無敵の太陽

主要マスメディアでは解説されない政治問題・文化・社会現象などを論評する。固定観念では分からない問題を黒木頼景が明確に論ずる。

アメリカ合衆国

セクハラの嵐が吹き荒れるアメリカ / リベラル派は女性の味方ではなかった !

相次ぐ告発の連鎖

Sexual Harassment 3Sexual Harassment 2










  人間というのは悪魔でもなけりゃ天使でもない。聖人君子はほんの“ちょっぴり”で、大半が凡人か俗物、でなきゃ奇人変人の類いだ。したがって、そんな人間が織り成す世の中は、基本的に金銭・権力・性慾という三位一体で動いている。特に、性慾は経済を刺戟するから侮れない。かつて、社会学者のマックス・ウェバー(Max Weber)はプロテスタントの倫理が資本制経済の要(かなめ)であると述べたが、実際のところは、ヴェルナー・ゾンバルト(Werner Sombart)が説いたように、恋愛とか贅沢が原動力になっているじゃないか。

Max Weber 1Werner Sombart 1Sato Tomomi 1








(左: マックス・ウェバー  / 中央: ヴェルナー・ゾンバルト /  右: 佐藤友美)

  例えば、胸をときめかせて週末に薔薇を買う中年男は、十中八九、職場の若い子か浮気相手に捧げようとするはずだ。間違っても女房じゃない。もし「ある」とすれば、それは週末じゃなくて「終末」の罪滅ぼしだ。同僚が篠ひろ子や佐藤友美のような女性だと、何らかの口実を設けて花束をプレゼントしたくなるのは男心。でも、女はそれを「スケベ心」と呼ぶからモノは言い様だ。まぁ、しょぼくれたオっさんでも、「百万分の一(one in a million)」に賭けることだってあるさ。だって、年末ジャンボ宝くじを買うオバはんがいるじゃないか。(だいぶ古いけど、1986年に放送されたTBS の『金曜日には花を買って』は人気ドラマだった。) 不景気の時は政府が積極財政に踏み切るのが相場だが、みんながお金を使うのも大切である。個人消費を伸ばすには、つべこべ言わずに色恋沙汰が一番。不倫は家庭と社会に悪いけど、天下の経綸には時として“禁じ手”も必要だ。

Hugh & Kimberley Conrad 2Holly Madison 2Brande Roderick 3







(左: ヒュー・ヘフナーとキンバリー・コンラッド  / 中央: ホリー・マディソン  /   右: ブランデ・ロデリック )

  ちょっと話が逸れたけど、大抵の男は女を巡って右往左往しており、とりわけ権力を手にした男は、立場の弱い女に食指を伸ばそうとする。全員とまでは言わないが、一般的に女性は財力と権力に靡(なび)く。月収20万くらいの凡夫には目もくれないが、年収1億円とか総資産100億円の男性を目の前にすると“つい”心が動いてしまう。アメリカだともっと露骨で、大富豪には美女が群がる。例えば、最近亡くなった『プレイボーイ』誌の創設者ヒュー・ヘフナー(Hugh Hefner)は、三回も結婚を繰り返した。(平民の日本人男性からすれば、何とも羨ましい。厳しい現実の世界だと、女房のタイプは泉ピン子以上、良くて松下奈緒未満だぞ。間違っても、佐々木希は望めまい。) ヘフナー夫人になった元プレイメイトのキンバリー・コンラッド(Kimberley Conrad)や、クリスタル・ハリス(Crystal Harris)を見れば、彼らの年齢差に驚いてしまう。さらに、高齢のヘフナー氏が付き合ったガールフレンドも豪華。例えば、ブランデ・ロデリック(Brande Roderick)やホリーマディソン(Holly Madison)、ブリジット・マルカート(Bridget Marquardt)、ケンドラ・ウィルキンソン(Kendra Wilkinson)を想い出せば分かる。これだから、日本人の月給取りは、「やっぱり、世の中はカネかぁ」と歎いてしまうのだ。

Crystal Harris & HughBridget Marquardt 1Kendra Wilkinson 3







(左: ヒュー・ヘフナーとクリスタル・ハリス   / 中央: ブリジット・マルカート  /  右: キンバリー・ウィルキンソン )

Monica Lewinsky 1(左  /  モニカ・ルインスキー)
  日本の気楽なフェミニストは、我が国を「封建的残滓に基づく男尊女卑の社会だ」とか「男性支配構造で女性の進出が妨げられている」と憤慨するが、彼らが称讃する北歐や米国でも男尊女卑が罷り通っている。ただ、その実態が見えにくいだけ。会社の重役が美人秘書に手をつけるなんて当り前だ。州知事や大統領になったビル・クリントンも、ホワイトハウスの研修生だったモニカ・ルウィンスキーに目というか「唾」をつけ、こっそりと愛人にしたことがある。ところが、その姦通を女房のヒラリーとマスコミが知ったからさあ大変。合衆国大統領は「不適正な関係」を認めて謝罪する破目になった。後に、国務長官になったヒラリーがベンガジ事件で追及されたけど、白亜館にいた亭主のペニスがどこにあるのか判らなかったんだから、あの宏大なアフリカで、どこにテロリストが潜んでいたのか分からなくても無理はない。まさか、モニカ嬢の「口の中」とは、お釈迦様でも判るメェ。

Bill Clinton 121Bill Clinton & Minica








(左: ビル&ヒラリー・クリントン  /  右: クリントン大統領とモニカ・ルインスキー)

常習犯だった紳士的ホスト

Bill O'Reilly 1Rape in Europe 6








(左: ビル・オライリー  /  右: 怯える女性)

  ここ最近のアメリカでは、セクハラ騒動が立て続けに起こっている。FOXテレビの名物ホストであるビル・オライリー(Bill O'Reilly)がセクハラで訴えられ、冠番組がキャンセルとなり、古巣のFOXを去ることになった。また、彼の同僚で人気アンカーのメーガン・ケリー(Megyn Kelly)とグレッチェン・カールソン(Gretchen Carlson)が、その上司であるロジャー・エイルズ(Roger Ailes / FOX News とFox TVの社長・会長)をセクハラで告発し、追い詰められた会長は渋々ながらも辞任。このエイルズは美女が大好きで、気に入った女性をテレビ局に採用したそうだ。(なんかNHKのプロデューサーみたい。) 彼は身近な女性に手をつけるようで、1960年に結婚した第一夫人のマジョリー・ホワイトとは大学の同級生だったし、三番目の夫人エリザベス・ティルソン(Elizabeth Tilson)はエイルズがCNBC局で働いていた時に、部下のプロデューサーを務めていた女性である。二人は1998年に結婚したのだが、当時エイルズは59歳で、エリザベスは37歳だったから、20歳以上離れていたカップルであった。

Megyn Kelly 6Gretchen Carlson 1Roger Ailes & Elizabeth Tilson 1







(左: メーガン・ケリー   / 中央: グレッチェン・カールソン  /  右: ロジャー・エイルズとエリザベス・ティルソン )

  せっかく若い女性を妻にしたのに、その連れ合いだけでは満足できず、メーガンとグレッチェンに手をつけたんだから、本当に懲りない男である。でも、いつかは天罰が下るものだ。憐れなエイルズは間もなく死去(2017年5月18日)。ところが、それ以上に衝撃だったのは、映画プロデューサーのハーヴェイ・ワインシュタインのセクハラ事件だ。ハリウッドの権力者がセクハラの常習犯で、その「事実」をリベラル派の映画人が見て見ぬ振り。彼らは保守派が相手なら鷹のように鋭く攻撃するくせに、ユダヤ人の大御所になると「見ない聞かない言わない」の猿を決め込む。以前、ロジャー・エイルズが腹立ち紛れに、ディスカヴァリー・コミュニケイションズの社長を務めるデイヴィッド・M・ザスラフ(David M. Zaslav)を、「青いくちばしのチピ・ユダ公」と罵ったことがある。すると、即座に猛烈な非難がユダヤ人団体から巻き起こり、エイルズは謝罪することになった。仲間内ではワインシュタインのセクハラは「公然の秘密」だったのに、誰も暴露しようとしなかったんだから、ハリウッドのリベラル系ユダヤ人は他民族を叱責する資格があるのか?

Harvey Weinstein 2Roger Ailes 2David Zaslav 2









(左: ハーヴェン・ワインシュタイン   / 中央: ロジャー・エイルズ  /  右: デイヴィッド・ザスラフ)

  だが、ワインシュタインの件は偶発事件に留まらなかった。彼の犯罪は「藝能海」に波紋を投げかけるどころか、火薬庫での連鎖爆発に等しかった。アラバマ州からの上院議員を狙うロイ・ムーア(Roy Moore)判事は、過去に性的関係を持ったと称する女性から訴えられ、選挙への出馬さえ危ぶまれている。トランプ叩きのチャンスと思ったマスコミは、共和党候補者であるムーア氏を引き摺り降ろして大統領にダメージを与えようとしたが、彼らの身内からもセクハラの常習犯が飛び出てしまい、批判の鞭を振るう手が痺れている。その代表格が大物ジャーナリストのチャーリー・ローズ(Charlie Rose)だ。彼はBBCやPBSなどで下積み時代を送り、CBSに入ると長寿番組の『60ミニッツ』や『CBS This Morning』でキャスターを務め、不動の地位を築いた。ローズ氏は自分の名前を冠した対談番組『チャーリー・ローズ』を持つことができ、各界の著名人を招いて話を伺うというスタイルで人気者となる。巷の評価によると、彼は甚大な影響力を持つジャーナリストの一人であるそうだ。

Charlie Rose 13(左  / 同僚と一緒に微笑むチャーリー・ローズ)
  しかし、栄枯盛衰は人の常で、有名司会者のチャーリーも例外ではなかった。彼は八人の女性から性的嫌がらせで非難され、冠番組の『チャーリー・ローズ』は打ち切りになるし、“リベラル路線”を標榜するCBSは即刻チャーリーにクビを宣言。告発を受けたローズの方にも言い分はあるのだろうが、性的なスキャンダルで騒がれたら男に「分」が無いのは日米共通。反論しても無駄な場合が多い。もし、異議を唱えると、却って事態の悪化を招くから、“潔く”有罪を認めて退散する方が賢明だ。別段一文無しになる訳じゃないから、素直に謝って批判をかわす方がいい。だいいち、チャーリーも75歳なんだから、隠居してチェスでも指していればいいじゃないか。

  有名ホストの犠牲者には、レア・ブラヴォー(Reah Bravo / 当時21歳)というテレビ局の見習い女性もいたそうで、2007年にPBSの番組でチャーリーの助手を務めていた。新聞記者の取材によると、レアは彼の自宅や旅行中の車内、ホテルの一室、飛行機の中などでセクハラを受けたという。別の被害者には、カイル・ゴドフリー・ライアン(Kyle Godfrey-Ryan)というアシスタントもいたそうだ。彼女もチャーリーの行動に困惑したそうで、ニューヨークにある自宅で彼の手伝いをした時など、目の前を丸裸で通り過ぎたという。また、彼の「白昼夢」も相当イヤらしく、チャーリーはカイルが裸で水泳をする姿を想像し、その妄想を繰り返し彼女に語ったそうだ。

Yvette Vega 1(左  /  イヴェット・ヴェガ)
  しかし、問題の「肝(きも)」はローズ氏の言動ではない。彼には長年共に仕事をしてきたイヴェット・ヴェガ(Yvette Vega)という女性のエグゼクティヴ・プロデューサーがいる。セクハラに悩んだカイルがチャーリーの悪行をヴェガ訴えると、このベテラン・プロデューサーは大問題とせず、肩をすくませながら「あれがチャーリーのチャーリーたる所以なのよ」とあしらったそうだ。(Irin Carmon and Amy Brittain, "Eight women say Charlie Rose sexually harassed them --- with nudity, groping and lewd calls", The Washington Post, November 20, 2017) 日本人ばかりかアメリカ人だって、「えぇぇぇっ、そんなアホな !! CBSって女性の味方じゃなかったの?!」と驚くだろう。普段は報道番組の中で、局アナや御用学者が弱者救済や人権重視を訴えているのに、その番組制作者がセクハラ被害者を門前払いにしていたなんて。あまりにも冷たいじゃないか。いつもの温情は何処へ行ったんだ? 「他人に厳しく、身内に甘い」ところなど、NHKやテレ朝と同じである。(CBSがTBSと提携したのは、「同類」だったからなのか ? )

  権力者の秘密を第三者に漏らすことは致命的である。カイルの訴えはローズの耳に届いてしまい、激怒したローズは彼女を解雇。社会正義を振りかざすテレビ局の内部に、肝心な「正義」が無かったなんて洒落にならない。けど、現実はこんなものだ。チャーリーの被害者は他にもいて、メーガン・クレイト(Megan Creydt)もその一人だ。彼女は2005年から2006年にかけてチャーリーの番組でコーディネーターを務めていた。彼女がチャーリーご自慢の「ミニ・クーパー」に乗った時のことだ。助手席に坐る彼女の太腿に、チャーリーの手が覆い被さったという。このセクハラにメーガンは何も言えず、ただただ凍りつく。それでも、彼女は必死に脚をずらしてチャーリーの「魔の手」を逃れようとした。これ以降、彼女は二度とチャーリーのクルマに同乗しなかったという。(なるほど、チャーリーは賢い。小型車の“狭い”車内を利用したのか ! トヨタのランド・クルーザーじゃ難しいかもね。)

Kyle Godfrey-Ryan 1Charlie Rose 16Megan Creydt 2








(左: 被害者のカイル・ゴットフリー・ライアン  / 中央: チャーリー・ローズ  /  右: 被害者のメーガン・クレイト)

  メーガン以外の女性(30歳代)による暴露話も生々しい。事件は彼女がチャーリーの邸宅を訪ねた時に起きた。彼女は仕事の話でやって来ただけなのに、出迎えたチャーリーは裸にバスローブを纏(まと)っている。彼女はまるで狼のネグラに迷い込んだ兎みたい。何と、チャーリーは彼女のパンツに手を掛け、それを脱がそうとしたのだ。驚いた彼女は、咄嗟にチャーリーの手を払いのけるが、涙が“わっ”と溢れ出てきて、どうにもこうにも止まらない。本当に「ショック」だ。まさか“あの”紳士的なチャーリー・ローズがセクハラをするなんて、普通じゃ考えられない。でも、局の見習いを務めたことがある別の女性によれば、これはチャーリーの部屋に召喚された若い子がくぐる「儀式」なんだって。とにかく、強姦もどきが「儀式」なんて恐ろしい。でも、これに耐えて出世した女性もいるんだろうなぁ。

Amanda Jay Burden 2Staley & Barabra Mortimer 1John Jay 111 Paley 1








(左: アマンダ・ジェイ・バーデン  / スタンレー・モーティマー  /  ジョン・ジェイ /  右: バーバラ・クッシング・モーティマー・ペイリー )

  ついでだから、チャーリー・ローズの人脈にも少々触れてみたい。社会的に高い地位に就く人は、肉親や配偶者にも同等の人を持つ場合があって、チャーリーの交際相手も凄かった。彼は1968年にメアリー・キング(Mary King)と結婚したが、その奥方とは長く続かず1980年に離婚となる。独身になったチャーリーは1992年頃に魅力的なアマンダ・バーデン(Amanda Jay Mortimer Burden)と知り合い、二人は「パートナー(愛人)」の関係となった。ところが、このアマンダはタダの女じゃない。彼女の父親というのは、スタンダード石油を継いだスタンレー・G・モーティマー(Stanley Grafton Mortimer, Jr.)であったのだ。したがって、アマンダを単なる玉の輿に乗った幸運な女性と思ってしまうのは間違い。しかも、彼女は“華麗な一族”のご出身で、ご先祖様はあのジョン・ジェイ(John Jay)にまで遡るのだ。「もしかして・・・」と勘ぐる方は正解。このジェイは建国の父祖にして、外政官やニューヨーク州知事、合衆国最高裁の初代首席判事になった人物だ。

William Samuel Paley 1Dorothy Hearst 3Betsey Cushing & James Roosevelt









(左: ウィアム・ペイリー  /  中央: ドロシー・ハースト  /  右: ベッツィー・クッシングとジェイムズ・ローズヴェルト)

  娘は母親に似るのか、アマンダの母バーバラ(Barbara Cushing Mortimer Paley)も付き合う男のレベルが高かった。高名な脳外科医であるハーヴェイ・クッシング(Dr. Harvey Cushing)の娘として生まれたバーバラは、スタンレーと離婚後、、CBSテレビの創設者であるウィリアム・ペイリー(William Samuel Paley)と結婚したのだ。このペイリーはユダヤ人で、かつてはドロシー・H・ハースト(Dorothy Hart Hearst)の亭主だった。「もしかして、あの“ハースト”?」と思う方は、またもや大正解。ドロシーはメディア王ウィリアム・ランドルフ・ハース(William Randolph Hearst)トの三男ジョン(John Randolph Hearst)と結婚し、愛想が尽きて離婚ていたのだ。そのドロシーもウィリアムと別れてしまい、離婚したウィリアムは社交界の華となっていたバーバラと結婚したというわけ。二人の間にはウィリアムとケイトという子供ができた。ついでに言うと、バーバラの姉であるベッツィー(Betsey Cushing)は、フランクリン・D・ローヴェルト大統領の息子ジェイムズと結婚していた。政官財の人脈を理解するには、エリートの閨閥を調べることも重要だ。

William Randolph Hearst 1John Randolph Hearst 1James Roosevelt 1Cornelius Vanderbilt 1








(左: ウィリアム・ランドルフ・ハースト  / ジョン・ランドルフ・ハースト  /  ジェイムズ・ローズヴェルト /  右: コーネリアス・ヴァンダービルト )

  娘のアマンダも離婚経験者で、別れた相手というのがこれまた大物。彼女が結婚したのは、「コモドア・メディア(Commodore Media)」の創設者であるシャーリー・カーター・バーデン(Shirley Carter Burden,Jr.)だ。政界で「カーター・バーデン」と名乗った男の父親は、造船と鉄道で知られる大財閥、コルネリアス・ヴァンダービルト(Cornelius Vanderbilt)の玄孫に当たるそうだ。ちなみに、シャーリーのガール・フレンドはチャーリー・チャップリンの娘であるジェラルディン(Geraldine Chaplin)であった。話を戻すと、シャーリー・カーターと別れたアマンダは、再び男性と付き合うようになる。その「お相手」というのが、メディア界の大御所で、タイム・ワーナー社のCEOを務めたスティーヴン・J・ロス(Steven Jay Ross / 本名Rechitz)。「ロス」という名前を聞けば分かる通り、ステーヴンもユダヤ人。まったく、アメリカのメディア界はユダヤ人だらけだ。

Steven Jay Ross 1Geraldine Chaplin 1Carter Burden 2Amanda & Carter Burden








(左: スティーヴン・ロス  / ジェラルディン・チャップリン  / シャーリー・カーター・バーデン  /  右: カーター・バーデンとアマンダ・バーデン )

イチモツを肩に載せる有名人

  チャーリー・ローズの一件と共に、注目を浴びたのが、メディア界の御用学者、マーク・ハルペリン(Mark Halperin)である。アメリカ政治を専攻する学生なら誰でも知っている人物で、日本でもアメリカの報道番組や政治討論番組に詳しい人なら、名前は忘れていても彼の顔なら覚えているんじゃないか。マーク・ハルペリンもタダの平民ではなく、彼の父親モートン・ハルペリン(Morton Halperin)は外政・軍事を専門とするユダヤ人アナリストであった。彼はジョンソン政権下で国防省の次官補、ニクソン政権では国家安全保障担当の補佐官を務めた人物だ。その後、政府の仕事を離れたモートンは、有名なシンクタンクの「ブルッキングス研究所」の職を経て「国家安全保障研究所(Center for National Security Studies)」の所長に納まった。しかし、ホワイトハウスの仕事が懐かしかったのか、クリントン政権でアドヴァイザーに返り咲き、オルブライト国務長官の下で政策局長に就いたという。彼は民間組織でも渡り鳥となり、「外交問題評議会(CFR)」の研究員や左翼人権団体として有名な「ACLU」の所長、ジョージ・ソロスが創った「オープン・ソサエティー財団(Open Society Foundation )」の上級顧問などを務めていた。

Mark Halperin 2Morton Halperin 3George Soros 7








(左: マーク・ハルペリン  /  中央: モートン・ハルペリン  /  右: ジョージ・ソロス)

  息子のマークも父と同じ業種を歩み、政治に足を突っ込んでいる。冷静な語り口が好評だったのか、彼はちょくちょくNBCニューズやMSNBC、ABCニューズなどに出演していた。しかし、紳士風の有名人にも「裏の顔」があった訳だ。彼のセクハラ事件を耳にしたメディア関係者は、「まさか、そんな !」と驚いたし、そのスキャンダルに失望する同僚も多かった。でも、五人の女性が名乗り出てしまっては、ハルペリンも言い訳のしようが無いだろう。まことに、猫と女の恨みは恐ろしい。痴漢とかセクハラといった性的な事件だと、劣勢に立つ男は「にゃん」とも言えないものだ。

  ハーヴェイ・ワインシュタインの時と同じく、ハルペリンのセクハラも言葉に出して述べるには、ちょっと憚れる内容となっている。(ちなみに、両者ともユダヤ人。) それでも、具体的に紹介したい。2000年代初頭に被害に遭った女性は、彼と個人的な話をしている最中に言い寄られ、キスを迫られたり、胸を揉まれたりしたそうだ。(Joe Tacopino, "Mark Halperin : Yes, I had inappropriate relationship with young woman", The New York Post, October 26, 2017) 別の被害者女性はもっと辛い目に遭っていた。2004年の選挙を取材した時の話だ。彼女は仕事上の調査で、政治分析家のハルペリンに接触したという。ところが、彼女とオフィスで二人っきりなったハルペリンは、彼女に自分の体を押しつけてきた。そして、信じられない事だが、彼はズボンの中からペニスを取り出し、椅子に坐っている彼女の肩に置いたというのだ。(Erin Nyren, "Journalist Mark Halperin Accused of Sexual Harassment by Five Women", Variety, October 25, 2017) 

  良い子のみんなは、「えぇぇぇっっっ !!! 何それ???」と驚いちゃいけません。ハルペリンは彼女に魅力を感じていたんだから。ただ、その愛情表現が異常なだけ。男の頭にペニスを載せれば、子供みたいに「笑ってちょんまげ」で済ませられるが、女性の肩だと猥褻行為というか「性犯罪」になる。下郎の肩を持つわけじゃないけど、ハーヴェイ・ワインシュタインは女性の枕元でマスターベーションを行い、マーク・ハルペリンはペニスで女性の肩叩きをしただけなんだろうね。まぁ、事件の善悪はともかく、ユダヤ人は独創性に富んでいることだけは確かだ。

James Levine 1(左  / ジェイムズ・リヴァイン )
  ついでに言うと、世界的に有名なユダヤ人指揮者のジェイムズ・レヴァイン(James Levine)が、今、幼児虐待の暴露事件で騒がれている。報道によれば、彼は1980年代に15歳の男の子を獲物にして、「性的な行為」を加えたらしい。(Joe Dziemianowicz, Nicole Hensley and Ross Keith, " Famed conductor James Levine under investigation by Met Opera over sexual abuse allegation", New York Daily News, December 3, 2017) つい最近も、男優のケヴィン・スペイシーが少年に猥褻行為をした過去をバラされて、主演ドラマをクビになったが、米国にはこうしたスキャンダルがやたらと多い。しかし、レヴァインの事件で特筆すべきは、インサイダー(業界関係者)たちが、前々から彼の「性癖」を知っていたのに黙っていたことだ。取材したジャーナリストによれば、彼の“性癖”は何年間も「公然の秘密(open secret)」になっていたという。日本人なら「えっ、それじゃあワインシュタインの件と同じじゃないか ! 」と思うはずだ。唖然としてしまうが、みんなが知っていたのに隠していたなんて酷い。とりわけ赦せないのは、米国のユダヤ人たちだ。普段、ユダヤ人団体は「少数派を救え !」とか「子供の人権を守れ !」、「ユダヤ人に対する偏見を無くせ !」と叫んでいるのに、同胞が楽しむ性犯罪だと「同胞愛」から見逃してしまい、素知らぬ顔を決め込む。でもこれって、ダブル・スタンダードじゃないのか?

Donald Trump 8Trump children 1Marla Maples 2








(左: ドナルド・トランプと幼い子供たち  / 中央: 成人したトランプの子供たち  / 右: 第二夫人のマーラ・アン・メイプルズ )

  アメリカ人は「人権」とか「平和」を謳って、世界中にデモクラシーを広めているが、他国の秕政(ひせい)を咎めるより自分の足元を照らしてみるべきだ。リベラル派の政治家や評論家、ジャーナリストはイスラム教国の男尊女卑を非難するが、民衆党やテレビ局の中で起こる「非道」に目をつむっているんだから、他人をどうこう言えた身分じゃないだろう。パキスタンで女房を殴るムスリム亭主を取材するより、ABCやCBSの局内で隠蔽されたセクハラを取り上げるべきじゃないのか。過去をほじくり返せば、引退したプロデューサーや現役の重役、大物アンカーなどが犯した破廉恥行為が明るみに出るだろう。歴史の闇に葬ったセクハラが暴露されれば、辞任する奴は二、三人じゃすまないぞ。女房や子供を抱えたテレビ局の社長や会長も、「今度は俺の番か?」と冷や汗をかいていたりしてね。

Trump & Ivana 2Trump & Marla 1Trump & Melania 3








(左: ドナルド・トランプとイヴァナ夫人  / 中央: トランプとマーラ夫人  /  右: トランプとメラーニア夫人)

  リベラル派なんて所詮、快適なオフィスでふんぞり返りながら人種平等、人道支援、人権重視といった綺麗事を並べているだけだ。黒人の特別待遇を推進している“進歩的”な大御所だって、愛人にしたいと狙っている秘書はブロンドの白人美女だったりする。リベラル派の頭と下半身は別物だ。米国の主要マスコミはトランプ大統領のセクハラ発言を取り上げてケチョンケチョンに非難するけど、ビル・クリントン元大統領と比べたらトランプの方が正直だ。美しい女性を見れば瞬く間に近づいて、本音を打ち明け、細君と離婚してまで新たな恋人と一緒になろうとする。イヴァナ夫人からマーラ嬢に乗り換えたトランプは、二度の離婚を経て美人モデルのメラーニアと結婚。しかも、各夫人と子供をもうけ、大勢の孫にも囲まれている。「貧乏人の子沢山」なら分かるが、「大富豪の子沢山」はうらやましい。こんな人物が合衆国大統領になったんだから、まさしく「アメリカン・ドリーム」の体現者だ。もし、トランプが再選に失敗したら、我が国の少子化担当大臣になってほしい。山崎拓さんもトランプ並とは言わないが、せめて三木武吉くらいの度胸があれば総理大臣になれたのにねぇ。あの世で横山ノックが待ってるぞ。(また今回も、変な結論になってしまった。ご容赦を。)

Trump & Barron 1Barron Trump & Melania 1Ivanka Trump & Kids 1







  
(左: トランプと息子のバロン  / 中央: メラーニア夫人とバロン  /  右: イヴァンカの子供たち)


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道徳を破壊して敵を倒せ ! / 馬鹿を利用する工作員

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冷戦時代のソ連工作員

  日本人は謀略工作や心理戦に弱い。我々社会が堅気の人間で構成されているせいか、各人の良心を信じる性善説が強いからだろう。しかし、日本から一歩外へ踏み出せば、腹黒い奴らばかりで、朝鮮半島は根性がひん曲がった下郎でいっぱいだし、支那大陸は普通の人間でも匪賊、盗賊、殺人鬼、詐欺師、ゴロツキ、といった「人でなし」に直ぐ変身できる。ましてや、生まれつきの悪人だと子供の頃から一端(いっぱし)のギャングだ。落合信彦など「支那人の子供は目の輝きが違う」などと雑誌『サピオ』に書いて失笑を買ったが、国際ジャーナリストを自称する法螺吹きだから仕方ない。しかし、有名大学の長老教授や新聞論説員に騙されて支那人を厚遇し、「人さま」扱いしていた日本人は哀れだ。隣人を信頼できて、他人も気配りをしてくれる国など、地球上で日本以外にはあり得ない。ユーラシア大陸は魑魅魍魎(ちみもうりょう)が跋扈(ばっこ)する闇黒地帯で、お人好しの日本人が生活できる世界ではなく、下手をすれば身ぐるみ剝がされて虐殺されてもおかしくはないのだ。

Edward Griffin 1(左  / エドワード・グリフィン )
  政治プロパガンダと言えば、陰険で何となく堅苦しい感じがするが、我々の身近で常に行われている洗脳である。例えば、日本のワイドショーや米国のTVドラマを観るだけでもいい。一見すると単なる娯楽番組だが、その中には巧妙なメッセージと歪曲映像が含まれている。こんなことは今更珍しくもないが、ふと昔ソ連から亡命したユーリ・ベズミナフ(Yuri Bezmenov)を想い出してしまう。彼は1979年にソ連から亡命したKGBの工作員で、共産主義者の宣伝手法を暴露していた。トマス・シューマン(Thomas Schuman)という別名を持つ元KGBオフィサーは、評論家のエドワード・グリフィン(Edward Griffin)のインタビューを受けて、過去の謀略戦を語ったことでも有名だ。ちなみに、グリフィンは日本でもよく知られており、彼の著書『マネーを生みだす怪物(The Creature from Jekyll Island)』はビジネス書扱いで学術的に評価されにくいが、連邦準備制度(FRB)の正体を描いているので非常に興味深い。彼は「ジョン・バーチ協会(John Birth Society)」のメンバーであったから、米国政治の裏を熟知しているのだろう。日本の学者はジョン・バーチ協会を右翼集団と見なしがちだが、実際は教養人が多く集結した全米規模の組織である。特に、共産主義の脅威を悟った保守派のアメリカ人は躊躇いも無く入会していたし、元GHQの保守的アメリカ人や著名な人物も属していたから一概に「右翼分子」と斬り捨てることはできない。

Yuri Bezmenov 001Yuri Bezmenov's father(Left)









(左: ユーリ・ベズミナフ  /  右: 左側の軍人がユーリの父親)

  どの業界でもそうだが、内部告発は衝撃的で、部外者の一般人にとって裏事情を教えてくれる人は貴重である。冷戦真っ只中の時代に祖国を逃れたベズミナフは、1939年、ソ連でも上層階級とされる家庭に生まれ、父親はソ連陸軍参謀本部に所属する士官であった。陸軍参謀の父親はモンゴルやキューバ、東ドイツなどに派遣され、現地軍の監査役になっていたそうで、アンゴラやイエメン、シリア、ベトナム、カンボジア、ニカラグアなどに駐留するソ連軍の視察も行っていたそうである。こうした父親に育てられたユーリは、エリート街道を歩むべく、モスクワ大学附属のオリエント言語学院に進学したそうだ。ここはKGBと共産党の中央委員会が直接管理する研究所で、その目的は将来の外政官や国際ジャーナリスト、スパイなどを養成することにあった。つまり、謀略戦を仕掛けるための人材を輩出していた、ということだ。

Yuri Bezmenov in MoscowYuri Bezmenov with Indian girl









( 左: ソ連でのベズミナフ /  右: インドに派遣されたベズミナフ)

  学校を卒業したベズミナフは、1965年インドでの任務を与えられたという。実質的には「スパイ」であるが、彼は表向き「ノボスチ報道局(Novosti Press Agency)」のジャーナリストになっていた。もちろん、この通信社はKGBのフロント組織で、ベスミナフは謎に包まれた「政治出版局(GRPP)」の“新米”というか“見習い”といった身分で、ノーマン・ボロージン(Norman Borodin)の監督下にあったという。(Thomas D. Schuman, Love Letter to America, W.I.N. Almanac Panorama, Los Angeles, 1984) 言うまでもないが、ソ連でもロシア共和国であっても、ロシア人のジャーナリストや外政官には仮面をつけた諜報員や軍人が多く、商売人や研究者、大学教授といえども政府の秘密工作員という輩が大多数だ。ベズミナフが赴任先で行った工作活動は非常に興味深いが、語り出すと長くなるので割愛したい。

敵国の社会道徳を腐敗させろ

Yuri Bezmenov with wifeYuri Bezmenov as hippie









(左: 妻子と一緒のユーリ  /  右: ヒッピーに扮したユーリ)

  ただ、ベズミナフがインドで行った宣伝工作は面白かった。彼が着手した任務には、アメリカ社会を腐敗させるという作戦があり、軽率なアメリカ人をインドで丸め込み、「アホ」に染め上げたら故郷に戻して本土全体にその害毒を撒き散らす目論見があった。彼はこうしたアメリカ人を頻りに「便利な馬鹿(useful idiots)」と呼んでいた。スパイになるべく教育されたベズミナフだから、もちろん英語は達者なんだけど、彼はロシア人独特の喋り方で体験談を語り、冷静な口調で利用したアメリカ人を「バカ」と評するから妙に可笑しい。こうした「バカ」の中には有名藝人がいて、「ザ・ローリングストーンズ」のミック・ジャガー(Mick Jagger)、「ザ・ビーチボーイズ」のマイケル・エドワード・ラヴ(Michael Edward Love)、「ザ・ビートルズ」のジョージ・ハリスン(George Harrison)などがいたそうだ。ベズミナフが用意した「毛針」は、インドで非常に人気のあったマハリシュ・マヘーシ・ヨギ(Maharishi Maheshi Yogi)という超越瞑想の教祖であった。

Maharishi Mahesh Yogi 3Mick Jagger 3Michael Edward Love 1










(左: マハリシュ・マヘーシ・ヨギ  / 中央: ミック・ジャガー   /  右: マイケル・エドワード・ラヴ)

  カウンター・カルチャーとか反戦・学生運動、ヒッピー文化が盛んだった1970年代、歐米のミュージシャンや俳優たちは、スピリチュアル文化に興味を示していた。つまり、既存の宗教(キリスト教)ではなく、東洋の神秘とかオリエントの宗教に救済と安楽を求めていたのだ。今だと、チベット仏教を信じる男優のリチャード・ギア(Richard Gere)とか、霊界を信じるシャーリー・マクレーン(Shirley MacLean Beaty)とかが挙げられよう。ちなみに、彼女は男優ウォーレン・ビーティー(Warren Beaty)の姉で、元々はバプティスト教会に属するキリスト信徒の家庭に育った。しかし、姉のシャーリーンは“いかがわしい”霊界に没頭し、弟のウォーレンはハリウッドでも名うての極左分子になっていた。ウォーレン・ビーティーと聞けば、日本の一般人は『ボニー・アンド・クライト』や『ディック・トレイシー』を思い浮かべてしまうだろうが、彼の傑作と言えば、共産主義者のジャック・リード(Jack Reed)を演じた『レッズ』だろう。「類は友を呼ぶ」というが、ウォーレンの妻アネット・ベニング(Annette Carol Benning)も筋金入りの左翼女優で、日本だと『アメリカン・ビューティー』とか『マーシャル・ロー』『バグジー』などの映画で知られている。彼女もキリスト教徒(英国系エピスコパル教会)の家庭に育っていたが、亭主と同じくリベラル派のハリウッド・スターになってしまった。

Shirley MacLaine 21Warren Beatty 22Warren Beaty & Annette Benning 1








(左: シャーリー・マクレーン  / 中央: ウォーレン・ビーティー /  右: ビーティーとアネット・ベニング)

  脱線したので話を戻す。それにしても、なぜ共産主義者のベズミナフが、ヨギ師を通して歐米人を「瞑想」の世界に導いたのか? それは、資本制国家の若者を「現実逃避」の人間にするためだった。KGB工作員にしたら、霊界の楽園とか瞑想による安寧なんて馬鹿らしい。しかし、歐米の若者を愚かにし、現実問題に取り組めない「役立たずの半端者」にするには“持って来い”の手段であったという。こうした“下らない”宗教に没頭した若者は常に空想や幻想を追い求め、国家にとって重要な課題に取り組む能力を持たない。現実から目を背ける若者が育てば、その社会は徐々に頽廃するし、彼らがセックスをして子供をもうければ、その子供たちも「碌(ロク)でなし」に育つ。このような家庭が増加すれば、健全な社会でも衰退するし、KGB工作員が努力しなくても自滅に向かうものである。だから、ベズミナフはヨギ師にカネを握らせ、歐米からやって来る若者を歓迎するように仕向けたのである。

George Harrison 2Mia Farrow 1Andre Previn 2






(左: ジョージ・ハリスン  /  中央: ミア・ファロー/  右: アンドレ・プレヴィン)


  1960年代から70年代にかけて西側諸国は社会的混沌に陥っていた。米国だとベトナム戦争に反対する若者や、兵役を恐れて逃亡する卑怯者、戦場で精神を病んだ狂人などが大量発生し、アナーキスト(無政府主義者)やジャンキー(麻薬中毒者)に加え、社会道徳に背くフラワー・チルドレン(ヒッピーの一種)が横行していたのだ。東洋の宗教に惹かれたジョージ・ハリスンなどは、バンド・メンバーを引き連れてヨギ師を訪ねたし、女優のミア・ファロー(Mia Farrow)も同師に憧れ、インドにやって来たそうだ。現在の高校生や大学生はミア・ファローと聞いてもピンとこないだろうが、映画ファンには馴染みがあって、『華麗なるギャッツビー』や『ローズマリーの赤ちゃん』『ナイル殺人事件』といった映画に出演したキュートな女優として知られている。『ハンナとその姉妹』ではオバはん役者になっているが、若い頃のミアは美しかった。

Mia Farrow 5 002









(左: ミア・ファロー  / 右: ウッディー・アレンと養女のスン・イー・プレヴィン )

  私生活では大物歌手のフランク・シナトラと結婚し離婚してしまったが、その後、ミアはユダヤ人ピアニストのアンドレ・プレヴィン(André Previn)と結婚し、3人の実子をもうけ、3人の養子を迎えている。彼らにはスン・イー・プレヴィンという朝鮮系の養女がいて、離婚後はミアが引き取っていた。プレヴィンと別れた後、ミアがユダヤ人監督のウッディー・アレン(Woody Allen)と内縁関係になった事は有名だ。ところが、このアレンがトンデモない夫だった。彼は養女として一緒に暮らしていたスンに手をつけ、肉体関係を持ってしまったのだ。アレンとは実子を一人もうけていたミアだが、この恋愛沙汰には呆れ果てていた。ちなみに、ミアとアレンの間にはロナン・ファロー(Ronan Farrow)という息子が存在するが、どう見てもフランク・シナトラと瓜二つで、とてもユダヤ人の子供とは思えない。母親のミアは明言していないが、誰が見たってフランクの息子であることは一目瞭然だ。ベスミナフが言った通り、今ではこんな家庭が普通になってしまい、いびつな親子関係が“珍しくない”んだから、アメリカ社会が腐敗するのも当然だ。KGBは米国に向けてミサイルを撃ち込むより、まず国家の基礎となる家庭を破壊すべく、その精力を注いだそうである。

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(左: 実父のフランク・シナトラと息子のロナン・ファローと養父のウッディー・アレン  /   右: 母のミアと息子のロナン)

便利な馬鹿を支援する

  ソ連の手口を暴露したベズミナフの「講義」は、日本人にとっても必見である。彼はグリフィンとの対談で、「ジェイムズ・ボンドみたいなスパイなんかフィクションだ」と笑いながら答えていた。本当のスパイはもっと地味で、長期的計画を以て敵国を滅ぼそうと考えるそうだ。(上掲書 pp.27-28) というのも、武力を用いて攻撃するより、相手国の倫理道徳を破壊する方が有効的だからである。まず、打倒したい敵国にエージェントを侵入させ、現地の民衆が尊ぶ理念とか精神を腐蝕させる。例えば、アメリカ人の精神的支柱となっているキリスト教をビジネス化させたり、娯楽産業に変化させたりするそうだ。KGB工作員はお金で有名人や藝能人を雇い、厳粛な礼拝をエンターテイメントに変えてしまう。また、ポップス界のミュージシャンを利用して、「社会正義(Social Justice)」のメッセージを信徒に植え付け、死語の世界とか天国ではなく、俗世の社会問題に注意を向けさせるそうだ。日本でも人気が高いジョン・レノンの『イマジン(Imagine)』を想い出してみれば分かるんじゃないか。天国も地獄も無いどころか、欲望や飢餓の無い世界を想像してみよ、とレノンは囁いた。

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(左: ジョン・レノン  / 中央: ヨーコ・オノ / 右: 反戦を訴える若者 )

  誰でも知っているジョン・レノンは、歐米の人々に向かって伝統的宗教を軽んじるメッセージを発信したばかりか、国境の無い世界を称讃し、気軽に「平和」や「人類愛」を説く。(注 / 音楽の「クウォリティー」と「歌詞の政治思想」とは別物である。ビートルズのファンは冷静に考えてほしい。) しかし、現実社会では誰もが快適な生活をしたいと望んでいる。全共闘に夢中になっていた左翼学生だって、卒業の時期を迎えれば“現実的”になり、汚く伸ばした髪を切って就職活動に勤しんでいたし、ゲバ棒を持っていた学生も、IVYルックのジャケットを着込んで恋人とデートする青年に憧れてしまったのだ。機動隊に火炎瓶を投げつけたり、講堂に立て籠もっていた女学生も、ヘルメットよりはスカートの方がいいし、憎い大企業が作った化粧品でお洒落を楽しみたい。

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(写真  /  ヒッピーとなった若者たち)

      以前、成田闘争を長年続けていた或る左翼夫婦がいた。彼らは何十年も亙って反対運動を続けているうちに心身共に疲れ果て、時代の変化もあってか、ついに闘争を諦めてしまった。そして、何と“反対”していた成田空港を利用して、念願のイタリア旅行に出掛けてしまったのだ。我々なら「えっっっ ! 自分たちが散々反対していた空港を利用したのか?」と驚いてしまうが、社会党の議員だって「海外視察(税金を使った大名旅行)」を“満喫”するため、大嫌いな成田空港を使っていたんだから、今さら驚くことでもあるまい。夫婦でイタリア旅行を楽しんだ左翼の奥方は、「あぁぁ、本当に素晴らしい旅行だった !」と笑顔で感想を述べていた。(これって、プロレタリアが糾弾するブルジョア趣味なんじゃないか?)

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(左: ヒッピーの家族 /   右: ヒッピーの女性)

  再び脱線したので話を戻す。ベズミナフによると、ソ連の工作員はアメリカ社会を腐敗させるために「大衆教育」を施したそうだ。「教育」といっても本来の意味ではなく、子供たちを堕落させる逆効果を狙った「教育」である。例えば、家庭や学校での「躾(discipline)」を消滅に導くことが挙げられる。(上掲書 p.33) 健全な子供をつくるには「権威」が必要という事は昔から知られているが、工作員はこの権威を貶めたり、厳しい鍛錬を緩くしようとするらしい。甘い躾を受けた子供は必ず低いモラルの持ち主になるから、克己心とか自制心の無い大人へと成長する。さらに、ソ連の工作員は“好都合な”藝能人を支援して、子供や青年たちを「快楽」の世界へと導いたそうだ。ベズミナフが属していた「ノボスティ社」は、口先だけの藝人とか、下品な歌手、詩人、作家、芸術家、音楽家、知識人をロシアに招き入れ、彼らを持て囃しながら「進歩的」考えを植え付けると、彼らを祖国に戻したという。KGBはこうした「便利な馬鹿」を様々な形で援助し、彼らが活躍する大衆文化を通してアメリカ社会を腐敗させたという。

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(左: コンサートでのマイケル・ジャクソン  / 中央: 幼少期のマイケル /  右: 大人になったマイケル)

  ただし、ザ・ビートルズやマイケル・ジャクソン(Michael Jackson)、パンク・ロックのミユージシャンにはお金を払う必要が無かったそうだ。彼らはKGBから金銭的的支援を受けなくても、“自主的に”下劣な文化を撒き散らかしたからだという。確かに、マイケル・ジャクソンの踊りや歌をロシア人が指導・支援したとは思えない。1960年代までの西歐系アメリカ人は、まともな中流家庭で育っており、腰や股間を振るわせて踊るなんてことは想像できなかった。ところが、黒人のマイケル・ジヤクソンだと人前で恥ずかしげも無く睾丸をグィっと握り、「ホーウ!!」と叫んで下半身を動かすんだから、白人の淑女たちは目を覆いたくなる。しかし、ポップ・カルチャーとかヒッピー風俗に慣れ親しんだ白人たちは、卑猥なダンスを披露する黒人歌手に拍手喝采だ。ヴィクトリア朝のイギリス人レディーなら卒倒してしまうが、人種平等とか多文化主義を吹き込まれた世代は気にせず、中には黒人の下品な踊りを真似する者が出てくる始末。しかも、ユダヤ人コメディアンが口にする猥談にお金を払い、反西歐的映画にも洗脳されているんだから、アメリカの白人青年が馬鹿になるのも当然だ。

謀略を助けたボランティアのユダヤ人

  KGB工作員による「脱道徳化(demoralization)」に貢献したのは、左翼的本能を持つユダヤ人であった。彼らの中には外国の援助で活動を行っている者もいたが、多くはフランクフルト学派のような知識人や左翼家庭で育った自発的な活動家である。とりわけ、ハリウッドに巣くうユダヤ人にKGBからの金銭的援助は必要無い。彼らはその出自ゆえ、心の底から西歐系アメリカ人を憎んでおり、キリスト教倫理が君臨する伝統社会を破壊したいと思っている。肉体が異なるユダヤ人は、とにかく「差別」や「区別」が大嫌い。だから、人種を基にした「仲間はずれ」とか、風習や宗教の違いによる嫌悪、性的嗜好による排除などに敏感である。それなら、まずイスラエルで総ての差別を撤廃するよう活動すればいいのに、歐米諸国のユダヤ人は「タカリ先」で自らの“理想”を実現しようとする。これから彼らは嫌われるのだ。

  最近は盛んにLGBT、すなわちレズビアンやゲイ、両性好み、性転換者への差別撲滅が叫ばれており、学校や会社あるいは軍隊やマスコミ界でも、性的倒錯者を「人間」として“平等”に扱うよう圧力が掛かっている。しかし、教科書とか上司の訓示で「差別撤廃」とまでは至らないので、ユダヤ人は娯楽映像を使って異教徒、すなわち頑固で傲慢な「ヨーロッパ系白人の野獣」どもを改造しようと試みる。例えば、2012年から13年にかけて米国NBCテレビが放送した『ザ・ニュー・ノーマル(The New Normal)』というコメディー番組があった。これは同性愛者のカップルを主人公にした「シットコム(テレビ喜劇 / situation comedy)」だ。ところが、このドラマに対し、キリスト教徒を主流とする保守敵国民から猛烈な抗議が沸き起こり、シーズン1を以て打ち切りとなってしまった。(Lesley Goldberg, "NBC Cancels The New Normal", The Hollywood Reporter, May 10, 2013)

Ryan Murphy 1Ryan Murphy & David Miller 2Allison Adler 1








(左: ライアン・マーフィー  / 中央: マーフィーとデイヴッド・ミラー  /  右: アリソン・アドラー)

  『ザ・ニュー・ノーマル』は誰が観ても変態番組に間違いなく、制作者や出演者には「曰く附き」の人物が含まれていた。まず、原作者となっていたのは、人気ドラマ『グリー(Glee)』を生み出したライアン・マーフィー(Ryan Murphy)と、TV版『スーパーガール(Supergirl)』を手掛けたアリソン・アドラー(Alison Adler)である。案の定、この二人は「ノーマル」じゃなかった。マーフィーは正真正銘のゲイで、恋人のデイヴィッド・ミラー(David Miller)と「夫婦」になっており、長男のローガン(Logan)と次男のフォード(Ford)を育てているそうだ。もちろん、二人とも代理母から生まれている。(Sophie Vokes-Dudgeon, "Ryan Murphy Second Child", US Weekly, October 6, 2014) 一方、アドラーはレズビアンで、女優のサラ・ギルバート(Sara Gilbert)と結婚していた。彼女たちの間には二人の子供がいて、サラが人工授精で娘を産み、アリソンは息子を産んでいたそうだ。(サラはアリソンと別れた後、ミュージシャンのリンダ・ペリーLinda Perryと再婚している。) サラは『ポイズン・アイヴィー』などに出演したユダヤ人で、『大草原の小さな家』に出演したメリッサ・ギルバートと法律上の「姉妹」となっている。

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(左: サラ・ギルバート  / 中央: 子供と一緒のアドラーとギルバート  / 右: リンダ・ペリーとサラ・ギルバート )

  サラの母親はユダヤ人のバーバラ(Barbara)で、この母親はサラが生まれる前に非ユダヤ人の男優ポール・ギルバート(Paul Gilbert)と結婚していた。この頃、バーバラとポールがメリッサを養子に迎えていたので、メリッサは「ギルバート」姓を名乗ることになったのだ。しかし、バーバラとポールは1972年に別れてしまい、離婚したバーバラはユダヤ人の弁護士ハロルド・アベルズ(Harold Abeles)と再婚した。したがって、1975年に生まれたサラ・ギルバートの本名は、「サラ・アベルズ(Sara Abeles)」で、ユダヤ人の両親を持つことになる。メリッサは種族上ユダヤ人ではないが、ユダヤ人的雰囲気の家庭で育ったそうだ。つくづく思うけど、アメリカ人の家庭は実に複雑だ。それはともかく、こんなサラと“結婚”したアリソンの素性は明らかではない。CBSの人気番組「ザ・トーク(The Talk)」の制作者や藝能記者のネイト・ブルーム(Nate Bloom)によれば、サラ・アドラーはユダヤ人の可能性が高いという。信仰を持たないユダヤ系アメリカ人は、血筋や育ちを意図的に隠したり、あえて言及しない場合が多いので、第三者には分かりづらいこともある。だから、本人の親戚とか祖父母・兄弟姉妹が“口を滑らせる”時を待つしかない。(筆者も「ユダヤ人」らしい人物の正体を摑むのに苦労したことがあった。知識人や活動家などはインターネットで家系を探せないから、紙の文献を丹念に調べて「偶然」見つけるしかないのだ。)

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(左: アンドリュー・ラネルズ  /  中央: リーナ・ダナム /  右: 娘のリーナと母のローリー・シモンズ)

  原作者に劣らず、出演者にも「普通」じゃない人物がいる。例えば、主役のアンドリュー・ラネルズ(Andrew Rannells)だ。彼はTVドラマの『ガールズGirls)』に出演し、「イライジャ」というゲイの役を務めたことで知られているが、アンドリューは役柄と共に実生活でもゲイであるそうだ。このドラマも問題作で、プロデューサーを務めるリーナ・ダナム(Lena Dunham)が主演女優を兼ねていた作品である。彼女は英国系プロテスタントのキャロル・ダナム(Carroll Dunham)を父に持つが、母親のローリー・シモンズ(Laurie Simmons)はユダヤ人である。ということで、リーナは自身が認めている通り、ユダヤ人的家庭で育ったそうだ。リベラル派が君臨するハリウッドでは珍しくないが、リーナもバラク・オバマとヒラリー・クリントンの熱烈な支持者で、そのうえ札付きのフェミニストである。まったく、どうしてユダヤ人の家系に育つ子供は、どいつもこいつも左翼になるのか不思議だが、異人種の国家に寄生する民族だから“しょうがない”のかも知れない。

  ゲイの役が板に付いているアンドリューだが、実家はまともな家庭であったようで、ポーランド・アイリス系の両親を持つ少年は、カトリック教会が運営する男子校に通っていたそうだ。日本人の感覚で考えれば、男子校に通って友達と親睦を深め、「男らしい」青年に成長するはずなんだけど、同性愛者のアンドリューにとっては、ある意味、母校が性的な「パラダイス(楽園)」になっていた。ただし、彼が自分の本性を周囲に明かしていたかどうかは定かではない。一方、彼が大人になって出演したドラマ『ガールズ』では、ハナという恋人に正体を隠したまま、厭々ながらデートするキモい役であった。こんなドラマを制作するリーナ・ダナムも異常だが、こうした番組を見続けているアメリカ人も異常である。

Justin Bartha 3Justin Bartha in Holly Rollers









(左: ジャスティン・バーサ  /  右: 「ホーリー・ローラーズ」に出演したジャスティン)

  『ザ・ニュー・ノーマル』で「デイヴッド・ソイヤー」を演じたジャスティン・バーサ(Justin Bartha)は、日本でも知られている。彼はシリーズ化されたヒット映画『ハングオーバー』やニコラス・ケイジ(Nicolas Cage)主演の『ナショナル・トレジャー』に出ていた役者と紹介すれば、一般国民も思い出すんじゃないか。彼は改革派のユダヤ教徒で、トランプの娘婿であるジャレド・クシュナー(Jared Kushner)と同じタイプのユダヤ人である。ところが、彼の出演作にはユダヤ人が眉を顰める映画があった。『ホーリー・ローラーズ(Holly Rollers)』に出演したジャスティンは、「ヨセフ」という役を演じていたのだが、これがハシッド派(Hasidic)のユダヤ人で麻薬の売人なのだ。(Ilan Master, "Justin Bartha Talks Holy Rollers, Hangover 2", Shalom Life, June 10, 2010)  見方によっては“結構”リアルなんだけど、ハリウッドの映画界では歓迎されないキャラクター設定である。ちなみに、「ハシッド派(Hasidism)」というのは、ポーランドやガリチア地方にいたユダヤ教徒が始めた神秘的な敬虔主義で、東歐系ユダヤ人にその信奉者が多い。

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(写真  /  アンドリュー・ラネルズとジャスティン・バーサ )

  問題作の『ザ・ニュー・ノーマル』は、ゲイのカップルであるデイヴィッド(ラネルズ)とブライアン(バーサ)が“温かい”家庭を築くために奮闘するという物語になっている。ただし、ゲイの「夫婦」だから、どちらも妊娠することができない。そこで、彼らは代理母となってくれる女性を捜そうとする。彼らはジョージア・キング(Georgia King)扮するゴールディー・クレモンズというシングル・マザーと出逢う。彼女には娘のシャニアがいるけど、今の生活から抜け出すため、新たな人生を歩もうと心に決めていた。そこで渡りに船と、ゲイ夫婦の子供を産むことにしたという。元々、彼女にはクレイという夫がいたのだが、亭主の浮気が原因で別れしまい、母子家庭となった経緯がある。ただ、問題なのは彼女の祖母であるジェーン(エレン・バーキン)の存在で、この祖母は保守的なキャラクター設定となっており、ゴールディーの私生活にちょくちょく介入してくる。当然ながら、ゴールディーがゲイの連中と付き合うことに反対だし、祖母としては可愛い孫娘のことが心配だ。ということで、「陽気な」ゲイ・カップルを巡ってのドタバタ喜劇となる。

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(左: エレン・バーキン  /  バーキントアル・パチーノ/ ミッキー・ローク / 右: 「ナイン・ハーフ・ウィークス」でのロークとキム・ベイシンガー )

  この祖母ジェーンを演じているのが、有名女優のエレン・バーキン(Ellen Barkin)である。彼女は日本でも有名で、アル・パチーノが主演を果たした『シー・オブ・ラブ(Sea of Love)』で怪しい恋人の「ヘレン」を務めたし、ミッキー・ローク主演の映画『ジョニー・ハンサム(Johnny Handsome)』で「サニー・ボイド」役をこなしていた。筆者の個人的好みからすると、『ジョニー・ハンサム』は地味な作品だが、ちょっとした掘り出し物といった感じの映画だ。とりわけ、もの悲しい結末が妙に印象的である。ここでは関係無いけど、昔のミッキー・ロークは本当に格好良く、まさしく“ハンサム”だった。

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(左と中央: キム・ベイシンガー  /  右: ミッキー・ロークとキム )

      1986年に公開された『ナイン・ハーフ・ウィークス(9・1/2 Weeks)』では、売り出し中のキム・ベイシンガー(Kim Basinger)と共演し、彼女と情事を重ねるキザなプレイボーイの役を演じていた。映画の中では、深夜、ロークがベイシンガーに目隠しをさせたまま冷蔵庫の前に坐らせ、中から取りだした色々な食べ物(例えば苺)を彼女の口に入れて当てさせる、という遊びをするシーンがある。公開当時、劇場で観ていた筆者は「こんな戯(ざ)れ事で楽しいのかなぁ」と疑問に思ったが、恋人同士だときっと楽しいゲームなんだろう。今ではキム・ベイシンガーも年増になって、かつての美貌を失っているが、1980年代の彼女は本当に美しかった。ミッキー・ロークも整形手術のせいで、今じゃモンスターの親類となっている。『アイアンマン2』と違って、『イヤー・オブ・ザ・ドラゴン』に出演していた頃のロークは、紛れもなく二枚目スターであったから、容貌の激変は否めない。

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(左: ロナルド・ペレルマン  / 中央: ペレルマンとエレン・バーキン /  右: パトリシア・ダフ)

  話が戻るけど、エレンもまたユダヤ人で、有名男優のガブリエル・バーン(Gabriel Byrne)と離婚してから、大富豪のユダヤ人ロナルド・ペレルマン(Ronald Perelman)と結婚している。このペレルマンはビジネス界で知られる超弩弓(どきゅう)の商人で、「コーエン・ハットフィールド(Cohen Hatfield)」という宝石会社を買収し、その後、食品メーカーの「マッカーサー&フォーブス(MacArthur & Forbes)」を傘下に入れた遣り手である。有名女優を妻にしたペレルマンだが、エレンとは2006年に離婚してしまい、次に結婚したのが政治活動家のパトリシア・ダフ(Patricia Duff)であった。再婚相手のパトリシアは、「コモン・グラウンド(The Common Ground)」という政治組織を設立した西歐系のキャリア・ウーマンで、彼女も離婚と再婚を繰り返していた。「離婚」と言っても、その別れた夫がこれまた凄い。ペレルマンと結婚する前、彼女はマイク・メダヴォイ(Mike Medavoy)というユダヤ人ビジネスマンと結婚していたのだ。

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(左: マイク・メダヴォイ  /  アーノルド・シュワルツネッガー/  ジェイク・ギレンホール/ 右: ショーン・ペン )

  このメダヴォイはハリウッドに於いて大御所的存在である。彼は有名な「オリオン・ピクチャーズ(Orion Pictures)」を創立した人物で、チャーリー・シーン主演の『プラトゥーン』、ピーター・ウェラーの『ロボコップ』、シュワルツネッガーの代表作『ターミネーター』を世に送っていた。その後、メダヴォイは「トリスター・ピクチャーズ(TriStar Pictures)」の会長に納まっている。同社の映画には、『ターミネーター2 / Judgement Day』やシルヴェスター・スローン主演の『クリフハンガー(Cliffhanger)』、トム・ハンクスとメグ・ライアンが共演した『めぐり逢えたら(Sleepless in Seattle)』といったヒット作があるから、誰でも「あの配給会社かぁ」と頷くだろう。さらに、彼は「フェニックス・ピクチャーズ(Phoenix Pictures)」を設立し、ジェイク・ギレンホール主演の『ゾディアック』やショーン・ペンが出演した『オール・ザ・キングズ・メン』などを制作していた。本当にハリウッドはユダヤ人共同体で、ユダヤ人の豪商や監督が映画を企画・制作し、ギレンホールやペンといったユダヤ人を採用する。ユダヤ人のプロデューサーは、倫理道徳を踏みにじる作品でも気にしないし、お金の為なら支那人の肛門だって撮影する連中だ。地獄の三丁目が地球儀になくても、ユダヤ人ならグーグル・マップで突き止めるんじゃないか。こうした実態を直視すれば、お金を払って自ら洗脳される西歐系アメリカ人が如何に愚かであるのか、が誰にでも解るだろう。

  パトリシア・ダフに話を戻すと、一つだけ紹介したい出来事がある。彼女は億万長者のペレルマンと四度目の再婚を果たすが、実は彼と結婚する前にユダヤ教へと改宗していたのだ。ペレルマンはメダヴォイと違って敬虔なユダヤ教徒であったから、結婚の条件として「改宗」をパトリシアに要求していたのである。(Majorie Williams, "The Duff-Perelman Dust-Up",  Vanity Fair, August 1999) 他人の色恋沙汰であるから、筆者がどうこう口を挟む案件じゃないが、パトリシアは人並み以上の教養を身につけ、華麗なる経歴を誇り、多少なりとも判断力に優れている才女であるはずだ。それなのに、コロっと財産に目が眩んでしまうんだから、お金というのは魔物である。しかし、二人の結婚生活はそう長くは続かなかった。1995年に結婚式を挙げたものの、翌年の1996年には離婚してしまうのだ。彼らにはカレー(Caleigh)という一人娘が生まれていたが、あっけなく破綻となってしまった。日本と違って、米国では子供が鎹(かすがい)になることはないのだろう。注目すべきは、弁護士を交えた離婚調停で、ペレルマンが元妻への不満を漏らしていたことだ。例えば、改宗したはずのパトリシアは充分にユダヤ教の誡律に従っておらず、キリスト教の「復活祭」を迎える頃になると、「イースター・エッグ」探しに興じていたらしい。(これはゲルマン文化の名残で、装飾を施した卵を草むらの中で見つけるゲームの一種。アメリカでは一般的な風習で、ハロウィーンと同じく、異教の尻尾を引き摺った風習である。)

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(左: パトリシア・ダフ  / 中央: ペレルマン  /  右: ユダヤ教徒)

  夫のペレルマンはコーシャ(kosher / 誡律に沿った料理)を守る敬虔なユダヤ教徒なのに、女房のパトリシアときたら、それほど真剣というわけでなく、本質的にキリスト教的アメリカ人のままであった。キリスト教的環境で育った西歐人は余り露骨に喋らないが、ユダヤ教の誡律なんて馬鹿らしいしと思っている。実際、窮屈で息が詰まりそうなものばかりだ。これは、来日したイスラム教徒と結婚してしまう日本人女性にも当て嵌まる事だが、誡律遵守が救済に結びつく宗教に注意が必要で、安易な交際はしない方がいい。神道みたいな緩い宗教に慣れた日本人には、中東アジアの熾烈な宗教は肌に合わないし、天主との「契約」は「束縛」に近いから、不幸を招くだけだ。米国だと、ユダヤ教について無知な白人女性がユダヤ人と恋に落ち、相手の宗教に鞍替えするケースが意外と多い。トランプ大統領の長女イヴァンカが、改革派とはいえユダヤ教に改宗したのは、その典型例である。大女優のエリザベス・テイラーも「改宗組」のユダヤ教徒であったが、普段の世俗的な生活を見てみると、とても敬虔な信者とは思えなかった。だいたい、ユダヤ教が嫌になって家族から逃れるユダヤ人女性が多いのに、わざわざ陰険な宗教に入信するなんて馬鹿げている。キリスト教から離れたアメリカ人女性は、宗教の恐ろしさを解っていないのだ。もし、ユダヤ教が嫌になったとして、どうやって棄教するのか? まさか、「神様に誓って神様を裏切ります」とは言えまい。まぁ、日本人はイエズズ・キリストを信じていなくても、教会でキリストに永遠の愛を誓えるんだから、本当に気楽である。クリスマス・イヴに発情するカップルだって、創世記の「産めよ、増えよ」を実践している訳じゃないだろう。

アブノーマル(異常)をノーマル(正常)にする

  またもや脱線したので話を戻す。とにかく、『ザ・ニュー・ノーマル』はアメリカ社会の道徳を破壊する娯楽作品であったということだ。KGBの工作員は労働組合とか黒人などの有色人種を焚きつけて、アメリカ社会を混乱に陥れようとしたが、彼らには幸運とも思える「頼もしい協力者」がいた。ユダヤ人はロシア人スパイからお金を貰わなくても、大学で暴れ回り、アメリカの倫理道徳やキリスト教文化、その他の伝統的価値を叩き潰してくれたのだ。KGBの工作員は独自の出版社を有したり、他の出版社を通して、有害な、つまり左翼系の書物を大量に生産していたそうだ。ロシア人の謀略家は、アメリカ人の頭と心を真っ赤に染めて共産主義のシンパに仕立てたし、下劣な文化を促進することで社会全体を堕落させようとした。考えてもみよ。ゲイやレズビアンの家庭から、男気のある息子とか、貞淑で高貴な娘は出てこない。例えば、レズビアン・カップルに養子として育てられた男の子が、武士のように質実剛健、勇猛果敢で独立不羈の青年になるのか? せいぜい、意気地無しのインテリか温和な芸術家、左翼気質のジャーナリスト程度だろう。古代ギリシア人は「健全な肉体に健全な精神が宿る」と信じていたが、日本でもこの思想は正論で、健全な青年は健全な家族から生まれてくるものだ。

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(写真  /  ゲイのカップル)

  筆者は何も「ゲイやレズビアンを抹殺しろ」と言っている訳ではない。日本にだって昔から男色の風習があったから、同性愛者が併存するからといって、即座に社会が腐敗するというものでもなかろう。問題なのは、同性愛者を利用するNHKとかフェミニスト学者、人権派弁護士などが、日本社会を転覆させるために、性的少数者を「道具」として使っているから危険なのだ。ホモの人々は世間の片隅でひっそりと暮らせばよいのであり、表舞台に躍り出て、一般国民に「平等」を無理強いすべきではない。机上の理論では「人間は皆平等」と定義できるが、現実の世界では男と女には役割分担があり、棲み分けをしながらの調和があるのだ。母親の愛情を父親が提供できないのと同様に、男の力強さを母親が代行できるわけじゃない。著名な生理学者のアレクシー・カレル(Alexis Carrel)が言ったように、男と女は細胞・遺伝子レベルで異なっているのだ。たとえ同じ哺乳類であっても“質的”に違っている。もし、両者の質的な「性別」を否定し、中性的人間を理想とするなら、その社会は異常をきたし、やがて頽廃と凋落を迎えるだろう。我々は長いこと父親と母親で構成される家庭を保ってきたし、それを変えようとは思わない。屁理屈では何とでも言えるが、悠久の歴史を通して実証された「健全な家族」なんだから、それを尊重すべきなんじゃないか。だいいち、二人のパパが一つのベッドに寝る家庭なんてゾっとするだろう。

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( 写真 /  レズビアンのカップル)

  左巻きのユダヤ人や人権派の活動家は、同性愛者や性転換者を「表」の人間にしたがるが、普通の日本人は子供にゲイとかレズビアンについて尋ねられたら、どう答えるつもりなのか。例えば、6、7歳の娘が「パパ、ゲイって何?」と訊いてきたら、大抵の父親は戸惑うだろう。「うぅぅ~ん、そうだなぁ。その、つまり、なんだなぁ、男の子を好きな男の子ってところかなぁ」と答えるしかない。しかし、不思議そうな顔をする娘が「わたしもクラスの男の子で好きな人がいるから、わたしもゲイなの?」と聞き返してきたら困るだろう。何て説明したらいいのか分からない父親は、「あっ、今パパは忙しいから、そのことはママにききなさい」と逃げてしまう場合がある。すると、台所にいる母親のところへ向かった娘は、「ねぇ、ママ ! ゲイって何?」と質問するだろう。ビックリした母親は、「どうしてそんな事きくの?」と問い質す。「さっきねぇ、パパがママにきいてみなさい、って言ったから」と答える。

  こうなると女房は「なんでいつも困ったら私に押しつけるのよ !!」と癇癪を起こし、鬼の形相で夫を呼びつけようとする。しかし、雷鳴のような呼び出しに亭主は答えない。そこで、母親は娘に「パパはどこにいるの?」と尋ねる。すると、娘は「あのね、パパはお買い物があるからコンビニへ行ってくる、って言ってた 」と無邪気に答えてしまう。娘の返事を聞いた母親は、胸の中で「あいつ、逃げやがったな !」とつぶやく。一方、コンビニ店へと“避難”した亭主は、妻の激怒を想像しながら、どうしたものかと思案する。店内の商品棚を見渡しながら、怯える夫はマロン・クリームのデザートでも買って女房の御機嫌を取ろうと考えてしまうものだ。まさか、手ぶらでは帰れないだろう。望みは薄いが、激昂した女の熱を冷ますには、クールなスウィーツを献上するしかない。でも、子供を産んだ女性は、赦しの女神から仕置きの達人に変わってしまうから、ケーキのように甘くはないぞ。アメリカ人と違って、日本人の亭主がカミさんを「ハニー」と呼ばないのは、苦い現実を分かっているからだ。(ただし、蜂の「ひと刺し」みたいな処罰ならあるんだけどね。) お後が宜しいようで。



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