無敵の太陽

主要マスメディアでは解説されない政治問題・文化・社会現象などを論評する。固定観念では分からない問題を黒木頼景が明確に論ずる。

移民問題

アフガン難民がやって来る ! / 戦争で儲ける富豪達

戦争で儲ける人々

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(左 : アフガニスタンを掌握した支配者のタリバン  /  右 : 非常時に休暇を楽しむバイデン)

  アフガニスタンはよく「侵略者の墓場」と呼ばれる。なぜなら、この地域に侵攻した軍隊はゲリラ戦の泥沼に陥り、悲惨な結果を味わいながら撤退する破目になるからだ。かつて、「柔らかい下腹部」と評されたアフガニスタンをソ連軍は蹂躙した。すると、スティンガー・ミサイルを抱えた「ムジャヒディン(Mujahideen)」に反撃され、面目丸つぶれで引き揚げることになったのだ。ロシア兵は現地のゲリラ兵に手こずったが、このアフガン人部隊は米国の支援を受けていた。一般の日本人でもシルヴェスター・スタローンのヒット作、『ランボー / 怒りのアフガン』を観たことがあるだろう。たぶん、「あの武装した山岳民族のゲリラ兵か!」と判るはずだ。映画の中では、アメリカ人と一緒に悪のロシア軍をやっつける勇士と描かれていたが、実際は昔ながらの叛乱部隊で、アジア大陸でよく見かける匪賊集団に過ぎない。でも、別の角度から見れば、アメリカの支援を受けた現地の傭兵となる。

  冷戦の終結でソ連軍と闘うムジャヒディーンの存在は薄くなったが、2001年、何ともいかがわしい「9/11テロ」が米国内で発生し、ジョージ・W・ブッシュ大統領は、親爺がやり残したイラク戦争を再開することにした。所謂「テロとの戦い」という大事業で、金の匂いがプンプンする。財界の旦那衆から大統領にしてもらったジョージ・Wは、お目付役のチェイニー副大統領にド突かれながら、「勇敢な最高司令官」を演じていたが、何とも白々しい演技であった。だいたい、仲良しのオサマ・ビンラディン(Osama bin Laden)とアル・カイーダ(Al-Qaeda)のチンピラどもが「犯人」なんて馬鹿げている。ジョージ・W・ブッシュは、親爺とビン・ラディン家との関係を正直に告白できるのか?

  ブッシュ家と昵懇のジェイムズ・R・バス(James R. Bath / テキサスのビジネスマン)は、あの悪名高いBCCI(Bank Commerce Credit International)を通して、サウジ・アラビア怪しい商売をしていたが、ブッシュ家はこれを弁解できないだろう。CIA長官から大統領になったポピー(Poppy)・ブッシュは、シェイク・ビン・ラディン(Sheikh bin Laden)と“いかがわしい”ビジネス関係にあったじゃないか。(Jonathan Beaty and S.C. Gwynne, The Outlaw Bank, Washington D.C.: Beard Books, 2004, p.229.を参照。) これは有名な話だけど、ジョージ・ハーバート・ブッシュは、ケネディー大統領が暗殺された1963年11月22日、テキサス州のダラスにいたのに、記者から「何をしていたのか」と質問されたのに、はっきりと答えられなかった。ほとんどのアメリカ国民が何をしていたのか覚えていたのに、優秀なポピー・ブッシュは思い出せなかったんだって。へぇ~。

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(左 : ジェイムズ・ロス  / 右 : サウジアラビアのプリンス・サルマン・ビン・アブドゥル・アジスと会談したブッシュ大統領)

  アメリカで起きる大事件というのは、いつも怪しい臭いが立ち籠めている。もしも、指名手配された連中が本当の「首謀者」で、殺戮計画を立てた「張本人」というのであれば、ちゃんとWTCの科学的捜査を命じればいいじゃないか。どうして、ブッシュ大統領は、WTCの残骸をさっさと廃棄してしまったのか? 犯行現場の物的証拠を調べないなんておかしいぞ。それに、どうしてコンクリートの粉末が降り注いだくらいで、マレー通りに駐めてあった自動車が、みんな黒焦げになるんだ? また、火災で鉄骨の柱が錆びるなんておかしいだろう。ブッシュ大統領とチェイニー副大統領は、「大量破壊兵器があるぞ !」とイチャモンをつけてイラクを攻撃したけど、肝心の破壊兵器は見つからず、「一生懸命探したんですけど、結局ありませんでした !」という言い訳でお茶を濁した。しかし、「世界秩序を乱すテロリストは赦せない !」という建前で、アフガニスタンに攻め込んだ。ところが、いつまで経ってもアフガニスタンは平和にならず、テロリストやゲリラ兵が跳梁跋扈。痺れを切らしたアメリカ人は、政府に対し「お前等、何か別の目的があるんじゃないか?」と疑いを持ち始めた。すると、こんどは白々しく、「20年もやってきたから、この辺で足を洗います !」という終了宣言だ。アフガン人の政治腐敗なんて端っから分かっていたじゃないか ! こんな弁解で落とし前がつくのか?

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(左 : ジョージ・ブッシュ大統領親子  /  右 : オサマ・ビン・ラディン)

  それはともかく、この対テロ戦争で浮かび上がってきたのは、西歐諸国で悪名高き「タリバン(Taliban)」だ。このタリバンを創設したのは、一応、アフガニスタン出身のパシュトーン人で、ソ連軍と闘ったモハンマド・オマール(Mohammed Omar)と言われている。彼の副官はアブドゥル・ガニー・バラダル(Abudul Ghani Baradar Akhund)。「タリバン」というのは、元々イスラム教を学ぶ信徒を意味したようだが、首領のオマール師は、かつてムジャヒディーンに属していたという。国際情勢に疎い日本人にとって、パキスタンやアフガニスタンで起こる事変なんか、太陽系の外で起こる恒星の爆発と同じで、未知の領域である。パキスタンの政情や内乱は、歐米諸国の報道機関を通してのみ伝わる噂話ていど。その他の事柄は複雑怪奇で全く解らない。

Mohammad Omar 122( 左 / モハンマド・オマール )
  そもそも、日本の外務省だって、どんなアラブ人やアフガン人がムジャヒディーンにいたのか判らないし、何を目的としているのかさえも、てんで解らない。キャリア官僚が口にする「情報収集」なんて、CNNの報道を日本語に訳しただけの“まがい物”だ。ムジャヒディーンからタリバンへ流れたゲリラ兵が誰なのかも判らないし、内部の権力構造なんて悉く謎である。だいたい、ゲリラ兵の活動資金は誰が賄っているのか? たとえ「ムスリム」の名を冠した集団であっても、裏からイスラエルの資金が流れている場合もあるし、もしかすると、歐米のユダヤ人組織が操っている偽旗組織かもしれないのだ。もっと勘ぐれば、軍需産業と金融業界の大物が黒幕というシナリオも考えられる。そもそも、中東アジアで火種をバラ撒き、団扇で煽って大火にするのが「いつもの遣り口」で、火消し役になるのがアメリカの軍隊だ。消防士が放火魔というのは、世界政治にも当て嵌まる。ただし、放火魔と違うのは、何億ドルもの巨額な資金を動かし、何兆ドルもの利益を得ている点だ。

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(左 : ムジャヒディーンのアフガン兵  / 右 : タリバンのアフガン兵 )

Mujahideen in-Afghanistan 33(左  /  スティンガー・ミサイルで応戦するムジャヒディーンのゲリラ兵)
  戦争は儲かる。学校で「平和教」を刷り込まれた日本人には想像できないが、外国で起きる紛争は鰻の蒲焼きよりも香ばしく、ロイヤルゼリーの蜂蜜よりも甘いビジネスだ。広島・長崎の原爆ネタで食っている左翼や、反戦活動に勤しむ大学生には理解できまい。合衆国政府が惜しみなく使う公金(戦費)は、イラク人やアフガン人に渡ることはないのだ。何億ドルもの紙幣は、戦車や装甲車を生産する軍事産業、燃料を提供するエネルギー会社、軍事施設を建設するゼネコン、兵器産業に投資をする金融業者、紛争やテロを事前に知るヘッジファンド、ピンハネを要求する政治家などに流れて行く。戦争で実際に起こるのは、国富の“消失”ではなく“移動”である。

  ここでは省略するが、どうしてバイデンは今頃になって「アフガニスタンからの撤退」を決めたのか? この先どうなるか予想は出来ないけど、何らかの「計画」に基づいた行動なんじゃないか? つまり、アメリカのエスタブリッシュメントは、わざとタリバンにアフガニスタンを支配させて、世界政治を動かそうと目論んでいるのかも知れないぞ。ホワイトハウスはアフガニスタン政府の腐敗や無能力に見切りを付けた、と述べているが、本当はタリバン政権の恐怖を復活させ、世間の注目を国内問題から逸らす目的があるんじゃないか?

  このヤラセ撤退は、裏で北京政府を助ける策略なのかも知れない。中東アジアの資源を支那に与えて、支那軍を強力にしてから、用意した戦争に導く、というシナリオだってあるのだ。つまり、米国の「敵」が弱いと大規模な戦争にならないから、適当に強くしてから叩くのが一番。もうそろそろ、血なまぐさい戦争をしないと軍需産業は儲からないし、ハリウッド映画のネタも尽きてしまうので、新たな熱戦が必要になってくる。アジア地域での軍事衝突が起これば、色々な軋轢が発生するが、こうした厄介な事は、いずれ辞任するボケ老人に押しつけて、しまえばいい。不都合な痕跡は闇に葬る。これがパトロン連中の常套手段だ。まぁ、そのために痴呆症のバイデンを大統領にしたんだから、この老人は憐れな「使い捨ての消耗品」に過ぎない。

  令和の高校生や大学生にとったら「昔話」になってしまうけど、アメリカの政界も財界と回転扉で繋がっており、経済界の大物が閣僚になったり、閣僚を辞めた者がビジネス街に戻ったりする。例えば、ニクソン政権で財務長官を務め、レーガン政権で国務長官になったジョージ・シュルツ(George P. Shultz)は、大手建設会社の「ベクテル(Bechtel)」で社長を務めていた。ブッシュ政権で副大統領になったデック・チェイニー(Richard B. Cheney)も、財界と政界を股に掛ける大物だ。彼はフォード大統領の首席補佐官を務めた後、ワイオミング州選出の下院議員になり、ジョージ・H・W・ブッシュが大統領になると、その政権で国防長官になった。しかし、政界を離れていた1995年から2000年まで、チェイニーは石油掘削機の大手販売会社である「ハリバートン(Halliburton)」の経営者になっていた。女房のリン・チェイニー(Lynne Ann Cheney)夫人は、1994年から2001年までロッキード社の重役だったから、軍事産業のインサイダーとしか言い様がない。

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(左 : ジョージ・シュルツ   / デック・チェイニー  / リン・チェイニー  / 右 : 共和党員から「裏切者」と糾弾されたリズ・チェイニー下院議員  )

  確かに、「ハリバートン」の主要な事業はエネルギー部門なんだけど、この多国籍企業は軍事関連の仕事にも携わっていた。例えば、海外に展開するアメリカ軍のケイタリング・サービスから基地の建設にまで係わっていた、というから凄い。合衆国政府が海外に建設する基地というのは、アメリカ社会の縮図というか複製で、レストランや病院はもちろんのこと、ゲーム機やビリヤード場を備えたレクリエーション施設、アメリカと同じ品揃えのスーパーマーケット、チェーン店のスターバックスやバーガーキング、ケンタッキー・フライド・チキン、さらに映画館まである。つまり、ショッピングモールがセットになった軍事複合施設という訳だ。これに加えて、トラックや装甲車などを修理する整備工場とか、スペア・パーツを保管する倉庫まであるんだから、こうした事業を請け負うゼネコンには巨大な利益が転がり込んでくる。だから、建設会社や軍需産業の重役達は平和な時代が続くとイライラし、「もう5年間も平穏かぁ~、そろそろ戦争でも始めなきゃなぁ~」とボヤく。すると、仲間の愚痴を聞きつけた闇組織が動き出し、「よし、わかった ! いっちょう、テロ事件で仕掛けるか!」と張り切る。

  9/11テロを利用する合衆国政府は、2001年から2021年までアフガニスタンで戦争を続けていたが、この間に使った公金は、何と、2兆2,610億ドルであったらしい。(Ronn Blitzer and Thomas Barrabi, ‘US spent nearly $2.3 T on Afghanistan over 20-year conflict that ends with Taliban back in charge’, Fox News, August 16, 2021.) これはブラウン大学の「Costs of War Project」が算出した数字であるが、そこには国防総省が作戦に使った予算9,330億ドル、軍事基地の建設関連で消費された4430億ドル、退役兵や傷痍兵の治療に使われた2960億ドル、国務省にあてがわれた590億ドル、戦時国債の利子を支払うための5300億ドルが含まれているそうだ。アフガニスタン再建特別監査長官(SIGAR)によれば、連邦議会はアフガニスタンの治安を守るために886億ドルもの予算をつけたという。

  さすがに、アメリカの一般国民も「billion(10億)」じゃなく、「trillion(1兆)」という単位を耳にすれば、「そんな金額、想像もつかない !」と驚く。大半の人は実感が湧かないから、ただ唖然とするしかないが、それと同時に、「何で、そんなに使うんだ !」と腹が立ってくる。(イギリス人が「trillion」と聞けば、ブリテン式に10の18乗、つまり「100京」と思ってしまうが、最近ではアメリカ流の単位で考えるようになったという。) 合衆国政府が使った戦費は、あまりにも桁違いなので、一般国民には理解しがたいが、1日の費用で換算すると、毎日毎日、約3億ドル使ったことになるそうだ。納税で苦労するアメリカ国民が聞けば、「ふざけんじゃねえぞ!」と言いたくなる。 温厚なアメリカ人でも堪忍袋の緒が切れてしまうが、4千万人のアフガン国民1人当たりに5万ドルを与えたことになるらしい。(Christopher Helman & Hank Tucker, ‘The War In Afghanistan Cost America $300 Million Per Day For 20 Years, With Big Bills Yet To Come’, Forbes, August 16, 2021. )

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(左 : アメリカの援助を受けたアフガニスタンの民衆   /  右 : 「一人前の軍人」を気取っているアフガン兵 )

  アメリカ軍の士官は現地のアフガン人を訓練し、対テロ部隊を養成したと報じられているが、実際のアフガン兵は使い物にならず、数を揃えただけの張り子の虎である。訓練に当たったアメリカ人は命令だから仕方なく教育にあたったが、「こんな低脳どもに軍事訓練を施したって、時間と費用の無駄じゃないか!」というのが彼らの本音らしい。募集に応じたアフガン人は、アメリカ軍から戦闘服や武器をもらって“いっちょ前”の戦士気取りだが、「捨て駒」くらいの価値しかない。そもそも、千年前と変わらぬ生活をしている山岳民族に、近代戦の装備を扱うなんて無理だし、現地兵が実際の戦闘でどれだけ機能的に動けるかどうかも分からないから、アメリカ人の教育係は匙を投げてしまうのだ。

  他方、アメリカの庶民は所得税や住宅ローンの支払いだけでなく、子供の教育費や光熱費の上昇でも青息吐息。そのうえ、健康保険料の値上げと医療福祉の高騰があるから、丈夫な人でも立ち眩みとなる。「小さな政府」を求めるリバタリアンや保守的な常識人なら、「どうして政府はアフガン人を助けているんだ ! 先ず、俺達を優先的に救うべきなんじゃないか!」と叫んでしまう。主流メディアの人気キャスターや御用学者は、トランプ大統領の「アメリカ・ファースト」を馬鹿にしたが、「アメリカ第一主義」は沈黙する庶民の本音である。

地下資源を争奪するアメリカ

  今や、日本の地上波テレビは、カルト宗教と変わらぬ宣伝機関と化している。製薬会社の配下となった民放は、「ウイルスの脅威」を煽りまくり、未承認のワクチンを国民に勧める。その一方で、愚民化政策にも熱心で、表面的な海外ニュースを垂れ流すだけで、肝心な分析や裏話は一切無し。朝昼晩と毎日、NHKやフジテレビをボケ~と見ている日本人には、アフガニスタンの情勢なんか、これっぽっちも解らない。「専門家」と称する大学教授が登場しても、形式通りの説明をするだけで、後はバイデン政権にケチをつけて終わりだ。米軍撤退の真相なんてどうでもいい。マスコミが詳しく追求するのは、藝人の色恋沙汰かスポンサー企業の新製品だけである。

  建前上、合衆国政府がアフガニスタンやイラクに軍隊を派遣するのは、「テロリストの悪党を殲滅するため」となっているが、真の狙いは利権の確保と銭儲けである。(日本の学者は滅多に口にしないけど、アフガニスタンは阿片の産地で、諜報機関のワルどもは、ケシの実やコカインの密売を黙認する代わりに、「見返り」をもらっているかも知れないのだ。なぜなら、自分達で勝手に使える「へそくり」が欲しいから。) 荒寥とした大地が広がり、貧乏人が住むだけのアフガニスタンには、信じられないくらい貴重な天然資源が眠っている。アフガニスタンの天然資源を調べる「U.S. Geological Survey's Afghanistan project」のジャック・メドリン(Jack Medlin)氏によると、「アフガニスタンは鉱物資源が非常に豊富」であるそうだ。少なくとも、24種類の鉱物は世界トップクラスであるらしい。(Cahrles Q. Choi, "$ 1 Trillion Trove of Rare Minerals Revealed Under Afghanistan", Live Science, September 4, 2014.)

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(左 : 貴重な鉱物資源   /  右 : 鉱山で働くアフガン人 )

  例えば、アフガニスタンの大地からはランタン(lanthanum)、セリウム(cerium)、ネオジミウム(neodymium)、アルミニウム(alminum)、リチウム(lithium)、カーボナタイト(carbonatite)、金、銀、鉛、水銀が採れるという。「ランタン」は、セラミック・コンデンサや光学レンズ、ニッケル・水素蓄電池などに使われる素材である。(一般的に言われる「コンデンサ(蓄電器)」は「キャパシター(capacitor)」のことで、「コンデンサ」はドイツ語の「kondensator」から由来していると思われる。「濃縮」よりも「蓄積」の方が実態をよく表しているから、筆者は「capacitor」の方を用いている。) 「セリウム」はガラスの研磨剤やハードディスクの基板だけじゃなく、医薬品や触媒などにも使われるそうだ。「ネオジミウム」は一般人にも馴染みが深く、磁石やスピーカー、光学素材に用いられている。電気自動車の生産には、「リチウム」が欠かせないから、この稀少金属を持っている国は列強の標的になりやすい。 

  また、アメリカ国務省はアフガニスタン再建のために「通商・安定化部局(Task Force for Business and Stability Operations)」を設立し、同国の天然資源を調べたところ、アフガニスタンの鉱物資源は9千80億ドルもの価値があると判った。しかし、アフガニスタン政府の見積もりは異なっており、その価値は3兆ドルにもなるそうだ。さらに、歐米のビジネスマンや地政学者には承知の事実なんだけど、アフガニスタンにはルビーやサファイアといった宝石がザクザク採れる。(Gary W. Bowersox, Eugene E. Foord, Brendan M. Laur, James E. Shigley, and Christopher P. Smith, "Ruby and Sapphire from Jegdalek, Afghanistan, Gems & Gemology, Vol. XXXVI, 2000.を参照。) 日本人の政治学者は、フジテレビが放映する『One Piece(ワンピース)』を観て喜んでいるが、アフガニスタンを侵掠したロシア人や、「正義」を掲げて進軍したアメリカ人は、リアルな「宝探し」をしていたのだ。日本の大学生は「ルフィー」や「ナミ」程度の海賊しか知らないが、NYのウォール街には海賊よりも強欲な豪商がいるんだぞ。

ruby 1Sapphire2(左 : ルビー  / 右 : サファイア )
  ちなみに、宝石好きの女性には常識なんだけど、ルビーの名称はラテン語の「rubeus」、サファイアの名称は「saphirus」から由来し、両方とも「鋼玉(corundum / コランダム)」が原石となっている。コランダムが酸化クロムを含むと赤くなり、その赤色が鮮やかな「ピジョン・ブラッド(鳩の血)」になると高値が付く。もし、コランダムに鉄やチタンが含まれると青のサファイアになるという。コランダムは含む物質によって、ピンクや黄色、紫色になったりする。ルビーやサファイアは加熱処理で色を鮮やかにする場合もあるという。

  中央アジアと言えば、もう一つ忘れてはならないのが、石油と天然ガスだ。アフガニスタンの隣国であるトルクメニスタンには天然ガスが豊富で、世界第六位の生産高を誇っている。ちなみに、第1位はロシアで、2位はペルシア(所謂「イラン」)、3位はカタール、4位はサウジ・アラビア、アメリカは第5位となっている。トルクメニスタンの「ダウレタバッド(Dauletabad)」には、大きなガス田があって、ここのパイプラインがアフガニスタンのカンダハール(Qandahar)を通って、パキスタンのクェッタ(Quetta)やムルタン(Multan)へと伸びている。そして、このパイプラインはインドに到達するんだが、別のパイプラインはトルクメニスタンから支那へ伸びており、ウズベクスタンとカザフスタンを経由している。北京政府は「一帯一路」という策略を展開しているが、支那人はアジア大陸の天然資源をも狙っていたのだ。

国民を見棄てた大統領

Aschraf Ghani 001( 左  /  アシュラフ・ガニー)
  アメリカ軍の将兵は、大金を使ってアフガン人を助けていたが、肝心のアフガン人は碌でなしの政治家や腐敗議員によって支配されていた。その代表例が、大統領でありながら、一目散に逃亡したアシュラフ・ガニー(Ashraf Ghani)である。カブール(Kabul)にあるロシア大使館によれば、庶民を見棄てたガニー大統領は、4台のクルマとヘリコプター1機に、ありったけの現金を詰め込んで、祖国からさっさと脱出したそうだ。("Russia says Afghan president fled with cars and helicopter full of cash", Reuters, August 16, 2021.) もう、情けないというか卑劣というか、一国の指導者が大金を抱えてトンズラなんて、普通じゃ考えられない。じゃあ、タリバンに支配された一般国民はどうなるんだ? タリバンの首領であるムラー・アブドゥル・ガニー・バラダー(Mullah Abdul Ghani Baradar)は、大統領官邸で王様気分だけど、イスラム教の誡律を強化されたら、一般女性は堪ったもんじゃないだろう。どの女性も「ブルカ」を身に纏って街中を歩く破目になるはずだ。 『スターウォーズ』に出てくる惑星「タトゥーン(Tatooine)」や「ジャクー(Jakku)」、「ナブー(Naboo)」でさえ、「ブルカ姿の群れ」なんて見かけないのに、現実のアフガニスタンでは異様な光景が至る所で観られる。

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(左 : ムラー・アブドゥル・ガニー・バラダー  /  右 : 「ブルカ着用」を義務づけられたアフガン女性 )

  形式上、アシュラフ・ガニーは「財務相」上がりの「大統領」となっていたが、この男は国際金融業者の飼い犬だった。つまり、アメリカに仕えるアフガン人の買弁というわけ。以前、彼は世界銀行(World Bank)のアナリストをしていたが、人生の大半を過ごしていたのはアメリカで、何と、1964年から2009年までアメリカ国籍を持っていたのだ。ガニーはオレゴン州の高校に通い、ベイルート(レバノン)にある「アメリカン大学」へと進んだが、そこを卒業すると直ちに「帰国」し、NYにあるコロンビア大学に入った。彼はここで博士号(PhD)を取得し、学者の道を歩むことになる。このアフガン系アメリカ人人はカルフォルニア大学のバークレー校やジョンズ・ホプキンス大学で教鞭を執ったが、もう一つの特技を身につけたかったのか、ビジネスの勉強にも励んでいた。

  普通のアフガン人とは違うアシュラフ・ガニーは、娶る女性も違っていた。ガニー夫人となったルラ・サダー(Rula Saadah)はレバノン人で、イスラム教徒じゃなくてキリスト教徒。彼女は夫と同じくアメリカン大学で学んだことがあり、卒業後、偶然にもコロンビア大学へ留学し、そこで未来の夫であるアシュラフと出逢う。結婚した二人には息子と娘が生まれているが、彼らもアフガン国籍じゃなく、アメリカ国籍を持つ。息子のタリク・ガニー(Tarek Ghani)は学者の道を選び、「ブルッキングス研究所」の研究員となったり、「International Crisis Group」の「Future of Conflict Program」に参加するエコノミストになっていた。

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(左 :  ルラ・サダー   /  中央 : タリク・ガニー / 右 : マリアム・ガニー )

  娘のマリアム・ガニー(Mariam Ghani)は、ヴィジュアル・アーティストになったそうで、NYのブルックリンに居を構えて快適な人生を歩んでいる。アメリカ生まれのアフガン人だから、父親の祖国には興味が無いようで、アメリカ人の記者が尋ねてきてもノー・コメント。不愉快な質問には答えたくなかったそうだ。(Tamar Lapin, "Exiled Afghan president's daughter living artist life in NYC while women dread return of Taliban overseas", New York Post, August 17, 2021.) マリアムを見ていると、「生まれてくる家庭によって人生は違ってくるんだなぁ~」ということが、しみじみ分かる。この道楽娘は気楽だけど、父親に見棄てられたアフガン女性はどうなるんだ? おそらく、彼女達はタリバンの恐怖政治に怯えて暮らすに違いない。大統領の娘は異教徒の国に生まれて、“都会の生活”を楽しんでいるんだから、神様は何とも不平等な世の中を創ったものだ。

アフガン人の通訳が移民となる

  アメリカ国内には戦争で儲ける商売人や政治家が跋扈する一方で、政府の暴挙により多大な被害を蒙る一般国民が存在する。民衆党や共和党の連中は、シンクタンクの御用学者とグルになって、イラクやアフガニスタン、ソマリア、ボスニアなどに米軍を派遣するが、陸軍や海兵隊の兵卒は“消耗品”のように扱われている。アクション映画に感化されて入隊した白人兵は、遠く離れた異国で命を失い、かろうじて助かった者でも、手足や目玉を失うか、大やけどで病院送り。RPG(榴弾砲)の爆風で負傷した兵卒は、体の至る所に金属片が刺さってしまい、手術をしても取れない場合がある。ブート・キャンプで健康だった白人青年も、イラクやアフガニスタンに派遣されると、「使い捨ての駒」になって命を失う。そうじゃなくても、戦友が次々と「挽肉」になる場面を目にするから、戦死の前に自殺を考えてしまうそうだ。たとえ、奇蹟的に生き残った兵卒でも、精神はボロボロになり、PTSD(心的外傷後ストレス障碍)に苦しんだりする。中には重態で還ってくる者もいるから、その家族は戦々恐々だ。まさか、自分の息子が「片輪のダルマ」になるなんて想像したくない。

  政治の失策が起きると、その尻拭きはいつも庶民に廻ってくる。忌々しいのは「人権派」と呼ばれるリベラル議員で、彼らは自国の白人兵に冷たいが、アフガン人の難民になると非常に親切。「タリバンが君臨する国家は厭だろう」ということで、「難民の皆さん、アメリカへいらっしゃい !」とばかりに、不気味な容姿の異邦人を出迎える。アフガニスタンから逃げ出す難民の群れは、サイゴン陥落時のベトナム人と一緒だ。敵対勢力の侵攻に怯えた原住民は、アメリカ人に縋ってヘリコプターに乗ろうとするが、定員オーバーで払い落とされる。置いてきぼりにされたベトナム人やアフガン人は、絶望の淵に突き落とされ、諦めの境地に辿り着く。

  一般の日本人はアフガン難民を受け容れる米国を目にして、訳が解らず「どうして?」と不思議がるが、アメリカの国務省は「特別移民ビザ(Special Immigrant Visa / SIV)」という制度を準備していたから、ドンドン異邦人を引き入れている。このカラクリは以下の通り。

  アメリカ人というのは一般的に英語以外の言葉を話さない。(スペイン語を母語とするヒスパニック系国民や南米移民、あるいは北京語とか福建語を話す支那移民は別。) したがって、外国で戦うアメリカ兵には英語を理解する現地人が必要だ。そこで、アフガニスタンに駐留するアメリカ兵には、多少なりとも英語を話すパシュトゥーン人(Pashtun)やタジク人、ウズベク人などが紹介され、部隊に追随する通訳となっている。アフガニスタンには他にも様々な民族がいて、ペルシア語系の言語を話すハザラ人(Hazara)とかバローチ人(Baloch)、チュルク系民族のキルギス人などもいる。だから、彼らの身に危険が及べば、「御褒美」というか「保険」みたいな形で、米国への避難が可能となるのだ。

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(写真  /  アメリカ兵の通訳を務める現地のアフガン人)

  撤退すると決める前、アフガニスタンには約2千500名くらいしかアメリカ兵は駐留していなかった。しかし、アフガン人の「通訳」は約2万人もいたのだ。アメリカ人じゃなくても、「どうして2千名の軍人に対し、2万人の通訳が必要なんだ?」と怪訝に思うだろう。実は、答えというのは簡単で、問題はオバマ政権にあった。バラク・フセイン・オバマが大統領の時、アフガニスタンには約10万人のアメリカ兵がいたという。これだけの軍人がいれば、現地を案内する通訳が増えるのも当然で、アメリカ兵2名につき、1名のアフガン人通訳がいたそうだ。(David Greenfeld, "Saving Afghan Interpreters is a Scam That Would Bring 100,000 Afghans to U.S.", Front Page Magazine, July 23, 2021.)  まぁ、歩兵部隊は現地の民衆を相手にするから当然なのかも知れない。

  既に、恐ろしい事態は始まっているようで、2007年から2017年の間に、7万人くらいのアフガン人が入国したそうだ。最終的に、いったい何人のアフガン難民が流入してくるか判らないけど、アフガン情勢に詳しいダニエル・グリーンフェルドによれば、10万人規模の難民になるらしい。なぜなら、「避難民」としてやって来るのは、米軍の通訳ばかりでないからだ。つまり、通訳の家族も一緒にやってくるというわけ。これなら避難民の数が増大してしまうのも当然だ。例えば、2016年、58名のアフガン通訳は、165名の家族を伴って米国にやって来た。人道主義に基づいた「SIV」の乱発は恐ろしく、4千283名の政府職員には、1万100名の家族がいたそうで、この家族がセットになって米国へ渡ってくるんだから、移民反対派のアメリカ人は顔面蒼白となる。

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(写真  /  近隣諸国やアメリカへ逃れようとするアフガン難民)

  だいたい、10万人のSIV移民といっても、実際のビザ申請者は3万1千名くらいで、残りの6万9千名はその家族である。アジア大陸の家族意識は西歐人のものとは大違いで、1名の通訳といっても、その家族には子供や両親のみならず、兄弟姉妹、伯父叔母、従兄弟まで含まれてしまうのだ。それゆえ、一緒に避難する「同伴者」が、10名ないし20名に膨らんでも不思議じゃない。しかし、この内情を西歐系アメリカ人が知ったら大騒ぎとなるだろう。もし、自宅の隣にアフガン難民が引っ越してきたら、英語も解らない老人や少年、居候みたいな髭面の青年、ベールを被った正体不明の女性が近所をうろつくことになる。アジア移民が大勢住み着いた地域には、必ず民族料理の素材を扱う食料品店やエスニック料理店、特殊な衣服を扱う雑貨店、移民が集う理髪店や酒場などが出現するからだ。

  こうなったら、昔ながらのコミュニティーは崩壊し、変質した故郷は元に戻らない。所得の高い中流白人は自宅を売却して、アジア人がいない郊外へと逃げ出す。しかし、低所得の白人や母子家庭、住宅ローンを抱える中堅サラリーマン、引っ越し費用を捻出できない老夫婦などは、アジアン・コミュニティーを嫌っていても、じっと我慢するしかない。白人兵が大量に死んで、大勢のアフガン人が「アメリカ国民」になるんだから、穏健なアメリカ人でもKKKに入りたくなるじゃないか。ところが、こうしたアジア難民を引きずり込んだ政治家や高級官僚は、不愉快な外人が寄りつかない要塞に住んでいる。すなわち、彼らは高い城壁と警備員に守られた高級住宅地に住んでいる。そして、彼らの子供達が通う学校も、貧乏移民が入れない難関校である。後進国で育った子供には、卓越した学力なんて皆無。そもそも、高額な授業料と教材費が要求される名門私立なんて無理、論外、夢のまた夢である。こうした学校は、在米アフリカン・スクールのような「アメリカン・スクール」じゃないぞ。

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(左 : 色人が激増したアメリカ  /  右 : 「人種的多様性」を称讃するアメリカ人)

  脳天気な日本人は、テレビ局の報道を眺めて、「アフガニスタンって、何処にあるのぉ~?」と訊いてしまうレベル。やがて日本にもアジア難民が押し寄せてくるのに、大河ドラマやアイドル番組を観て喜んでいる。難民問題とくれば、NHKやTBSの得意分野で、両局は昔から難民の受け容れに積極的だ。「可哀想な人々を助けましょう !」というプロパガンダを展開するくせに、そこで働く社員は絶対に外人を受け容れない。NHKの論説委員なんかは、「日本は人道主義で後れを取っている ! 日本も歐米諸国並みに難民を受け容れるべきです !」と叱りつけるけど、経営陣のうち、いったい何名がアジア難民を引き取っているんだ? もし、どうしても難民を受け容れたいのであれば、先ず、渋谷のスタジオで寝泊まりさせるか、NHK職員の自宅に招けばいいじゃないか。どうして一般国民に「難民を受け容れろ !」と説教するのか? アフガン難民はアメリカではなく、隣国のタジキスタンやトルクメニスタン、あるいはパキスタンに移住すべきだ。自国の不幸をネタにして豊かなアメリカに引っ越そうなんて図々しい。日本人も温情を棄てて冷徹になるべきだ。精神的に弱い民族は、身勝手な異民族に征服されてしまうだろう。支那人の侵掠を受けても目覚めない日本人は、自分の子供や孫の寝顔を見てから意見を述べるべきだ。

  

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アイデンティティーを求めるフランス人 / 凋落に向かう歐洲

フランス人のためのフランス

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(左 :  タイス・デスキュフォン  /  右 : マクロン大統領に抗議するムスリム団体)

  今世紀に入ると、歐米諸国では今まで押さえつけられてきたナショナリズムが再び勃興し始めている。脳天気なまでにアフリカや中東アジアからの移民や難民を受け容れてしまった先進国は、本能的な拒絶反応を示しているのかも知れない。人権思想や進歩主義を掲げるリベラル派は、“より良き”生活を求めてやって来るエイリアンを歓迎するが、昔ながらの生活を守りたい正常な庶民は、心の底で「なぜ、あんな連中を引きずり込むんだ?」と不快に思っている。中には明言しないけど、「政府は俺達からきっちりと税金を巻き上げているくせに、あの外人どもには惜しげもなく税金を使ってやがる。どうして不法入国者や難民が“いい思い”をして俺達がそのツケを払わされているんだ? よそ者を助けた奴が自腹で養ってやればいいじゃないか ! 俺達はそれほど太っ腹じゃないぞ !」と憤慨している人もいるはず。人権派というのは綺麗事を口にするけど、肝心のお金となれば豹変し、ハッキリと「税金で・・・」と言わずに、「救済措置」と言い換えるから頭にくる。

  確かに、「善人」を演じる政治家は、地中海を渡ってくる「ボート・ピープル」を温かく迎えるが、その背後関係を剔(えぐ)ることはない。だいたい、こうした「難民」は悪徳業者や国際組織の手引きで地中海を渡ってくるものだ。そして、憐れなアフリカ難民を手助けするのは、大富豪から間接的に資金をもらうNGOとか、左巻きのユダヤ人グループだったりする。(例えば、英国の「Citizen UK」とか「Safe Passage」、「Help Refugee」といった団体とユダヤ人の運営スタッフを調べれば判るだろう。) こういったリベラル組織は如何にも怪しく、これ見よがしに溺れかけた子供を救ったり、泣き叫ぶ親子を介護して世間の同情を引こうとする。しかし、大手メディアが左翼の人脈や資金の流れについて調査することはない。むしろ、主流メディアは彼らの共犯者だ。各テレビ局は左翼団体の救出劇を大々的に報道し、政府の支援が必要な“弱者”に仕立て上げる。

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(左 : 人道主義団体に救出される難民  /  右 : ムスリム移民が溢れるフランス)

  その一方で、難民の排除を訴える保守派は悪魔と見なされ、「冷酷非道な極右」か「レイシストの低級白人」と罵られる。これは意図的な偏向報道であるが、一般人を騙すには充分だ。実際、普通のヨーロッパ人はテレビの映像を目にして、「右翼の人達って酷いわ ! あんな小さな子供に対しても罵声を浴びせるなんて。ああいう人達ってさぁ、根っからのレイシストなのよねぇ~」と呟く。でも、こう批判する人達でも、いざ自分の住む地域に難民収容所ができると、今までの寛大な精神は何処かに吹っ飛び、「なんで私のところに、そんなものを作るのよぉぉ~」と猛反発。以前は左翼政党を支持していたフランス人やドイツ人でも、急に「国民連合(Reassemblement National / 旧 : Front National)」や「AfD(ドイツのための選択肢)」に鞍替えだ。

  難民反対論者の中には頭にきて過激な行動を取る人もいるようで、真夜中に難民収容所へと向かい、建物に放火したりする。周辺地域の住民は放火事件に驚いたようなフリをするが、内心で拍手喝采だ。警官の中にも手抜き捜査で犯人を見逃したりするから、地域の結束というのは中々すごい。(場合によっては、刑事の従兄弟や友人が放火魔だったりするから、徹底した捜査ができなくなる。それに、地元民は聞き込み捜査に協力的じゃないから、尚さら捜査がしづらい。) そう言えば日本でも似たような事があった。伝書鳩を大量に飼う男に腹を立てた何者かが、その「鳩屋敷」に放火し、建物が全焼となった事件がある。まぁ、天空から鳩の糞が降ってくる生活なんて堪えられない。近所の住民は心の底で「あぁ、助かった ! 放火は良くないけど、いい気味だ !」と思っているんじゃないか。

  移民や難民が怒濤の如く押し寄せたフランスでも、堪忍袋の緒が切れた人は結構いるようで、多くの若者が立ち上がったみたいだ。こうした気運が盛り上がっている中、「Génération Identaire(GI)」という団体が注目を浴びている。この「GI(ジェネラシオン・イドンティテー)」は2012年頃に台頭した集団で、元々は「Bloc identiaire(BI)」の青年部であった。(フランスの主流メディアによれば、「BI」はナショナリズムを掲げる右翼政治団体。) 色々な解釈はあるけれど、「アイデンティティーを主張する世代」とは、要するに、異人種の群れからフランスの文化や種族を守り、それを他の国民に訴えかける抗議グループのことだ。確かに、フランス政府や主要マスコミは、中東アジアや北アフリカからのムスリム移民に対して弱腰だから、憤懣やるかたない若者が蹶起しても不思議じゃない。日本人の観光客でも気づいているが、フランス各地には髭面のアラブ人や色黒のアフリカ人がウジャウジャいる。こんな状況になれば、ケルト系のフランス人だってゾッとするだろう。だから、ちょっとでも現実の世界に目覚めた若者は、国家の人種的変質に不安を抱く。

Thais d'Escufon 02(左  / タイス・デスキュフォン )
  「GI」の中でもとりわけ脚光を浴びているのは、タイス・デスキュフォン(Thaïs d'Escufon)という広報係だ。 彼女はまだ20代前半の若い活動家だが、中々しっかりしていて左翼コメンテーターの反論にも怯まない。また、彼女はその美貌ゆえに多くのメディアに招かれている。(YouTubeにGIの公式チャンネルがあるので、興味のあるかたには、彼女のインタヴュー映像や出演番組を観て頂きたい。) 彼女はGIのスポークスマンとしてインタヴューを受けていたが、番組の司会者から、どうしてスペインとの国境付近でGIが抗議デモを開催したのかについて訊かれていた。なぜなら、GIの活動家はフランスとスペインの国境沿いであるピレネー山脈に赴き、「コルデ・デュ・ポルティオン(Col du Portillon)」という場所で抗議活動を行っていたからだ。

  タイスを含むGIのメンバー達は、「ヨーロッパ防衛」という使命に燃えており、大量に流れ込んでくる移民や歐洲のイスラム化、セクシャル・ハラスメントなどに危機感を覚えている。("Interview with Thaïs d'Escufon from Génération Indentitaire", The New Prometheism, 13 February 2021.) ただ悔しいことに、GIが異邦人による治安の乱れを世間に訴えかけると、“レイシスト”の烙印を押されてしまうのだ。それでも彼らはめげずに戦い、リベラル派による「反白人主義」に対抗しているから偉い。

  アジアやアフリカからの移民・難民、とりわけムスリムに対して警鐘を鳴らすタイスは、フランスで起きた数々の事件を取り上げていた。例えば、2020年10月、フランスのニースにあるノートルダム・バシリカ(カトリック教会の聖堂)で三人の一般人が殺害されたが、その犯人は「チュニジア国籍者」と思われるイブラヒム・アウサオリ(Ibrahim Issaoui or Brahim Aoussaoui / 21歳)であった。(Angela Charlton and Daniel Cole, "France mourns 3 killed in church attack, tight security", Associated Press, October 31, 2020.) フランス国民を震撼させた、この殺戮行為は“テロ事件”と呼ぶべき悲劇で、犠牲者の一人であるナディーン・デヴィラーズ(Nadine Devillers)は、喉を切り裂かれたうえに、首までも切断されたという。二番目の犠牲者は教会の雑用係をしていたヴィンセント・ロクェス(Vincent Loquès)で、教会の門前で刺殺された。彼には二人の娘がいて、突然の訃報にショックを受けていた。三番目の犠牲者はシモヘヌ・バロト・シルヴァ(Simone Barroto Silva)で、彼女はブラジル出身者で、長いことフランスに住んでいたという。彼女は三人の子供を残して世を去った

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( 左 :  ヴィンセント・ロクェス  /  中央 : シモヘヌ・バロト・シルヴァ  /  右 : ナディーン・デヴィラーズ  )

Brahim Aoussaoui 001( 左 / イブラヒム・アウサオリ )
  何とも痛ましい事件だが、捕まった犯人の経歴を知ると政府の入国管理に腹が立つ。どうやら、イブラヒムは貧乏なチュニジアが厭になってヨーロッパに向かったらしく、悪名高いランペドゥーサ島(Lampedusa)を経由してイタリアに辿り着いたらしい。しかし、武漢ウィルスの感染疑惑があったので、800名の難民と一緒に隔離されたという。その後、どうやったのか、イブラヒムはフランスのニースに潜り込み、教会の周辺をうろついていた。しかし、何を考えていたのか、事件当日、イブラヒムはナイフを持って教会に侵入し、僅か10分の間に三人を殺してしまったのだ。この殺人鬼は現場で警官に逮捕されたが、奇妙なことにイブラヒムは身分を示すモノを何一つ持っていなかった。(Kim Willsher, "Knife Attacker in Nice kills three people", The Guardian, 29 October 2020.)

  イブラヒムの入国手口や侵入経路は明らかにされていないが、一般的にフリカからの難民は、たとえIDとなる書類を持っていても、密航船に乗る前に全て廃棄するという。なぜなら、身分や国籍が判る書類やカードを持っていると、強制退去がしやすくなるからだ。つまり、出身国がバレると、イタリア政府やフランス政府が難民の“祖国”を特定でき、直ちに送還できるというわけ。しかし、どこの国からやって来たのか判らぬ場合、「難民(密入国者)」は強制送還されず、「国籍不明者」としていつまでも入国先に滞在できる。ヨーロッパに居坐るアフリカ難民は、密入国業者やNPOから“在留ノウ・ハウ”を学んでいるので、絶対に口を割らないし、いずれ“釈放”になるんじゃないかと思っている。中には意図的に子供を同伴する難民もいるから悪質だ。彼らはヨーロッパ人が人権問題に弱く、子供連れの難民に譲歩する、と知っているのだ。

Phillippe Monguillot 01Philippe Monguillot killers 01(左 :  フィリペ・モギィロ  / 右 : 暴行容疑で捕まった犯人 )
  インタヴューに答えるタイスは、他にも具体例を示していた。2020年の7月には、バス運転手のフィリペ・モギィロ(Philippe Monguillot / 59歳)が四人の移民によって暴行され、五日後に死んでしまったのだ。("Bus driver dies after five passengers not wearing face masks are attacked", FR 24 News, July 11, 2020.) フィリップが義務化されたマスクを着けていない乗客を注意したところ、二人の男が逆上しフィリップをバスから引きずりだし、胴体や頭部を激しく殴りつけた。他の二人は暴行を止めなかったことで逮捕され、別の男は容疑者を匿ったことで逮捕されたそうだ。亡くなったフィリップには妻と三人の娘がいたという。この事件を聞きつけたフランス人は憤慨し、約六千人の人々が通りに出て抗議活動をしたそうだ。

Axelle Dorier 001(左  / アクセル・ドリアー )
  フランスでは異人種による犯罪が多発しているそうで、23歳のアクセル・ドリアー(Axelle Dorier)という看護婦は、愛犬を連れて散歩している途中に、ヨセフ・テバル(Youcef Tebbal /21歳)という移民が運転するクルマに引っ掛けられた。すると、パニックに陥ったヨセフは急にアクセルを踏み、彼女を引き摺ったまま800mも走行したという。(John Cody, "Outrage in France after 23-year-old Axelle Dorier killed by Youcef T. and Mohamed Y. in brutal hit-and-run", Remix News, July 25, 2020.)  これだけでも充分酷いのに、テバルは免許停止の状態でクルマを運転していたのだ。同乗していたモハメッド・イェロウル(Mohamed Yelloule / 19歳)も卑劣で、被害者が引き摺られていると判っていたのに、クルマを停止させず、彼女を助けなかった。この相棒が逮捕されたのも当然だ。

  こうしたひき逃げ犯は赦せないが、容疑者の氏名を隠していたマスコミも赦せない。フランスの報道機関は、二人の家族名を伏せ、「Youcef T.」とか「Mohamed Y.」としか記さなかった。後に、憤慨したフランスの一般人がインターネットでバラしたから犯人が特定されたけど、普通の日本人は「ル・モンド」紙や「フィガロ」紙くらいしか読まないから、誰なのか判らない。スウェーデンやドイツでもそうだが、フランスの新聞やテレビは逮捕者の実名や写真を公開せず、元の国籍や人種を曖昧にしたまま報道することが通常になっている。たぶん、逮捕者の写真を公表すると、犯人が“有色人種”とか“好ましくない外国人”と判ってしまうので、左派メディアは焦ってしまうのだろう。

  でも、「一般国民が移民に対して偏見を持ってしまうから」という配慮はおかしい。可哀想なのは被害者の方で、加害者を大切にするんなて常識外れだ。だいたい、外国人を入れて殺人や窃盗、テロ事件が増えたなら、その原因を検証して世間に伝えるのがマスコミの役割じゃないか。それを蔑ろにして不逞外人を庇うなんて馬鹿げている。これなら温厚なヨーロッパ人でも反移民に傾くぞ。おそらく、リベラル派のマスコミは“真実”を伝えたら民衆の怒りが燃え上がってしまう、と恐れているんだろう。

反ナショナリズムの左翼メディア

  タイスが属するGIのメンバーは、気取り屋の中道右派と違い、ハッキリと反対の意見を表明するから偉い。サイレント・マジョリティーやフランス人女性を代表するかのように、タイスは地中海を渡ってくる難民に対し、「冗談じゃない、あなた達にヨーロッパを我が家とさせないわ !」と言い放つ。彼女は毅然として、「フランスはフランス人の国」と主張する。自分の信念を明確に述べるタイスは、その容姿も手伝って、色々なテレビ局や報道番組に引っ張り凧(だこ)だ。

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(左 : アフリカ系フランス人の子供   / 中央 : 敬虔なムスリム移民の子供  /  右 : 現代フランスで「マジョリティー」となる子供のタイプ )

  例えば、タイスは「Canal 8」 が放送する「Touche Pas à Mon Paste !」という番組に出演した。この番組を取り仕切るのは、キリル・ハヌゥナ(Cyril Valéry Isaac Hanouna)というプロデューサー業を兼ねたコラムニストだ。彼は司会業の他にも脚本家や俳優、ラジオDJ、コメディアンの肩書きを持つ。しかし、我々が注目すべきは、彼がチュニジアからやって来たユダヤ人という点だ。彼の容姿を見てみれば判るけど、どう考えても西歐系のフランス人には思えない。如何にも「北アフリカ出身者」という外見だ。また、彼の番組に招かれた他のパネリストも何人なのか判らぬ人物ばかりだ。アラブ系やアフリカ系の言論人なら一瞬で判るけど、「白人」といっても、本当にケルト系フランス人なのか怪しい「フランス人」が多い。例えば、両親や祖父母がギリシアからの移民とか、父親がアルバニア人で母親がブルガリア人というケースもある。また、ある者は祖父がルーマニア人なんだけど、祖母の方がルーマニア系ユダヤ人だったりするし、ロシア人とアジア人との混血児、あるいはセファラディー系(南歐系)のマラーノ(キリスト教徒に改宗したユダヤ人)とか、ガリチア地方から流れてきたアシュケナージム系(東歐系)ユダヤ人の子孫とか、マチマチである。つまり、こうした人々はケルト系やゲルマン系のフランス人ではない、ということだ。

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(左 : ゲストのタイス・デスキュフォン / 右 : 司会者のキリル・ハヌゥナ )

  そもそも、地上波の討論番組は“リンチ法廷”とか“八百長議論”という性質を持っている。アメリカのトーク・ショーを制作するスタッフと同じく、フランスのTVプロデューサーやディレクターもリベラル派がほとんどで、保守派を抑圧したり抹殺するのが生き甲斐だ。邪悪な制作者になると巧妙な脚本を用意し、保守派のゲストを公衆の面前で辱め、徹底的に叩き潰す。だから、ハヌゥナの番組もリンチ討論会に近い。西歐人の権利を主張するタイスを人種差別論者に仕立て上げ、みんなで罵倒し、その精神を八つ裂きにしようとする。フランスの一般視聴者なんて単細胞がほとんどだから、“サクラ”として招かれた左翼ゲストにすぐ同調する。誘導操作に気づかない人は好都合なバカとなり、タイスを「頭の弱い金髪娘(dumb blond)」と思ってしまうのだ。(興味深いことに黒人の馬鹿や左翼が登場した場合、誰も「縮れ毛のアホ」と呼ばないんだから不思議なものである。黒い髪のアフリカ人にはクルクルパーの娘がいないのか?) テレビ局の制作者は、中高年の視聴者でも子供扱い。「自分で判断できないアホ」と思っている。

  そもそも、こうしたヤラセ番組を垂れ流す放送局(C8)は、誰によって支配されているのか? これを怪しまないフランス人というのも異常である。なぜテレビを観ている国民は、普段の生活で良識を持っているのに、自分の精神に甚大な影響を与える制作者や経営者に注意を払わないのか? 冷凍餃子やハンバーガーなら、如何なる材料で作られ、どんな工場で加工されるのかを気にするはずなのに・・・。もしかしたら、腐った牛肉で作られたハンバーグかも知れないし、農薬が混じっている餃子かもしれないじゃないか。ファスト・フード店で見かけるフライド・ポテトも「パーム油」で揚げた有害食品。まるで肥るために食べているような代物である。(アメリカ人は塩分の濃い揚げポテトにケチャップをかけて喰っているから、もう救いようがない。) 子供を持つ母親になると、発癌性物質にも敏感だ。となれば、「C8」の親会社である「Canal Group」が誰によって運営されているのかが気になる。

Ara Aprikian 002(左   / アラ・アプリキヨン )
  「C8」を運営しているのは、アラ・アプリキヨン(Ara Aprikian)という社長なんだが、彼はゲルマン人とかケルト人ではなく、アルメニア系のフランス人であるという。一般の日本人はあまり知らないが、フランスにはアルメニア移民の子孫が結構多い。日本でも有名なシャンソン歌手のシャルル・アズナヴール(Charles Aznavour)もアルメニア系フランス人で、本名は「Shahnour Varinag Aznavourian」だ。本人曰わく、英語には自信が無いけど、アルメニア語やイタリア語、スペイン語なら上手に話せるそうだ。ちなみに、世界的に有名なテニス選手のアンドレ・アガシ(Andre Agassi)、人気歌手だったシェール(Cher / Cherilyn Sarkisian)、F-1レーサーのアラン・プロスト(Alain Prost)、「セレブ」と呼ばれるキム・カルダシアン(Kim Kardashian)もアルメニア系である。意外なところでは、ロシアのセルゲイ・ラヴロフ(Sergei Lavrov)外相もアルメニア系の血筋だ。

Charles Aznavour 1Cher 02Alain Prost 2Sergei Lavrov 01








( 左 : シャルル・アズナヴール / シェール  /  アラン・プロスト  /  右 : セルゲイ・ラヴロフ )

Maxime Saada 01(左  /  マキシム・サーダ)
  「C8」の親会社である「Canal Group」は、マキシム・サーダ(Maxime Saada)がCEO(最高経営責任者)となっているが、彼の血統や祖先の素性は明らかにされていない。おそらく、彼の祖父母はチュニジアかアルジェリアなどに住んでいたアラブ人かも知れないし、ひょっとすると北アフリカ出身のユダヤ人じゃないのか? というのも、「サーダ」という家族名はアラビア語やヘブライ語の名前にもあるからだ。フランス政府は人口統計や国勢調査を実施する時でも、国民の民族性や人種に触れないから、どのような種族がどれだけ住んでいるのか判らない。親子代々フランスに住み続けているユダヤ人だと、血統には言及せず、ただ「私はフランス人」としか言わないから、普通の日本人は簡単に騙される。

   そう問えば、大手の本屋に行くと、日本語に訳されたフランスの本がたくさんある。しかし、執筆者の血筋を調べる人は滅多にいない。勝手に「フランスの知識人」と思ってしまう人が普通だ。例えば、フランスの知識人であるドミニク・シュナペール(Dominique Schnapper)の本を見つけても、彼女がレイモン・アロン(Raymond Aron)の娘とは気づかないだろう。(アロンは有名な政治学者。) 以前、幾つかの著作が和訳されたギ・ソルマン(Guy Sorman)や保守派のエリック・ゼマー(Eric Zemmour)もユダヤ人である。一般的に知られている社会学者のエミール・デュルケム(David Émile Durkheim)や歴史家のマルク・ブロック(Marc Bloch)もユダヤ系フランス人であった。日本の大学教授はフランス人の著作を紹介しても、作者の血筋や出身国について言及しないので、一般国民はどんな“魂胆”で書いているのか判らない。ユダヤ人の学者だと、幼少期に受けた屈辱感や反撥心で書いている場合があるから注意が必要だ。日本でも、在日鮮人や帰化鮮人が「怨念」や「侮蔑」で反日本を書いているじゃないか。

Raymond Aron 12Dominique Schnapper 02Guy Sorman 2Eric Zemmour 01








(左 : レイモン・アロン  / ドミニク・シュナペール  / ギ・ソルマン  / 右 : エリック・ゼマー )

Francois Beleand 02(左  /  フランソワ・ベルレアン)
  日本人が観る娯楽作品でも、「フランス人」のような「異邦人」が出ている場合が多い。例えば、米仏合作映画の『トランスポーター(Le Transporteur)』に出てきたタルコニ警部だ。一般の日本人は、この優秀な刑事がユダヤ系フランス人であるとは気づかなかった。タルコニ警部を演じる男優のフランソワ・ベルレアン(François Berléand)は、ケルト系のガリア人ではなく、ロシア出身のユダヤ人を父とし、カトリック信徒のフランス人を母とする混血児である。(筆者はこの映画を観た時、「ベルレアンはユダヤ系かも」と推測した。ユダヤ人を何百人も観察していると、何となく判るようになる。つまり、勘が鋭くなるのだ。) 映画の中では、タルコニ警部は「昼行灯(ひるあんどん)」を演じるが、実は中々の切れ者で、主人公を助ける老獪な警察官だ。こうした訳にはユダヤ人がピッタリ。黒人男優が演じると“ヤラセ”臭い。多民族主義を掲げるハリウッド映画だと、黒人の“知能犯”が登場するけど、こんな役はユダヤ人俳優に限る。なぜなら、とても“リアル”だから。

Gerald Darmanin 1(左 / ジェラルド・ダルメナン )
  脱線したので話を戻す。タイスが属する「GI」は「極右団体」と見なされ、内務大臣のジェラルド・ダルメナン(Gérard Darmain)によって違法組織に指定され、解体の危機に瀕している。この内相もケルト系のフランス人ではない。彼はアルジェリア人とアルメニア人の家系にマルタ島人の血が混ざった異人種。一応、フランス共和国に忠誠を誓っているが、祖先の国家として愛着を抱いている訳じゃない。タイスのようなフランス人が「西歐人のフランス」とか「ジャンヌ・ダルクのフランス」、「シャルルマーニュとクローヴィスのフランス」を口にすると、本能的に拒絶反応を示す。彼はユダヤ人のように多民族・多文化主義に傾く。ダルメナンのような「フランス人」とって、大革命以前のフランスは縁もゆかりも無い「外国」である。

  同じ事は、ベトナム人やイラク人を祖先とする「フランス人」にも言える。彼らにとってカロリング朝やブルボン朝の王様は外人の支配者。フランスのガリア教会などは単なる「プライベート・クラブ」だから、ローマの長女でも淫売でも構わない。中東アジア難民や支那移民は、聖人の奇蹟にも興味が無く、もしあるとしたら、水をワインに変える奇蹟だけ。(ぶどう畑を買い漁る支那人は、せっせと「フランス産」ワインを作っている。) その他は詐欺師のペテンか百姓の迷信だ。レミギウス(Remigius)がランス(Reims)の司教であったことも知らん顔。クローヴィスがレミギウスによって塗油されても知ったことではない。神聖ローマ皇帝が戴冠式を行ったエクス・ラ・シャペル(Aix-la-Chapelle)なんかは、ゼニが儲かる観光地というだけ。この土地が「エクス」と呼ばれようが「アーヘン(Achen)」と呼ばれようが、どうでもいいことだ。イスラム教徒にとったら異教徒の聖地に過ぎないし、アフリカ出身の黒人は、「どこにあるんだ?」と訊いてしまうだろう。非西歐人にとっては、ベルギー領でもルクセンプルク領でもいいし、プロイセンの僻地にあろうが懐かしい場所ではない。

「フランス人のフランス」を赦さない反仏団体

Bernard Lecache 1923
( 左 /  ベルナルド・アブラハム・ルキャッシュ)
  タイスのようなフランス人ナショナリストが現れ、その容姿が好ましいと、世間の注目を浴びるようになる。すると、異民族共生を促進する左翼団体は焦ってしまう。そこで、「邪魔者は芽のうちに摘んでしまえ !」とばかりに総攻撃。その代表格が、「LICRA(Ligue internationale Contre le Racisme et l'Antisémitisme)」のような組織だ。これはレイシズムと反ユダヤ主義を撲滅せんと謀る国際同盟で、本質的には「ADL(反名誉毀損同盟)」や「AIPAC(米国・イスラエル関係評議会)」と同じである。こういった名称を聞くと、何となく首謀者(頭目)の正体が予想できるじゃないか。実際、この同盟を創設したのはユダヤ人の一味であった。「LICRA」の前身はベルナルド・アブラハム・ルキャッシュ(Bernard Abraham Lecache)が設立した「LICA(Liegue Internationale Contre l'antisémitisme / 反ユダヤ主義撲滅国際同盟)」という団体で、1932年に「レイシズム」を加えて「LICRA」と改名している。創設者のルキャッシュはウクライナ出身のユダヤ人で、元々はコミンテルンに属するジャーナリストであった。しかし、1932年に共産党から追い出されたので、「SFIO(フランス労働者国際党 / 当時の社会主義政党)」に身を寄せたそうだ。(Emmanuel Debno, Bernard Abraham Lecache, président fondateur de la Ligue internationale contre l'antisémitisme, Archives Juives, Vol. 40, 2007.を参照。)

Samuel Schwartzbad 1Symon Petlioura 003(左 : サミュエル・シュワルツバルト  / 右 : サイモン・ペトリウラ )
  共産主義者だから当然なんだけど、ルキャッシュは無神論者ときている。しかし、民族意識だけは強かった。彼はボルシェビキのアナーキストであったサミュエル・シュワルツバルト(Samuel Schwartzbard / 本名 : Sholem)が暗殺事件で裁かれた時、この被告人を擁護して救ったことがある。ロシア生まれのユダヤ人、ショレム(サミュエル)・シュワルツバルトは、パリでウクライナ人民共和国の政治指導者であったサイモン・ペトリウラ(Symon Petlioura)を暗殺した廉で逮捕された。「動機は何か?」と言えば、私的・民族的な怨恨だ。このユダヤ人はウクライナにおけるポグロム(ユダヤ人の虐殺)に腹を立て、ペトリウラに迫害の責任があると思ってしまったのだ。ユダヤ人にはこうした過激派があちこちに居るので、被害を受けたり者や対立する外国人は、その報復を全てのユダヤ人に向けることが多い。タカリ屋の民族だから仕方ないけど、彼らはいつも寄生先の国民に嫌われ、迫害の対象となる。すると、無鉄砲なユダヤ青年が暴れ回り、その仕返しがユダヤ人全体に及んでしまうのだ。ローマ時代から今日まで、こうした悪循環は止めどなく続き、ユダヤ人は歐洲各地で必ず「鼻つまみ者」になっている。だから、その潮流を撲滅すべくユダヤ知識人は団結し、敵対民族の洗脳に努力するのだ。

David Frankfurter 02Wilhelm Gustloff 11(左 : デイヴィッド・フランクファーター / 右 : ウィルヘルム・ガストロフ )
  ルキャッシュは同胞のために殺人を犯したユダヤ人を支援してきた。例えば、ユーゴスラヴィアかクロアチア出身と言われるユダヤ人のデイヴィッド・フランクファーター(David Frankfurter)は、1936年、ナチ党のスイス支部長を務めるウィルヘルム・ガストロフ(Wilhelm Gustloff)をスイスのダボスで暗殺した。そして、この殺人犯はスイスの法廷で18年の実刑を言い渡されるが、LICAは抗議デモを起こして彼を助けようとした。すると、デモの成果が現れたのか、1945年にフランクファーターは恩赦を与えられて出所となる。古巣に帰るカラスと同じく、フランクファーターは異国のスイスを去るや、同胞が暮らすイスラエルを目指した。素晴らしい故郷に帰った殺人鬼は、イスラエルの国防省に勤め、陸軍士官になったそうだ。

Herschel Feibel Grynszpan 003Ernst-vom-Rath 002( ヘルシェル・グリンシュパン / エルンスト・フォム・ラート )
  日本で「ユダヤ人」と言えば、「可哀想な民族」というイメージがあるけど、この種族には兇暴な輩(やから)も結構多い。テロリストやアナーキスト、コミュニストに加え、変態、詐欺、強盗、殺人に才能を発揮する俊英がウジャウジャいる。1938年、ドイツ人外交官のエルンスト・フォム・ラート(Ernst Eduard vom Rath)は、ポーランド出身のユダヤ人、ヘルシェル・グリンシュパン(Herschel Feibel Grynspan)によって暗殺されてしまった。射殺の動機は詳(つまび)らかではないが、どうやらグリンシュパンの家族が強制的にドイツから追放され、ポーランドへ戻されたから、それを怨んでの犯行らしい。

  一方、5発の弾丸を喰らって絶命したラートは、ドイツ貴族の出身で、パリのドイツ大使館に勤めていた。おまけに、彼は「突撃隊(SA)」の元メンバー。しかし、29歳での“あの世行き”だから、何とも痛ましい。捕まったグリンシュパンは中々裁判にかけられず、有耶無耶のまま処分されたようで、ハッキリとは分からないが、ザクセンハウゼンにある強制収容所へ送られ、そこで亡くなったそうだ。消された時期は1940年から45年あたりだと推測されるが、ミヒェル・フォン・ソルティコウ(Michael von Soltikow / ドイツのジャーナリスト)のように、「彼は処刑されなかった」とグリンシュパンの生存を信じている人もいるらしい。いずれにせよ、悲惨な目に遭ったユダヤ人からすれば、憎いナチ野郎を殺したグリンシュパンは英雄だ。それゆえ、ルキャッシュが支援したのも理解できる。が、先進国にある大使館に赴き、いきなり外交官を射殺なんて常識外れだ。ヤクザの抗争事件じゃあるまいし。昔、山口組の若頭補佐を務めていた中野太郎は、京都の理髪店で襲撃されたけど、側近が拳銃をぶっ放して暗殺者(会津小鉄組系)を返り討ちにしたので助かった。しかし、山口組若頭の宅見勝(たくみ・まさる)は、この銃撃事件を手打ちにしたせいで、後に射殺されることになる。(宅見は病気で余命僅かだったのにねぇ~。) ユダヤ人に洗脳された歐米人は、ユダヤ人の横暴に対して寛容すぎる。

Boris Holban 002(左  / ボリス・ホルバン )
  フランスの国益主義者や保守派陣営を敵視する団体と言えば、「MRAP(Mouvement contre le Racisme et pour l'amitie entre les Peuples)」が有名だ。タイスが属する「GI」もMRAPの標的になっている。このMRAPはシキャッシュの「LICA」や人種差別を糾弾する「MNCR(Mouvment National Contre le Racisme)」、移民労働者を擁護する「FTP-MOI(Francs-tireurs et partisans-Main-d'oeuvre immigrée)」によって結成された極左組織だ。この「FTP-MOI」はルーマニア系ユダヤ人のバルーク・ブルマン(Baruch Bruhman)によって創設された集団である。彼は元々、共産主義者のゲリラ兵で、ナチ・ドイツを倒すべく、フランスに渡って志願兵となり、レジスタンス運動に邁進した。フランス軍に入隊した時、ユダヤ系の名前を「ボリス・ホルバン(Boris Holban)」と改名したそうだ。戦後、ルーマニアに戻って将軍となるが、1984年、再びフランスに戻るとミッテラン大統領から勲章をもらい、「フランス解放の功労者」として表彰されたという。

Albert Levy 01Marcel Manville 11(左  /  アルベルト・レヴィー / 右 : マルセル・マンヴィル)
  フランスの人種偏見を無くすため、1949に設立されたMRAPだが、その中心メンバーは筋金入りの左翼だった。例えば、創設メンバーの一人、アルベルト・レヴィー(Albert Lévy)は、人権思想に染まったユダヤ人で、若い頃は移民労働者を支援するユダヤ人青年部(UJJ-MOI)に属していたという。(Sylvia Zappi, "Albert Lévy, ancien résistant", Le Monde, 16 septembre 2008.) 彼は『L'Humanité』誌の元ジャーナリストで、反ユダヤ主義の一例であった「ローゼンバーグ事件」に関する検証組織にも参加していた。もう一人の創設メンバーは、左翼法律家のマルセル・マンヴィル(Marcel Manville)だ。彼は西インド諸島にあるフランス領のマルティク島(Martinique)からやって来た黒人で、白人の植民地主義を心から憎んでいた。それならヨーロッパに来なければいいのに、黒人はなぜか白人の国家に住みたがる。まぁ、西歐人の豊かな生活に憧れたんだろうが、自らの肉体を見ると屈辱感が湧き起こってくるんだろう。それゆえ、反コロニアリズムの黒人が、反レイシズムの団体に参加しても不思議じゃない。

  とにかく、フランスの左翼組織を説明したらキリが無いけど、タイス・デスキュフォン達が極悪人と見なされているのは異常だ。なるほど、「GI」メンバーの中にも愚劣な右翼や下品な白人が混ざっているけど、団体の基本理念は“まとも”である。「フランス人の為のフランス」とか、「イスラムからヨーロッパを守ろう !」という掛け声は間違っていないだろう。むしろ、ユダヤ人の天下となっているフランス、すなわち、ユダヤ人の多民族主義やアラブ人の反西歐主義に毒されたフランスの方がおかしい。日本が「日本人の国」で「良い」とされるなら、ガリアの共和国がガリア人の祖国(ホームランド)であってもいいし、元々はフランク人(ゲルマン民族)が建てた王国だから、ケルト系民族(ガリア人)やゲルマン系民族が「主流国民」になっていてもいいじゃないか。ユダヤ人は“居候”か“タカリ屋”で、ムスリムのアラブ人やアフリカ人は“よそ者”である。したがって、フランク王国を継承するケルト系白人が萎縮し、乗っ取り屋のユダヤ人がデカい顔をするなんて本末転倒だ。日本人はフランスの政治を勉強する時、常識で考えるべきである。

  

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