無敵の太陽

主要マスメディアでは解説されない政治問題・文化・社会現象などを論評する。固定観念では分からない問題を黒木頼景が明確に論ずる。

イングランド / ブリテン

刃物で手首を切り落とした黒い子供 / 下層階級の混血児 (前編)

教科書に載せて全日本人に知らせたい現代史 支那人の卑史 朝鮮人の痴史
黒木 頼景
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刃物で縁と手を切る黒人ギャング

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(左 : 黒人スポーツ選手と結婚したヘレン・フラナガン  /  右 : 黒人と白人の混淆家族)

  歐米のみならず日本でも、人間の国際化が進めば混血児が増えてくる。ただし、その種類は階級によって違っており、貴族や富豪といった上流階級は“好ましい”外国人“と結婚し、賃金労働者とか低所得者といった下層階級は往々にして“好ましくない”よそ者と交わる事が多い。西歐諸国の貴族が「国際結婚」するのは昔からよくあることで、ハプスブルク家といえば政略結婚で有名だ。イングランドの貴族だってデンマークやネーデルラントの貴族と度々血縁関係を結んでいたし、成金の商人が娘を男爵とか子爵のもとへ嫁がせることも珍しくなかった。でも、ナポリの靴職人とかシチリアの百姓が、ドイツ貴族の娘を嫁にすることなんて事は皆無。

  今だって、英国へ出稼ぎに来たフィリピン人の女中が、スペンサー伯爵家のお坊ちゃんと結婚するなんてあり得ない。また、ソールズベリー侯爵の御令嬢が、マレー人の港湾人夫と恋に落ち、その“夫人”になることは夢のまた夢の話である。貴族の奥方は、やはり貴族出身の女性に限る。例えば、ジョージ5世を祖父に持つ英国のプリンス・マイケル(Prince Michael of Kent)は、クルクル・パーのヘンリー王子と違って、由緒正しいドイツ貴族の御令嬢、すなわちライプニッツ家のマリー・クリスティーヌ(Baroness Marie Christine A. A. H.I. von Reibnitz)と結婚なされた。当時の上流階級は「久しぶりに貴族らしい貴族の女性が王族に嫁いだなぁ」という感想を持ったそうだ。

  そりゃ、ヨーク公爵夫人のサラ・ファーガソンや離婚経験者のカミーラ夫人、女優上がりの黒人娘メーガン・マークルを目にしたイギリス人なら、「同感 !」と言いたくなるだろう。(日本ではあまり報道されなかったけど、ヨーク公爵夫人は別れたアンドノリュー王子から約300万ドルもらったのに、浪費癖が激しいせいか、数百万ドルもの負債を作ってしまったそうだ。一時は、支払いが追いつかず破産の危機に直面したそうだが、自殺したジェフリー・エプシュタインが借金の帳消しを申し出たらしい。借金で首が回らない侯爵夫人は、インド人の怪しいビジネスマンと接触し、人物紹介の仲介料を取ろうとしたそうだ。詳しく話すと長くなるから省略するが、エリザベス女王は相当頭を痛めたらしい。)

Princess Michael of Kent 2Princess Michael of Kent 1Sarah Ferguson 2Meghan Merkle 4











(左 : マリー・クリスチーヌ夫人  / プリンス・マイケル夫妻  / サラ・ファーガソン  /  右 : メーガン妃 )

  昔の日本でも同じで、德川家と島津家が婚姻を結ぶことはあっても、三河の百姓娘が水戸家の嫡男と結婚することはなかった。いくら遠山の金さんが庶民に理解が深いとはいえ、飯屋で知り合った娘とは夫婦になれまい。明治や大正になっても似たり寄ったりで、父親が海軍大佐とか陸軍中将の娘なら、「夫」にする男性は、前途有望な海軍士官とか、洋行帰りの高級官僚、あるいは薩長派閥の青年議員とか大商人の息子である。有名な白洲次郎は豪商の息子で、容姿端麗、身の丈六尺のハンサム青年であった。しかも、英語が堪能で、留学先は名門のクレア・カレッジ(ケムブリッジ大学)。とても、日本人とは思えぬ和製ジェントルマンだった。 (何しろ、大正時代にベントレーを乗り回すんだから、いくら「ええとこのボンボン」とはいえ並の日本人じゃない。もう、「凄い!」、というか溜息が出るほどだ。) 昭和恐慌で白洲商店は倒産したものの、白洲家は由緒正しく、元三田藩(さんだはん)の士族であったから、その人脈は庶民のものとは比較にならない。例えば、ブリティッシュ・アクセントで英語を流暢に話す次郎の親友は、ストラドフォード伯爵のロビンで、妻に迎えたのは、海軍大臣になった樺山資紀(かばやま・すけのり)大将の孫娘、樺山正子(まさこ)だ。誇り高き士族や富豪の商人だと、息子の嫁には“それ相応”の女性を選ぶのが普通で、貧乏鮮人の娘なんか絶対に娶(めと)らない。

Shirasu & Masako 1Shrasu & Robin 1












(左 : 白洲次郎  / 中央 : 白洲正子夫人  / 右 : 白洲次郎と親友のロビン )

  本題から脱線したので、ここからが今日のお話。最近、英国でビックリするような傷害事件が起きた。21歳のチェ・アンベ(Che Ambe)がマシェット(machete / 鉈)を振るって、喧嘩相手のタイラー・スティーヴンス(Tyler Stevens)と格闘し、タイラーの左手首を切断したというのだ。(Nick Fagge and Hannah Dawson, Father of machete-wielding thug who chopped off teenager's hand says his son was already lost by the time he had any input into the boy's life, Daily Mail, 5 September 2019) 左手をチョン切られたテイラーは、路上に手首を置き去りにしたまま、友人の家に向かい、必死で助けを求めたという。後に、通報を受けた警察が道端に落ちていた手首を発見し、急いで病院に持って行ったのだが、まさしく“手遅れ”で、既に医者が接合することは出来ない状態だった。その結果、タイラーは一生、左手で物を掴むことが出来ない体となってしまった。

Tyler Stevens(左  /  手首を失ったタイラー・スティーヴンス)
  もっとも、加害者側にも言い分があって、タイラーも不良であったのだ。事件当日、因縁をつけてきたのはタイラーの方で、彼はナイフ片手に仲間を連れてチェに襲いかかったという。もし、チェが素手で立ち向かっていたら大事件にならなかったのかも知れないが、やはり不良には運が無かった。だいたい、大型の鉈(なた)を持っていたなんて、正当防衛にしては“かなり”分が悪い。(日本人なら呆れ返って、「そんな刃物、どこで買ったんだ ?」と訊きたくなる) それに、いくら身を守るためとはいえ、チェはタイラーの手首を七回ほど切りつけたというから、過剰防衛と言われても反論できまい。

  それにしても、この加害者は相当なワルで、前科27犯という経歴を持っている。その内、三件はナイフ所持であったというから、「なるほどねぇ~」と納得だ。普通の日本人だと、空条承太郎みたいに「やれやれ」と言いたくなるが、チェの家庭環境を知れば「それなら、しゃあない !」と理解を示すんじゃないか。というのも、彼の父親がこれまた「ダメ親爺」の典型で、勉強どころか倫理・道徳でさえ教えることができない人物。父のレスリー・アンベ(Leslie Ambe)は黒人で、別れた女房から息子を無理やり連れ去り、自分一人でチェを育てていたのだ。しかし、引き取られたチェの方は、父親と暮らすことを嫌がり、母親のもとに戻りたいと懇願していたそうである。じゃあ、母親の方はどうかと言えば、これまた頭が痛い。レスリーと別れた妻のジュリー(Julie)はトンデモない母親だった。彼女の兄ギャヴィン・ペイン(Gavin Payne)によれば、ジュリーは酒と薬に溺れており、母のアグネス(チェの祖母)と暮らしていたのだ。ジュリーには三人の子供がいて、チェの他に息子のジョーダンと娘のオリヴィアがいる。子供たち三人は母と祖母の家で暮らしたかったが、チェだけが母と引き離されて父親と暮らす破目になったらしい。

Che Ambe 1Leslie AmbeChe Ambe & mother & grandparents












(左 : チェ・アンベ  / 中央 : レスリー・アンベ /  右 : チェの母親と祖父母、兄弟)

  だが、レスリーは子育てに向かない父親で、チェが傷害事件を起こす前、既に「手の付けられない」息子となっていた。既に小学生の段階で不良となっていたチェは、13歳で学校から追い出され、17歳で殺傷事件に巻き込まれていた。しかも、住んでいる地域だってゾっとするような場所だ。近所の子供はゴロツキの予備軍みたいだし、周囲の大人だってロクなもんじゃない。子供に薫陶を授ける偉人というより、悪の道へ誘うポン引き程度だ。チェの裁判を担当したマイケル・ケイ判事は、暴力がはびこる悲惨な環境で子供を育てるとは何事だ、と彼の両親を咎めたという。でもさぁ、ヤク中の母親と碌でなしの父親が、閑静な住宅地に居を構え、食卓を囲んで知的な会話を楽しむ、なんて姿を期待できるのか? 想像できるのは、汚い言葉で夫婦喧嘩をする光景や、勉強とは程遠い劣等生のダチ(友人)、といったところだろう。こうした下層階級には、ケイ判事が求める中流階級の家族団欒なんて絵に描いた餅である。イギリス人は絶対口にできないけど、そもそも黒人と結婚するイギリス人女性なんて頭のどこが壊れているとしか思えない。「破れ鍋にとじ蓋」じゃないけど、ダメな奴にはダメな女が附くものだ。

  現在のイギリス人はリベラル教育を受けたせいで、おおっぴらに「有色人種は嫌い」と言えず、「私は人種や民族で人を差別しないわ」という建前で生きている。だが、半世紀前までは異人種間の結婚なんてタブーに近かった。例えば、『Picture Post』誌は1954年に「あなたは自分の娘を黒人と結婚させようと思いますか? (Would you let your daughter marry a Negro?)」という記事を載せていた。1964年、英国のテレビ局である「ITV」は、「黒人が白人と結婚する : 最後の障壁('Black Marries White : The Last Varrier)」というドキュメンタリー番組を放送していたし、その前の1958年には「異人種結婚(Mixed Marroages)」という番組を流していたのである。番組の司会者はコメントを避けていたが、「もし、我々が自分に正直であるならば、自分の娘や妹が有色人種と結婚すると告げたとき、ちょっとショックじゃないですか」という疑問を投げかけていたそうだ。

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(左 : ヘケン・フラナガン  / 中央 : スコット・シンクレア /  右 : 娘のマチルダを抱くヘレン )

  確かに、街頭インタビューや学校の教室では、「二人が愛し合っているのなら、人種や民族、宗教は関係ありません」と言えるが、それは世間に向けた偽りの発言で、家族同士で話し合えば、「黒人との結婚だと ! たとえ、娘が駆け落ちしようとも、地の果てまで追いかけて、絶対に許さないぞ !」という意見が大半だろう。イギリス人の親なら、異人種と結婚する藝人を見たとき、何となく不安になる。例えば、人気モデルのヘレン・フラナガン(Helen Flanagan)は黒人のスコット・シンクレア(Scott Sinclair)と結婚して子供を産んでいるし、昔人気者だった黒人俳優のエディー・マーフィー(Eddy Murphy)は、年下のペイジ・ブッチャー(Paige Butcher)と三回目の再婚を果たし、9番目の娘イジーと10番目の息子マックスをもうけている。

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(左 : メイ・ブリット  / メイとサミー・デイヴィス・ジュニア  / ローラ・ファラナ  /  右 : ローラトとサミー )

  有名な異人種間結婚と言えば、名優のシドニー・ポワティエ(Sidney Poitier)が思いつく。彼は映画の中だけでなく、私生活でも白人女性、ジョアンナ・シムカス(Joanna Shimkus)を妻にしていた。日本人でもアラン・ドロンの『冒険者たち(Les Aventuriers)』を観たことがある人なら、このユダヤ系カナダ人女優を覚えているはずだ。また、タップ・ダンサーのサミー・デイヴィス・ジュニア(Sammy Davis, Jr.)も白人女性のメイ・ブリット(May Britt)と結婚し、当時、相当な話題となっていた。ただし、このスウェーデン人女優には離婚歴があり、サミーは二番目の亭主である。ところが、サミーは黒人ダンサーのローラ・ファラナ(Lola Falana)と浮気をしてしまい、ブリットは1968年に離婚を決意。そして、再び独身となったブリットは別の男を見つけ、三回目の結婚を達成する。余計なお世話だけど、サミーは禁断の姦通をするくらいなら、最初から黒人女性と結婚すれば良かったのにねぇ~。たぶん、サミーにとってブリットは「成功」を象徴する「トロフィー・ワイフ」だったのかも知れない。

Joanna Shimkus 3Joanna Shimkus 2Sidney Poitier 1












(左 : ジョアンナ・シムカス   / 中央 : ジョアンナとアラン・ドロン   /  右 : ジョアンナとシドニー・ポワティエ )

  藝能界の歌手や俳優ならいいけど、一般人が異人種と結婚すれば、色々と厄介な問題に直面する。白人側の親は「どうして黒人なんかと一緒になるの・・・」とガッカリするし、初孫が生まれても素直に喜べない。助産婦だって、言葉に詰まるんじゃないか。白人の娘が産んだ赤ん坊なのに、顔つきは父親にソックリで、髪の毛も黒い縮れ毛だったりするから、祖父母としては落胆を隠せない。知らない人が見れば、「あら、養子でも取ったの?」と訊かれるし、その子供が成長して学校に通えば、自分のアイデンティティーに疑問を持つ。白人のグループに属すべきなのか、それとも黒人の仲間になるべきか、迷ってしまう混血児も多い。大抵の場合、黒人グループに身を寄せるようだ。たぶん、アフリカ系混血児は無意識的に「白人社会から爪弾きにされる落伍者」であると自覚するからなんだろう。

Paige Butcher 3Eddie Murphy & Paige Butcher 1Paige Butcher & daughter 1












(左 :ペイジ・ブッチャー   / 中央 : ペイジとエディー・マーフィー  /  右 : ペイジと娘のイジー )

  とにかく、黒人の血を引く子供を産んでしまった白人女性は、後から「後悔」する事が多い。息子や娘がグレてしまうと、自分に原因があるのでは、と考えてしまう。もし、原因を探って「人種」にぶち当たると、かなり辛い思いをするようだ。幼い頃から子供に「異人種はダメだぞ」と教えておかないから、不幸になる親が増えてしまうのかも知れない。現実の社会に生きているんだから、綺麗事の建前ばかりじゃなく、ちゃんと冷徹な本音を教えておかなきゃ。

  後編に続く。



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パンク右翼だけが抗議する ! / 尻込みする英国の中流階級

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懲役刑を受けた右翼活動家

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(左 : イスラム教徒のブリテン国民  /  右 : EDLのトミー・ロビンソン)

  我々が住む日本と異なり、イングランドでは階級の区別や相違が著しく、同じ国民なのに上流と下流では「種族が違うんじゃないか?」と思える程だ。たとえ、両者がアングロ・サクソン人であっても、家系とか境遇、育った地域や趣味、学歴、資産の額などを比較すれば、外国人同士みたいな感覚になる。何しろ貴族と庶民とでは、会話で用いる語彙や発音が明らかに異なるし、服装から髪型まであらゆる点が違ってくるという。階級の差が曖昧な日本だと、会社の重役までが同じ食堂で飯を食っているけど、イングランドの中流ホワイトカーは、下層のブルーカラーと飯を共にする仲間にはならないし、無礼講で酒を飲むこともない。通常は別々のパブに入る。これじゃまるで英国版のアパルトヘイトみたいだけど、その方がお互いに気が楽だし、喧嘩にならずに済む。学歴や職業くらいで“身分”を区別する日本人とは大違いだ。

  日本のメディアは全く報道しないけど、英国では“極右”活動家のトミー・ロビンソン(Tommy Robinson)が実刑を受けることになって、ちょっと話題になっている。彼は仲間と共に2009年、「英国防衛同盟(EDL / English Defence League)」を結成した人物で、本名は「スティブン・クリストファー・ヤクスリー・レノン(Stephen Christopher Yaxley-Lennon)」というらしい。彼の家族名に「レノン」という名が附いているのは、「トマス・レノン」という義父(母親の再婚相手)がいるからだ。この「トミー・ロビンソン」という通名は、スティーブンが贔屓にしているサッカー・フーリガンの名前から拝借しているそうだが、家族(女房と子供)を守るために、この偽名を用いているという。異人種の排斥を掲げる活動家は、様々な恨みを買うから、個人の情報はなるべく隠した方が良いという判断だ。

  英国には立派な知識人や上品な紳士がいるけど、救いようのない馬鹿や下品なゴロツキも多く、トミー・ロビンソンは悪党ではないが、知性が足りない下層民と考えても差し支えは無い。ただ、彼にはただ一つ見上げたところがある。それは、彼がブリテン政府の移民政策に強い反対を表明していることだ。ロビンソンが取る抗議の方法は稚拙だが、イスラム教徒の増殖に危機感を抱いている点では「まとも」である。確かに、ブリテンにやって来るアラブ人やアフリカ人の移民は、お世辞にも“好ましい”外国人と言うことはできない。大半が貧乏人や単純労働者であるから、彼らは気軽に罪を犯す。何しろ、殺人鬼や強盗犯ばかりか、若い女性を狙った強姦魔に加え、幼児よを餌食にする変態も多いから、一般のブリテン人は激怒している。そこで、立ち上がったのが、「ブリテン国民党」のニック・グリフィンや「英国防衛同盟」のロビンソンという訳だ。一方、ブリテン人の安全を守るはずの保守党は、学校で左翼人権思想に冒され、党員の大半は「リムジン・リベラル」か「腰抜け」のどちらかである。日本人も英国の惨状を笑っていられないが、かつてのイギリス人を思い出すと、あまりにも情けなくなる。

  では、庶民が頼りとする労働党はどうなのか、と言えば、これまた頼りにならない。だいいち、元首相のトニー・ブレアと元外相のジャック・ストローが、熱心な移民推進派なんだから、天を仰ぎたくなるじゃないか。ブレア政権の時、移民の流入は激増し、詐欺師や殺人鬼でもウェルカム。なぜなら、こうした有色移民が帰化すれば、支持する政党は労働党に決まっているからだ。貴族のような暮らしをする労働党の幹部からすれば、支持者となってくれる移民は大切なお客様だ。一票乞食は一人でも多い方がよい。鄧小平は白い猫でも黒い猫でも鼠を捕まえれば良い猫と考えていたけど、ブリテンの左翼も同じで、黒い難民でも茶色の移民でも、票田になるなら良い人間だ。一方、“見捨てられた”ブリテン人労働者は、お高くとまったホワイトカラーが集う保守党に入るわけにも行かないので、愚痴をこぼしながらも依然として労働党に留まっている。ただし、現状に我慢できない「跳ねっ返り」や「異端者」は、「ブリテン独立党(UKIP)」や他の「極右」政党を支持することにしたらしい。

  ブリテンの主要メディアは、中東アジアや東南アジア、および北アフリカからの移民に対して同情的だ。ところが、移民問題に苦しむブリテン人には冷たい。米倉涼子がクール・ビューティを演じれば納得するが、関西生コンにだけ優しい辻元清美じゃ腹が立つのと同じである。それはともかく、北池袋じゃあるまいし、毎日毎日、異質な外国人と顔を付き合わせるなんて不愉快だ。しかも、イスラム教徒の移民が地元の不良少女や下層階級の白人娘に「ちょっかい」を出し、妾や性奴隷にするという事件が頻発するんだから、穏健な一般人でも堪忍袋の緒が切れる。そこで、移民排斥を訴えるトミー・ロビンソンは、ムリスム移民が引き起こした性犯罪を糾弾した。彼は全世界に報道する目的で、2018年5月、リーズ(Leeds)の裁判所に潜り込み、法廷の様子を「ライブ中継」しようとした。しかし、こうした「報道」はブリテンで違法となる。不法行為を犯したロビンソンは警察官に逮捕され、有罪判決を受ける破目になった。

  ロビンソンの懲役刑を述べる前に、彼の過去について多少は触れねばならない。この「右翼活動家」は本当に「ダメ人間」で、威勢がいいだけの単純馬鹿である。2005年、彼は恋人と喧嘩になったようで、それを仲裁に入った非番の警官を殴ってしまった。激情に駆られて暴行をはたらいたロビンソンは、裁判で有罪となり、12ヶ月の懲役刑を受けたという。さらに彼は2011年、何らかの喧嘩で相手に頭突きを喰らわせ、裁判沙汰になると、12週間も「檻の中」、という「お勤め」になったそうだ。一旦塀の中に入った人間は懲りないようで、同じよな愚行を繰り返す。2013年、彼は友人(アンドリュー・マクマスター)の旅券を使って米国に渡航しようとしたそうだ。しかし、入管職員にバレて10ヶ月の懲役刑となった。2014年には住宅ローンを組むために詐欺を行い、有罪判決を受けて18ヶ月の懲役刑。普通の日本人的感覚から言えば、ロビンソンは「底なし馬鹿」という評価になるけど、「知能とモラルが低い人間が居るのは当然」というブリテンでは、アホは珍しくない。酒場で口論から殴り合いとなるケースは日常茶飯事で、サッカーの試合となれば、各チームのファンが路上で大喧嘩だ。諍いの原因なんて調べるだけ無駄だし、たとえ判ったとしても解決の方法は無い。しかし、下郎にはもっと厄介なクズが存在する。例えば、無闇に商店のガラスを割ってしまう者や、路上に駐車しているだけの自動車を破壊しようとする奴だ。こう考えてみると、激昂して喧嘩を始めたロビンソンは典型的な下層民、と言えるんじゃないか。

tommy-robinson(左  /  ムスリム移民の犯罪を報道するロビンソン)

  「英国防衛同盟」を一旦は離れたものの、再び「右翼活動」を始めたロビンソンは、2017年5月8日、カンタベリーの裁判所で開かれた強姦事件に目を付けた。彼はこの裁判劇をライブ中継すべく、建物内に入って撮影を試みるが、その盗撮が見つかって、外につまみ出される。ところが、ロビンソンは一向に撮影を諦めない。そこで已むなく警察官が彼を取り押さえることとなり、ロビンソンはあえなく逮捕。彼は「報道の自由」が抑圧されたと喚き散らすが、ロビンソンの行為は1925年に制定された犯罪取締法の第41項に抵触する。これは公正な裁判を保つための条項で、事件を吟味する陪審員が外部の情報(新聞やテレビの報道)に惑わされることなく、適切な判断を下すことができるよう配慮された禁止措置だ。したがって、部外者が裁判所の中に入って写真を撮ったり、動画を撮影することはもちろんのこと、絵を描くことさえ許されない。ただし、法廷画家が裁判所の外に出て、“記憶”を頼りに絵を描くことは自由だ。

  EDLの連中は裁判所の「弾圧」を非難するが、カンタベリー裁判所のヘザー・ノートン判事は承服せず、きっぱりと筋を通した。彼女がロビンソンの盗撮に罰を与えたのは、至極「もっともな処分」である。ノートン判事は「右翼」陣営からの罵声に屈せず、堂々と正論を吐いた。判事曰わく、ロビンソンのやった事は「言論の自由でもなければ、報道の自由にも値しない。また、正当なジャーナリズムとも言えないし、ポリティカル・コレクトネスによる処分でもない。これは、ある政治的見解が正しいとか、正しくないという事ではないのだ。今回の件は正義(司法)の問題で、裁判は適切かつ公平に行うべし、ということである」、と。(Lizzie Dearden, Tommy Robinson could have caused Huddersfield grooming trials to collapse and child rapists go free, The Independent, 19 October2018.) かくて、厳正な裁判を守ろうとするノートン判事は、ロビンソンに懲役3年の実刑判決を言い渡した。しかし、彼女は温情を含ませ、ロビンソンに18ヶ月の執行猶予をつけてやった。つまり、彼を睨み付ける判事は、「執行猶予期間内に新たな罪を犯さなければ、刑務所行きは無いんだよ !」と教えてやったのだ。

  ところが、馬鹿には言外の意味が解らない。ブリテンの法律が社会の「秩序と平和」を守ろうとしているのに、ロビンソンは「そんなこと、オレの知ったこっちゃない!」とばかりに振る舞ったのだ。2018年5月、彼は別の強姦事件を「ライブ中継」すべく、リーズの裁判所に駆けつけた。ロビンソンは携帯電話を片手に、ムスリム・レイプ犯の裁判をフェイスブックで実況中継しようとするが、警備員に見つかって拘束され破目になった。ロビンソンは警官に逮捕されて大騒ぎするが、法廷侮辱法の第4項に抵触したため、シェフリー・メイソン判事は懲役13年の判決を下すことにした。報道記者を気取ったロビンソンは、「国家権力による弾圧だ !」とわめくが、法律の前では負け犬の遠吠えに等しく、自分が招いた結果を味わう破目になる。彼は兇悪なイスラム教徒や黒いゴロツキが収容される刑務所で約二ヶ月間暮らすが、担当弁護士のお陰で一時的な釈放を勝ち取ることができた。

Muslim Rapists huddersfield-grooming-trial-1Muslim rapists huddersfield-grooming












(写真  /  性犯罪で裁判にかけられた有色移民とブリテン国民)

  しかし、ロビンソンのライブ中継や扇動的見出しは、司法当局の怒りを買ったようだ。ただでさえ、違法な実況中継をしたのに、その映像に人種差別的な言葉を添えてしまったから、“リベラル派”の裁判官や司法長官らは適切な「厳罰」を加えることにしたそうだ。今年の7月、ロビンソンの控訴が検討されたが、やはり彼の赦免は行われず、懲役9ヶ月の実刑判決となってしまった。通常なら、ロビンソンが受けた判決は何でもないが、彼に加勢する面々がチンピラばかりじゃなかったので話題となったのだ。例えば、インターネット放送で有名なアレックス・ジョーンズ(Alex Jones)やグレン・ベック(Glenn Beck)が取り上げ、続いてフォックスTVの(Tucker Carlson)までもがロビンソンにインタヴューする始末。ブリテンでの移民問題は対岸の火事じゃないから、アメリカの保守派メディアが騒いだのも無理はない。しかも、投獄を恐れたロビンソンが、トランプ大統領に助けを求めたから、火に油を注ぐような事態になってしまった。何と、彼は米国への「政治的避難」と「庇護(asylum)」を懇願したのだ。(Lizzie Dearden, EDL founder begs Trump to grant political asylum in US, The Independent, 8 July 2019.)

Alex Jones 1Glenn Beck 1Tucker Carlson 1











(左 : アレックス・ジョーンズ    /    中央 : グレン・ベック    /   右 : タッカー・カールソン )

  確かに、ブリテンの刑務所には兇悪犯がウヨウヨいるから、ロビンソンに恨みを抱くムスリム受刑者が彼の命を狙っても不思議じゃない。事実、彼が刑務所に収監された時、イスラム教徒の囚人が彼の独房の前を通り、何人もが唾を吐きかけ、脅しを掛けてきたというから深刻である。もし再び、狂暴なイスラム教徒が跋扈する刑務所に収容されれば、彼の安全は誰も保証できない。死体になって釈放される可能性だってあるのだ。これなら、ロビンソンが青くなったのも当然である。日本人はTVドラマの『プリズン・ブレイク』をフィクションと思っているが、アメリカの刑務所では「暗殺」や「謀殺」が実際に起こっても不思議じゃない。筋金入りのワルがいっぱい居るから、依頼殺人だってお茶の子さいさいだ。終身刑や死刑囚に怖い物は無い。

同胞を見捨てるブリテン人支配層

  こうした状況を知ったアメリカ人の中に、トランプ大統領の首席戦略顧問を務めたスティーブ・バノン(Steve Bannon )がいる。バノンはロビンソンを擁護する態度を取り、彼が率いるブレイトバート(Breitbart / インターネット報道機関)もロビンソンの事件を取り上げるようになったらしい。そして、保守派メディアのブレイトバートは、元上院議員のサム・ブラウンバック(Samuel Dale Brownback)に何とかならないかと依頼し、ブラウンバックは駐米ブリテン大使のキム・ダロック(Sir Kim Darroch)に働きかけたというのだ。(ブラウンバック氏はカンザス州から選出された共和党の連邦上院議員で、2011年にカンザス州の知事に当選し、2018年に引退すると、トランプ大統領によって宗教的自由を守る国際大使に指名された。キム・ダロック大使は本国への報告の中で、トランプ大統領を「無能」と評価し、それが表沙汰になって辞任することになった。) ロビンソン支持者は広がりを見せ、トランプ大統領の長男であるドナルド・ジュニアも、自身のツイッターでロビンソンの助命を表明したそうだ。

Sam Brownback 2Kim Darroch 1Steve Bannon 6Donald Trup, Jr 2










(左 : サム・ブラウン・バック  / キム・ダロック  / スティーヴ・バノン  /  右 : ドナルド・トランプ・ジュニア)

  それにしても、ブリテンの白人が本国での「迫害」を恐れて、アメリカへの「政治亡命」を頼むなんて前代未聞である。連合王国に住むイギリス人やスコット人は、昔から外国人、特にアジアやアフリカ、南米の有色人種に向かって、「俺たちの国はお前らの国とは違って、自由を尊び、各国民は丁寧に保護されているんだ ! イングランドは全世界の人間が仰ぎ見る自由の国である!」と自慢していたのに、ロビンソンは「ムスリムどもの犯罪を報道したら、懲役刑になってしまった !」と騒いだ。もし、彼が法廷の外で怒鳴り散らすだけのチンピラなら問題は無い。だが、彼の中継を観た人が340万人もいて、インターネットに提示された助命嘆願書に50万人の人々が署名し、ロビンソンの赦免を求めたというから驚きだ。しかも、ロビンソンに従って抗議デモに参加する者や、彼の「報道」を支持する者が何千人もいたから、ブリテンのマスメディアも無視できない。ムスリム移民を激しく批判するコラムニストのケイティー・ホプキンス(Katie Hopkins)も、ロビンソンの「報道」に賛同し、独自のインターネット番組を通して司法当局の無慈悲な措置に抗議した。

  とにかく、ブリテンの輿論はロビンソンの「報道」姿勢に関し、左翼・右翼・中道で賛否が分かれているようだが、問題なのは、ムスリム移民に対して上流と中流に属するブリテン人が冷淡な事だ。日本の一般人がロビンソン陣営の抗議デモや警察の衝突などを見れば、「ブリテンの白人右翼って嫌だよねぇ~」と思ってしまうだろう。確かに、EDLのメンバーにはゴツい顔をした髭面の男や、腕や胸に入れ墨を彫ったパンク、品格のカケラもない労働者が多い。それもそのはずで、パキスタン人やイラク人、インド人、アフリカ人が雪崩れ込んだ地方都市に住む白人なんて、大半が“しがない”工場労働者か、低賃金でこき使われる臨時雇い、何を職業にしているのか判らぬネオ・ナチもどき、法律の条文を読んだこともない低学歴者ばかりだ。それに、「白人」といっても、その素性が怪しい。例えば、両親がポーランドやルーマニア、ロシア、ギリシアなどからの移民であったり、祖先を辿るとインド人やシリア人、トルコ人の血が混ざっていたりするから、本当に「アングル人やサクソン人なのか?」と疑いたくなる。日本人は家系を辿れば、ご先祖様は皆日本人ばかりで、明治や江戸時代でも、はたまた室町時代や鎌倉時代でも「日本人」なので、「日本人」と聞けば、千年前、二千年前からの「日本人」と考えがちだ。しかし、ヨーロッパだと“濁った”白人が多いから、ドイツ人といってもゲルマン人じゃないし、デイン人といってもノルマン人ではない。ケルンに居坐るトルコ系「ドイツ人」とか、アムステルダムに漂着したアシュケナージ系のユダヤ人というケースもあるのだ。

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(写真  /  移民排斥を訴える「右翼」集団)

  アジア人やアフリカ人の移民排斥運動を目にすると、そこに参加しているのは「失うモノがほとんど無い」連中ばかりだ。では、弁護士とか医者、銀行員、科学者、大学教授といった中流階級のブリテン人は、移民の群れをどう思っているのか? 彼らだってブリテン国民だ。何らかの政治的意見を持っているだろう。しかし、彼らは路上に出て、自らの政治的意見を披露することはない。なぜなら、上流階級の貴族や中流階級のホワイトカラーは、「失ってしまうモノ」を沢山持っいるからだ。彼らはどんなに危機が迫っても、それを未然に回避する手段や資産を持っているから安心だ。嫌な移民が都市部に流入しても、お金持ちは閑静な郊外に住んでいるから心配は無い。子供が通う学校だって、有名私立の名門だ。躾の悪い黒人や貧乏なムスリムの子供が入れる学校じゃない。また、裕福なイギリス人の日常や休暇を見てみれば、「なぜ、彼らが抗議デモに参加しないのか」が判る。高級な職業に就いている白人は、職場で下品な同僚と顔を合わせないし、たとえ接触しても、それは清掃人とか配達人で、「同等の人間」ではない。結婚を求める相手も同じ種類の白人で、社会福祉を目当てにやって来るタイ人とかケニア人ではないし、イスラム教を信奉するパキスタン人やエジプト人なんか最初から論外。仮に、あったとしても家族の大反対を受ける。

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(左 : 路上で礼拝を行うイスラム教徒  /  右 : ブリテンに建設されたモスク)

  比較的裕福な中流階級のブリテン人は、ロンドンのイーストエンドやタワー・ハムレッツ(Tower Hamlets)、バークシャーのスロー(Slough)、ヨークシャーのシェフィールド(Sheffield)やロザラム(Rotherham)、ブラッドフォード(Bradford)なんかには住まない。彼らは温厚な同胞が集まる高級住宅地に邸宅を構え、週末には美しい自然が広がる田舎で過ごす。例えば、デヴォンやサマーセット地方を訪れ、コッツウォルズ(Cotswolds)みたいな風景を有するカントリーサイドで過ごしたり、北イングランドにまで足を伸ばしてダーラムへと向かったりする。湖水地域(Lake District)周辺には中世の建物が並び、行き交う人々もアングロ・サクソン系の人が多く、昔ながらのメリー・イングランドを楽しむことができる。こうした田園地帯では、“いかつい”顔をしたイラク人とかターバンを頭に巻いたシク教徒、ゼニ儲けに邁進する支那人どは稀である。ムカつく有色人種より、牧草をムシャムシャ食べる羊の方が多い。人糞が漂うテムズ川が流れ、エスニック料理店が立ち並ぶロンドンとは大違いだ。

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(写真  /  イングランドにあるカントリーサイドの風景)

  白人が多数派のカントリーサイドでは、街中の景観や行き交う人々も違ってくる。バーミンガムやノッティングヒルといった地方都市では、ヒジャブを着たイスラム教徒や飲食店の前にトグロを巻く褐色人種、モスクから流れ出すアラブ人などが一般的だ。しかし、イングランド北部の田舎だと、コーギー犬を連れた上品なレディーとか、無邪気に戯れるイギリス系の子供とかに出逢う。こうした「イギリス人」に会うと、本当に気分がいい。パブに入っても、気さくで陽気な地元の白人がほとんどなので、愉快な時間を過ごすことができる。専門職に就くホワイトカラーだと、家族で週末を過ごす別荘を持っている人がいて、ブレンハイムにある宮殿とは違うが、チュダー朝の雰囲気を漂わせるコテージは中々いい。都会の生活に疲れた女房子供は大満足だ。こんな素晴らしい生活を送っているイギリス人が、わざわざ街中に出て、移民や難民を排斥を訴える抗議デモを起こすのか? 彼らはテレビで下品なクズどもの行進を見るだけだ。中流階級のイギリス人が、EDLのメンバーを目にすれば、「愚かな下層民」としか思わない。エリート階級のブリテン人は、下層階級に対して「彼ら(they)」という言葉を使い、「自分たちとは違う種類の人間」と見なす。(この点に関しては、Jilly Cooperの 『Class』が詳しく描いている。)

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(左 : 少数派になるイギリス人の赤ん坊  / 中央 : 異人種カップル / 右 : 多民族主義を体現する家族)

  ブリテンで移民排除を訴える白人というのは、上流の支配階級や資産を持つ中流階級に見捨てられた人々である。移民と一緒に暮らす下層白人は、たとえ数が多くても政治的な権力を持たない「マイノリティー」だ。彼らに住居の自由や選択の自由は無い。こうした「自由」があるのは、お金持ちだけ。昔から住んでいる地元に続々と異民族が流入しても、労働者階級には引っ越しをする費用が無いし、郊外に新居を構えるだけの余裕も無いのだ。親から相続する財産とか、株や債権を持たぬ庶民は、不愉快な人種を隣人にしても我慢するだけ。一応、地元の政治家に苦情を訴えるが、贔屓の議員が移民を排除するような法案を通すことはなく、口にするのは移民の人権と貧民に対する福祉のみである。イングランドでは、プロの労働党員が一般労働者を裏切るなんて日常茶飯事だ。日本の共産党だって似たり寄ったりじゃないか。党の幹部が一般党員を搾取して特権階級となり、プロレタリアによる共産主義革命を恐れているんだから。ということで、見捨てられた庶民はロビンソンのような人物に希望を託すしかない。彼らには失って惜しいモノは無いんだから。そもそも、労働者階級の「社会的身分」なんてハンバーガーより安いし、高額報酬が伴う職業でもないんだから、何だってできる。路上で大声を張り上げ、「移民反対 !」と叫んでも恥ずかしくないのだ。

David Maxwell FyfeNorman BrookArthur Creech Jones 2Lord Salisbury Robert_Gascoyne-Cecil










( 左 : デイヴィッド・マクスウェル・ファイフ /  ノーマン・ブルック卿 / アーサー・クリーチ・ジョーンズ  /  右 : ソールズベリー卿 )

  一般のブリテン国民はEDLの連中を見て、「愚劣な奴らだなぁ」と馬鹿にしたり、「あんな人達と一緒にされたくない」と尻込みしてしまうが、心の底では同じように有色移民を嫌っている。「出来るだけ遠ざけたい」というのが一般国民の本音だ。ただ、その感情を露骨に表さないから、日本人には判らないだけ。なるほど、ロビンソン達は愚かだが、彼らが腹を立てるのも理解できる。なぜなら、ブリテンが大幅に移民を受け容れた1940年代後半から、政治的指導者達はどのような結果になるのかを予知していたからだ。クレメント・アトリーやアンソニー・イーデン、ウィンストン・チャーチル、ハロルド・マクミランといった歴代の首相はもちろんのこと、植民地相のアラン・レノックス・ボイド(Alan Lennox-Boyd)や内務大臣のデイヴィッド・マクスウェル・ファイフ(David Maxwell-Fyfe)、ソールスベリー卿(Lord Salisbury)やノーマン・ブルック卿(Sir Norman Brook)、植民地省のアーサー・クリーチ・ジョーンズ(Arthur Creech Jones)などは、有色移民がいずれ問題児になると判っていた。しかし、この政治指導者は、カナダやオーストラリアからの白人移住者と旧植民地からの有色人種、つまり茶色のインド人や黒いアフリカ人を「区別(差別)」したくなかったから、一色単に「コモンウェルスの移住者」という部類にしてしまい、ブリテンへの移住を許していたのだ。

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(左 : クレメント・アトリー  / ハロルド・ウィルソン  / アンソニー・イーデン  /  右 : ウィンストン・チャーチル )

  しかし、1948年に黒いジャマイカ移民が大勢、輸送船の「ウィンドラッシュ」号でやって来たから、さあ大変。この黒い「兄弟」が上陸すると、当時の政治家や高級官僚は渋い顔をした。彼らは密室で議論を重ね、「これじぁ、まずいよなぁ~」と思っていたが、結果的には何も出来なかった。もしアジア人やアフリカ人の入国を遮断すれば、コモンウェルスを形成するインドやジャマイカなどが、「ブリテン連邦を出て行くぞ !」と言い出しかねない。そこうなれば、国際社会におけるブリテンの地位は失墜し、世界政治における存在感が薄くなる。ということで、政府の重鎮達は法的技術をこねくり回し、なるべく浅黒い異民族が入国できないように細工することにした。でも、やはり法の編み目は大きく、インド人やパキスタン人はその穴をくぐって入ってくる。しかも、彼らはブリテンに定着すると、本国に居る妻や兄弟姉妹、両親、親戚、友人かなどを呼び寄せたから、ブリテン島には有色人種が溢れることになった。移民が集中するロンドンは、もはやイングランドの首都ではなく、バグダッドやカイロのようなコスモポリタン的都市となってしまった。しかも、ロンドン市長はサディク・カーン(Sadiq Khan)が選ばれたんだから、世も末だ。彼の両親はパキスタンからやって来た有色移民で、スンニ派のイスラム教徒。茶色い英国首相が現れるのは時間の問題だ。

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(左 : サディク・カーン  /  右 : ロンドンのイスラム教徒)

  有罪が確定したトミー・ロビンソンは刑務所の中で9ヶ月を過ごすことになるが、彼が無事に出所できるかどうかるか今のところ予想できない。法律を無視したロビンソンが実刑判決を受けるのは当然だけど、イングランドを滅茶苦茶にした過去の政治家や、現状を野放しにするウェストミンスターの議員、他人事のように考える左翼リベラル派、臆病風に吹かれた保守派知識人、右翼だけに厳しい裁判官などが、移民による「不幸」を免除されているのは納得できない。彼らも庶民と同じように、不愉快な日常生活を経験すべきだ。もし、彼らの高級住宅地にモスクが建設されたり、家の前にジプシーが座り込み、大便をビニール袋に入れて投げ捨てたり、路上に小便を垂れ流すとか、学校帰りの娘がパキスタン人に強姦されたりすれば、リベラル派のブリテン人も怒るだろう。もしかすると、移民による被害を受けた中流階級は、労働者よりも激しい拒絶反応を示すかも知れないぞ。社会実験というのは良くないが、冷淡な者に現実を教えるには、少々手荒なことが必要である。




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