無敵の太陽

主要マスメディアでは解説されない政治問題・文化・社会現象などを論評する。固定観念では分からない問題を黒木頼景が明確に論ずる。

アメリカ政治

赤い教皇が君臨するローマ

教科書に載せて全日本人に知らせたい現代史 支那人の卑史 朝鮮人の痴史
黒木 頼景
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左翼が浸透するカトリック教会

Pope Francis 3Pope Francis family









(左 : 来日したフランシス教皇  /  右 : フランシス教皇の家族)

 今月、ローマ教皇のフランシスが来日し、被爆地である広島と長崎を巡礼した。朝日新聞を始めとする主要メディアは、「いょっ、大統領 !」ではなく「待ってました、教皇様 !」と、まるで「平和の使者」が訪れたかの如く大はしゃぎ。日本の総人口に占めるキリスト教徒の割合なんて1%にも満たないのに、反日メディアときたら、俄(にわか)ファンのキリスト教徒気取り。毎度の事だから仕方ないが、彼らは“お気に入り”の外国人が現れると天皇陛下よりも崇め立てる。NHKやTBSを筆頭に、皇后陛下の件では、有ること無いこと、妄想まで持ち出して、ケチョンケチョンに叩きまくったくせに、「慰安婦(正確には「戦時娼婦」または「鮮ピー」)」と称する鮮人ババアが来日すると、大財閥の社長並にVIP待遇だ。左翼の本店は東京や大阪にあっても、心の故郷はアジアの何処かにあるんだろう。

  「宗教団体は現世ではなく、“来世”とか“あの世”に専念しろ !」、というのが筆者の主張である。死んだ人間が天国に昇天しようが、冥府に墜落しようが、世俗に生きる一般人にはどうでもいい事。悟りを開いて仏になった人が羨ましければ、死ぬほど修行して解脱すればいいし、読経や写経で救われるんなら、百万回も繰り返せばいいじゃないか。誰も止めやしないし、自宅でヨガに耽っても構わない。「お腹の脂肪よ、脂肪 ! どこか遠くへ飛んで行けぇぇ~!」と下腹をこすりながら、ダイエットに励むオバちゃんだって居るじゃないか。しかし、世俗の政治(まつりごと)は別。坊主や牧師が戦没者の魂を救済するのはいいけど、戦闘機や潜水艦の配備や核兵器の開発に口を挟むべきではない。シナゴーグやモスクで平和を祈るのは勝手だが、参謀本部の作戦会議にラビやイマームは不要で、必要なのは冷徹な計算ができる戦略家の方である。フランスで「カルト宗教」と評された創価学会が公明党をつくり、派遣議員を通して政治に介入した結果、どれ程の被害が出たことか。日本の内政・外政で生じた損害は測り知れない。

  左翼活動家やマルキストは、憎い社会を変革すべく、様々な組織、業界、コミュニティーに浸透する。カトリック教会も例外ではない。第二次世界大戦の前、共産主義者の夢は暴力革命を以て政府を転覆することだった。しかし、武闘派のマルキストは民衆の支持を得られず、その勢いは徐々に衰退し、特殊な集団のままで冷戦終結を迎えてしまった。ところが、文化破壊型のマルキストは民間企業の国有化とか、計画経済の実行という方面に邁進せず、いつまでもこじれる人種問題とか性差別、人権、労働条件の改善、原発の停止、徴兵制反対、環境保全などの方面に特化し、ソフトな共産主義運動に努めた。彼らの大半は大学教授とか人権派弁護士、労働組合貴族、新聞社の論説員、テレビ局の重役に変身したが、一部の者は宗教組織に潜り込み、牧師や坊主になって左翼活動を続けていたのだ。

  したがって、妙に左巻きの坊主が跋扈(ばっこ)していても不思議じゃない。なるほど、東京のボロ長屋にアジトを構え、仲間と一緒に貧乏生活を続けるより、安定した収入と尊敬される身分で暮らした方が遙かにいい。しかも、宗教法人の隠れ蓑を持ては、優遇税制でジャンジャンお金が貯まるし、高級車を見せびらかして女の子をナンパすることだって出来る。ベトナムやタイから来た仏教徒はビックリしちゃうけど、日本の坊主は出家していても、いつの間にか女房子供をもうけて世帯主になってしまう。一般信者には「煩悩を捨てなさい」と説教するくせに、本人は金と女で慾にまみれ。暇なときでも、戒名料の値段設定で悩んでいる。坊さんは高額の戒名料を取っているが、消費税をちゃんと納めているのか? (たぶん、課税対象にはならないと思う。まさか、100万円の戒名料に消費税を上乗せして、110万円を請求する坊主は居ないよねぇ~。)

Shiroyanagi 1( 左 / 白柳誠一枢機卿 )
  話を戻す。カトリック教会の聖職者には、左翼分子が結構混じっている。有名なのは東京の大司教から枢機卿になった故・白柳誠一で、共産党の不破哲三や社民党の福島瑞穂と同じく、護憲を訴える「九条の会」に名を連ねていた。この枢機卿は赤い法服を着ていたが、頭と心も真っ赤に染まった紅レンジャー。キリストに仕える司祭というより、代々木の共産党本部に勤務する従軍牧師みたいだった。ちなみに、カトリック教会で最も邪悪なのは、「日本カトリック正義と平和協議会」という下部組織で、同志社大学の神学部を出た黒ヘルが就職しているのか、と間違えるほど、極左分子の巣窟となっている。司教の松浦悟郎なんて、隠れキリシタンじゃなく、隠れコミュニストじゃないか、と思えるくらいだ。カトリック左翼について述べると長くなるから割愛するが、彼らは反日史観で南鮮人とタッグを組み、日本の歴史教科書をねじ曲げるべく、共同作業に熱心だった。彼らが作成した政府への嘆願書なんて、遠回しの言葉で包んだ左翼のアジビラだ。本当にキリスト教徒なのか、と疑いたくなるような文面で、良識的なカトリック信徒が見たら腰を抜かして驚くだろう。

  凋落したとはいえ、朝日系列の『論座』も、フランシス教皇の来日を歓迎していた。この没落ネット雑誌は、東京大司教区を担当する菊地功(きくち・いさお)大司教を招き、自己宣伝を兼ねた提灯記事を書かせていた。菊池大司教によれば、ヴァチカンの教皇様は、核兵器の廃絶のみならず、様々な社会問題にも関心があるそうだ。例えば、水資源の確保とか森林伐採による自然破壊といった「環境問題」にも心を痛めているんだって。あれっ、まるでYMOの坂本龍一みたいじゃないか。快適な暮らしをしながら、地球に優しい「エコ」を“売りモノ”にする偽善者は、国籍・民族を問わず、何処にでもいるものだ。そういえば確か、坂本氏はYMO時代、整髪料と化粧品で“おめかし”に夢中だった。今では信じられないけど、彼は大量の電気を浪費しながらキーボードを演奏していたミュージシャン。でも、原発はもとより、化粧品の製造工場だって莫大な電気を使い、汚染水も排出していたが、それは“小さな問題”でスルーしてもよいものなのか? 彼が乗っていた高級車や音響機材を運ぶトラックも、大量の石油を消費していたはずだが、こうしたエネルギーの浪費はOKなんておかしい。ヨーロッパへ演奏旅行した時も、ジェット旅客機じゃなく、手漕ぎボートで渡航すべきじゃなかったのか。

Kikuchi 11(左  /  菊地功大司教)
  世界中にあるカトリック教会は、その名が示す通り「普遍的な教会」で、国籍や民族を問わず誰でも信者になれる。ゆえに、カトリック信徒はイスラム教徒と同じく、根本的に“グローバリスト”で、国家よりも教会(信者の共同体や宣教組織)を優先し、国境を飛び越えることに躊躇は無い。菊地大司教はフランシス教皇に同調し、先進国が移民や難民を受け容れるべきと思っている。この大司教様によれば、フランシス教皇も移民の仲間だ。彼の両親はイタリアからアルゼンチンに渡ってきた“移民”であり、教皇自身、「移民」という意識が強いらしい。(菊地功 「ローマ教皇フランシスコの日本への思い」、『論座』、2019年10月27日)

  さらに、菊池大司教によれば、キリスト教徒は「地上を旅し続ける民」であるそうだ。なぜなら、最終的な安住の地は、「天主のもと」にしかないからである。普通の日本人には信じられないけど、地上に生きるカトリック信徒には安住の地が無いそうで、国境を越えてあちこちを彷徨(さまよ)う“永遠の旅人”であるらしい。(でもさぁ、日本のカトリック信徒は、ちゃんと自宅を構え、固定資産税を払っている。何割かの信徒は、多額の住宅ローン組んでいるのに、それでも「仮の住まい」なんて、本当におかしい。 キャプテン・ハーロックやクィーン・エメラルダスじゃあるまいし、日本のキリスト教徒はアルカディア号に乗って宇宙を旅する海賊じゃないぞ。神父様は「天に宝を」とおっしゃるが、ヒラ信徒は将来に備えて長期国債や純金積み立て口座を持っている。)

  菊地大司教の記事で目が釘付けになるのは、「れいわ新選組」の山本太郎を褒めていたことだ。この大司教様は生命至上主義者らしく、若者の自殺や高齢者の孤独、不法移民のハンガー・ストライキなどを取り上げ、「いのち」の大切さを懇々と述べていた。そして、「いのち」の尊厳を重視する大司教は、共産党と気脈を通じる山本太郎に言及し、「いのち」を懸ける勇者のように扱っていたのだ。菊地大司教は、障碍者二名を政界に送り込んだ山本太郎に感激し、この俳優党首こそ「いのち」を根底に置いた政治家と評価する。「れいわ新選組」には庶民からの寄附が集まり、ポケットに数百円しかない人までが、その小銭を差し出したというので、大司教様は感銘を受けたそうだ。こんなのは斉藤まさし(本名 / 酒井剛)あたりが企画した演出なんじゃないか。菊地氏が知っているのかどうか判らないが、この斉藤は市民の党を率いて菅直人や反日議員を支援した札附きの極左分子だ。それなのに、この大司教ときたら、田舎芝居を演じる山本太郎をベタ褒めし、彼がどうして人気者になったのかを述べていた。

  それは山本氏が、政治に「いのち」の問題を持ち込んできたからであるという見方もできます。そしてそれを、決まり切った文句ではなく、聞く人の心に落ちる、まさに「生きた言葉」で語りかけたからではなかったかと思います。

  いやぁぁ~、本当に参った。共産党の志位や小池が聞いたら、膝を叩いて感激するんじゃないか。カトリック教会の大司教が共産党推薦の政治家を支援するなんて、おぞましい、じゃなかった「素晴らしい連携」である。でも、昇天された渡部昇一先生はどう思っているのか。もし、渡部先生がご存命なら、きっとチャンネル桜で菊地大司教の記事を取り上げたことだろう。

Roger Mahony 1(左  / ロジャー・マホーニー枢機卿 )
  とにかく、菊地大司教は積極的な移民推進派らしく、日本国民と日本政府に移民や難民を受け容れるよう暗に求めている。何しろ、「国籍や民族によらず誰もが旅人」であるというから、飢えた旅人を助けるように、我が国へやって来る外国人を“厄介者”として排除せず、慈悲の心を以て助けるべきだと諭(さと)す。だが、グローバリスト教皇の移民容認論は、歐米諸国でも論争を呼び起こしているそうだ。例えば、米国には毎年、大勢のヒスパニック移民やアフリカ難民が押し寄せ、様々な社会問題を引き起こしているが、カトリック教会の高位聖職者は被害を受ける白人をよそに、“哀れ”な外国人に救いの手を差し伸べるよう根気強く説いている。とりわけ、ヒスパニック移民がウジャウジャいるカルフォルニアでは、移民受け容れの政治的圧力が強く、ロジャー・マホーニー(Roger Mahony)枢機卿などは、南米移民の支援に熱心だった。これには、保守派のカトリック知識人も反撥し、枢機卿や大司教の政治介入に苦言を呈していた。

Jose Gomez 2(左  / ホセ・ホレイショ・ゴメス大司教 )
  しかしながら、カトリック教会の変質は防ぎようがなく、ヒスパニック勢力に靡く一方である。マホーニー氏は枢機卿になる前、ロサンジェルスの大司教を務めていたが、2011年、彼が退任すると、ヒスパニック系のホセ・ホレイショ・ゴメス(José Horacio Gómez)が大司教の座に就くことになった。「全米カトリック司教会議(USCCB)」の議長も務める、この新任者はメキシコ生まれの人物で、同胞の入国や帰化を「最優先課題」に掲げる元移民だ。ゴメス大司教は1987年に米国にやって来て、1995年にアメリカ国籍を取得したという。自分の子供時代を重ねているのか、この司祭はたとえ不法移民の子供であっても、子供には罪が無いから帰化を許すべし、という考えらしい。確かに、カトリックの司祭からすれば、合衆国の法律よりも憐れな信者の方が大切で、世俗の規則なんか教会の将来と比べれば二の次、三の次、四番目の附け足し程度。カッパの屁よりも軽い、ときている。

「マルキスト」容疑のローマ教皇

Karl Marx 1Pope Francis 7Lenin 1








(左 : カール・マルクス  / 中央 : 若い頃のフランシス教皇  / 右 : ウラジミール・レーニン )

  もう一つ、カトリック教会には重大な問題がある。それは、教皇のフランシスに「マルキスト左翼」の疑惑があるのだ。もちろん、聖ペトロの後継者となったヨルグ・ベルゴリオ(Jorg Bergoglio / 教皇の本名)は、マルクス主義に反対していると表明するが、左翼思想の人々を糾弾することに関しては拒否している。(Adam Withnall, "Pope Francis says he's not a Marxist -- but knows lots of good people who are", The Independent, 15 December 2013.) フランシス教皇は言う。「マルクス主義のイデオロギーは間違っている。しかし、私は今まで、多くの善きマルキストを見てきた。だから、不愉快になることはない」、と。まっとうな日本人だと、「えっ、善良なマルクス主義者って・・・・誰なんだ? まさか、向坂逸郎(さきさか・いつろう)とか河上肇(かわかみ・はじめ)、福本和夫(ふくもと・かずお)とかじゃないよねぇ~」と呟きたくなる。今の高校生だと、「この人達・・・誰?」と尋ね、キョトンとしてしまうが、古株の共産党員にとっては昔懐かしの超有名人。向坂はマルクス主義文献の蒐集家としては日本一だし、河上は近衛文麿が憧れたマルキストの大御所で、『貧乏物語』の作者。福本は「福本イズム」で知られる共産党の理論家。詳しくは、元共産党幹部の筆坂秀世にでも訊いてね。

  南米というのは、国民がだらしないせいか、いつも国内が荒れており、貧困や暴力が絶えない。したがって、治安や経済を安定させるには独裁者の手腕しかなく、アルゼンチンでも強権的な統治者が君臨していた。その一人が、あのファン・ドミンゴ・ペロン大統領で、日本では「エバ・ベロンの旦那」と紹介した方が分かりやすいのかも知れない。映画ファンの中には、マドンナが主演した映画『エビータ』を観た人もいるんじゃないか。後にブエノス・アイレスの大司教から枢機卿となるフランシスは、ペロン支配下のアルゼンチンで心理学や神学を教えるイエズス会士であった。フランシス教皇の批判者達は、彼の左翼思想を指摘し、「隠れマルクス主義者じゃないのか?」とか、「解放の神学を未だに信じているんじゃないか?」と疑っているけど、もしかしたら、教皇は南米の貧民を念頭に置いて政治的発言をしているのかも知れない。フランシス自身の言葉によると、彼の同僚司祭達は、貧者の目を通して世界を見ていたそうだ。(Ed Stourton, "Is the Pope a communist ?", BBC News, 7 June 2015.)  

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(左 : ファン・ペロン大統領  / 中央 : マリア・エビータ・ペロン  /  右 : ペロン大統領とエビータ)

  フランシス教皇の本性を明確に暴露することはできないが、その態度には貧者と富者を誕生させる資本制経済に対する憎しみがあるのかも知れない。腐敗と貧困が渦巻く南米で宣教活動をすれば、どうしても貧しい庶民に味方したくなる。戦前の日本でも、貧困は共産主義の原動力となっていたから、南米の聖職者がマルキストや左翼思想家になってもおかしくはない。単純な青年将校や農家出身の兵卒だと、貧乏が元で娘を廓(くるわ)に売る百姓に同情してしまい、5・15事件などを起こってしまう。(現代は「ブランド品が欲しいから」とか、「ちょっとした小遣いを稼ぎたいから」といった理由で淫売になる女子高生がいるけど、こんなのは異常で世界的にも珍しい。) そういえば、フランシス教皇は、オスカー・ロメロ(Oscar Romero)を祝福する禁止令を解除したことがある。このロメロはエル・サルバドルの大司教で、1980年、血なまぐさい内戦が勃発した際、ミサを行っている最中に頭を撃ち抜かれて死亡した。("Vatican lifts beatification ban on Marxist-leaning archbishop", Baltic News Network, August 19, 2014.) 悲劇の殉教者となったロメロ大司教だが、彼は解放の神学を信奉する聖職者として有名だった。一般の日本人は「解放の神学」なんて知らないけど、簡単に言えば、神様のイエズス・キリストが人々を社会的抑圧や貧困から解放するという思想である。これは1950年代から70年代にかけて流行した左翼神学なんだけど、その実態は宗教の衣をまとった社会主義運動で、資本制経済による貧富の格差とか、人権、平等、社会正義をちりばめた共産主義思想に近い。

Esther Ballestrino de Careaga( 左 / エステル・バレストリノ・デ・カレガ )
  フランシスの経歴を調べていると、あるエピソードに興味が湧く。1970年代、フランシスにはエステル・バレストリノ・デ・カレガ(Esther Ballestrino de Careaga)というボスがいた。この女性上司は共産主義の共鳴者で、ソ連に軍事機密を流していたローゼンバーグ夫妻(Juilus & Ethel Rosenberg)のことをフランシスに語っていたという。呆れてしまうけど、共産主義を学んでいたフランシスは、勇気のある正直者は人の役に立つ、と思っていたそうだ。(George Neumayr, "pope Francis's Communist Mentor", The American Spectator, May 1, 2017.) そして、ブエノス・アイレスの大司教になったフランシスは、エステルが政府当局からの捜査を受けた時、彼女のマルクス主義文献をイエズス会の図書館に隠したという。ところが、彼女には悲惨な運命が待っていた。1977年、あろうことか、エステルは保安当局の手にかかり、人知れず何処かへ“消えて”しまったそうだ。それから約30年が経つと、彼女の遺体が発見され、粛清されたことが判る。フランシスは上司の亡骸(なきがら)をブエノス・アイレスの教会に運び、「サンタ・クルズ」という中庭に埋葬してやったそうだ。ここは彼女が拉致された場所であるという。

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(左 : 信徒の老婆に声を掛ける教皇  /  右 : アフリカ人の子供を祝福する教皇)

  保守派層から「隠れ共産主義者」とか「左翼分子」との嫌疑をかけられたフランシスは、力強く共産主義を否定し、2014年には自身の見解を表明した。曰わく、「共産主義者は我々の旗を奪った。貧しき者が持つ旗はキリスト教である !」、と。でも、この言葉の背景には、何となく赤い思想の匂いが漂っている。フランシスは常日頃、後進国から先進国へと雪崩れ込む貧民に温かい言葉を投げかけている。彼は聖書に出てくる「善きサマリア人」を引き合いに出し、移民や難民を受け容れるよう先進国の民に説教を垂れるが、これは自分が天使になりたいからじゃないのか。この教皇は南米人に自治能力や自助努力が無いと分かっているから、“ロクで無し”のヒスパニック信者を合衆国政府に押しつけようとしているのだろう。米国に「希望の光」を求めている南米移民を支援してやれば、フランシスの人気は鰻(うなぎ)登りになる。逆に、彼らに対して厳しい言葉を発すれば、その人気は失墜するだろう。もし、教皇が彼らに向かって、「メキシコやブラジル、エル・サルバドルに残って、祖国を再建しなさい。ちゃんと勉強をして技術を身につけ、勤勉に働くことで郷里の同胞を助けましょう」なんて言ったら、「この馬鹿野郎 ! テメーは鬼か! こんな国で幸せになれると思っているのか! お前はヴァチカンで優雅な暮らしをしているからいいけど、俺達は毎日が地獄なんだ! ふざけた事言ってんじゃねぇぞ !」という怒号が鳴り響いてしまうだろう。だから、民衆の尊敬を集めたいフランシスは移民推進論者となっている。

「お客様」の要望に応える教会

  カトリック教会といえども、聖書ビジネスの側面は否めず、信者の皆様はお客様。何しろ、大聖堂の中では閑古鳥が鳴いているんだから、日曜日でもベンチに空席が目立つ。沢田研二なら「客が入っていないから、コンサートはキャンセル !」でいいけど、カトリックの神父だと「今日は参加者が少ないからミサを休止します!」なんて言えまい。たとえ、僅かな老人の出席者だけでも、一応、レギュラーのミサを続けなきゃ。ヨーロッパ系白人の信徒が減っている中、ヴァチカンのお偉方にとって、未だに敬虔なヒスパニックの信者は貴重な存在だ。西歐諸国の白人なんて、品物を買わない“冷やかし”程度の通行人に過ぎない。愚痴をこぼしても仕方がないけど、スカンジナヴィアからの北歐系アメリカ人はルーテル派の異端者だし、イギリス系のアメリカ国民は、恩知らずのアングリカン(カトリック的要素を残したプロテスタント信徒)で、スコットランド系のキリスト教徒はカルヴァン派のプレスビテリアンである。啓蒙主義の洗礼を受けた西歐人どもは、日曜日に贔屓の教会に集まるが、そんなのは善人を装うための演技に等しい。彼らにとったらエピスコパリアンとプレスピテリアンの区別は無く、どちらも“空虚な”キリスト教だ。

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(上写真 /  カトリック教会から姿を消す白人信者のタイプ)

  日曜大工ならぬ「日曜クリスチャン」のアメリカ人は、気分と利益で宗派を変える傾向がある。親しい友人がバプティスト教会の信者なら、「俺もそこに行こうかなぁ」と気軽に転向するし、恋人が組合教会のメンバーなら、そこに鞍替えしようと考える。中には、人気牧師が率いるメガ・チャーチもあって、教会の雰囲気はまるでロック・コンサート並。こんなのはラスヴェガスのミュージカルやマジック・ショーと変わりがない。結婚式で「永遠の愛」を誓っても、数年すれば離婚訴訟となるのがアメリカ人。神様との仲介人を務めてくれた牧師なんか役立たずで、少しでも慰謝料を抑えてくれる弁護士の方が重宝される。アメリカでは弁護士のことを「吸血鬼」と呼ぶ人がいるけど、多額の慰謝料をふんだくって、手数料を稼いでいるんだから、本当なのかも知れない。事実、法科大学院に進む青年の目的は「お金」である。聖職者を養成する神学部なんてガラガラで、シャッター商店街も真っ青。

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( 上写真 /  カトリック教会の主流となるタイプの人々)

  カルフォルニア州やアリゾナ州、テキサス州にあるカトリック教会が、ヒスパニック移民に対して同情的になるのは当然だ。以前は、アイリス人やイタリア人、ポーランド人の信者が大勢いたけど、今じゃ信者の大半が中高年で、棺桶の予約を商売にした方がいいくらいだ。さらに、悪い事は重なるもので、カトリック教会は聖職者不足に陥っている。つまり、教会運営に不可欠な神父のなり手がいないのだ。そもそも、教会にとって将来の支柱となる白人の子供が激減しているから、聖職者になろうとする青年が稀少になっても別に驚くことじゃない。それに、世俗の誘惑が多い現代のアメリカで、白人の青年が厳格な掟に従う神父になりたいと思うのか? 独身を貫く聖職者になろうと志す者は、奇人か変人の類いである。喜んで志願するのは子供を狙う同性愛者くらいだろう。

  こんな具合だから、カトリック教会の主流は今や、南米人やアフリカ系黒人となっている。お客様が移民や難民、あるいは帰化人とその子孫となれば、大司教や枢機卿が移民賛成派でもおかしくはない。もし、アイリス系やイタリア系の神父が移民反対派となったら、ヒスパニック系の信者から総スカンを食らうし、アフリカ系の移民や難民からも「人種差別だ!」との非難が飛び出してくる。まだ残っている白人信者だって、元を辿ればジャガイモ飢饉が原因でやって来たアイリス移民とか、貧乏から抜け出すために移住してきた南部イタリア人かポーランド人だ。その他の白人信者といったら、共産圏から逃れてきた東歐難民。こうした信者構成だから、カトリック信徒は保守的白人であっても、ヒスパニック移民の排斥に躊躇してしまうのだ。

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(左 : 教会の未来を象徴する家族  /  右 : 消滅した昔のキリスト教徒)

  カトリック教会の聖職者は認めたくないだろうが、現在のカトリック教会は昔の面影をすっかり失っている。1960年代くらいまでは西歐世界の精神的支柱だったが、今やこの「ローマ教会」は「ヒスパニック教会」と呼んだ方が相応しい。カトリック教会の司祭は二言目(ふたことめ)には主イエズス・キリストを口にするが、教会の中がガラガラ状態じゃ、開店休業と同じだ。フランスなんか観光名所の教会だらけで、白人の信者なんて稀である。たまに、熱心に祈りを捧げるガリア人(フランス人)らしき信者を見つけても、ポーランドかスペイン系の移民、あるいはベトナム人との混血児だったりする。ケルト系のカトリック信徒なんてブルゴーニュやリヨンの片田舎に行かなければお目にかかれない。第一、白人聖職者の数が激減しているので、各地の司教区では常に神父不足となっている。フランスの聖堂なのに、ミサを挙げているのかアジア人やアフリカ人の神父じゃ、日本人観光客だってガッカリするだろう。

  アメリカでも事情は同じで、修道士や神父にはヒスパニック系が主流となりつつある。たまにヨーロッパ系白人の青年が神学部に入ってくるけど、これは学費を節約するための方便で、学部を卒業すれば専攻を変えて、法学や経済の分野に進んでしまうのだ。こうした偽神学生は四年間くらいは我慢するけど、神学生を辞めてしまえば、抑えていた性欲が大爆発。世俗に戻った元神学生は、女やパーティーに耽ってしまう。(こうした例を筆者は実際に知っているけど、色々と支障があるので具体的には話せない。) 国家と同様に、教会だって構成員の「質」で性格が変わってしまうのだ。ヨーロッパ人のキリスト信徒が主体なら、教会の方針も西洋的になるが、南米人や黒人が多数派となれば、非ヨーロッパ的になっても不思議じゃない。しかも、その信徒や司祭にマルキストやピンク左翼が増えれば、教会の体質や教義、活動が赤くなるのも当然だ。

  暢気な日本人は、広島や長崎を訪れたローマ教皇を手放しで褒めているが、フランシスの本意は別のところにある。キリストから天国の鍵を預かった司教は、そのドス黒い腹に憎しみを秘め、資本制社会への怨念を燃やしているのだ。「核兵器の廃絶」なんて無責任な老人の戯言(たわごと)に過ぎない。使徒の奇蹟は病気治療くらいで、ICBM(地上発射型の核ミサイル)やSLBM(潜水艦から発射される核ミサイル)が飛んでくれば、みんな揃って「あの世行き」である。フランシスは習近平や金正恩の前で説教してみろ。本当の悪魔を拝めるはずだ。東ローマ教会を自称するロシア正教の総司教は、現実的というか、政治力学を理解しているようで、プーチンに仕える御用司祭になっている。

  使徒の聖ペトロは臆病心からキリストを見放し、その裏切り行為を悔やんで殉教者となったが、彼の後継者たるフランシスはどうなのか。聖人になりたいと望む気持ちはあるんだろうが、仕える“主”がナザレの大工じゃなく、ユダヤ人の無国籍者、マルクスじゃ洒落にならないぞ。

  

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遺伝子操作と世論操作 / 人間と作物の種 (前編)


恐ろしい科学技術

  以前、このブログで米国のTVドラマ・シリーズで『ジ・アメリカンズ(The Americans)』という作品を紹介したことがある。現在、第五シーズンが放映されているのだが、このスパイ・ドラマでは、ソ連の工作員夫婦たるエリザベス(ケリー・ラッセル)とフィリップ(マシュー・リス)が、あるウィルスを巡って暗躍することになっているのだ。米国政府がソ連経済を崩壊させるため、穀物を枯らすウィルスを開発したとの情報がソ連首脳を震撼させ、対外工作部は、米国に潜伏するエリザベスとフィリップに生物兵器のサンプルを奪取するよう命令を下したのである。ドラマの中ではそのウィルスは穀物を全滅させるものではなく、アフリカの飢餓を救う研究であることか判明したから一段落となっていた。

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(左: 「ジ・アメリカン」のポスター  /  右: ケリー・ラッセル)

  このドラマは冷戦時代の後半、すなわちレーガン政権時代が舞台設定になっていて、ワシントンの政府がソ連を食糧供給の面で苦しめようと画策したことが分かる。共産主義政権に対しては全面核戦争の脅しより、食糧不足による「揺さぶり」の方が効果的であるというのだ。確かに、クレムリンに従順なロシアの庶民も、マーケットにパンが無くなれば叛乱を企てる。食い物に関する恨みは恐ろしい。ゴルバチョフ時代にアル中対策としてウォッカの制約を試みたが、結局みんなの不満が爆発して取り止めになった。あんな寒いロシアでお酒を禁じたら庶民が暴動を起こすだろう。大統領になったボリス・エリツィンだってお酒を断念できず、晩年になると単なる酔っ払いになっていたから、ロシア人に禁酒法は無理である。まぁ、とにかくパンとバターとウォッカはロシアの必需品だから、その供給不足はクレムリンにとって西側の中距離核ミサイル配備よりも怖かった。

  戦争というのは何も銃弾やミサイルだけで行うものではなく、金融制度や貿易、食糧、資源、環境、謀略工作などを組み合わせて遂行するものである。したがって、西歐各国は他国からのコントロールを受けないためにも、命綱の資源を確保すると共に、国の基本となる食糧の自給を維持するために邁進するものだ。一次産業たる農業は環境保全の面ばかりではなく、国家の伝統や宗教とも密接に繋がっているから、保守派の国民は農民と農地の保護を「国防」と位置づけなければにならない。我が国の神道は自然崇拝にもとづくから、宗教防衛にもなるだろう。よく知られているけど、伊勢神宮の式年遷宮に用いられる檜(ヒノキ)は国産でなければならない。いくら安いからといって、東南アジアからの材木じゃ嫌だし、朝鮮で作ったベニア板など言語道断だ。紀州の大杉谷とか尾張の木曾谷で生育した檜は、日本の国土から栄養を吸収するだけではなく、先祖の霊魂をも宿す真正な木材である。古代ギリシアでは亡くなった親を畑に埋めたが、それは自分の土地が先祖の血と肉からなるものと信じていたからだ。したがって、猛毒の除草剤を撒いて苗を植えるなんて冒瀆だろう。神聖な神社を建てる時にも、神聖な樹木を用いるのが常識である。だから、農政はゼニ・カネの問題より、固有文化の存続に係わる国家の「大事」なのだ。

Roundup 2Monsanto herbicide 1








  売国奴が溢れる国会で、またもや反日政策が実行されている。すなわち、「主要農作物種子法」の廃止である。低脳議員たちは農業の自由化、民間企業の参入、地方経済の活性化などのお題目を並べて廃止の正当化を図っているが、要するに巨大企業のハンドラーが放った日本人エージェントの手先になっただけ。情けないけど、国会議員の大半は事情が分からない馬鹿と、多勢にくっついて「おこぼれ」をもらう浅ましい下郎であるから、グローバル企業の策略にホイホイと乗っかってしまうのだ。昔の士族だと幼い時から未来の統治者たる自覚を涵養されていたし、そうなるように教育を施されていた。だかから、立ち居振る舞いはもとより、忠君愛国を実践するのが当り前だった。自分の生命よりも名誉を重んじたから、国家の經綸が優先され、わざとじゃなくても失敗すれば切腹を受け容れたのだ。ところが、現代の国会議員だと幼い頃から日教組教育を受け、頭は受験勉強で老朽化、倫理道徳は試験科目に無いから無視。我が国の根幹を成す皇室と神道に関しては「極右科目」ということで無知。権限最大、責任最小が議員のモットーなので、無責任というより破廉恥になっている。彼らは「種子法の廃止が自由経済への前進だ」と思っているから、「それでいいんじゃない」といった程度の認識しかない。アホらしいけど、手放しで賛成を表明したのだ。大切な決議で「うん」と言うだけなら、「ワン」と吠える仔犬でも代役が務まるだろう。これじゃぁ、仔猫だって鼻で笑ってしまい、「ニャンとも言えない!」と呆れるぞ。

  ここで私的な感想を述べさせてもらえば、筆者が農業問題に関心を寄せたのはかなり古い。覚えている方もいるだろうが、1980年代に竹村健一が農業の過保護廃止と自由貿易による米価の引き下げを訴えていた。彼は半分自民党の代弁者だったから、筆者は話半分に聴いていたが、自由競争で日本の個人農家が国際競争に勝って、繁昌できるのか甚だ疑問だった。だいたい、日本の農民でセスナ機を使って農薬を散布しているのか? それに、穀物を大量に生産して国際市場を席捲することなど、夢物語にしか思えない。もそも日本の農業は大陸型ではないのだ。極端な譬えで言えば、日本の稲作は手間の掛かる藝術作品で、米国の穀物栽培は廉価な工業製品である。

  これは米国の食堂で出される料理を「堪能」すれば分かるはずだ。例えば、アメリカの野菜は素材の味がしないので、ドレッシングをかけて食べるしかない。日本とは常識が逆で、ドレッシングが「主体」で、トマトやキュウリが「添え物」なのだ。食パンでも同じで、サイズが大きい割に値段が安いけど、小麦本来の味と薫りが無いので、ピーナツ・バターをたっぷり塗って、甘い穀物製品にしてから食べる。また、野球場の外で売っているホット・ドッグも驚異の食物で、ソーセージの材料となっている肉には何が使われているのか判らない。正体不明な上に、ケチャップも怪しい原料で出来ている。トマトのはずが「トマト」ではなく、「赤いスライム」といった感じだ。筆者は米国で数名の友人に「ソーセージの中味は何の肉?」と尋ねたことがある。しかし、彼らはその質問に当惑し、友人の一人は「ウサギの肉かなぁ?」と自信なさげに答え、もう一人の友人は「馬の肉なんじゃないか」と笑いながら話していた。つまり、誰も中味を知らなかったのだ。まぁ、ウンコになれば同じだからねぇ~。

Jeffrey Smith 1(左  /  ジェフリー・M・スミス)
  アメリカ人の無神経さには独特のものがあった。例えば、「チューブ入り」のチーズをかけてホット・ドックを食べているアメリカ人も居たから、筆者は目眩がしたことを覚えている。チーズって固形物だと思っていた筆者が「時代遅れ」だったのかも知れない。ただ、その原料となるミルクはホルモン注射で“大量”に“安く”作ったものだろう。なぜなら、アメリカの企業はコスト削減が鉄則だから、できるだけ材料を安く抑えることはよくある。ちなみに、筆者は1990年代にジェフリー・M・スミス博士(Dr. Jeffrey M. Smith)の警告を聴いていたので、「セイフウェイ」などの食料品店で1ガロン・ミルク(3.7リットル容器入りの牛乳)を買えなかった。スミス博士は『偽りの種(Seeds of Deception)』を出版した著名な学者なので、理系の日本人なら知っているだろう。スミス博士の名を聞いたことがなくても、「ボヴァイン成長ホルモン(Bovine Growth Hormone / rBGH)」を注射された牛なら聞いたことがあるはずだ。たぶん、週刊誌でも報道されたんじゃないか。日本だとこうした「丈夫な」牛から取れたミルクを、我が子に飲ませる母親はいないはずだ。

  また、街角のデリ(デリカッセン/ 食糧雑貨店)で売られている、ポピュラーな「ターキー・ハム」サンドウッチだって、本当の七面鳥とは思えなかった。たぶん、屑肉を圧縮して作った整形肉だろう。昔、日本でもファミリー・レストランに「サイコロ・ステーキ」というメニューがあったけど、こんな合成肉を注文する親子が実際にいたのだ。アメリカでも「いかがわしい肉」が普通で、脂ぎったベーコン焼きや、正体不明の冷凍ハンバーグ、化学製造のチキンナゲットがメニューに載っており、みんな平気で食っていた。アメリカ人って、値段が安くてボリュームがあれば満足なので、プラスチックのハンバーガーでもケチャップを山ほどかければ、一気に食べてしまうんじゃないか。支那人はダンボールを細かく刻んで、「おいしい肉団子があるヨ!!」とお客に販売したから、あながち不可能でもあるまい。もう一つ言えば、アメリカのダイナー(大衆食堂)で出されるコーヒーは薄くて不味い。なんか「茶色の液体」を飲んでいるようで、ちゃんとした「薫り」が漂う日本のプレミアム・コーヒーが懐かしくなる。米国の食事に関しては驚きの事例が尽きない。

世界市場を支配するジャイアント・コーポレーション

  種子法の廃止については「チャンネル桜」の討論会に出ていた三橋貴明が詳しく説明していたので、筆者は別の点を述べてみたい。でも、ちょっとだけ何が問題なのか述べてみたい。

  米国には世界を股にかけた「農業ビジネス」を行う企業があって、「モンサント(Monsanto)」「カーギル(Cargill)」「アーチャー・ダニエル・ミッドランド(ADM / Archer Daniel Midland)」「バイヤー(Bayer)」「バンギ(Bunge)」などが有名である。もっとも、「バンギ」はヨハン・P・G・バンギ(Johann Peter Gotlieb Bunge)がアムステルダムで創業した会社だからアメリカ企業とは言いづらい。「バンギ」にいついて紹介すると、孫のエドワード(Edouard)が本社をベルギーのアントワープに移し、彼は兄弟のアーネスト(Ernest)を伴ってアルゼンチンやブラジルに進出したそうだ。彼らは南米で成功を収めた後、北米に移ったという経緯がある。たぶん、日本だとADMの知名度は低いと思うけど、米国では結構知られたた巨大企業である。TV広告も頻繁に流れていたから在米日本人なら馴染みの会社だろう。筆者も米国で「ディス・ウィーク」とか「ミート・ザ・プレス」を見ていた時、ADMが番組スポンサーになっているのに気がついた。「日本だとADMみたいなスポンサーは無いよなぁ」と思ったことがある。日本の番組なら「旭化成」とか「クボタ」、「ヤンマー」くらいじゃないか。

  日本の報道番組が、「バイオ農業ビジネス」に関心が無いのはいつものことだから驚かないけど、その実害には注目せねばなるまい。種子法廃止で遺伝子組み換え作物や除草剤が脚光を浴び、多くの日本人が目覚めたことは良いことだ。大まかに言って問題となっているのは、雑草を枯らす除草剤とそれに耐えるようデザインされた遺伝子操作の種子であろう。例えば、雑草剤の「グリホサート(glyphosate)」などは、素人にだって有害だと解る。ちなみに、これはアミノ酸系の「グリシン(glycine)」と「ホスホン酸(phosphonate)」が組み合わさって出来た名前である。一般には「ラウンドアップ(Roundup)」という名称で流通している「モンサント」商品である。この非選択性除草剤を畑に散布すれば、雑草を一括して排除出来るという。そして、遺伝子操作を受けた穀物だけは、この枯れ葉剤に耐えうるという仕組みになっている。だから「合理的」で「効果的」。こうした穀物は、「ラウンドアップに駆逐されない種子」という謳い文句で、「ラウンドアップ・レディーRoundup Ready」と名づけられ、一般に販売されているのだ。こうした科学技術により、農民は雑草をむしる手間が無くなった耕作地で、「素晴らしい」米、麦、大豆、トウモロコだけを収獲できるという。夢のような科学製品だが、悪夢が「おまけ」に附いていた。

Roundup 1Roundup 3







  何と言っても、自然界は甘くはなかった。この除草剤に耐えうる雑草が出て来たのだ。そこで、モンサントなどの会社は更に強力な除草剤を開発するが、こんどは穀物もその「毒」に対抗せねばならぬから、またもや遺伝子をいじくらねばならない。この悪循環がつづくと、サリンやVXガス並の猛毒にも耐えうる「スーパー種子」が誕生し、グロテスクな「キマイラ(畸形動物)」と同じ類いの植物を作ることになる。最先端科学のバイオ産業は儲かるからいいけど、「それを食べる人間はどうなんるだ?」という疑問が湧いてくるだろう。それにしても、枯れ葉剤の攻撃に耐えて、それに負けない性質を備えるんだから、雑草って驚くほどしぶとい。猛毒に耐えて更に強くなる雑草は、踏まれても「めげない」ブスみたいだ。「悪い虫」がつかない穀物なんて、男が寄りつかない女性みたいだから、高校生の諸君は口が裂けても、「まるで田嶋陽子みたい」なんて言っちゃいけないよ。もう、世間知らずの小学生じゃないんだから。

  バイオ企業は遺伝子組み換え穀物の長所を宣伝しているが、虫も食べない野菜や穀物なんて「安全」なのか? 個人的な話で恐縮だけど、筆者は約20数年前、ある農家のオッちゃんと色々雑談したことがある。その時、農薬について現場の「生々しい」話を聞いて気分が悪くなった。内容は公開できないけど、農薬が大量に保存された納屋の中で実情を聴くと納得が行くものである。印象的だったのは、そこのおばあちゃんが“可愛い”孫の為に無農薬野菜を独自に作っていたことだ。家族と他人は「別」ということなんだろう。でも、ちゃんとした「味」のする野菜っていいもので、スーパー・マーケットで販売される大量生産品とは違っていた。まぁ、虫も避けるトウモロコシを消費者が食べているんだから、人間の抵抗力は並外れているんだろう。

Bees in Poland 1Gilles-Eric Seralini 3










(左: 死んだ蜂の写真   /  右: ジル・エリック・セラリーニ)

  しかし、か弱いミツバチは生き残れなかった。2012年、ポーランドでは大量の蜂が死んでしまったという。モンサント社の「MON810 GM」穀物とか、殺虫剤、除草剤などの影響により、害虫と一緒に大切な蜂までもが駆逐されてしまったのだ。3月には1500名もの養蜂家が抗議デモを起こして大騒ぎになった。(Ray Ananda, Poland's Monsanto Action Lays 1000s of Dead Bees on Government Steps, Food Freedom, 25 March 2012.) 古代からミツバチは重宝され、苺の受粉にまで利用されるんだから、農家にとっては貴重な生物である。アニメ・ファンだって、「ミツバチ・ハッチ」が何万匹も死んだら悲しいだろう。こうした遺伝子組み換え生物(Genetically Modified Organism / GMO)の被害は世界各地で報告されているし、深刻な社会問題となっている。興味のある人はフランスのジル・エリック・セラリーニ(Gilles-Eric Sélalini)博士の告発を調べてみればいい。一般の日本人には、博士の「なぜグリホサートはラウンドアップとの問題にならぬのか」という論文が、要点を纏めているので解りやすい。("Why glyphosate is not the issue with Roundup", Journal of Biological Physics and Chemistry, Vol. 15, 2015.) 高校生の読者は理科の先生に頼んで教えてもらってね。たぶん、セラリーニ博士による爆弾発言を詳しく説明してくれるから。

Rats 1Rat 2








(写真  /  腫瘍ができたネズミ )

  遺伝子操作の種子や除草剤の有害性については、あまたのレポートがあるので、一般国民でもちょっと記事を検索すれば解るだろう。問題なのは、こうした惨状を知らない政治家、知っていて隠蔽する売国議員や企業から雇われている科学者、スポンサーだけが「お得意様」の大手マスコミなどが存在する事だ。例えば、イブラヒム博士とオカシャ博士によって、「不都合な研究結果」が公表されているのに、日本の大手新聞社は一面で取り上げなかった。(Marwa Ibrahim and Ebtsam Okasha, "Effect of Genetically modified corn on the jejunal mucosa of adult male albino rat", Experimental and Toxicologic Pathology, Vol. 68, 2016を参照。)  彼らはネズミに遺伝子組み換え穀物を長期間与えて、どのような影響が出るのか実験してみたそうだ。すると、このネズミには大きな腫瘍が出来てしまい、その衝撃映像は全世界に発信され、大きな話題になったらしい。お腹が大きく膨れあがったネズミを見れば、誰だって遺伝子組み換え作物や除草剤の危険性に気づくじゃないか。

shanthu shantharam 1(左  /  シャヌー・シャンタラム)
  しかし、大手企業に雇われた「お抱え学者」は、違った意見を持っていた。例えば、ブリテンのインド系科学者であるシャヌー・シャンタラム(Shanthu Shantharam)教授は、遺伝子組み換え作物の安全性を述べていたが、どうも密かにGMOの製造会社とつるんでいるらしい。(Colin Todhunter, Genetically Modified Food and Crops. Behind the Mask of Pro-GMO Neoliberal Ideology, Global Resaerch, March 11, 2017) 一見すると、独立・中立を保っている科学者でも、裏で関連企業と癒着している場合もあるし、何らかの見返りを求めて媚びを売っている場合もあるのだ。例えば、潤沢な研究費を“間接的”にもらえたり、どこかの研究所に“移籍”できたり、と様々な「賄賂」があったりする。また、大手企業は「広告塔」を雇って宣伝に努めたりするから、我々は用心せねばならない。例えば、元「世界銀行」のコミュニケーション部門に所属していたヴァンス・クロウ(Vance Crowe)氏は、モンサント社に雇われて「ミレニアル・エンゲージメント(Millenial Engagement)」の責任者になって、若者にGMOの安全性を訴えていたのだ。曰わく、モンサントは全人類に尽くし、世界各国で食糧の供給に貢献しているんだってさ。「本当かよ!」と疑いたくなる。

Vance Crowe 1Barbara Mikulski 1










(左: ヴァンス・クロウ  /  右: バーバラ・マコルスキー)

  本来、政治家は国民の健康や食糧の安全性に目を光らせるべきなのに、何も勉強しないで役人に丸投げなんだから、税金泥棒の非難を免れない。米国ではちょっと知られた政治家に、メリーランド州選出の上院議員でバーバラ・マコルスキー(Barbara Mikulski)というオバちゃん議員がいた。彼女はポーランド移民の孫で、曾爺さんは地元ボルティモアのハイランドタウンでパン屋を営んでいたそうだ。それなら、ちょっとくらい小麦や穀物に関心があっても良さそうなものだが、議会でHR933(俗に言う「モンサント保護法」)が通過した時、彼女はそれを食い止めなかった。普段は環境保全や消費者保護を口にしていたのに、この時はアメリカ国民に背を向け、バイオ・テック企業に靡いてしまったのだ。マコルスキーのオバはんは、後に後悔していると告白したが、既に遅かった。まぁ、父親がアルツハイマー病を患っていたから、製薬会社や化学製造会社と昵懇になっていたんだろう。彼女は長年勤めた上院を引退して、悠々自適の隠居生活を送っていてるそうだ。「秕政のツケは国民に」、という典型例である。

Roy Blunt 1Abigail Blunt 2









(左: ロイ・ブラント  /  右: ロイとアビゲイル・ブラント夫妻)

  だが、連邦議会にはもっと悪い奴が居た。その筆頭は共和党のロイ・ブラント(Roy Dean  Blunt)上院議員だ。彼は下院議員上がりだが、要職(Majority LeaderとWhip)を歴任したことがあり、保守派グループの「ティー・パーティー(Tea Party)」にまで属していたのである。こうした保守を騙って民衆を裏切る政治家は実に多い。モンサントの飼い犬になったブラントのお陰で、政府や裁判所は遺伝子組み換えの種子が有害と判っても、その販売を差し止めることが出来なくなってしまった。そして、彼の再婚相手(2番目の妻)であるアビゲイル・パールマン夫人は、ワシントンでも指折りの企業ロビーストである。彼女は大手食品メーカーの「クラフト(Kraft)」社やタバコ企業の「フィリップ・モーリス」社のロビーストを務めていたのだ。公式には「関与していない」との話だが、選挙中に
「大企業」と夫の関係をを支える妻としては頼もしい。夫婦共々、巨大企業と癒着して儲けていたんだから、何も知らないアメリカの有権者は憐れだ。

Abby Martin 3Fiona Bruce 2










(左: アビー・マーティン  /  右: フィオナ・ブネース)

  専門家でもない筆者がこれをよく覚えているのは、RTテレビのアビー・マーティン(Abby Martin)が真っ赤になって怒っていたからだ。彼女はブラント議員が大嫌いで、吐き捨てるように彼の行動を非難していた。RTという、このロシア系宣伝放送局は、米国のマスコミが取り上げない不都合なニューズを放送するので、時々だけど有益となる。それに、中年のオッさんより、美人キャスターの方かいい。BBCのイヴニング・ニューズだって美しいフィオナ・ブルース(Fiona E. Bruce)の出番だと嬉しくなる。あの独特なブリテン・アクセントで喋る英語が魅力的だ。テレビ画面を見ながら飲むコーヒーが旨い。でも、インド人やアフリカ人のアンカーだと気分が暗くなる。ブリテンのテレビ番組なんだから、イギリス人の方がいいよねぇ。

Amy Walter 2Amy Walter & Kathryn Hamm 1Tamara Keith 1










(左: エイミー・ウォルター  / 中央: キャスリン・ハムとエイミー  /  右: タマラ・キース)

  そう言えば、このHR933を問題なく容認して、気軽に署名したのが、あの人権派と呼ばれたバラク・オバマ大統領である。呆れてしまうけど、左翼のマスコミはトランプだと猛攻撃するくせに、黒人の大統領には甘かったのだ。公共放送のPBSテレビによく出てくる「クック・ポリティカル・レポート(Cook Political Report)」のエイミー・ウォルター(Amy Walter)や、その相棒たるNPRラジオのタマラ・キース(Tamara Keith)は、オバマを徹底的に批判したのか? この極左コメンテーターの二人はオバマを陰ながら応援していたから、「公共放送」であっても番組が左に傾いていた。ここでは関係無いけど、筆者は初めてエイミー・ウォルターを見た時、「レズビアンじゃないか?」と直感的に疑ったことがある。自慢じゃないけど当たっていて、彼女はキャスリン・ハム(Kathryn Hamm)という同性愛活動家と「パートナー」になっていたのだ。彼女の発言や雰囲気から「レズビアン」と判るなんて、我ながら洞察力の鋭さに嬉しくなった。話を戻すと、テレビ番組のコメンテーターはオバマを頻りに賞讃していたが、彼の行った功績など皆無に等しく、どちらかと言えば有害な政策の方が多かった。でも、「黒人」だから何をやっても「偉大な大統領」になるんだろう。肌が黒いだけで「偉大」になるんだから、これって、人種偏見じゃないのか?

  政府の要人と業界の手先が「つるむ」ことは、米国でも日本でも同じである。日本のマスコミは米国の政権が交代した時、名前と顔くらいしか紹介しないけど、本来なら各長官の素性や支持者、裏の繋がりくらいは暴露すべきだろう。平民の筆者だってオバマの暗い過去を書いたんだから、高給取りのテレビ局員はもっと詳細な経歴報道をしてもいいはずだ。ということで、バイオ企業と繋がっていた有名人をちょっとだけ紹介したい。

  まず、意外なのは元国防長官のドナルド・ラムズフェルド(Donald Rumsfeld)が、大手製薬会社の「サール(G.D.Searle)」で最高経営責任者(CEO)になっていたことだ。この会社はモンサントに併合されたことがあり、現在は大手製薬メーカーの「ファイザー(Pfizer)」に買収されて、そこの子会社になっている。サール社は経口避妊薬とか睡眠薬、人工甘味料の販売を行っているから、知っている人も多いだろう。ただし甘味料の「ニュートラ・スウィート」は販売中止となった。おそらく、健康にとって有害だったのだろう。

Donald Rumsfeld 1Clarence Thomas 1Michael Taylor 1Michael Kantor 1








(左: ドナルド・ラムズフェルド  / クラレンス・トマス  / マイケル・テイラー /  右: マイケル・カンター)

  また、最高裁判事のクラレンス・トーマス(Clarence Thomas)は、以前「モンサント」の顧問を務めていたという。食糧と薬を扱うFDAで副長官を務めていたマイケル・テイラー(Michael Taylor)も、モンサントの顧問弁護士だった。さらに、ウィリアム・ラッケルズハウス(William D. Ruckelshaus)元司法副長官でさえ、モンサントの重役を務めていたのだ。政府の機関には他にもモンサントの手下がいて、具体名を挙げれば、マイケル・カンター(Michael Kantor)、アン・ヴェネマン(Anne Veneman)、ルフス・エルサ(Rufus Yerxa)、リチャード・マホーニー(Richard Mahoney)などがいたのだ。まぁ、巨額の利益を上げる企業だから、自分の配下を官庁に派遣するなんて造作もないことだろう。社長のヒュー・グラントなんか、一人で1300万ドルもの大金をつくってしまうんだから、研究者や弁護士、政治家が近寄ってくるのも当然だ。

  もっと凄いのは、食物市場をうごかすメガ企業の「カーギル」であろう。一般的には大企業としか知られていないけど、このカーギルは家族経営のプライベート企業なのだ。普通の人は「えぇぇっ!」と声を上げてしまうが、誰だって巨大な国際企業が一族経営なんて信じられないだろう。このファミリー企業は約1300億ドルから1400億ドルくらいの年商があって、14万3千人の雇用を創り出し、67ヶ国で幅広いビジネスを展開しているそうだ。創業者のウィリアム・ウォレス・カーギ(William Wallace Cargill)は、スコット系アメリカ人の家庭に生まれ、七人兄弟の三男だった。1865年(慶應元年)頃に、彼は兄弟を伴い、ミネソタ州で小さな穀物問屋を開業したそうだ。彼は相当な切れ者だったらしく、会社を大きくして二人の子供に事業を託したという。1909年にウィリアムが亡くなった時、会社の資産は200万ドルくらいであったらしい。今のレートで換算すれば、110億ドル(1兆2千100億円)に相当する金額であるそうだ。

William Wallace Cargill 3Edna & John MacMillan 1










(左: ウィリアム・ウォリス・カーギル  / 中央: エドナ・カーギル / 右: ジョン・マクミラン・シニア )

  父の事業を継承した息子のオースティン(Austen Cargill)は、やはり息子のジェイムズと娘のマーガレットに株を引き継がせた。ウィリアムの娘であるエドナ(Edna)が、ジョン・マクミラン・シニア(John MacMillan, Sr.)と結婚したので、カーギル一族にはマクミラン家の子孫が役員になっている。二人の間には息子のカーギル・マクミラン・シニアとジョン・マクミラン・ジュニアが生まれていた。マクミラン家はもともとスコットランドから渡ってきた一族で、祖先のダンカン・マクミランは1815年に、アメリカではなくカナダへ移住したそうだ。三代にわたって商売人として成功を収めたマクミラン家は、ジョンの世代でカーギル家と結びついたのである。たぶん、ジョン・マクミラン・ジュニアの息子がホイットニー・ダンカン・マクミラン(Whitney Duncan MacMillan)と名づけられたのは、祖先のダンカンに因んでのことだろう。現在のカーギル社は6家族によって17名の理事会を構成しているそうだ。

John MacMillan & Austen CargillWhiteny MacMillan  001










(左: ジョン・マクミランジュニア  / 中央: オースティン・カーギル /  右: ホイットニー・マクミラン)

  それにしても、日本人は何故か他国の惨状を参考にしないから、本当に脳天気である。アメリカの現状を見れば、国民が家畜のようになっているのが判るのに、それを無視して同じ轍を踏もうとする。アメリカ人は遺伝子操作された穀物や、遺伝子組み換えの飼料で育った肉を食べて満足しているが、人体にどんな影響があるのか不安でならない。米国では安くて保存の利く食糧が歓迎され、素材の風味が悪ければ、化学調味料で味付けをして、「美味しい」料理に変えてしまうのだ。たとえ、そうした廉価な食事で肥満になっても、医療が充実しているので表面的には困らない。でも、安い料理を食べて高額医療を払っているんだから、差し引き「損」になっているはずなのだが、そこは陽気なアメリカ人、そんなことを考えない。政府の医療政策が間違っているから国民が苦しむ、と考えてしまうのだ。それよりも、日本料理のような健康食を摂って、病気にならず、丈夫な体にする方がよっぽどマシなのに、それすら理解できないんだから手の施しようがない。

  安倍政権も米国の売国議員と同じで、僅かな利益の爲に国民の健康と未来の子供を犠牲にしてしまった。これは安倍首相だけが愚劣なのではなく、国会議員と一般国民に国家意識が無いからだ。保守派の知識人だって何を守っているのか判らない人が多い。抽象的に言論を弄ぶだけで、具体的に何なのかをはっきりさせないところが欠点なのだ。ロシアのプーチン大統領は、ロシアは西歐諸国と違って健康的で高品質の食糧を生産するんだと意気込んでいた。「ロシアは食糧の輸入国ではなく、輸出国なのだ」と宣言していたそうだ。(Putin wants Russia to become world's biggest exporter of Non-GMO food, RT, 3 December 2015) つまり、グローバル企業の餌食にならないぞ、と釘を刺していたのだろう。いゃ~、冷徹な元諜報員は悪党の手口を判っている。「悪人は悪人を知る」ってことだ。

  筆者は評判の悪い人種論や民族の遺伝を論じてきたが、それは国民意識を喚起するためである。だいたい、人間の種を守らない国民が穀物の種を守る訳がないだろう。日本の国土に遺伝子組み換え作物が持ち込まれれば、日本固有の米や大豆にGMOの花粉が附着し、品質が変わってしまうのだ。一度失われた国民の財産は取り戻せない。これでは祖先に申し訳ないし、子孫に対しても無責任である。次回は人間篇を述べるけど、我々は嫌な事実に目を背けず、未来のために覚悟を決めるべきである。




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