無敵の太陽

主要マスメディアでは解説されない政治問題・文化・社会現象などを論評する。固定観念では分からない問題を黒木頼景が明確に論ずる。

アメリカ合衆国

デモクラシーの予防策 / 選挙人が暴民政治を掣肘する !

支那人の卑史 朝鮮人の痴史 教科書に載せて全日本人に知らせたい現代史 [ 黒木 頼景 ]
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デモクラシーを懸念していた建国の父祖

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  2020年のアメリカ大統領選挙は未だに混迷を深め、不正選挙の疑惑と選挙人の獲得数が世間の注目となっている。12月14日、主要メディアはジョー・バイデンが選挙人を306人獲得し、232人しか取れなかったトランプを破って次期大統領になる、と報じていた。しかし、この投票結果はマイク・ペンス副大統領に渡されるだけで、2021年1月6日になるまで了承されないのだ。もし、ペンス氏が何らかの不正や犯罪を理由にすれば、この投票結果を受け付けない可能性だってある。通常、人民投票で選挙人が選ばれれば、この代表者達はそのまま一般有権者の意思を伝え、副大統領は国民が選んだ候補者を次期大統領と宣言するはずなんだが、今年はどうも勝手が違うようだ。今のところ、バイデンが次の大統領なのかどうか判らない。

  それにしても、なぜアメリカでは選挙人団を止めて、国民投票の結果だけで次期大統領を決めないのか? 以前、ヒラリー・クリントンは度々、公衆の前で「選挙人など時代遅れだ。人民投票だけで大統領を選ぶべし !」と述べていた。ところが、イングランドの伝統的精神を受け継ぐ建国の父祖は違っていた。現在のアメリカ合衆国が「デモクラシー」を標榜しながらも、依然として「間接民衆政(代議政体)」を執っているのは、独立戦争の指導者層が民衆政治の危険性を嗅ぎ取っていたからである。

  古代ギリシア史を繙けば解るけど、民衆(demos)なんて教養を持たない俗人である。嫉妬深くて愚劣なのに、目先の利益だけには矢鱈と敏感だ。しかし、気紛れで軽率だから、口車に乗せられて騙されることが多い。何しろ、自尊心だけは高いが、肝心な思慮分別に缼(か)けるので、狡猾な連中に直ぐ扇動されてしまう。「捕らぬ狸の皮算用」でほくそ笑む大衆は、いつの間にか大損をして泣き寝入り、というのが定番である。一票乞食というのは、銀貨1枚を貰って喜ぶ子供と同じで、後に金貨10枚を取られとは思っていない。綺麗事を並べて民衆を唆(そそのか)す奴には別の魂胆があるもので、まともな大人はその胡散臭さに感づき、簡単には信用しないものである。「煽動者」を表す「デマゴーグ(demagogue)」とは、「民衆(demos)」の「指導者(agogos)」を意味する。

  ちなみに、「デマゴーグ」は「ペダゴーグ」と語源が似ていて、高校生なら「教師」を意味する「ペダゴーグ(paedagogue)」という言葉を聞いたことがあるだろう。古代アテナイでは、子供が6歳くらいになると「教師」を雇って体育や知育を担当させたらしい。古代ローマ人は教養のあるギリシア人を捕らえると、この奴隷を「家庭教師(pedagogi)」にして子供の教育を任せたそうだ。ギリシア語で書かれた新約聖書では、イエズス・キリストが「教師」として描かれているが、これはギリシア人を意識しての表現だろう。ファリサイ派のユダヤ人たるニコデモ(Nikodemos)は、イエズスを「ラビ(rabbi)」と呼んだが、当時のギリシア人には「ペダゴーグ(指導教師)」の方が分かりやすかった。(ヨハネによる福音書第3章第2節を参照。)
  
  脱線したので話を戻す。大衆が如何に気紛れで無責任かは、プルタークの『英雄対比伝』を読むとよく分かる。アンティオーキス族出身のアリスタイディース(アリスティーディス / Aristides)の例は有名だ。彼は有能な統治者(アルコン)であったが、それゆえに嫉妬の的になりやすく、民衆の気紛れによって運命を変えられてしまった。驚く事に、アリスティーディスは貝殻追放(ostrcism)の目に遭ってしまったのだ。

  ある日のこと。無教養な田舎者には排斥したい奴がいた。彼は「貝殻(ostrakon)」にそいつの名前を書きたかったが、生憎「文字」を書けないので、通りがかりの人に名前を書いてもらうことにした。そこで、この文盲はアリスティーディスを一般市民と勘違いしたので、貝殻に「アリステーディス」と書いてくれるよう頼んだそうだ。

  ビックリしたアリスティーディスは、「この田舎者に“どういう迷惑”をかけたのか」、と訳が解らなかったので、その理由を尋ねてみた。すると件(くだん)の男は次のように答えた。

  いいや迷惑なんぞ一つだってありゃしない。当人を識ってもいないんだが、ただどこへ行ってもあの男が正義者正義者と呼ばれるのを聞き飽きたまでさ。(『プルターク英雄伝』 第三巻、鶴見祐輔 訳、潮出版、 昭和46年、p.229.)

  これを聞いたアリスティーディスは何も言わず、黙って自分の名前を書き、この田舎者に渡したそうだ。大衆というは今も昔も変わらないもので、「何となく癪に障るからギャフンといわせてやる !!」といった程度の考えで、優秀な為政者をやっつける。民衆は偉人を望むが、いざ偉人が現れると、その英雄を妬んだり、時には憎んだりもする。不特定の人々、すなわち国民全体に奉仕する者は、その利益を受ける民衆からは選ばれない。もし、偉人の出現があるとしたら、それは殿様による「一本釣り」くらいだ。西郷隆盛を見出したのは、薩摩の百姓じゃなく主君の島津斉彬だった。

Alexander Hamilton 1James Madison 1John Jay 1








(左 : アレクサンダー・ハミルトン /  中央  : ジェイムズ・マディソン  / 右 : ジョン・ジェイ )

  アレクサンダー・ハミルトンやジェイムズ・マディソンのみならず、ジョージ・ワシントンやベンジャミン・フランクリン、トマス・ジェファーソン、ジョン・ジェイなどはギリシア・ローマの古典に精通し、共和政体の強さや弱さを充分心得ていた。だからこそ、彼らは揺籃期の共和国が煽動者や外国勢力に奪われないよう、幾つもの防禦策を施していた。その一つが選挙人団で、これは直接民衆政の缼点(けってん)を補うものである。独裁者は民衆の熱狂により現れる。烏合の衆は根拠なき噂や一時的な感情でイワシのように動くから、彼らに直接、執政官や大統領を選ばせるのは賢明ではない。建国の父祖は民衆の政治参加を認めながらも、彼らよりも信頼の置ける地域の名士や紳士に期待を寄せていた。「プブリウス(Publius)」の筆名を用いたアレクサンダー・ハミルトンは、『ザ・フェデラリスト』の第68篇で「大統領・副大統領の任命方法」を書いていた。 

  大統領を直接に選挙する機関を構成する複数の人物の選挙は、最終的に公的意思を代表し、体現する一名の人物を選ぶ場合よりは、極端な運動や暴力的運動により社会を混乱に陥れらせる傾向は格段に少ないだろう。 (『ザ・フェデラリスト』 斎藤眞・武則忠見 訳、 福村書店、1991年 p.331. / Alexander Hamilton, James Madison and John Jay, The Federalist Papers, New York : The New American Library, 1961, p.412.を参照。)

  確かに、我が国でも地元で「名士」と呼ばれる人の方が、無学な百姓や職人よりも信頼できるし、領民を統治する武士階級なら遙かに見識や判断力の点で優れている。独立戦争で活躍した「元イギリス人」は、母国の貴族政を持つことが出来なかったので、その代替案としてローマ的な共和政体を選ぶことにした。ただし、本来の共和政なら、氏族の首長で構成される元老院が必要なんだけど、まさかイングランドから公爵や伯爵を招く訳にもいかなかったので、紳士階級の白人男性が上院や下院の政治家になればいいと思っていた。ちなみに、「有徳の士」は教養と財産を持つ白人というのが当時の常識。建国の父祖からすれば、赤い黒人が大統領になるなんて驚天動地の悪夢だ。

  現在のアメリカでは内部腐敗や外国勢力の跋扈が問題となっている。民衆党は大富豪と貧民が共存するグローバリスト集団で、合衆国を内部から食い潰すリヴァイアサン(Liviathan / 巨大な海獣)。共和党もユダヤ系のネオコン軍団が牛耳るビヒモス(Behimoth / 巨大怪獣) で、保守主義を掲げた国際派集団に過ぎない。建国当時のアメリカでも政治家の腐敗や人民の愚行、外国による政治介入などが懸念されていた。しかし、ハミルトン等は徒党や陰謀、腐敗に対しての予防策を考えていた。民衆が直接投票で大統領を選ぶのではなく、人民の意思を受けた選挙人が大統領を選ぶことにしたのである。仮に、民衆が暴君や独裁者となり得る人物を選んでも、思慮深い選挙人がその正体を見抜き、そのまま大統領に就任させることはない。『ザ・フェデラリスト』では以下のように述べられている。

  憲法会議は、あらかじめ自分の票を売るような不正行為をするかもしれない人々からなる既存機関のいかなるものにも、大統領任命を左右させるようなことをせずに、それを、第一段階としてアメリカ人民の直接行為にまかせ、大統領を任命するというそのときだけの単一の目的のための人物を選ぶことに従事させている。(上掲書、p.332)

  ただし、選挙人は連邦の上院議員や下院議員、その他の公職で報酬を得る人ではない。もし、大統領選挙の後、選挙人が閣僚とか公職者になれば賄賂や不正が横行するので、選挙人は一種の名誉職である。ハミルトンは選挙人制度の利点を述べていた。

  したがって、人民全部が腐敗しない限り、大統領を選ぶ権限を直接代行する人々は、少なくとも、いかなる有害な偏見にも煩わされることなく、その任務を果たすことができるだろう。・・・およそ、団体が相当数の人々から成り立っている場合には、彼らを腐敗させる仕事は、それなりの時間と手段を必要とする。(上掲書、p.332.)

  独立当時、アメリカ社会には平等主義が浸透していたが、その一方で、政治指導者は紳士階級が民衆の模範になることを望んでいた。これは如何にもイギリス人らしい考え方だが、西歐の政治学で重要なのは国民の同質性である。もし、平等な国家を欲するのであれば、その国民は似たような者でなければならない。なぜなら、法制度は国民の倫理道徳や“共通認識(常識)”に基づくからである。いくら立派な法律を制定しても、それを人民が守らなければ、絵に描いた餅であろう。また、同じ伝統や文化を有していないと、政治的対立の解決が難しくなる。たとえ、法的な決着が付いても和解に至らず、何時までも憎み合ったままだ。

  そして、自由を尊ぶアメリカでは、民衆による自由の理解が重要になってくる。自由を求める者は、自由を維持した経験がないと、自由を享受することはできない。アジア諸国やアフリカ大陸の民衆は、独立不羈の気概が無く、安易な生活のためなら、自ら進んで隷属的な状態を甘受しようとする。先祖代々、土豪や暴君の圧政に慣れた者が、いきなりアメリカに移住したからといって、民衆政治の支柱にはなれる訳じゃない。支那人がアメリカに渡ってくれば、彼らは「善き国民」とはならず、チョロマカシの達人か不正の拡散員になってしまうだろう。支那人はデモクラシーの支柱とはならず、逆にその柱を食い尽くすシロアリだ。彼らは才幹(virtu)を備えていても、それを公益に使う事はなく、常に私腹を肥やすために使おうとする。デモクラシーから利益を得ても、支那人が考えることはその弱点を突いて儲けようとする事だけ。また、この強欲民族には遵法精神というものが一切無いから、如何にして法の網を掻い潜ろうか、とばかり考える。

Aristotle 1( 左 / アリストテレス )
  現在のアメリカ人とは違い、ギリシア哲学の泰斗であるアリストテレスは、民衆政治を「暴民(愚民)政治(mobocracy)」と考え、立憲政治である「ポリテイア( πολιτεια / politeia)」の方を「より善い支配形態」と考えていた。そして、刮目すべきは、アリストテレズが「自由人」たる公民の“同質性”を述べていたことだ。この哲人は自分と生まれが同じ者による支配形態を好んでいた。

     支配者は政治家的支配を、支配されることによって学ばなければならない、ちょうど騎兵を支配することは騎兵として支配されることによって、将軍として支配することは将軍に支配され、将軍の部下の部隊長として、またその部下の区隊長として支配することによってである・・・それ故また、「支配された者でなければ善き支配者たることは出来ない」という言葉も実際真実である。・・・善き国民は支配されることも支配することも知り、且つ出来なければならない。そうしてそれが国民の徳である、すなわち、自由人の支配をその両面によって知ることが。(アリストテレス 『政治学』 山本光雄 訳 岩波文庫、1961年、p.132.  / 第3巻 第5章、1277b / 10)

  現在の西歐系アメリカ人は、民族と出身国を重視する移民法を捨て去り、「誰でも大歓迎 !」といった移民政策で衰退の道を歩んでいる。アメリカ合衆国は元々、イギリス人やスコット人の入植者が主役となる共和国であったのに、大量の有色人種を取り入れてしまい、原形を留めない多民族国家になってしまった。それ故、今日のアメリカ人に「常識」が無いのは当然で、人種や階級で社会が分裂しているのは周知の事実。1950年代までのアメリカなら、今回のような不正選挙が起これば、直ちに民衆が騒ぎ始めるだろう。そして、いくら政治家や官僚が「不正は無かった」と反論しても、それを鵜呑みにする国民は少なく、言い訳を述べる政治家の方が焦ってくる。昔のアメリカ社会にはキリスト教の倫理道徳が深く浸透していたので、不正の悪臭を封じ込めるのは至難の業だった。

  12月14日が過ぎた現在、「次期大統領」はジョセフ・バイデンとなっている。だが、本当にバイデンが1月に就任するのかどうか、今のところ分からない。大手のマスコミは「確実」と宣言しているが、トランプ大統領は何らかの方法で逆転を狙ってくるだろう。例えば、北京政府から合衆国憲法を守るために、限定的で緩い戒厳令を敷くかも知れないし、「外国情報監視法(FISA / Foreign Intelligence Surveillance Act)」を用いて叛逆者を逮捕するかも知れない。トランプ大統領なら軍事法廷を開いて国賊を処罰する、ということも有り得る。どうせ来月になればホワイトハウスを明け渡すことになるんだから、出来る事なら何でもするだろう。確かに、合衆国大統領には様々な権能がある。合法的に付与された権力なら遠慮なく使うべきだし、実際、トランプ大統領はそれを最大限に利用するだろう。もしかすると、数々の敗訴や劣勢を許してきたのは、非常手段を使うための布石なのかも知れないぞ。とにかく、来年になるまで大統領選挙の結果は分からない。




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内乱に備えるトランプ大統領 / 蜃気楼の先にある未来

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国防長官が交代した !

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  今回の大統領選挙は稀にみる混戦となってしまった。日本のテレビ番組では、ジョー・バイデンの当選が確実となっており、まるで政権交代が進んでいるかのような雰囲気だ。しかし、幾つかの州における選挙人の獲得数は未だに決まっておらず、裁判の結果でどうなるか分からない。一部の言論人は最高裁でトランプの訴えが退けられ、バイデンが次期大統領になるだろうとの予想を立てている。ところが、トランプ自身はやる気満々で、「もう駄目だ!」と諦める気配がまるでない。むしろ、これからが本番といった意気込みだ。

Putin 002( 左 / プーチン大統領 )
  ここで面白いのは、「バイデン勝利」との報道を受けた各国首脳の反応である。カナダのジャスティン・トゥルードー首相は、左翼の典型だからバイデンを持ち上げても当然。ブリテンのボリス・ジョンソン首相やフランスのエマニュエル・マクロン大統領なども、早々とバイデンの勝利を認め、祝福のメッセージを送っている。日本の菅総理も負けてはならぬと奮発し、バイデンとハリスに向けて祝福の言葉を述べていた。ところが、ロシアのプーチン大統領は沈黙を守っている。正式な結果が出るまで祝電を控えているそうだ。さぁ~すが、悪党の親玉は冷静である。もしかしたら、何らかの情報を摑んでいるんじゃないか。だいたい、あのロシア人が何の情報も得ていないというのは信じられない。ロシアの対外諜報部は一流で、米国の深部にまで浸透している。だから、大統領選における不審な動きを察知しているのかも知れない。だいたい、KGB出身のプーチンが米国の選挙を黙って眺めているのか?

  もしかしたら、プーチンはトランプの行動を予想していたのかも知れないぞ。そもそも、ロシア人なら不正選挙には驚かない。八百長選挙なんてしょっちゅうだし、100%の投票率だって有り得る。だから、プーチンは不正投票の臭いに気づいているのかも。ちなみに、ロシアでは“不正選挙”なんてない。なぜなら、プーチンが「俺に投票しろ !」と命令するから、どんな国民でも素直に粛々と従う。独裁が当たり前のロシアだと、プーチン以外の候補者に投票する方が“不正”というか、“逸脱行為”になってしまうのだ。まぁ、これはよくあるアメリカン・ジョークだけど、ロシアみたいな国なら100%の投票率も有り得るが、普通の西側諸国だと、せいぜい60%か68%くらい。もし、97%の投票率とか、125%に迫る超得票率があったら、「裏に何かある !」と思った方がいい。ネヴァダ州などでは、100歳を超えた人や2年前に死んだ人が投票したと囁かれているが、そんなアホなことが実際にあって黙認されるのか、と疑いたくなる。

  トランプ大統領が本格的に法廷闘争を始めたことは日本でも伝えられている。だが、国防長官が交代したことはあまり知られていない。そもそも、日本の一般国民は国防長官がマーク・エスパー(Mark Esper)だったことも知らないから当然なのかも。11月9日、トランプ大統領はエスパー長官をクビにした。空席になった長官席には、国防省で特殊作戦や低度の紛争問題を担当する、補佐官のクリストファー・ミラー(Christopher Charles Miller)大佐が就いた。(実際には、「一時的な長官職」となっている。) 彼は元「グリーン・ベレー(Gréen Bérets / 陸軍特殊部隊)の戦闘員で、アルカイダやタリバンが絡む任務についたことがあり、アフガニスタンやイラクに派遣されたこもあるそうだ。彼は海軍大学や陸軍大学で安全保障を専攻し、実務にも長けているというから、結構頼もしいテロ対策の専門家である。

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(左 : マーク・エスパー前長官   / 中央 : 現役時代のクリストファー・ミラー  /  右 : 国防長官となったミラー )

  トランプ大統領とエスパー長官との軋轢は以前から囁かれていたことで、BLM(黒人の命も大切だ)騒動の時、トランプ大統領は軍隊の出動まで考えていたが、エスパー長官は軍の投入に反対だったという。確かに、合衆国の軍隊は対外用で国内の暴動鎮圧に用いるべきではない。ただ、民衆党の知事がいる州で黒人の暴動が起きると、州兵の出動がかなり遅れるので、州内の一般国民は甚大な被害を受けてしまう。だから、トランプ大統領は民衆党の知事に痺れを切らし、「お前が州兵を動かさないんなら、俺が軍隊を差し向けるぞ !」と言いたかったのだ。2020年6月に全米各地で黒人による暴動が起きたけど、イリノイ州知事のJ.B.プリツカー(Jay Robert Pritzker)やワシントン州知事のジェイ・インズリー(Jay Inslee)、ニューヨーク州知事のアンドリュー・クウォモ(Andrew Cuomo)、ワシントン州知事のケイト・ブラウン(Kate Brown)などは、州兵(National Guards)の投入に消極的で、いたずらに暴動を長引かせてしまった。民衆党のリベラル派というのは、矢鱈と黒人やヒスパニックに同情するから、放火や略奪が起きても断固たる行動を取らないケースがしばしばある。

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( 左 : J.B.プリツカー  / ジェイ・インズリー  /  アンドリュー・クウォモ / 右 : ケイト・ブラウン  )

  これから法廷闘争が本格化するというのに、突然、トランプ大統領は国防長官を更迭した。この時期に閣僚の交代というのは普通じゃない。国防長官の馘首に何の意味があるのか? おそらく、トランプ大統領には何らかの計画があるんだろう。もしかしたら、「トランプ逆転」の事態となった時、民衆党の過激分子がBLMのような暴動を起こす、と予見しているのかも知れない。何しろ、民衆党の左派陣営には、「あの憎いトランプがホワイトハウスから叩き出されるぞ !」と大喜びする連中がウヨウヨいる。TVキャスターの中にも強烈な反トランプ支持者がいるようで、あまりにも嬉しくて本番中なのに感無量となるんだから、相当なお祭り騒ぎである。したがって、もし「トランプの勝利、再選」となれば、大規模な抗議デモが起きても不思議じゃない。その時、民衆党の知事は暴動鎮圧に協力してくれるのか? 何となく、不吉な予感がする。

内部告発者の話は「でっち上げ」?

Rob Weisenbach 1( 左 / ロブ・ワイゼンバッハ)
  米国の権力機構にも反トランプ勢力が蔓延っているようで、バイデンに不利な証言をする者を抹殺しようとする動きがあった。例えば、ペンシルヴァニア州のエリー郵便局に勤めるリチャード・ホプキンス(Richard Hopkins)は、早くも民衆党の標的にされたようだ。彼は先週、勤め先の上司であるロブ・ワイゼンバッハ(Robert Weisenbach)から指示を受け、11月3日よりも後に到着した郵便でも3日の消印を押してしまえ、と言われたそうだ。ホプキンス氏はこの内部通達を「プロジェクト・ヴェリタス(Project Veritas / 保守派活動家の団体)」に通報し、代表者のジェイムズ・オキーフ(James O'Keefe)は、さっそく告発者の映像をインターネットに流した。全米で話題になったせいか、ホプキンスの証言動画は、SNSで世界中に拡散され、トランプ大統領の耳にも届いた。

Richard Hopkins 1James O'Keefe 2







(左 : リチャード・ホプキンス  / 右 : ジェイムズ・オキーフ )

  ところが、民衆党にとっては余程「不都合」な証言だったのか、郵政局の監察長官は連邦職員のラッセル・シュトラッサー(Russell Strasser)捜査官を差し向けた。シュトラッサーはホプキンスを4時間も尋問し、供述を変えるよう脅しをかけ、挙げ句の果てにある宣誓供述書に無理やり署名させたという。「プロジェクト・ベリタス」の顧問弁護士によれば、ホプキンス氏を尋問する際、シュトラッサー氏が弁護士の立ち会いを許さなかったそうで、こんな調査は問題だ、と述べていた。しかも、ホプキンスが供述書のコピーをくれと頼んだのに、「駄目だ」といって渡さなかったというから変だ。このように怪しげな捜査であったが、ワシントンポスト紙は彼の供述書を嗅ぎつけ、「郵便配達員のホプキンスが告発を撤回したぞ!」との記事を発表した。(Shawn Boburg & Jacob Bogage, "Postal Worker recanted allegations on ballot tampering, officials say", The Washington Post, November 11, 2020.)  

Shawn Boburg 1Jacob Bogage 1( 左 : ショウン・ボバーグ  / 右 : ジェイコブ・ボゲイジ )
  実際、ホプキンスがどのような供述書に署名したのか分からない。だが、彼はオキーフ氏のインタヴューでハッキリと、「私は撤回していない !」と述べた。このインタヴューの動画はツイッターやYouTubeでも拡散されているから、誰でも観ることができる。問題は、彼がどのような文章に署名をしたかだ。おそらく、記事を書いたショウン・ボバーグとジェイコブ・ボゲイジは宣誓供述書を読んだはずなので、どのような記述だったのか覚えているはずだ。もしかしたら、供述書の写真を撮っているかも知れないので、ホプキンスに見せて反論すべきだろう。上司のイワゼンバッハはもっと辛辣で、彼は自身のSNSでホプキンスを罵倒した。内緒の指令をバラされた上司は、かなり激昂していたのか、ホプキンスの告発を「100%の出鱈目(false)」と評していた。ちなみに、ホプキンスは告発の件で郵政公社から報復を受け、給料が出ない身分に落とされてしまった。

  とにかく不気味なのは、民衆党の下院監督委員会(House Oversight Committee)が、捜査官の報告と新聞記事に基づき、ホプキンスが告発を「撤回」した、と報じていることだ。監査局の捜査員による報告を受けて下院の監督委員会が「撤回」と宣言し、それを新聞記者が紙面で拡散し、ホプキンスの話を“捏造”と触れ回るんだから恐ろしい。証拠は無いけど、民衆党と新聞社はグルなんじゃないか? 一方、「嘘つき」と報じられたホプキンスはかなり怒っていた。彼は元海兵隊員で、娘が一人居るというから、もし金銭や名声を目的とした法螺(ホラ)話なら大変だぞ。彼を信じていたアメリカ国民は、SNSでこの「詐欺師」を厳しく糾弾するかも知れないし、ホプキンスの家族だって周囲から罵倒されてしまうだろう。ホプキンスが嘘をついたのか、それともワシントンポストが事実を捩じ曲げて報道したのか、今のところ分からない。ただ、憤慨するホプキンスは、記事を流布したワシントンポスト紙に問い質す、と述べていた。

  ここで注目すべきは、ボバーグとボゲイジがホプキンスと対峙するかどうかだ。もし、二人の記者が記事に自信があるなら、正々堂々と議論を闘わせ、どちらの主張が正しいのか、生中継で全米に公開すべきである。また、この新聞記者がホプキンスの面会要求を斥けるなら、何か疚しいことがあると疑った方がいい。日本でもよくNHKやTBSの記者が奇妙な報道をした時、他局の記者から逃げ回り、彼らの取材を断ることがある。だから、ジャーナリストが公開質問を避けた時には、「胡散臭い」と思った方がいい。

  選挙結果に関する裁判はまだ始まったばかりだが、結構、色々な事実や容疑が浮かび上がっている。したがって、この先どのような展開になるのか予想がつかない。日米のマスコミは「トランプの悪あがき」と評しているが、この主張は徐々に脆くなっている。来週になれば、もっと様々な暴露記事が報道されると思う。だから、もし不正投票の容疑が濃厚になった場合、民衆党の議員やマスコミから「転向者」や「裏切者」ないし「離脱者」が出てくる可能性もある。アメリカ人はスキャンダルの蓋を開けて、臭い汚物を掘り出すのが得意だから、どんな醜聞が飛び出てくるのか楽しみだ。でも、日本のマスコミは我慢強いから、米国で大騒ぎになっても報道せず、「もう我慢の限界」となった時にしぶしぶ報道するのかも知れないぞ。




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