能に見えても、「将来どんなヘマをやらかすのか?」と不安になるから、やはり心配だ。何しろ、普段は正常に見える人物でも、意外な場面で狂った行動を取るし、口が滑って馬鹿げた事を言い出しかねない。こうなると、「信用した方が悪い」となってしまう。

Inada Tomomi 01(左  / 稲田朋美 )
  保守派言論界の重鎮であった故・渡部昇一先生は、自民党の稲田朋美議員を高く評価し、「日本版のマーガレット・サッチャーになりなさい !」と励ましていたが、どうやら天下の碩学も「見る目」が無かったようである。稲田氏は議員になる前、「百人斬り訴訟」で注目される弁護士であったから、毎日新聞に憤慨する渡部先生も応援したし、保守派国民も彼女の活躍に期待をかけていた。筆者も反対じゃなかったが、自民党の左翼体質を知っていたから、何となく稲田氏の行く末に懸念を持っていた。しかし、「まぁ、あからさまな左翼じゃないし、皇室破壊とか国軍反対を掲げる国会議員じゃないからいいかなぁ~」と自己暗示をかけて静観していた。なぜなら、現在の政治家に過度な期待はできないからだ。たとえ平凡であっても、確信的な反日でないだけマシである。

  保守派の欠点は様々だが、致命的なのは「仲間割れ」という対立である。潔癖症が多いからかも知れないが、保守派の国民は些細な事で内部対立を起こす。これでは、いつまで経っても左翼に勝てない。一方、左翼陣営の方はそれぞれの意見が違っても、「日本を破壊する」という点で一致しているから、表舞台での激しい対立はなく、「自分の野望が叶えばそれで良し」といった考えだ。これはある意味凄い。左翼分子は左翼仲間の批判をせず、ひたすら自分の怨念だけを晴らそうとする。反日勢力はバラバラに分裂していても、決して日本撲滅を諦めず、世間から馬鹿にされてもめげない。彼らは居場所を共産党や社会党、民主党、立憲民主党に移しながら、根気強く破壊活動に専念する。たった一つの反日法案を通すためでも、彼らはその全人生を費やし、30年ないし40年が無駄になっても我慢する。保守派国民は我慢しても、せいぜい半年くらいだ。

  野党議員と本質的に近いのか、「保守派」と見なされる稲田議員でも、その根底には左翼思想の残滓がある。驚くことに、彼女は法的な強制力を持つ「クォータ制」の導入を提案しているようだ。「女性議員飛躍の会」に族する稲田氏は、女性の政治家を増やすために、国政や都道府県、市町村の選挙において、女性議員の比率を30%にすべし、と表明している。(「日本で女性議員を増やす秘策」、『女性セブン』、2021年4月8日) 稲田氏によれば、実力主義のままにしておいたら、女性議員の比率は10%くらいで止まってしまい、それ以上に増えないから法的措置が必要らしい。実際、「抽象的な数値目標でなく、ある程度の強制力を持った制度を導入しないと、女性議員を増やすことは現実的に難しい」そうである。

  しかし、個人の自由と能力主義を尊ぶ渡部先生は、こうした社会主義に基づく左翼政策には反対であった。まだ助教授の頃、渡部先生はフルブライト奨学制度で米国へと渡り、客員教授として幾つかの大学で講義を行ったことがある。その時、先生はアファーマティヴ・アクション(有色人種優遇政策)を目の当たりにしたので、その弊害に気づいていたらしい。机上の空論を実践すると予想外の害悪が出るのは“いつも”の通り。人種とか性別による昇進が盛んになると、逆に差別を生んでしまうのだ。例えば、凡庸な黒人でも「黒人」だからアイヴィー・リーグの大学に“特別合格”できたとすれば、“不合格”となった白人学生の方から不満が漏れてくる。なぜなら、入学できた黒人よりも成績の良い白人が落とされたとなれば、志望校に入れなかった学生は、自分が「白人」だから排除された、と考えてしまうのだ。

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(左 : 1970年代に「アファーティヴ・アクション」を求めた人々   /  右 : マイノリティーの優遇政策を求める現在のアメリカ人 )

  そして、周囲の白人も密かに同じ気持ちを抱くようになる。有色人種への優遇措置は、却って人種観の対立を生み出してしまうのだ。例えば、ハーヴァードやプリンストを“実力”で卒業した黒人でも、「あいつは優遇制度で入学し、甘い評価で卒業できたんじゃないか?」と白人は怪しむ。親が多額の寄付をする場合は別だが、白人学生は「白人」ということで合格点はもらえないし、成績が悪ければ留年とか退学だって有り得る。日本人留学生もアメリカの大学に入れば必死になって勉強するはずだ。いくら何でも、白人の教授から「君は黄色人種だから、試験の結果に10点上乗せするよ」とは言われまい。むしろ、白人学生に負けぬよう人一倍頑張るのが普通である。ところが、黒人は奴隷制という“原罪”をあげつらって白人から「譲歩」を引き出そうとする。それゆえ、一部の白人は心の内で黒人に対する“偏見”や“侮蔑心”を強めてしまうのだ。例えば、白人の患者や病人の家族を持つ白人は、は黒人の医者を意図的に避けることもある。なぜなら、彼らは黒人の知的能力に懐疑的だから、「もしかすると、あの黒人は特別配慮で医学部を出たんじゃないか?」と勘ぐってしまうのだ。

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(左 : 「有色人種優遇制度」の恩恵を受ける黒人学生  /  右 : 優遇制度の弊害を裁判所に訴えたアビゲイル・フィッシャー)

  残念なことに、稲田議員は我が国の“後進性”を指摘している。曰わく、「30年ほど前、諸外国でも女性の政治家は少なかったが、クォータ製を導入して女性議員を増やしました。日本は後れを取っているんです」、と。へぇ~、女性の政治家が少ないと「後進国」なのか? 日本は女性の被選挙権を制限していないし、有権者登録の性差別もしていないから、女性議員が少ないのは、国民が「選択」した「結果」であるはず。もし、女性の候補者が優秀なら、選挙権を持つ有権者の多くは、その有望株を選ぶだろう。ところが、実際、選ばれる女性は少ない。明確な原因は不明だが、おそらく「ダメな女性」が出馬しているからじゃないかのか? 小池百合子や蓮舫、野田聖子、辻元清美、福島瑞穂などを目にすれば、リベラルな女性国民でも、いかりや長介みたいに「ダメだ、こりゃ !」と嘆いてしまうしまうだろう。

Koizumi Shinjiro 001Mihara Junko 03(左 : 小泉進次郎 / 右 : 若い頃の三原順子 )
  左翼議員じゃなくても、永田町にはボンクラ人材が腐るほどいる。橋本聖子や丸川珠代は、テレビで有名になったから、要職に就けたんじゃないか。また、自民党が三原順子を起用するのは、その政治手腕を買っているからじゃない。中高年の国民が『金八先生』とか『ザ・ベスト・テン』を知っているからだ。彼女は福祉政策を目玉にしているが、福祉業界の闇を剔ることはできないし、肝心な財源確保も官僚任せだろう。三原議員は「消費税を社会保障の財源にする」という役人の戯言を叱ったことがあるのか? 彼女の役割は「人寄せパンダ」に過ぎない。もし、次の選挙で自民党が苦戦なら、小泉進次郎と一緒に「セクシー・ナイト」でも唄ってやれ。「セクシー進次郎」とのデュエットならトップ・ニュースになるぞ。あの進次郎だと「七年目の浮気」が「持ち歌」になるかもね。

「ジェンダー・ギッャプ」を利用する朝日新聞

  人種差別と共に「性差別」とくれば、NHKやTBSの独擅場で、左翼仲間の朝日新聞は有力な同盟者となる。何しろ、赤いメディアは日本が「卑劣な後進国」であるという“言いがかり”には大賛成。日本が防衛力を強めようとすれば「軍国主義の復活だ !」とわめき立てるし、テレ朝は事実を捩じ曲げて反対キャンペーンを繰り返す。保守派国民が大日本帝国を擁護すれば、支那人を虐殺した日本軍、朝鮮人を強姦した日本兵と罵り、子供達に罪悪史観を刷り込もうとするから赦せない。また、この左翼メディアは碌でなしの黒人が集まる国連を褒め称えるし、国際機関が日本人の「女性差別」を指摘すれば、欣喜雀躍で「ごもっとも !」と大はしゃぎ。正常な日本人なら、「一体、こいつらは、どこの国籍を持っているんだ?」と怪しんでしまうだろう。朝日新聞の社長だった広岡知男(ひろおか・ともお)は、遠い祖先が支那系であったというし、南京大虐殺を宣伝した本多勝一も、どんな血筋なのか判らない。「朝鮮系」という噂もあるくらいだ。

  主流メディアには怪しい人物が沢山いるが、一人一人の素性を調べることはほぼ不可能だ。しかも、TBSやNHK同様、テレビ朝日の極左社員も中々表に出てこない。彼らは御用学者や左翼仲間を自社の番組に招き、公平中立な「代理人」として活用する。日本各地の大学には真っ赤に染まった教授がウジャウジャいるから、テレ朝に尽くすコメンテイターには事欠かない。日本の大学は制作子会社や藝能事務所と同じで、必要な「タレント」の派遣サービス機関である。東京大学には御厨貴とか姜尚中がいたし、金慶珠は東海大学の教員であっても、所属事務所はホリプロだ。皆様ご存じ、東洋学園大学には北京政府の手先である朱建栄がいるし、福井県立大学には工作員の凌星光がいた。BSフジの報道番組を観た一般心は、名誉教授になった凌氏の発言を聞いてビックリしたことだろう。まさか、ウィグル人の弾圧を正当化するなんて、この人物の国籍はどこなんだ?

  今さら大学の左翼教員を批判しても仕方ないが、たとえ藝能事務所に属していなくても、テレビ局の制作者は“必要な学者”をいつでも大学から招致することができる。今回、朝日新聞は上智大学の三浦まり教授を代弁者にすることにした。

  先月、各主要メディアが騒いでいたけど、世界経済フォーラム(WEF)が発表した「世界ジェンダー・ギャップ報告書(Global Gender Gap Report) 2020年」によれば、2019年の段階で日本の「ジェンダー・ギャップ指数」は65.6%で、世界ランキングは156ヶ国中の第120位であるという。(塩田彩 「日本のジェンダーギャップ指数120位  過去ワースト2位」 毎日新聞、2021年3月31日。) 日本のランキングは悲惨なもので、2015年だと第101位らしく、2016年には第111位へと転落し、2017年には更に沈んで第114位へ。2018年はちょっと上がって第110位。しかし、2019年になると再び転落して第121位となった。しかし、この「世界ランキング」とやらに目を通してみると、あまりにも滑稽な評価順位なので、批判する前に馬鹿らしくなる。例えば、上位の常連は北歐諸国で、その下にアフリカやアジアの国々が並んでいる。こんな番付けなら、誰が見てもアホらしいと思ってしまうだろう。論より証拠、トップ10を見ただけでも判る。

   (1) アイスランド
   (2) フィンランド
   (3) ノルウェー
   (4) ニュージーランド
   (5) スウェーデン
   (6) ナミビア
   (7) ルワンダ
   (8) リトアニア
   (9) アイルランド
   (10) スイス

  真面目に評論するのも厭になるが、どうしてアフリカ大陸の貧乏国であるナミビアや、民族虐殺で悪名高いルワンダが上位なんだ? 第12位には治安の悪いニカラグアがランクイン。あのモザンビークが第32位なんだって。一般の日本人だと何処にあるのか判らないブルンジが第26位、バルバドスが第27位、地雷が埋まっているラオスが第36位、トリニタード・トバコ(グレナダとベネズエラの隣)が第37位で、第39位のキューバに続いてジャマイカが第40位。第42位は麻薬大国コロンビアの隣にあるエクアドル。民族紛争で話題となった東ティモールが第64位で、独裁国のウガンダが第66位、ギャングの排出国ホンデュラスが第67位、女性の地位が低いアラブ首長国連邦が第72位、暗黒大陸のタンザニア第82位、殺戮の嵐が吹いたエチオピアが第97位。そして第103位には「キリング・フィールド」のカンボジア、第117位にガーナ、続いて第118位のギニア、第119位は紛争地帯のアンゴラときている。

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( 左 : ナミビアの女性 /  右 : ルワンダの女性)

  こうした「上位国」の下にあるのが、第120位につけた我が国。日本の下には第121位のシエラレオネ、第122位のグァテマラ、123位のベナンがある。ちなみに、昔から男尊女卑の韓国は第102位で、あの地上最低の生き地獄、支那が第107位となっているのだ。まともな日本人なら「えっ !」と叫んで絶句してしまうだろう。こんなランキングを聞いて「異常」と思わない日本人は、首を吊るかビルの屋上から飛び降りた方がいい。

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(左 : 従来のノルウェー人女性 / 中央 : ミス・コンテストで優勝した「ノルウェー女性」  /  右 : 人数が増えた新しいノルェー人女性 )

  ところが、こんなブラック・ジョークを耳にしても、「アホらしい !」と思わない大学教授がいる。というか、ほとんどの大学教授はこの順位表を見て、「日本は遅れている。反省すべきだ !」と思っているんだから、本当に救いようがない。単なる馬鹿ならいいけど、「大学院卒のバカ」って始末に悪いんだから、ホント。昔、桃井かおりが「チョコラBBドリンク」のテレビ広告で、「世の中、バカが多くて疲れません?」と尋ねていたが、大学には驚くほど「困ったちゃん」が多い。国立大学ばかりじゃなく、私立大学にも呆れ返る教員は少なくなく、上智大学にも溢れている。渡部先生の母校だから言いたくないけど、あの猪口邦子や前嶋和弘に加え、ジェンダー学を専門とする「三浦まり」がいるんだから、「大学教授に対する審査は無いのか?」と訊きたくなる。

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(左 : 第66位のウガンダ女性  /  右 : 第116位のスリ・ランカの女性)
  
  朝日新聞の社員が御意見を伺うくらいだから、どんなインタヴュー記事なのか最初から予想はつくけど、改めて読んでみると、如何に大学教授が気楽な商売かが分かる。象牙の塔に住むパッピー人間が、独自の基準で政治や社会問題について意見を表明するのは勝手だけど、実社会で暮らす大人の日本人からすれば三浦氏の見解は少女の戯言(ざれごと)でしかない。聞き手の澤木香織は、「そもそもなぜ、日本では国政、地方議会ともに女性議員比率が世界と比べて低いのでしょうか?」と尋ねた。すると、三浦教授は答える。

       ひとつは(議員・閣僚などの一定数を女性に割り当てる)「クオータ制」をしていないことが挙げられます。世界ではすでに、130カ国近くが導入しています。制度を整えることで、女性議員を増やしているんですね。もうひとつのかぎは、地方です。地方は国政よりも政党間競争が少ない。野党が強い傾向のある都市部では女性議員の割合が3、4割のところは珍しくなく、参院も2割にのぼります。クオータ制がなくても、比例代表制のように多様な民意が反映されやすい選挙制度になっていたり、人口の流動性のある都市部であったりすれば増えていきます。

    しかし、古くからの住民が多く、新しい住民が入ってこない地方では、地域の権力構造がそのまま議会に反映されます。地域の権力構造というのは男性が多い。その地域の代表として議員になるという考えが強いため、男性しかメンバーシップにないなかで、女性が議員になることは難しい。そういった地域の権力構造を反映しているのが自民党です。 (三浦まり    「ジェンダーギャップ121位から1年 政治を変えるヒントは地方にある」、 The Asahi Shinbun Global +  、2020年12月26日。)

   要するに、我が国の政界が男性中心で男の議員が多数派なのは、田舎のジイさんバアさんが無知蒙昧で、昔ながらの因習に囚われているから、と言いたいんだろう。都会と違って、村社会では権力構造が揺るぎなく、進歩的知識人の意見が通らない。だから、開明的な女性が政治家に選ばれないんだ、という訳だ。ここで注目すべきは、三浦氏が都市部の「流動性」に言及している点である。

  イタリア人マルキストのアントニオ・グラムシやユダヤ人極左のジョルジュ・ルカーチと同じく、三浦氏も地元密着型の庶民が大嫌いで、不合理な伝統にしがみつく田舎者を侮蔑する。なぜなら、流動性が無い村に住む者は、昔からある宗教や風習を尊び、得体の知れない異国の思想を排除するからだ。村人は外敵から身を守ってくれる家族に囲まれ、血統や民族に基づく共同体を大切にする。事実、地元に密着する人々は国家破壊を目論む共産主義者や気違いじみた無政府主義者、淫乱セックスを推奨する変態知識人には靡かない。西歐諸国でも、マルキストは地元密着型の村人に腹を立てている。グラムシは革命に共感しないイタリアの百姓に失望したし、フリー・セックスを勧めるルカーチは、敬虔なキリスト教徒の反対に遭って苦渋を嘗めた。

  日本の共産主義者も神社を破壊しない庶民に愛想を尽かし、皇室を崇める愛国者に手を焼いていた。徳田球一や金天海などは皇族を皆殺しにしたかったのに、我が国の労働者は昭和天皇を敬愛し、敗戦になっても陛下への気持ちに揺るぎは無かった。それゆえ、日本の左翼分子は教育機関に浸透し、辛抱強く皇室批判を吹き込むことにした。とにかく、左巻きの知識人が都会の労働者を好むのは、こうした一般人が実家を離れ、バラバラな個人となっているからだ。砂粒のような国民は、温かい大家族や伝統、および祖先の信仰とは疎遠になり、その「空白」を埋めるために新興宗教や悦楽の趣味に飛びつく。さらに、都会の魔力に魅了された個人は、容易に奇抜な思想に引き込まれ、一端の知識人になったような幻想を抱く。所詮、大学なんて左翼の巣窟なのに、試験秀才は自ら進んで黴菌だらけの説教(洗脳工作の教義)を受け容れ、しかも教祖(教授)に感謝するんだから、脳天気としか言い様がない。

    三浦教授の御意見を拝聴する澤木氏は、引き続き「海外で女性議員の増加につながったクオータ制度について、導入が進んだ原動力は何だったのでしょうか」と尋ねる。これに対し三浦氏は次のように述べた。

  多くの国で、女性運動が原動力になりました。女性が意思決定に入ることの重要性を噛みしめる女性たちが動いた。でも、権力を持っているのは政党の男性なので、どの国でも政党は最初は前向きではありません。それでもクオータの導入を決意したのは、自分たちが率先して「クオータをやる」と言えば票が取れると踏んだからです。どこの国も、そういった戦略的な視点が男性の背中を押した。有権者の関心がないと思えば踏み切りません。世論を喚起し、世論が追い詰めていくことが重要です。(上掲記事。)

  いやぁぁ~、さすが、朝日が選ぶだけの学者さんである。三浦氏は男性議員が票集めに焦るよう、クォータ制を支持する風潮を作ってしまえ、と勧めているのだ。となれば、その旗振り役となるのは朝日新聞だろう。おそらく、朝日新聞の左翼分子は、「女性議員の割当」を増やす政治家は“進歩的”で、割当制度に反対する政治家は、啓蒙思想に反撥する遅れた思想の持ち主、あるいは頭が古いオッさん議員という図式を作って世間を誘するんだろう。

  朝日グループは偏向報道の常習犯だから、世論操作なんて朝飯前だ。1993年、テレビ朝日の報道局長だった椿貞良(つばき・さだよし)は、何としても反自民の連立政権を作りたかったので、放送業界の仲間に反自民の誘導報道を持ちかけ、それが産経新聞の報道でバレたことがある。この「椿事件」は有名で、左翼メディアの共謀で自民党政権は瓦解し、軽率な殿様を担いだ連立政権の誕生となった。この事件を知らない国民は、日本新党を踏み台にした小池百合子に訊いてみたらいい。小池都知事は党首の細川護熙をたらし込んで政界に進出すると、豪腕の小沢一郎に乗り換えた。しかし、この小沢と決裂した女帝は泥船に見切りを付けて、保守党(後に保守新党)の二階俊博に擦り寄った。ところが、この新党ブームも終焉を迎えたので、風見鶏の女狐は、やはり老舗の自民党がいいと思ったのか、政権与党の自民党に潜り込み、威勢の良かった小泉純一郎に色目を使った。

  「女らしさ」を武器にする小池氏にしたら、フェミニストのクォータ制度なんて馬鹿らしい。男社会だから女の議員が持て囃され、「女の武器」が生きてくるのだ。フェミニズムを看板にする連中は、武器となる“女の魅力”に欠ける者が多い。これなら、敵愾心と嫉妬心で男に挑むのも当然だ。小池百合子は容姿に自信があったから、笑顔で有権者をたらし込む。たとえ何かで失敗しても、女の涙を流し、太股をチラつかせばOKだ。賢い女は男社会の弱点を突く。頑固ジジイの大御所と対立して沈没するのは愚者。むしろ、その懐に飛び込んで愛人になった方が得である。悧巧な女は男に媚びるような真似をして、男の権力を飲み込んで行く。権力者への道は、死体で埋め尽くされている。利用した男は用済みになればポイ捨てだ。日本の政界でも、ブラック・ウィドー(毒蜘蛛)みたいな女が最後に笑うことになる。

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(上写真   /  「女の武器」を駆使する小池百合子)

  脱線したので話を戻す。澤木氏は女性議員の少なさに言及し、自信を持っていないことが原因なのでは、と問いかける。この質問に対し、三浦氏は次のように答える。

   もともと女性の方が自信を持ちにくい「社会化」のされ方をしています。男の子は「夢を持とう」「挑戦しよう」と言われることが多い。リスクを取って失敗しても、また学んで挑戦していく。そんな「成長物語」がたくさん用意されています。女の子は失敗を恐れるように育てられます。なるべく失敗しないようにと、周りが慎重です。また、最終的には結婚することが女性の価値規範として重視されてきました。「異性が自分をどう見るか」によって自分の価値が決まると思ったら、自分自身のことを好きになりづらいですよね。女の子は、そうした型にはめられて育っていく傾向がある。育つ過程で社会から受け取るメッセージが男の子と女の子とでは全く違います。

  さらに女性が「男性領域」と言われてきた政治の世界を目指すとなったら、本当に大変です。現実には「おじさん」が多いという実態がある。女性に深く関わる政策であれば、女性議員も「このことは自分しか言えない」「自分が一番知っている」と、自信のなさを突破し、積極的に発言できます。しかし、財政、金融、外交、安全保障といった分野で発言しようとすると、相当勉強しない限り自信を持って発言しにくい。そうした経験が積み重なり、女性は男性よりも自分に自信を持ちにくい傾向にあります。成功しても自己評価が低いために、世間を欺いているのではないかと思ってしまう「インポスター(詐欺師)症候群」にかかってしまうこともあります。女性たちはそうした葛藤を抱えてキャリアを目指しています。

  三浦氏の分析によると、女の子は失敗を恐れるよう育てられ、周囲からどう見られるかを気にしているから、男性と競争した時に劣ってしまうそうだ。また、女性は「おじさん」議員と比べて経験が浅く、専門知識にも欠けるから、自信を持ちにくいという。でも、こうした分析はおかしい。なぜなら、若い女性だって勉強すれば専門知識は身につくし、正論を吐けば論争で負けないはずだ。例えば、防衛論争になったら、「先制攻撃能力を持つべし」と言えば、「専守防衛」を言い張る長老議員を論破できるじゃないか。核ミサイルを東京に撃ち込まれてから反撃するなんて馬鹿らしい。護憲派のボンクラ議員は、敵国が1発しか打たないと思っている。

  だいたい、女性議員が派閥の領袖になれないのは、野郎供を従える「親分気質」と「実弾(財力)」が無いからだ。大半の議員はゼニとポストに屈服するので、空理空論をこねくり回すだけの女には靡かない。三浦氏はシングル・マザーや性暴力といった社会問題を取り上げ、女性議員に対して「自分自身の問題と捉え、それを世間に伝えて出世しろ」、と助言しているが、そんな低次元のネタで党の重鎮になれるのか? 菅義偉は自分の派閥を持たないが、それ以上に頼もしい権力者をパトロンにしている。彼は実力で総理大臣になった訳じゃない。菅総理はちゃんと権力構造を解っていて、ウォール街の旦那衆に隷従して日本のトップになった。情けないけど、属州の酋長は、宗主国の総督に土下座して要職に就く。

  三浦氏は「クォータ制の導入」とか「性差別禁止法」、「男女雇用機会均等法」などを掲げて女性議員の増加を求めているが、そんなのは陣笠議員のすることだ。軍事大国が鎬(しのぎ)を削る国際政治では、膨大な利益をもたらす投資や資源開発、国家の命運を動かす貿易摩擦、熱戦寸前の領土紛争、核戦争をチラつかせる脅迫などが普通である。三浦氏が求めるフェミニズム運動なんて、幼稚園の運動会みたいなものだ。そもそも、「実力の無い女をクォータ制で増やせ!」と要求するなんて、いい年越えた大人が言うことなのか? 世間知らずの小娘みたいなことを言うから、大学教授は馬鹿にされるんだ。

  終身在職制度(tenure)で守られた学者は、何を叫んでも減給とはならないし、誰も読まないクズ本を書いても降格・左遷とならないから、ホント気楽なものである。一方、これといった学歴も無い町工場のオヤジさんは、政府や大学からの保護は全く期待できず、自分の力だけが頼みである。中小企業の経営者は常に努力を重ね、独自の商品開発に余念がない。自営業者は仕事で失敗すれば工場はおろか、自宅や個人の資産までも失ってしまう。うどん屋だって「言う(湯)だけ」ではなく、ちゃんと麵や汁を考えて、ライバル店と競争しているのに、大学教授ときたら極楽トンボも呆れる“殿様商売”だ。スカスカの本を図書館に買ってもらって「ベスト・セラー書籍」なんてふざけている。真っ赤に染まった大学教授に比べたら、大田区で旋盤工をしていた小関智弘さんや、岡野工業の岡野雅行社長の方が遙かに偉い。お金を払って話を聞くとしたら、絶対に小関氏や岡野氏の方である。

  さすがに、まともな大学生なら、フェミニズムを専門とする大学教授の話に耳を傾けないと思うが、無意識的にフェミニズムの影響を受けてしまう学生は少なくない。なぜなら、大学生はきちんとした根拠を持って拒絶しないからだ。ただ単に「アホらしい」と笑って無視するだけでは不充分。フェミニスト学者の何が異常で、どんな主張が狂っているのかを認識しないと、10年後ないし20年後にフェミニズムの種が発芽する虞(おそれ)がある。一般人は学校やテレビ、新聞、雑誌などで知らず知らずのうちに左翼思想に染まっているから、自分がどのような情報(根拠)で行動しているのか分からない。若い頃に刷り込まれた洗脳教育は中々除染されないから、中高年になると思わず左翼的な考え方が飛び出してくる。心理戦に弱い日本人は、自分が正体不明の教義に服従しているとは思わない。

  フェミニズムの普及は、高学歴社会と連動している。普通の女学生はホワイトカラーの知識産業に就職するから、何らかの性差別に出くわす。特に、プライドの高い女性だと、理不尽な待遇を受けるとカンカンになって激怒する。しかし、会社での性的嫌がらせや安月給に不満なら、自分で小さな会社を作って自分で経営すべきだ。ところが、フェミニズムに汚染された女性は、自分の能力を顧みず、職場での不満を募らせる。フェミニスト学者は、自立心の強い旅館の女将とか料亭の経営者、大工棟梁の女房、保険や化粧品の訪問販売で儲けるオバちゃん、農家の婆さんなどは相手にしない。こうした女性は大学教授の言うことなどに耳を貸さないからだ。ところが、依存度が高く、これといった特殊能力を持たない会社員とか公務員になると、自分自身への反省は少なく、もっぱら上司と会社への憎しみばかり。左翼学者は男社会や伝統社会への憤慨を抱く女をターゲットにして勢力を伸ばそうとする。

  昔、共産主義者は無産労働者を煽って革命の原動力にしたが、現在は“うだつの上がらない”平民女性や、冷や飯食いの会社員などを勧誘するようだ。左翼革命を達成するには、ちょっとした知識を有するだけのバカが最適である。底抜けのバカだと使い物にならない。やはり、多少の学歴を備えた駒じゃないと、政府転覆の道具にならないし、命令の伝達が遅くなる。それに、中途半端な知識人の方が扇動(おだて)に弱いし、プロパガンダに対する反応も早い。KGBに利用された学生運動の連中を見れば分かるじゃないか。畑で野菜を作る農夫は共産主義革命に共鳴しなかったが、都会の工場労働者は「資本制経済が諸悪の根源である !」との宣伝に引っかかり、極悪非道の共産党や社会党に魅了されていた。彼らは自分達を貧乏にする政党に投票し、自国が貶められても気にしていなかった。フェミニスト学者に共感する女子学生は、かつて「進歩的文化人」に騙された老人をよぉ~く観察してみるべきだ。世の中には同情するフリをして騙す輩(やから)がゴマンといる。




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静かな悲鳴は天に届くのか? / 首を突き刺す音が哀しい


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  連日連夜、日本ののマスコミは森友学園の件で騒いでいるようで、これといった決定的な証拠も無いのに、安倍晋三首相と昭恵夫人を叩いている。たぶん、民進党が蓮舫の国籍問題も含めて全般的に不人気だから、何が何でも首相の「口利き」を認めさせたいのであろう。日本のマスコミときたら、火の無い所に煙を立てるし、その火さえ無ければ放火するんだから根っこから腐っている。日本の「羽織ゴロ(新聞記者の旧称)」が政府与党を攻撃するのは毎度の事だけど、米国のジャーナリストも輪を掛けて酷い。特に、ドナルド・トランプが大統領に就任してからというもの、CNNやABC、ニューヨーク・タイムズの記者たちは、彼のやることなす事ほぼ総て、ネクタイの長さから髪型に至るまで気に入らないようで、さしずめ不倶戴天の敵といったことろだ。

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(左: ドナルド・トランプ  /  中央: マドンナ/  右: アレック・ボールドウィン)

  一方、主要メディアを「政敵」と見なすトランプ大統領は、危険と見られるイスラム教徒の入国を拒否したかと思えば、今度はヒスパニック系不法移民の追放を強行したり、と意図的にリベラル派の神経を逆撫でする。それどころか、社会正義と人権擁護を楯にするマスコミを蔑ろにし、彼らが掲げる錦の御旗が「偽善」であると暴露するんだから、対立するのも当然である。彼は従来の政治家と違い、大手メディアの「指図」に屈しない。これがまた左翼勢力を苛立たせるのである。だから、歌手のマドンナや俳優のアレック・ボールドウィンは、トランプ大統領を蛇蝎(だかつ)の如く憎み、彼の人格まで否定しようとする。しかも、NBCやABCが彼らの背後に回って「反トランプ」の炎を煽るから、全米各地に飛び火するのだ。「女性の為の大行進(Women's March)」に参加したフェミニストたちは、口々にトランプ大統領を罵り、女性を性的対象物にして愚弄する悪漢として描く。

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( 左: 生命尊重派「プロ・ライフ」のデモ行進 / 右: 胎児殺しを容認する「プロ・チョイス」の抗議集会 )

  情けないけど、それに追従するのが日本のマスコミだ。トランプ大統領の演説や発言を伝える時、民放各局は奇妙な吹き替えを用いる。トランプが冷静に話しているのに、日本の声優は下品な口調で、乱暴な言葉遣いでアテレコを行い、ディレクターの指図通り、視聴者に「深いな」印象を与えるよう努力していた。一般のアニメ・ファンなら、この悪質な吹き替えに眉を顰めるだろう。例えばだが、もし、クリント・イーストウッドの声を山田康雄(ルパン三世の声優)じゃなく、滝口順平(たきぐち・じゅんぺい / 『ぶらり途中下車の度』でナレーター役)が担当したら変だ。滝口氏には申し訳ないけど、声優にはそれぞれ適役があって、『ドラゴンボール』の占いババアや『タイムボカン』のドクロベーは彼以外に考えられない。ついででに言えば、『ドラゴンボール』のナレーションや『タイムボカン』のボヤッキーも八奈見乗児(ならみ・じょーじ)でないと“しっくり”こない。声優の件で意外なのは、『Dr.スランプ』でアラレの声を担当した小山茉美(こやま・まみ)が、『機動戦士ガンダム』ではキシリア・ザビを担当し、『チャーリーズ・エンジェル』ではシェリル・ラッドの声を務めていたことだ。でも、キャラクターに合っていたから文句は無い。

  脱線したので話を戻す。報道番組の制作者は表面上「中立・公平」を装うが、その実、トランプの印象を悪くしようと、裏から翻訳者と声優に指図して、わざと粗暴な口調にしていた。オバマ大統領の時は温厚な人柄を滲ませるような吹き替えだったのに、トランプになると急に乱暴な話し方になるなんておかしいだろう。オバマが「ユー(you)」と言えば「君は」と訳すのに、トランプだと「お前は !」と声を荒立てるなんて奇妙だ。ツイッターでトランプが「You're fired !」と書き込むと、声優が興奮気味の声で、「お前はクビだぁ~ぁ!」と喋る。普段、冷静な口調で話すトランプなのに、日本のテレビ局は故意に野卑なイメージを作り上げ、それとなく我々に植え付けているんだから悪質だ。しかも、大論争を招きそうな話題ばかり選抜して報道し、トランプの印象が良くなるようなニュースはなるべく流そうとしない。日本のマスコミは米国の主要メディアに盲従せず、第三者的立場からトランプ大統領について伝えるべきである。

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(左: 大行進に参加したジェーン・フォンダ  /  右: 大行進に参加した一般人)

  日本のテレビ局は女優のジェーン・フォンダやアシュリー・ジャッドが参加した「女性の為の大行進」を大々的に伝えたが、「命の為の大行進(March For Life)」は殆ど取り上げなかった。この大会にはマイク・ペンス副大統領が登場し、トランプ大統領も熱烈な応援メッセージを贈っていたのに、大半のテレビ局が無視。だから、大勢の参加者が集まった行進を見たトランプは、マスコミに対して「公平じゃないぞ」と述べたのだ。(Kate Scanlon, Trump blasts media for ignoring March for Life at GOP retreat, The Blaze, January 26, 2017) 筆者は全てワイドショーを観たわけじゃないけど、 テレ朝や日テレは素通りしたんじゃないか。恐らく反トランプのフジテレビも取り上げなかったはずだ。ただし、「アリバイ作り」のために多少は紹介したと思うけど、特集を組んで報道したとは思えない。「赤ん坊(胎児)の命を尊重するトランプ」なんて悔しいから報道したくないんだろう。

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(左: 息子のバロン君を抱くトランプ  / 中央: アシュリー・ジャッド /  右: ジェーン・フォンダ)

  左翼陣営のフェミニストは、何かと言えば「人権」を口にするが、どうもその「人権」とやらは「赤ん坊」だと適用しないらしい。というのも、「胎児」の状態にある赤ん坊は「人間」ではないからだ。彼女たちは胎児を殺す「人工中絶」を「選択」の問題であると位置づける。だから、彼女たちは「プロ・チョイス(Pro-Choice)」と自称し、グルになったマスコミも同様に、女性の「権利」であると共に「選択」でもあると、宣伝し続けてきた。過激なフェミニストになると、「私の性器をどうしようが、私の勝手でしょ。政府が容喙すべき事柄じゃないわ」と吐き捨てるから、もうお手上げである。しかし、日本人からすれば、この名称はおかしい。抵抗できない胎児を殺すことが「女性(母親)」の「選択」なら、病気で寝たきりの老人や障碍者をあの世に送る犯罪者だって、「殺すことを選択」したことになるじゃないか。妊娠中絶支持者は「選択派(プロ・チョイス)」と述べて誤魔化さず、正直に「殺人肯定派(Pro-Murder)」とでも自称すべきだ。

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(左: 娘のイヴァンカと一緒のトランプ  / 中央: 「内緒」を頼む子供 / 右: 選挙中に支援者の赤ん坊を抱くトランプ )

赤ん坊を抹殺する医師

  2011年、ペンシルヴァニア州にある中絶クリニックで、世にも恐ろしい「殺人」事件が発覚した。この診療所を運営するカーミット・ゴスネル(Kermit Gosnell)医師は、8件の中絶殺人と妊婦殺し1件の容疑で逮捕されたのである。また、彼の助手となっていた妻のパール・ゴスネル(Pearl Gosnell)と、9名の従業員も同様に連行されたという。これらの「助手」たちはいずれも無免許で医療行為を行っていたそうだ。一人の医師によって率いられた「素人スタッフ」は、正式に何らの訓練を受けぬまま、ゴスネルの命令に従って麻酔を投与したり、分娩を手伝っていたというから呆れてしまうじゃないか。(House of Horror alleged at abortion clinic, NBC News, January 19, 2011) 女房のパールに至っては、夫を支える看護婦かと思いきや、本職が化粧品を扱う美容師なんだから言語道断、決して赦せない。

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(左: カーミット・ゴスネル  / 妻のパール・ゴスネル / 職員のエリザベス・ハンプトン /  右: 職員のマデリン・ジョー)

  ところが、このモグリ診療所は口コミで噂が広がっていたので、広告宣伝を行わずとも周辺地域や遠方から「お客」が現れたそうだ。たいていは、密かに中絶を望む女性や、お腹が大きくなり過ぎた妊婦、いかがわしい素性の有色人種などであった。中絶料金はその度合いに応じて異なるようで、妊娠三ヶ月以内の初期妊婦だと325ドルで、30週(約7ヶ月)までの妊婦は1,600ドルから3,000ドルくらい。(約33万円 / 1ドルを110で換算) 一日の売上げは1万ドルから1万5千ドル(約165万円)くらいだったという。逮捕を以て警察が診療所を捜査した(「ガサ入れ」の)時には、約24万ドル(2千640万円くらい)の現金が押収されたそうだ。赤ん坊の命は虫けらの如く扱うゴスネルでも、ゼニだけは“命”だったとは、まるで松本清張の小説に出て来そうな医者である。まったく、「人間の子」より「虎の子」を大切にするなんて呆れた奴だ。

  それにしても、新聞広告も出していなかったゴスネルのクリニックが、何故こんなにも稼ぐことが出来たのか?  それは危険を伴う後期中絶も行っていたからである。人工中絶が合法化になった米国でも、幾つかの州で堕胎に関する「20週禁止法」が存在し、21週を越えた中絶手術は違法となっているので、妊娠3ヶ月を過ぎた妊婦は別の州へ出掛けて堕ろすことがあるそうだ。ゴスネルが行った中絶手術の中に、「ベイビー・ボーイA」というケースがあった。母親は17歳の未成年で、既に妊娠30週、つまり7ヶ月半を過ぎていたという。診療所の助手が赤ん坊を取り上げた時、その男の子は体重が6ポンド(約2,230g)もあり、まだ息をしていたそうだ。ところが、ゴスネルは信じられない事をしていたのである。彼は生まれた赤ん坊を掴み、ハサミを首の裏に刺し、赤ん坊の脊髄をちょんと切ってしまったのだ。(Conor Friedersdof, Why Dr. Gosnell's Trial should be a Front-Page story, The Atlantic, April 12, 2013)  日本人女性なら「えぇぇっっっ ! 何! 嘘でしょう!」と叫びたくなるだろう。男性でも背中に戦慄が走るだろうが、ゴスネルはルーティーン・ワークのように赤ん坊を殺していたのだ。

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(左: 子宝に恵まれた黒人夫婦  / 中央: アフリカ系メキシコ人の幼児  / 右: 赤ん坊を抱く黒人女性 )

  無慈悲にもゴスネルは赤ん坊の神経を切断すると、プラスチック製の靴箱の中に「遺体」を廃棄したらしい。そして、助手のカリーナ・クロスに向かって赤ん坊が大きかったという感想を述べ、「私を引っ張ってバス停にまで連れて行ってくれる程だったよ」と冗談を述べたそうだ。「エコー(超音波)」で胎児の様子を調べたことのあるクロスによれば、分娩を誘発するため妊婦の少女には「サイオテック(Cyotec / ミソプロストールのこと)」が投与され、赤ん坊が出てくるまでに13時間もかかったという。それなのに、ゴスネルは分娩後10秒から20秒で子供の首を切りつけたというから、何とも手慣れたものである。その場にいたクロスが見たところ、抹殺された赤ん坊は箱から手足がはみ出るほど大きかったそうで、脊髄を切断されてもまだ少しだけ動いていたという。すると、それに気づいたゴスネルは彼女に向かって、「それは反射的なもので、動いている訳じゃないんだ」と告げたらしい。しかし、法廷に召喚された専門家によれば、その発言は全くのデタラメで、赤ん坊が動いていたというなら、まだ生きていたという証拠になるらしい。したがって、哀れな赤ん坊は物凄い激痛の中で絶命したことになる。(Michael W. Chapman, FLASHBACK Abortionist Gosnell : This Baby Is Big Enough to Walk Around With Me or Walk Me to the Bus Stop, CNS News, May 13, 2013) そして、ふてぶてしいゴスネルは、殺した子の母親から中絶代として2,500ドルを受け取ったそうだ。

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(左: ティナ・ボールドウィン  / 職員のアドリネ・モートン / リンダ・ウィリアムズ / 右: アイリーン・オニール )

  闇医者同然のゴスネルは多くの後期中絶を行ったそうだが、以前の患者に関する資料が破棄されていたので、検察側は何名の妊婦を扱ったのか分からないという。何せ20年間も堕胎手術を手掛けてきたから、もしかしたら数百名もの胎児が殺されていたとも考えられるのだ。しかも、時折、妻のパールが素人のくせに、後期の中絶手術を行っていたというから噴飯物である。職員の一人であるティナ・ボールドウィンは、もちろん何の医療免許も有していないが、患者に麻酔を投与しており、15歳になる娘を連れてきて、その作業を手伝わせていたというからびっくり仰天。こんな調子だから他の職員だって似たり寄ったりだ。職員のリンダ・ウィリアムズも無免許の助手で、違法な中絶手術や麻酔投与を行っていたらしい。一方、ある中絶手術に加わった助手のアシュリー・ボールドウィンは、始末される前の赤ん坊が産声を上げていたことを証言している。彼女は生きている赤ん坊が殺されたことを認識していたので、内緒で携帯電話を取り出し、その証拠写真を撮ったという。息を引き取った赤ん坊は32週(約8ヶ月)の嬰児だった。(筆者はこの写真の映像を持っているが、ライブドア社の検閲により、掲載することができない。それに、余りにも“むごい”写真なので、筆者もためらいを感じている。)

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(左: カルナマヤ・モンガー  / 左: 「恐怖の館」と呼ばれたクリニック )

  ゴスネルの診療所は病院にあるまじき「不潔さ」をさらけ出しており、あまりにも杜撰な「医療行為」を行っていたので、死亡者が出ても不思議ではなかった。案の定、手術を受けた妊婦が死んでしまった。2009年、カルナマヤ・モンガーというブータン難民がクリニックを訪れ、主治医のゴスネルは外出中だったが、それでも中絶手術を受けたそうだ。堕胎を行うに当たって彼女は、素人の職員から多量の鎮痛剤やその他の薬を投与されたそうで、この過剰投与が原因となって死亡したらしい。このケースの他にも、無法職員らは麻酔投与の「医療行為」を行ったことがあるらしく、手術の前に麻酔を施されたフィラデルフィアの女性(22歳)は、血管と子宮に感染症を起こし、間もなく亡くなったそうだ。(Patrick Walters and Mary Claire Dale, West Philadelphia abortion doctor killed 7 babies with scissors,  ABC News, January 19, 2011) このクリニックでは医者が気軽にハサミで赤ん坊を殺し、その手下も高度な技術を要する麻酔処置で患者を死なせてしまうのだ。しかも、ゴスネルは子供の手や足をホルマリン漬けにして保存していたというから目眩がする。つまり、彼にとっては業績を示す「トロフィー」なんだろう。ゴスネルは少なくとも100名の赤ん坊を取り上げ、その首を突き刺して脊髄の神経を切断したと自白している。(Melissa Barnhart, Gosnell Abortion Clinic Employee Who Snipped Over 100 Babies Necks Gets 6 to 12 Years in Prison, The Christian Post)  まさしくホラー映画さながらの惨殺劇だ。彼のクリニックが「恐怖の館(House of Horror)」と呼ばれる所以である。

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(左: 赤ん坊の手や足が保存されている瓶  / 右: 遺体が詰まったビニール袋 )

  冷酷非情に赤ん坊を殺していたゴスネルは、「お客」の人種に応じて態度を変えていたそうだ。以前勤めていた職員の証言によれば、白人のお客だと黒人やアジア人の妊婦と違って汚い控え室で待たされることなく、クリニックで唯一の“清潔な”オフィスに通されたという。しかもその際、ゴスネル自らがエスコート役を務め、白人の妊婦がそのオフィスに入ると、テレビをつけてもてなしたそうだ。これでは有色人種の患者は腹の虫が治まらない。しかし、彼のクリニックを訪れる黒や茶色の妊婦は、たいてい低所得の下層民で他に行く当てもない弱者だから、ぞんざいな待遇を受けても我慢するしかないのだ。ゴスネルはこういった事情をよく弁えていた。そうでなければ、一旦使用した器具を清潔にせず、そのまま使い回しにした上に、いい加減な堕胎手術で“べらぼうな”料金を取る真似はできまい。たぶん、何も知らずに訪れたモンガーも、クリニックから「適当な」扱いを受けた結果、その命を失う破目になったのであろう。裁判でゴスネル医師には保釈無しの終身刑が求刑されたそうだ。

有色人種に多い堕胎数

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  妊娠中絶手術を受ける女性には、「やはり」と言っては何だが、人種間のギャップがあった。疾病予防制禦センター(Centers for Disease Control and Prevention)の調査によれば、黒人女性は白人女性の5倍も堕胎手術を受けるそうだ。(Zoe Dutton, Abortion's Racial Gap, The Atlantic, September 22, 2014) 黒人妊婦が中絶を受ける一番の理由は、端的に言って「お金」の問題であるという。白人家庭の平均資産は、ヒスパニック家庭のそれよりも18倍多いし、黒人家庭の財産より20倍も多い。とにかく、有色人家庭は貧乏人の子沢山にならぬよう、余計な妊娠があれば「間引き」を行うということだ。こんな具合だから、白人の母親なら何とかなる子育てでも、低所得の黒人やヒスパニックの母親だと難しいし、母子家庭となれば尚さら困難である。また、カイザー・ファミリー財団によれば、有色人種の女性だと健康保険だって満足に持っていないので、赤ん坊を背負い込むなんて自分の首を絞めるようなものである。だから、頼りになるのは避妊薬かコンドームくらいになってしまうのだ。

  それでも、下半身がだらしない黒人女性は、避妊など考えずに快楽のみを求め、気がつけば「あら、できちゃった」とばかりにお腹が膨れてくる。しかし、設備が整った高級施設に行くだけのお金が無いから、ゴスネルのクリニックみたいな「恐怖の館」を選ぶしかない。だが、悲劇はこれだけではなかった。黒人やヒスパニックの妊婦だと「すさんだ」家庭の出身者が多く、彼女たちの母親も十代で妊娠をして、子沢山の貧乏人だったりする。1970年代に話題となった「福祉依存の母親」という典型例で、子供に支給される福祉金や食券で生計を立てるといった母子家庭を想像すればいい。でも、肝心の「種」を植え付けた父親は、と言えば失踪か失業。最悪なのは麻薬中毒か、服役中、もしくは犯罪に巻き込まれて、先にあの世へ行ってしまったというケースもある。妊娠した娘の「男(ボーイ・フレンドもしくは「ヒモ」 )」だって、父親と同じ「ロクでなし」という場合が多く、子供の面倒を見るような連中じゃないから、養育費なんて高嶺の花。というより、父親自身が金欠状態だったりするから、逆に女房にお金を借りに来る。日本では父親を「大黒柱」と呼ぶけど、アメリカじゃ甲斐性無しの「疫病神」か、女房に金をせびる「寄生虫」の類いが少なくない。

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(左: 黒人の母親と息子  / 右: 黒人男性の群れ )

  疾病予防防禦センターの報告だと、2012年に14万8,971人の黒い赤ん坊が殺され、7万5,868人のヒスパニック系胎児が堕ろされたという。両者を合わせると堕胎総数の約55%を占めるそうだ。しかし、白人の赤ん坊も結構殺されていて、15万2,673件(全体の37.6%)の堕胎があったらしい。(Michael W. Chapman, CDC Report : 55.4% of Aborted Babies Black or Hispanic, CNS News, November 39, 2015) 妊娠中絶の実態を調査すると、地域によって人種や件数の違いが見られる。ニューヨーク州は全米で断然に多く、白人の堕胎は2万4,284件、黒人だと3万8,820件、ヒスパニックは2万6,821件となっていた。これ以外で白人の妊娠中絶が多いのは、テキサス州の2万717件で、ミシガン州の1万11件が続いている。次に、中絶をする女性の年齢を見てみると、意外にも10代の少女より20代の大人に堕胎が多いのだ。15歳から19歳までの白人女性だと1万7,079人で、20歳から24歳になると4万5,923人に増え、25歳から29歳では3万3,697人となっている。他方、15歳から19歳の黒人少女だと1万3,165人、20歳から24歳までの女性は3万7,370人、25歳から29歳だと2万7,896人となっていた。(Abortion Surveillance, Vol.64, 2012, Mobility and Mortality Weekly Report, U.S. Department of Health and Human Services) まぁ、黒人だと未婚の母も珍しくないから、夫が居なくても子供を育てるし、お金がかかる中絶手術を避けて、そのまま出産してしまうのだろう。

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(左と中央: 黒人の母子家庭  /   右: 福祉に頼るヒスパニックの親子)

  「プロ・ライフ」の支持者は、キリスト教の影響もあって極端に妊娠中絶を忌避するが、世俗の社会では強姦や近親相姦による「強制妊娠」もあるから、一概に堕胎は「罪」と呼べるものではない。トランプ大統領もこれらの要因や母胎優先を条件として中絶を認めているのだ。また、近年では出産前の検診で、難病を抱える胎児や奇形で生まれてくる赤ん坊を予測できるので、涙を忍んで中絶を選ぶ女性もいる。日本人の妊婦でも、主治医から「お子さんは障碍児として生まれてくる可能性があります」とか、「ジカ熱の感染により頭が変形した状態で生まれてきます」と告げられれば、子供の将来を鑑みて堕胎を決断することもあるんじゃないか。確かに、どうしても授かった子を生みたいという欲求があるが、ダウン症といった不治の病や神経の障害を持って生まれてくる子供は不憫でならないから、辛い人生を歩ませるよりは堕ろした方が良い、と考えてしまうのだ。もちろん、殺される胎児は可哀想だが、両親だって苦汁の選択であるに違いない。

  しかし、中絶の理由は他にもある。ある母親は既に充分な数の子供がいるから、それ以上の子供は望まないと考えるらしい。また、経済的に余裕がないから堕ろそうとする者もいるそうだ。これは米国などの先進国で顕著なのだが、子供を出産することで人生が大きく変わってしまうから、という理由を挙げる女性が多い。特に高校生とか20代前半の女性だと、せっかくの大学進学を断念する破目にもなるし、会社員となった女性だとキャリアを積めなくなる、というケースが出てくるからだろう。安月給の若い女性だと生活が益々厳しくなるし、不倫の結果による妊娠だとシングル・マザーになる場合だってあるから、悩んだ末に仕方なく中絶を決めたりする。それなら「最初から姦通をするな」と言いたいところが、惚れた腫れたの世界では理性が利かなくなるから厄介だ。それに、中学生や高校生の妊娠だと、両親が世間体を気にするから、娘に堕ろすよう命令することだってある。名門校に通う白人娘でも、好きな男ができれはコンドームを使わずにセックスをするから、想定外の妊娠騒ぎとなってしまうのだ。でも、お腹の子供を殺すのはやはり可哀想だし、健康な白人女性が産む赤ん坊なら引く手あまたなんだから、恥じを忍んで出産すればいいのに、とつい思ってしまう。ただ、中絶を考えた少女でも、一旦出産すると母性が目覚めて、子供を養子に出すことを拒むから、問題は更にこじれてしまうだろう。

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(左: 父親と一緒の息子  / 中央: 養子縁組で取り合いになる少女のタイプ / 右: 高値の子供を産みそうな西歐系の女性 )

  アメリカでは白人の人口が減少傾向にあるから、アフリカ系やヒスパニック系、アジア系の女性による人工中絶はそのままにしておき、白人女性にだけは堕胎の恐ろしさや残忍性を伝えると共に、出産の素晴らしさを教えるべきだろう。(「プロ・チョイス」派だって何となく反対できないんじゃないか。まさか、「黒人や南米人に中絶を認めるとはけしからん」とは怒れまい。) 仮に、中絶を法律で禁止したところで、胎児を盲腸程度にしか思っていない女性には効き目が無いだろう。それよりも、道徳的観念を植え付けた方がいい。ヨーロッパ系の若い女性に、血の絆による愛情や、祖父母から受け継いだ命を継承し、種族の系譜を絶やさない重要性など、教える事はたくさんあるはずだ。こんな風に述べれば、すぐリベラル派やユダヤ人が「ナチズムの台頭だ !」とか「優生思想の復活に繋がる」と騒ぐだろう。しかし、国家や民族にとって大切なことなら、ナチスや右翼が何と言おうが考慮されるべきで、左翼の戯言(たわごと)は無視するに限る。

赤ん坊の声なき声

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(左: カヒーシャ・リー・ ジョウガン /  中央: 父親のマシューと一緒のカヒーシャ / 右: ベッドに括り付けられたロープ )

  母親による赤ん坊殺しは痛ましいが、父親による子供の殺害も悲しいことである。数年前、オーストラリアのニュー・サウス・ウェールズで幼児虐待の殺人事件が起こった。まだ三歳にしかならないカヒーシャ・リー・ジョウガン(Kyhesha-Lee Joughin)という幼女が、父親のマシュー・リー・ウィリアムズ(Matthew Lee Williams)によって殺されてしまったのだ。(Kim Stephens, Man extradited over Kyhesha-Lee Joughin's death, The Brisbane Times, 30 August 2013) この父親は不潔な部屋に娘を閉じ込めたばかりではなく、ロープに結びつけて部屋から出られないようにしていたのである。彼は妻のダニエルと別れていたが、娘の親権を握っていたようで、子供の死亡を聞いた母親はショックを隠しきれなかった。カヒーシャが父親と一緒の写真を見ると、本当にこんな虐待が起こったのかと疑いたくなる。見るからに可愛らしい幼児で、オーストラリアの国民も衝撃を受けていたそうだ。それにしても、親に殺される子供は本当に不憫である。

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(写真  /  モデルのロビン・ロウリー)

  強姦や近親相姦による妊娠中絶は議論の分かれるところだが、経済的理由や仕事優先で子供を堕ろすなんて、倫理的に間違っているんじゃないか。しかし、中絶が普通になった社会だと、「出産で太っちゃうから厭だな」と考える女性まで出てくる。でも、可愛い子供を持てるなら、ちょっとくらい体型が崩れたっていいじゃないか。オーストラリアで初の「プラス・サイズ・モデル」、つまり太めのフッション・モデルとなったロビン・ロウリー(Robyn Lawley)は、娘のリプリーを出産して大喜びだった。娘のリプリーも母親に抱きついて幸せそうにしていたから、周囲の人間も思わず顔がほころぶ。やはり、天真爛漫な子供の笑顔は人の心をなごませる。そもそも、子供はママにだっこされている時が一番幸せなんだよねぇ。幼い時に母親の愛情を充分に受けなかった子供は、成長してから薄情になったりする場合があるから、フェミニストは反対するだろうけど、子育ては本当に重要な仕事である。「育児なんか学歴の低い劣等生だって出来るじゃない」と馬鹿にするキャリア・ウーマンがいるけれど、人生に於ける幸福度や充実感を考慮すれば、専業主婦の方が良い場合だってあるはずだ。出世や経歴を優先させて妊娠中絶を選ぶ女性は、晩年になって後悔するかも知れないぞ。

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(写真  /  娘のリプリーと一緒のロビン)

  今や人工中絶は社会の一部のようになっている。これに異を唱える者は、視野の狭い頑固者と見なされるようだ。そう言えば、米国の主要メディアは大統領選挙中、プロ・ライフ派を宣言するトランプにきつい質問を浴びかけていた。顰めっ面のジャーナリストたちは、トランプに向かって「ローvsウェイド判決(中絶合法化のきっかけとなった裁判)を覆すつもりなんですか?」とか、「あなたは中絶をした女性たちを罰する方針なんですか?」としつこく質問し、トランプを「知的で独立した女性」の敵にしようと躍起になっていた。高慢ちきな大卒のリベラル派は、妊娠中絶に賛成する事が知識人の証しと思っている。だから、彼らは中絶反対者を「宗教に狂った奴ら(church freaks)」と蔑んだり、分からず屋で頑固な「田舎者(country bumpkin)」と見下したりするのだ。でも、母親に殺される胎児を守ろうとするトランプは、いくら政治的計算の上だとしても、人間としたら立派なんじゃないか。少なくとも、一貫して後期中絶まで支持するヒラリー・クリントンと比べれば、人情に厚いオヤジと映るだろう。

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  手ぐすねを引いて待ち構えるジャーナリストを前にして、トランプは中絶をした女性にも「何らかの罰が必要だ」と口にしたから、記者から「それはどんな刑罰なんですか?」と質問され困っていた。そして、目くじらを立てた記者から「中絶に反対する最高裁判事を指名するするつもりなんですか?」と責められていたので気の毒である。トランプは明言を避けていたが、筆者なら次の様な罰を提案したい。例えば、妊娠中絶をこのまま合法にするけど、子宮から出た赤ん坊は母親がメスで刺し殺すか、紐や手で絞殺することにしたらいい。子供を殺す「選択」をする母親は、我が子の目を見つめながら手に掛けるべきだ。もし、その瞬間、赤ん坊の目から涙が流れれば、その表情は母親の脳裡に焼き付いて、一生消えることはないだろう。また、生まれたての赤ん坊は口を利くことができないから、鬼のような母親に抵抗することはできまい。しかし、何らかの意思疎通で、「ママ、痛いよぉ」と叫ぶ赤ん坊の微かな声が聞こえれば、首を絞める手が緩むんじゃないか。それでも心を鬼にして我が子を殺(あや)める女性なら、元から母親の資格が無いのだ。だが、もしも恐怖で正気に戻るなら、その母親には愛情の「かけら」があることになる。我々は「ごめんね」と泣きながら我が子を抱きしめる母親を見たいものだ。


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