無敵の太陽

主要マスメディアでは解説されない政治問題・文化・社会現象などを論評する。固定観念では分からない問題を黒木頼景が明確に論ずる。

アメリカ合衆国

ポンコツだらけの大統領選 / トランプの対抗する駄馬

教科書に載せて全日本人に知らせたい現代史 支那人の卑史 朝鮮人の痴史
黒木 頼景
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ガラクタ議員が勢揃いの予備選挙

Trump 21Bernie Sanders 3









  今月行われたアイオア州の党大会を以てい、いよいよアメリカでは本格的に大統領選挙が始まったことになる。共和党はトランプ大統領で纏まると思うが、問題なのは対抗馬を出す民衆党の方だ。「憎きトランプを打倒せよ !」との怨念で一致するものの、民衆党の候補者はどれもこれも小粒だらけ。こんなのが国防総省や国務省、陸海空軍と海兵隊に加えCIA、FBI、DIA、NSA、FEMA、CDCを率いたら大変だ。政治に関心の無いアメリカ人でも心配になってくる。

  おそらく、大統領に選ばれることはないと思うが、副大統領を務めたジョセフ・バイデンなんか、隠居が似合う「元政治家」にすぎない。つい最近、ウクライナで息子のハンター・バイデン(Hunter Biden)が怪しいビジネスを行い、エネルギー会社から高額な報酬を貰っていたことが話題になったけど、彼の父親は、その不正行為を調査するようウクライナに依頼したトランプ大統領を非難した。まともなアメリカ人なら、医者じゃなくても、バイデンが抱える脳味噌の構造に“どこか”缼陥(けっかん)があるんじゃないか、と疑ってしまうだろう。

Joe Biden & Hunter Biden 3Joe Biden & Stephanie Carter 2









(左 : ジョー・バイデンと息子のハンター・バイデン  / 右 : ステファニー・カーター夫人 )

  だが、「おかしい」のは頭だけじゃなく、性癖と下半身も同様だった。バイデンは「スキンシップ」が得意なようで、励ましたい女が現れると、妙に“接近”する癖がある。例えば、オバマ政権で国防長官を務めたアシュトン・カーター(Ashton Carter)の妻、ステファニー(Stephanie Carter)夫人に近づくと、バイデンは“背後”から“抱擁”を実践し、温かく励ました。他にもセクハラまがいの被害を受けた女性がいて、ボブ・コーカー上院議員の妻であるエリサベス(Elizabeth Corker)夫人や上院議員のタミー・ボールドウィン(Tammy Baldwin)、ジャーナリストで「The Hill」の記者を務めるエイミー・パーンズ(Amie Parnes)、ネバダ州のルシー・フローレス(Lucy Flores)議員など、多種多様だ。

Joe Biden & Elizabeth Corker 1Joe Biden 22








(左 : エリザベス・コーカー夫人と接近するバイデン、それを見つめる亭主のボブ・コーカー議員   /  右 : エイミー・パーンズの腰を掴むバイデン )

  この元副大統領は、スケベ心満載の破廉恥議員であるばかりか、昔から銭儲けに邁進する瀆職議員だった。バイデンは元々、デラウェア州から選出された連邦上院議員。選挙区の産業を愛しているのか、地元の鉄道会社である「アムトラック(Amtrak)」が大好き。その癒着ぶりから「アムトラック・ジョー(Amtrak Joe)」との渾名まである。(高千穂遙のSF小説『クラッシャー・ジョー』ならいいけど、札束を抱えた「アムトラック・ジョー」じゃ漫画にならない。ちなみに、この小説のイラストは安彦良和先生が手掛けており、その人気が高まったお陰で、1983年には劇場版アニメ作品となった。) 2011年には、ウィルミントン(Wilmington)駅の名称が「ジョセフ・R・バイデン駅(Joseph R Biden Railroad Station)」に変更されたからビックリ仰天。いくらなんでも露骨すぎる。でも、アムトラック側は“恩人”の大先生に何らかの形で報いたかったのだろう。感謝の表現には色々あるから、とやかく言いたくないけど、地元の政治家の名前を冠した駅なんてゾッとする。さすがに、我が国では「あり得ない」と思うが、和歌山県だとありそうだ。もし、紀州のどこかで二階俊博の名前を冠した駅が出来たら嫌である。もしかしたら、支那人の団体客が押しかけ、観光名所の「二階駅」になるかも。ただし、20階建ての駅ビルが出来ても、「二階の駅ビル」と呼ばれてしまうから、何となくややこしい。ついでに江沢民の銅像を建てたら、支那人の参拝客が訪れ、各人が唾を吐きかけたりして・・・。日本人が寄りつかない観光スポットの誕生は、まことに恐ろしい。

「嘘つき女」との評判で沈没

  今年のアイオア党大会は「がらくた市」とでも称すべき集会で、ウンザリするような候補者ばかりが名を連ねていた。日本でも話題になったエリザベス・ウォーレン上院議員も、まだ懲りずに大統領候補となっている。彼女の特徴は、意見や信条をコロコロ変える風見鶏にして、机上の空論を弄する極左思想の持ち主であること。貧乏な大衆を味方に付けようと思ったのか、ウォーレンは国民全てが加入できる健康保険制度を提唱したが、評判を上げるどころか、逆に彼女の評判はガタ落ち。なにせ、彼女の政策には財源的裏付けが無く、その発想は“妄想”というより“狂気”に基づいていたからだ。信じられないけど、ウォーレンがはじき出した予算は、20兆5千億ドル。日本円に換算すれば約2千255兆円になる。(Thomas Kaplan, Abby Goodnough and Margot Sanger-Katz, "Ekizabeth Warren Proposes $ 20.5 Trillion Health Care Plan", The New York Times, November 1, 2019.) もう、“天文学的数字”というより、極貧のアフリカで発行される紙幣みたい。悪魔の刻印でさえ「666」くらいじゃないか。イギリス人が聞いたら、「2000京ドル」と思ってしまうぞ。(米国だと「10の12乗」で1兆だけど、英国式に考えると「10の18乗」だから100京となってしまうのだ。ちなみに、10の64乗になると「不可思議」という位になる。まぁ、ゼロが多すぎて理解できない程の数字になるから、「不可思議」となっても仕方がない。その他の「位」については数学の先生に訊いてね。)

Elizabeth Warren 8Elizabeth Warren at Univ of Texas Austin Law School








(左 : 政治家になったエリザベス・ウォーレン  /  右 : 大学教授時代のウォーレン)

  これは日本人が聞いたって腰を抜かしてしまう金額だが、ウォーレンはマルクス・レーニン主義にでも感染していたのか、スーパー・リッチの富裕層から搾り取ればいいじゃないか、と考えていたのだ。正常な頭を持つアメリカ人なら、「そんな、アホな ! アメリカの金持ちどもが承知する訳ないじゃないか!」と呆れてしまうが、この上院議員は大真面目だった。何しろ、彼女は議員になる前、テキサス大学やミシガン大学、ペンシルヴァニア大学、ハーヴァード大学のロース・クールで法律を教えていた元教授ときている。日本では現実的な計算が出来ない「高学歴バカ」というのが結構いるけど、アメリカにも非常に多い。これなら、ブリトニー・スピアーズの方がよっぽどマシである。少なくとも、彼女は冷徹なビジネスを解っており、ラスヴェガスの連続公演に向けて減量に励んでいた。「高額のギャラを貰うんだから、頑張って美しい体型を取り戻さなければ・・・」と反省し、トレーナーを附けて元の姿に近づいたんだから偉い。普通のアメリカ人だと、途中で欲望に負けてしまい、夜中にこっそりバケツ・サイズ(特盛り)のアイスクリームを食べてしまうのだ。

  話を戻す。ウォーレン議員は支持率を上げるためなら誇張や嘘でも平気でつく。例えば、彼女はインディアン(所謂「ネイティヴ・アメリカン」)に同情を示すことで、有色人種の票田を増やそうと謀ったが、それが裏目に出てしまい、結果としてマイナス・イメージの増加となってしまった。というのも、彼女は以前、マサチューセッツでの上院議員選挙に挑み、共和党のスコット・ブラウンと争ったことがある。その時、ブラウンからバックグラウンドを攻撃されたウォーレンは、チェロキー族やデラウェア・インディアン、つまり「ネイティヴ・アメリカン」の血が流れているのよ、と口にしたから問題の火種となってしまった。アメリカの政治家は、公開討論でちょくちょくヘマを犯す。

  そこで、ウォーレンの発言に噛みついたのがトランブ大統領だ。彼はウォーレンに対し、「もし、DNA鑑定でネイティヴ・アメリカンの血統だと証明されたら、お前が指定する慈善団体に100万ドル寄附してやるぞ !」と言い放った。(Emily Kopp, "Elizabeth Warren to Trump : Pay Up on $1 Million DNA Pledge", Rll Call, October 15, 2018) トランプは直感に優れているから、ウォーレンの過去を聞いて怪しみ、インディアンの血筋を利用してハーヴァード大学の教授職を得たんじゃないか、と勘ぐっていたのかも知れない。なぜなら、アメリカでは「マイノリィティー優遇制度」があるから、「女性」とか「アジア人」、「黒人」、「南米系」、「アメリカ原住民」といった身分を申告すれば、多少能力が劣っていても有名校に入学できたり、企業や団体の上級職に就けたりするからだ。ウォーレンが教授を務めていたペンシルヴァニア大学では、「少数派均等報告書」にウォーレンの名が記載されており、彼女の身分は「マイノリティー」となっていた。(Noah Bierman, "Record shed more light on Elizabeth Warren's minority status", Boston.com, May 10, 2012) ウォーレンが高額所得を得ていたハーヴァード大学でも、「有色人種の教師が少ない !」、つまり「多様性(diversity)が足りない !」と批判されていたから、「マイノリティー」を積極的に採用する方針が取られていた。これにより、ウォーレンは「ネイティヴ・アメリカン」枠で採用されたそうだ。なんか、NHKやTBSにある「朝鮮人枠」みたい。

Elizabeth Warren & PocahontasElizabeth Warren as Indian









(左 : 「ポカホンタス」のイラスト  / 右 : 「インティアン」の主張をおちょくる合成写真 )

  ところが、DNA検査をしたところ、ウォーレンには多少「ネイティヴ・アメリカン」の遺伝子はあるものの、それは全体のうち、たった「32分の1」程度に過ぎなかった。ウォーレンによれば、「チェロキー族の血を引いている」というのは家族内で代々語り継がれる「言い伝え」で、明確な系譜に基づく話ではないという。報道によると、ウォーレン議員の6世代か10世代前の祖母がチェロキー族であったらしい。(Michelle Ye Hee Lee, "Why Donald Trump calls Elizabeth Warren Pocahontas", The Washington Post, June 28, 2016.) だが、これはいくらなんでも強引だろう。「祖母の祖母がインディアンだから、私はインディアンの血統に属する」という理屈なら、「8世代前の祖先が白人だから、私は白人 !」と言い張る黒人と同じだ。もし、我が国で「イギリス人の血が128分の1流れているから、私はイギリス人 !」と言う日本人がいたら、CTスキャンで脳味噌を調べてもらった方がよい。世間のオッちゃんやオバはん達は、「あ~ぁ、可哀想に。何か腐った物を食べたんじゃないか」と心配するはずだ。

  赤っ恥を掻いたウォーレン議員は、潔く過ちを認め、ダメージ・コントロールに努めた。彼女は支持者に向かい、「皆様にご迷惑かけたことを謝罪します」と反省するものの、これを肥やしにして、ネイティヴ・アメリカンの方々と連携を保ち、原住民の皆様を支援するような政策に打ち込みますと語りかけていた。(Thomas Kaplan, "Elizabeth Warren Apologizes at Native American Forum : I Have Listened and I Have Learned", The New York Times, August 19, 2019)  しかし、トランプ大統領はウォーレンの猿芝居に騙されることはなく、彼女を揶揄して「ポカホンタス(Pocahontas)」と呼んでいた。この「ポカホンタス」というのは、「ポウハタン族」の有名な女性で、酋長の娘であった「マトアカ(Matoaka)」の別名である。ディズニー社は1995年、彼女を題材にした劇場アニメ作品『ポカホンタス』を上映した。たぶん、日本でも知っている人は多いはず。中には、子供と一緒にDVDを観た母親もいるんじゃないか。

Elizabeth Warren family 3Elizabeth Warren family 1Amelia Warren & mother1








(左 : ウォーレン議員の子供や孫   / 中央 : 子供達を抱く若きエリザベス・ウォーレン   /  右 : 娘のアメリア と一緒のウォーレン)

  ついでに言うと、ウォーレンは「偽善者」として名が通っている。彼女は高額所得者の子供が有利となる「チャーター・スクール(charter school)」や「学校選択(school choice)」に批判的なのだが、自分の息子と娘は別で、ちゃっかりと“名門私立学校”に通わせていたのだ。ウォーレンは政治の世界で「弱者の味方」を演じ、私立学校のヴァウチャーや税控除、政府によるチャーター・スクールへの交付金を廃止すると宣言し、チャーター・スクルーの新規開設を寄生する法律も強化する、と力説していた。(「チャーター・スクール」とは、ある団体や個人が政府と契約し、許認可を得た独自性の強い学校を指す。一定の学力水準や目的達成を約束する代わりに、チャーター・スクールは政府の規制を免除され、特色のある教育を実施する事ができる。例えば、学区を越えて生徒集めを出来るし、理科や数学、藝術に特化したカリキュラムを組むことも可能だ。また、運営者が生徒の質を選ぶこともできるから、白人学校ないし白人生徒が多数派となる学校が誕生することもある。)

Alex Warren 2Amelia Warren-Tyagi 1








(左 : 息子アレックスと一緒のウォーレン  /  右 : 娘のアメリア・ウォーレン)

Kirby Hall School 1(左  / キルビー・ホールの校舎 )
  建前上、ウォーレンは公立学校を支援し、その改善に努める政策を打ち出すが、自分の子供であるアレックス(Alex)とアメリア(Amelia)は名門私立に通っていたという。母親のエリザベスがオースティンにあるテキサス大学の教授を務めていた時(1987頃)、息子のアレックスは大学の近くにある「キルビー・ホール校(Kirby Hall School)」に通い、母親がペンシルヴァニア大学に移ると、これまた有名私立の「ハヴァフォード高校(Haverford High School)」に通っていたのだ。(Corey A. DeAngelis, "Elizabeth Warren's School Choice Blunder", Reason, December 2, 2019.) 現在、「キルビー・ホール」の年間授業料は、約1万5千ドル(1ドルを110円で換算すると約165万円)で、放課後の活動費用に935ドルから1,870ドルくらいかかるという。(Collin Anderson and Cameron Cawthorne, "WarrenConfronted by School Choie Activist Over Sending Son to Private School", The Washington Free Beacon, November 22, 2019.) この学校は生徒対教師の比率が、「5対1」という割合になっているので、少人数授業が“売り”となっている。ハヴァフォード校の授業料も高額で、年間3万9千500ドル(約434万円)というから、平民家庭では高嶺の花だ。クーポン片手に食料品を買う母親に、「我が子を名門私立へ送る」なんていう考えは無い。現在、アレックスはコンピューターの専門家となっており、カルフォルニア州選出のケイティー・ポーター(Katie Porter)下院議員のもとで働いているそうだ。

変質したアメリカ社会を代表する赤い候補者

  ニューハンプシャー州の予備選で奮闘したバーニー・サンダースは、若者から圧倒的な支持を得ているが、その政策と思想を知ると背筋が寒くなる。サンダースが「社会主義者」を自称するのは周知の事実。ところが、もし彼が当選したら、いったい米国の政治はどうなるのか、考えただけでも恐ろしいじゃないか。老練な極左議員なだけに、オバマ以上の惨劇が起こってしまうだろう。一昔前のアメリカなら、社会主義を掲げる候補者なんて絶対に認められなかった。西歐系アメリカ人はイギリス人の気質を受け継いでいるから、基本的に役人からの監視や規制が大嫌い。民間人の自由な活動を支援するのが役人の務めだと思っている。日本だと官僚主導の経済政策が主流だが、アングロ・サクソン人の国家だと自由主義の国民経済が当たり前。「冒険商人(merchant adventurers)」の例でも判る通り、ジェントリー階級に属する民間人の方が優秀で、野性的活力に溢れている。(イギリス人の資本制経済に興味のある方は、P.J.ケインと A.G.ホプキンズの『ジェントルマン資本主義の帝国』を読んでね。 )

Bernie Sanders & Cornel West 1Bernie Sanders with Muslims 2








(左 : サンダースと極左黒人のコーネル・ウェスト  /  右 : 人種的多様性に富んだサンダースの支持者)

  普通の日本人でも、サンダースの躍進を調べれば、アメリカ社会の“質的”変化が見えてくる。例えば、どんな人々がサンダーを支援しているのかと言えば、非白人有権者の29%、45歳以下の有権者で37%、進歩派を称する有権者の内、29%が支持を表明しているという。(Jake Johnson, ";eading Among People of Color and Young Voters, Sanders Behind Biden in New 2020 National Poll", Common Dreams, December 16, 2019.) また、サンダースは黒人やヒスパニックの票田を持っているそうで、南米系有権者の38%がサンダース支持に廻っているそうだ。(Giovanni Russonello, "Bernie Sanders's Surge Owes a Lot to Voters of Color", The New York Times, January 31, 2020.) 確かに、現在のアメリカ社会は、好景気でも所得格差が著しく、移民の流入もあって、人種対立が激しくなっている。また、「個人の努力では底辺から抜け出せない」と不満を募らせる白人も増えているから、現実的な中道路線を提唱する穏健派より、サンダースのような過激思想を打ち出すデマゴーグの方が人気を得やすい。

  そもそも、サンダースの魅力とは何か? 簡単に言えば、怨恨の代弁者を演じている点にある。黒人やヒスパニックには「不満分子」が多い。有色人種優遇政策で、現在は黒人にも管理職とか上級職への道が開かれているが、大多数の黒人は依然として下層階級のままで、中流階級の国民じゃない。南米人も同様の不満を募らせており、透明で分厚いガラスの天井が頭上にあるから、豊かで快適な生活を享受できないのだ、と思っている。しかし、アメリカの白人からすれば、「勝手に他国へ雪崩れ込み、俺達に迷惑をかけている分際で、文句を垂れてんじゃねぇ!!」と言いたくなる。しかし、「人種差別」という非難が頭をよぎるので黙っているしかない。黒人は自らの惨めな境遇を白人天下と奴隷制の“せい”にしたがるが、それなら、さっさとアフリカに帰って幸せに暮らせばいいじゃないか。でも、彼らは黒人だらけのアフリカに希望が無いことを分かっているから、豊かなアメリカに留まり、白人を糾弾しながら、白人に“ぶら下がる”生活を選んでいる。ヒスパニックの不満分子も似たり寄ったりで、アメリカ白人を批判するが、本国の連中よりマシと思っているから帰国など一切考えず、梃子でも動かない。

Bernie Sanders 1Hispanic voters 1








(左 : 若者から熱狂的な支持を受けるサンダース  / 右 : サンダースを支援する民衆党の有権者 )

  トランプ支持者の白人はグタグタ文句を垂れるが、そもそも、非西歐系の移民を受け容れるのが間違っているのだ。黒人やヒスパニック、ムスリム系アジア人は、アメリカ合衆国が根本的に「白人の国」であり、「自分の国」でないことを肌で分かっているから、“改革(ないし「革命」)”で現状を打破しようとする。元々、「他人の国」だから、彼らには祖先の遺産や伝統を大切にする保守思想が無いし、アメリカという寄生先がどうなろうと構わない。サンダース支持者にとって重要なのは、今の生活と目先の利益だけ。国家の名誉とか国民の義務なんてどうでもいい。黒人やヒスパニックの有権者が望むのは、白人中心の西歐的アメリカを叩き潰して、自分達が快適に暮らせるアメリカに造り変えることだ。それを達成するには、ユダヤ人を指導者に選ぶのが一番。公民権運動の時でも、ユダヤ人は黒人を裏から操って白人社会を破壊しようと試みた。ユダヤ人の流民は嫌われてもヨーロッパ社会に住み着き、罵倒されながらもコツコツと小銭を貯め、財力を蓄えると政治権力を目指す。ユダヤ人はキリスト教西歐社会にタカることで潜在能力を発揮し、白人と一緒になることで喜びを感じる人種だ。しかし、その白人から差別され、毛嫌いされると、海よりも深い恨みを抱く。ユダヤ人は武力を使って西歐人を屈服させず、精神を腐蝕させることで隷属させようと謀る。このセム種族は類い希な才能で学術部門や教育界、報道機関、娯楽産業、法曹を含む政治・経済界を支配し、タカリ先を乗っ取ろうとするから有害だ。したがって、サンダースが米国の不満分子を束ねるのは当然の成り行きである。

  ユダヤ人というのは自分がヨーロッパ人とは“”と分かっているので、“異質”とか“差別”といった事柄に殊のほか敏感となる。だから、「人種の違い」や「性質の差異」が問題になるや、騎虎の勢いで公的な場面に躍り出る。サンダースが低所得の若者や有色人種の左翼から絶大な支持を取り付けているのは有名だが、彼は同性愛者からの支持率も高い。LGBTQの有権者を調べてみると、サンダースは34%の支持率を獲得している。一方、エリザベス・ウォーレンは19%の支持率で、ジョー・バイデンは18%しかなく、ピート・ブテジェッジ(Pete Buttigieg)に至っては、たったの12%に過ぎない。(Eli Yokley, "Bernie Sanders Has a Big Lead With LGBTQ Voters", Morning Consult, January 31, 2020.) このブテジェッジは劣勢を認識していたから、アイオアの党大会に大量の資金を投入したらしい。その努力が実ったのか、アイオアで飛躍的な支持を受けた。でも、“しぶとさ”や“狡猾さ”の尺度で測れば、サンダースより劣っている。

  民衆党の代表候補を獲得するためなら、サンダースは何でも利用する覚悟だ。彼はユダヤ人にもかかわらず、着々とムスリム系有権者に食い込んでいる。この世俗ユダヤ人はムスリム票の獲得を狙い、積極的に彼らのコミュニティーを訪れ、親睦を深めるべく、モスクにも訪問していたそうだ。さらに、ムスリム有権者にアピールしようと、サンダースはファイス・シャキール(Faiz Shakir)というイスラム教徒を選挙参謀に据えることにした。(Gideon Resnick, Spencer Ackerman and Sam Stein, "Bernie Sanders Hires Top Progressive Advocate Faiz Shakir as Campaign Manager", The Daily Beast, February 19, 2019.) このシャキールは『Think Progress』誌の編集長を経て、極左団体のACLU(アメリカ自由人権協会)に移り、全米の支部を束ねる統括部長になった人物だ。

Faiz Shakir 1Bernie Sanders & Muslim voters 1









(左 : ファイス・シャキール / 右 : サンダースを支持するムスリム有権者 )

  パレスチナ系アメリカ人のリンダ・サルザー(Linda Sarsour)という活動家は、サンダースの名代として、様々なイスラム教徒の集会やモスクに赴き、イスラエルの右派と癒着するトランプ大統領を非難していた。彼女の主張によれば、サンダースはトランプから目の敵にされたムスリム議員の擁護者で、たとえユダヤ人であっても、共通の敵に立ち向かう頼もしい同志であるそうだ。そして、彼女によれば、ユダヤ人とムスリムが生まれながらの敵同士というのは、ステレオタイプ的な見方であるらしい。(Jaweed Kaleem, "Why many Muslimstreat Bernie Sanders like a rock star", The Los Angeles Times, September 22, 2019.) 普通の日本人は気づいていないが、ここに移民社会の恐ろしさがある。色々な欠点はあるものの、トランプは伝統的なアメリカ社会と西歐系アメリカ人を守ろうと考えているが、ユダヤ人やアラブ人、ヒスパニック系のインディオ、黒人、アフリカ移民などは、主流国民であるアングロ・サクソン人を憎んでおり、“共通の敵”である建国の民を打倒しようと意気込んでいる。

Linda Sarsour 1Bernie Sanders & Muslim voters in Mosque









(左 : サンダースとリンダ・サルザー  /  右 : モスクに集まるサンダース支持者)

  サンダース人気が示すのは、若い有権者の熱狂よりも、アメリカ社会の人種的変質である。1960年代までは白人が主流で、政界といえどもアメリカ国民の倫理道徳や西歐キリスト教的価値観が反映されていたものだ。黒人や南米移民の子孫、同性愛者、共産主義者、ユダヤ人が大統領候補になることは、不可能じゃなくてもまず有り得なかったし、たとえ出馬しても無視されるのがオチだった。ところが、1965年にリンドン・ジョンソンが人種に基づく移民法を撤廃したことで、有色人種が大量に雪崩れ込み、白人国家のアメリカはモザイク国家に変わってしまった。さらに、各界に潜むユダヤ人がアメリカ社会をコツコツと破壊したので、愚劣で凡庸な黒人でも高級な地位に就けるようになってたし、不法移民の子供でも堂々と公民権を得ることができるようになった。国家の体質というのは、その構成員の「質」で決まってしまうから、国民の種類が変化すれば、國體も自ずと変わってしまうのだ。

隠れマルキストのホモ市長

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(左  /  ピート・ブテジェッジとチャスティン)
  現在、バーニー・サンダースと予備選で鎬を削っているピート・ブテジェッジも、昔のアメリカなら考えられない候補者だ。アイオア州で注目株になったとはいえ、彼はインディアナ州にあるサウス・ベンドの市長を務めただけ。とても、合衆国を率いる大統領の器ではない。それに、国家に命を捧げる陸海空の軍人だって、ホモ野郎が“最高司令官”じゃ嫌だろう。もし、彼が大統領になったら、屈強な海兵隊員は最敬礼をするのか? また、キリスト教徒の国民は、結婚相手のチャスティン(Chasten Buttigieg)を何と呼ぶんだ? まさか、「ファースト・ゲイ」じゃなかろうし、「ファースト・ハズバンド」じゃややこしい。もし、彼が日本を訪問することになって、「エアフォース・ワン」から「夫婦」でタラップを降りてきたら、日本の視聴者はきっと目を剝いて驚くぞ。たぶん、在日米軍の家族は、恥ずかしくなって押し入れに隠れてしまうだろう。「離婚経験者は大統領になれない」とされていた、古き良き昔のアメリカが懐かしい。(ロナルド・レーガン大統領は再婚者だった。)

  こんな「カップル」が許されるんなら、トランプ大統領だって、「ファースト・レイディー」に代えて「ファースト・ミストレス」を同伴することができるじゃないか。トランプは愛人のストーミー・ダニエルズ(Stormy Daniels)と別れて一悶着起こしたけど、異性に興味があるだけマシだ。昔の女房や愛人を見れば判るが、トランプって本当にアメリカン・ドリームの体現者に思えてくる。ビジネスで成功して億万長者となり、美女を恋人や女房にするし、おまけに子沢山。トランプは50人以上の子供をもうけた徳川家斉や、ポーランド王になったザクセン選帝侯のアウグストゥス1世(Friedrich August I von Sachsen)には到底及ばないが、それなりに子孫を残している。ちなみに、アウグストゥスは精力旺盛で、「強健王(der Starke)」としても有名だ。一説によれば、お妃に隠れて愛人をつくり、380名以上の庶子をもうけたらしい。これには、さすがのトランプでもシャッポ(帽子)を脱ぐ。それでも、トランプは政治家の経験が無いのに、いきなり出馬して当選し、超大国の最高執政官になったんだから、考えてみれは相当すごい。

Trump & Melania & IvankaStormy Daniels 3Friedrich August the Starke 02









(左 : メラニア夫人とイヴァンカと一緒のトランプ大統領   / 中央 : ストーミー・ダニエルズ  / 右 : ザクセン選帝侯のアウグストゥス1世  )

  脱線したので話を戻す。ブテジェッジはサンダースほど極左思想を表に出さないが、その本性が深紅であることには変わりがない。何しろ、亡くなった父親のジョセフ(Joseph Buttigiege)が筋金入りのマルキストであったから、息子のピートが真っ赤な左翼でも不思議じゃないだろう。この父親は1970年代にマルタからやって来た移民で、1980年にノートルダム・大学の教授になった。ノートルダムはイエズス会が運営すカトリック教会の大学として知られているけど、日本ではアメフトの強豪校として認知されているんじゃないか。形式上、ジョセフは現代のヨーロッパ文学を教えていたというが、本職はマルクス・レーニン主義の布教活動で、フランクフルト学派の重鎮であるアントニオ・グラムシ(Antonio Gramsci)が専門ときている。(Emily Larsen and Joseph Simonson, "Pete Buttigieg's father was a Marxist professor who lauded the Communist Manifesto", Washington Examiner, April 2, 2019.) 反共のカトリック大学でマルキストの教授が居坐るなんて、本当におぞましい光景だが、左翼分子というのは「学問の自由」を楯に取って自由主義社会を倒そうとする。彼らは目的達成のためなら手段を選ばない。

Antonio Gramsci1Joseph Buttigieg 2Pete Buttigieg mother Jennifer Anne








(左 : アントニオ・グラムシ  / 中央 : 父親のジョセフ・ブテジェッジ   /  右 : ピートの母親であるジェニファー・アン )

  生前、ジョセフ・ブテジェッジは『Rethinking Marxism』という雑誌のアドヴァイザーを務めており、マルクスの『共産党宣言』を推奨するとんでもない学者だった。彼の主張を聞けば、日本のしょぼくれたマルキストは元気が出てくる。ジョセフはマルクス・レーニン主義を讃える論文で次のように主張したそうだ。

  マルクス主義はプロレタリアートを解放する! 平等、環境への意識、人種問題における正義は健全なマルクス主義の構成要素である。マルクス主義は政治・社会的な支配構造から生み出される不均衡を取り上げる点に最大の魅力があるのだ !

  いやぁ~、こんな宣伝文句は久々だ。不破哲三や志位和夫が耳にしたら、涙を流して感動するんじゃないか。日本の共産党ときたら、社民党の衰退に追随するばかり。中核を担う党員の高齢化が進んでいるから、あと5、6年もすれば前線でビラ配りをするベテラン党員も消滅し、選挙でのボランティアが居なくなるだろう。一方、アメリカでは未だに文化破壊型のマルキストが元気よく動き回っている。日本でもファンが多いグラムシに倣ったのか、それともオヤジの意志を継いだのか、息子のピートは権力構造の内部に入って、内側からアメリカ社会を食いちぎろうと考えている。もし、巨大な権力を行使できる合衆国大統領になれれば、共産主義に近い人民共和国も夢じない。ロマン主義こそマルキストの栄養だ。彼らは既存社会を破壊したあとに理想郷が現れると信じている。普通の日本人からすれば、社会変革で平等社会の実現なんて馬鹿らしいくて聞いてられないが、判断力の乏しい左翼には魅力的な囁きだ。

  政治の世界では「一寸先が闇」とされているから、大統領選挙の結果がどうなるのかは予測しがたい。だが、よほどの大逆転劇が無い限り、トランプの再選は確実だろう。大富豪のマイケル・ブルムバーグがどれくらい躍進するのか、今のところよく分からないが、彼が参戦しても民衆党がトランプを破るとは考えにくい。米国のマスコミは民衆党の候補者を持ち上げるけど、演説会における動員数ではトランプの方が上だ。サンダースやブテジェッジの演説なんかつまらない。それよりも、何を言い出すのか判らないトランプの方に人々は赴く。リベラル派の知識人はトランプを馬鹿にするが、一般人はエキサイティングなトランプを見たがる。皮肉なことだが、トランプ人気を高めているのは民衆党の愚劣さだ。対立候補が軒並み凡庸じゃ、トランプの方に投票したくなるじゃないか。

  日本でも似たような政治家がいた。亡くなったハマコーさんは地元の千葉で今でも人気者。インテリを気取る新聞記者は見下していたけど、木更津の有権者は破天荒なハマコーさんを支援し、国会でヤンチャな行為を犯しても赦していた。なぜなら、ハマコーさんには正直なところがあり、何となく憎めない性格もあったからだ。民衆は飾らない言葉を好む。たとえ、拙い表現でも、その中に一本筋が通っていれば、「そりゃそうだなぁ~」と認めてくれる事もある。トランプは暴言王と揶揄されるが、少なくとも公約を果たそうと努力するし、結果で判断してもらおう、という気概がある。歴史を振り返ると、案外、強権的な指導者の方が人気が高い。左翼が群れるフランスでも、偉大な統治者といえば、カロリング帝國を築いたカール大帝、ガリカニズムで有名なフィリップ美王、太陽王と呼ばれたルイ14世、侵略者の皇帝ナポレオン・ボナパルト、尊大な将軍にして大統領の権能を強化したシャルル・ド=ゴールが挙げられる。今年、アメリカの有権者が誰を選ぶのか? トランプ再選に賭けても儲けは少ないぞ。



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イラン攻撃の背後にイスラエル

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外国の軍事指揮官を暗殺

Qassem Soleimani 3Qassim Suleimani viecle in Baghdad








(左 : カシム・ソレイマニ /  右 : ドローン攻撃を受けた車輌の残骸)

  今月3日、アメリカ軍はイランのコッズ部隊を率いるカシム・ソレイマニ(Qassem Soleimani)司令官を殺害した。これはアクショク映画でもお馴染みの軍事ドローン(MQ Reaper)を使っての暗殺だ。イラン側としては、外国のイラクで革命防衛隊の指揮官を“いとも簡単”に殺されたから面目丸つぶれである。自国の重要人物をあっけなく殺されたんじゃ、いくら慎重なロウハニ大統領だって、重い腰を上げざるを得ない。米国に報復するのも当然だ。もし、それを躊躇(ためら)えば、自分の身が危うくなるから、武力攻撃に出てもおかしくはない。また、今年は再選を控えているから、トランプ大統領が大胆な軍事活動に着手ても、「やはりなぁ~」と頷けることが多い。おそらく、アメリカ軍はイランに居た頃からソレイマニをずっと追跡し、絶交の機会だからバグダッドでソレイマニを殺そうと考えたに違いない。しかも、この暗殺計画にはイスラエルが全面的に協力していたはずだ。

Yossi Cohen 5( 左 / ヨシ・コーエン )
  中東情勢に疎い一般の日本国民は、こうした暗殺劇を耳にすると目を丸くして「エッ !」と驚くが、イスラエルとアメリカは前々から殺そうと準備していたのである。イスラエルの諜報機関「モサド(Mossad)」を率いるヨシ・コーエン(Yossi Cohen)長官は、去年の10月にソレイマニの暗殺を仄めかしていた。当時、ソレイマニはイスラエルの暗殺計画に言及し、「第二次レバノン戦争が行われた2006年、イスラエルの攻撃機はベイルートにいた自分とヒズボラの指導者ハッサン・ナスララを標的にしていたんだ」と非難していたのである。超保守派のユダヤ・メディアである「ミシュパチャ」紙から、この発言の真相を訊かれたコーエン長官は、暗殺計画のことを全面否定せず、「奴(ソレイマニ)は暗殺も不可能じゃない、有り得ると考えていたんだ」と語っていた。("Mossad chief : Iran's Soleimani knows his assassination is not impossible", The Times of Israel, 11 October 2019.)

  国際報道に関心のある日本人なら、イスラエルがイランを目の敵(かたき)にし、ペルシア人の核開発を何としても阻止しようと謀っていた事くらい知っていよう。ブッシュ政権により、サダム・フセインが倒された後、イスラエルにとっての脅威といえば、隠然たる存在感を醸し出すイランだけである。サウジ・アラビアには米軍が駐留しているから、何か怪しい事をしようとすれば、ワシントンが真っ先に王族の首根っこを押さえる。隣国のシリアとエジプトは、少々厄介だけど、もはやイスラエルを脅かす程の大国じゃない。したがって、残る脅威はシーア派を輸出するイランのみ。ベンヤミン・ネタニヤフ首相が率いる「リクード(Likud)」(シオニストの右派政党)にしてみれば、イランの核武装なんて言語道断。空爆を用いての核施設破壊も視野に入れているくらいだ。こうした強硬路線は単なる“掛け声”じゃなく、「リクード」の連中は本気で考えていた。

Tamir Pardo 3(左  / タミール・パルドー )
  2016年までモサドの長官を務めていたタミール・パルドー(Tamir Pardo)は、対イラン攻撃の可能性があったと暴露している。2011年、イスラエル軍はネタニヤフ首相からの命令を受ければ、15日以内にイランを攻撃する準備ができていたのた。(Ilan Ben Zion, "Ex-Israeli spy chief : Netanyahu planned Iran strike in 2011", Associated Press, May 31, 2018.) まぁ、「イランの核兵器開発は絶対に赦さない」と豪語するネタニヤフが、速攻の戦争計画を練っていたとしても不思議じゃない。日本のマスコミは強調しないが、「リクーード」の歴代党首を目にすれば分かるじゃないか。初代のメナヘム・ベギンは筋金入りのテロリスだったし、イツハク・シャミールやアリエル・シャロンも虐殺部隊の親分で、軍事行動を決して躊躇わぬ武闘派だ。

  ちなみに、ベンヤミン・ネタニアフはイスラエル国防軍(IDF)の元陸軍大尉である。彼は特殊部隊「サイェレット・マトカル(Sayeret Matkal)」に属していた、というから凄い。この組織は参謀本部に所属し、偵察や対テロ活動を主な任務とする斥候部隊で、「Unit 269」と呼ばれている。ベンヤミンの父親ベンジオン(Benzion)はコーネル大学の名誉教授で文民だけど、その息子達は皆軍人になっていた。(ついでに言うと、この父親は2012年4月、何と102歳で亡くなっている。) ベンヤミンの兄ヨナタン(Yonatan)とイド(Iddo)も「サイェット・マトカル」のエリート隊員で、三男のイドは異色の人物だ。この弟は退役後、大学に進んで医師免許を取得し、時たま医療活動に従事するが、本業は劇作家であるという。彼は数冊の著作を出しており、エンテベ作戦におけるサイェレット・マトカルについて本を書いている。結婚して子供をもうけたイドは、イェルサレムじゃなく米国のニューヨークに住んでいるそうだ。

Benzion Netanyahu & BenjaminIddo Netanyahu 2








(左 : ベンジオン・ネタニヤフと息子のベンヤミン  / 右 : イド・ネタニヤフ )

Yonatan Netanyahu 1(左  /  ヨナタン・ネタニヤフ)
  長兄のヨナタンは家族に取って英雄となっている。というのも、彼はサンダーボルト作戦(別名 / エンテベ作戦)」に参加し、唯一の戦死者となっていたからだ。1976年、パレスチナ系テロ集団(PFLP-EO)および西ドイツのテロリスト四名が、エールフランスの旅客機をハイジャックし、服役中のテロリストを釈放するよう要求した。そこで、イスラエルのイツァク・レヴィン首相とシモン・ペレス国防相は人質を救出すべく、旅客機が強行着陸したウガンダのエンテベ国際空港に特殊部隊を派遣。この作戦を遂行する中でヨナタン・ネタニヤフ中佐が死亡したのだ。彼の遺体はマウント・ヘルツェルにある軍人墓地に埋葬されている。弟のイドがこの作戦について本を書いたのは、亡くなった兄を慕ってのことだろう。国防軍が存在しないから仕方ないけど、日本の首相ときたら、軍事音痴の“赤いボンクラ”か、お花畑で育った“お坊ちゃま”くらい。もう情けなくて溜息が出てくる。

  脱線したので話を戻す。筆者はアメリカによるイラン攻撃には驚かない。なぜなら、イスラエルの衛星国であるアメリカ合衆国は、以前からイランを標的にしていたからだ。9/11事件の後、対テロ戦争を決意したジョージ・W・ブッシュ大統領は、演説の中でイラン、イラク、北朝鮮を名指しして、「悪の枢軸(Axis of Evil)」と呼んだのは周知の通り。ついでに言えば、このフレーズを考案したのは、ホワイトハウスのスピーチ・ライター、デイヴッド・フラム(David Frum)である。彼はカナダ生まれのポーランド系ユダヤ人であるが、イェール大学で学士号を取り、ハーヴァード大学のロースクールで法学位を取ったそうだ。その後は、カナダの雑誌『サタデー・ナイト』で編集員を務め、出世を重ねると、アメリカにある有名な保守派シンク・タンク、「マンハッタン研究所(Manhattan Institute for Policy Research)」の上級研究員になった。

David FRum 3Bill Kristol 1PAul Krugman 1








(左 : デイヴィッド・フラム   / 中央 : ビル・クリストル   /  右 : ポール・クルーグマン )
 
  また、ユダヤ人ネオコンのビル・クリストル(William Kristol)が運営する『The Weekly Standard』誌にも記事を寄稿していたから、ブッシュ政権に雇われても不思議ではない。日本人にはちょっと意外だが、フラムは外国籍のまま、ホワイトハウスで働く数少ないスタッフの一人だった。彼は元々カナダ人ジャーナリストで、アメリカに帰化したのは2007年であったというから驚く。つまり、外国人のスピーチライターが大統領の演説を書いていたということだ。ちなみに、フラムは有名なユダヤ人経済学者、ポール・クルーグマン(Paul Krugman)の遠い親戚なんだって。ホント、ユダヤ人は色々な血筋で繋がっているものだ。

  ネオコンに守られたブッシュ大統領は、イスラエルの国益を推進することに熱心だった。イラクに大量破壊兵器があると言いふらして、サダム・フセイン政権を倒したが、ついに探していた兵器は見つからなかった。しかし、本当の狙いはイランで、北朝鮮は目くらまし用の添え物。イスラエルの安全を確保し、その権力を増大させるには、ペルシア人の国家は邪魔だ。(当ブログでは既に「大イスラエル構想」について紹介したから、まだ知らない人は参考として読んでください。)

Bernard Lewis 2(左  / バーナード・ルイス )
  イスラエルはイスラム教の周辺諸国を叩き潰し、中東アジアの覇者になろうと目論んでいる。しかし、イスラエル単独で中原の覇者となるのは難しい。そこで、シオニストの重鎮達は、歐米諸国を利用しようと考えた。特に、アメリカは一番頼りとなる相棒だ。何しろ、アメリカ国内にはお金持ちのユダヤ人がごまんといる。巨万の富を築いたビジネスマンは、共和・民衆の両党に大金を注ぎ込み、知識人やジャーナリストはイスラエル擁護の世論操作を行う。ハリウッドを牛耳る業界人やテレビ局にはびこる藝人だって、意識的・無意識的を問わず、自然とユダヤ人に有利な思想を吹き込んでいる。一方、ユダの金貨で買収された異教徒は、更なる「御褒美」を求めてユダヤ人の手下になるからチョロい。外政を司る国務省はシオニストの巣窟で、中東問題を扱うのはユダヤ人ばかり。普通に育った西歐系アメリカ人だと、いくら優秀でも暗号みたいなアラビア語じゃ厭になる。日本語みたいに複雑な言語をマスターする奴なんて滅多にいないから、中東アジアの専門家は自ずとユダヤ人ばかりとなってしまうのだ。日本でも有名なバーナード・ルイス(Bernard Lewis)を思い出せば分かるじゃないか。

  とにかく、アメリカ軍を利用してイスラム諸国を潰して行くのが得策だ。それには合衆国の政治家を動かさねばならない。手っ取り早いのは札束ビンダ。これは強力な媚薬で、強面(こわもて)の議員でも股を開く。SMプレーじゃないけど、緑の紙幣で頬を殴られると、「もっと頂戴!」とせがんでしまう。日本人は歐米人に恐怖感を抱いているが、お金の威力を知っているユダヤ人にしたら仔犬ていど。ヨボヨボの老人でも勝てるから、マモン(銭の神)の腕力はテーミス(正義の女神)の剣を凌駕する。事実、共和党の大口献金者を見れば、ズラリとユダヤ人が控えているじゃないか。

Paul Singer 1(左  / ポール・エリオット・シンガー)
  以前にも紹介したけど、ヘッジファンドの帝王で、「エリオット・マネージメント社(Elliott Management Corporation)」を創業したポール・エリオット・シンガー(Paul Elliott Singer)は、大量の資金を共和党に流していた。ミット・ロムニーが大統領選挙に出たときは、彼の資金管理団体「Restore the Future)」に百万ドル以上の献金を行っていたし、先ほど紹介した「マンハッタン研究所」の会長にもなっていたのだ。ユダヤ人というのは、白人から馬鹿にされても、それにめげずコツコツとお金を貯め、ある程度の富を蓄えると、政治活動に乗り出し、様々な人脈を築いて更に儲けようとする。彼らは互いに助け合いながら、みんなで豊かになろうとするからズル賢い。

  共和党への大口献金でシンガーと双璧をなすのは、カジノ王のシェルドン・アデルソン(Sheldon Adelson)だ。このユダヤ人については、当ブログで何度も紹介したから、覚えている読者も多いだろう。(記事A記事B記事C) このエデルソンは大のイスラエル贔屓で、前々から「ガツンと一発、イランを攻撃してやれ!」と主張し、飼い犬の政治家どもに発破(はっぱ)を掛けていた。北米や歐洲に住むユダヤ人は、祖国のイスラエルに移住せず、異教徒の国家に住み着いて快適な生活を送っているから、本国の同胞に対して「すまない!」という気持ちが強い。やはり、物質的に豊で憧れのヨーロッパ人と離れて暮らすことはできないので、せめてお金だけでも使って、イスラエルの同胞に尽くしたいと考える。だから、やたらとイスラエルを支援する在米ユダヤ人が多い。

Sheldon AdelsonGene Simmons 4(左:  シェルドン・アデルソン / 右 : ジーン・シモンズ )
  ここでは関係ないけど、人気ロック・バンド「キッス(KISS)」でベース・ギターを担当するジーン・シモンズ(Gene Simmons / 本名 : ハイム・ウィッツ<Chaim Witz>)も、熱心なシオニスト系ユダヤ人。彼はイスラエルのハイファ生まれで、8歳の時に米国に移住し、ニューヨークで育ちながら、ユダヤ人学校に通った経歴を持つ。(後に、ジーンは母親の旧姓を用いて、ユージン・クライン<Eugene Klein>と改名したそうだ。本当にユダヤ人は、よく名前を変える癖がある。) ユダヤ人のミュージシャンには民衆党支持者か左翼が普通なんだけど、ジーンは他の同胞とは違い、ジョージ・W・ブッシュを讃える共和党支持者だった。(とはいえ、彼は西歐世界のキリスト教伝統を守りたい「保守派」ではない。) 熱烈なイスラエル支援者のジーンは、イラクを侵攻したことでブッシュを褒めていた。ブッシュのイラク戦争を咎めていたユダヤ人俳優とは大違いだ。

Bernard Marcus 1(左 / バーナード・マーカス )
  もう一人、ユダヤ人の有力者と言えば、大富豪のバーナード・マーカス(Bernard Marcus)を挙げねばなるまい。彼は有名な「ホーム・デポ(Home Depot)」を創業したビジネスマンで、この会社はアトランタに本部を置く大手の小売りチェーン店。主に住宅リフォームを手掛け、調理器具や建設資材の販売、建築サービスなどを扱っている。別に保守派を好きな訳じゃないが、イスラエルを祖国のように思っているから、このユダヤ商人はトランプ大統領を支援し、アデルソンに次ぐ大口献金者となっていた。総資産約45億ドルを有するマーカスは、経営の第一線を退き、慈善活動かとなって、300くらいの団体に20億円ほど寄附したそうだ。(Hayley Peterson, "Billionaire Home Depot co-founder reveals plans to give away up to 90% of his wealth, with most going to philanthropy and some President Trump", Business Insider, July 1, 2019.) とはいっても、そこには下心があるから、マーカスが持つ資産の80%ないし90%は、「マーカス財団(The Marcus Foundation)」に流れている。(Debra Nussbaum Cohen, "Home Depot founder Bernie Marcus on sunsetting his foundation", Jewish Insider, December 20, 2019.) マーカスは天使になって慈善団体にお金を渡していたが、話題がイスラエルとなれば別。急に豹変して鬼の顔になる。しかも、イランを悪魔呼ばわり。こんな輩が“ケツ持ち”なんだから、トランプ大統領が話し合いでイランと交渉なんて無理だろう。棍棒外政しかない。

  ユダヤ人の大富豪は慈善家となって、各業界にお金を配るけど、そこには必ず何らかの「魂胆」が隠れていた。マーカスも気前よくお金をバラ撒いていたが、それはネオコン風の保守派団体がメインで、親イスラエルという特質を兼ね備えている。彼が資金を流した組織を幾つか挙げてみよう。例えば、

  アメリカン・エンタープライズ研究所(American Enterprise Institute)、イスラエルの為に団結するキリスト教徒(Christians United for Israel)、イスラエル軍の友人(Friends of the IDF)、フーバー研究所(Hoover Institute)、ハドソン研究所(Hudson Institute)、イスラエル・プロジェクト(Israel Project)、ユダヤ国家安全保障研究所(Jewish Institute for National Security Affairs)、マンハッタン研究所(Manhattan Institute)、中東問題研究所(Middle East Media Research Institute)、司法ウォッチ(Judicial Watch)、慈善活動円卓会議(Philanthropy Roundtable)など、専門家でない日本人でも、ちょっとは耳にしたことがあるくらい有名な研究機関がズラリと並んでいる。ジョージ・ソロスもそうだけど、ユダヤ人の有力者は様々な方面に餌を播いてネットワークを広げているから、本当に大したもんだ。

Richard Goldberg 2(左  / リチャード・ゴールドバーグ)
  ユダヤ人というのは、異国に根を張ってお金を稼ぎ、色々なロビー団体を作って、政治を牛耳ろうとする。巨大なロビイスト団体、「AIPAC(米国イスラエル公共問題委員会)」にはよく知られているけど、イスラエルを支援するシンク・タンク、「デモクラシー擁護財団(Foundation for Defense of Democracy / FDD)」も忘れてはならない。この研究機関はトランプ政権に対し、様々な提言を示し、情報分析の手助けをしているという。とりわけ、トランプ政権のタカ派で、リチャード・ゴールドバーグ(Richard Goldberg)というユダヤ人は特筆に値する。彼はホワイトハウスで安全保障を担当する補佐官で、親イスラエルのイデオローグ。アメリカ兵よりもイスラエル兵の方が大切だから、トランプ大統領に強硬なイラン対策を進言していたそうだ。(Philip Weiss, "Israel figured in US decision to assassinate Iranian generals", Mondoweiss, January 4, 2011)

  でも、彼をこの地位に就けたのは、イスラエルの盟友で前国家安全保障担当補佐官のジョン・ボルトン(John Bolton)であった。異教徒のボルトンが、なぜあのように重用されるのかと言えば、ボルトンが米国のネオコンと昵懇で、イスラエルとの太いパイプを持っているからだ。ボルトンがシオニストに肩入れしているのは有名だけど、ゴールドバーグはもっとタチが悪かった。ブルムバーグ紙によれば、ゴールドバーグは国家安全保障会議で働いていた時も、FDDから給料を貰っていたそうだ。(Nick Wadhams, "U.S. Official Central to Hawkish Iran Politics Departs NSC", Bloomberg, January 4, 2020.) 普通の日本人だと、「えっっ ! そんな民間団体から給料を貰っていてもいいのか!!」と驚いてしまうが、ユダヤ人がユダヤ人組織と癒着していても、ユダヤ人天下のアメリカではOKだ。だいいち、ユダヤ・マネーを否定したら、ほとんどの政治家が有罪となるし、選挙資金が枯渇して泣き出す。それに、どんな法律が存在しても、直ぐに抜け穴を見つけてしまうのがアメリカ人。日本だと、ブチャラティのスタンド、「スティッキィ・フィンガーズ」を呼んでこないと無理だけど、アメリカには腐るほど悪徳弁護士がいるから大丈夫。どんな場所にもジッパーを附けて、あっという間に隙間を作ってしまうんだから。(「ブチャラティ」を知らない人は、荒木飛呂彦先生の『ジョジョの奇妙な冒険 /黄金の風』を読んでね。)

John Bolton 2John Bolton 4







(左 : ジョン・ボルトン  /  右 : ボルトンとネタニヤフ)

  脳天気な日本人と違って、狡猾なユダヤ人は自国の安全保障に敏感だ。イスラエル生存の為なら手段を選ばない。アメリカもそうだけど、イスラエルによる暗殺なんて日常茶飯事。アメリカのCIAは共犯を拒んだが、イスラエルは何としてもイランの核開発を阻止したかったので、主要研究者15名を“排除”すべく、モサドに「抹殺リスト」を作らせたという。(Ronen Bergman, "When Israel Hatched a Secret Plan to Assassinate Iranian Scientists", Politico, March 5, 2018.) 例えば、2007年1月14日、核物理学者のアーデシール・ホセンプール(Ardeshir Hosseinpour)博士は「ガス漏れ」で窒息死。2010年1月12日、核物理学を専攻する大学講師のマスード・アリモハマディ(Masoud Alimohammadi)は、自分のクルマに乗ろうとしてドアを開けた瞬間、隣にあったバイクが大爆発して即死。2010年11月29日、マジド・シャリアリ(Majid Shahriari)がフランス産の自動車「プジョー」に乗っていると、二台のバイクが近づいてきて、車体に吸着爆弾を貼り付けて走り去ったという。この爆発により彼は即死。まるで映画『ミッション・インポシブル』の暗殺シーンみたいだけど、イスラエルの工作機関にとったら「いつもの仕事」にだ。

  我が国の一般人は、「えぇぇぇ~、イスラエルはヒットマン・チームを作ったのか !」と驚くが、中東アジアの民族は日本人のような平和なペンギンじゃない。必要とあらば、「ゴルゴ13」とか「ファブル」みたいな殺し屋を派遣する。こうした極秘作戦の為に、イスラエル政府は軍や諜報機関に対し、約20億ドルの予算を渡したらしい。安倍総理も少しはイスラエルを見習えよ。ただ、日本だと国内の政治家を先ず粛清しないとね・・・。

  日本のマスコミや評論家は、アメリカとイランとの軍事衝突に怯えて、「第三次世界大戦になるのかなぁ~」と心配しているが、抜け目のないペルシア人は何処かで妥協点を持ち出してくるだろう。老獪なペルシア人は「一億玉砕」みたいな発想はしないから、全面対決なんてあり得ない。それよりも心配なのは、今後、イスラエルがどのような手段で戦争やテロ事件を仕掛けてくるかだ。あくまでも「仮」の話だよ。もし、筆者がイスラエル政府の政策担当者なら、西歐や北米で更なるテロ事件を画策するだろう。例えば、ISみたいなテロ組織に資金を流し、ロンドンやニューヨーク、パリ、アムステルダム、アントワープ、ミラノなどで爆破テロを実行させ、西歐人の感情と世論を「反イスラム」に仕向ける。

Middle Eaast 11Middle East 2








  もちろん、実行犯は自発的に聖戦を遂行する現地のイスラム教徒だ。こうしたジハード戦士を勧誘し、訓練して命令を下すのもイスラム教徒。中東アジアに本部を持つテロ組織も、イラク人やシリア人のイスラム教徒で、モスクの指導者も混じっている。だが、その活動資金をずっと辿って行くと、怪しげなアラブ人に出くわすが、これがモサドの工作員だったりするから興味深い。つまり、熱狂的なムスリム・テロリストに大金を渡して扇動すれば、後は勝手に殺人テロを起こしてくれるから、ユダヤ人の工作員は高みの見物を決め込んでいればいい。だいたい、中東や歐洲にいる極悪スポンサーなんて、どんな人物なのか判らない。仲介人が暗躍すれば、出資者は謎の人物のままだ。しかし、テロリストにとったら、資金をくれる奴の正体なんてどうでもいい。憎い西歐白人を殺せればスッキリする。

  中東アジアの勢力図や紛争状態などは、日本人ばかりか、歐米人にとっても複雑怪奇だ。よくCNNやBBCなどが特派員を送って現地レポートをさせているが、特派員が集めた情報なんて我々が「裏」が取れる代物じゃないし、どんな「筋」からのネタなのか判らない。だいいち、特派員が接触した現地人や情報屋なんて信用できないし、誰が背後にいるのか、どんな動機で「内情」を暴露するのか、その真意が分からないので、騙される危険性が非常に高い。例えば、特ダネを提供するアラブ人が、実はイスラエルの手下である場合もあるし、元ネタの出所がモサドからの情報とも知らずに、西歐人レポーターに話しているケース、あるいは、ガセネタと知りながら、まんまと小銭を騙し取っている奴もいるから、我々はテレビや新聞で流れるニュースが正確な情報なのか、それとも巧妙に仕組まれたプロパガンダ、あるいは単なる噂話なのか判断できない。モサドは現地のイラク人やペルシア人に扮して歐米の特派員に接近するし、作戦によっては、彼らを騙して罠に嵌めることもある。中には、最初から共犯という場合だってあるのだ。

Qassem Soleimani & Ali Khamenei & Hassan NasrallahTrump & Netanyahu 1








(左 : 司令官のソレイマニとハメネイ師、「ヒズボラ」の議長ハッサン・ナスルッラーフ  /  右 : トランプ大統領とネタニヤフ首相)

  中東アジアは得体の知れない化け物が跋扈する魑魅魍魎(ちみもうりょう)の世界だ。何千年も血みどろの殺戮が繰り返されてきた地域では、誰が「善」で誰が「悪」なのかという「正義」の区別は無い。イランのシーア派にとったらソレイマニ司令官は英雄だけど、イスラエルのユダヤ人にとったらテロリストの親玉だ。イラン国内でも彼を極悪人と思うペルシア人がいるくらいだから、殺害された指揮官を「立派な人」と褒める朝日新聞は、底抜けのアホとしか言い様がない。とにかく、ユダヤ人というのは、アメリカで「国民」となっていようが、イスラエルで「兵隊」となっていようが、アラブ人やシリア人、ペルシア人と共存することはなく、妥協なき「天敵」と思っている。しかも、ユダヤ人は他人(ゴイム)を利用して目的を達成しようとするから狡猾だ。ネタニヤフ首相が紛争の矢面に立たず、米軍を全面に押し上げて、「アメリカ対イラン」という構図にしている。つまり、ネタニヤフは「イスラエルvsペルシア」という民族対決にしたくないのだ。

  結局、血を流すのはアメリカ兵とペルシア兵だけ。イスラエルは漁夫の利を得ればいい。イラン国民にしてみれば、「イスラエルの核兵器は容認なのに、どうしてイランの核開発は駄目なのか?」と憤慨するけど、歐米社会はユダヤ人に洗脳されているから、反論しても無駄である。パキスタンやインド、北朝鮮の核武装は黙認するけど、イランは「許さない」とくれば、彼らの怒る気持ちも分かるけど、イスラエルが「断固反対」なんだからしょうがいない。デモクラシーではお金が輿論と政策を決定する。アメリカ兵は「祖国のため」と思って戦うが、実質的には「イスラエルのため」に戦い、場合によっては傷つき亡くなって行く。哀しいけど、これが現実だ。日本は国益のためアメリカに附くしかない。それが厭なら、核武装して国防軍を持つべきだ。独立しないと発言権は無い。自分の運命は自分で決めるのが鉄則。これを忘れた日本人が滅んで行くのも当然じゃないか。
 


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