無敵の太陽

主要マスメディアでは解説されない政治問題・文化・社会現象などを論評する。固定観念では分からない問題を黒木頼景が明確に論ずる。

アメリカ合衆国

日本人が知らない米国言論界 / 保守派に潜む異人種

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黒木 頼景
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トランプに反撥するユダヤ人

Alt right Americans 1Jews 002







(左 : 「白人のアメリカ」を主張する右派のアメリカ人  / 右 : 「多様性のアメリカ」を主張する左派のユダヤ人 )

  先週、チャンネル桜が歴史修正主義をテーマにした討論会を放送し、ゲストの一人である筑波大学の掛谷英紀(かけや・ひでき)が、米国における人種問題と黒人暴動についてちょっと述べていた。掛谷氏は左翼思想と黒人運動を説明するため、若手知識人であるベン・シャピロ(Ben Shapiro)の著書を参考にしていたが、シャピロの保守主義には“胡散臭い”ところがあるので、そのまま信じるのは危険である。なぜなら、シャピロは伝統保守のアメリカ人から爪弾きにされた“偽装保守”の論客であるからだ。さらに、シャピロが嫌われた根本的な理由を挙げるとすれば、アメリカの歴史に対する個人的な反撥心であろう。

  基本的に、アメリカはイギリス人の国だから、ユダヤ人は最初から部外者で、この寄生民族が心からアメリカを愛し、アメリカの伝統を守ることは先ずない。だいたい、他人の祖先を必死になって守ろうとする居候がいるのか? シャピロの番組やインタヴューを聞いた日本人なら分かると思うが、確かに彼は典型的な神童で、物凄く頭が良い。彼は16歳で高校を卒業すると、UCLA(カルフォルニア大学)を20歳で卒業する。しかも、「優秀な成績で」だ。続いて、彼はハーヴァード・ロー・スクールに通い、2007年には弁護士の資格を取っている。さらに進んで、2012年、この若造は自分の法律コンサルティング事務所を開く。平等主義が強い日本では、シャピロのような若者は滅多に現れないが、ユダヤ人社会ではさほど珍しいことではない。

Ben Shapiro 004( 左 / ベン・シャピロ )
  こうした華々しい経歴に加え、掛谷氏はシャピロが左翼思想を手厳しく批判し、左翼分子から猛反発を受けているから「保守派」と考えているようだ。(註: 掛谷氏の専門は情報工学らしいから、政治思想や論壇事情に疎くても仕方がない。) だが、「西歐的アメリカ」を望む保守派からすれば、人種を基にした移民規制は必要で、それに反対するシャピロは支持できない。彼は移民規制に関する議論の中で、共和党支持者が南米人の流入に反対するのは、民族的変化(demographic change)ではなく、イデオロギー的変化(ideological change)を恐れているからだ、と述べていた。(Ben Shapiro, "Are Conservative Restrictionists Racist?", Townhall, November 13, 2019.) なるほど、共和党支持者の大半はヒスパニックの不法移民や彼らの政治的嗜好、つまり“民衆党贔屓”を懸念していると答えるが、心の底で思っている事は違うだろう。とりわけ、トランプ大統領を支持する白人層は、異人種の南米人が“ホームランド(「我々の国」という故郷)に”雪崩れ込むことを忌み嫌っている。しかし、不満を募らせる南部の白人でも、やはり世間体というか周囲からの批判を恐れているので、露骨な嫌悪感は表に出せない。もし、本音を口にしたら「KKKの隠れシンパだ !」と糾弾され、社会的地位を失ってしまうから。

  一方、ユダヤ人のシャピロにしたら、1924年の移民規制法にあるような人種差別は赦せない。勤勉で能力がある南米人なら受け容れるべし、というのがシャピロの見解だ。確かに、第二次世界大戦中、同胞のユダヤ人が味わった悔しさを考えれば、シャビロがヒスパニック移民に同情するのは“もっとも”だ。しかし、白人の共和党員からすれば、日常にある“ささやか”な幸せをぶち壊されるのは御免である。だいいち、言葉や風習が違う有色人種と混ざったことで良かったためしは一度もない。大抵は、下品な連中が“うろつく”ことで街の雰囲気が悪くなり、いつの間にか犯罪も増えている、というのが定番だ。その一方で、刮目すべきは民衆党支持を表明する高額所得者の態度である。彼らは「良心派」を気取って多民族共生を讃美するが、いざ、ヒスパニックや黒人が街に住み着くと、何気なく引っ越しを始め、貧乏人が近づけない郊外の高級住宅地に逃れたりする。中には警戒厳重な「陸の孤島」や「森の中」、あるいは「要塞化した共同体(gated community)」に“逃避”するから呆れてしまう。

  以前、ベン・シャピロはスティーヴ・バノン(Stephen Bannon)が運営する『ブライトバート(Breitbart)』に属していた。ところが、このニューズサイトが大統領候補となったドナルド・トランプを支持し始めると、急に不機嫌となり、袂(たもと)を分かつことになった。決裂の切っ掛けは、同僚のミッシェル・フィールズ(Michelle Fields)への「暴行事件」で、彼女がしつこくトランプに質問しようとしたので、選対本部長のコリー・ルアンダウスキー(Corey Lewandowski)がミッシェルの腕を摑んで阻んだというのだ。(後に彼女はSNSで、うっすらと出来た腕の“痣(あざ)”を公開していた。) しかし、ブライトバートの幹部達はトランプ陣営の「暴行事件」を咎めず、うやむやにしようとしたので、フィールズとシャピロはブレイトバートを辞めることにしたそうだ。

  表面上、シャピロは「トランプ寄りの方針」に憤慨して出て行ったことになっているが、本音は別のところにあったはずだ。つまり、彼はヒスパニック移民を排除しようと謀るトランプと、それを支持する白人右派に敵愾心を燃やしていたのである。(特にシャピロはリチャード・スペンサーの如き「オルト・ライトalternative right」の白人が大嫌い。これは2000年以上もの間、ユダヤ人が親子代々受け継いできた嫌悪感と危機意識である。常に「鼻つまみ者」という劣等感を持つユダヤ人からすれば、新興右派とネオ・ナチは紙一重に見えてしまうのだ。) おそらく、ユダヤ人のシャピロは、国境で追い返されるメキシコ人家族と、第二次大戦中に門前払いとなったユダヤ難民を重ね合わせているのだろう。実際、戦時中から移民や難民への門戸開放に熱心だったのは、政治家や民間人を問わず、ユダヤ系アメリカ人が圧倒的に多かった。

Steve Bannon 111Michelle Fields 2Corey Lewandowski 2Richard Spencer 01







( 左 : スティーヴ・バノン  /  ミッシェル・フィールズ  / コリー・ルアンダウスキー  / 右 : リチャード・スペンサー  )

Jamie Weinstein 5(左  / ジェイミー・ワインシュタイン )
  ちなみに、「ブレイトバート」に勤めていても、フィールズは“保守派”ジャーナリストとは言えず、どちらかと言えばリベラル派で、前の職場は左翼メディアの『ハッフィントン・ポスト(Huffington Post)』紙であった。(この新聞社は反日記事を掲載することで悪名高い。ここに属する日系の反日記者と朝日新聞が提携して日本を貶めている。) 彼女がトランプに反撥したのは個人的な事情もあったらしい。ミッシェルの父親はコメディー番組に出演したり、テレビ用の脚本を書いていたグレッグ・フィールズ(Greg Fields)で、その妻(ミシェルの母親)はホンデュラス出身の移民であった。それゆえ、ミッシェルはヒスパニック移民を排斥しようとするトランプに“個人的”な恨みを持っていたという訳。さらに、当時交際し、後に結婚した男性は、政治ジャーナリストのジェイミー・ワインシュタイン(Jamie Weinstein)であった。このワインシュタインもユダヤ人。彼は「ウィークリー・スタンダード(The Weekly Standard)」誌やニューズウィークの「デイリー・ビースト(The Daily Beast)」に寄稿するコメンテイターであったが、後に『ナショナル・リヴュー』へと移ることになった。転職したワインシュタインは饒舌なせいか、ナショナル・リヴューが運営するウェッブ・サイトで冠番組を持つようになった。(註 : アメリカ人は彼の名前を「ワインシュティーン」と発音するが、筆者は敢えて「ワインシュタイン」と表記する。「アルバート・アインシュタイン」の例と同じく、「ワインシュタイン」と呼んだ方がユダヤ人の名前のように聞こえるので、筆者は“わざと”後者の呼び方を用いている。)

  以前、当ブログで『ナショナル・リヴュー』に言及したが、この雑誌のスタッフには驚くほどユダヤ人が多い。(前編後編を参照) 保守派言論界の大御所たるウィリアム・バックリー(William Buckley, Jr.)が創刊した『ナショナル・リヴュー(National Review)』は、左翼全盛期のアメリカにおける保守派の牙城であったが、愛国派の執筆者がユダヤ知識人を批判するようになると、バックリーが“粛清(パージ)”を始めたので、優秀な保守派が去ってしまい、今では「保守」の看板を掲げるだけの左翼雑誌に落ちぶれている。(註: バックリーはアイリス系アメリカ人で、親子代々のカトリック信徒であった。) それにしても何故、バックリーがユダヤ人の擁護に走ったのかと言えば、先ず雑誌を支えるスポンサーを失いたくなかったからだ。もし、ユダヤ人を敵に回してしまうと、財界のパトロン達が離れてしまい、雑誌の経営が難しくなるし、自身の優雅な生活が続かなくなる。また、『ナショナル・レヴュー』を創刊した時、様々なユダヤ人に助けてもらったし、編集部にもユダヤ人をたくさん抱えていたから、ユダヤ人批判なんて端っからできない。例えば、バックリーは雑誌を創刊する時、ジャーナリストのウィリアム・シュラム(William Siegmund Schlamm)やフランク・マイヤー(Frank Strauss Meyer)に世話になったそうだ。

William Buckley 8William Schlamm 01Frank Meyer 02








(左 :  ウィリアム・バックリー  / 中央 : ウィリアム・シュラム  / 右 : フランク・マイヤー )

  日本人は肌が白い外人を見ると、みんな「ヨーロッパ人」と思いがちだが、西歐世界に住む白人にはトルコ人とかシリア人の他に、東歐のアシュケナージム系や南歐のセファラディー系ユダヤ人も含まれる。「アジア系」と思われるチェチェン人とかタタール系ロシア人も、アメリカに住むと「白人」扱いだ。ということで、ウィリアム・シュラムも一応「白人」の部類に入ってしまう。このシュラムはガリツィア(Galicia / オーストリア・ハンガリー帝国)出身の両親を持っていた。彼は如何にもユダヤ人らしく、10代で共産主義者となり、16歳の時、ロシアに招待されて革命の父ウラジミール・レーニンと面会したことがあるそうだ。その後、シュラムはウィーンで刊行される共産党系の新聞『Die Rote Fahne』のコラムニストになった。しかし、彼はオーストリアに留まらず、自由の国アメリカへと移住する。新天地に赴いた元共産主義者は、著名なヘンリー・ルース(Henry Luce)と出逢い、このメディア王が創った『Fortune』という経済雑誌や総合雑誌の『Time』、および彼が買収した『Life』誌に投稿するコラムニストになったという。

  一方、マイヤーはドイツ系ユダヤ人の両親を持つが、生まれたのは米国のニュージャージー州である。彼は改革派ユダヤ教の家庭に育ったが、これまた共産主義に惹かれてしまい、大学に通うと左翼思想に一層磨きを掛け日々を送っていたという。秀才のマイヤーはプリンストン大学に入学したが、途中で英国に留学するとこを決め、オックスフォード大学のベリオール・カレッジ(Balliol College)に編入した。さらに、彼はロンドン大学(London School of Economics)へと進むが、その共産主義活動を大学側に咎められ、渋々ながらも退学となる。泣きっ面に蜂だが、ついでに国外追放となってしまう。つくづく思うけど、ユダヤ人というのは習性なのか遺伝なのか、いまいちハッキリしないけど、異常なくらい学生運動や左翼活動に熱心な人種である。そんなに素晴らしい理想ならば、何も嫌いなヨーロッパやアメリカに住み続けないで、さっさと神様からもらった「カナンの地(パレスチナ)」へ戻ればいいじゃないか。イェルサレムなら邪魔な西歐人がいないから、ユダヤ人やアラブ人相手に思う存分暴れ回ることができるだろう。

  この共産主義者が保守主義へと“回心”したのは、大学の先生から叱られたからではない。マイヤーはフリードリッヒ・フォン・ハイエック(Friedrich August von Hayek)の名著、『隷従への道(The Road to Serfdom)』を読んだからだ。ハイエックとの邂逅(かいこう)でマルクス主義と訣別したマイヤーは、自由市場経済の支持者となり、やがてウィリアム・バックリーと出逢うことになる。政治哲学者のマイヤーは、バックリーの助言者的存在となり、『ナショナル・レヴュー』が創刊されると上級編集員となった。しかし、彼は伝統重視の保守派とは反りが合わなかったようで、保守派国民から人気を博していた大御所のラッセル・カーク(Russell Kirk)やロバート・ニスベット(Robert Nisbet)には一定の距離を保っていたそうだ。それでも、マイヤーが批判の相手としたのは、アブラハム・リンカンの研究で知られるハリー・ヤッファ(Harry Victor Jaffa)であり、二人は雑誌上で何度か論争を繰り広げていた。このヤッファも保守派のユダヤ人で、バックリーとは親しい間柄であったという。ユダヤ人同士が言い争うのは珍しくなく、ヤッファは「ネオコンの父」と称されるアーヴィン・クリストル(Irving Kristol)とも議論を戦わせていた。これが元でヤッファはリベラル派の知識人から毛嫌いされ、彼らのブラックリストに名前が載っていたそうだ。

Russell Kirk 01Robert Nisbet 2Harry Jaffa 2Irving Kristol 2







(左 : ラッセル・カーク  /ロバート・ニスベット   /  ハリー・ヤッファ /  右 : アーヴィン・クリストル )

  『ナショナル・レヴュー』の創刊に携わったユダヤ人の一人に、戦闘的保守派のマーヴィン・リーブマン(Marvin Liebman)がいた。彼はバックリーと親しく、家族ぐるみの付き合いであったという。この交際が切っ掛けで、ユダヤ教の家庭で育ったマーヴィンは、バックリーのカトリック信仰へと傾いて行く。最終的に、マーヴィンはキリスト教に改宗することにし、洗礼の時、バックリーが彼の代父(godfather)を務めたそうだ。しかし、マーヴィンには困った点が一つあった。それは、彼が同性愛者であった事だ。第二次世界大戦の時、彼は合衆国陸軍に入隊し、カイロに派遣されたことがある。しかし、マーヴィンは運が悪かったのか、上官に恋文の束を発見されてしまい、同性愛者であることがバレてしまった。ゲイであることが露見したマーヴィンは、上官により仲間の前で「間抜け」とか「フェラチオ野郎」と罵られ、最終的に「ブルー除隊(blue discharge)」の処分を受けることになる。(これは当時、往々にして同性愛者に対する処遇であった。) 「陸軍からの除隊」というが、マーヴィンの身分は、勇ましい歴戦の「軍曹」とか、敵を次々と倒す「狙撃手」じゃなく、厨房勤務の「料理人」であった。これじゃあ、何となくパート・タイマーの解雇みたいだけど、彼はちゃんと退役軍人の恩給は貰えたらしい。

Marvin Liebman 02(写真 : 左側の人物がマーヴィン・リーブマン )
  ユダヤ人の保守派には「元左翼」というのが多く、マーヴィンも若い頃は共産主義に心酔し、左翼組織の『アメリカ学生組合(American Student Union)』や『青年コミュニスト同盟(Young Communist League)』に所属していたそうだ。しかし、戦後、共産主義国がユダヤ人を厳しく扱ったことが報じられると、マーヴィンはソ連に激しい怒りを覚え、憧れの本店に嫌悪感を抱くようになった。さらに、彼はあるロシア人女性と出逢ったことで衝撃を受ける。彼女はソ連の強制収容所に投獄され、悲惨な目に遭ったそうだ。マーヴィンは彼女との会話からソ連経済が奴隷労働によって支えられていることを知り、共産主義へのロマンを捨てたらしい。マーヴィン曰わく、「完全な裏切」であったという。共産主義には幻滅したが、ユダヤ人への同胞愛は活きており、マーヴィンはシオニズムにのめり込んだ。1947年、彼はユダヤ人のテロ組織である「イルグン(Irgun)」に協力したし、「United Jewish Appeal」や「American Fund for Israel Institution」といったユダヤ人組織への奉仕も怠らなかった。しかし、マーヴィンが本当に熱心だったのは、「同性愛者を平等に扱う社会を!」という政治運動だった。『ナショナル・レヴュー』に投稿した記事によれば、「ゲイ、保守派、共和党員」であることはマーヴィンの中で矛盾せず、三つとも全て成立するそうだ。そんなら、ユダヤ教徒の間やシナゴーグの中で実践してくれ。同性愛者を嫌うガチガチのユダヤ教徒が、どんな反応を示すのか楽しみだ。

  ユダヤ人というのは本質的に言論活動が趣味なのか、保守や革新、左翼や右翼を問わず、関与する論壇で主要な地位を占めてしまう。『ナショナル・レヴュー』の編集に携わったユージン・リヨンズ(Eugene Lyons)とモリー・リスキンド(Morrie Ryskind)もユダヤ人であったし、バックリーの母校であるイェール大学で「自由アメリカ人青年(Younf Americans for Freedom)」という保守系団体の議長になったロバート・シャックマン(Robert Schuchman)もユダヤ人であった。『Freeman』という雑誌を創刊したフランク・チョドロフ(Frank Chodorov)もユダヤ人。彼は大学での保守思想を広める教育団体「Intercollegiate Studies Institute」を創設した“右派知識人”としても知られている。そして、この研究所の初代総裁を務めた人物は、友人のウィリアム・バックリーであった。

Eugene Lyons 1Morrie Ryskind 1Frank Chodorov 01









(左 : ユージン・リヨンズ  /  中央 : モリー・リスキンド /  右 : フランク・チョドロフ )

  保守派ユダヤ人として最も有名なのは、共和党の大統領候補になったバリー・ゴールドウォーター(Barry M. Goldwater)であろう。惜しくも、彼は1964年の大統領選挙でリンドン・ジョンソンに敗れてしまったが、当時は共和党の保守派にとり「希望の星」であった。後にカルフォルニア州知事と大統領になるロナルド・レーガンや保守論壇の女傑であるフィリス・シュラフリー(Phyllis M. S. Schlafly)もゴールドウォーターを熱心に応援していた。ちなみに、ゴールドウォーター陣営で法律顧問を務めていたのは、後に連邦最高裁の首席判事となったウィリアム・リンクィスト(William Rehnquist)である。このリンクィストは保守派の裁判官として知られているが、それもそのはずで、彼がハーヴァードの大学院で勉強したのはマイケル・オークショット(Michael Joseph Oakeshott)の政治哲学であった。英国人のオークショットは、合理主義に基づく社会改造や革命を批判した保守派の偉人で、生前の西部邁が称讃していた政治哲学者だ。現在の最高裁では珍しいが、リンクィストは北歐系アメリカ人で、彼の祖父母はスウェーデンからやって来たという。ガリツッア地方やポーランドからの下賤なユダヤ人とは違い、彼の祖先はキリスト教的道徳を大切にする好ましい移民であった。

Barry Goldwater 01Phyllis Schlafly 004Michael Oakeshott 01William Rehnquist 12








(左 :  バリー・ゴールドウォーター  / フィリス・シュラフリー  / マイケル・オークショット  /  右 : ウィリアム・リンクィスト )

  『ナショナル・レヴュー』を創設した一人であるラルフ・デ・トレダーノ(Ralph de Toledano)も、かつては左翼主義に染まったユダヤ青年であった。彼はセファラディー系ユダヤ人の家庭に生まれたが、やはり赤い思想に惹かれてしまい、「アメリカ社会党(Socialist Party of America)」のメンバーになってしまった。そして、急進派の青年は左翼の巣窟であるコロンビア大学に入る。彼はここを卒業すると、社会党の機関紙である『The New Leader』の編集員になったそうだ。しかし、ラルフは後に保守派へと転向し、リバタリアン系の知識人となった。「Alt-Right」の活動で有名になったポール・ゴットフリード(Paul Gottfried)も保守系ユダヤ人である。彼も若い頃、大学で左翼思想に触れているが、リベラル派にはならなかった。ただし、興味深いエピソードがある。ゴットフリードがイェール大学で博士論文を書いていた時、彼の指導教官であったのはフランクフルト学派の有名人、あのヘルベルト・マルクーゼ(Herbert Marcuse)であっのだ。もっとも、ゴットフリードはマルクーゼの講義を聴いても、師匠の教義には共鳴せず、その弟子にもならなかった。とにかく、耳にしただけでも恐ろしくなるが、極左教授の洗脳活動は実に幅広い。第二次大戦中、OSS(米国諜報組織)で働いていたマルクーゼは、戦後、コロンビア大学からハーヴァード大学に移り、ブランダイス大学やカルフォルニア大学サンディエゴ校で教鞭を執っていたが、イェール大学にも足を伸ばしていたとは。ホント、左翼分子は侮り難い。

Paul Gottfried 02Herberet Marcuse 1Ralph de Toledano 2









(左 :  ポール・ゴットフリード  / 中央 : ヘルベルト・マルクーゼ  /  右 : ラルフ・デ・トレダーノ)

  このように一人一人素性を調べてみると、保守派陣営に潜り込んでいるユダヤ人は相当多いと分かる。トランプが大統領になったことで良かったことは、ネオコンのような偽装ユダヤ人が炙り出されたことだ。「ブライトバート」からはシャピロばかりでなく、要職を占めていたジョーダン・シャクテル(Jordan Schachtel)とジャレット・ステップマン(Jarrett Stepman)も出て行った。辞任したシャクテルは同胞のメディアで活躍し、ホロコーストの「お涙頂戴話」で記事を書いていた。(Jordan Schachtel, "The Evidence Room : When Skills Are Used for Evil", Jewish Journal, June 26, 2019.)  他方、ステップマンはアメリカ社会に根強く残る反ユダヤ主義を糾弾し、ユダヤ人はアメリカの歴史に貢献してきたと述べていた。まぁ、“よそ者”とか“タカリ屋”として馬鹿にされるユダヤ人だから仕方ないけど、ステップマンは我慢がならないようで、独立戦争の時にはユダヤ人のハイム・サロモンが資金援助をしていたんだ、と自慢していた。(Jarrett Stepman, "America Has Always Been a Safe Haven for Jews. An Evil Killer Won't Change That", The Daily Signal, October 29, 2018.)  

Jordan Schachtel 02Jarrett Stepman 2








(左 : ジョーダン・シャクテル  / 右 : ジャレット・ステップマン )

  なるほど、「ユダヤ人だってアメリカ人だぞ !」と言いたいんだろうけど、ステップマンの主張には賛成できない。「貢献」と言っても、要するに、銭屋(金融家)のユダヤ人が他人の窮地につけ込み、お金を融通しただけじゃないか。ユダヤ人は昔から、他人の不幸や戦争に乗じて自分の利権を拡張しようとする。ドイツ人やイギリス人、フランス人、オランダ人も侵掠戦争や防衛戦争となれば、莫大な戦費がかかるので、どうしても借金することになる。そこへ都合良く裕福なユダヤ商人が現れ、つべこべ言わずお金を貸したり、気前よく資金を提供する訳だ。ヨーロッパ人の領主や君主に“貢献”するユダヤ人は、低金利での貸し付けや、借金の棒引きをする代わりに、何らかの“特権”を要求する。そして、お金に困った王様や貴族は渋々ながらも承諾することが多かった。こうしてユダヤ人は自らの地位を安定させ、ヨーロッパ各地に独自のネットワークを張り巡らしてきたのだ。

Matt Drudge 7(左  /  マット・ドラッジ)
  トランプ大統領に反撥したユダヤ人の中で、特に目を引くのは、マット・ドラッジ(Matthew Nathan Drudge)の“転向”である。日本人には馴染みが無いが、アメリカではかなりの有名人で、彼が発行する『ドラッジ・レポート』は保守派国民の中で評判が良い。ドラッジ本人によれば、昨年だけでも100億くらいの閲覧回数があったという。しかし、最近、彼は常連のお客を裏切り、進歩的左派に寄り添うようになった。(Spencer Neale, "Matt Drudge now firmly a man of the progressive Left", Washington Examiner, July 24, 2020.) 一応、ドラッジは「大統領が約束した国境の壁がまだ出来ていないじゃないか!」と腹を立て、反トランプに廻ったというが、本当かどうか怪しい。(Bob Norman, "Why did Matt Drudge turn on Donald Trump", Columbia Journalism Review, January 29, 2020.)  

Matthew Lysiak 1( 左 /  マシュー・リシャック)
  ドラッジの正体を調査したマシュー・リシャック(Matthew Lysiak)によると、ドラッジは「ユダヤ人」というアイデンティティーを強く意識しており、度々、イスラエルのテルアビブに旅行していたそうだ。トランプの再選の時期が迫っているので、様々な工作機関や反対陣営が動き出しているから、ドラッジの「転向」には何かあるんじゃないか? 裏舞台で外国の宣伝戦が行われていても、一向におかしくはない。もしかしたら、反トランプ陣営がドラッジに近寄り、彼を「切り崩した」可能性だってある。偽装保守のユダヤ人は地位が不動になると、チョロッと本性を現す。また、優雅な生活を維持するため、リベラル派の富裕層に寝返ることもある。通常、保守派知識人にはお金持ちが少ないが、商売上手のユダヤ人たるドラッジは別。彼はフロリダ州のエヴァーグレイズ(Everglades)に邸宅を構えるほどの「成金紳士」だ。日本のビジネスマンでもエヴァーグレイズの国立公園とか、マイアミの海岸で休暇を過ごした人もいるだろう。留学生でも分かると思うが、あの辺は本当に快適な地域だ。こんなリゾート地に220万ドルの豪邸を持っているんだから、ドラッジの思考様式が他の保守派と違っていてもおかしくはない。

  一般の保守派国民はドラッジの変節を「裏切りだ !」と糾弾するが、元々リベラル派の人物が「保守派」を装っていたという事例は結構ある。例えば、『ハッフィントン・ポスト』を創刊したアリアナ・ハッフィントン(Arianna Huffington)だって、カメレオンよりも早く保守派からリベラル派へと変身したじゃないか。このアリアナは英国経由のギリシア移民で、本名は「アリアドネ・アナ・スタシノポウロウ(Ariadne-Anna Stasinopoulou)」という。ギリシア系帰化人のアリアナは、1986年に共和党下院議員のマイケル・ハッフィントン(Michael Huffington)と結婚したから「ハッフィントン」を名乗っている。ギリシア人の名前より、英国風の名前の方がいいから、離婚した後も亭主の姓を保持しているのだろう。(アリアナは1997年に離婚している。)ちなみに、アリアナが『ハッフィントン・ポスト』を創刊する際に協力したのは、『ブライトバート』を創設した故・アンドリュー・ブライトバートであり、保守派の有名人であったマット・ドラッジである。

Arianna Huffington 01Michael Huffington 1Andrew Breitbart 2









(左 : アリアナ・ハッフィントン /  中央 : マイケル・ハッフィントン /  右 : アンドリュー・ブライトバート )

  それにしても、アリアナの変節は恥ずかしいというか、呆れ返るほどみっともない。1980年代、彼女は「共和党保守派もどき」を演じ、下院議長のニュート・ギングリッジや上院議員のボブ・ドールなどを支持していた。一時期は、あの『ナショナル・レヴュー』にも記事を寄稿していたから、一般の保守派国民は彼女を保守派と思っていた。やはり、一般人なんてチョロいものだ。彼女は有名になるにつれ、その政治的野心を剥き出しにし、2003年、カルフォルニア州の知事選に打って出るが、対抗馬にアーノルド・シュワルツネッガーがいたから蹴散らすことが出来ず、あえなく撤退となった。一般有権者からの人気を得ようとしたのか、それとも“本当の自分”に戻ったのか、アリアナは次第にリベラル派へとスタンスを変えていった。たぶん、元から左翼なんだろうが、出世のためにレーガン人気(保守派の勃興)に便乗したのだろう。

  掛谷氏の発言を切っ掛けに色々な事を述べてしまったが、チャンネル桜の視聴者のみならず、一般の保守派国民はアメリカ社会に興味を持っていても、その知識が乏しいので、ちょくちょく知識人から騙される。なぜなら、一応「保守派雑誌」と呼ばれている『正論』や『WiLL』、『Hanada』といったオピニオン誌が、目先の話題を追求するだけの週刊誌(月刊の同人誌)になっているからだ。月刊『Hanada』の花田紀凱編集長は、元々『週刊文春』の編集長なので、時事ネタを扱って部数を伸ばせばいいという考えだ。それゆえ、知的な記事を求める読者でも、いつの間にか凡庸な論調に慣れてしまい、気楽な記事しか読まなくなる。まぁ、『Hanada』は娯楽雑誌だからいいけど、問題なのは『正論』の凋落だ。編集長が上島嘉郎になってからは衰退が著しく、田北真樹子になったらもう廃刊前の『新潮45』と同じ状態だ。

  平成の頃から保守の言論界は徐々に落ちぶれてきた。こんな状態だから、チャンネル桜が掛谷氏を招くのも当然だし、彼がベン・シャピロに引っ掛かっても不思議じゃない。一般の視聴者は掛谷氏の解説に頷き、「さすが、掛谷先生すごい!」と大感激。「なんで?」と疑問に思う視聴者の方が圧倒的に少数派である。日本の総合雑誌は「米国の保守派がどうなっているのか?!」については無関心だし、購読者自身が幼稚になっているから救いようがない。これじゃあ、雑誌の中身が適当な政治記事で埋め尽くされていても当然である。保守派雑誌を買う一般人は、国内政治のゴタゴタと「韓国・中国けしらからん!」という特集記事を目にすれば満足なんだから、馴染みの無い話題は敬遠となる。こうした知的頽廃に気づけば、どうして櫻井良子なんかが未だに支持されているのかが分かる。「チョコプラ」の松尾じゃないけど、Ikkoを真似て「驚愕ぅぅ~!」と言いたくなるよねぇ~。

  


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BLMを操るテロリスト

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「訓練された」マルキスト

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(左 : BLMの運動に参加する黒人   /  右 : 黒人の暴徒に倒された彫像 )

  人種問題はアメリカ合衆国の宿痾である。これは理性で解決でき問題じゃないから実に厄介だ。ジョージ・フロイドの死亡が切っ掛けで、「黒人の命も大切だ(Black Lives Matter / BLM)」という抗議運動が勃発し、全米各地に広がると、またもや黒人特有の略奪暴行となってしまった。燎原の火と化した暴動は、米国史の否定にまで発展し、怒り狂った黒人どもは、次から次へと偉人の彫像を目の敵(かたき)にしてにして引きずり倒した。クリストファー・コロンブス(コロンボ)の像はもちろんのこと、南軍の将は格好の標的となり、ロバート・E・リー将軍やローレンス・サリヴァン・ロス将軍の彫像も穢されてしまったそうだ。これじゃあ、現代版のフランス革命かビザンツ帝国時代の聖像破壊(iconoclasm)」と同じである。

Shaun King 1(左  / ショウン・キング)
  黒人にとったら建国の父祖や歴代の大統領でさえも「白人至上主義者」に過ぎない。だから、尊敬されるジョージ・ワシントンやトマス・ジェファソン、エイブラハム・リンカン、セオドア・ローズヴェルトの彫像でも例外ではなく、怨念の的になってしまうのだ。そもそもアメリカ合衆国というのは、イギリス人が先祖代々受け継ぐ「イングランド臣民の権利」を守るために創った共和国である。したがって、白人が主役なのは当然。だが、社会の底辺で暮らす黒人には納得できない、というか我慢できない。「白人=抑圧者」で「黒人=犠牲者」というのが、BLMのイデオロギー。黒人奴隷の子孫が多少暴れたって、彼らには免罪符があると考えてしまうのだ。ただし、今回の暴動で恐ろしいのは、ショウン・キング(Shaun King)の発想である。「まさか !」と驚いてしまうが、何と彼はイエズス・キリストの像も「破壊」の対象にしてしまったのだ。西歐人が崇める救世主は、浅黒い中東アジア人ではなく、神々しい白人男性の姿をしている。よって、このキリスト像は嘘偽り。「踏みつけても良い」という理屈だ。

  日本のテレビ局は黒人が略奪をはたらく場面や放火の映像ばかり垂れ流すが、その中心人物を詳しく報道することはない。これは「チャンネル桜」や「虎ノ門ニュース」も同じで、具体的に“どんな人物”が黒人暴徒を扇動し、トランプ政権を揺さぶっているのかを伝えていないのだ。BLMの組織を創設したのは、パトリス・コラーズ(Patrisse Cullors)とアリシア・ガルザ(Alicia Garza)、オパル・トメティ(Opal Tometi)という三人の黒人女性である。

Patrisse Cullors 6Alicia Garza 1Opal Tometi 4








(左 :  パトリス・コラーズ  / 中央 : アリシア・ガルザ   /  右 : オパル・トメティ )

Janaya Khan 1(左  / ジャナヤ・カーン)
  左翼活動家になる黒人というのは、たいてい貧乏か碌でなしの家庭に育っているものである。パトリス・コラーズには「モンテ」という兄がいて、幼い頃から精神分裂症に罹っていた。しかし、母親が稼ぎ頭のコラーズ家では、この息子に充分な治療を施すことはできなかった。パトリスは自分達が“黒人”だから、合衆国は救いの手を差し伸べず、存在しないかのように無視するんだ、と恨んでいたらしい。まぁ、社会の底辺を這いずり回る黒人だから、自らの不幸を誰かの責任にしたくなるだろう。それに、何の力も無い小娘だから、世の中の理不尽さを嘆きたくなる気持ちも解る。第一、家庭の大黒柱たる父親が「ヤク中」なんだからしょうがない。パトリスの父ガブリエルは麻薬に溺れて刑務所暮らしだった。さらに“ウンザリ”するのは、パトリスが「性的にハチャメチャな(queer)」女性であることだ。彼女は男でも女とでもOKらしいが、今のところ同類の女性であるジャナヤ・カーン(Janaya Khan)と“結婚”している。形式はともかく、“人生のパートナー”であるらしい。このカーンはカナダ人の左翼活動家で、「BMLトロント(支部)」の創設メンバーであるそうだ。

  これだけでも呆れてしまうのに、コラーズは驚く事を口にしていた。何と、彼女とその仲間達は「訓練を受けたマルクス主義者(trained Marxist)」であるというのだ。(Yaron Steinbuch, "Black Lives Matter co-founder describes herself as trained Marxist", New York Post, June 25, 2020.) しかし、彼女達がどれくらいマルクスの哲学を理解し、その膨大な思想体系を咀嚼しているのか分からない。ただ、この黒人どもが本気でアメリカ社会を共産主義化できると思っているなら、相当な夢想家だ。たぶん、BLMの連中はマルクス主義なんかに興味は無いだろう。あるのは、白人社会に対する根深い恨みだけで、「とにかく、アメリカ社会を根底から覆したい」というのがBLMの原動力だ。彼らには白人社会を破壊した後の青写真(復興計画)なんか無い。単に、白人社会に駄々をこねて待遇改善を要求するだけ。だいたい、黒人が天下を取ったからといって、彼らに国家運営ができるのか? せいぜい、「ちょっとマシなジンバブエ」といった程度だろう。

Eric Mann 02(左  /  エリック・マン)
  我々が注目すべき点は、コラーズの指導者が誰であるか、という点だ。当ブログの読者だと、何となく“察し”がくつと思うが、彼女はエリック・マン(Eric Mann)の弟子(protégé)なんだって ! 普通の日本人だとピンとこないが、アメリカの左翼活動家を研究している者なら、「SDS(Students for Democratic Society)の残党か !」と分かるはずだ。このエリック・マンは赤いオムツで育ったユダヤ人。彼の一族は1900年代、ロシアのポグロムを逃れてきたユダヤ移民である。父親のハワードは繊維業者の労働組合を率いる遣り手の幹部で、「青年社会主義者同盟(Young People's Socialist League)」に属していたそうだ。母親のリビーは百貨店の従業員であったが、心の底から全体主義を嫌うユダヤ人左翼。そのうえ、フェミニズムを信奉する先駆的女性であった。「蛙の子は蛙」で、「亀の親は亀」というように、赤いユダヤ人の子は赤い親から生まれている。エリックの祖母であるサラ・マンデルも左翼分子で、縫製工場で働く女性従業員が創る国際労働組合に属していた。こうした左巻きの家庭で育ったエリックは、幼い頃から反ユダヤ主義に晒され、近所のガキどもからからかわれていたそうだ。不幸な少年時代を過ごしたエリックが、アメリカの人種差別を憎んだのも当然である。そして、怨念に取り憑かれたユダヤ青年は、やがて黒人解放運動へと関わって行く。

Eric Mann in 1969( 左 / 1969年、学生時代のエリック・マン )
  SDSはテロリスト集団の「ウェザーマン(Weatherman)」と深く関わっていたから、そのSDSに属していたエリック・マンが兇暴な学生運動に傾倒していったのは自然の成り行きだ。1960年代の左翼青年がベトナム戦争に反対したり、黒人の公民権運動を支援するなんて珍しくなかった。コーネル大学を卒業したエリックは、「人種平等会議(Congress of Racial Equality)」の書記になると、ニューイングランド地域の反戦運動においてリーダー的存在になっていた。しかし1969年、彼は暴行傷害や秩序紊乱、器物破損などの罪で有罪判決を受け、18ヶ月の懲役刑に服する。それでも、エリックはめげず、釈放後の1971年には「赤い刑務所運動(Red Prison Movement)」を通して左翼活動に励んでいた。エリックも両親と同じ道を歩みたかったのか、自動車業界の労働組合に関わり、資本家と労働者の階級闘争を煽っていたから、有害人物としか言い様がない。エリックは根っからの革命屋なのか、人種差別撤廃や黒人およびヒスパニック国民の地位向上に尽力したかと思えば、社会正義や移民問題、更には環境問題までに首を突っ込んでいたという。もうホトホト呆れてしまうが、ユダヤ人というのは、本質的に左翼活動が趣味なのかも知れない。

テロリストのユダヤ人

Joanne Chesmard 2(左  /  ジョアンヌ・チェズマード)
  BLMという運動は、自然発生的な現象ではない。全米各地に飛散した黒人の暴動には隠された意図がある。もちろん、この抗議デモに参加した一般黒人は、「義憤」に駆られたボランティアなんだが、彼らを動かす人物はタダ働きのアマチュアではない。アリシア・ガルザが言及していた人物には興味が惹かれる。その一人は、黒人テロリストのジョアンヌ・チェズマード(JoAnne Chesmard)で、「アサタ・シャクール(Assata Shakur)」と名乗った殺人鬼。このシャクールは元々、黒人解放軍(Black Liberation Army)とブラック・パンサー党(Black Panther Party)のメンバーで、1973年にニュージャージー州の警察官であるウェルナー・フォースター巡査を殺害し、同僚のジェイムズ・ハーパー巡査を負傷させた。裁判にかけられたシャクールは、有罪判決を受けて懲役刑に服す。ところが、殺人罪で終身刑となったシャクールは、1979年に仲間の手引きで脱獄に成功する。そして、キューバに政治亡命。以後、彼女はFBIの指名手配を受け、その首には2百万ドルの懸賞金がつけられているそうだ。

  翻って、もう一人、BLMの創設者に影響を与えたのは、スーザン・ローゼンバーグ(Susan Rosenberg)である。彼女は「シャクールの脱獄を手助けしたのでは?」と疑われた人物。このローゼンバーグも筋金入りの左翼ユダヤ人で、テロリスト集団である「ウェザー・アンダーグラウンド(Weather Underground)」のメンバーであった。以前、当ブログで紹介したけど、ローゼンバーグはビル・エアーズやバーナディン・ドーンの仲間である。ローゼンバーグは「5月19日共産主義機構(May 19th Communist Organization / M19)」というテロ・グループに属し、スタッテン・アイランドにあるFBI支局や、ワシントンDCにある海軍施設、さらに首都にある連邦政府ビルをターゲットにしていたという。1984年、彼女と仲間のティム・ブランクは、四年前テキサスの建設会社から盗んだダイナマイト約740ポンドを所持していたところを逮捕され、仮釈放無しの懲役58年の有罪判決を受けた。

Susan Rosenberg 2Weather Underground 1









(左 : スーザン・ローゼンバーグ  / 右の三人 : 「ウェーザー・アンダーグラウンド」の受刑者 )

  しかし、ローゼンバーグのような極左ユダヤ人は「自分が悪かった」とは反省しない。何しろ、ジャーナリストのマール・ホフマン(Merle Hoffman)からインタビューを受け、「模範とする人物(role models)は?」と訊かれた時、彼女は「エマ・ゴールドマン(Emma Goldman)よ !」と答えていたのだ。(Merle Hoffman, "America's Most Dangerous Woman ?", On The Issues Magazine, Vol. 13, 1989) しかも、13歳の時から尊敬していたというから、まともなアメリカ人が聞けば、「えぇっ!!」と驚き、天を仰いでしまうだろう。エマ・ゴールドマンは極左マルキストのユダヤ移民で、札付きの無政府主義者であった。この真っ赤なユダヤ人は、カーネギー製鉄所の経営者ヘンリー・クレイ・フリック(Henry Clay Frick)の暗殺を謀ったことで投獄される。懲役1年の実刑を受けたゴールドマンは、10ヶ月後に釈放されるが、それでも懲りず、産児制限の宣伝や反戦運動を繰り返し、アメリカ社会の悪性腫瘍となっていた。そこで、司法省のアレグザンダー・ミッチェル・パーマー長官と治安対策を担当していたJ. エドガー・フーバー(後のFBI長官)が動いてゴールドバーグを国外追放にした。まさしく、ユダヤ人左翼は昔から有害民族である。

Emma Goldman 1(左  / エマ・ゴールドマン)
  テロリズムに没頭する革命家というのは、根っからの“ワル”だから、暴力団員みたいに何でも利用する。ローゼンバーグはユダヤ教徒の家庭に生まれたことを利用して、その罪を詫びるどころか、むしろ自己弁護に努めていた。獄中に繋がれたローゼンバーグは、自分と仲間達を「抵抗運動の戦士(resistance fighters)」と呼び、「アメリカ帝国主義に叛旗を翻し、革命闘争に尽力しているんだ」と述べていたのである。そして、ニュルンベルク裁判や世界人権宣言に言及したかと思えば、戦争犯罪に異議を唱える人々を称讃し、抵抗権を与える国際法などを持ち出して言い訳を繰り返していたのだ。ローゼンバーグ曰わく、アメリカは犯罪国家である。南米に危害を加えるアメリカ人は、イラン・コントラ事件を起こし、プエルトリコ人や南米原住民を皆殺しにする悪党であるそうだ。

  狂暴なテロリストであるくせに、ローゼンバーグは獄中で急にユダヤ信仰に目覚めたらしく、刑務所で慰問活動を行うラビのショロム・カーマンソン(Sholom Kalmanson)を抱き込むことにした。彼女は獄中における反ユダヤ主義が酷いことを訴え、善人を気取るラビを味方にしようと謀っていた。彼女は逮捕前に警官から「この女(bitch)は、ユダヤ人(kike)だぜ !」と侮蔑されていたことを述べ、如何にアメリカ社会がユダヤ人を差別しているかを語っていたそうだ。本当に猿芝居みたいだが、一般のアメリカ人は意外と簡単に騙されるので、ローゼンバーグはその弱点を突き、「差別に苦しむユダヤ人」を演じる事で過激派になった自分を弁解していた。さらに、刑務所内での人権を訴えるローゼンバーグは、服役中でも勉強を欠かさず、アンティオク大学の通信講座を受けて修士号を取得していた。ホント、ユダヤ人は抜け目がなく、筋肉ばかりが自慢のアホな黒人とは大違い。書物を読んで知識を蓄え、出所後の生活に備えている。

  このローゼンバーグは悪運が強いというか、有力な人脈を持っていたのか、2001年1月20日、退任間際のビル・クリントン大統領から恩赦を受けて出獄することができた。女房のヒラリー同様、亭主のビルもユダヤ・マネーにドップリと漬かっていたから、倫理道徳および名誉の概念とは全く縁が無い。だいたい、あの海外逃亡犯のマーク・リッチ(Marc Rich / 脱税や恐喝で起訴されたユダヤ人)にも恩赦を与えていたのだ。ユダヤ人の金持ちはイスラエルという避難場所があり、裕福な友人を持っているから、経済犯罪なら帳消しにできる。とにかく、普通の前科持ちが娑婆に出れば、世間の冷たい視線を浴びながら惨めな生活に甘んじるはずだが、ローゼンバーグは違っていた。彼女は「米国ユダヤ世界奉仕(American Jewish World Service)」という団体で雇ってもらうことができた。(ユダヤ人は国際組織の利点をよく弁えているので、シオニストからオルガルヒ、慈善団体からマフィアに至るまで、世界各地を結ぶネットワーク作りに長けている。)

Bill Clinton 1Marc Rich 111Susan Rosenberg 1









(左 :  ビル・クリントン  / 中央 : マーク・リッチ  /  右 : スーザン・ローゼンバーグ  )

  ユダヤ人というのは組織作りが得意で、ローゼンバーグはコミュニケーション・コンサルティング業を行う「Sync It Communications」という団体や、女性の元受刑者を世話する「Natioanl Council for Incarcerated and Formerly Incarcerated Women and Girls」という団体を創っていた。さらに、彼女は「Eroll Garner Jazz Project」で主幹になっていたそうだ。もう呆れてモノが言えないが、ローゼンバーグは“ムショ帰り”なのに、NYのマンハッタンにあるジョン・ジェイ大学(John Jay of Criminal College)で教職に就き、その後、ハミルトン・カレッジ(Hamilton College)でも教職に就けたという。まくったく、アメリカというのは異常な国である。

黒人運動の資金源

  我々が注目すべき点は色々あるが、特筆すべきは、ローゼンバーグが「サウザンド・カレンツ(Thousand Currents)」という左翼団体に属し、そこの重役会議で副議長を務めていたことだ。(笑ってしまうけど、彼女のプロフィールには、「人権活動家で囚人の権利を訴える作家」という肩書きが記されていた。) この「サウザンド・カレンツ」は黒人活動を支援する合法組織で、慈善団体に登録できないBLMグループのために庇護者的なスポンサーとなり、大量の資金を流していたのだ。約640万ドルの資産を持つ「サウザンド・カレンツ」は、今年だけでもBLM運動に約180万ドルの献金を行っていたという。(Jerry Dunleavy, Black Lives Matter fundraising handled by group with convicted terrorist on its board", Washington Examiner, June 25, 2020.) 

  左翼陣営の資金源というのは複雑である。この「サウザンド・カレンツ」には親組織なるものがあって、民衆党の集金マシーンとなっている「アクト・ブルー(ActBlu)」がパトロンになっている。左翼分子のエリン・ヒル(Erin Hill)が率いる「アクト・ブルー」は、個別の議員ではなく、民衆党全体に資金を流す支援団体で、2018年には16億ドルもの献金を集めたそうだ。前回の大統領選挙ではバーニー・サンダースを金銭的に応援し、今回は駄馬のジョー・バイデンを掩護しているというから、極左団体というのは実に気前がいい。今年はイベントが目白押しとなっているのか、亡くなったジョージ・フロイドをも看板にして数百万ドルもの募金を集めたそうだ。

  民衆党のパトロンと言えば、ユダヤ人の大富豪が直ぐ思い出される。案の定、BLMにもユダヤ人の金銭が注入されていたようで、あのジョージ・ソロスが間接的に資金を流していた。BLMの共同創設者であるアリシア・ガルザは、「全米労働者同盟(National Domestic Workers Alliance)」という団体に属し、看護婦とか乳母、家政婦、介護師を支援する「特別プロジェクト(Special Project)」を任されている。そして、この団体はジョージ・ソロスの「タイズ財団(Tides Foundation )」から援助を受けており、2013年には1万ドル、2014年には4千804ドルのお金を貰っているそうだ。

Erin Hill 03George Soros 2Opal Tometi 02









(左 : エリン・ヒル  / 中央 : ジョージ・ソロス / 右 : オパル・トメティ )

  他方、もう一人の共同創設者であるオパル・トメティは、ナイジェリア移民の娘であるから、移民に対し特別な感情を有している。彼女は移民を世話する「Black Alliance for Just Immigration (BAJI)」という非営利組織に属し、そこの最高執行者となっているそうだ。このBAJIはマルクス・レーニン主義を掲げる「Freedom Road Socialist Organization」の前衛組織で、「タイズ財団」と「NRO Philanthrophy」から資金を貰っている。この「NEO Philanthropy」も左翼慈善団体で、元々はドナルド・ロス(Donald K. Ross)が創設した「Public Interest Project」が母体となっており、「U.S. Pubic Interest Research Group」の下部組織となっている。創設者のロスは環境問題や社会問題を取り扱うロビーストで、あの有名なラルフ・ネーダーと組んで政治活動を行っていたというから、根っからの左翼だ。ちなみに、コロンビア大学時代のバラク・オバマは、PIRGのニューヨーク支部で常勤職員となり、「コミュニティー・オーガナイザー」として活躍していた。つまり、役職について現地の黒人どもを束ねる「プロ市民活動家」という役目だ。

Donald Ross 01(左  / ドナルド・ロス )
  1985年から1999年まで、ロスは「ロックフェラー・ファミリー基金」の首席運営者であったから、かなりの人脈を持っていたのだろう。「NEO Philanthropy」の献金者リストには有名な団体が名を連ねている。例えば、「マッカーサー財団(MacArthur Foundation)」や「アトランティク慈善(Atlantic Philanthropy)」を始めとし、「カーネギー財団」や「フォード財団」、「ジル財団」からも献金がなされていたという。アメリカの慈善団体とか非営利団体、財閥系の基金などは、舞台裏で蜘蛛の巣のように繋がっており、民衆・共和の両党からヒスパニックや黒人組織にまで、大量の金銭がばら撒かれている。

  民衆政治というのは大富豪にとって都合のいい政治形態となっており、莫大な富を有する者が、一票乞食の下層階級を操って政治を動かす。両者の攻撃を受けて困るのは、国家の支柱となっている中流階級の白人だ。普通の日本人は気づかないが、脱税で資産を増やす大富豪にとって、猜疑心を持つ中流白人は厄介な「敵」である。特に、西歐系白人は監視の目が鋭いから、不正な手段で蓄財に走るビジネス・エリートを胡散臭く思っている。だから、この忌々しい白人を懲らしめるためには、その敵となっている黒人を使うのが上策だ。日本では「馬鹿と鋏は使いよう」と言うじゃないか。どうせ、黒人なんかは上流階級に近づけないから、適当に銭をくれてやり、うるさい白人といがみ合わせておけばいい。悧巧な大富豪は「漁夫の利」で更に資産を増やす。

  日本のニュース番組やワイドショーは、「黒人の暴動」と言わずに「若者の抗議」とすり替えるが、黒人がいくら暴れ回っても何の解決にもならない。黒人は「社会正義」とか「人権」とやらを振り回して気分爽快だが、結局は、白人に駄々をこねて何らかの地位や利権を得たいだけだ。黒人は「奴隷としてアメリカに“強制連行”された!」と憤るが、それなら、奴隷解放後にリベリアに戻れば良かったじゃないか。しかし、大半の黒人は「黒いモーゼ」たるマーカス・ガーヴィーに背を向け、アメリカに留まることを選んだ。おそらく、彼らは蔑まれる下層階級の元奴隷でも、あの貧乏なアフリカに帰るよりも“マシ”と考えたのだろう。要するに、黒人は白人社会で暮らすことが幸せなのだ。もし、黒人だけで国家を運営したら、南米諸国よりも惨めな状態になるのがオチである。黒人はこうした本音を絶対に認めないが、彼らの矛盾した行動やねじれた精神を調べれば、重度の白人依存症ということは明白だ。悲しいけど、現実はこんなものである。



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