無敵の太陽

主要マスメディアでは解説されない政治問題・文化・社会現象などを論評する。固定観念では分からない問題を黒木頼景が明確に論ずる。

社会問題

LGBTQは怨念の政治思想だ !

日本総督からの勅令

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(左 : 幼稚園に浸透するドラッグ・クィーン   / 中央 : 「女子」に目覚めた男子 /  右 : 同性愛者を擁護する活動家)

  歐米諸国や日本でも、「差別」という言葉は、保守派を攻撃する雄叫び(battle cry)となっている。この呪詛(じゅそ)は人種のみならず、性別に関しても葵の御紋となっているから実に厄介だ。自民党内部では、LGBT理解増進法案を巡って保守系議員が騒いでいたけど、駐日アメリカ大使のラーム・エマニュエル(Rahm Israel Emanuel)が、睨みを利かせていたから、下っ端議員がいくら反抗しても無駄な悪足掻(わるあが)きである。

Rahm Emanuel 733(左  /  シモン・ペレス大統領と一緒のラーム・エマニュエル)
  つくづく思うけど、敗戦国の日本は本当に惨めだ。宗主国のバイデン政権は、よりにもよってユダヤ人総督を極東の属州に送り込んできた。こんな奴が日本の代官になったら、与党の幹部は戦々恐々だ。ミドルネームからも明らかなように、エマニュエルの現住所はアメリカでも、その故郷はイスラエルにある。父親のベンジャミンはイェルサレム生まれで、英国を敵にしたテロ組織「イルグン(Irgun)」の元メンバーであった。母親のマーシャ・エマニュエルは、公民権運動に邁進した活動家ときている。ラームの兄弟であるエゼキエル(Ezekiel)とアリ(Ari)も母親の影響を受けて裕福なリベラル左翼となっている。

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(左 : ラームの兄弟であるエゼキエルとアリ、母親のマーシャ   /   右 : 息子のラームと父親のベンジャミン)

  一方、オバマ政権で首席補佐官となったラームは、“腐敗の温床”と呼ばれるシカゴで生まれていたた。彼のファースト・ネームはヘブライ語で「高尚」を意味するが、日本人の視点からすれば「高飛車」のように思えてくる。このユダヤ人は根っからの左翼で、若い頃は有名なユダヤ人の上院議員、ポール・サイモン(Paul Simon)の選挙を手伝っていた。さらに、エマニュエルはシカゴ市長のリチャード・マイケル・デイリー(Richard Michael Daley)にも仕えており、若造であったが、ボスの資金集めに奔走していたという。

  「やはり!」と言っては何だが、デイリー市長はスキャンダルまみれの政治家として有名だった。彼は1989年から2011年まで権力の座に君臨していた、というから凄い。しかし、彼のオヤジも瀆職の親玉で、リチャード・ジョセフ・デイリー(Ricahrd Joseph Daley)は1955年から1976年までシカゴ市長を務めていた。ギャングの街“シカゴ”で5期20年も市長を務めていれば、悪徳の帝王になっても不思議じゃない。

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(左 : 若い頃のラーム・エマニュエル   / ポール・サイモン  / リチャード・マイケル・デイリー  /  右 : リチャード・ジョセフ・デイリー)

  ついでに言うと、クリントン政権に入り込んだエマニュエルは、安易な妥協をしない冷血漢と評されていた。彼は「take no prisoners 」というスタイルで知れ渡っていたという。つまり、「敵兵が投降してきても捕虜にせず、容赦なく撃ち殺せ!」というのがエマニュエルのモットーだ。そこで附いた渾名は、「ランボー」をもじった「ラームボー(Rahmbo)」というニックネーム。(Edward Luce, 'Rahm Emanuel : Mayor America,' Financial Times, February 14, 2014.)でも、どちらと言えば、「シカゴのマイヤー・ランスキー」とでも呼んだ方がいいんじゃないか? エマニュエル兄弟は「コーシャ・ノストラ(Kosher Nostra)」とかね。

  古代ローマの時代、ティベリウス帝はポンティウス・ピラト(Marcus Pontius Pilate)をユダ(Judaea)の地に派遣したけど、この総督はユダヤ人の揉め事に深く関与せず、イエズスの処刑でも「勝手にしろ!」と言い放ち、手を洗って匙を投げた。エセビウス(Eusebius)の教会史によれば、新皇帝のカリギュラ(Caligula)から降格の人事を受けた後、不名誉を恥じたピラトはナイフを用いて自らの命を絶ったそうである。

  しかし、属州総督となったエマニュエルは、小カトー(Marcus Porcius Cato Uticensis)のように高潔じゃなく、むしろ後に皇帝となるウェスパシアヌス(Titus Flavius Vespasianus)のような人物だ。もし、日本人が逆らえば容赦なく弾圧するし、「笑顔の脅迫」なんて朝飯前。あのユダヤ人は窮地に追い込まれても自殺するタマじゃない。むしろ、シカゴに戻ってイリノイ州の知事を目指すタイプだ。

Inada 4231(左  /  「立憲自民党員」になってしまった稲田朋美)
  情けないけど、ワシントンの御意向に怯える岸田総理は、日本総督に口答えなんか出来ない。「聞く耳」を持つ首相は、主人の口笛が解るようで、尻尾を股に挟んで平伏(ひれふ)す。LGBT理解増進法案を推進する岩屋毅(いわや・たけし)や稲田朋美は、自民党支持者から物凄く非難されているが、こんなのは所詮“雑魚”か“仔犬”程度である。自民党に鞍替えした細野豪志、河野太郎から恩を受けた牧島かれん、元プロレスラーの馳浩も、立憲民主党に在籍した方がいい政治家だ。

  そもそも、日本には宗教に根ざす「ホモ嫌い」が無かったから、LGBT法案なんて必要ない。戒律にうるさいユダヤ教徒やイスラム教徒なら、同性愛者への嫌悪感があるので、ゲイやレズビアンを見れば「この不届き者め!」と殺したくなるが、性倫理が緩い日本の庶民には不必要である。むしろ、LGBT思想が世間に浸透すれば却って社会の混乱を招く。実際、ゲイバーのオカマ達は、「余計なことしないでよ!」と怒っている。彼(彼女?)らは今まで通り、「日陰の存在」で満足だ。親兄弟との縁を切り、ホモ仲間と楽しく水商売。チンチンぶら下げて女湯に入ろうとは思わない。

  令和の高校生や大学生だと、「同性愛者の街」といったら新宿二丁目くらいしか思いつかないが、台東区の上野や浅草は昔から“陰間(かげま)”の溜まり場だった。「言葉狩り」が徹底しているのか、平成時代でも落語に疎い大学生が結構多く、「“かげま”って、何ですか?」と訊いてしまう。江戸時代でも若い男を好むオッさんはいたから、落語や時代劇でも取り上げることがあった。ついでに言うと、昭和の末期や平成に入ると、「青線」の意味や言葉自体を知らない世代が増えてきた。敗戦後の日本では、政府公認の売春地帯があって、特殊飲食街の「赤線」と、密かに売春が行われる「青線」地帯があった。一般的に地図上の赤い線で囲まれた遊郭街を「赤線」と呼び、青い線で囲まれた地帯を「青線」と呼んでいた。

  話を戻す。それにしても、なぜオバマ政権以降、同性愛者への差別を無くそうとする運動が激しくなったのか? この潮流には様々な解釈が成り立つが、伝統文化を破壊しようと企む左翼分子と、あらゆる差別に反対するユダヤ人が一緒になり、強力な推進力となったことは確かだ。愛国心と信仰心が篤く、常識を備えた家庭で生まれれば、セックス学(sexology)を専攻して生業(なりわい)にしようとは思わない。特に、まともな両親のもとで育った西歐系の白人青年なら、SDS(Students for a Democratic Society / 極左学生グループ)に入らないし、ゲイ・パレードに参加することはないだろう。

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(左 : 大学のキャンパスで抗議活動を行うSDSのメンバー   /  右 : ゲイ・パレードの参加者 )

  しかし、ユダヤ教から離れたユダヤ人となれば別である。彼らの中には「親子揃ってのマルキスト」が珍しくないし、黒人とグルになって公民権活動に従事する左翼も多い。日本では滅多にないけど、ユダヤ人左翼の家庭だと、伯父や叔母、あるいは親の友人が自宅にやって来て、子供と一緒に夕飯を取る時、シオニズムやテロリズム、政治思想の話に夢中となってしまうのだ。こんな雰囲気だから、大学生の息子が左翼活動家になっても両親は驚かず、むしろ赤い母親は我が子を励ましたりする。(ユダヤ人左翼のマーク・ラッドが語るエピソードは面白い。) 保守的な家庭の親、特に西歐系アメリカ人の親は、息子や娘が学生運動に加担したら肝が潰れるほど驚く。

  ユダヤ人はヨーロッパ社会に対する恨みが深い。とりわけ、綺麗事を語る文化人や知識人は、「差別のない平等社会」を訴え、社会正義に基づく“進歩”がユダヤ人の“理想”となっている。一般の日本人には馴染みがないけど、ユダヤ人には「Tikken Olam(世界の修繕)」という概念がある。こんな考えは傲慢不遜だけど、旧約聖書の選民思想になれてしまったユダヤ人は、ちっとも怪しまない。「俺達が腐敗しきった西歐社会を正し、頑迷固陋なキリスト教徒、中でも差別や偏見に満ちた白人どもを啓蒙してやるんだ!」と彼らは息巻く。ユダヤ人が口にする「Tzedakah(慈善とか正しい行為への義務)」「Gemilut Chasadim(愛情とか親切)」「Tzedek(正義)」を聞くと、「それなら異国のアメリカじゃなく、祖国のイスラエルで叫んでいろ!」と言いたくなる。

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(左: 1969年に起きた「ストンウォール騒動」に参加した同性愛者   /  右 : キング牧師と共闘する公民権運動のユダヤ人 )

  歐米社会にタカって生きるユダヤ人は、異人種を嫌う白人を憎み、ユダヤ人を侮辱してゲットーに押し込めたヨーロッパ人を赦さない。しかし、戒律で雁字搦めのユダヤ教に愛想を尽かしたユダヤ知識人は、いくら探しても目に見えず、いつ来るのかも判らぬ王国や天主による救済には無関心だ。それよりも、現世の富や快楽を追求し、アーリア人の女を手込めにして自慢する。その一方で、力をつけたユダヤ人は、ヨーロッパ人への復讐に努める。彼らは“違った種類”の人間や“性的嗜好の異なる者”を排斥する白人を徹底的に叩く。だから、ゲイやレズビアンを嫌う保守的なアメリカ人を見つけると、「差別だ! ナチだ! 右翼だ!」と大騒ぎだ。しかも、調子に乗ったユダヤ人は、厳格な性倫理を破壊すれば、「誰もが安心して暮らせる平等な社会」が実現すると思っている。

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( 左 : 敬虔なユダヤ教徒  /  右 : 女性のラビを支持するフェミニストのユダヤ人 )

  ユダヤ人の学者は、まともな西歐人なら見向きもしない「性科学」に興味を抱く。日本の武士や庶民なら、生殖器からくる快楽とか変態の精神構造を研究することはないだろう。だが、セックスに執着するユダヤ人は、「学問の自由」を楯にして大学に浸透し、「精神分析」とやらの名目で歐米人の若者を洗脳する。心理学の教授になったユダヤ人は、無邪気な学生を前にすると、「君たちの倫理道徳はおかしい。人間の本能を歪めている。無知な人間は因習に囚われ、教養を持つ者は性の解放を恐れない」とか、様々な屁理屈を捏(こ)ねて“理想のデストピア”へと導く。アホな西歐人はユダヤ人の言説に惑わされ、ソドムとゴモラの街を桃源郷と思っているのだ。

  日本の士族のような上層中流階級の紳士は、性にまつわる学問など目指さない。だが、性科学とか心理学の分野には、ユダヤ人の大物が少なくない。例えば、精神分析学の先駆けたるジクムント・フロイト(Sigmund Freud)は誰もが知っている有名人。また、ドイツの開業医で、同性愛者を擁護し、性運動の提唱者となったマグナス・ヒルシュフェルト(Magnus Hirschfeld)も大御所だ。オーストリア出身で、精神分析とマルクス主義を融合させたウィルヘルム・ライヒ(Wilhelm Reich)も悪名高く、この変態ユダヤ人もフロイトの信奉者。しかし、ナチスから目を附けられたライヒは、無防備なアメリカへと移住し、オーガズムを研究したり、「オルゴン・ボックス(orgone accumulator)」を作って癌が治ると称した。当然ながら、彼は逮捕されてしまった。

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(左 : ジクムント・フロイト  / マグナス・ヒルシュフェルト  / ウィルヘルム・ライヒ  / 右 : エーリッヒ・フロム  )

Sandor Rado 111(左  /  サャンドー・ラドー)
  フランクフルト学派に属する心理学者エーリッヒ・フロム(Erich Fromm)もユダヤ人で、日本でも結構知られている。ところが、精神分析を専門とするハンガリーのユダヤ人、サャンドー・ラドー(Sándor Radó)については、あまり知られていない。彼は1915年の頃、フロイトに出逢って精神分析医になろうと決めたそうだ。ユダヤ人は同胞愛が強いのか、師匠のフロイトはラドーを『Internationale Zeitschrift für Psychoanalyse 』の編集者に指名し、その後、ラドーは『Imago』誌の編集長にもなった。

  フランクフルトのユダヤ人と同じく、ハンガリー出身のラドーはアメリカへ渡ると、左翼の牙城であるコロンビア大学に雇われた。(ヘルベルト・マルクーゼも同大学で教鞭を執っていた。)この異邦人は大学に根を下ろすと、「New York Psychoanalytical Institute」を創設した。普通の日本人が聞けば呆れてしまうけど、ラドーは性的興奮・満足の代わりとなる「alimentary orgasm」を提唱したそうだ。これは何かを摂取することで、オーガズムの代替になるという学説である。例えば、母乳を吸う赤ん坊は、性的興奮と同じような幸福(euphoria)を得るし、麻薬を使用する者は至福を感じて、意気揚々になる、というわけ。

Al Goldstein 2213(左  / アル・ゴールドシュタイン )
  変態のユダヤ人は学会以外にも棲息する。ポルノ業界にもユダヤ人の大物が控えていた。卑猥な雑誌や映画を数多く手掛けたアル・ゴールドシュタイン(Alvin Goldstein)も、その一人。彼の存在は一般人にも知られており、『Screw』『Death』『Smut』『West Crew』といった雑誌を刊行していた。こうした下劣な商売をしていたくらいだから、性格もハチャメチャで、私生活も無茶苦茶だった。アルは5回も結婚し、ジョーダンという息子をもうけている。ゴールドシュタインが四文字言葉(侮蔑語や卑猥な言葉)を吐くのは日常茶飯事で、雑誌記者はもちろんのこと、州検事や裁判官にも悪態をついていたから、彼がいくら「合衆国憲法修正第一条」を引き合いに出しても、スリッパで頭をひっ叩きたくなる。

Ron Jeremy 4234(左  / アーリア人の女優を採用するロン・ジェレミー )
  ゴールドシュタインと同じくらい破廉恥なユダヤ人ときたら、ポルノ界のアメリカ人は真っ先にロン・ジェレミー(Ron Jeremy Hyatt)の名を挙げることだろう。ロンのポルノ映画などは、目がが穢れるだけで、口にする価値すらない。しかし、ロンは意外にも知識人階級の生まれだった。ロンの父親であるアーノルド・ハイアット(Arnold Hyatt)は、NY州にあるクィーズ・カレッジの大学教授で、物理学を学生に教えていた。母親も知識人で、本の編集者を務めていたという。しかし、長年に亙って女性に性的被害を与えてきたから、2020年に逮捕され、34件の罪状で有罪となってしまった。69歳になるポルノ王は過去、15歳から51歳までの女性21人を犯してきたから、懲役20年に及ぶ刑罰を宣告されるが、「精神的に責任を負えない状態」と判断され、減刑される可能性も出てきている。

Ron Jeremy & George Tenet 1George Tenet 1Ron Jeremy 55532







(左 : 若い頃のジョージ・テネット  /  若い頃のロン・ジェレミー  / CIA長官となったジョージ・テネット  /  右 : 法廷に連れ出されたロン・ジェレミー)

William Casey 2132(左  /  ウィリアム・ケイシー)
  興味深いのは、ロンが高校時代、ジョージ・テネット(George Tenet)元CIA長官の同級生であったことだ。ロンはクィーズ地区にある「Benjamin Cardozo High School」に通っていたが、テネット氏はサッカー・チームで彼の仲間であったらしい。政府高官とポルノ王が、一緒の高校に通っていたなんて本当に驚きだが、あの地区なら有り得る。昔、筆者がフラッシング(ロングアイランドの支那人街)に行く時、ここの近くを通ったけど、まさかロンが通っていた高校とは知らなかった。ちなみに、レーガン政権でCIA長官を務めたウィリアム・ケイシー(William Joseph Casey)もクィーズ生まれであった。彼はカトリック信徒であったから、学部生の時はマンハッタンにあるイエズス会のフォーダム大学(Fordham University)へ通っていた。しかし、ロー・スクールはロングアイランドにある聖ヨハネ大学(St. John's University)に通っていたという。こちらは、イエズス会じゃなく、聖ヴィンセント・デ・ポール(St. Vincent de Paul)の系統である。

同性愛擁護に励む著名なユダヤ人

  脱線したので話を戻す。同性愛の擁護者やLGBTQの活動家にはユダヤ人が多い。ちょっと考えただけでも、筋金入りの左翼が何人も直ぐ思い浮かぶ。10代や20代のアメリカ人だと、リアリティTVで有名になったジャズ・ジェニングス(Jazz Jennings)を挙げるだろう。CBSのTV番組『The Nunny』でユダヤ人役を務めていた女優のフラン・ドレシャー(Fran Joy Drescher)も有名で、亭主であったピーター・ジェイコブソン(Peter Marc Jacobson)がゲイであることを公表した後、LGBTの支援者となったらしい。フランはピーターと離婚した後も仲良く付き合っているそうだ。

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(左  : ジャズ・ジェニングス /  フラン・ドレシャー  /  ニー・クシュナー  /  右 : ラリー・クレイマー  )

  ハリウッドには同性愛者の支援者がウジャウジャいて、劇作家で脚本家のトニー・クシュナー(Anthony Robert Kushner)もその一人。日本では『リンカン』や『ミュンヘン』といった映画の脚本家として有名だ。しかし、LGBTQイデオローグといったら、小説家のラリー・クレイマー(Larry Kramer)を外せまい。AIDS患者を擁護し、性病への偏見を撲滅しようと思ったクレイマーは、『ファゴッツ(Faggots)』という小説を書き、NYで享楽的な人生を送るゲイを描いていた。(「faggot」とはゲイを侮辱する俗語であったが、最近では同性愛者でも気軽に使う人がいる。)

  ユダヤ教徒の中にも同性愛の肯定者は存在する。例えば、ラビのデニス・エガー(Denise Eger)は改革派の指導者で、「Central Conference of American Rabbis」の総裁になっていた。ボストンに住むスティーヴン・グリーンバーグ(Steven Greenberg)もゲイのラビで、こちらは保守派のユダヤ教徒。彼はユダヤ教の中で燻っている同性愛について言及し、『Wrestling with God and Men : Homosexuality in the Jewish tradition』という著書を発売した。

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(左  : デニス・エガー  / 中央 : スティーヴン・グリーンバーグ  / 右 : エディス・ウィンザー   )

  政界でもユダヤ人はLGBTQの擁護運動に熱心だ。例えば、同性愛者の結婚を合法化しようとするユダヤ人の中には、88歳で亡くなった活動家のエディス・ウィンザー(Edith Windsor)がいる。彼女は昔、ティア・スパイヤー(Thea Spyer)というレズビアンと結婚したが、ティアは2007年に亡くなった。そこで、エディスは彼女の不動産を譲り受けたが、連邦法の「婚姻防禦法(Defense of Marriage Act)」のせいで「寡婦の税控除」を受けられなかった。それゆえ、「寡婦」となったエディスは、多額の税金を納める破目に。でも、これに納得できないエディスは裁判に持ち込んだ。(‘Edith Windsor', The Jewish Daily Forward, November 7, 2013.)

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(左  : ティア・スパイヤーとエディス・ウィンザー  /  右 : ジュディス・カセンとエディス  )

  同性愛者への差別に怒ったエディスは、ユダヤ人でレズビアンの弁護士ロベルタ・カプラン(Roberta Kaplan)を雇って訴訟を起こすことにした。彼女の訴えは最高裁までもつれ込み、最終的にエディスの勝利となった。この裁判でエティスは同性愛者コミュニティーの中でヒーロー扱い。大統領になったバラク・オバマ大統領も彼女を褒め称えていた。後に、エディスはジュディス・カセン(Judith Kasen-Winsor)と結婚したが、エディスは2017年に死去。今度はジュディスが寡婦となってしまった。

  もう一人有名なのは、映画にもなったハーヴェイ・ミルク(Harvey Milk)である。2008年に伝記映画である『ミルク』が公開されたので、日本でも覚えている人がいるだろう。ハーヴェイ役にはユダヤ人男優のショーン・ペン(Sean Penn)が起用され、アカデミー賞では8部門に輝いた。今ではカルフォルニア州のサン・フランシスコは「ゲイのメッカ」として知られているが、1970年代だと、まだ住民の中にも保守派が健在だった。ロナルド・レーガンが州知事に選ばれるくらいだから、同性愛者の存在に腹を立てるアメリカ人も多かったらしい。しかし、同市で監査役に就任したミルクは、マイノリティーの公民権やゲイの権利擁護に奔走し、カストロ地区で人気者となったから「カストロ街の市長」と呼ばれていた。だが、民衆党の政治家であるダニエル・ホワイト(Daniel James White)は我慢がならなかった。後に、ミルクはホワイトによって暗殺される運命となる。

Harvey Milk 842Harvey Milk 324(左 : 海軍時代のハーヴェイ・ミルク  / 右 : 政治家となったミルク  )
  意外なことに、ミルクは高校を卒業すると海軍に入った。入隊時は朝鮮戦争の頃で、彼は潜水夫の少尉だったというから驚きだ。しかし、同性愛がバレたらクビになるから、「不名誉除隊」になる前に海軍を去ったという。ゲイの最期は不幸なのか、ミルクは深海じゃなく、血の海に沈んでしまった。元軍曹(合衆国陸軍)のホワイトは、サン・フランシスコの政治問題でミルクと衝突することが多かった。たぶん、怒りが頂点にたっしたのだろうが、ホワイトは拳銃を手にしてハーヴェイのオフィスに殴り込み、彼に向かって5発の弾丸を撃ち込んだ。元警官のホワイトは五年間の懲役を経た後、サンフランシスコへ舞い戻るが、二年もしないうち自宅のガレージで自ら命を絶つことにした。

  一方、暗殺されたハーヴェイには死後の名誉が与えられていた。人種的多様性や偏見の無い平等社会を目指すバラク・オバマは、大統領の地位を利用して2009年、彼の甥を招いて亡きハーヴェイに「大統領自由勲章(Presidential Medal of Freedom)」を授与した。さらに驚くのは、海軍の輸送船にミルクの名前が附けられたことだ。オバマ政権で海軍長官に就任したレイ・メイブス(Raymond Edwin Mabus, Jr.)元ミシシッピー州知事は、2016年、ジョン・ルイス級の輸送艦に「USNS Harvy Milk」の名を冠するよう議会に提案したという。確かに、このクラスの船には公民権運動に貢献した人物の名が附けられるという慣習はあるが、いくらなんでもホモの活動家を讃えるなんて非常識だ。(左翼陣営はフリードリッヒ・ウィルヘルム・フォン・シュトイベン男爵の例を挙げるけど、独立戦争の場合と功績の点を考えれば、比較にならない。)

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(左  : ダニエル・ホワイト / 中央 : レイ・メイブス  /   右 : ハーヴェイの甥スチュアート・ミルクに勲章を手渡すバラク・オバマ大統領

  バイデン政権になると、LGBTQの潮流は益々激しくなってきた。信じられないけど、幼稚園児や小学生にまで「ドラッグ・クィーン(Drag Queen)」の影が忍び寄ってきたそうだ。日本の小学校では有り得ないが、アメリカやカナダの学校では、女装した中年ジジイが教室で本を朗読したり、子供を膝に乗せ微笑むことがあるらしい。しかし、子供を通わせる親は大激怒。例えば、フィラデルフィアにあるアルバート・グリーンフィールド小学校では、「ドラッグ・クィーン・ストーリー・アワー」というプログラムが設けられ、奇妙な外見の大人に対する“偏見”の除去が授業になっていた。(Charles Creitz‘Drag queen story hour for 1st graders at Philadelphia public school outrages parents,’Fox News, October 26, 2022.)

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(上写真 / 子供に接近するドラッグ・クィーン )

  保守的なアメリカ人は、オバマ政権やバイデン政権で加速された「多様性の社会」に危機感を覚えている。以前、当ブログで紹介したが、性的嗜好から「レイチェル・レヴィン(Rachel Levine)」となったリチャード・レヴィン(Richard Levine)は、ジョー・バイデンによって連邦政府の厚生省次官補となった。(レヴィンは元ペンシルヴァニア州の厚生省長官。)しかも、驚くことに2021年10月、このユダヤ人は四星将軍(four star general)に昇格したのだ。つまり、「提督(admiral)」の階級になってしまった。こんなのを聞いたら日本人だってビックリ仰天、「えぇぇっっっ~!!」と叫んでしまうだろう。まるで悪夢のようだが、嘘じゃなく本当の話である。

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( 左 :「女」に変身したレイチェル・レヴィン / 中央 : 役人となったサム・ブリントン  /  右 : レヴィン提督とブリントン次官補 )


  バイデン政権には他にもゲイの役人がいた。エネルギー省には使用燃料・核廃棄物担当の部署があって、そこの次官補に就任したのが、「Breakthrouh Institute」や「National Science Policy Group」で働いていたサム・ブリントン(Samuel Otis Brinton)である。彼はユダヤ人じゃないけど、両親はサザン・バプティスト教会の宣教師である。ところが、息子のサムはバイセクシャル。勉強は出来たようなので、彼はカンザス州の大学に入って核技術を学ぶことにした。ここを卒業すると、サムはマサチューセッツ州へ渡り、名門のMITで核物理学を勉強し、修士号を取得したそうだ。


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(左  /  ブリントンと女優のジェーン・フォンダ)
  筆者も彼と同じ中西部の大学に通っていたけど、1990年代当時は公に同性愛者を名乗ってキャンパスを闊歩する奴はいなかった。ブリントンは同大学で初のLGBTセンターを作ったというが、筆者の知る限り、ほとんどの学生は穏健な白人中流階級で、周囲も普通のアメリカ人が多かった。また、近くには陸軍の基地があるので、大学には予備役制度もあったし、LGBT運動を嫌う保守的なキリスト教徒も隣近所に住んでいる。他の州でも、だいたい似たり寄ったりなんだろうけど、ドナルド・トランプのように昔の良きアメリカを知る世代は、ゲイやレズビアンの跋扈に眉を顰めているんじゃないか? 良心的なアメリカ人は、加速する国家の内部崩壊を悲しんでいる。

  日本には昔から「共存の智慧」があって、巷の庶民は“それとなく”ホモを認め、境界線を引きながら共に暮らしていた。寺や城に男色の人物が紛れていても、「まぁ、仕方ねぇか!」と諦め、刀を持って成敗することはまずなかった。1982年に松坂慶子と真田広之が共演する『道頓堀川』が公開され、榎本明が“流し”の「石塚」を演じ、カルーセル麻紀がゲイボーイで、石塚に惚れる「かおる」を演じていた。オカマの「かおる」は石塚に金を貢いでおり、甲斐性無しの石塚に10万円を渡すが、それでは足りないと怒り、「俺に恥をかかせるきか!」とかおるを殴る。しかし、こうした関係はやがて崩壊する。邪険にする石塚に憤慨した「かおる」は、表の通りで包丁を振り回し、石塚を懲らしめようとした。そこへ知人の邦彦(真田真之)が止めに入り、邦彦はカオルに刺されてしまう。

  日本のゲイやレズビアンが怒るとしたら、所詮この程度の痴話喧嘩だ。ナイフを持って暴れ回ることがあっても、政治イデオロギーを振りかざして騒ぐ連中じゃない。藝能界 にも色々な人物がいて、三島由紀夫と面識のあった美輪(丸山)明宏から、カルーセル麻紀、おすぎトピーコ、「ピーター」と呼ばれていた池畑慎之介など、オカマを自称する藝人や女性的な男性がいたけど、一般国民は「別世界の人だから」と言って容認していた。たぶん、日本のような国が理想的な社会なのかも知れないぞ。



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高橋洋一の不運物語 / 1%の感染率に落ちた著名人

コロナ・ウイルスに罹らないはずだったのに

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  日本の知識人が疑いもせず危険なワクチン接種に応じてしまうのは、彼らの精神に拒絶論者を見下す“優越感”が横たわっているからだろう。筆者は嘉悦大学の高橋洋一教授を「愚かだ」とは思わないが、インテリに特有な「科学への信仰心」を持っている人なんじゃないか、と思っている。元財務官僚の高橋教授と同じタイプのインテリは結構あちこちに居て、最新科学により開発された特効薬という新製品を尊ぶ傾向が強い。

  高橋教授が毎回出演する「高橋洋一チャンネル」の第102回を今(令和5年)になって観てみると、非常に面白い。なぜなら、彼は令和3年の番組で、「待ちに待った待望のワクチンを打てるようになりました!」とはしゃいでいたからだ。数学を専攻していた「理系」の高橋教授は、リスクとベネフットの比較計算が得意なようで、ワクチン接種による「メリット」を強調していた。たとえワクチンがちょっと危険でも、そもそも60代や70代の高齢者は余生が短いから、いつまでも自宅にこもっているのは馬鹿らしい、という訳だ。高橋教授は「さっさとワクチンを打って外出した方が楽しいじゃないか !」と喋っていたから、今となっては必見だ。

Takahashi 002(左  /  高橋洋一)
  なるほど、いずれ高齢者は「永眠」となる。それなら、副作用や後遺症を心配するより、残り少ない人生を今のうちに楽しんでおく方が利巧だ。高橋教授は「人柱」のつもりでワクチン注射を受けると豪語していた。もちろん、高橋先生は「選択の自由」を認めており、「打ちたくない人は打たなくてもいい」という意見だった。でも、高橋教授本人は「積極派」である。ワクチン接種の証明書をラミネート(薄いフィルム)で包み、胸にぶら下げて、「ちゃんと打ちましたよ !」と自慢しながら歩きたかったらしい。放送当時、番組の中では「致命的な副作用は無いんじゃないか?」と楽観視していた。

  ワクチン問題を取り上げるマスコミについて、高橋教授は「煽りすぎだ」と評していた。マスコミの連中はスキャンダルで儲けているから、「ていへんだ、ていへんだ !と騒いでいるだけなんじゃないの?」と揶揄していた。高橋教授曰く、東京弁の「ていへん」は、漢字で書くと「底辺」だから、マスコミなんかは「一番下なんじゃないか」と笑っていた。さらに、高橋教授は騒ぐ人々をも茶化す。この先生によれば、新たな遺伝子ワクチンを嫌い、その効果に異議を唱える人々というのは、本質的に「注射が怖い人」らしい。つまり、注射針が腕に刺さると痛いから「反対」を叫んでいるそうだ。対談相手の前で「私は平気ですよ !」と高橋教授は笑顔で述べていた。

  高橋教授はまた、遺伝子ワクチンに対する過剰な拒絶反応についても述べていた。反ワクチン派はmRNAについて疑念を抱いているが、こんなのは単なるコピーで、体内で永続しないというのだ。高橋教授は一般人の“取越苦労”を一蹴りにする。このワクチンはマイナス70度で保存しなければならない。ということは、もし常温にすれば直ぐ壊れてしまう代物である。だから、一旦、注射で体内に入れてしまえば長続きしない、というのだ。

  しかし、スパイク蛋白を作る人工的なmRNAは、脂質ナノ粒子(Lipid Nano Particle)で包まれている。それに、mRNAは分解されにくいよう塩基配列が最適化されているから、2週間くらいで分解されるどころか、数ヶ月経っても体内でスパイク蛋白を作り続ける危険性がある。この現象は専門家チームによる検証が必要となるが、以前紹介した福島雅典教授や井上正康教授は、mRNAワクチンの弊害を最初から警告しており、充分な治験を経ずに一般国民への投与は危険であると述べていた。ところが、高橋教授は違う。彼は番組の中でワクチンの安全性を説き、「mRNAは凄く脆弱なんだよねぇ。常温で我々の体に入ると直ぐ無くなっちゃうだよ !」と教えていた。今でも同じ意見なのかは判らない。

  これは令和3年(2021年)の時点における、個人的な意見なので仕方ないが、高橋教授は第1回目のワクチン接種(2021年5月25日)を誇らしげに番組(第172回)内で述べていた。彼は自衛隊が行う大手町の接種会場に赴き、そこで“有り難い注射”を打ってきたという。第2回目の接種は2021年6月28日に行ったそうで、高橋教授は非常に上機嫌であった。二回も接種したから、「充分な抗体が出来たはず」と自慢し、「99%罹らない」と豪語していた。それに、周囲の者から聞く副反応被害と違って、高橋教授の副反応はそれほど酷くなかったから笑顔がこぼれる。本人曰く、「高齢者の副反応は弱い」そうだ。統計学や確率論に詳しい高橋教授は、新型ワクチンによる死亡確率を低く考えていた。たとえ因果関係があったとしても、リスクの確率をちゃんと計算すれば、死亡確率は“ほぼゼロ”と述べていた。

  ところが、2022年12月に放送された第653回の番組で、高橋教授は「流行病に罹りました」と視聴者に報告した。意気揚々の高橋教授は、2022年11月25日に第5回目のワクチン接種を行ったが、その後からちょっと体温が高くなり、体調不良を感じるようになったらしい。本人曰く、「喉の痛みはあったけど、熱が出なかったので放置していた。ひっとしたらコロナに罹ったのかも」とのこと。(Yahoo News、2022年12月12日)

  結局、高橋教授はレギュラー番組を欠席し、10日間の入院生活となってしまったが、その症状は軽く、色々と忙しかったので「よい休暇」みたいだ、と語っていた。病気に伏していたから本当に可哀想なんだけど、ぐったりと疲れた表情を見ると、以前の朗らかな笑顔が懐かしくなる。高橋教授は令和3年の動画を見直して、どんな感想をいだいたのか? 「99%罹らない」と安心していたが、残りの1%で感染するなんて本当に不運だ。まぁ、所詮ワクチン接種をしても、「感染する、しない」の確率はどちらも50%である。

  この時、意外だったのは、政府のウイルス感染症対策分科会の尾身茂(73歳)会長までもが、新型コロナ・ウイルスに感染していたことだ。尾身会長は喉の違和感を覚え、12月10日には軽度の倦怠感をも自覚したという。そして、12月12日にPCR検査を受けて陽性反応が出たらしい。(「尾身茂会長がコロナ感染 喉に違和感」産経新聞、2022年12月12日) そう言えば、岸田文雄首相も八月にウイルス感染をしていた。(「岸田首相、新型コロナに感染確認、政府発表」NHK News、2022年8月21日) 確か、岸田総理はテレビ・カメラの前でワクチン注射を受けていたはずだが、一体これはどうしたことなのか? なるほど、ワクチン接種のお陰で感染しても「重症化」とならず、恢復の早い「軽症」で済んだけど、実際は、感染したことで自然抗体が出来たんじゃないか? もしかすると、岸田総理は心の中で「自然免疫」を尊重しているのかも知れないぞ。

  普段は慎重な意見を吐く高橋教授なのに、なぜか遺伝子ワクチンに関しては楽観的だった。もしかすると、政府が「ビッグ・ファーマ(Big Pharma / 巨大な製薬会社)」と結んだ契約を見逃していたのかも知れない。あるいは、巷の「反ワクチン派」や「懐疑派」を「馬鹿な奴らだ」と思っていたのかも。科学知識を有する高学歴の知識人は、流言飛語に惑わされる大衆を心の底で笑っている。それゆえ、「反ワクチン派」を目にすると、“つい”無意識の本音が出てしまうのだ。日本の言論人は、欧米の巨大組織を怪しまず、国際企業が仕組む巧妙な計画にも疑問を抱かないから、案外、簡単に騙される。

  ちなみに、合衆国政府には「製薬会社絡み」の要人が少なくない。例えば、亡くなったジョージ・ハーバート・ウォーカー・ブッシュ元大統領は、「ザパタ石油(Zapata Petroleum Corporation)」の共同創設者として有名だが、このオイル・ビジネスマンは製薬業界にも脚を突っ込んでいた。政界に入った「ポピー(ブッシュの渾名)」は、一時期、大手製薬会社の「イーライ・リリー(Eli Lilly)」の重役を務めていたのだ。(Bruce Livine, 'Eli Lilly, Zyprexa & the Bush Family', Z Magazine, Vol. 17, 2004.を参照。)

  ブッシュ家とフォード政権の頃から仲良しのドナルド・ラムズフェルド(Donald H. Rumsfeld)元国防長官も、製薬業界のビジネスマンであった。彼は「ロケット屋」と揶揄されるように、軍事産業の代理人みたいに思われていたが、意外なことに製薬業界にも深く関わっていた。二回も国防長官を務めたラムズフェルドは、ギデオン・ダニエル・サール(Gideon Daniel Searle)が創設した「G.D. Searle & Co.」の経営に携わり、1977年から1985年まで同社のCEOを務めていたのだ。

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(左 :  ジョージ・ハーバート・ウォーカー・ブッシュ  / ドナルド・ラムズフェルド  /  ジョージ・シュルツ /  右 : キャスパー・ワインバーガー )

  また、ラムズフェルドは有名な製薬会社である「ギリアド社(Gilead Sciences, Inc.)」のCEOも務めていた。この「ギリアド社」は日本でも有名で、インフルエンザの特効薬として導入された「タミフル(Tamiflu)」の製造元だ。しかし、この新薬には幻覚作用があった。それゆえ、インフルエンザに罹っても、医者は独り暮らしの患者には処方しなかった。平成時代、主要メディアはがミフルを服用した子供の異常行動を取り上げたから覚えている人も多いだろう。10代の子供が建物から転落したり、飛び降りたりして死亡したんだから、報道を耳にした親達は非常に驚いていた。2007年当時、マスコミが騒いだのでタミフルの使用は一時停止されたが、その後、異常行動との因果関係が無いと解明され、2018年には使用制限措置は解除された。(でもギリアド社はタミフルで大儲けした。)

  レーガン政権で国務長官を務めたジョージ・シュルツ(George P. Shultz)も、1995年から2005年までギリアッド社の重役を務めていた。彼は元々経済学畑の学者で、MIT(マサチューセッツ工科大学)で経済学の博士号(PhD)を取得後、シカゴ大学で教授になっていた。ギリアッド社に勤める前はグローバルな総合建設会社である「ベクテル社(Bechtel Corporation)」の社長を務めていた。当時の副社長を務めていたのが、レーガン政権で国防長官になったキャスパー・ワインバーガー(Caspar W. Weinberger)であったから、アメリカ合衆国にもちゃんと「回転ドア」があるんだよねぇ~。

  このように、業界と癒着する政府高官を念頭に置くと、ロックフェラー財団が作成したした「パンデミックの未来予想」は、物凄く説得力がある。普通の日本人が財団によって発行された2010年の報告書、「技術の将来と国際発展のシナリオ(Scenario for the Future of Technology and International Development)」を読むと、「なんで、これほど正確な予測が出来たのか?」と驚いてしまうだろう。例えば、報告書の中では「世界規模の疫病」が蔓延することが想定され、最初の7ヶ月で全世界人口の20%が感染し、800万人が死亡すると予想されているのだ。(p.18.)

  また、先進国では国民の安全と安定性のため、いくつかの国家主権および国民のプライヴァシーが放棄される。パンデミックの世界になると、電車に乗ったりスーパーマーケットに入る時、国民にはマスクの装着や体温測定が義務化される。さらに、「生体認証のIDカード(biometric ID)」が発行され、行動規制も実施されてしまうのだ。(p.19.)

  まぁ、これは誰にでも予想できる事態なんだろう。もしかすると、ロックフェラー財団には優秀な科学者がいて、2019年の未来を予言できたのかも知れない。しかし、日本人だと無理。数多くの相談者を見てきた占い師の大御所、「新宿の母」でもビックリ仰天だ。日本の高校生や大学生は、たとえ疑問を抱いても、決して「ロックフェラーやウォール街の連中が、世界規模の疫病を仕組んだんじゃないか?」と口にしてはいけないよ。学校の先生から「陰謀論者」という烙印を押されてしまうから。

一方的な不平等契約

  日本政府は供給元のファイザー社やモデルナ社と如何なる契約を結んだのか、その内容を一般公開していないが、他国が結んだ契約内容を知れば、おおよその見当がつくはずだ。

  2021年7月、インターネット番組「ステュー・ピーターズ・ショウ」を主催するステュー・ピーターズ(Stew Peters )は、サイバー・セキュリティーの専門家であるエデン・ビーバー(Ehden Biber)をゲストに招いた。イスラエルのユダヤ人も遺伝子ワクチンに疑念を持っていたようで、「イスラエル・アンワイアード(Israel Unwired)」でキャスターを務めるアヴィ・アベロー(Avi Abelow)も、話題となったビーバー氏を招き、彼が公表した文書について尋ねていた。しかし、日本では一切報道されず、ワクチン懐疑派の「チャンネル桜」はもちろんのこと、高橋教授が度々出演する「文化人放送局」でも、ビーバー氏の暴露記事を伝えることはなかった。

  ピーターズ氏やアベロー氏が、なぜビーバー氏を招いたかといえば、それは彼がは自身のツイッターでブラジル政府やアルバニア政府がファイザー社と結んだ契約書の草案を暴露したからだ。この製薬会社はワクチンを求める政府に一方的な条件を突きつけ、有利な条件で販売契約を結んでいたという。

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(左 : ステュー・ピーターズ  / 中央 : エデン・ビーバー  /  右 : アヴィ・アベロー)

   「Great Game India」の報道によれば、消費者権利擁護団体である「パブリック・シチズン」は、リークされた売買契約書の驚くべき内容を発表していた。これにより、ファイザー社がどれ程その権力を利用して「リスクを転嫁し、利益を最大限」に謀っていたかが判明したそうだ。同報告書を執筆したザイン・リツヴィ(Zain Rizvi)氏は、「契約が一貫して、公衆衛生上の必要性よりも、ファイザー社の利益を優先している」と述べた。(“It’s As If Pfizer Would Ask United States To Put Grand Canyon As Collateral”– Secret Vaccine Contracts, ’Great Game India, October 20, 2021.)しかし、ファイザー社のスポークスマンを務めるシャロン・カスティリョ(Sharon Castillo)氏は、こんな機密条項など商業ベースの契約では一般的であると言い張った。

  ファイザー社は緊急事態に直面した外国政府を見透かしたのか、その弱みにつけ込んで極端な要求すら押しつけたそうだ。例えば、ブラジル、チリ、コロンビア、ドミニカ共和国は自国の資産を守ることに苦慮した。なぜなら、ファイザー社は裁判沙汰を予想していたので、「もしもの時」の為に訴訟費用の補償を政府に求めていたからだ。製薬会社はその担保として、現地の軍事基地や大使館などを担保(抵当)に入れるよう求めていた。しかし、担保物件を嫌がる各国政府は、貴重な財産を取られないよう免責措置の準備を整えていたという。ファイザー社のスポークスマンは否定したが、同社は新型ワクチンによる薬害を予想していたから、自社の免責条項を政府に認めさせ、損害賠償の責任を購入者に転嫁したんじゃないか?。

  菅内閣や岸田内閣は、機密協定を理由にして契約内容の公開を拒んだが、おそらく日本政府もブラジルやアルバニアと似たような条件で契約を結んだはずだ。たぶん、大規模な薬害訴訟となれば、日本政府が被害者側に賠償金を支払う破目になるだろう。一方、製造元のファイザー社やモデルナ社は、契約書に盛り込まれた「免責条項」を楯にして、「一銭も払わない」という仕組みを作っている。もし怒り狂った国民が集団訴訟を起こせば、焦った政府は渋々でも薬害を認めてしまうだろう。

  しかし、その金額が幾らになるのか、誰にも想像がつかない。たぶん、賠償金が何兆円になろうとも、その資金は一般国民が負担することになる。この慰謝料はめぐり巡って、「被害者の家族が納める税金から」という場合も想定されるので、「右のポケットから取られた金銭が、左のポケットに戻ってくる」という図式も考えられる。間接税で徴収されれば、一般国民は気づかない。

  そもそも、2兆4千億円もの購入契約が“秘密の取り決め”になっていること事態がおかしいじゃないか ! ファイザー社は合衆国政府に対しても、「契約内容は75年間非公開にする」と求めたらしい。こうした話を聞けば、「日本政府はどんな特約を飲まされたのか?」と国民は不安になる。2021年当時、田村憲久・厚労大臣も「機密事項」があるので、ワクチンの契約に関しては詳しく説明できないと述べていた。製薬会社は新薬の販売でボロ儲けしたのに、その責任を一切負わずに「さよなら、バイバイ!」なんてズルい。情報開示が数十年後となれば、薬害に遭った高校生や大学生は、70歳か80歳になってから真実を知ることになる。ということは、その間、ずっと謎の後遺症を抱えたまま、政府の情報開示を待つ、ということだ。若い息子や娘を持つ親は、こんな契約を了解できるのか?

  日本人の大半は製薬会社と政府を信じて「ワクチン賛成派」となっているが、秘密の契約となれば、賛成派の国民だって何となく怪しく思ってしまうだろう。もし、トヨタや日産が生産した自動車に責任を持たず、何らかの構造的缼陥(けっかん)を知りつつ販売したら、一般購入者はどう思うのか? そして、缼陥による事故が起きても自動車会社が損害賠償に応じず、政府が税金を使って賠償金を払ったら、マスコミや世間は「なぜ役所が支払うんだ!?」と大騒ぎになるだろう。

大量廃棄された期限切れワクチン

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  今のところ、遺伝子ワクチンに疑念を抱く一般人は、政治家やマスコミだけじゃなく、医療従事者や科学者からも馬鹿にされることが多い。例えば、ワクチン接種を熱心に宣伝する村中璃子(むらなか・りこ)医師は、“有効なワクチン”に懸念を示し、それを拒む人々を手厳しく批判した。彼女はパンデミックの収束が遅れたことに腹を立てたのか、「反ワクチンはゴキブリと同じですね」とツイッターに書き込んでいた。(2021年5月7日) このゴキブリ供は「きっと人類が滅びる時まで生き残るけど、人類には百害あって一利なし」であるという。

  ところが、村中医師は4回目の接種を取りやめたという。理由は有料ブログで説明したというから、一般人にはよく分からない。でも、毎回のワクチン接種を諦めた村中医師は、期限切れで廃棄されるワクチンを知って「もったいない !」と呟いていた。(2022年2月11日) それなら、4回目を辞退しないで友人と一緒に貴重な御注射を打てばいいのに・・・。

  とはいえ、こうした高額のワクチンが大量に廃棄されたというから、専門家だけじゃなく一般国民も驚く。 例えば、東京の品川区では約6万回分、大阪市では約8万5000回分、広島市では約7万回分が廃棄されたそうだ。東京新聞は以下のように伝えていた。
          
    政府は約2兆4000億円の予算を組み、米ファイザーやモデルナなど4社と計8億8200万回分のワクチン供給契約を結んできた。仮に接種対象となる5歳以上の全国民およそ1億2000万人が、規定の2〜4回接種しても4億回分以上が余る量だ。このうち4000万回分を購入キャンセルし、6000万回分は海外供与に回したが、3億回分は宙に浮いた形。流通経費を含めた単純計算で、少なくとも数千億円規模の公費が無駄になる可能性がある。

  なぜこれほど大量の契約を結んだのか。厚生労働省は、ワクチンの開発段階から激化していた国際的な獲得競争を挙げる。「どのメーカーがいち早く開発に成功するか、どれだけ確保できるのか。あらゆる可能性を見越して各社と交渉を重ねた。足りないということは避けなければならなかった」と担当者は釈明する。 (佐藤航「ワクチン使いきれずに大量廃棄 国の調達や配分に疑問の声も 参院選で論戦みられず」東京新聞、2022年7月7日)

   宮城県では2022年9月26日時点で、ファイザー社やモデルナ社のワクチンが、市町村保管分を合わせて、約50万回分の在庫があると推計した。ところが、1~2回目接種の予約は月に約1千件程度しか入っていない。担当者は「今後、大半が廃棄になる見通し」と話していた。(「従来型ワクチン、期限切れで大量廃棄へ 政令市の在庫220万回分」朝日新聞、2022年10月5日) 

     当時、NHKも3回目のワクチン接種を進めている、20の政令指定都市や東京23区を取材したそうだ。その結果、有効期限を迎えるモデルナ社のワクチンのうち、使用のめどが立たず廃棄されるものが数多くあったらしい。少なくとも、5つの自治体で合計10万2,290回分にのぼることが判明した。具体的には以下の通り。

  ▽大阪市のおよそ8万回分
  ▽東京 中野区で1万3935回分
  ▽目黒区でおよそ6000回分
  ▽文京区で1575回分、
  ▽杉並区で780回分
 (「なぜ?新型コロナワクチン 期限切れ廃棄 次々と明らかに」NHK News 、2022年4月28日) 

  心配性の地方自治体は、大勢の住民が押し寄せた時、ワクチン不足とならぬよう充分な数を確保していた。ところが、いざ3回目の接種となるや、会場に訪れる人がまばらで、待ち構えていた職員はガッカリ。さすがに、一般国民も副反応を2回も経験すれば、「また、あの苦しみを味わうのか? じゃあ、3回目はいいかなぁ~」と考えてしまう。何しろ、変異株が流行する度に痛いワクチン注射じゃ、「何回打てば終わりになるの?」と訊きたくなる。 

  日本人の大半は地上派テレビしか観ない「お花畑」の住人だ。ワクチン接種を3回も受けた一般国民などは、見るからに不憫である。そんな庶民も最近の週刊誌を読めば、「えっっえぇ~! 何それ !!」とビックリするだろう。今頃になってワクチンの危険性を報告されたって、一般国民はどうすることもできない。「もう手遅れかも・・・、どうしょう?!」と嘆いて諦めるのが関の山だ。以前、厚労大臣の田村憲久が、接種(or副反応)による死亡の場合、国の予防接種健康被害救済制度で一時金が支払われると述べていたが、本当にそうなのか? 田村大臣は医療機関による過失の有無にかかわらず、接種がもとで死亡した場合、遺族に対して4,420万円が支払われると説明した。その他、葬祭料として20万9千円も給付されるそうだ。(小林豪「ワクチン接種で死亡したら4420万円支払い」朝日新聞、2021年2月19日)

  しかし、こんな答弁は信用できない。厚労省は「払う」と言っていたが、ワクチン接種と死亡における因果関係が明らかになるまで、絶対に支払うことはないだろう。つまり、死亡原因が“厳密な調査”で確認されるまで、国庫からの賠償金は滞る、ということだ。もしかすると、被害が認定されて賠償金が支払われるまで、数年ないし数十年の月日がかかるのかも。接種後に両脚が麻痺して、ちゃんと歩けない人もいるのに、その生活を何年も続けるなんて耐えられない。その間、旅行やスポーツはお預けだ。20代や30代の若者は、じっと待ち続けるのか?

  村中医師から見れば、一度もワクチン接種を受けていない筆者など、「ゴキブリ並みの平民」なんだろうが、不思議なことに何十年も肺炎に罹らず健康状態にある。ウイルス感染しても軽症で済んだ人は、たまたま「良いロット」に当たっただけかも知れないぞ。もちろん、遺伝子ワクチンが「有り難い新薬」の可能性もあるだろう。しかし、今のところは丁半博打と同じだ。重症化したり後遺症で苦しむ者は、賭けに負けてしまった「不運な人」ということになる。

  とにかく、日本政府のワクチン行政は呆れるほど酷い。日本国民全体をモルモットにした「人体実験」なのに、製薬会社は治験データを公表しないし、厚労省も被害状況やその調査内容を頑なに隠している。ワクチン接種の賛成派は、頑固な反対派を「無知蒙昧の輩」と思っているが、アホな「陰謀論者」を笑う前に、製薬会社と政府に対し強く情報公開を迫るべきだろう。



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