無敵の太陽

主要マスメディアでは解説されない政治問題・文化・社会現象などを論評する。固定観念では分からない問題を黒木頼景が明確に論ずる。

偉人伝/人物評論

ルー大柴のような政治家 / 青山繁晴の正体(後編)

教科書に載せて全日本人に知らせたい現代史 支那人の卑史 朝鮮人の痴史
黒木 頼景
成甲書房



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劣等感に悩む日本人

Aoyama 001  日本人は子供から大人まで、様々な階層が英会話に夢中になるが、英語の発音だけは苦手なようで、ネイティヴ・スピーカー並の発音に憧れているのか、「アメリカ人と対等に話したい! 」と“こだわる”人が多い。それゆえ、一般の日本人はイギリス人やアメリカ人のように話す“バイリンガル”を尊敬するようだ。未熟な若者ならまだしも、いい年をした中年までもが英会話学校に通い、大金を払ってるんだから情けない。仮に、目標が達成されても、会話の内容がお粗末で、チンピラ黒人より“ちょっとマシ”といった程度だ。本人の努力は尊重するけど、たとえ格好のいい“英語屋”になっても、そんなのは“せいぜい”フィリピン人かインド人の類いである。テレビ広告では「イーオン」とか「ECC」が盛んに「夢」を語っているが、あんなのは「幻想」で、実際のイギリス人やアメリカ人にとって、英語を話す東洋人なんて珍しくもない。なぜなら、カイロの青空市場で骨董品を売るエジプト人や、ダマスカスの喫茶店でコーヒーを運ぶシリア人、香港で観光客に近づく支那人でも、ちゃんと英語を話せるからだ。非英語圏の外人が英語を話すなんて当たり前。アムステルダムやロンドンで爆弾テロを計画するイラク人でさえ、一端の英語を喋っている。英語で“上級国民”に昇進できるのは日本だけだ。

  そもそも、イギリス語という言語は、ブリテン島に渡ったゲルマン人が喋るドイツ語の一種(方言)に過ぎない。それなのに、「英語」とくれば、日本人は劣等感の塊だ。たぶん、中学生の頃から英語の試験に晒され、点数で序列をつけられてきたからだろう。そのうえ、憧れのイギリス人やアメリカ白人から発音を馬鹿にされてしまうから、精神が歪んでしまうのも当然だ。この精神病はは中高年になるほど酷い。昔、総理大臣になった宮沢喜一は訪米し、たまたまACBの「This Week」に出演したが、この卑怯者が英語で喋ると、まるでシンガポールの政治家みたいだった。宮沢本人は同世代の老人に向けて、「俺の英語力は凄いだろぉぉ~」と自慢たっぷりであったが、司会者のデイヴッド・ブリンクリー(David Brinkly)の方が遙かに素晴らしく、イギリス紳士のように優雅で、ローの人のような威厳に満ちていた。それゆえ、対談を見ている日本人の方が恥ずかしくなる。(たぶん、親分の池田勇人も草葉の陰から「あのバカ野郎 !」と怒鳴ったんじゃないか。ちなみに、宮沢は議員になる前、池田の秘書をしていた。同じく、池田の元秘書で政治評論家になった伊藤昌哉も、宮沢をボロクソに貶していた。)

  NHKのワシントン支局長を務めていた日高義樹も“見栄っ張り”で、“お得意”の英語を口にすると有頂天だった。彼はテレビ東京で冠番組を持っていて、しばしばヘンリー・キッシンジャーにインタヴューする機会があった。しかし、稚拙な語学力であったため、キッシンジャーの意見に反論できず、丁稚の小僧みたいに「そうですか!!」と相づちを打つだけ。これなら、番組名を「ワシントン・レポート」から「ごもっとも対談」に変えた方がいい。本来なら、有能な通訳をつけて、厳しい質問を浴びせかければ良かったのに、日高氏は自分の英語力を披露したいがため、一生懸命“苦手”な英語を使っていた。でも、文法は滅茶苦茶、論理的な切り返しもできない。それゆえ、視聴者が知りたい本音は引き出せず、キッシンジャーの独演会に近いものだった。(筆者はこの番組を毎回録画していたので、日高氏がどんなミスを犯していたのか、今でも検証できる。) 会場には日本人の在米ビジネスマンも来ていたが、彼らがどう思っていたのか興味がある。たぶん、心の底でせせら笑ってたんじゃないか。何しろ、コネ入社が横行するNHKだ。局員の評価なんて伸縮自在、蜂蜜よりも甘いんだから。おそらく、日高氏は「特別な能力」でワシントンに派遣されたのだろう。

  以前も述べた通り、筆者は自分をイギリス人と勘違いしていないから、英語は外国語に過ぎず、意思疎通の道具だと思っている。もちろん、イギリス人やアメリカ人にとったら、御先祖様から継承する大切な遺産で、微妙な言い回しや思考の発達に欠かせない言語である。手段以上のものであることは間違いない。しかし、日本人はイギリス人じゃないから、国語(日本語)を粗末にしてまで学ぶ価値は無いと思う。日本の小学生や中・高校生にとって、英語より日本史を学ぶ方がよっぽど重要だ。たとえ、数学や理科で多少苦労する子供でも、歴史だけはしっかりと勉強すべきである。なぜなら、歴史教育は国防意識を涵養するうえで欠かせない科目であり、もし子供達が我が国の過去を知らないと、自分がどんな国家に生まれ、どのような恩恵を受けているのかが解らないからだ。それに、国家の名誉も判らない奴が、愛国心を持って戦うことができるのか?

  でも、やはり、英会話が不得意な事に劣等感を覚える人は多い。例えば、藝人の松嶋尚美は英語を学んでも、全く身につかず、劣等感を抱いているそうだ。そこで、息子と娘をインターナショナル・スクールに入れて“バイリンガル”にしたいそうである。でも、そうして育った子供は、中途半端な日本人にしかならず、歐米人から蔑まれる「植民地の土人」程度だ。考えてもみよ。単に、御主人様の命令を理解できる「召使い」が、「尊敬の対象」になるのか? フランスの貴婦人(ケルト系白人)は、いくら冗談やゴマすりが上手いベトナム人の道化がいても、「対等の人間」とか「友人にしたい外国人」とは思わないぞ。ソルボンヌ大学を卒業したって、ベトナム人はベトナム人のまま。フランス語を聴いて「お坐り」をする犬と同じだ。

  日本人はとかく英語に価値を置きすぎで、日本語を習得をおろそかにする傾向が強い。試しに、イギリス人やアメリカ人で、日本語を話せる者がどれくらい居るのかを考えてみれば、英会話ブームが如何にアホらしいかが解るはずだ。昔、藝人の山田邦子が面白いエピソードを話していた。信じられないけど、彼女は「アメリカ人=白人」と思っていたそうだ。「じゃあ、黒人は?」と訊きたくなるが、そうした発想は彼女の頭に無かった。また、山田氏が国際線の飛行機に乗っていた時の逸話が絶品だ。(どうも、山田氏は友人と一緒に坐っていたらしい。) 彼女がアメリカ人のスチュワーデスから「何か欲しい飲み物は?」と訊かれたので、「アイ・アム・オレンジジュース」と答えたそうだ。すると、その客室乗務員は心配そうな表情を浮かべ、「いいえ、あなたは人間ですよ !」と諭したらしい。たぶん、山田氏は英語が分からず、安直な翻訳をしたのだろう。

  筆者は昔、ハワイ旅行をしたオバはんから土産話を聞いたことがある。団体旅行の中高年女性らが、現地の商店に赴き、それぞれが好みのアイスクリームを注文したそうだ。すると、一人の婦人が「バニラ・アイス」を頼んだところ、アメリカ人の店員が差し出したのは、何と「バナナ味」のアイスクリームであった。購入者の日本人は、「注文と違うじゃないか !」と不機嫌になったが、英語で叱りつけることも出来ず、その場は我慢し、仕方なく「バナナ味」のアイスを舐めたという。たぶん、オバちゃんの発音が悪く、「バニラ」が「バナナ」に聞こえたのかも知れない。だが、中高年の奥方には話題が尽きないもので、勘定の時に「いくら」払っていいのか判らなったそうである。そこで、一応、「足りない」と言われないために、20ドル紙幣を差し出して、レジ係の店員に取ってもらい、米ドルの「おつり」を貰ったそうだ。

  「オバタリアン、何処に行ってもオバタリアン」というのが中年女性の特徴で、海外で困った場面に出くわしても、笑いながら大胆なことをする。件(くだん)のオバちゃん等は、アメリカ人の店員から「値段」を言われても、何を喋っているのか聞き取れなかったので、当てずっぽうで「代金」を推測したというから凄い。さすが、日本のオバちゃんは度胸が据わっている。ただし、こんな肝っ玉かあちゃんでも子供扱いされたことが悔しく、日本に帰ってきてから、「あ~ぁ、英会話が出来たらなぁ~」と嘆いたらしい。通訳ガイド抜きの「冒険」をしたら、とんだ「逸話」を残してしまうなんて、日本のオバタリアンは本当に愉快だ。(綾小路きみまろが喜びそうな逸話である。)

「米語(ベーゴ)」の達人

  脱線したので話を戻す。青山繁晴議員も、英語に関し何らかの“劣等感”を抱いているのか、日本人相手の会話なのに“ちょくちょく”英語を挟んでくる。彼が好んで言及する「CIA」とか「FBI」の話になると、急にアクセントを強くして、「シっ・アイっ・エー!!」とか「エッフ・ビィー・アィッ !」と発音してしまうのだ。彼は“わざと”「コケイン」と発音し、直ぐさま「あっ、コカインか!」と言い直す。もう見え見えの演技だが、青山氏は「つい、うっかりして得意の米語で発音してしまった !」と聴衆に教えたいのだ。番組を聴いている一般人は、「えっ、何で“そこだけ”ルー大柴になっちゃうのぉ~?」と驚く。父親がアメリカ人というモデル藝人の「シェリー」や、DJの「ハリー杉山」だって、日本人が相手なら日本式に喋るぞ。青山先生は「米語の達人」を宣伝したくてウズウズしているようだ。(筆者がここで紹介する「シェリー」は、アイドル歌手だった「シェリー」とは別の女性。ついでに言えば、彼女の本名は「安部玲子」で、実の父親はフランス人。明石家さんまが若い時、一緒に司会をしていた女性と言えば、思い出す人もいるんじゃないか。一方、杉山氏は英国人ジャーナリストのヘンリー・ストークスを父親とする混血児。ストークス氏は『大東亜戦争は日本が勝った』、『戦争犯罪国はアメリカだった』の著者。)

  青山氏が使うのは英語は「米語(ベーゴ)」らしく、ブリテン島のイギリス人やスコット人が話す伝統的な「アングル人の言葉」じゃない。しかし、青山氏が度々口にする「米語」とやらは、アメリカ人でも「えっ !」と驚くような“特殊性”を持っている。例えば、青山氏が我々に注意した人名の発音だ。彼は「みのもんた」が司会を務める「よるバズ」という雑談番組に出演し、通訳としても有名な小西克哉の隣に坐っていた。番組の中で小西克也がCIA長官のポンペオに言及すると、青山氏は彼の発言を遮り、「小西さんもご存じの事を、敢えて、皆様のために申し上げると、余計な事ですが、ポンペオというのは止めてほしい。“パンピィーオ”ですから ! 違う人に聞こえちゃうから !」と訂正したのだ。

  まぁ、青山氏はなんて「優しい人」なんだろう ! アメリカ英語(or米語)を分からない人のために、“わざわざ”“余計な事”に言及するなんて・・・。でも、この時、横で聴いていた小西は、苦笑しながら「違う !!」と反論していたが、“暴走機関車”の青山氏は“ご自慢”の「米語」を振りかざし、止まる気配が無かった。迷いが一切無い青山氏は、目の前のゲストに向かって、「パンピぃぃ~オですから !」と間違いを正していた。でも、「英語」に詳しい小西教授は、「困ったなぁ~」という表情で、「違う、違う、ポンペイオ ! ポンペイオですから !!」と何度も否定していた。しかし、小西克也は自信たっぷりの青山氏には勝てない。なぜなら、隣で興奮している“インテリジェンス”の専門家は、何度も何度も、ラングレー(CIA)やクワンティコ(FBI)の高官と「ベーゴ」で話した経験を持っていたからだ。(ただし、誰もその場面を録画・録音していないから、実際どうなのか判らない。)

  筆者は米語の達人じゃないから、偉そうなことは言えないが、アメリカの大学に留学した時、アメリカ人の教授とアメリカ人の級友がいる授業を受け、アメリカ人だらけの学生寮に住み、アメリカ人のルームメイトを持っていたから、多少、アメリカ式発音の英語が分かる。だから、青山氏の発音レッスンには納得できない。でも、彼の「ベーゴ」発音は強烈で、一度聴いてしまうと中々忘れられず、しっかりと脳裏に刻まれてしまうのだ。先月、FOXテレビでローラ・イングラム(Laura Ingraham)の「The Angle」を観ていたら、丁度、Mike Pompeo(マイク・パンピィ~オぉ~)長官のインタヴューが行われていたので、イングラム氏の発音は“どう”なのかと、注意して聴いてみた。すると、やはり、彼女も「ポンペイオ」と呼んでいたのだ。しかも、はっきりと発音していたから、日本人が聴いても容易に識別できる。しかし、筆者の頭の中には、青山氏の「パンピィ~オぉ~」という声が鳴り響いてしまい、それが何回も繰り返されたので、もう爆笑の渦から抜け出せなかった。結局、筆者はイングラム氏とポンペイオ長官が、どんな会話をしたのか全く記憶が無い。

Laura Ingraham 3Mike Pompeo 2








(左 : ローラ・イングラム  /   右 : マイク・ポンペイオ)

  しかし、この発音レッスンには後日談がある。青山氏は「よるバズ」に出演したあと、視聴者から多くの反論を受けたようで、「虎ノ門ニュース」に出演した時、自身の発音問題に触れ、その失態を必死で誤魔化そうと図っていた。青山氏はよほど恥ずかしかったのか、「ポンペイオ長官の名前の発音には3種類ある !」と言いだし、何と、アメリカ国務省にも質問したというのだ。普通の日本人なら、「えっっっ~ ! そんな下らない事を一々国務省のアメリカ人に訊いちゃうのぉ~ ! 」と呆れてしまうが、これこそ、まさしく「議員特権」である。米国式発音に“こだわる”青山氏は、国務省の役人に対し、「正式には何と発音するんですか?」と尋ねたそうだ。にわかに信じられないが、青山先生がそう言うだから本当なんだろう。 ところが、世の中には不届き千万な人がいて、一部の日本人は「ホントかよぉぉ~? いつもの法螺(ホラ)話じゃねぇのかぁ~?」と小馬鹿にしたそうだ。まさか、自民党所属の参議院議員が、ありもしない架空の問答を捏造する訳ないじゃないか。たぶん、真顔で国務省の役人に質問したのだろう。

  それでも、青山氏には“心苦しい”点があるのか、人によってはアメリカ人でも「パンピーオ」もしくは「パンペーオ」、「パンペイオ」と言うので、「ポンペイオ」と発音しても良いらしい。青山先生は「癪だけど、NHKが発音するように、虎ノ門ニュースでもポンペイオでいきましょう」と述べていた。何か、苦し紛れの妥協というか、降参を認めない敗北宣言みたいで滑稽だった。ところが、自身の英語能力を守りたいのか、青山氏は入念な自己弁護に徹していた。曰わく、「日本人だと“POM”を“パン”と読むことには抵抗があるから、“ポン”でいいと思います」と付け加えていたのだ。さらに、青山氏は厳密な英語発音は日本語表記だと難しいところがある、と述べ、居島一平さんが“ちょっと”不審な目で見つめると、「そんなこと言ったら、トランプだって間違いですよ !  正確にはトゥランプだから・・・」と熱弁をふるっていた。でもさぁ~、こうした弁解を聴くと、「そんなに片意地張らなくてもいいじゃん ! 素直に御免なさい、と謝っちゃえば済むのに・・・」とつい思ってしまう。

  筆者はベネッセ・グループの「ベルリッツ(Berlitz)」という英会話学校を知らなかったが、世間では有名な英会話スクールらしい。一般国民は疑惑の態度を示していたが、青山氏は自分の英語能力を自慢し、ベルリッツの評価段階で、「レベル10」と明確に述べていた。(チャンネル桜で放送する「青山繁晴の答えて、答えて、答える」における発言。) そこで、「ベルリッツ」の評価基準を調べてみた。すると、「レベル10」にある人は、「プロ級」レベルで、「ネイティヴ・スピーカー並」に話せる、と書かれているじゃないか !! 青山先生、凄い ! 凄すぎる !! 筆者なんか「レベル1」か、せいぜい「レベル2」程度だ。それにしても、共同通信の記者っていうのは、語学の達人が揃っているのか? ただし、青木理(おさむ)みたいな奴もいるから、全員がネイティヴ並に米語を話せる訳じゃないだろう。となれば、青山氏だけが「卓越した敏腕記者」という事なのかな? 「世界ふしぎ発見」のスタッフに調べてもらいたい。

  「米語」の達人たる青山氏、といえども、状況によっては「英語(ブリテン式)」発音を用いるそうで、ラジオ番組ではアーティストに「気遣い」を示し、英国式の発音で喋る時もあった。青山氏はFMラジオで「On the Road」なるレギュラー番組を持っている。番組の中で彼が、「Badfinger」というバンドの「Day After Day」(曲)を紹介した時、青山氏はいつもの「米語」で「ベェーッド(bad)」と発音せず、英国式に「バッド(bad)」と発音していた。なぜなら、「バッドフィンガー」が“イギリス”のバンドであるからだ。さぁ~すが、由緒正しき「武士(?)」の家系は違う。鈴木健二も感心する程の気配りだ。でも、このバンド(元々は「The Iveys」)はウェイルズの「スワンジー(Swansea)」で結成されたから、往年のファンは「ウェイルズのロック・バンド」と思っている。青山氏は英国人に敬意を払っているそうで、「ジェネシス」の名ドラマー「フィル・コリンズ(Philip D.C. Collins)」を紹介する時も、米国式の「カリンズ」じゃなく、英国式の「コリンズ」で紹介するそうだ。筆者は「日本人のリスナー相手なんだから、普通にコリンズでいいじゃん」と思ってしまうのだが、 「ベーゴ」に執着する青山氏にとっては、ハッキリさせねばならぬ「違い」らしい。

  「ベルリッツのレベル10」を自称する青山議員だが、時たま“意外”な間違いをする。まぁ、“うっかりミス”なんだから、そんなに目くじらを立てなくても、と思ってしまうが、一般視聴者は厳しい。例えば、虎ノ門ニュースで「タックス・ヘブン(租税回避地)」を話題にした時、青山氏はそれを「税金天国」と呼んでいた。しかし、目の前に居る「アメリカ人弁護士」のケント・ギルバート氏から、「天国(heaven)じゃなくて回避(haven)」ですよ !」と指摘されるや、青山氏は大慌て。(「まったく、もう、変な人だなぁ」といった“笑み”を浮かべるギルバート氏は、親切にも「逃げ場」ですよ、と教えていた。) しかし、「リスク・マネージメント(危機管理)」の「専門家」でもあるのか、青山氏の「ダメージ・コントロール」は素晴らしく、「税金天国」を即座に打ち消し、「え~、ですから、逃げ場としての天国みたいな場所」と言い直していた。すごぉぉぉ~い切り返し! さぁぁ~すが、青山先生はそこら辺の通訳とは、ひと味もふた味も違うぞ。青山氏は、くれぐれも「天国と誤解せぬよう」我々に注意を促していた。ところが、摩訶不思議。青山先生は「米語の達人」であるはずなのに、なぜか手元にあるラップトップ・パソコンで「haven」の意味を検索し、まるで初めて知った中学生のようにジッと液晶パネルを見つめていたのだ。どうしたんだろう?

  「ネイティヴ・スピーカー」並に「米語」を話す青山氏でも、時には中学生のように発音や綴りを間違える。例えば、青山議員は虎ノ門ニュースに出演し、在留資格を持つ外国人の説明をした時、「特定活動」の意味と定義が解っていなかった。彼は大学教授や藝能人を「特定活動」の範疇に入れていたのだ。でも、青山先生が指していた法務省の一覧表では、ちゃんと「教授」や「興行」の項目があり、「特定活動」なるものは、「外交官等の家事使用人、看護師、介護福祉師候補者等」と説明されていた。よって、大学教師や歌手、俳優は別の範疇に属するはずだ。ところが、もっと驚いたことに、青山氏は、「特定活動」の用紙に筆記体で「designated activity」と書いており、この英単語を見ながら、「デザイネイテド・アクティヴィティー」と読んでいた。これには筆者もビックリ。今時、普通の受験生だって、「designated」を「デジグネイテド」と発音するはず。それなのに、青山先生ときたら・・・。おそらく、青山氏は「デザイン(design)」の綴りに釣られてしまい、発音を混同したのだろう。(もしかしたら、「designated」という英単語を知らなかったりして・・・。いや、青山先生に限って、そんなことは絶対に有り得ない。たぶんね ! 以前、当ブログで紹介した、キーファー・サザーランドのTVドラマ、「デジグネイテド・サヴァイヴァー(Designated Survivor)」を読んでくれた人は解っていると思うけど。) また、青山先生は水道法について解説していた時、「コンセッション」に言及したが、自分で印刷物に書き込んだ「コンセッション」の綴りが間違っていた。青山先生の「consession」は間違いで、正しくは「concession」と書く。でも、先生はアメリカ人みたく「カンセッション」と発音していた。さすが、青山先生だ !

  青山氏は「米語」の達人ばかりではなく、米国の政治や軍事にも詳しい。所謂「アメリカ通」だ。しかし、頻繁に訪れる「国防総省」については何か“変”。「米語」で発音しているんだが、どうも納得できない。青山氏によると、我々が発音する「ペンタゴン(Pentagon)」は間違いで、「ベーゴ(米語)」では「ペェナゴーン」と言うそうだ。また、日本は「ジャパン」じゃなく、「ジャペぇぇ~ン」と発音するらしい。何となく、ルー大柴の「スタンド」が現れてきそうだ。(「金粉」が腕から湧き出る青山先生だから、「ゴールド・セネター」というスタンド名だったりして。まさか、「パープル・ブルー・マウンテン」というスタンド名にする訳にもいかないし・・・。原作者の荒木飛呂彦先生も笑ってしまうだろう。だいいち、「紫の青」って、「やや紫」という色になるのか?)とにかく、小堺一機や関根勤を前にしたギャグならいいけど、青山氏は真剣に述べていたから厄介だ。

「多才な能力」を披露する政治家

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(左 : 「よるバズ」に出演した青山議員  /  右 : ラジオ番組を収録中の青山議員とアシスタントの女性)

  もしかしたら、青山先生は郷ひろみの「二億四千万の瞳」を上手に歌えるのかも知れないぞ。たぶん、モノマネ藝人の「古賀シュウ」よりウマいはず。こうなると、神無月さんが青山先生のモノマネをする日も近い。昔、タモリは「徹子の部屋」に出演し、イタリア語やフランス語に加え、支那語や朝鮮語のモノマネをして黒柳徹子を笑わせていたから、青山先生も「徹子の部屋」に出演し、「本場の米語」を披露したらどうか。そうすれば、独立総合研究所の講演会は超満員となり、お金がザクザク入ってくるぞ。ついでに、青山氏ご自慢の「現代アート」も紹介すればいい。青山氏は「個展」を開いて、奇妙な色紙や弁当箱を何十万円の値段で売っていたけど、あまり買い手がいないようだから、テレビでもっと宣伝すべきだ。ホント、青山先生はルネッサンスの巨匠を彷彿とさせる、「万能の藝術家」なんだから。

  「レベル10」の英語力を誇る青山先生は、拙い英語を喋る日本人にとても厳しい。青山氏はまだ陣笠議員なのに、ラジオ番組で安倍総理の英語を容赦なくこき下ろしていた。でも、青山先生は叱るだけじゃない。ちゃんと、ご自身の「お手本」を披露していた。「ザ・ボイス」に出演した青山先生は、安倍首相の英語演説を取り上げ、喋り方というか発音が駄目で、ブズブズに切れており、「うまくない」と批判していた。そこで、青山先生は番組のリスナーに対し、ご自身の「生演説(朗読)」を読み聞かせ、「どうだ ! 俺の米語は!」と大変ご満悦であった。(青山氏のニコニコ顔が目に浮かぶじゃないか。) なるほど、青山議員は安倍首相よりも早口で喋っていた。けど、アメリカ人を真似た中高年みたいで、「こんなもんなのかぁ~?」と拍子抜けするような朗読であった。たぶん、筆者の聴力が劣っているからなんだろうが、何回聴いても「ジャングリッシュ(日本的英語)」にしか思えない。

  ラジオ番組で「米語」を語る青山は活き活きしており、安倍総理だけじゃなく、歌手の佐藤竹善(さとう・ちくぜん)さんもバッサリ斬っていた。筆者は聴いたことがないが、佐藤氏は「イーグルス」の名曲「One of These Nights」をカバーしたそうだ。すると、「発音」にうるさい青山氏は、佐藤氏が「nights」の複数形部分をハッキリと発音していないから、「ズッコケ」ちゃうらしい。興奮する青山先生は、こんなの「有り得ない」と嘆いていた。(筆者には佐藤氏が誤魔化しているとは思えないんだけど。) 有頂天の青山氏は、「たぶん、周りで言ってくれる人が居ないんじゃない?」と馬鹿にしていたが、その言葉はそのまま青山先生にも贈りたくなる。おそらく、青山先生の周りに居る人、例えば事務所の秘書とか、番組スタッフ、出版社の編集員も判っているんだろうが、激怒されるのが怖くて誰も指摘できないのだろう。「触らぬ神に祟り無し」だから。

  青山先生は「米語」だけじゃなく、様々な「才能」に溢れている。サーフィンを始めたら、直ぐに波の上で楽しむことができたと言うし、支那に行くと直ぐ北京語や上海語を喋れるようになるし、南米に行っても“たちまち”スペイン語を習得してしまうそうだ。しかし、日本に帰国するや、全部忘れてしまうらしい。それでも、現代アートに秀でた青山先生は、ポップ・ミュージックやロック音楽、さらにクラッシック音楽まで、幅広く知識を有しており、各ミュージシャンについて詳しい情報を暗記しているという。例えば、ラジオ番組で「チャカ・カーン(Chaka Khan)」を紹介したとき、彼女の名前は「チャカ」じゃなく「シャカ」なんだと教えていたし、彼女の名前は「赤」とか「炎」を意味するアフリカ語に由来するとまで述べていた。すごぉぉ~い。さすが、青山先生は博識だ ! アフリカ人の言語にまで精通しているなんて !

  青山先生の頭脳はフラッシュ・メモリーみたいに大容量で、ミュージシャンの細かな情報まで蓄えている。例えば、歌手のボニー・タイラーが喉にポリープが出来ていたのに、そのまま唄っていたとか、エリック・クラプトンが高層ビルの53階に住んでいたとか、熱心なファンと同じくらい詳しい藝能記事を知っていたのだ。でも、まさか、手元に置いてあるラップトップ・パソコンで「ウィキペディア」を覗いている訳じゃないよねぇ~。だって、先生の説明はウィキペディアの「文言」とソックリなんだもん ! まるで、Wikiの文章を朗読しているみたいだ。ラジオ番組だから、何をしてもバレない、と思っているのだろうか。いや、そんなことはない。青山先生はミュージシャンのプロフィールやエピソードを全部「記憶」しているというから、そんな詐欺はしないだろう。なにせ、千人分の質問を全て暗記できる程の記憶力を持っているんだから。青山先生は「天才バカボン」に出てくる「ハジメ」ちゃんみだいだ。何しろ、青山先生は驚愕の神童であった。生まれたての赤ん坊なのに、盥(たらい)の上に立ったという。これなら、藝能ネタくらい1億件でも2億件でも覚えられるさ !

  音楽にも詳しい青山議員は、ラジオ番組で言いたい放題。亡くなった歌手のホイットニー・ヒューストンを紹介する時も、わざわざ「米語」で発音し、口を尖らせて「フゥィットニー・ひ~ストゥン」と呼んでいた。米語にうるさい青山氏は、人気ミュージシャンのブルース・スプリングスティーンが話す英語にケチをつけ、「彼の発音は好きじゃない。舌が短い !」と嫌っていた。さらに、女優のリース・ウィザースプーンが歌手になると、冷徹にこき下ろす。青山先生曰わく、「声が出ていない、声に張りが無い !」と手厳しい。タイガース時代の沢田研二についても容赦なく、「音程の取り方が悪い ! そもそも、歌い方が駄目 !」と辛口評論。しかし、ビートルズだけは例外で、彼らの名曲を紹介して上機嫌。アシスタントの前で、その美声を披露。青山先生は、かすれた声で歌っていた。青山氏の追っかけファンなら感謝感激だ。でも、ファンじゃない人が聴けば、下手くそな裏声で、音痴の鼻歌にしか思えない。

  国際政治や軍事・外政に詳しい青山先生は、何と日本の文化にも精通しているそうだ。現在、青山先生は自民党の保守派勢力を集めて皇室の維持にも努めている。ただ、何故か青山氏は「男系」という言葉が嫌いで、「父系に変えましょう」と我々に呼びかけていた。先生曰く、「男系とか女系という言葉を使うと国際的に問題となるから、父親の系統で継承される皇位」と表現した方がいいらしい。また、“国際派”でアメリカにも多くの“友人”がいる青山氏は、外国人にも日本の文化を理解してもらおうと、お得意の「米語」で日本の皇室伝統を説明し、その際、「父系」を「ファ~ザーズ・ライン」と翻訳したそうだ。テレビ東京の対談番組に出演した時、青山先生は官邸キャップの篠原裕明を前にして、「王室を持たないアメリカ人でも、“father's line”と言えば一発で理解できます !」と豪語していた。まぁ、「ファ~ザーズ・ライン」でも間違いじゃないが、まともな大人であれば、「paternal line」 とか「patriliny」、「paternal-line ancestry」という言葉を使って説明するんじゃないか。

  イングランドの「英語」では、「父上」を「pater」と呼ぶし、「家長(族長)」は「patriarch」で、「ローマ貴族」や「世襲貴族」は「patrician(patricius / patricii)」と言うから、アメリカ人でも簡単に理解するはずだ。しかも、アメリカ人にはキリスト教徒が多いから、「アブラハム→イサク→ヤコブの系譜を思い出してくれ」とか、「古代フランク族のサリカ法(Lex salica)でも、王位継承は男子に限られていたじゃないか」と言えば、アメリカ人だって「あぁ、そうだなぁ~」と言って納得してくれるだろう。たとえ、メロヴィング朝のクローヴィス(Chlodovechus)とかサリカ法典を知らなくても、日本人の前で「西歐史を知らない !」とは言えないから、「日本の皇室もそうだったのか !」と頷くはずだ。それにしても、青山先生の「米語」は直訳過ぎる。まさか、「ペイトリオティズム(patriotism / 愛国心)」を知っている青山氏が、「父や祖父から受け継ぐ土地や世襲財産(patrimony / patrimonium)」を意味する英単語を知らないことはないよねぇ~。きっと知っているはずで、アメリカ人の子供でも解るように、わざと「ファ~ザ~ズ・ライン」と述べたのだろう。(ちなみに、「母系」は「マザァ~ズ・ライン」であるそうだ。「maternal line」でも良さそうなのに。一般の主婦だって「マタニティー・ドレス(maternity dress)」とか、「産休(maternity leave)」いう英語を知っている。) まぁ世間には色々な意見があるけど、本当に、青山議員は親切だ。

  今や、国際社会で活躍する商人や国会議員には、「英会話」能力が必要条件となっている。青山議員によれば、通訳を介して国際会議に臨むと、約三倍の時間が掛かってしまうそうで、国会議員たる者は、必ず「英語力」を身につけるべきなんだって。「米語」の達人たる青山氏は、アメリカに行っても、東南アジア(ASEAN)の会議に出ても、必ず人気者となる。なぜなら、青山議員は国際会議に出席すると、ご自慢の「米語」で熱弁をふるうからだ。さぁぁ~すが、青山先生は外交手腕に長けている。先生の自慢話によると、参加者の外人はみんな青山議員の発言を解ってくれるし、誰もがその英語スピーチに感謝するそうだ。会議が終わると大使や公使などが青山氏のもとへ近づいてくるというから、実に羨ましい。そこで青山氏は大胆な提言をする。日本の国会議員の一部には、英語を苦手とする者がいるので、「ちゃんと勉強しなきゃ駄目だ !」と叱り飛ばし、選挙に出る奴には予め英語の試験を課せ、とまで述べていた。

  青山先生のお説教は更に加熱する。ASEAN諸国の政治家が喋る英語なんて、CNNのキャスターが口にする英語に比べれば、遙かに遅いから、一般の国会議員でも解るはずだ、と。ただし、国際社会で揉まれてきた青山先生は別。CNNのキャスターだと、マシンガン・トークみたいに早口だから、「僕くらいの英語力じゃないとダメだけどね・・・」と青山先生は暗に自分の「米語力」を自慢していた。他者に厳しい青山議員は、「英語が苦手だから」という理由で日本語で外人と話す政治家には賛成できず、「ゆっくりでもいいから英語で話せ」、と勧める。しかし、青山先生でも時として“ゆっくり”とした英語を話すそうで、アメリカ人がはっきりと理解できるよう、青山先生は敢えて“遅い”英語を喋ってあげるんだって。いやぁぁ~、青山先生は本当に優しい。

  さすが、ペンタゴンの軍人と秘密の会話ができたり、CIAの知り合いと「米語」で語り合ったりするだけの人物だけある。(ただ、不思議なのは、どうやって相手のアメリカ人がCIAの局員だと判ったのか? 普通、高度な軍事・外交情報を扱うCIA局員は身分を隠しているはずなのに。もしかしたら、落合信彦みたいな人脈を持っているのか? そういえば、以前、筆者が『SAPIO』誌の編集者に「落合さんはCIAに友人がいるんですかぁ?」と尋ねたら、笑いながら誤魔化していた。筆者も敢えて追求せず、「まぁ、秘密ですよねぇ~」と笑いながら応対したのを覚えている。まったく、ハッタリ屋を相手にする編集者も大変だ。)
  
  青山先生が伝える数々の「奇蹟」を信じない人もいるだろうが、いくらなんでも参議院議員になった“国士”が嘘をつくとは思えない。おそらく、全て本当の事なんだろう。青山先生が秘蔵する「心霊写真」だって、国務省の高官と話す「米語」だって、高価な値段を附ける「藝術作品」だって、南米で強盗を倒した「武勇伝」も、お金や名誉も要らぬという「愛国心」も、どれもこれも全て「真実」だ。「法螺(ホラ)だろう」と馬鹿にする奴には罰(バチ)が当たるぞ。いつも夜遅くまで仕事をこなし、睡眠時間が僅かで「死にそうだ」と苦しむ先生が、国民を騙す訳がない ! たとえ、「話を膨らませた」としても、きっと表に出来ない「裏の事情」があるんだろう。青山先生は「死を覚悟した護国の鬼」なんだから、ゼニのために政治家をやっているんじゃないぞ。たとえ、講演会で何百万円もの利益が出たとしても、青山先生はそれを着服せず、きっと何らかの政治活動に廻すはずだ。「日本の尊厳と国益を護る会」だって、我々の文化や皇室伝統を守るために結成されたのであって、青山氏が目立つため、自民党の執行部が利用するガス抜き集団、保守派の票田を確保するための別働隊、なんかじゃないぞ。青山議員の「志(こころざし)」は立派なんだから。

  でも、こうして青山先生について書いてみると、何となく、段々と虚しくなるのは“何故”なんだろう。もし、阿藤快さんが生きていれば、「何だかなぁ~?」の神髄を教えてくれるんだけど・・・。「天才バカボン」の原作者である赤塚不二夫(あかつか・ふじお)先生なら、「これでいいのだ !」と言って気にしない。ところが、筆者には疑問が残ってしまう。「モヤモヤさまぁ~ず」じゃないけど、何か胸にモヤモヤが溜まってしまうのだ。「チャンネル桜」のキャスターあたりが、青山先生の真実を解説してくれれば助かる。

  次回の「特別編」では、これまた「英語」が得意な小池百合子について述べてみたい。


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胡散臭い国会議員 / 青山繁晴の本性 (前編)

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  世間には様々な有名人がいる。見た目とは違って素晴らしい人もいれば、“とんでもない”食わせ者がいるから、上っ面(ツラ)だけを見て判断してはならない。例えば、映画の中でチンピラやギャングを演じる「悪役商会」の俳優なのに、私生活では意外と優しい紳士といった人物もいるし、他方、正義感に溢れる刑事役とか熱血教師を多数演じる二枚目男優なのに、舞台裏に廻ると陰険な意地悪だったりするから、外見に惑わされると“ひょんな事”で痛い目に遭う。

  筆者は参議院議員として活躍する青山繁晴に興味が無く、その話を退屈に感じていたから、彼が「虎ノ門ニュース」や「チャンネル桜」に出演しても、視聴することはあまり無かった。ところが、数週間前、偶然にも「ユーチューバー」のKAZUYA君が制作した動画を目にし、青山議員が奇妙な発言を口にしているというので驚いた。というのも、青山氏が出演番組の中で「講演会の前に聴衆からの質問を1,000件覚える」とか、「パソコン四台を並べて、四つの原稿を同時に書く」と述べていたからだ。「本当なのか?」と猜疑心が湧いたので、元の映像を探したところ、匿名人物による「青にゃん劇場」という編集動画があったので、一応覗いてみた。

  確かに、番組の中で青山議員が「疑惑の話」を披露していたので、「えっ !」と呟いてしまったが、“編集動画”なのでそのままでは鵜呑みにできない。例えば、青山氏は「幼少の頃から記者時代まで腕のみならず、体のあちこちから金粉が出ていた」と述べているが、どういう文脈で発言したのか解らないから、巧妙な切り貼り動画の可能性がある。まさか、正常な大人がそんなヨタ話をするとは思えない。また、ある癌患者が青山氏の著作『ぼくらの死生観』を読み、偶然、青山氏と握手をしたら、後日、癌が消えていたという話もあった。でも、これだって単なる「偶然」で、青山氏の念力で治った訳じゃないだろう。もしかしたら、「青にゃん劇場」の制作者が意図的に青山議員を貶めるため、「編集」がバレない程度に映像を繋ぎ合わせ、印象操作をしているのかも知れないのだ。

  ただ、気になるのは、青山氏が軍事ニュースで奇妙な間違いをしていたことである。(これだって、偽情報の可能性は否定ではないけど。) 例えば、「虎ノ門ニュース」に出演した時、護衛艦「いずも」の写真を指して「空母ロナルド・レーガン」と呼んでいたのだ。まさか、そんな間違いはないと思うが、こうした解説映像を見てしまうと、「あれっ!」と眉を顰めても不思議じゃない。以前、チャンネル桜で井上和彦が護衛艦「いずも」の艦内を紹介していたから、素人でも米軍の原子力空母と間違わないはずだ。また、青山氏は自衛隊の「エア・クッション型揚陸艇」の写真を前にして、「これは国際社会においては強襲揚陸艦です」と喝破していたから、「言葉を間違えているんじゃないか?」と質問したくなる。もし、一般の日本人が「強襲揚陸艦」と聞けば、「ワスプ級の強襲揚陸艦(Wasp class amphibious assault ship)」や「エセックス(USS Essex)」を頭に思い浮かべてしまうから、「ホバークラフト」のような「エア・クッション艇(LCAC / Landing Craft Air Cushion)」を想像することはない。

  青山氏の軍事知識には首を傾げたくなる点が多く、アメリカの軍事衛星では、地上にある10cm四方のモノ鮮明に見えるらしく、机に置いたコーヒー・カップがガラス製なのか陶器なのかの区別がつくらしい。たぶん本当なんだろうが、現在の解析度がそこまで進化しているとは驚きだ。軍事技術は急速な発達を遂げているから、勉強しないと最新技術に疎くなる。もう一つ、おかしいのは、青山氏が述べるステルス機の説明である。普通、ステルス爆撃機はミサイルを内蔵し、敵のレーダーに補足されないように飛行するのに、青山氏の解説では、ミサイルが外附になっているのだ。言うまでもなく、ミサイルを「外附」にしたらステルス機の意味が無い。そういえば、青山氏は2017年7月からずっと「朝鮮半島で有事が起きるぞ !」とか、「米鮮の戦いが間近 !」と警告していたが、9月、10月、11月、12月になっても戦争の危機は無かった。青山氏の「予言」は全く当たらなかったが、それにめげず、年末は無いけど「来年早々には起こるかも知れない」と述べていたのだ。おそらく、青山氏はハッタリで「戦争開始」という方に賭けていたんだろうが、その「直感」は当たらず、見事に「ハズレ」てしまった。これじゃあ、「世紀の予想外し」である副島隆彦と同じだ。

  とまぁ、青山氏の話には新鮮な驚きが尽きないが、それに附随する疑問点も多い。例えば、青山氏は三沢基地で航空自衛隊のF-2戦闘機に乗せてもらい、8Gの体験をしたというが、60歳代の素人がそんな重力に耐えきれるのか? 青山氏は体を鍛えているので、自衛隊から許可が下りたというが、もしかしたら、有名人に対する“サービス”なのかも知れない。つまり、自衛隊がなす宣伝活動の一環ということしだ。青山氏は自衛隊に好意的な有名人だから、パイロットの橋本勝士・中佐が戦闘機の宙返りをしてくれたり、ドッグ・ファイト並の操縦で最大8.5Gの体験をさせてくれたのかも知れないぞ。ただ、青山氏によると、その飛行時間が1時間半にも及んだというから、筆者にはとても信じられない。8Gを越える重力加速度って結構凄いぞ。例えばもし、体重60kgの人が5Gを体験したら、300kgの力が加わったような感覚になる。したがって、「8G」ともなれば480kgの体重がのしかかったような状態になるから、いくら“強靱な肉体”を誇る青山氏でも、急激な重力加速で脳に血が上らなくなり、酸欠で意識を失う虞(おそれ)もある。しかし、青山氏のことだ。「Gスーツ」を着ていたから大丈夫、と笑顔で答えそうだ。

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(左 : 自衛官と一緒の青山繁晴  / 右 : 戦闘機に乗って喜ぶ青山氏 )

  カーレースやサーフィンを楽しむ青山議員は、並外れた筋肉を持っているようで、100mを12.4秒で走ることができ、片腕だけで40kgのダンベルを持ち上げられるそうだ。「40kg」といったら、子供一人の体重くらいだが、それを片腕で、しかも左右合計だと80kgにもなるのに、それを持ち上げて筋肉を鍛えているというから凄い。さらに驚くのは、青山氏の眼球で、「3.5」の視力があるらしい。もう、「600万ドルの男(The Six Million Dollar Man)」並のスーパーマンだ。(ちなみに、このTV「ヒーロー」は米国男優のリー・メジャースが演じたステーヴ・オースチン空軍大佐。彼は訓練中の大事故で瀕死の重傷を負う。しかし、米軍の極秘プロジェクトで左目と右腕、両脚が機械のサイボーグに変身する。彼は原子力電池で怪力を発揮し、その両脚を使うと、時速100km/hで走ることもできた。オースチン大佐なら、戦闘機に乗って8Gはおろか、10Gでも13Gでも“へっちゃら”だ。)

  日本には信仰の自由があるので、青山氏がどんな宗教を信じようが、お化けを信じようが一向に構わない。しかし、政治と結びつけるなら、せめて根拠を示して欲しい。例えば、青山議員は沖縄戦で悲惨な最期を遂げた「白梅隊」の話をするが、彼が公言する「自決した少女」というのは本当に存在したのか? というのも、筆者は金城和彦(きんじょう・かずひこ)著『嗚呼沖縄戦の學徒隊』を読んでいたから、何となく納得できない。この本は1978年に原書房から出版されているが、筆者が持っているのは平成12年度の再版である。当時、筆者は中村粲先生の『昭和史研究所會報』を購読しており、中村先生が推薦したので即座に購入した。(再版で中村先生は序文を書いている。) 学校の歴史教科書は極左偏向が激しく、金城氏の本は絶対に紹介されない。本来なら、全国の中学生や高校生に読ませるべき必読本なのに、受験勉強には関係が無いから本棚の塵になっている。

  青山議員が演説の中で言及する「白梅隊」というのは、沖縄県立第二高等女子学校の生徒で編成された「白梅学徒隊」のことで、彼女達が壮絶な最期を遂げた国吉の豪には、「白梅之塔」が建っている。「白梅学徒隊」の他にも、従軍看護婦となった女生徒は大勢いて、有名なのは沖縄県立第一高等女学校の「ひめゆり学徒隊」、同県立第三高等女学校の「名護蘭学徒隊」、同県立首里高等女学校の「ずいせん学徒隊」、私立積徳高等女学校の「積徳(せきとく)学徒隊」、私立昭和高等女学校の「梯梧(ていご)学徒隊」である。沖縄戦では、こうした乙女達に加え、いたいけな小学生までが軍に協力し、アメリカ兵の攻撃を受けて命を失ったそうだ。戦後の左翼教育では、軍に利用された「憐れな子供達」という説明になっているが、実際は、愛国心に満ちた皇国の少年少女であった。戦場に臨む少年達が記した遺書を読むと、その愛国心と家族への気持ちが伝わってくるので、誰でも熱い涙が止まらなくなる。

  青山議員は演説やブログ(2016年4月12日と2017年6月23日の「道すがらエッセイ/ On the Road」)、著書(『危機こそぼくらは甦る』)の中で塹壕に避難した少女達が「自決」したと述べているが、自決したのは僧侶出身の鈴木上等兵と矢野兵長の方じゃないのか? 金城氏の本によれば、学徒隊の大嶺美枝(おおみね・みえ)さんは米軍の艦砲弾が炸裂したことにより亡くなってしまった。また、地下壕にいた上原春江、擇波幸子、上原ハツ子さん等は、米軍の火炎放射器により焼き殺されてしまったという。(金城和彦 『嗚呼沖縄戦の學徒隊』、天正社、平成12年、p.240.) 米軍の攻撃は容赦なく、圧倒的に不利な状況に追い込まれた日本の将兵はほぼ無力。大城政子さん等の看護隊は壕の中に飛び込み、轟音響く猛攻の恐怖に怯えていたが、お経を唱える鈴木上等兵は、大城さん等に「ここから出るんだぞ。最後まで生きるんだぞ」と言い聞かせた。そして、鈴木上等兵は「これまで !」と観念したのか、歩兵銃を喉元にあて、足で引き金を引くと潔く自決したという。(上掲書 p.241.)

  大城さん達は鈴木上等兵の遺言に従い、必死で壕を出ることにしたが、入り口は石で塞がっていたそうだ。これは米軍の「馬乗り攻撃」による破壊のせいで、壕内の岩盤が崩れ落ち、その粉砕石が入り口に積もっていたのである。(「馬乗り攻撃」とは塹壕の上から壕内に穴を掘り、そこから手榴弾やガソリンを注入にして、壕内の日本人を追い出そうとする攻撃のこと。) それでも、大城さん達は懸命、石を一つ一つ取り除き、やっと外に脱出できたそうだ。しかし、戦闘の犠牲はあまりにも多すぎた。金城氏の本によれば、学徒隊46名中、35名が散華したらしい。青山氏は白梅隊が「自決」したという壕内に入り、「血を流したオカッパ頭の少女」という霊を見たらしいが、一体、「自ら命を絶った少女」は実際「何人」いたのか? そして、どのような資料から、そうした話を持ち出しているのか、是非、教えてもらいたい。そういえば、青山氏は硫黄島を訪れたとき、激戦地の写真を撮り、その写真には「赤いカーディガンを着た少女」が写っていたそうだ。でも、どんな人物の霊が写っているのか、これも隠さず是非、我々に見せてもらいたい。

  青山議員の行動には“おかしな”点が多く、言行不一致と思われても不思議じゃない。例えば、議員選挙に出馬する前、政治家が議員バッチを附けてふんぞり返るなんて恥ずかしい、と述べていたが、イザ当選すると、青山氏は堂々と議員バッチをつけてテレビに出ていた。虎ノ門ニュースを視聴した一般国民は、数十回以上、議員バッジを輝かせる青山氏を見たはずだ。青山議員は演説会場やテレビ局では叛骨精神を掲げ、「国士」を気取るが、永田町では反対の姿を曝け出す。彼は利権政治に与しないと豪語していたが、いざ党議拘束がかかると、入管法の改正、水道法、アイヌ新法に賛成していた。議員バッジをチラつかせる「青山先生」は、散々、「政治家は本来ボランティアであるべし」とか、「移民法には反対します」と述べていたが、自民党の圧力を受けるとクルっと態度を変え、躊躇なく掌(てのひら)を返していた。そして、支持者や視聴者から批判を受けると、「ただ反対票を投ずれば、いいんですか?!」と激しく反撥し、裏切行為の自己弁明に徹していたのだ。

  今さら言っても仕方ないが、選挙公約で「議員生活は一期しか務めません」と断言していたんだから、自民党の執行部を敵に廻してでも、信念を貫けばいいじゃないか。たとえ無駄でも、自民党が売国法案を出せば、それに異を唱えるべきだろう。それなのに、青山氏は意外と自民党執行部に従順だ。何らかの裏事情で「賛成」に廻ったのかも知れない。でも、どうせ「一期だけ」なら、「未練」は無いはず。激しく総理大臣や幹事長に叛旗を翻せばよかったのにねぇ~。まさか、「二期目」を狙っているとか? いや、そんなことはないだろう。なぜなら、青山氏はいつでも死ぬ覚悟をしている「護国の鬼」であるからだ。(本人曰わく「ガーディアン<guardian>」であるらしい。) 売国法案に賛成したのは、青山先生の「弱さ」ではなく、みんなが持つ「弱さ」のせいなんだって。まぁ、国会議員は舞台裏手での取引があるから、「正義」や「正論」を求めても無駄なのかも知れない。

  青山氏には熱烈なファンが附いており、彼を批判すると猛烈な抗議が来るらしいが、青山支援者はもっと冷静になって、彼の言動を検証してみるべきだ。一般国民は青山氏の熱弁にコロっと騙されてしまうが、よく調べてみると結構“いかがわしい”言論もあるから、そのまま鵜呑みにせず注意すべきである。「前編」では青山氏の不可解な言動に触れたが、「後編」は本題に入り、彼の「米語」について述べてみたい。 




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